JP6887157B2 - 中間バッファ装置、一次処理システム、二次処理システムおよび処理システム - Google Patents

中間バッファ装置、一次処理システム、二次処理システムおよび処理システム Download PDF

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Description

この発明は、処理速度の異なる2つの処理装置を接続する中間バッファ装置、該中間バッファ装置を備える一次処理システム、二次処理システムおよび処理システムに関する。
処理速度が異なる一次処理装置と二次処理装置との間に設けられる中間バッファ装置であって、一次処理装置から排出されたシートを、一時的に貯留して二次処理装置の処理タイミングに合わせて引き渡す、中間バッファ装置が公知である。このような中間バッファ装置の一例が、特許文献1に開示されている。
特開2014−125289号公報
特許文献1に開示されている中間バッファ装置では、対のコイルの線間でシートを支持して、コイルの始端および終端の回転を制御することによってシートを搬送している。また、コイルの巻き数を変更することによって、シートを一時的に貯留できる枚数すなわちシートバッファ数を変更しようとしている。
しかしながら、当該中間バッファ装置では、コイルがシートにおける微小領域を支持することによって、コイルによるシートの支持および搬送が行われている。そのため、シートの支持および搬送が不安定であり、シートを安定的に且つスムーズに受け渡しできないという問題がある。また、シートバッファ数を大幅に増減させるためにコイルの巻き数を大幅に変更すると、コイルがいびつに変形するためシートの支持および搬送が不安定になるので、シートバッファ数を自在に変更できないという問題がある。
したがって、この発明の解決すべき技術的課題は、シートを一次処理装置から二次処理装置に安定的に且つスムーズに受け渡しできるとともに、シートバッファ数を自在に変更できる中間バッファ装置、該中間バッファ装置を備える一次処理装置、二次処理装置および処理システムを提供することである。
上記技術的課題を解決するために、この発明によれば、以下の中間バッファ装置が提供される。
すなわち、この発明に係る中間バッファ装置は、
シートに一次処理を施す一次処理装置と、一次処理された前記シートに対して二次処理を施す二次処理装置との間で前記シートを受け渡すための中間バッファ装置であって、
前記一次処理装置で一次処理された前記シートを載置するための載置部と、
前記載置部の上に載置されたシートにおける、前記シートの搬送方向に直交する搬送直交方向に位置するシート側端を、前記搬送直交方向の外側から規制する2つの側端規制部と、
前記載置部の上に載置されたシートのうちの最下位シートを吸着搬送しながら前記二次処理装置に搬送する搬送部と、
前記側端規制部に設けられて、前記シート側端に向けて送風するための送風口と、
前記送風口が設けられた前記側端規制部と前記載置部の側端部との間に配設されており、前記最下位シートの下面の下方に間隙を形成するように構成された側端間隙部とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、側端規制部に設けられた送風口からの風が、載置部上に載置されたシートのシート側端に向けて送られると、当該風の一部が、最下位シートとその上に位置する次のシートとの間、および、最下位シートと側端間隙部との間を流れる。最下位シートと側端間隙部との間を流れた風は、さらに、最下位シートと載置部との間を流れる。風が、最下位シートと次のシートとの間および最下位シートと載置部との間のそれぞれに流れることによって、それらの間に隙間が形成される。当該隙間によって、最下位シートが、次のシートおよび載置部から分離される。最下位シートが分離されることにより、搬送部による最下位シートの吸着搬送が確実に行われる。さらに、一次処理装置からのシートが、載置部に積み重ねられても、シートを確実に搬送できるため、載置部に載置されるシートの枚数が制限されない。そのため、載置部におけるシートバッファ数も、自在に変更できる。したがって、シートを一次処理装置から二次処理装置に安定的に且つスムーズに受け渡しできるとともに、シートバッファ数を自在に変更できる。
