JP6888235B2 - 原子時計およびそれを用いた磁界強度計 - Google Patents

原子時計およびそれを用いた磁界強度計 Download PDF

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Description

この発明は、コヒーレントポピュレーショントラップ(CPT)共鳴を利用した原子時計において、基準発振器からの時計信号を基に生成された信号の上記CPT共振の共鳴線へのロックレンジを拡大した原子時計およびそれを用いた磁界強度計に関する。
CPT(Coherent Population Trapping)の原子時計は、基準信号発生器デバイスとして既に市販されたものがあり、コンパクトな周波数リファレンスとして魅力的である。CPT原子時計は、高性能の水晶振動子を用いた局部発振器(LO)からのクロック信号を基準信号に用いた周波数シンセサイザーの出力信号を、アルカリ金属原子のCPT共鳴にレーザ光を介してロックすることで、上記LOのクロック信号を安定化するものである。
この原子時計の運用上の問題は、上記CPT共鳴の線幅がLOの周波数許容偏差(例えば、水晶発振器における周波数許容偏差は10ppmオーダである)よりもずっと狭いということである。このような不一致により、当初の上記ロックには長い周波数掃引時間が必要となり、また、電磁ノイズ、熱揺らぎ、機械的衝撃などの弱い外乱によってLOの周波数が容易にロック解除されてしまう、等の問題が生じている。この不一致を解決するために、上記レーザ光の強度を調整することによってCPT共鳴線幅を広げたり、精密な制御およびスクリーニングによってLOの周波数許容偏差の仕様を厳しくしたりすることが行われる。しかしながら、前者の解決策は、共鳴線形状が急峻でなくなるために短期間の周波数安定性を劣化させることになり、後者の解決策では、安定化のための付加装置や付加回路が必要となり、消費電力とトータルコストが増加してしまう。
そこで、本発明は、CPT共鳴を検出するために位相変調(PM)を用い、また、ロックレンジを最適化するために適度な磁界を印加することを提案している。
この様な提案にたいしては、次の様な技術が既に開示されている。
特許文献1(米国特許出願公開第2009/0289728号明細書)には、CPT共鳴を検出するために位相変調波をVCSELレーザダイオードに印加して得られたレーザ光をCPT共鳴の検出に用いる構成が開示されている。なお、この際の変調信号の周波数は、約100Hzから約1KHzの低周波である。
また、特許文献2(特表2007−527994号公報)には、CPT共鳴の共鳴線の波形改善処理をゼーマン効果を用いて行うことが開示されている。この改善処理は、例えばルビジウムやセシウムなどのアルカリ金属原子で、プローブ光として用いる変調されたレーザ光に平行な磁界が印加されることで引き起こされたゼーマン効果によるものである。
米国特許出願公開第2009/0289728号明細書 特表2007−527994号公報 特開2004−96410号公報
E. D. Black, "An introduction to Pound-Drever-Hall laser frequency stabilization," American Journal of Physics 69, 79-87(2001). Y. Yano, S. Goka, and M. Kajita, "Estimation of the light shift in Ramsey-coherent population trapping," in International Frequency Control Symposium 63 the European Frequency and Time Forum (PCS), 2015 Joint Conference of the IEEE (IEEE, 2015)pp. 162-166. Y. Yano, W. Gao, S. Goka, and M. Kajita, "Theoretical and experimental investigation of the light shift in ramsey coherent population trapping," Physical Review A 90, 013826 (2014).
