JP6887613B2 - がん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体 - Google Patents
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Description
近年、MDCKII細胞において、低分子量Gタンパク質Rabとそのエフェクター分子によってポドカリキシンは極性輸送され、その負電荷によって管腔形成に関わっていることが明らかになってきた(非特許文献3)。
また、ポドカリキシンは、精巣腫瘍(非特許文献4)、乳がん(非特許文献5)、前立腺がん(非特許文献6)、卵巣がん(非特許文献7)、大腸がん(非特許文献8)、及び膵がん(非特許文献9)において高発現しており、悪性度や予後不良のマーカーであることが報告された。がん細胞に発現するポドカリキシン上の糖鎖は内皮細胞上に発現するE−、P−、L−セレクチンのリガンドとなり、がん細胞の接着・浸潤・転移に関与している(非特許文献9、10)。
がんの間質は、線維芽細胞、血管、リンパ管、炎症細胞、免疫細胞、結合組織により特徴的な微小環境を構築している。がんには個性があるように、がんをとりまく微小環境もきわめて多様である。がんの増殖、浸潤、転移のしやすさは、がん細胞の持つ特性のみならず、がん細胞と微小環境との相互関係が深く関わっていると考えられる。近年、がんの微小環境における血管は、正常血管とは異なることが示唆されている。実際、VEGFに対する抗体医薬であるベバシズマブでは、がん微小環境の異常血管を正常血管に戻すことが重要な作用機序とされており、がん微小環境の異常血管を標的とした治療が注目されている。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、異常血管のみに反応し正常血管には反応しない抗ポドカリキシン抗体を作製することで、がん微小環境を標的とした、新規の抗ポドカリキシン抗体の樹立に成功した。
〔1〕
以下(i)〜(iii)のいずれかのがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメント:
(i)以下の6つのCDRの少なくとも1つを有する
重鎖CDR1:GYSFTDY(配列番号:2)
重鎖CDR2:NPRNGG(配列番号:3)
重鎖CDR3:EAMEY(配列番号:4)
軽鎖CDR1:KSSQSLLDSAGKTYLN(配列番号:5)
軽鎖CDR2:RLMYLVSKLA(配列番号:6)
軽鎖CDR3:WQGTHFPRT(配列番号:7);
(ii)(i)の重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3において、1から数個のアミノ酸の付加、置換、又は欠失を含む重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3の少なくとも1つを有する;並びに
(iii)重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3の少なくとも1つが、(i)の重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3のアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有する。
〔2〕
配列番号:10で表されるアミノ酸配列を含む重鎖;
配列番号:10で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸の付加、置換、又は欠失を含むアミノ酸配列を含む重鎖;又は、
配列番号:10で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖を含むがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメント。
〔3〕
配列番号:8で表されるアミノ酸配列を含む軽鎖;
配列番号:8で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸の付加、置換、又は欠失を含むアミノ酸配列を含む軽鎖;又は、
配列番号:8で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を含むがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメント。
〔4〕
Fc領域に1以上のN−結合型糖鎖が結合し、該N−結合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメント。
〔5〕
〔1〕に記載された重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3のいずれか1つをコードする核酸。
〔6〕
〔2〕に記載された重鎖及び〔3〕に記載された軽鎖のいずれか1つをコードする核酸。
〔7〕
〔5〕又は〔6〕に記載の核酸を含む発現ベクター。
〔8〕
〔7〕に記載の発現ベクターを含む形質転換体。
〔9〕
〔1〕から〔4〕のいずれかに記載のがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメントを有効成分として含む医薬組成物。
〔10〕
抗がん活性を有する物質を結合させた〔1〕から〔4〕のいずれかに記載のがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメントを有効成分として含む医薬組成物。
〔11〕
がんの予防又は治療剤である、〔9〕又は〔10〕に記載の医薬組成物。
(i)以下の6つのCDRの少なくとも1つを有する
重鎖CDR1:GYSFTDY(配列番号:2)
重鎖CDR2:NPRNGG(配列番号:3)
重鎖CDR3:EAMEY(配列番号:4)
軽鎖CDR1:KSSQSLLDSAGKTYLN(配列番号:5)
軽鎖CDR2:RLMYLVSKLA(配列番号:6)
軽鎖CDR3:WQGTHFPRT(配列番号:7);
(ii)(i)の重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3において、1から数個のアミノ酸の付加、置換、又は欠失を含む重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3の少なくとも1つを有する;並びに