この発明の一実施形態に係る処理システムの全体構成を模式的に示す斜視図である。 図1に示した処理システムのうち中間バッファ装置および高さ調整装置の上面図である。 図2に示した中間バッファ装置および高さ調整装置を、搬送方向の上流側であって送風口の無い側から見た斜視図である。 図3に示した中間バッファ装置および高さ調整装置を、搬送方向と直交する搬送直交方向で切り取った断面図である。 図2に示した中間バッファ装置および高さ調整装置を、搬送方向の上流側であって送風口の有る側から見た斜視図である。 図5に示した中間バッファ装置および高さ調整装置を、搬送方向と直交する搬送直交方向で切り取った断面図である。 図2に示した中間バッファ装置および高さ調整装置を、搬送方向の下流側であって送風口の無い側から見た斜視図である。 図4の要部拡大図である。 図7の要部拡大図である。 中間バッファ装置および高さ調整装置の境界部分を、搬送方向で切り取った要部拡大断面図である。 送風口の模式的断面図である。 側端間隙部の一例についての搬送直交方向での断面図である。 側端間隙部の変形例についての搬送直交方向での断面図である。 側端間隙部の変形例についての搬送直交方向での断面図である。 側端間隙部の変形例についての搬送直交方向での断面図である。 載置部の第一傾斜角度と斜行搬送部の第二傾斜角度との関係を説明する模式図である。
以下、図面を参照しながら、一次処理装置2、二次処理装置3、中間バッファ装置4、高さ調整装置5および処理システム1を説明する。説明の都合上、図1などに記載しているように、シートの搬送方向Fの下流側を、「前方」又は単に「下流側」と呼んでいる。シートの搬送方向Fの上流側を、「後方」又は単に「上流側」と呼んでいる。シートの搬送経路を挟んだ上下を、「上側」又は「下側」と呼んでいる。また、搬送直交方向(搬送方向Fと直交する水平方向)を「左右方向」と呼び、搬送方向の上流側から見た状態で「右側」および「左側」を規定している。また、この発明では、シートは、紙製シートはもちろん、樹脂製シートも含む。
(処理システムの全体構成)
図1は、この発明の一実施形態に係る処理システム1の全体構成を模式的に説明する縦断面図である。この処理システム1は、一次処理装置2と、二次処理装置3と、中間バッファ装置4と、高さ調整装置5とを備える。シートは、搬送方向Fに沿って、一次処理装置2から、中間バッファ装置4および高さ調整装置5を経由して、二次処理装置3に搬送される。
一次処理装置2は、例えばデジタルプリンタのような印刷装置であり、一次処理部2aとシート排出部2bとを備える。一次処理部2aは、シートの上に印刷などの一次処理を施す。また、例えばコレーターのような、シート供給装置を一次処理装置2として使用することもできる。シート排出部2bは、一次処理されたシートを中間バッファ装置4に送り出す排出部である。二次処理装置3は、例えば加工機、折り機、シーラーや製本機などであり、シート受取部3aと二次処理部3bとを備える。シート受取部3aは、中間バッファ装置4または高さ調整装置5からのシートを受け取る。二次処理部3bは、一次処理されたシートに対して二次処理を施す。二次処理は、例えば、縦裁断加工、横裁断加工、縦折り型加工、横折り型加工、丸め加工、エンボス加工、疑似接着、接着、製本又はミシン目加工などである。
処理システム1は、当該システムでの各種動作を制御する制御部(CPU:中央演算処理装置)を備えている。制御部には、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、EEPROM(電気的に消去書き込み可能なメモリ)などの各種メモリが接続されている。制御部には、ボタンやスイッチ類やディスプレイを有する操作表示パネルが接続されている。制御部には、一次処理装置2用のモータ、中間バッファ装置4用のモータ、高さ調整装置5用のモータ、二次処理装置3用のモータなどの各種モータが接続されている。制御部には、シート位置検出センサおよびCCDセンサなどの各種センサが接続されている。なお、一次処理装置2、二次処理装置3、中間バッファ装置4および高さ調整装置5を個々に制御するための制御部を、各装置に個別に設ける構成にすることもできる。
一次処理装置2と二次処理装置3とは処理速度が異なっており、二次処理装置3の処理速度は、一次処理装置2の処理速度よりも遅い。二次処理装置3の処理速度に応じて、一次処理装置2の処理速度を遅くした状態で処理システム1が運転されるが、二次処理装置3において何らかの不具合が発生した場合に、一次処理装置2と二次処理装置3との間でのシートの受け渡しが円滑に行われなくなる。そこで、一次処理装置2と二次処理装置3との間に、中間バッファ装置4が設けられる。
図2から図13を参照しながら、中間バッファ装置4の構成を説明する。
図2および図3に示すように、中間バッファ装置4は、ベース10と、上流フレーム11と、下流フレーム12と、載置部13と、第一側端規制部14と、第二側端規制部15と、搬送部16と、送風ファン20と、送風口22と、傾斜部25と、前端規制部30とを備える。
ベース10は、中間バッファ装置4の全体形状を形作る枠体である。ベース10の上流側には、逆U字状の上流フレーム11が立設されている。ベース10の下流側には、逆U字状の下流フレーム12が立設されている。ベース10の上部には、板状の載置部13が形成されている。載置部13上には、一次処理装置2のシート排出部2bから排出されたシートが順次載置される。したがって、載置部13は、少なくとも1枚のシートを一時的に貯留できる。載置部13に載置されて貯留されたシートの枚数が、シートバッファ数になる。