Λ型CPT共鳴を用いる原子時計において、周波数ロックレンジを拡大するためにCPT共鳴の検出に位相変調を用い、また、ロックレンジの最適化するために適度な磁界を印加する。
本発明の原子時計は、アルカリ金属原子の2つの基底準位と1つの励起準位間のΛ型CPTを用い、上記基底準位間のエネルギー差に相当する遷移周波数を用いて高周波信号源の生成する高周波信号の周波数を安定化し、該高周波信号に同期した信号を出力する原子時計であって、
変調されたレーザ光を発するレーザ光源と、少なくとも上記アルカリ金属原子の入った光吸収セルと、該光吸収セルを透過した光を検出する光検出器と、上記レーザ光源から各上記基底順位と励起準位間の2つの遷移周波数の平均周波数のレーザ光を発生させるレーザ波長安定化手段と、上記高周波信号の周波数を上記遷移周波数にロックする時計用帰還回路と、を備え、
上記変調されたレーザ光は、上記レーザ波長安定化手段の出力信号と上記高周波信号を参照信号で位相変調した位相変調高周波信号との合成信号で変調したレーザ光であり、
上記時計用帰還回路は、上記変調されたレーザ光を上記光吸収セルに照射しその透過光を上記光検出器で検出し、その検出信号の同期検波を上記参照信号を用いて行い、該同期検波の出力を用いて上記高周波信号源に帰還をかける帰還回路であり、
さらに、上記光吸収セルに磁界を印加するための磁界発生手段を備え、
上記磁界によるゼーマンシフトが、上記時計用帰還回路の参照信号の周波数以上であり、該周波数の2倍以下となる磁界強度であることを特徴とする。
上記高周波信号源は、基準信号源と該基準信号源からの基準信号を基に高周波信号を生成する高周波信号生成器とを備えるものであり、
上記高周波信号源への上記帰還は、上記基準信号の周波数を変化させる帰還であり、
上記高周波信号生成器において上記位相変調高周波信号を生成するものである。
また、上記レーザ波長安定化手段は、比較的低周波域で変動する電流信号と比較的高周波域で変動するレーザ波長安定化用参照信号との合成信号を出力するものであり、
上記光検出器からの検出信号のレーザ波長安定化用同期検波を上記レーザ波長安定化用参照信号を用いて行い、
上記レーザ波長安定化用同期検波の出力を上記電流信号の調整に帰還するものである。
また、上記光吸収セルの温度を所定の温度に保持する保温手段と、
上記光吸収セルの構造に起因する上記遷移周波数のずれ分を補正して、上記基準発振器の発振周波数を補正する補正手段と、を備えるものである。
また、上記磁界発生手段による磁界の強度分布は、単調な勾配をもったものである。
また、上記同期検波を、上記参照信号の自然数倍の周波数の信号を新たな参照信号に用いて行うものである。
また、本発明は、上記の原子時計において、
上記基底準位がゼーマンメインレベルに属するものである第1時計遷移周波数と、
上記基底準位がゼーマンサブレベルに属するものである第2時計遷移周波数と、の差から磁界強度を導出するものである。
その他、以下に示す特徴を持ったものでもよい。
例えば、上記レーザ光源は、垂直共振器面発光レーザを備えたものである。
また、例えば、上記アルカリ金属原子は、ナトリウム、カリウム、ルビジウムあるいはセシウムのいずれかの原子を含むものである。これらの原子では、Λ型のCPT共鳴に用いるエネルギー準位を持つが、目的とするCPT共鳴線の検出が妨害を受けない範囲において、不純物を含む場合でも用いることができる。
また、例えば、上記磁界発生手段は、永久磁石を用いて構成することもできる。永久磁石を用いることによって、コイルを駆動するための引き出し線による寄生磁界の発生を避けることができる。
Λ型CPT共鳴を用いる原子時計において、CPT共鳴線へのロックレンジが拡大され、クロック信号が安定化されるまでの時間を短縮する改善が可能になる。
PMとFMのCPT共鳴の誤差信号の数値計算結果を示す図で、実線と破線とは、それぞれPMとFMの各場合の誤差信号を示し、挿入図は、信号の振幅−周波数特性を示す。点A(270Hz)とB(100kHz)はそれぞれPMとFMの動作点である。 本発明の原子時計の実施例を示すブロック図である。 1次のゼーマン効果の磁界強度依存性の計算結果を示す図で(a)から(c)へと磁界強度を増加したものである。 PMとFMの各場合の誤差信号で、(a)10μTのバイアス磁界を印加した場合のPM計算結果、(b)FMによる場合の計算結果、(c)PMによる場合の実験結果、(d)FMによる場合の実験結果で10μTのバイアス磁場が印加されたときにFMで測定したもの、を示す図である。 アラン分散を示す図で、円形ドットと三角形ドットはそれぞれPMとFMの場合のCPT原子時計のもので、四角形ドットはフリーランLOのものである。 磁界強度計を構成するための図2における置換え部分を示すブロック図であり、図2のブロック図におけるレーザ光源32をレーザ光源33へ、光学系40、CPT部50および光検出器60からなる部分をセンサーヘッド部80で置き換えることを示す図である。