(iii)重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3の少なくとも1つが、(i)の重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3のアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有する。
本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメントは、異常血管のみに反応し正常血管には反応しない抗ポドカリキシン抗体である。
可変領域のうち、直接抗原と接触する領域は特に変化が大きく、相補性決定領域(complementarity−determining region: CDR)と呼ばれる。CDR以外の比較的変異の少ない部分をフレームワーク(framework region:FR)と呼ぶ。軽鎖と重鎖の可変領域には、それぞれ3つのCDR(重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3)が存在する。
「キメラ抗体」とは、異なる種に由来する抗体の断片が連結された抗体を意味する。
「ヒト化抗体」とは、非ヒト由来の抗体に特徴的なアミノ酸配列で、ヒト抗体の対応する位置を置換した抗体を意味し、例えば、マウスに免疫して作製した抗体の重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3を有し、重鎖及び軽鎖のそれぞれ4つのフレームワーク領域(FR)を含むその他のすべての領域がヒト抗体に由来するもの等が挙げられる。かかる抗体は、CDR移植抗体と呼ばれる場合もある。用語「ヒト化抗体」は、ヒトキメラ抗体を含む場合もある。
重鎖CDR1:GYSFTDY(配列番号:2)
重鎖CDR2:NPRNGG(配列番号:3)
重鎖CDR3:EAMEY(配列番号:4)
軽鎖CDR1:KSSQSLLDSAGKTYLN(配列番号:5)
軽鎖CDR2:RLMYLVSKLA(配列番号:6)
軽鎖CDR3:WQGTHFPRT(配列番号:7
重鎖CDR1〜3(配列番号:2〜4)及び軽鎖CDR1〜3(配列番号:5〜7)において、1から数個のアミノ酸の付加、置換、又は欠失を含む重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3の少なくとも1つを有する場合、1から数個のアミノ酸の付加、置換、又は欠失を含む重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3の少なくとも1つは、CDRとしての機能を保持する、すなわち、異常血管のみに反応し正常血管には反応しない機能を保持することが好ましい。
重鎖CDR1〜3(配列番号:2〜4)及び軽鎖CDR1〜3(配列番号:5〜7)において、配列番号:2〜7で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3の少なくとも1つを有する場合、80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3の少なくとも1つは、CDRとしての機能を保持する、すなわち、異常血管のみに反応し正常血管には反応しない機能を保持することが好ましい。
同一性は80%以上であって、CDRとしての機能を保持する限り何%であってもよく、例えば、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上とすることができる。
配列番号:8で表されるアミノ酸配列を含む軽鎖;
配列番号:8で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸の付加、置換、又は欠失を含むアミノ酸配列を含む軽鎖;又は、
配列番号:8で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む。
配列番号:8で表されるアミノ酸配列は、PcMab−60の軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号:10で表されるアミノ酸配列を含む重鎖;
配列番号:10で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸の付加、置換、又は欠失を含むアミノ酸配列を含む重鎖;又は、
配列番号:10で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖
を含む。
配列番号:10で表されるアミノ酸配列は、chPcMab−60の重鎖のアミノ酸配列である。
本明細書において、重鎖又は軽鎖のアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸の付加、置換、又は欠失を含む場合、付加、置換、又は欠失するアミノ酸の数は、例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、又は10個とすることができる。その他の用語は、上述したとおりである。
例えばIgG抗体のFc領域には、N−結合型糖鎖の結合部位が2ヶ所存在し、この部位に複合型糖鎖が結合している。N−結合型糖鎖とは、Asn−X−Ser/Thr配列のAsnに結合する糖鎖をいい、共通した構造Man3GlcNAc2−Asnを有する。非還元末端の2つのマンノース(Man)に結合する糖鎖の種類により、高マンノース型、混成型、及び複合型等に分類される。
N−結合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)にはフコースが結合しうるが、このフコースが結合していない場合、結合している場合に比較してADCC活性が著しく上昇することが知られている。このことは例えば、国際公開第2002/031140号に記載されている。
ADCC活性が著しく向上することにより、抗体を医薬として用いる場合に投与量を少なくすることができるので、副作用を軽減させることが可能であると共に、治療費も低減させることができる。
本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体は、異常血管のみに反応し正常血管には反応しないので、がん微小環境の異常血管にのみ抗ポドカリキシン抗体を運搬することができる。そして、抗がん活性を有する物質を結合している場合には、抗がん活性を有する化合物をがん微小環境の異常血管にのみ運搬することができるため、有用である。