上流フレーム11の上梁部には、左右の上流側ローラ18が搬送直交方向に設けられている。左右の上流側ローラ18は、ローラ支持体によって高さ方向に移動可能に構成されている。一次処理装置2のシート排出部2bから排出されるシートの排出高さに応じて、左右の上流側ローラ18の高さが調整される。左右の上流側ローラ18は、一次処理装置2のシート排出部2bから排出されたシートの下面を支持して、シートが搬送方向Fにスムーズに搬送されることを補助する。したがって、左右の上流側ローラ18により、一次処理装置2から排出されるシートの排出高さに適切に対応できるとともに、一次処理装置2から排出されるシートを搬送方向Fにスムーズに搬送できる。
図9に示すように、上流フレーム11の搬送方向Fの下流側には、補助搬送部17が設けられている。補助搬送部17は、ボックス形状をしている。補助搬送部17は、その左右の側面において、補助搬送ローラ17aをそれぞれ有する。すなわち、左側の側面には、搬送方向Fに沿って2つの補助搬送ローラ17aが配設され、右側の側面にも、搬送方向Fに沿って2つの補助搬送ローラ17aが配設されている。各補助搬送ローラ17aは、補助搬送部17の上面よりもわずかに上方に突出している。各補助搬送ローラ17aは、図示しない補助搬送モータによって駆動される。各補助搬送ローラ17aの線速度は、一次処理装置2のシート排出部2bから排出されたシートの搬送速度と比べて、同じであるか、あるいは、わずかに速いように、制御部によって補助搬送モータの回転数が制御されている。
補助搬送部17は、搬送方向Fの下流側において、後端支持部17bを有する。後端支持部17bの下部は、一次処理装置2のシート排出部2bから排出されたシート後端を支持することによって、該シート後端の位置決めを行う。なお、図2の上面図に示すように、下流側に位置する補助搬送ローラ17aの下流端は、後端支持部17bをなす面に略一致するように配設されている。後端支持部17bの上部には、補助送風口17cが形成されているとともに、後端支持部17bの内部は、送風ボックスを構成している。補助送風口17cから、搬送方向Fに沿った補助風が送風される。補助風は、一次処理装置2のシート排出部2bから排出されたシートが搬送方向Fに搬送されることを補助する。また、後端支持部17b(または補助搬送部17)は、搬送方向Fに沿って移動可能に設けられる。したがって、シートの搬送方向Fの寸法に応じて、後端支持部17bの位置を調整することができる。
図8に示すように、下流フレーム12の上梁部の中央部には、前端規制部30が設けられている。前端規制部30は、取付部材を介して、下流フレーム12の上梁部に取り付けられている。前端規制部30は、高さ方向に延びる板状体である。前端規制部30の後面は、一次処理装置2のシート排出部2bから排出されたシートのシート前端を受け止めることによって、該シート前端の位置決めを行う。前端規制部30の下端部には、ギャップ規制部31が配設されている。ギャップ規制部31の下端は、載置部13の上面との間で、1枚のシートだけが通過できるように寸法構成された搬送ギャップ35を形成する。
前端規制部30は、勢いよく排出されるシートを受け止めるために、剛性を有する材料(例えば、金属材料)から構成される。また、ギャップ規制部31としては、シートが搬送ギャップ35を通過するときにシートを傷付けないように、ポリウレタンエラストマなどのような可撓性を有する材料が用いられる。また、ギャップ規制部31は、長時間の運転で、シートとの接触によって摩耗するおそれがあるため、交換可能に構成されている。
前端規制部30の搬送方向Fの下流側には、規制ローラ32が配設されている。規制ローラ32は、取付部材を介して、下流フレーム12の上梁部の下方に取り付けられている。規制ローラ32の搬送直交方向での長さは、前端規制部30の搬送直交方向での長さよりも少し長くなるように構成されている。また、規制ローラ32の下端は、前端規制部30のギャップ規制部31の下端よりも下に位置するように構成されている。
載置部13に沿って搬送されるシートは、続いて、後述する高さ調整装置5の斜行搬送部55に沿って搬送されるが、載置部13と斜行搬送部55とは、同じ面の上にはない。すなわち、載置部13と斜行搬送部55との間でなす角度が、180度ではなく、載置部13と斜行搬送部55とは、曲げ角度a3(図13に図示)をなしている。シートが、載置部13から斜行搬送部55に移るとき、シートが搬送ギャップ35を通過するため、シートが、ギャップ規制部31に接触して、該シートの上面を傷付けるおそれがある。しかしながら、搬送部16の吸引によってシートが下方に湾曲して、シートにおける下方に湾曲した部分に対向するようにギャップ規制部31が配置されているとともに、規制ローラ32がギャップ規制部31の下端よりも下に位置し且つ回転可能なように構成されている。当該構成により、搬送ギャップ35を通過したあとのシートが、曲げ角度a3に対応して曲げられながら搬送されても、該シートを傷付けることが防止される。
