JP6887789B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置のプロセスカートリッジの位置決めに関する。
電子写真プロセスを用いた複写機やプリンタ等の画像形成装置は、像担持体である感光ドラムを一様に帯電させ、感光ドラムへの選択的な露光によって潜像を形成する。そして前記潜像は現像剤で現像され、現像剤像として顕在化される。そして現像剤像を記録媒体に転写する。転写された現像剤像に熱や圧力を加えることで現像剤像を記録媒体に定着させて画像を記録している。
従来、特許文献1に開示されているように、画像形成装置は現像剤の補給や各プロセス手段(帯電手段、現像手段等)の清掃、交換等のメンテナンスが必要となる。そこで、メンテナンスを容易にするために像担持体や各プロセス手段、現像剤容器等を一体としたプロセスカートリッジ(着脱部材)が用いられている。画像形成装置において現像剤像を記録媒体に転写する際に良好な画像を得るためには、プロセスカートリッジを画像形成装置に対して精度よく所定位置に設置する必要がある。そこでプロセスカートリッジに複数の突起を設け、画像形成装置に前記複数の突起に対応した位置にガイド溝及びプロセスカートリッジ装着方向への付勢手段を備えたものが知られている。また、前記突起を所定位置においてU字やV字などの溝形状に落とし込むことで画像形成装置本体への位置決めを行う構成も知られている。
特開平9−26742号公報
近年、オフィス空間の有効利用のために画像形成装置を設置する際の省スペース化が求められている。それにより画像形成装置自体もさらなる小型化が求められ、従来の機種と構成は同様としながらも本体内部部品の形状や配置を工夫することで達成してきた。小型化により本体高さを低くする場合にはプロセスカートリッジの装着軌跡を略水平に近づける必要がある。また、更にプロセスカートリッジの鉛直方向への移動量を減少させるために前記溝形状は縮小される傾向にある。そして、記録媒体に対して鉛直方向で挟持して転写を行う装置構成の場合、プロセスカートリッジに対しても鉛直方向に付勢力を加え、装置本体におけるプロセスカートリッジの転写部の位置決めを確実に行う必要がある。
しかしながら、装着軌跡を略水平とした場合、装置本体におけるプロセスカートリッジの位置決めを確実に行うために要する、鉛直方向の付勢力を発生させるために、バネ等で強い付勢力を発生させることができる構成にする必要があった。このため、プロセスカートリッジ挿入時において、上記付勢力に抗してバネを圧縮、変形させて挿入させる必要があり、プロセスカートリッジ挿入に大きな力を要する構成となり、ユーザビリティを低下させていた。
本発明の目的は、画像形成装置の小型化を図りつつプロセスカートリッジの不完全装着の防止及び操作性を向上することである。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
装置本体と、
前記装置本体に対して着脱可能なカートリッジと、
前記装置本体に設けられ、前記カートリッジ前記装置本体の所定の装着位置にて位置決めする位置決め部材と、
前記カートリッジに設けられ、前記カートリッジが前記装着位置にあるときに前記位置決め部材に位置決めされる被位置決め部材と、
前記装置本体に設けられ、前記被位置決め部材を、前記装着位置にて前記カートリッジの着脱方向と交差する方向に付勢する付勢部材と、
を備えた画像形成装置において、
前記位置決め部材は、前記カートリッジの前記装着位置における姿勢が維持された状態で前記被位置決め部材を中心とする回転ができるように構成され、前記回転によって、前記カートリッジが前記装置本体に対する着脱経路上を移動するのを妨げない開放位置と、前記カートリッジが前記装着位置から移動すことを規制する係止位置とに移動可能であることを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置の小型化を図りつつプロセスカートリッジの不完全な装着の防止及び操作性を向上させることができる。