本発明は、本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体をコードする核酸も包含する。核酸は、天然の核酸であっても人工の核酸であってもよく、例えば、DNA、RNA、DNAとRNAのキメラが挙げられるがこれらに限定されない。がん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体をコードする核酸の塩基配列は、当業者が公知の方法又はそれに準ずる方法に従って決定することができ、公知の方法又はそれに準ずる方法で調製することができる。
本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体をコードする核酸としては、例えば、配列番号:10で表されるchPcMab−60の重鎖をコードするDNA(配列番号:11)、配列番号:8で表されるPcMab−60の軽鎖をコードするDNA(配列番号:9)が挙げられるがこれらに限定されない。
PcMab−60のCDRのそれぞれをコードする核酸は、これらの配列番号で示されるDNA配列に含まれている。
本発明は、本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体をコードする核酸を含む発現ベクターを包含する。発現ベクターは、使用する宿主細胞にあわせて適宜選択することができ、例えば、プラスミド、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、カリフラワーモザイクウイルスベクターやタバコモザイクウイルスベクターなどの植物ウイルスベクター、コスミド、YAC、及びEBV由来エピソーム等が挙げられる。これらの発現ベクターには、公知の方法(制限酵素を利用する方法等)で、本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体をコードする核酸を挿入することができる。
本発明は、本発明に係る発現ベクターを含む形質転換体を包含する。形質転換体は、本発明に係る発現ベクターを適切な宿主細胞にトランスフェクトすることによって得ることができる。宿主細胞としては、例えば、哺乳類細胞(CHO細胞、COS細胞、ミエローマ細胞、HeLa細胞、及びVero細胞など)、昆虫細胞、植物細胞、及び真菌細胞(サッカロミセス属及びアスペルギルス属など)等の真核細胞、並びに大腸菌(E.Coli)及び枯草菌等の原核細胞を用いることができる。
がん細胞特異的抗ポドカリキシン抗体を得る方法は、
がん細胞特異的糖鎖構造を発現する細胞に、ポドカリキシンの全部又は一部をコードする核酸を導入してがん細胞特異的ポドカリキシン又はその一部を発現させる工程と、
前記がん細胞特異的ポドカリキシン又はその一部を非ヒト哺乳動物に免疫して抗体を得る工程と、
前記抗体を、精製したがん細胞特異的ポドカリキシン又はその一部を用いた一次スクリーニングで精製する工程と、を含む。
ヒトポドカリキシン(BC143318, NM_001018111)は、配列番号:1で表されるタンパク質であるが、本明細書において「ポドカリキシン」という場合、その機能的な変異体も含まれる。
−膠芽腫細胞株LN229由来細胞。
本発明者らは、これまでに、脳腫瘍では悪性度に応じてケラタン硫酸修飾が亢進することを確認し(Kato Y et al., Biochem Biophys Res Commun. 2008; 369(4): 1041−1046.)、脳腫瘍細胞株の中から高度にケラタン硫酸修飾の起こっているLN229細胞を発見している(Hayatsu N et al., Biochem Biophys Res Commun. 2008; 368(2): 217−222.)。また、astrocytic tumorにおいてポドカリキシンが悪性度と相関して高発現していることを報告している(Hayatsu N et al., Biochem Biophys Res Commun. 2008; 374(2): 394−398.)。さらに、LN229細胞により発現させたタンパク質には、シアル酸ががん細胞特異的に付加することを報告している(Kato Y et al., Sci Rep. 2014; 4: 5924)。
−膠芽腫細胞株LN464細胞に糖転移酵素のKSGal6STを遺伝子導入した細胞(Hayatsu N et al., Biochem Biophys Res Commun. 2008; 368: 217−222.)。本発明者らは、この文献において、膠芽腫細胞株LN464細胞に糖転移酵素のKSGal6STを遺伝子導入すると、脳腫瘍組織で高発現することが知られているケラタン硫酸の高発現株ができることを報告している。
−子宮頸がん細胞(HeLa細胞)や白血病細胞(Namalwa細胞)に糖転移酵素を遺伝子導入した細胞(Kimura H et al., Biochem Biophys Res Commun. 1997 Aug 8; 237(1): 131−137.)。この文献では、本発明者らが、子宮頸がん細胞(HeLa細胞)や白血病細胞(Namalwa細胞)に糖転移酵素を遺伝子導入し、どのような糖鎖を付加するかを詳細に見ている。
−Namalwa細胞に糖転移酵素を遺伝子導入した細胞(Kaneko M et al., FEBS Lett. 1999; 452(3): 237−242.)。この文献では、本発明者らが、Namalwa細胞に糖転移酵素を遺伝子導入し、どのような糖鎖を付加するかを詳細に見ている。
−サル腎臓細胞(COS1細胞)に糖転移酵素を導入した細胞(Kaneko M et al., Blood. 1997; 90(2): 839−849.)。
−ハムスター卵巣細胞(CHO−Lec1細胞)に糖転移酵素を導入した細胞(Kaneko M et al., FEBS Lett. 2003; 554(3): 515−519.)。
免疫は、例えば、がん細胞特異的ポドカリキシン又はその一部を、必要に応じてアジュバントと共に、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、又は腹腔内に注射して行うことができる。
免疫は、常法に従って行うことができるが、例えば1×107〜1×109の細胞を腹腔内に、10日に1回ずつ、複数回投与することにより行うことができる。
抗体の一次スクリーニングにおいては、モノクローナル抗体を取得する工程及びモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを特定する工程を含むことが好ましい。
本発明における抗体の一次スクリーニングは、概して以下のように行われる。