まず、本発明の原理について以下に説明する。
CPT共鳴について、多くの研究者によって、レーザキャビティ内のPMおよびFMの場合の誤差信号の特性が報告されている。この誤差信号は、CPT共鳴を得るための帰還回路における帰還信号である。例えば、非特許文献1で報告された方程式を用いて、レーザキャビティと原子コヒーレンス(原子の双極子振動)との類推から、感受性χの共鳴点に近いPMとFMの各場合の上記の誤差信号εPMとεPMは、次式で表わされる。
Figure 0006888235
ここで、K、δおよびωmodは、側波帯強度、周波数離調および変調周波数で一定である。
CPT共鳴線を線幅2γのローレンツ関数として近似し、上記式にωmod=γを代入すると、以下の関係が得られる。
Figure 0006888235
数2の(3)、(4)から、PMの場合の誤差信号は、共鳴点から外れた(δ/γ>1)場合、FMの場合よりも強く、共鳴点付近(δ/γ<1)ではPMとFMの各場合の誤差信号は重なっていると解釈される。
任意の周波数範囲の誤差信号については、量子力学的に遷移確率を計算する必要があるために、修正固有ベクトルアルゴリズムを用いた密度行列解析に基づく計算プログラムを開発して数値計算によって求めた。この方法では、光強度および緩和速度などのいくつかの実用的パラメータを考慮することができる。計算には、2つの基底状態とそれに共通の励起状態を有するΛ型3準位モデルを採用した。87Rbでは、51/2状態で2つの基底状態がF=1、m=0、F=2、m=0に対応し、励起状態は51/2状態に対応する。ここで、全放射率は、4.0kPaの圧力で緩衝ガスに窒素を用いて87Rbセルの吸収線から得た490MHzに設定した。誤差信号は、CPT共鳴の時間応答の高速フーリエ変換(FFT)によるものである。この、計算モデルとアルゴリズムの詳細については、非特許文献2、3に記載されている。
図1にPMとPMのCPT共鳴の誤差信号の数値計算の結果を示す。実線と破線とは、それぞれPMとFMの各場合の誤差信号を示す。その中の挿入図は、変調周波数fmod(=ωmod/2π)に対するCPT共鳴の信号振幅の依存性を示している。FMを使用する場合、信号振幅はカットオフ特性を有し、CPT共鳴の線幅が限られているため、減少の傾きは−20dB/decであった。これと対照的に、PMを使用する場合、信号振幅の変調周波数特性は帯域通過特性類似の形状を有している。信号は、fmodがγ/2πに近いときに上昇し、光学遷移の線幅ΓのΓ/2πの緩和速度までその値を維持した。したがって、PMを使用すると、γ/2π以上の高い変調周波数を使用して、CPT共鳴を検出することができる。FMの場合、基底状態間の分布密度遷移が摂動を受け、レーザ強度の変化として検出される。ΡMの周波数応答は、分布密度遷移の速度によって制限された。CPT共鳴は、PMの場合、基底状態間のコヒーレンスを見るためのレーザ光の干渉を用いて検出された。したがって、分布密度遷移はPMのもとでは無効であり、このため高速応答が達成された。図1の挿入図でA点とB点における数値計算による誤差信号を示している。各点A(PM)およびB(FM)の周波数は、それぞれ100kHzおよび270Hzである。この図から、PMとFMの傾きが遷移周波数(δ/γ〜0)付近で重なっていても、大きな離調(δ/γ>1)を持つPMでは大きな誤差信号が得られることが確認された。
この結果は数2の(3)、(4)から得られる知見とよく一致し、PMはクロックの短期安定性を劣化させることなくLOの周波数許容偏差を緩和できることを示している。これは、CPT原子時計のコスト、電力消費またはパッケージサイズを低減するのに非常に魅力的である。