実施例1に係る画像形成装置の斜視図 実施例1に係る画像形成装置の断面図 実施例1に係るプロセスカートリッジ交換時の動作を示す断面図 実施例1に係るカートリッジを位置決めする保持装置の構成図 実施例1に係る保持装置と画像形成装置との位置関係を示す図 実施例1に係るカートリッジ位置決めの動作を説明する図 実施例1に係る保持装置の位置決め部材の動作を説明する図 実施例1に係るフランジ位置決め時の保持装置の位置決め部材の動作の図 従来の画像形成装置の一例を示す断面図 従来のカートリッジ位置決めの作用を説明する図 実施例1に係るカートリッジ位置決めの作用を説明する図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例について図を用いて説明する。なお、以下の実施形態では電子写真画像形成装置として、1個のプロセスカートリッジが着脱可能なモノクロ電子写真画像形成装置を例示している。
<画像形成装置の全体的な概略構成>
まず、本実施例の画像形成装置の外観斜視図と断面概略図をそれぞれ、図1と図2に示す。この画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いたモノクロレーザプリンタであり、記録媒体にモノクロ画像形成を行う。画像形成装置100はプロセスカートリッジ方式であり、プロセスカートリッジ1(以下、カートリッジと称す。)を着脱可能に装着して、用紙Pに画像を形成するものである。
画像形成装置100内には、レーザスキャナ7、感光ドラム2と、現像装置4と、転写ローラ12、定着フィルム13、加圧ローラ14、給送トレイ21、給送ローラ11等が設置されている。給送トレイ21内に積載収納された記録材としての用紙Pは、図中時計回り方向に回転する給送ローラ11により給送され、感光ドラム2と転写ローラ12のニップ部へ送られる。感光ドラム2は図中反時計回り方向に回転しており、帯電手段としての帯電ローラ3によりその表面が一様に帯電される。そして、その感光ドラム2の外周面には、露光手段としてのレーザスキャナ7からのレーザ光Lにより静電潜像が形成される。続いて、感光ドラム2の外周面には、前述の静電潜像が現像装置4で現像され、トナー像(現像剤像)が形成される。感光ドラム2に形成されたトナー像は、転写ローラ12に接続された転写電源から、転写ローラ12に電圧が印加されることで、感光ドラム2と転写ローラ12のニップ部に送られた用紙Pに転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着フィルム13と加圧ローラ14のニップ部へ送られ、ここで加熱加圧されてトナー像が用紙Pに定着する。トナー像が定着した用紙Pは、一対の排紙ローラ15によって排紙トレイ22に排出される。そして、本実施例に係る感光ドラム2は、これに作用するプロセス手段としての帯電ローラ3、現像装置4などとカートリッジ1として一体になっている。
<プロセスカートリッジの交換>
図3(a)はフロントドア23(開閉カバー)が開かれ、カートリッジ1が着脱可能な状態を示した断面概略図である。図3(b)はカートリッジ1の装置本体への着脱動作を示した断面概略図である。まず、カートリッジ1を取り外す場合、フロントドア23を図3(a)の状態まで開ける。そして、フロントドア23が開いた状態で図3(b)に示すように、カートリッジ1を開口部から矢印H1方向に引き出す。矢印H1方向とは、装置後方側から前方側に向かう方向であり、装置の前方側(正面側、手前側)とは、装置本体においてフロントドア23が配設された側であり、装置の後方側(背面側、奥側)とは、その反対側である。一方で、カートリッジ1を装着する場合は、まず、カートリッジ1の長手方向両端側面に長手方向に突出した凸形状のボス(突起)5a、5bを設ける。次に、ボス5aとボス5bを、画像形成装置100内のカートリッジ1の長手方向両側に配置された側板24に設けられたカートリッジガイド31の溝部32(第2の溝部)に沿って、矢印H2方向に挿入することで装着位置に移動する。矢印H2方向とは、装置前方側から後方側に向かう方向である。なお、カートリッジガイド31には、後述するカートリッジ1のフランジ6(被位置決め部材)が挿入される溝部30(第1の溝部)も設けられている。そして、フロントドア23を閉めることでカートリッジ1の装置本体への装着動作が完了する。以上の動作により、カートリッジ1は装置本体に着脱可能となっている。なお、画像形成装置本体とは、プロセスカートリッジ以外の画像形成装置の構成部分である。また、プロセスカートリッジ又はその構成部材、あるいは装置本体側の構成部材に関して、長手方向とは、像担持体である電子写真感光体としての感光ドラム2の軸線方向或いはその軸線方向に平行な方向である。
<プロセスカートリッジの位置決め構成>
図4と図5を用いてカートリッジ1の画像形成装置100への位置決めの構成を説明する。図4は本実施例におけるカートリッジ1の位置決めを行う保持装置33の構成図である。図5は図4で示した保持装置が、画像形成装置100内にてどのように取り付けられているかを示す図である。