まず、がん細胞特異的糖鎖構造を発現する細胞にポドカリキシン又はその一部をアフィニティータグ(FLAGタグ、Hisタグ、Mycタグ、PAタグ、等)と共に発現させ、当該アフィニティータグを用いて精製を行う。こうして精製したがん細胞特異的ポドカリキシン又はその一部をELISAプレートに固相化し、ここに抗体産生細胞から得られた抗体を加え、反応するウェルを選択する。この方法により、スクリーニングの初期の段階で、がん細胞特異的抗体を選択することができる。
精製したがん細胞特異的ポドカリキシン又はその一部とは、精製タンパク質又はその一部であれば特に限定されるものではなく、強制発現されたタンパク質を精製したものであってもよく、内在性のタンパク質を精製したものであってもよい。
がん細胞又は組織としては、脳腫瘍、前立腺がん、精巣腫瘍、腎がん、甲状腺がん、膀胱がん、乳がん、卵巣がん、大腸がん、膵がん、悪性中皮腫、骨肉腫における細胞又は組織が挙げられ、正常細胞としては、血管内皮細胞及び、腎上皮細胞等が挙げられる。また、正常組織としては、全身の血管及び腎臓等が挙げられる。
がん細胞又は組織としては、1)腺がん(肺腺がん、肝臓腺がん、膵臓腺がん、リンパ腺がん、子宮腺がん、精のう腺がん、胃腺がん等)、2)基底細胞がん(皮膚がん等)、3)扁平上皮がん(口腔がん、舌がん、咽頭がん、食道がん、咽頭がん、子宮頚部がん等)、4)肉腫(リンパ管肉腫、カポジ肉腫、悪性骨肉腫等)、5)造血器腫瘍(急性・慢性骨髄性白血病、急性前骨髄性白血病、及び急性・慢性リンパ性白血病などの白血病、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫などのリンパ腫、並びに多発性骨髄腫等)、6)その他、腎細胞がん等の細胞又は組織であってもよい。
選択されたがん細胞特異的抗体は、その後さらに精製することができる。
本明細書において、「異常血管と、正常血管に対する前記抗体の反応性を比較する工程」は、がん細胞又は組織と一次スクリーニングで得られた抗体とを免疫組織染色により染色し、異常血管における結合の有無を検出し、一方で、正常細胞又は組織と一次スクリーニングで得られた抗体とを免疫組織染色により染色し、正常血管における結合の有無を調べる工程を意味する。
免疫組織染色により、異常血管と、正常血管に対する抗体の反応性を比較し、異常血管に対する反応性が、正常血管に対する反応性より優位に高い抗体を選択する。本発明における製造方法においてより好適には、異常血管に対して反応し、正常血管に対して反応しない抗体を選択する。
選択されたがん微小環境を標的とした抗体は、その後さらに精製してもよい。
そこで、本明細書においては、がんの微小環境における血管新生によって生じた血管のことを、異常血管と定義する。すべてのがん細胞は、血管からの栄養の供給を必要とするため、すべてのがんで異常血管が存在する。
正常血管としては、がんの微小環境における血管新生によって生じた血管以外の血管を意味する。したがって、炎症や創傷治癒の過程などでも血管新生が起こるが、それらは本明細書においては、正常血管に分類される。
異常血管としては、上述のがん細胞又は組織に存在する血管を用いることができ、正常血管としては、正常細胞又は組織に存在する血管を用いることができる。
がん細胞特異的抗ポドカリキシンモノクローナル抗体は、がん細胞特異的ポドカリキシン又はその一部を免疫した非ヒト哺乳動物から抗体産生細胞を単離し、これを骨髄腫細胞等と融合させてハイブリドーマを作製し、このハイブリドーマが産生した抗体を精製することによって得ることができる。また、がん細胞特異的抗ポドカリキシンポリクローナル抗体は、がん細胞特異的ポドカリキシン又はその断片を免疫した動物の血清から得ることができる。
単離精製方法としては、例えば、プロテインA/G/L等を用いたアフィニティカラム、その他のクロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、透析が挙げられ、これらを適宜組み合わせることができる。
ここで、「複数の抗体」としては、動物に抗原タンパク質又はその部分ペプチドを免疫することによって得たものを用いてもよいし、ファージディスプレイ法によって作製した抗体ライブラリ又は抗体フラグメントライブラリを用いてもよい。ファージディスプレイ法によるライブラリを用いる場合、エピトープ配列を含むペプチドを固相担体に固定しパニングを繰り返すことによって、同エピトープに特異的に結合する抗体を得ることもできる。
例えば、ヒト型キメラ抗体の場合、マウス抗体を産生するハイブリドーマのmRNAから逆転写酵素によりcDNAを合成し、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(LH)をPCRでクローニングして配列を解析する。次に、一致率の高い抗体塩基配列から、リーダー配列を含む5’プライマーを作製し、5’プライマーと可変部3’プライマーによって上記cDNAから、シグナル配列から可変領域の3’末端までをPCRでクローニングする。一方で、ヒトIgG1の重鎖及び軽鎖の定常領域をクローニングし、重鎖と軽鎖それぞれについて、マウス抗体由来可変領域と、ヒト抗体由来定常領域とをPCRによるOverlapping Hanging法で連結し、増幅する。得られたDNAを適当な発現ベクターに挿入し、これを形質転換して、ヒト型キメラ抗体を得ることができる。
元の配列において、1から数個の、好ましくは1又は2個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなるCDRや、元の配列に80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるCDRは、部位特異的変異導入法、ランダム変異導入法、チェーンシャフリング法、CDRウォーキング法等の公知の方法を用いて作製され得る。
これらの方法により、ファージディスプレイ法によってCDRに種々の変異を有する抗体又は抗体断片をファージ表面に提示させ、抗原を使用してスクリーニングすることにより、より親和性が成熟したCDRを得られることが当業者によく知られている(例えば、Wu et al., PNAS. 1998; 95: 6037−6042.; Schier R et al., J. Mol. Bio. 1996; 263: 551−567.; Schier R et al., J. Mol. Biol. 1996; 255: 28−43.; Yang WP et al., J. Mol. Biol. 1995; 254: 392−403.)。本発明は、このような方法で成熟させたCDRを含む抗体も包含する。