図5に示すように、前端規制部30の上方には、ガイド棒19が配設されている。ガイド棒19は、取付部材を介して、下流フレーム12の上梁部に対して片持ちで取り付けられている。ガイド棒19は、搬送方向Fの上流側に沿って延びているとともに、搬送方向Fの上流側に対して上向きに延びている。すなわち、ガイド棒19は、搬送方向Fの下流側が低くなっている下り傾斜で延びている。また、ガイド棒19は、人の手指の力では移動可能であるもののシートの衝突力では移動不可であるように構成されたトルクヒンジによって、取付部材に対して支持されている。
載置部13上に載置されたシートは、搬送方向Fに直交する搬送直交方向において、左右のシート側端を有し、搬送方向Fの下流側において、シート前端を有し、搬送方向Fの上流側において、シート後端を有する。搬送直交方向に位置するシート側端のそれぞれは、一対の第一側端規制部14および第二側端規制部15によって、搬送直交方向の外側から規制される。第一側端規制部14および第二側端規制部15は、ベース10から立設されている。第一側端規制部14および第二側端規制部15の少なくとも一方は、載置されるシートのサイズに応じて、搬送直交方向に移動可能に構成されている。
図3および図5に示すように、第一側端規制部14は、板状形状をしており、第一内側規制面14aと第一外側面14bとを有する。第一内側規制面14aは、載置部13上に載置されたシートの右のシート側端に当接して該シート側端を規制する。同様に、第二側端規制部15は、板状形状をしており、第二内側規制面15aと第二外側面15bとを有する。第二内側規制面15aは、載置部13上に載置されたシートの左のシート側端に当接して該シート側端を規制する。
第二側端規制部15は、送風口22を有する。ベース10には、複数の送風ボックス21が取り付けられており、各送風ボックス21には、送風ファン20が取り付けられている。送風口22は、第二側端規制部15の厚み方向を貫通する複数の送風孔23を備える。送風孔23が、搬送方向Fに沿って配置されている。送風ボックス21は、送風ファン20および送風口22と連通している。したがって、送風ファン20からの送風が、送風ボックス21内を流れたあと、各送風孔23を通じて、載置部13上に載置されたシートのシート側端に向けて送風するように、第二側端規制部15の送風口22が構成されている。
図9に示すように、送風口22では、送風孔23が、例えば、上段送風孔23a、中段送風孔23bおよび下段送風孔23cの3段で高さ方向に構成されている。各送風孔23は、千鳥状に配置されており、第二側端規制部15の所定領域において、送風孔23を密に配置できる。また、図11に示すように、送風口22の各送風孔23の断面は、第二側端規制部15の第二外側面15bから第二内側規制面15aに向けて末広がりに拡径した皿穴形状をしている。末広がりに拡径した皿穴形状の各送風孔23は、シートのコーナー部が引っ掛かりにくい形状であるので、一次処理装置2のシート排出部2bから排出されたシートが、搬送方向Fに沿って搬送される過程で、第二内側規制面15aの送風孔23で引っ掛かることを防止できる。
例えば、図3に示すように、搬送方向Fの上流側には、送風口22が設けられていない。後述するように、載置部13が、搬送方向Fの下流側から上流側に向けて下方に傾斜するように構成されているので、載置部13上に載置されたシートのシート後端が、シートの自重によって後端支持部17bで支持される。そのため、シート後端においては、シートを分離するための送風を必要としない。送風口22は、例えば、搬送方向Fの下流側から上流側に向けて、載置部13の搬送方向Fの長さの75%程度の長さで設けられている。すなわち、載置部13の前方を始点にして、載置部13の搬送方向Fの長さの約75%にわたって、送風口22が設けられている。
図5に示すように、送風ファン20は、例えば、搬送方向Fに沿った二箇所において前送風ファンおよび後送風ファンとして配設される。1枚のシートが載置部13に載置されている場合には、シートの吸着搬送がスムーズに行われるので送風を必要としない。そのため、前送風ファンおよび後送風ファンが休止するように制御することができる。また、載置部13に所定の複数枚のシートが載置されたときに前送風ファンおよび後送風ファンが作動するように制御することができる。また、前送風ファンおよび後送風ファンは、独立して制御することもできる。シートの長さが短いとき、後送風ファンを休止して、前送風ファンだけで送風することによって、送風の効率化を図ることができる。
