JP6889899B2 - 食器洗浄機及び洗浄状態の評価方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、上記自動食器洗浄機用洗浄剤は、脂質とタンパク質とが複合し、乾燥して食器表面に強固に固着している汚れに対して優れた洗浄性能を示すと記載されている。
しかし、実際の飲食店では、店舗によって汚れの量や質が異なったり、地域によっては食器洗浄機に使用する水の硬度成分が異なったりし、上記洗浄剤組成物が最適な条件で使用されていない場合があった。このような理由から、食器に付着した汚れが充分に洗浄できていないという問題が生じることがあった。
このように食器に汚れが残る場合には、洗浄液の成分を調整する必要があった。
第1の汚れ定量値及び第2の汚れ定量値の算出は機械的に行うので、洗浄後の洗浄対象物に残る汚れを画一的に評価することができる。
また、この評価により、使用する洗浄剤組成物の組成や使用量が最適であるかどうかを判断することもできる。
汚れを2値化することにより、洗浄対象物に付着した汚れの残り具合の評価が容易になる。
汚れを明度で階調化することにより、洗浄対象物に付着した汚れの残り具合を詳細に評価することができる。
本発明の食器洗浄機が、汚れ検出試薬付与機構を備えると、汚れ検出試薬を用いることにより、通常は検出しにくい汚れも検出することができる。
また、第1の汚れ定量値及び第2の汚れ定量値をより正確に算出することができる。
クルクミン水溶液は、油脂汚れを検出することができる。また、アミドブラック水溶液とニンヒドリン水溶液は、タンパク質汚れを検出することができる。ヨウ素水溶液はでんぷん汚れを検出することができる。
これらの汚れを検出することにより、どの種類の汚れが食器に残りやすいかを評価することができる。
上記第1の汚れ定量値及び上記第2の汚れ定量値から、上記洗浄対象物に付着した汚れの残り具合を評価する評価工程とを有することを特徴とする。
このような評価方法を行うことにより、洗浄後の洗浄対象物に残る汚れを画一的に評価することができる。
第1の汚れ定量値及び第2の汚れ定量値の算出は機械的に行うので、洗浄後の洗浄対象物に残る汚れを画一的に評価することができる。
図1(a)に示すように、本発明の第1実施形態に係る食器洗浄機1は、洗浄槽10と、洗浄水を洗浄槽10に供給する洗浄水供給ポンプ21と、洗浄水の供給口である上ノズル22a及び下ノズル22bと、洗浄剤組成物を貯蔵する洗浄剤組成物用タンク23と、洗浄剤組成物用タンク23から洗浄槽10に洗浄剤組成物を供給する洗浄剤組成物供給ポンプ24と、洗浄剤組成物の供給口である洗浄剤組成物供給口25と、洗浄槽10から洗浄水供給ポンプ21に洗浄水及び洗浄剤組成物を回収するための回収管26と、洗浄水及び洗浄剤組成物を洗浄槽10から外部に排出するための排水管27とを備えている。
また、電子計算機60は、第1の汚れ定量機構、第2の汚れ定量機構及び評価機構の機能を備えている。
第1の汚れ定量値及び第2の汚れ定量値の算出は電子計算機60により機械的に行うので、洗浄後の洗浄対象物2に残る汚れを画一的に評価することができる。
クルクミン水溶液は、油脂汚れを検出することができる。また、アミドブラック水溶液とニンヒドリン水溶液は、タンパク質汚れを検出することができる。ヨウ素水溶液はでんぷん汚れを検出することができる。
これらの汚れを検出することにより、どの種類の汚れが食器に残りやすいかを評価することができる。
食器洗浄機1において、汚れの定量値の算出方法は特に限定されないが、例えば、汚れを2値化して定量値を算出してもよく、汚れを階調化して定量値を算出してもよい。
図2(a)は、付着した汚れを2値化した洗浄前の洗浄対象物の一例を模式的に示す模式図である。図2(b)は、付着した汚れを2値化した洗浄後の洗浄対象物の一例を模式的に示す模式図である。
次に、電子計算機60により第1の画像の各画素の明度を算出する。そして、図2(a)に示すように、所定の明度α以上である領域をA1と判定し、所定の明度α未満である領域をA2と判定し、A2の画素数を算出する。A2の画素数が、第1の汚れ定量値Aである。
次に、電子計算機60により第2の画像の各画素の明度を算出する。そして、図2(b)に示すように、所定の明度α以上である領域をB1と判定し、所定の明度α未満である領域をB2と判定し、B2の画素数を算出する。B2の画素数が、第2の汚れ定量値Bである。