画像形成装置100は、装置内部に、図4に示すような、カートリッジ1を装置本体において位置決め保持するための保持装置33を有する。保持装置33は、保持部材34(位置決め部材)と、付勢部材38とを有している。カートリッジ1は、長手方向両側面にそれぞれ長手方向に突出するフランジ6を有しており、フランジ6が付勢部材38から付勢力を付与されるとともに保持部材34によって所定位置に支持されることで、装置本体
に対して位置決めされる。
付勢部材38は、カートリッジ1(フランジ6)に対して、トナー像を記録材(用紙P)に転写する転写部(感光ドラム2と転写ローラ12のニップ部)において記録材を挟持する方向に付勢力を付与するように構成されている。本実施例の装置構成においては、記録材を挟持する方向は、装置設定面(水平面)に対して略垂直(略鉛直)の方向となっており、カートリッジ1の着脱方向とは交差する方向である。したがって、カートリッジ1(フランジ6)に対して略鉛直方向の力が少なくとも成分として作用するように、付勢部材38はフランジ6に付勢力を付与する。付勢部材38の具体的な構成は特に限定されるものではない。例えば、不図示のバネ等の弾性部材から付勢力を受けて、フランジ6に対して付勢力を付与する構成でもよいし、あるいは板バネ形状を有することで付勢部材38自体が付勢力を発生してフランジ6に付与する構成でもよい。
保持部材34は、長手方向に平行な保持面35a、35bを有しており、付勢部材38が付勢する方向の下流側において保持面35a、35bがフランジ6の側面(長手方向に平行な面)と当接することで、フランジ6を所定位置に位置決め保持する。保持面35a、35bは、フランジ6に対して回転軸と直交する方向に当接する面であって、フランジ6との当接位置が、保持部材34のフランジ6を中心とした回転によって、回転軸の周りに変位する。
保持装置33は、さらに、装置本体及びカートリッジ1に対する保持部材34の姿勢を変化させる(回転させる)構成(連結部)として、スライドロッド36と、リンクロッド37とを有している。リンクロッド37は、図5に示すように画像形成装置100のフロントドア23とスライドロッド36を連結している。
次に、図6、図7、図8を用いて保持装置33の位置決め動作について説明する。図6は保持部材34を後述の開放位置と係止位置の間で移動させる際の保持装置33の動作を説明する図である。保持装置33は、側板24(不図示)を挟みカートリッジ1側に配置された保持部材34と、側板24を挟みカートリッジ1側とは反対側に配置されたスライドロッド36、フロントドア23とスライドロッド36をつなぐリンクロッド37で構成される。すなわち、図6に示すような構成の保持装置33が、カートリッジ1の長手方向両側にそれぞれ対称的に配置されている。つまり、長手方向において、カートリッジ1(フランジ6)の両側にそれぞれ保持部材34が配置され、その両外側に側板24、さらにその両外側にスライドロッド36、リンクロッド37が配置されている。保持部材34は、画像形成装置100内において側板24に回転自在に取り付けられ、その回転中心34Cは感光ドラム2の回転中心2Cと一致している。したがって、保持部材34の回転中心34Cは、感光ドラム2の回転軸両端に配置されているフランジ6の中心6Cとも一致している。そのため、保持部材34は、フランジ6を中心とした回転により、カートリッジ1を着脱可能とする開放位置(図6a)と所定の位置に係止させる係止位置(図6b)に移動する構成となっている。フランジ6が保持面35a、35bに接触することでカートリッジ1を画像形成装置100の所定の位置に精度良く装着することができる。
なお、本実施例では保持面をV字形状として説明しているが、U字などカートリッジ1(フランジ6)に対して、水平方向および鉛直方向の保持面を有していれば、他の形状でもよく、その形状を特定するものではない。
図7、図8はカートリッジ1が位置決めをする際の保持部材34の動作を説明する図である。画像形成装置100を設置し、装置にカートリッジ1が未装着の状態において保持部材34は図7(a)の位置を初期の待機位置としている。カートリッジ1装着のためにフロントドア23を開くと、ドア開放動作に連動して、フロントドア23に連結したリンクロッド37を介してスライドロッド36が装置前方に移動する。さらにスライドロッド