図2に本発明の原子時計の実施例を示す。この原子時計は、アルカリ金属原子の2つの基底準位と1つの励起準位間のΛ型CPTを用い、上記基底準位間のエネルギー差に相当する遷移周波数を用いて基準発振器の発振周波数を安定化する原子時計であって、レーザ光を発するレーザ光源32と、少なくとも上記アルカリ金属原子の入った光吸収セル51と、該光吸収セルを透過した光を検出する光検出器60と、上記レーザ光の波長を掃引して上記基底準位の各々から上記励起準位への遷移周波数の平均値にロックするレーザ波長安定化調整手段10と、上記基準発振器の発振周波数を上記エネルギー差に相当する周波数にロックする時計用帰還回路部20と、を備えるものである。
レーザ光源32にはシングルモードVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER(垂直共振器面発光レーザ)、Vixar Inc.、P / N:I0-0795S-0000-B005)を用いた。このVCSELのレーザ波長は795nmであり、87Rb−D1線に相当する。また、このVCSELは、上記レーザ波長を安定化させるための第1帰還回路で上記レーザの電源として用いる1.0mAの直流注入電流源11からの電流と、基準信号を出力する水晶発振器25の発振周波数を安定化させるための時計用帰還回路部20に用いる信号で周波数がクロック遷移周波数の半分であるRF信号と、によって駆動される。レーザ波長は、VCSELの温度およびレーザ波長安定化調整手段10を用いて上記電流源11からの注入電流を制御することによってRb吸収線の波長に同調させた。そのレーザ光は、光学系40の偏光板41と四分の一波長板42で円偏光に変換された。レーザ光源32から偏光が出力される場合は、偏光板41は省略することができる。信号発生器の出力パワー、光源の総パワーおよびビーム直径は、それぞれ−11.2dBm、16μWおよび3mmに設定した。
光吸収セル51は、同位体87Rb原子および窒素バッファガスを直径25mm×長さ22.5mmのガラスセルに封入したものである。このバッファガスは上記の光吸収セルの壁面への87Rb原子の衝突による励起準位寿命の緩和時間の短縮による影響を抑制するためのものであり、他の不活性ガスでも有効であることが知られている。密閉された混合ガスの圧力は4.0kPaであった。上記セルはバイアス磁界を制御するためにソレノイドコイル52で覆った。このバイアス磁界は永久磁石によるものでもよい。また、上記セルは、磁気シールド53中に置いて地磁気等の外部磁界の影響を遮断した。
87RbのCPT共鳴を測定する場合、その蒸気圧を高めて観測に充分な密度を確保するためにガスセルは60.0℃まで加熱保温した。この温度は、用いるアルカリ金属元素の蒸気圧の温度依存性に応じて調整する必要がある。ガスセルを通過した光を光検出器60を用いて検出した。温度補償された水晶発振器25(TCXO)をLOに、また水素メーザー72を検証用の周波数基準として使用し周波数計71で計測した。
CPT共鳴の観測により、クロック遷移周波数は6.834,696,636GHzであることが分かった。この値は、87Rbの原子泉法によるクロックと14kHzと異なっている。このシフトは窒素バッファガスによって引き起こされた効果等によるものであり、光吸収セル51の壁面などの構造上の効果によるものでも同様のシフトが発生することが知られている。これらのシフトは高周波信号生成器21においても、例えばオフセット値として予め測定しておくことにより、補正可能である。
上記の窒素バッファガスは、87Rbのガスと混合されるが、CPT共鳴線の検出を妨害していない。これと同様に、87RbのCPT共鳴の検出が妨害を受けない範囲において、不純物を含む場合でも用いることができる。これは、他のアルカリ金属原子、例えば、ナトリウム、カリウム、ルビジウムあるいはセシウムのいずれかの原子のCPT共鳴を用いて原子時計を構成する場合も同様であって、使用するCPT共鳴線の検出が妨害を受けない範囲において不純物を含む場合でも、原子時計に用いることができる。
レーザ光源32を信号合成器31からの信号で駆動する変調手段30を用いることで、変調されたレーザ光を生成する。つまり上記変調手段では、レーザ波長安定化手段10の電流源11からのレーザ波長安定化用参照信号と、時計用帰還回路部20の高周波信号生成器21からの高周波信号を重畳した変調信号とで変調したレーザ光を生成する。その際、高周波信号生成器21は、水晶発振器25の生成する基準信号を元に上記クロック遷移周波数に相当する高周波信号を生成する。上記高周波信号を生成する際に、それを信号生成器22からの信号で位相変調する。この信号は、同期検波器23の参照信号でもある。この同期検波器23の出力は濾波器24で所定の帯域を選択した後、水晶発振器25の出力周波数の帰還制御に用いる。この場合、高周波信号源は、水晶発振器25と高周波信号生成器21とで構成されるが、水晶発振器25の出力を時計用の信号として出力する。