具体的には、例えば、本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体をコードするDNAを含む発現ベクターを用いて、GDP−フコースの合成に関与する酵素の活性、又はα−1,6−フコシルトランスフェラーゼの活性が低下又は欠失した細胞を形質転換し、得られた形質転換体を培養した後、目的とするがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体を精製することによって得ることができる。
GDP−フコースの合成に関与する酵素としては、例えば、GDP−mannose 4,6−dehydratase(GMP)、GDP−keto−6−deoxymannose 3,5−epimerase,4−reductase(Fx)、GDP−beta−L−fucose pyrophosphorylase(GFPP)が挙げられる。
ここで、細胞は特に限定されないが、哺乳動物細胞が好ましく、例えば上記酵素活性を低下又は欠失されたCHO細胞を用いることができる。
上記方法によって得られる抗体組成物は、還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合している抗体を含む場合もあるが、フコースが結合している抗体の割合は、抗体全体の20重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、最も好ましくは3重量%以下である。
この方法によって得られる抗体組成物も、還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合している抗体を含む場合もあるが、フコースが結合している抗体の割合は、抗体全体の20重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、最も好ましくは3重量%以下である。
抗体医薬の薬効メカニズムは、抗体が有する2つの生物活性に基づいている。1つは標的抗原特異的な結合活性であり、結合することによって標的抗原分子の機能を中和する活性である。標的抗原分子の機能の中和はFab領域を介して発揮される。
本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体の活性は、以下の方法で測定することができる。
抗体の結合活性は公知の方法、例えば、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)、蛍光抗体法、FACS法等で、測定することができる。
ADCC活性とは、標的細胞の細胞表面抗原に本発明の抗体が結合した際、そのFc部分にFcγ受容体保有細胞(エフェクター細胞)がFcγ受容体を介して結合し、標的細胞に障害を与える活性を意味する。
ADCC活性は、ポドカリキシンを発現している標的細胞とエフェクター細胞と本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体を混合し、ADCCの程度を測定することによって知ることができる。エフェクター細胞としては、例えば、マウス脾細胞、ヒト末梢血や骨髄から分離した単球核を利用することができる。標的細胞は、例えばポドカリキシン陽性がん細胞とすることができる。標的細胞をあらかじめ51Cr等で標識し、これに本発明の抗体を加えてインキュベーションし、その後標的細胞に対して適切な比のエフェクター細胞を加えてインキュベーションを行う。インキュベーション後、上清を採取し、上清中の上記標識をカウントすることにより、測定することが可能である。
CDC活性とは、補体系による細胞障害活性を意味する。
CDC活性は、ADCC活性の試験において、エフェクター細胞に代えて補体を用いることにより測定することができる。
腫瘍増殖抑制活性は、腫瘍モデル動物を利用して測定することができる。例えば、マウスの皮下に腫瘍を移植し、本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体を投与する。非投与群と投与群における腫瘍組織の体積を比較することにより、腫瘍増殖抑制効果を測定することができる。
なお、腫瘍増殖抑制活性は、個々の細胞の増殖を抑制する結果生じるものであっても、細胞死を誘導する結果生じるものであってもよい。
本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメントは、ポドカリキシンを発現するがんの予防又は治療に用いてもよい。本発明に係る医薬組成物の一態様は、本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメントを有効成分として含み、さらに薬学的に許容できる担体や添加物を含む。
ポドカリキシンが関連するがんとしては、例えば、脳腫瘍、前立腺がん、精巣腫瘍、腎がん、甲状腺がん、膀胱がん、乳がん、卵巣がん、大腸がん、膵がん、悪性中皮腫、骨肉腫等が挙げられるがこれらに限定されない。本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体は、これらのがんに特に有用である。
また。本発明に係る医薬組成物は、上述のがんに対するドラッグデリバリー製剤として用いることもできる。
本明細書において、治療有効量とは、治療する疾患の一つ又は複数の症状が、それによりある程度緩和される作用物質の量を意味する。抗がん剤の場合、腫瘍サイズの低下;腫瘍の転移の阻害(遅延又は停止);腫瘍増殖の阻害(遅延又は停止)、及びがんと関連する一つ又は複数の症状の緩和、の少なくとも1つを示す量を意味する。
具体的には、本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメントの投与量は、例えば、0.025〜50mg/kg、好ましくは0.1〜50mg/kgであり、より好ましくは0.1〜25mg/kg、さらに好ましくは0.1〜10mg/kg又は0.1〜3mg/kgとすることができるが、これに限定されない。
上述のとおり、ポドカリキシンは特定のがん細胞において高発現している。従って、本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体は、がん、特に脳腫瘍、前立腺がん、精巣腫瘍、腎がん、甲状腺がん、膀胱がん、乳がん、卵巣がん、大腸がん、膵がん、悪性中皮腫、骨肉腫等のポドカリキシンが高発現するがんの診断に有用である。本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体は、異常血管に選択的に結合するので、診断に特に有用である。