36の移動に連動して保持部材34が感光ドラム2(フランジ6)を中心に移動(回転)し、開放位置を示す図7(b)の位置へ移動する(位相を変化させる)。
カートリッジ1をカートリッジガイド31に沿って装置本体に挿入すると、フランジ6は、まず付勢部材38の接触面39に接触する。付勢部材38の付勢力に抗してカートリッジ1が押し込まれることで、フランジ6は付勢部材38を押し退けてさらに奥に進む。そして、フランジ6が保持部材34の保持面35a、35bに突き当たる位置まで押し込まれるとカートリッジ1の装着は完了する。なお、このときボス5a、5bも、カートリッジガイド31の溝部32に設けられた凹部32a、32bに嵌合し、位置決めされた状態となる。
図8(a)は、カートリッジ1のフランジ6が保持面35a、35bに突き当たり、カートリッジ1の移動が停止されることで挿入が完了(所定の装着位置に到達)した状態を示している(開放位置)。図8(c)は、図8(a)に示す状態における、付勢力Fと保持面35a、35bからフランジ6に作用する抗力の関係を示す模式図である。このとき、保持面35a、35bからフランジ6に作用する抗力、そして該抗力におけるカートリッジ1の着脱方向の成分と着脱方向と直交する方向の成分を、図8(a)、(c)に矢印で示す。付勢部材38は、水平方向及び鉛直方向に対してそれぞれ傾斜した方向に延びる面がフランジ6の上面(側面)に当接するように構成されている。この傾斜の向きは、付勢部材38がフランジ6におよぼす付勢力Fによって、カートリッジ1に対して、転写部における記録材挟持方向である略鉛直方向の力と、カートリッジ1を装着完了位置に留める方向の力と、を成分として有する力が作用する設定である。一方、保持面35a、35bからフランジ6に作用する上記抗力は、いずれも、カートリッジ1の着脱方向においてカートリッジ1を装着完了位置から離す方向に向いた成分を有するものとなっている。
図8(a)、(c)に示すように、付勢力Fの着脱方向成分FHは、カートリッジ1を装着完了位置に留める方向(矢印H1)方向に作用する。これに対し、保持面35aの抗力の着脱方向成分35aHと、保持面35bの抗力の着脱方向成分35bHは、カートリッジ1を装着完了位置から離す方向(矢印H2)に作用する。これらの着脱方向成分が互いにつり合う(打ち消し合う)ことで、カートリッジ1(フランジ6)は装着完了位置に位置する状態となっている。すなわち、図8(a)に示す保持部材34が開放位置(開放位相)にある状態では、カートリッジ1のフランジ6を装着完了位置に留めておくためにフランジ6に対して働く力は、付勢部材38がフランジ6におよぼす力Fのみである。
あるいは、フランジ6が着脱経路上を移動しようとするのを妨げる(規制する)構成が、付勢部材38のみの状態というように見ることもできる。
図8(b)は、フロントドア23の閉止動作によって保持装置33がドア開放動作とは逆方向に動作し、保持部材34が図8(a)に示す開放位置(開放位相)から係止位置(係止位相)に移動(回転)したときの状態を示している。図8(d)は、図8(b)に示す状態における、付勢力Fと保持面35a、35bからフランジ6に作用する抗力との関係を示す模式図である。このとき、保持面35a、35bからフランジ6に作用する抗力、そして該抗力におけるカートリッジ1の着脱方向の成分と着脱方向に直交する方向の成分を、図8(b)、(d)に矢印で示す。保持部材34の回転によって保持面35a、35bのフランジ6に対する相対位置が変化し、保持面35a,35bからフランジ6に対して作用する力の向きが変化する。具体的には、保持面35aからフランジ6に対して作用する力に、フランジ6を装着完了位置に留める方向に作用する分力が含まれるように変化する。
図8(b)、(d)に示すように、付勢力Fの着脱方向成分FHだけでなく、保持面35aの抗力の着脱方向成分35aHも、カートリッジ1を装着完了位置に留める方向(矢
印H1)方向に作用する状態となる。これに対し、カートリッジ1を装着完了位置から離す方向(矢印H2)に作用する力は、保持面35bの抗力の着脱方向成分35bHだけとなる。これらの着脱方向成分が互いにつり合う(打ち消し合う)ことで、カートリッジ1(フランジ6)は装着完了位置に位置する状態となっている。すなわち、カートリッジ1のフランジ6を装着完了位置に留めておくためにフランジ6に対して働く力は、付勢部材38がフランジ6におよぼす付勢力Fに、第1部分としての保持面35aの抗力が加わることになる。
フランジ6を装着完了位置に確実に位置決めするためには、着脱方向において、付勢力Fの大きさを、保持面35a、35bの抗力の合力に応じて設定する必要がある。