また、同期検波器23の出力や濾波器24の出力は、高周波信号生成器21に帰還させることもできる。この場合、高周波信号生成器21の出力信号またはこれに同期した信号を時計用の信号として出力する。この場合は、高周波信号源としては、高周波信号生成器21と、水晶発振器に代わって外部調整が困難な発振器とを組み合わせて用いることが出来る。外部調整が困難な発振器としては、例えば、遠方に設置されているために調整が困難な発振器である。
レーザ波長安定化用帰還回路は、上記変調手段30で生成した変調光を、光吸収セル51に照射し、その透過光を光検出器60で検出した検出信号を信号生成器12からのレーザ波長安定化手段用の帰還回路用変調信号を参照信号として同期検波器13で同期検波を行い、該同期検波器13の出力を用いて上記レーザ光の波長に帰還をかける負帰還回路である。
時計用帰還回路は、上記光検出器60検出信号の同期検波を信号生成器22のからの信号を参照信号として同期検波を行い、該同期検波の出力を用いて高周波信号生成器21の出力周波数に帰還をかける帰還回路である。
上記の例では、信号生成器22からの信号で位相変調し、この信号を同期検波の参照信号に使用したが、この信号のn倍(nは自然数)の周波数の信号を参照信号として用いることができる。例えば、nが2の場合には、同期検波出力が共鳴線の中心部でピークを持った波形となる。
これは、位相変調では、必ずしも1次側波帯が最大強度をしめすとは限らず、より高次の側波帯で最大強度になる場合があるためであり、最大強度の側波帯である次数の周波数を用いることが望ましい。共鳴線のピーク前後において、nが奇数の場合には同期検波の出力の正負が入れ替わるが、nが偶数の場合にはその同期検波の出力はピークを示す。このため、nが偶数の場合の帰還回路では、同期検波の出力について例えばPID制御(比例積分微分制御)を行うことで、発振器の周波数帰還制御に適用することができる。
図2に示す実施例は、51/2と51/2間の遷移を用いるものである。この遷移では、核の磁気モーメントの影響により遷移スペクトルは微細構造を有しており、この微細構造のために、この遷移スペクトルの線幅(例えば半値全幅)が単体の場合よりも大きくなっていることが知られている。このため、入射光に平行で一様な磁界を印加して、縮退した量子準位を完全に解くことにより、単体の共鳴線を観測できる様にすることでより狭い共鳴線形状が得られる(特許文献3)ことから、磁界を印加することでロック時の安定度を向上させることが行われている。
このため、本発明に於いても上記光吸収セルに磁界を印加するための磁界発生手段としてソレノイドコイル52を備える。ソレノイドコイルの代わりに、ヘルムホルツコイルでもよく、場合により永久磁石も使用することができる。例えば、リング型の永久磁石は、上記ソレノイドコイルと同様の配置で用いることが出来る。
図3は、1次のゼーマン効果の磁界強度依存性の計算結果を示す図である。図3(a)から(c)へと磁界強度を増加したものである。
図3の各々は、縦軸に同期検波の出力に相当する誤差信号強度を、横軸に共鳴点からの周波数ずれを示す図である。黒丸(●)は、磁界の影響を受けない共鳴線(ゼーマンメインレベル)であり、黒三角(▼)は、それを受ける共鳴線(ゼーマンサブレベル)である。正弦波や余弦波による位相変調波は、周波数変調波と同等であり、また、観測対象波への微小な周波数変調を加えたことによる同期検波の出力は対象波形の周波数軸上での微分波形が得られることはよく知られている。また、位相同期回路が同期できる点は波形の変局点で、その上下で微分値が変わる点であり、変局点の上下の領域に伸びる1つのプラス域と1つのマイナス域を合わせた領域がロックレンジである。
図3(a)は、弱い磁界の場合で、ゼーマンシフトが変調周波数以下の場合である。中心の3本の共鳴線の両側にある各3本の線は、変調によるそれぞれの側帯波による共鳴線である。この場合のロックレンジは、中心の3本のうちの外側2本で挟まれた領域にある。
図3(b)は、ゼーマンシフトが変調周波数よりも大きく、且、変調周波数の2倍以下の場合である。この場合は、メインレベルの共鳴線とゼーマンサブレベルの共鳴線との間に、それぞれの場合の側帯波による共鳴線が入り込む構造である。ゼーマンシフトが変調周波数の2倍となる場合は、ロックレンジはほぼ変調周波数の2倍と一致する。