図8に示すように、搬送部16は、一対のベルト駆動ローラ16a,16aと、複数の搬送ベルト16b,16bと、ベルト駆動モータと、吸引ファンと、吸引箱とを有し、吸着式の搬送手段を構成する。吸引箱の上部には、吸引開口が形成されて、複数の搬送ベルト16b,16bが部分的に露出している。吸引開口は、載置部13の搬送直交方向での略中央に形成されている。吸引開口の搬送直交方向での幅は、前端規制部30の搬送直交方向での幅よりも広く構成されており、例えば、2倍以上広く構成されている。吸引開口の搬送直交方向での幅は、載置部13の搬送直交方向での幅よりも非常に狭く構成されている。載置部13の搬送直交方向での幅に対して吸引開口の搬送直交方向での幅を狭くすることにより、シートの中央部を局所的に吸引してシートをU字状に湾曲させてシートに腰を与えることができる。それとともに、吸引ファンを小型化できる。吸引開口と複数の搬送ベルト16b,16bとの間には、吸引隙間が形成されており、該吸引隙間を通じて、載置部13に載置されているシートのうちの最下位シート100が複数の搬送ベルト16b,16bに密着する。
搬送ベルト16b,16bは、無端状に形成され、搬送方向Fと平行に複数個が並んで配置される。各搬送ベルト16b,16bは、搬送方向Fに離間して対向配置された一対のベルト駆動ローラ16a,16aのそれぞれに掛け渡されている。各搬送ベルト16b,16bの露出している上面は、シートの給送面を構成する。図10に示すように、搬送ベルト16b,16bによる給送面の高さは、載置部13の上面の高さよりも低く構成されている。また、搬送ベルト16b,16bによる給送面と載置部13の上面との間隔は、調整可能に構成されている。
シートは、吸引隙間を通じて吸引されながら搬送ベルト16b,16bで搬送されることによって、吸着搬送される。一対のベルト駆動ローラ16a,16aのうちの一方は、駆動機構を介して、ベルト駆動モータに接続されている。制御部によって、ベルト駆動モータが駆動されると、一方のベルト駆動ローラ16aが回転して、搬送ベルト16bが周回走行するとともに他方のベルト駆動ローラ16aが従動回転する。
制御部により、搬送部16に設けられた吸引ファンは、中間バッファ装置4が作動している間、吸引を継続するように制御される。それとともに、吸引ファンの上流側には、バタフライ式のシャッタが設けられていて、シャッタはソレノイドで開閉される。制御部により、吸引動作のONまたはOFFに応じて、当該シャッタをソレノイドで開閉するように制御される。これにより、吸引ファンによる吸引動作のONまたはOFFを素早く切り替えることができる。
制御部により、搬送ベルト16b,16bによる搬送動作と、吸引ファンによる吸引動作とを同時に行うか、吸引動作を搬送動作よりも先に行うように制御される。搬送部16による線速は、一次処理装置2の搬送速度よりも遅い。搬送動作の初期段階では、搬送ベルト16b,16bが低速で移動するように構成されている。これにより、搬送ベルト16b,16bのグリップ力がアップして、シートをより確実に搬送できる。
なお、搬送部16における搬送ベルトとして、複数の吸引穴を形成した穴付きベルトを用いることもできる。
図2、図3および図8に示すように、送風口22が設けられた第二側端規制部15と、載置部13の側端部との間には、傾斜部25が配設されている。傾斜部25は、側端間隙部の一例であって、第二側端規制部15の第二内側規制面15aから載置部13の側端部に向けて上向きに傾斜している。傾斜部25は、搬送方向Fに沿って延びている。傾斜部25は、載置部13よりも高さ方向に低い位置に位置している。そのため、載置部13の上にある最下位シート100の下面は、載置部13で支持されるのに対して、載置部13の上になくて傾斜部25の上にある最下位シート100の下面と、傾斜部25との間には、間隙が形成されている。したがって、最下位シート100の下面と、傾斜部25との間に形成された間隙には、送風口22からの風が流れることができる。
傾斜部25は、第二側端規制部15の第二内側規制面15a、または、載置部13の側端部から延びることができる。第二側端規制部15の第二内側規制面15a、または、載置部13の側端部から延びる部分を所定の角度で折り曲げ加工することによって傾斜部25が形成されるので、傾斜部25の作製が容易である。
なお、腰の弱いシートは、傾斜部25によって下方に湾曲することがある。シートが湾曲すると、平坦な状態よりも、シートの腰が強くなる。したがって、傾斜部25は、腰の弱いシートを補強するという効果を奏する。
図12Aに示すように、傾斜部25の外側端部は、送風口22の下段送風孔23cよりも下に位置している。下段送風孔23cからの風は、傾斜部25に沿って流れたあと、最下位シート100と載置部13との間を流れる。そして、最下位シート100と載置部13との間には、隙間が形成される。上段送風孔23aおよび中段送風孔23bからの風は、最下位シート100と、最下位シート100よりも上に位置するシートとの間を流れる。そして、最下位シート100と、最下位シート100よりも上に位置するシートとの間には、隙間が形成される。隙間を流れる風によって、最下位シート100が、次のシートおよび載置部13から分離される。分離された最下位シート100が、搬送部16で吸着搬送される。