本発明は、本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体を含むがんの検査薬、がんの検査のための抗体の使用、本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体を用いるがんの検査方法をも包含する。
中でも、検出可能に標識した本発明に係るがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体と、サンプル中のがん微小環境を標的としたポドカリキシンとの抗原抗体反応を利用してがん微小環境を標的としたポドカリキシンの量を測定するイムノアッセイが好ましい。
ELISA法では、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等の酵素、RIA法では、125I、131I、35S、3H等の放射性物質、FPIA法では、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ダンシルクロリド、フィコエリトリン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、近赤外蛍光材料等の蛍光物質、CLIA法では、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、エクオリン等の発光物質で標識した抗体が用いられる。その他、金コロイド、量子ドット等のナノ粒子で標識した抗体を検出することもできる。
また、イムノアッセイでは、がん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体をビオチンで標識し、酵素等で標識したアビジン又はストレプトアビジンを結合させて検出することもできる。
ELISA法には競合法とサンドイッチ法がある。競合法では、マイクロプレート等の固相担体にがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体を固定し、サンプルと酵素標識したがん特異的ポドカリキシンを添加して、抗原抗体反応を生じさせる。いったん洗浄した後、酵素基質と反応、発色させ、吸光度を測定する。サンプル中のポドカリキシンが多ければ発色は弱くなり、サンプル中のポドカリキシンが少なければ発色が強くなるので、検量線を用いてポドカリキシン量を求めることができる。
酵素基質は、酵素がペルオキシダーゼの場合、3,3’−diaminobenzidine(DAB)、3,3’,5,5’−tetramethylbenzidine(TMB)、o−phenylenediamine(OPD)等を用いることができ、アルカリホスファターゼの場合、p−nitropheny phosphate(NPP)等を用いることができる。
ラテックス粒子にがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体を結合させてサンプルに混合すると、がん特異的ポドカリキシンが存在すれば、抗体結合ラテックス粒子が凝集する。そこで、サンプルに近赤外光を照射して、吸光度の測定(比濁法)又は散乱光の測定(比朧法)により凝集塊を定量し、抗原の濃度を求めることができる。
本発明に係るがんの検査用キットは、上述した検査方法を使用してがんの検査を行うためのキットであり、がん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体を含む。
本発明に係る検査用キットは、がん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体とがん特異的ポドカリキシンとの抗原抗体反応を利用するイムノアッセイによって、ポドカリキシン量を測定するために必要な試薬や装置を含む。
捕獲抗体と標識抗体は、異なるエピトープを認識する。
このようなキットでは、まず、マイクロタイタープレートに捕獲抗体を固定し、ここにサンプルを適宜希釈して添加した後インキュベートし、サンプルを除去して洗浄する。次に、標識した抗体を添加した後インキュベートし、基質を加えて発色させる。マイクロタイタープレートリーダー等を用いて発色を測定することにより、がん特異的ポドカリキシン量を求めることができる。
捕獲抗体と一次抗体は、異なるエピトープを認識する。
このようなキットでは、まず、マイクロタイタープレートに捕獲抗体を固定し、ここにサンプルを適宜希釈して添加した後インキュベートし、サンプルを除去して洗浄する。続いて、一次抗体を添加してインキュベート及び洗浄を行い、さらに酵素標識した二次抗体を添加してインキュベートを行った後、基質を加えて発色させる。マイクロタイタープレートリーダー等を用いて発色を測定することにより、がん特異的ポドカリキシン量を求めることができる。二次抗体を用いることにより、反応が増幅され検出感度を高めることができる。
かかるキットによれば、まず、適当な濃度に希釈したサンプルでマイクロタイタープレートをコーティングし、一次抗体を添加する。インキュベート及び洗浄を行った後、酵素標識した二次抗体を添加し、インキュベート及び洗浄を行い、基質を加えて発色させる。
マイクロタイタープレートリーダー等を用いて発色を測定することにより、がん特異的ポドカリキシン量を求めることができる。
ヒト膠芽腫細胞株であるLN229細胞(ATCCから購入)を用いてヒトポドカリキシンの細胞外領域(配列番号1における26番目から426番目のアミノ酸)をリポフェクション法(ライフテクノロジー社)にて導入し、G418(ライフテクノロジー社)による薬剤選抜を行って分泌型ヒトポドカリキシンの安定発現株(LN229/sol−hPODXL)を樹立した。分泌型ヒトポドカリキシンのC末端には、発明者らが開発したPA tag(Fujii Y et al., Protein Expr Purif. 2014; 95: 240−247.)を付加した。LN229/sol−hPODXLを10%ウシ胎児血清(FBS;ライフテクノロジー社)を添加したDMEM培地(和光純薬株式会社)で大量培養し、その上清を回収した。回収した上清を0.22μmフィルター(ミリポア社)でろ過し、PA tagシステムを用いて分泌型ポドカリキシンの精製を行った。分泌型ポドカリキシンの溶出には、0.1mg/mLのPA tagペプチド(hpp4051:12アミノ酸のペプチド)を用いた。吸光度OD280をナノドロップライト(サーモサイエンティフィック社)を用いて計測した。
1回目の免疫として、分泌型ポドカリキシンの100μgを0.5mLのPBSで懸濁したものを、アジュバントとしての0.5mLのImjectAlum(サーモサイエンティフィック社)と混合して腹腔投与した。