図3(c)は、さらに強い磁界の場合で、ゼーマンサブレベルの共鳴線とのその側帯波による共鳴線が枠外に追い出され、メインの共鳴線とその側帯波による共鳴線のみとなった場合である。この場合は、理想的なロックレンジが得られることが知られている。しかし、その磁界が強すぎる場合は、2次のゼーマン効果が顕著となり、外部磁界に対する周波数感度が大きくなり、僅かな擾乱によってロックが外れやすくなる。また、その逆に、磁界強度が充分に強くない場合は、ゼーマンサブレベルで制限されるため、ロックレンジを広くとることが出来ない場合もある。
このため本実施例では、この磁界の強度について、上記磁界によるゼーマンシフトが、上記第2帰還回路用参照信号の周波数以上であり、該周波数の2倍以下となる磁界強度とすることが望ましい。この関係は、アルカリ金属原子の種類に依存しないことは明らかである。
図3(a)に示す様に、ゼーマンシフトが小さい場合で、磁界分布が一様なバイアス磁界と不均一な磁界分布の合成とみなされる場合には、中心の3本の共鳴線の幅がそれぞれ拡大し、ひとつの共鳴線類似の形状となる。この形状の波形にロックすると時計クロックの安定性が低下するが、ロックを短時間で実現するために利用することが出来る。つまり、ロックの開始時は、バイアス磁界と不均一な磁界を印加するが、この時点でロックが実現できた場合は、その不均一磁界を徐々に小さくして図3(b)の配置とすることによって、高安定度の原子時計を実現することができる。
この際、不均一な磁界分布としては、有効な磁界領域において、レーザ光方向に一定の磁界勾配があるようにすることで、不均一磁界の分布を制御することが容易になる。この分布はなるべく単純なものが望ましく、単調増加や単調減少などの単調な勾配をもつものが望ましい。この様な磁界勾配は、ソレノイドコイルの巻線密度をレーザ光の方向に沿って徐々に増加あるいは減少させて作ることが出来る。また、例えばマクスウェルコイルによっても実現することができる。
図4に実験結果を計算結果とともに示す。(a)と(b)はそれぞれPMとFMの場合の計算結果であり、(c)と(d)はPMとFMの場合の実験結果である。図4(c)および(d)では、黒三角(▼)のマークが付いた幾つかの付随的なピークが観察されている。これらのピークはゼーマンサブレベルに対応している。上記の様に、バイアス磁界を調整することにより、これらのピークの位置を制御することができる。図4(a)には、メインピークと黒丸(●)で示されたいくつかのサブピークがある。これらのサブピークは変調によって生成され、図4(c)に示すように実験で再現された。しかしながら、計算結果とは対照的に、2次サブピーク(●2)は、1次サブピーク(●1)よりも大きかった。この差は、VCSELの残留振幅変調(RAM、寄生光共振器による付随効果)によるものである。図4(c)と(d)を比較すると、ロックレンジの拡大がはっきりと確認された。PMのロックレンジはFMの場合に比べて大きく、その共鳴線幅に依存していない。しかし、変調によって生成されたサブピークが、ロックレンジの制限となり得る。FMのロックレンジは、PMの場合に比べて小さく、共鳴線幅に依存し、6.4kHz(1ppm)であった。
フラクショナルロックレンジ(FLR)は、
Figure 0006888235
として定義される。ここで、fhfsは基底状態間の超微細構造分裂周波数である。図4(a)、(c)において、ロックレンジはそれぞれ200kHz(FLR=31.3ppm)と100kHz(15.6ppm)に達した。実験中のFLRは、バイアス磁場で調整可能なゼーマンサブレベルを拡大することで低減した。
図5はPMとFMを用いた上記のCPT原子時計のアラン分散を示す。LOの周波数安定度は、1秒で6.2×10−11であった。PM及びFMによる短期周波数安定度は、それぞれ5.0×10−11τ−1/2及び9.0×10−11τ−1/2である。PMを使用することにより、高い安定性が得られた。その理由は、高い変調周波数での測定が可能となり、レーザ周波数の変動によって引き起こされる雑音が低減されるからである。この点からは、上記変調周波数はなるべく高い方が望ましいことが分かる。その上限は、上記Λ型共鳴の励起準位の緩和時間で制限される。
ゼーマンサブレベルの共鳴線に上記の時計用帰還回路20をロックすることによって、ゼーマンシフト分ずれたクロック信号を出力する時計となる。この依存性を利用して、磁界強度の計測に本発明を用いることができる。つまり、クロック信号のずれから、磁界強度を計測する。