そして、第1の汚れの定量値Aと、第2の汚れの定量値Bとの差から、あらかじめ設定した評価基準に基づき、洗浄対象物2に付着した汚れの残り具合を電子計算機60により評価する。
なお、図2(a)及び(b)中、網線部分は、第1の画像及び第2の画像の洗浄対象物2以外の領域であり、第1の汚れ定量値A及び第2の汚れ定量値Bの計算に考慮しない領域である。第1の画像及び第2の画像において、第1の汚れ定量値A及び第2の汚れ定量値Bの計算に考慮しない領域は、電子計算機60により判定することができる。
図3(a)は、付着した汚れを明度で階調化した、洗浄前の洗浄対象物の一例を模式的に示す模式図である。図3(b)は、付着した汚れを明度で階調化した、洗浄後の洗浄対象物の一例を模式的に示す模式図である。
次に、図3(a)に示すように、電子計算機60により第1の画像の各画素の明度を0〜255の数値に階調化する。そして、各画素の明度の数値を足し合わせ、第1の汚れ定量値Cとする。
次に、図3(b)に示すように、電子計算機60により第2の画像の各画素の明度を0〜255の数値に階調化する。そして、各画素の明度の数値を足し合わせ、第2の汚れ定量値Dとする。
そして、第1の汚れの定量値Cと、第2の汚れの定量値Dとの差から、あらかじめ設定した評価基準に基づき、洗浄対象物2に付着した汚れの残り具合を電子計算機60により評価する。
なお、図3(a)及び(b)中、網線部分は、第1の画像及び第2の画像の洗浄対象物2以外の領域であり、第1の汚れ定量値C及び第2の汚れ定量値Dの計算に考慮しない領域である。第1の画像及び第2の画像において、第1の汚れ定量値C及び第2の汚れ定量値Dの計算に考慮しない領域は、電子計算機60により判定することができる。
まず、上記汚れを階調化して定量値を算出する場合の第1例と同様に、画像取込機構50により洗浄前後の洗浄対象物2を撮影し、第1の画像及び第2の画像を取り込み、第1の画像の各画素の明度を0〜255の数値に階調化し、第2の画像の各画素の明度を0〜255の数値に階調化する。
次に、電子計算機60において、第1の画像の洗浄対象物2の位置と、第2の画像の洗浄対象物2の位置とが一致するように、第1の画像と第2の画像とを重ね合わせる。これにより、第1の画像の各画素と第2の画像の各画素との対応関係を決定する。
次に、第2の画像の各画素における各明度の値から、対応する第1の画像の各画素における各明度の値を引き、各画素の明度の差分値とする。
次に、各画素の明度の差分値を足し合わせた値から、あらかじめ設定した評価基準に基づき、洗浄対象物2に付着した汚れの残り具合を電子計算機60により評価する。
なお、本例においては、第1の画像の各画素の明度が第1の汚れ定量値であり、第2の画像の各画素の明度が第2の汚れ定量値である。
さらに、このような評価に基づき、使用する洗浄剤組成物の量や、成分を調整することにより、最適な洗浄条件を設定することができる。
このような洗浄対象物の洗浄状態の評価方法は、本発明の評価方法であり、以下の工程を含むといえる。
すなわち、本発明の洗浄対象物の洗浄状態の評価方法は、洗浄前の洗浄対象物で撮影し、撮影した画像を第1の画像としてデジタルデータで取り込む第1の画像取込工程と、洗浄後の上記洗浄対象物を撮影し、撮影した画像を第2の画像としてデジタルデータで取り込む第2の画像取込工程と、上記第1の画像から洗浄前の上記洗浄対象物に付着した汚れを定量し、第1の汚れ定量値を算出する第1の汚れ定量工程と、上記第2の画像から洗浄後の上記洗浄対象物に付着した汚れを定量し、第2の汚れ定量値を算出する第2の汚れ定量工程と、上記第1の汚れ定量値及び上記第2の汚れ定量値から、上記洗浄対象物に付着した汚れの残り具合を評価する評価工程とを有することを特徴とする。
本発明の食器洗浄機は、洗浄対象物をすすぐためのすすぎ機構を有していてもよい。
すすぎ機構としては、すすぎ水を貯蔵するすすぎ水貯蔵容器や、すすぎ水を洗浄槽に供給するすすぎ水供給ポンプ等があげられる。また、すすぎ水は、外部の配管から直接取り入れてもよい。
この場合、食器洗浄機において、固体洗浄剤組成物と水とから液体洗浄剤組成物を作製することになる。
食器洗浄機にて液体洗浄剤組成物を作製する方法としては、例えば、外部の配管等から水を取り入れ、この水を洗浄剤組成物用タンク23に噴霧することにより固体洗浄剤組成物を溶解させる方法があげられる。
また、固体洗浄剤組成物と水とから液体洗浄剤組成物を作製する場合、水の温度は、特に限定されず、常温であってもよく、お湯であってもよい。