なお、図8に示すように、送風口22において、搬送方向Fの下流側では、複数の下段送風孔23cが形成されていないことが好ましい。下段送風孔23cが形成されていない部分は、搬送部16の長さに対応して、例えば、前から10個程度である。これは、搬送方向Fの下流側に配設された下段送風孔23cからの風が、搬送方向Fの下流側に配設された搬送部16に到達することによって、搬送部16での吸着力が弱まることを防止するためである。
側端間隙部は、送風口22が設けられた第二側端規制部15と、載置部13の側端部との間に形成されて、最下位シート100の下面に対して間隙を形成する働きを有する。当該側端間隙部は、図12Aに図示した傾斜部25に限られるものではない。側端間隙部は、図12Bから図12Dに示すような変形例の態様にすることもできる。図12Bから図12Dは、側端間隙部の変形例についての搬送直交方向での断面を示す。
図12Bは、側端間隙部が上に凸の湾曲形状をした上凸湾曲部25aである場合を示している。図12Cは、側端間隙部が下に凸の湾曲形状をした下凸湾曲部25bである場合を示している。図12Dは、側端間隙部が矩形状に凹んだ矩形凹部25cである場合を示している。いずれの場合にも、下段送風孔23cからの風が、最下位シート100と、上凸湾曲部25a、下凸湾曲部25bまたは矩形凹部25cとの間を流れることによって、最下位シート100と載置部13との間に隙間が形成され、最下位シート100が、次のシートおよび載置部13から分離される。その結果、分離された最下位シート100が搬送部16で吸着搬送されることを確実に実行できる。
ところで、例えば、一次処理装置2としての印刷装置では、700mmから900mmの高さからシートが排出されるのに対して、二次処理装置3としての裁断機(加工機)や折り機やシーラーなどでは、960mmの高さでシートを供給する必要がある。一次処理装置2のシート排出部2bと、二次処理装置3のシート受取部3aとの間での高低差が小さいときには、中間バッファ装置4で高低差を吸収することもできる。当該高低差が大きい場合には、中間バッファ装置4の搬送方向Fの下流側には、高さ調整装置5が設けられる。高さ調整装置5は、中間バッファ装置4の排出部(すなわち規制ローラ32)と、二次処理装置3のシート受取部3aとの間での高低差を調整するためのものである。
図2から図7に示すように、高さ調整装置5は、斜行搬送機構50を有する。斜行搬送機構50の上面は、シートを斜行させながら搬送する斜行搬送部55を構成する。斜行搬送部55は、中間バッファ装置4の規制ローラ32を通過したシートを、二次処理装置のシート受取部3aまでシートをコンベアのように持ち上げて搬送する。
斜行搬送機構50は、搬送方向Fの上流側から順に、第一斜行搬送ユニット51と、第二斜行搬送ユニット52と、第三斜行搬送ユニット53とを有する。第一斜行搬送ユニット51は、中間バッファ装置4の規制ローラ32の下に位置して、ギャップ規制部31を通過したシートを受け取って搬送方向Fの下流側に搬送する機能を有する。第二斜行搬送ユニット52は、第一斜行搬送ユニット51からのシートを受け取って、該シートを斜め上方に持ち上げるように搬送方向Fの下流側に搬送する働きを有する。第三斜行搬送ユニット53は、第二斜行搬送ユニット52からのシートを受け取って、該シートを略水平方向に搬送して二次処理装置3のシート受取部3aまで搬送する機能を有する。
第一斜行搬送ユニット51と、第二斜行搬送ユニット52と、第三斜行搬送ユニット53とは、それぞれ、一対のベルト駆動ローラと、複数の搬送ベルトと、ベルト駆動モータと、吸引ファンと、吸引箱とを有する吸着式搬送部を備える。第一斜行搬送ユニット51と、第二斜行搬送ユニット52と、第三斜行搬送ユニット53とにおける吸着式搬送部は、同様の構成である。
斜行搬送機構50の吸着式搬送部において、吸引箱の上部には、吸引開口が形成されて、複数の搬送ベルトが部分的に露出している。吸引開口と複数の搬送ベルトとの間に形成される吸引隙間を通じて、シートが複数の搬送ベルトに吸着される。
斜行搬送機構50における搬送ベルトは、無端状に形成され、搬送方向Fに対して所定の傾斜角度で複数個が並んで配置される。各搬送ベルトは、傾斜方向に離間して対向配置された一対のベルト駆動ローラのそれぞれに掛け渡されている。各搬送ベルトの上面は、シートの給送面を構成する。
シートは、吸引隙間を通じて吸引されながら、搬送ベルトによって搬送される。一対のベルト駆動ローラのうちの一方は、駆動機構を介して、ベルト駆動モータに接続されている。制御部によって、ベルト駆動モータが駆動されると、一方のベルト駆動ローラが回転して、搬送ベルトが周回走行するとともに他方のベルト駆動ローラが従動回転する。