図6に、実施例1の原子時計を磁界強度計として用いるためのセンサーヘッド部を示す。図6は、磁界強度計を構成するための図2における置換え部分を示すブロック図であり、図2のブロック図におけるレーザ光源32をレーザ光源33へ、光学系40、CPT部50および光検出器60からなる部分をセンサーヘッド部80で置き換えることを示す図である。信号合成器31からの変調信号でレーザ光源33の出力を変調してセンサーヘッド部80に入力する。センサーヘッド部80では、合波器82で、加熱用光源81からの赤外線光と合波し、サーキュレータ83と光ファイバ85を介して光学系86に入力する。光学系86では、円偏光に変換し光ビーム径を調整して光吸収セル87に入力する。この光吸収セル87の一端に光反射膜を設けることにより、ここでレーザ光を反射させ、光学系86、光ファイバ85、サーキュレータ83を介して光検出器84に入力する。
ここで、光吸収セルに印加するバイアス磁界は、例えば、リング型永久磁石89で生成することができる。また、光吸収セルの加温は加熱用光源81の赤外線ダイオードからの光を光吸収セル87の壁面の一部少なくとも一部を赤外線吸収材で構成し、この壁面を加温することで行うことができる。
この磁界強度計を用いた磁界強度測定は、次の手順で行うことが出来る。
(a0)測定しようとする磁界強度から生じるゼーマンシフトの概数を得ておく。この測定には、精度や確度の比較的低い測定器を用いることができる。
(a1)ゼーマンメインレベルである時計遷移にロックさせ、その周波数を記録する。ゼーマンサブレベルとの違いは、ロックした時の周波数で見分けることが出来る。
(a2)帰還信号電圧(あるいは電流)にオフセット電圧(あるいは電流)を加えて、(1)のロック位置が、僅かに高周波側あるいは低周波側にずれるように設定する。
(a3)上記帰還信号電圧をゼロにしてオフセット電圧のみとし、(0)に記載の上記概数を加えたあるいは減じた周波数の信号を高周波信号生成器21から出力する。
(a4)上記帰還信号電圧(あるいは電流)の正負を反転しゼロから戻し、オフセット電圧(あるいは電流)を停止する。
(a5)ゼーマンサブレベルへとゼーマンメインレベルへのそれぞれのロック時の高周波信号生成器21からの信号の周波数差からゼーマンシフトを導き、磁界強度に換算する。
以上の手続きによって、磁界強度計として用いることができる。
あるいは、次の手順で本発明を磁界強度として用いることができる。
(b0)測定しようとする磁界強度から生じるゼーマンシフトの概数を得ておく。(b1)ゼーマンメインレベルである時計遷移にロックさせ、その周波数を記録する。ゼーマンサブレベルとの違いは、ロックした時の周波数で見分けることが出来る。
(b2)高周波信号生成器21からの出力信号の周波数が、上記概数分高周波数側(あるいは低周波数側)にずれるようにオフセット周波数を設定する。
(b3)上記帰還信号電圧をゼロにした後、上記帰還信号電圧(あるいは電流)の正負を反転しゼロから戻す。
(b4)上記オフセット周波数を徐々にゼロに戻す。
(b5)ゼーマンサブレベルへとゼーマンメインレベルへのそれぞれのロック時の高周波信号生成器21からの信号の周波数差からゼーマンシフトを導き、磁界強度に換算する。
上記の様に、本発明は、広い周波数でのロックレンジと、高い安定性を得ることができる原子時計を提案するものである。密度行列解析に基づく独自に開発したアルゴリズムを用いて、PMとFMとを用いた変調周波数の誤差信号を比較した。この結果からは、本発明の技術は、従来のFMよりも30倍広いロックレンジを提供できることが確認された。
この拡大効果を検証するために、87Rb蒸気セルとRb−D1 VCSELを備えた卓上スケールの原子時計を構築して、PMとFMの各場合のFLRは、それぞれ15.6ppmと1ppmであることを実験的に確認した。但し、ゼーマンサブレベルのせいで、PMの場合のロックレンジは計算で得られたロックレンジよりも小さい。また、PMとFMのそれぞれを用いた場合のCPT原子時計のアラン分散を評価した。この結果、本発明の様にPMを用いる場合はFMを用いる場合と比較して高い安定性を示すことが確認できた。この様なロックレンジの拡大は、局部発振器(LO)の周波数許容偏差の緩和を可能にし、外乱に対する位相同期回路の耐性の高さを保証する。また、CPT原子時計のコスト、サイズ、消費電力の削減が可能である。
10 レーザ波長安定化調整手段
11 電流源
12 信号生成器
13 同期検波器
14 濾波器
20 時計用帰還回路部