特に、本発明の食器洗浄機がコンベアタイプの食器洗浄機である場合、コンベアの入り口及びコンベアの出口に、それぞれ、第1の画像取込機構及び第2の画像取込機構が設置されていると、効率よく第1の画像及び第2の画像を取り込むことができる。
また、この場合、本発明の食器洗浄機は、エネルギー線照射機構を備えることが望ましい。
例えば、全体的に汚れが落ちていない場合には、洗浄剤組成物の含有量が少ない旨を表示し、油脂汚れが充分に落ちていない場合には、界面活性剤が不足している旨を表示し、タンパク質汚れが充分に落ちていない場合には、pHを高くする必要がある旨を表示する等である。
このような表示機能があることにより、作業者は、最適な洗浄条件を検索しやすくなる。
食器洗浄機がこのような機構を備えることで、自動的に洗浄条件を最適にすることができる。
2 洗浄対象物
10 洗浄槽
21 洗浄水供給ポンプ
22a 上ノズル
22b 下ノズル
23 洗浄剤組成物用タンク
24 洗浄剤組成物供給ポンプ
25 洗浄剤組成物供給口
26 回収管
27 排水管
40 汚れ検出試薬付与機構
50 画像取込機構
60 電子計算機
Claims (6)
- 洗浄対象物を洗浄液により洗浄する食器洗浄機であって、
洗浄前の前記洗浄対象物を撮影し、撮影した画像を第1の画像としてデジタルデータで取り込む第1の画像取込機構と、
洗浄後の前記洗浄対象物を撮影し、撮影した画像を第2の画像としてデジタルデータで取り込む第2の画像取込機構と、
前記第1の画像から洗浄前の前記洗浄対象物に付着した汚れを明度で階調化して定量し、第1の画像の各画素の明度である第1の汚れ定量値を算出する第1の汚れ定量機構と、
前記第2の画像から洗浄後の前記洗浄対象物に付着した汚れを明度で階調化して定量し、第2の画像の各画素の明度である第2の汚れ定量値を算出する第2の汚れ定量機構と、
前記第1の画像の洗浄対象物の位置と、前記第2の画像の洗浄対象物の位置とが一致するように、第1の画像と第2の画像とを重ね合わせることにより、第1の画像の各画素と第2の画像の各画素との対応関係を決定し、第2の画像の各画素における各明度の値から、対応する第1の画像の各画素における各明度の値を引き、各画素の明度の差分値とし、各画素の明度の差分値を足し合わせた値から、前記洗浄対象物に付着した汚れの残り具合を評価する評価機構とを備えることを特徴とする食器洗浄機。 - 前記汚れ検出試薬は、クルクミン水溶液、アミドブラック水溶液、ニンヒドリン水溶液、及び、ヨウ素水溶液からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の食器洗浄機。
- 前記第1の汚れ定量機構、及び、前記第2の汚れ定量機構は、油脂汚れ、タンパク質汚れ、及び、でんぷん汚れからなる群から選択される少なくとも1種の汚れを定量する請求項1又は2に記載の食器洗浄機。
- 前記洗浄対象物に汚れ検出試薬を付与する汚れ検出試薬付与機構を備える請求項1〜3のいずれかに記載の食器洗浄機。
- 洗浄前の洗浄対象物を撮影し、撮影した画像を第1の画像としてデジタルデータで取り込む第1の画像取込工程と、
洗浄後の前記洗浄対象物を撮影し、撮影した画像を第2の画像としてデジタルデータで取り込む第2の画像取込工程と、
前記第1の画像から洗浄前の前記洗浄対象物に付着した汚れを明度で階調化して定量し、第1の画像の各画素の明度である第1の汚れ定量値を算出する第1の汚れ定量工程と、
前記第2の画像から洗浄後の前記洗浄対象物に付着した汚れを明度で階調化して定量し、第2の画像の各画素の明度である第2の汚れ定量値を算出する第2の汚れ定量工程と、
前記第1の画像の洗浄対象物の位置と、前記第2の画像の洗浄対象物の位置とが一致するように、第1の画像と第2の画像とを重ね合わせることにより、第1の画像の各画素と第2の画像の各画素との対応関係を決定し、第2の画像の各画素における各明度の値から、対応する第1の画像の各画素における各明度の値を引き、各画素の明度の差分値とし、各画素の明度の差分値を足し合わせた値から、前記洗浄対象物に付着した汚れの残り具合を評価する評価工程とを有することを特徴とする洗浄対象物の洗浄状態の評価方法。 - 前記洗浄対象物に汚れ検出試薬を付与する汚れ検出試薬付与工程を有する請求項5に記載の洗浄対象物の洗浄状態の評価方法。
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