このとき、所定の傾斜角度で傾斜配置された搬送ベルトにより、斜行搬送部55に沿って搬送されるシートが一側(例えば、図3の右側)に片寄せされる。搬送されるシートを一側に片寄せすることによって、二次処理装置3でのシート受取部3aの基準部に位置合わせすることが容易になる。
中間バッファ装置4の搬送部16での吸着搬送力が、高さ調整装置5の第一斜行搬送ユニット51での吸着搬送力と同等以上であり、高さ調整装置5においては、搬送方向Fの上流側から下流側に向けて、吸着式搬送部によるシートの吸着搬送力が小さくなるように構成されている。すなわち、搬送部16での吸着搬送力≧第一斜行搬送ユニット51での吸着搬送力>第二斜行搬送ユニット52での吸着搬送力>第三斜行搬送ユニット53での吸着搬送力となるように構成されている。したがって、搬送部16での吸着搬送力が最も強い。吸着搬送力を小さくするためには、搬送ベルトのグリップ力(摩擦係数)を小さくすること、または、吸引ファンの回転数を小さくすることの少なくとも一方が行われる。
図13に示すように、載置部13が、搬送方向Fの下流側から上流側に向けて下方に傾斜するように構成されている。水平面Hに対する載置部13の第一傾斜角度a1は、例えば、1度から15度であり、例えば5度である。上流側に向けて下方に傾斜した載置部13上に載置されたシートのシート後端が、シートの自重によって後端支持部17bで支持される。載置部13の第一傾斜角度a1が大きいほど、シート後端が後端支持部17bで支持される度合いが大きくなる一方、シート前端で支持される度合いが小さくなるので、シートにおいて、シート前端が動きやすくなる。その結果、載置部13の搬送方向Fの下流側に配設された搬送部16による吸着搬送が、確実に行われるようになる。
また、図13に示すように、斜行搬送部55も、搬送方向Fの上流側から下流側に向けて上方に傾斜するように構成されている。水平面Hに対する斜行搬送部55の第二傾斜角度a2は、例えば、20度から40度であり、例えば32度である。斜行搬送部55によって、中間バッファ装置4の規制ローラ32から、二次処理装置3のシート受取部3aまでシートが搬送される。したがって、中間バッファ装置4の規制ローラ32と二次処理装置3のシート受取部3aとの間の水平方向の離間距離が短いと、第二傾斜角度a2が大きくなる。逆に、水平方向の離間距離が長くなると、第二傾斜角度a2が緩やかになる。
処理システム1をできるだけコンパクトに設置するという観点から、中間バッファ装置4の規制ローラ32と二次処理装置3のシート受取部3aとの間の水平方向の離間距離を短くする方が好ましい。水平方向の離間距離が短くなると、第二傾斜角度a2が大きくなる。シートが規制ローラ32を通過するとき、シートは、曲げ角度a3で曲げられながら通過することになる。その結果、曲げ角度a3が大きくなると、厚手のシートを規制ローラ32を通過させにくくなる。ここで、曲げ角度a3=第二傾斜角度a2−第一傾斜角度a1という関係にある。
上記関係式によれば、第二傾斜角度a2が所定の角度のままであるとした場合、第一傾斜角度a1が大きくなると、曲げ角度a3が小さくなるので、規制ローラ32による曲げ作用が緩和されてシートへのダメージが少なくなる。また、曲げ角度a3が所定の角度のままであるとした場合、第一傾斜角度a1が小さくなると、第二傾斜角度a2が小さくなるので、斜行搬送部55の第二傾斜角度a2が緩くなる。そして、上述したように、載置部13が搬送方向Fの上流側に向けて下方に傾斜していると、シート後端での支持度合いが大きくなり、シート前端での支持度合いが小さくなる。それにより、シート前端が動きやすくなるので、搬送部16による吸着搬送が、確実に行われるようになる。したがって、載置部13が、水平面Hに対して、搬送方向Fの上流側に向けて下方に傾斜していることは、規制ローラ32によるダメージ低減および確実な吸着搬送の観点から、好ましい。
上記実施形態の処理システム1では、一次処理装置2と、中間バッファ装置4と、高さ調整装置5と、二次処理装置3とにおける各搬送方向Fが同じ方向であったが、当該態様に限られるものではない。例えば、一次処理装置2の搬送方向が、中間バッファ装置4と高さ調整装置5と二次処理装置3とにおける各搬送方向に対して交差する、例えば直交する態様であってもよい。当該態様では、一次処理装置2からのシートが、中間バッファ装置4の搬送方向と直交する方向から給送され、処理システム1がL字状になっている。当該態様によれば、処理システム1におけるシステム長さを抑制できる。
送風口22および補助送風口17cからの送風は、それぞれ、通常の送風にすることもできるが、帯電防止のため、イオナイザを介した送風にすることができる。