21 高周波信号生成器
22 信号生成器
23 同期検波器
24 濾波器
25 水晶発振器
30 変調手段
31 信号合成器
32、33 レーザ光源
40 光学系
41 偏光板
42 四分の一波長板
50 CPT部
51 光吸収セル
52 ソレノイドコイル
53 磁気シールド
54 磁界
55 レーザ光
60 光検出器
70 周波数計測部
71 周波数計
72 水素メーザー
80 センサーヘッド部
81 加熱用光源
82 合波器
83 サーキュレータ
84 光検出器
85 光ファイバ
86 光学系
87 光吸収セル
88 反射膜
89 リング型永久磁石

Claims (7)

  1. アルカリ金属原子の2つの基底準位と1つの励起準位間のΛ型CPTを用い、上記基底準位間のエネルギー差に相当する遷移周波数を用いて高周波信号源の生成する高周波信号の周波数を安定化し、該高周波信号に同期した信号を出力する原子時計であって、
    変調されたレーザ光を発するレーザ光源と、少なくとも上記アルカリ金属原子の入った光吸収セルと、該光吸収セルを透過した光を検出する光検出器と、上記の各基底準位と励起準位間の2つの遷移周波数の平均周波数のレーザ光を上記レーザ光源から発生させるレーザ波長安定化手段と、上記高周波信号の周波数を上記遷移周波数にロックする時計用帰還回路と、を備え、
    上記変調されたレーザ光は、上記レーザ波長安定化手段の出力信号と上記高周波信号を同期検波のための参照信号で位相変調した位相変調高周波信号との合成信号で変調したレーザ光であり、
    上記時計用帰還回路は、上記変調されたレーザ光を上記光吸収セルに照射しその透過光を上記光検出器で検出し、その検出信号の同期検波を上記参照信号を用いて行い、該同期検波の出力を用いて上記高周波信号源に帰還をかける帰還回路であり、
    さらに、上記光吸収セルに磁界を印加するための磁界発生手段を備え、
    上記磁界によるゼーマンシフトが、上記時計用帰還回路の参照信号の周波数以上であり、該周波数の2倍以下となる磁界強度であることを特徴とする原子時計。
  2. 上記高周波信号源は、基準信号源と該基準信号源からの基準信号を基に高周波信号を生成する高周波信号生成器とを備えるものであり、
    上記高周波信号源への上記帰還は、上記基準信号の周波数を変化させる帰還であり、
    上記高周波信号生成器において上記位相変調高周波信号を生成するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の原子時計。
  3. 上記レーザ波長安定化手段は、比較的低周波域で変動する電流信号と比較的高周波域で変動するレーザ波長安定化用参照信号との合成信号を出力するものであり、
    上記光検出器からの検出信号のレーザ波長安定化用同期検波を上記レーザ波長安定化用参照信号を用いて行い、
    上記レーザ波長安定化用同期検波の出力を上記電流信号の調整に帰還するものである、
    ことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の原子時計。
  4. 上記光吸収セルの温度を所定の温度に保持する保温手段と、
    上記光吸収セルの構造に起因する上記遷移周波数のずれ分を補正して、上記基準発振器の発振周波数を補正する構成と、
    を備えることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の原子時計。
  5. 上記磁界発生手段による磁界は、その強度分布が単調な勾配をもったものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の原子時計。
  6. 上記同期検波を、上記参照信号の自然数倍の周波数の信号を新たな参照信号に用いて行うものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の原子時計。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の原子時計において、
    上記基底準位がゼーマンメインレベルに属するものである第1時計遷移周波数と、
    上記基底準位がゼーマンサブレベルに属するものである第2時計遷移周波数と、の差から磁界強度を導出するものであることを特徴とする磁界強度計。
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