2回目の免疫として、分泌型ポドカリキシンの100μgとLN229/hPODXLの1x107細胞を0.5mLのPBSで懸濁したものを腹腔投与した。
3〜5回目の免疫として、LN229/hPODXLの1x107細胞を0.5mLのPBSで懸濁したものを腹腔投与した。
最終免疫から48時間後に、免疫したマウスから脾臓を採取し、脾細胞を抽出した。脾細胞はマウスミエローマのP3U1細胞(ATCCから購入)とポリエチレングリコール1,500(シグマアルドリッチ社)を用いて融合させ、ヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジン(HAT;サーモサイエンティフィック社)を添加した10%FBS/RPMI培地(和光純薬株式会社)を用いて、10日間培養を行った。分泌した抗体について、ELISA法による一次スクリーニングを行った。
二次スクリーニングには内在的にヒトポドカリキシンの発現しているLN229細胞、及びLN229細胞にヒトポドカリキシンを強制発現させた細胞(ポドカリキシン強制発現LN229細胞)を用いて反応性を検討した。樹立したモノクローナル抗体の評価には、LN229細胞、ポドカリキシン強制発現LN229細胞、血管内皮細胞株(Cambrex社より購入)を用いた。1反応あたり1x105細胞を使用した。細胞に培養上清を添加し、氷上で1時間、一次抗体反応を行った。0.1%BSA/PBSで洗浄した後、Alexa488標識抗マウスIgG抗体(1/1,000希釈、サーモサイエンティフィック社)を添加し、氷上で30分、二次抗体反応を行った。0.1%BSA/PBSで洗浄した後、Cell Analyzer EC800 (ソニー社)で解析を行った。
ポドカリキシン強制発現LN229細胞に反応し、血管内皮細胞に反応しない一次抗体を樹立した。
乳がん組織や正常組織(ヒト腎臓、ヒト小腸)のパラフィン切片を、キシレンとエタノールの系列を使って脱パラフィンした。pH6.0のクエン酸バッファー(ダコ社)を用いて、オートクレーブにより抗原賦活化を行った。3%H2O2を用いて内在性のペルオキシダーゼを不活性化した。SuperBlock(サーモフィッシャー社)を用いて、室温で10分間、ブロッキングを行い、一次抗体を1μg/mLの濃度で室温で1時間反応させた。Envision+(ダコ社)で増幅後、DAB(ダコ社)で発色した。腎臓の正常血管及び糸球体並びに小腸の正常血管が染色されず、乳がん組織のがん細胞周辺の異常血管が染色されたクローン(PcMab−60)を樹立した。
PcMab−60ハイブリドーマ細胞1×106からQIAGEN RNeasy mini kitを使用してトータルRNAを抽出した。トータルRNA5μgからSuperScript III First−Strand Syntheses kitを使用してcDNA合成を行った。以下の実験にcDNAを鋳型として使用した。
InFs.HindIII-Pc60H:CGGTATCGATAAGCTTCCAATGTCCTCTCCACAG(配列番号:12)
InFr.Pc60HVH-BamHI:GGCCCTTGGTGGATCCGACGGTGACTGAGGTTC(配列番号:13)
PCR反応にはQIAGEN HotStar HiFidelity DNA polymeraseを使用した。温度条件は、最初に95℃5分、次に94℃15秒、50℃1分、72℃1分を35サイクル、最後に72℃10分とした。増幅したPCR産物はFastGene Gel/PCR Extractionにて精製した。PcMab−60の重鎖PCR産物は、制限酵素HindIII及びNotIにて酵素処理し、FastGene Gel/PCR Extraction kitにて精製したpCAG−hIgG1hG2b vector(G418)にInFusion法を用いてサブクローニングし、ベクタープライマーから塩基配列の確認を行った。
InFs.HindIII-Pc60L:CGGTATCGATAAGCTTAAAATGATGAGTCCTGCCC(配列番号:14)
InF.mIgCKterNotI:TCTAGAGTCGCGGCCGCCTAACACTCATTCCTGT(配列番号:15)
PCR反応にはQIAGEN HotStar HiFidelity DNA polymeraseを使用した。温度条件は、最初に95℃5分、次に94℃15秒、50℃1分、72℃1分を35サイクル、最後に72℃10分とした。増幅したPCR産物はFastGene Gel/PCR Extractionにて精製した。PcMab60の軽鎖PCR産物は、制限酵素HindIII及びNotIにて酵素処理し、FastGene Gel/PCR Extraction kitにて精製したpCAG vector(zeocin)にInFusion法を用いてサブクローニングし、ベクタープライマーから塩基配列の確認を行った。
塩基配列からアミノ酸配列を予測した。chPcMab−60の重鎖アミノ酸配列は配列番号:10に、PcMab−60の軽鎖アミノ酸配列は配列番号:8に示すとおりであった。
決定した塩基配列より以下のURLのホームページ(abYsis)に提供されているイムノグロブリンの配列予測ソフトにてCDRの部位を特定した。
(http://www.bioinf.org.uk/abysis/sequence_input/key_annotation/key_annotation.html)
PcMab−60の重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:2〜7に示されるように特定された。
pCAG−hIgG1hG2b/PcMab−60HVH(G418)及びpCAG/PcMab−60L(zeocin)は、上記4.で調製したものを用いた。
pCAG−hIgG1hG2b/PcMab−60HVH(G418)及びpCAG/PcMab−60L(zeocin)を、それぞれ2.5μgを混合し、Lipofectamin LTXの方法に従って、CHO−S細胞5x105(6ウェルプレートの1ウェルに相当)に形質導入した。24時間後からzeocin 500μg/mL、G418 1mg/mL入りの培地で形質導入細胞の選択をした。ポドカリキシン強制発現LN229細胞(LN229/hPODXL)に対して、選択細胞の培養上清の反応性をフローサイトメトリーにて確認した。
chPcMab−60の重鎖は、PcMab−60のVH領域と、ヒトIgG1に由来するCH1、ヒンジ領域、CH2、CH3からなる。