従来のように、着脱方向において保持面35a、35bの抗力が全てカートリッジ1を装着完了位置から離す方向に作用する構成では、付勢力Fのみでフランジ6を装着完了位置に留めるために、付勢力Fの大きさを十分に大きく設定する必要がある。その結果、カートリッジ1を挿入する際及び取り外す際において、付勢部材38を押し退けるのに要する力も大きくなり、ユーザがカートリッジ1を着脱するための操作力が大きくなることとなっていた。
一方、本実施例では、保持面35aの抗力の着脱方向成分35aHと保持面35bの抗力の着脱方向成分35bHとが互いに反対方向に作用する(一部打ち消される)ため、その合力は小さくなる。したがって、該合力とつり合せる付勢力Fの大きさを小さく設定することができる。これにより、カートリッジ1の着脱において、付勢部材38を押し退けるのに要する力を低減することができ、ユーザがカートリッジ1を着脱するための操作力を低減することができる。
あるいは、本実施例の構成は、保持部材34の保持面の一部が、フランジ6の着脱経路上に侵入した状態になり、付勢部材38だけでなく保持部材34も、フランジ6が着脱経路上を移動しようとするのを阻害する状態になる、というように見ることもできる。また、この状態において、フランジ6は、回転中心よりも上方の1点(付勢部材38)と、回転中心よりも下方の異なる象限における2点(保持面35aと第2部分としての保持面35b)の計3点で挟持された状態となる。これにより、安定した位置決め状態が形成される。
<保持装置の作用>
図9、図10、図11そして前述の図8を用いて、従来の構成と比較しながら本実施例に係わる保持装置33の作用について説明する。
図9は従来の構成におけるカートリッジの位置決めを行う構成図である。プロセスカートリッジに突起A1、A2と感光ドラムのフランジ6を設けている。そして、これらの突起A1、A2およびフランジ6に対応した位置にガイド溝B1、B2が設けられている。また、フランジ6に対してプロセスカートリッジ装着方向へ付勢するための付勢部材38、フランジ6を落とし込むV字形状の溝部分を備えている。ここで、図10に従来の構成におけるカートリッジ1の保持部に関して模式的に説明した図を示す。付勢部材38の付勢力をFとし鉛直方向と水平方向の成分をそれぞれf1、f2とする。装置小型化のためカートリッジ1挿入軌跡が水平方向に近づくほどガイド溝B1下部のカートリッジガイド31からフランジ6に加わる水平方向の力f3が減少する。そのため、f2ならびにFを増加させなければならない。結果として付勢部材38を退避させるのに必要な力も増加し、ユーザによるプロセスカートリッジの着脱操作性の悪化につながっていた。
図8に示す本実施例においては挿入軌跡が水平に近づいたとしても保持部材34の姿勢が変わらないため付勢部材38の付勢力Fを増加させる必要が無く、従来の構成より着脱
操作性が向上する。
図11(a)はユーザがカートリッジ1の挿入を所定の位置まで行わない所謂不完全装着の状態を示した図である。不完全装着状態でも画像形成動作をスタートさせることができてしまうため、従来の構成では感光ドラム2と用紙Pが正しく接触せず画像不良になるおそれがあった。図11(b)に示すように本実施例では、フロントドア23の閉止動作により保持部材34が移動し、カートリッジ1を所定の位置まで引き込むので不完全装着を防止することが可能である。このように本実施例では、カートリッジ1の画像形成装置100への着脱時には保持部材34がフロントドア23と連動して開放位置に移動することでカートリッジ1を着脱可能とする。一方、カートリッジ1の画像形成装置100への装着時には保持部材34がフロントドア23と連動して係止位置に移動する。それによってユーザのカートリッジ1への着脱操作性が向上し、またカートリッジ1の不完全装着を防止することが可能となる。また、被位置決め部材であるフランジ6を中心とした回転によって位置決め状態が変化する構成なので、位置決め機構の設置スペースを最小現に留めることができ、装置小型化、省スペース化に寄与することができる。
1…プロセスカートリッジ、6…フランジ、33…保持装置、34…保持部材、35a、35b…保持面、38…付勢部材

Claims (11)

  1. 装置本体と、
    前記装置本体に対して着脱可能なカートリッジと、
    前記装置本体に設けられ、前記カートリッジ前記装置本体の所定の装着位置にて位置決めする位置決め部材と、