PcMab−60及びchPcMab−60が、濃度依存的にポドカリキシンに対して反応を示すことを確認した。LN229(ATCCより購入)、ヒトポドカリキシン強制発現LN229細胞(LN229/hPODXL)、血管内皮細胞株(Cambrex社より購入)を用いた。1反応あたり1x105細胞を使用した。細胞に0.01〜10μg/mLの濃度の精製抗ポドカリキシン抗体を添加し、氷上で1時間、一次抗体反応を行った。0.1%BSA/PBSで洗浄した後、FITC標識抗ヒトIgG抗体(1/1,000希釈;サーモフィッシャー社)を添加し、氷上で30分、二次抗体反応を行った。0.1%BSA/PBSで洗浄した後、Cell Analyzer EC800(ソニー社)で解析を行った。結果を図1及び図2に示す。図1及び図2の結果から、今回得られたPcMab−60及びchPcMab−60は、いずれもLN229に対しては反応しないが、ヒトポドカリキシンの強制発現のLN229/hPODXLには濃度依存的に反応した。
ヒト脳腫瘍細胞株のLN229細胞(ATCCから購入)を用いてヒトポドカリキシンの細胞外領域(配列番号1における26番目から426番目のアミノ酸)をリポフェクション法(ライフテクノロジー社)にて導入し、G418による薬剤選抜を行って分泌型ヒトポドカリキシンの安定発現株(LN229/sol−hPODXL)を樹立した。分泌型ヒトポドカリキシンのC末端には、発明者らが開発したPA tag(Fujii Y et al., Protein Expr Purif. 2014; 95: 240−247.)を付加した。LN229/sol−hPODXLを10%ウシ胎児血清(FBS;ライフテクノロジー社)を添加したDMEM培地(和光純薬株式会社)で大量培養し、その上清を回収した。回収した上清を0.22μmフィルター(ミリポア社)でろ過し、PA tagシステムを用いて分泌型ポドカリキシンの精製を行った。分泌型ポドカリキシンの溶出には、0.1mg/mLのPA tagペプチド(hpp4051:12アミノ酸のペプチド)を用いた。吸光度0D280をナノドロップライト(サーモサイエンティフィック社)を用いて計測した。
また、PcMab−47及びPcMab−60の正常組織及び乳がん組織に対する免疫組織染色の結果を図4に示す。図4の結果から、PcMab−60は、がん微小環境の異常血管に対してのみ反応性が見られることがわかった。
正常血管には反応せず、がん微小環境の異常血管のみに特異的に反応する抗体は、これまで報告がなく、がん微小環境を標的とした、新規な抗ポドカリキシン抗体であるPcMab−60が樹立できた。今回作製したPcMab−60に抗がん剤や標的アイソトープなどを結合させ、がん患者に投与することにより、がん微小環境の異常血管に抗がん剤や標的アイソトープを選択的に運ぶことができる。現在、がん細胞のみを狙った治療は効果が限定的であることが指摘されており、今後、がん微小環境を狙った治療は、がん分子標的治療において重要な戦略となる。
配列番号:2〜4は、それぞれchPcMab−60の重鎖CDR1〜3のアミノ酸配列を表す。
配列番号:5〜7は、それぞれPcMab−60の軽鎖CDR1〜3のアミノ酸配列を表す。
配列番号:8、9は、それぞれPcMab−60の軽鎖のアミノ酸配列とDNA配列を表す。
配列番号:10、11は、それぞれchPcMab−60の重鎖のアミノ酸配列とDNA配列を表す。
配列番号:12は、プライマーInFs.HindIII-Pc60HのDNA配列を表す。
配列番号:13は、プライマーInFr.Pc60HVH-BamHIのDNA配列を表す。
配列番号:14は、プライマーInFs.HindIII-Pc60LのDNA配列を表す。
配列番号:15は、プライマーInF.mIgCKterNotIのDNA配列を表す。
Claims (9)
- 以下の6つのCDRを有するがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその
抗原結合フラグメント:
重鎖CDR1:GYSFTDY(配列番号:2)
重鎖CDR2:NPRNGG(配列番号:3)
重鎖CDR3:EAMEY(配列番号:4)
軽鎖CDR1:KSSQSLLDSAGKTYLN(配列番号:5)
軽鎖CDR2:RLMYLVSKLA(配列番号:6)
軽鎖CDR3:WQGTHFPRT(配列番号:7)。 - 配列番号:10で表されるアミノ酸配列を含む重鎖;
配列番号:10で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸の付加、置換、又は欠失を含むアミノ酸配列を含む重鎖;又は、
配列番号:10で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖、及び
配列番号:8で表されるアミノ酸配列を含む軽鎖;
配列番号:8で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸の付加、置換、又は欠失を含むアミノ酸配列を含む軽鎖;又は、
配列番号:8で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1に記載のがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメント。 - Fc領域に1以上のN−結合型糖鎖が結合し、該N−結合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない、請求項1又は2に記載のがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメント。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載のがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする核酸。
- 請求項4に記載の核酸を含む発現ベクター。
- 請求項5に記載の発現ベクターを含む形質転換体。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載のがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメントを有効成分として含む医薬組成物。
- 抗がん活性を有する物質を結合させた請求項1から3のいずれか1項に記載のがん微小環境を標的とした抗ポドカリキシン抗体又はその抗原結合フラグメントを有効成分として含む医薬組成物。
- がんの予防又は治療剤である、請求項7又は8に記載の医薬組成物。
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