    前記カートリッジに設けられ、前記カートリッジが前記装着位置にあるときに前記位置決め部材に位置決めされる被位置決め部材と、
    前記装置本体に設けられ、前記被位置決め部材を、前記装着位置にて前記カートリッジの着脱方向と交差する方向に付勢する付勢部材と、
    を備えた画像形成装置において、
    前記位置決め部材は、前記カートリッジの前記装着位置における姿勢が維持された状態で前記被位置決め部材を中心とする回転ができるように構成され、前記回転によって、前記カートリッジが前記装置本体に対する着脱経路上を移動するのを妨げない開放位置と、前記カートリッジが前記装着位置から移動すことを規制する係止位置とに移動可能であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記付勢部材が前記被位置決め部材を付勢する力は、画像形成装置において記録材に現像剤像を転写する転写部において記録材を挟持する方向に作用する成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記位置決め部材は、前記被位置決め部材に対して回転軸と直交する方向に当接する保持面であって、前記被位置決め部材との当接位置が、前記位置決め部材の前記被位置決め部材を中心とした回転によって、前記回転軸の周りに変位する保持面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記位置決め部材は、前記係止位置において、前記保持面の一部が、前記着脱経路に侵入する状態となることで、前記カートリッジが前記装着位置から移動しようとするのを規制することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記係止位置において、前記被位置決め部材が前記保持面から受ける抗力に、前記カートリッジが前記装着位置から移動しようとするのを規制する方向に作用する成分を含むように構成された前記位置決め部材を有することを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
  6. 前記位置決め部材は、前記開放位置において、前記被位置決め部材が前記保持面から受ける抗力に、前記カートリッジが前記装着位置から移動しようとするのを規制する方向に作用する成分を含まないように構成された前記位置決め部材を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記位置決め部材は、前記係止位置において、前記保持面が、前記カートリッジが前記装着位置から移動しようとするのを規制する方向に作用する成分を含む抗力を前記被位置決め部材に対して作用させる第1部分と、前記カートリッジが前記装着位置から移動させる方向に作用する成分を含む抗力を前記被位置決め部材に対して作用させる第2部分と、を有する状態となることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記位置決め部材は、前記開放位置において、前記保持面が、前記第1部分を有さない状態となることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記装置本体に設けられた開口部を開閉する開閉カバーを有し、前記開閉カバーが開いた状態において前記位置決め部材が前記開放位置に移動し、前記開閉カバーが閉じた状態において前記位置決め部材が前記係止位置に移動することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記カートリッジは感光ドラムを有し、
    前記被位置決め部材は前記感光ドラムの長手端部に設けられ、
    前記位置決め部材は、前記感光ドラムの回転中心を中心とする回転ができるように構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記位置決め部材は、前記感光ドラムの長手方向に見た時に、第1の面と、第1の面が延びる方向に交差する方向に延びる第2の面と、を有し、
    前記位置決め部材の円筒部の外周面が前記第1の面と前記第2の面との双方に接触することで前記カートリッジの前記装置位置における位置が決まることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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