送風口22からの送風量は、シートの厚み若しくは坪量、および/または貯留されるシートの枚数に応じて調整される。例えば、シートが薄くて坪量の小さいとき、および/またはシートの貯留枚数が少ないとき、送風量が少ないように調整される。逆に、シートが厚くて坪量の大きいとき、および/またはシートの貯留枚数が多いとき、送風量が多いように調整される
また、搬送ベルト16b,16bによる給送面は、載置部13の上面に対して、搬送方向Fの上流側から下流側に向けて下方に傾斜するように構成することができる。当該構成によれば、載置部13での搬送方向Fの下流側、すなわちギャップ規制部31の周辺では、搬送ベルト16b,16bによる給送面が、載置部13の上面に対してより下に位置するので、搬送ベルト16b,16bで吸着搬送されるシートが、下方に湾曲しやすくなる。シートがギャップ規制部31をくぐりやすくなり、ギャップ規制部31との接触傷の発生を抑制できる。また、シートの下方への湾曲度合いが大きくなるので、シートの腰が強くなる。載置部13の上面に対する搬送ベルト16b,16bによる給送面の傾斜角度は、例えば、1度から5度である。
また、図1に示すように、中間バッファ装置4を一次処理装置2と組み合わせた一次処理システム101が提供される。すなわち、一次処理システム101は、シートに一次処理を施す一次処理装置2と、一次処理装置2から排出されたシートを受け取って、該シートを二次処理装置3に引き渡すための中間バッファ装置4とを備える。
また、図1に示すように、中間バッファ装置4を二次処理装置3と組み合わせた二次処理システム102が提供される。すなわち、二次処理システム102は、一次処理装置2から排出されたシートを受け取る中間バッファ装置4と、中間バッファ装置4から引き渡されたシートに二次処理を施す二次処理装置3とを備える。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記実施形態で記載した内容を適宜に組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
この発明および実施形態をまとめると、次のようになる。
この発明の一態様に係る中間バッファ装置4は、
シートに一次処理を施す一次処理装置2と、一次処理されたシートに対して二次処理を施す二次処理装置3との間で、シートを受け渡すための中間バッファ装置4であって、
一次処理されたシートが載置される載置部13と、
載置部13の上に載置されたシートのうち、最下位に位置する最下位シート100を、二次処理装置3に向かう搬送方向に搬送する搬送部16と、
搬送方向に直交する搬送直交方向に位置するシート側端を、搬送直交方向の外側から規制する2つの側端規制部14,15と、
側端規制部15に設けられて、シート側端に向けて送風するための送風口22と、
送風口22が設けられた側端規制部15と、載置部13との間に配設されており、最下位シート100の下面の下方に間隙を形成するように構成された側端間隙部25とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、側端規制部15に設けられた送風口22からの風が、載置部13上に載置されたシートのシート側端に向けて送られると、当該風の一部が、最下位シート100とその上に位置する次のシートとの間、および、最下位シート100と側端間隙部25との間を流れる。最下位シート100と側端間隙部25との間を流れた風は、さらに、最下位シート100と載置部13との間を流れる。風が、最下位シート100と次のシートとの間および最下位シート100と載置部13との間のそれぞれに流れることによって、それらの間に隙間が形成される。当該隙間によって、最下位シート100が、次のシートおよび載置部13から分離される。最下位シート100が分離されることにより、搬送部16による最下位シート100の搬送が確実に行われる。さらに、一次処理装置2からのシートが、載置部13に積み重ねられても、シートを確実に搬送できるため、載置部13に載置されるシートの枚数が制限されない。そのため、載置部13におけるシートバッファ数も、自在に変更できる。したがって、シートを一次処理装置2から二次処理装置3に安定的に且つスムーズに受け渡しできるとともに、シートバッファ数を自在に変更できる。
また、一実施形態の中間バッファ装置4では、
側端間隙部が、側端規制部15から載置部13に向けて上方に傾斜するように構成された傾斜部25である。
上記構成によれば、所定の角度で折り曲げ加工することによって傾斜部25が形成されるので、傾斜部25の作製が容易である。
また、一実施形態の中間バッファ装置4では、
送風口22が、複数の送風孔23から構成され、送風孔23の断面形状が、側端規制部15の外面側から内面側に向けて末広がりである。
上記構成によれば、末広がりに拡径した送風孔23は、シートのコーナー部が引っ掛かりにくい形状であるので、一次処理装置2から排出されたシートが、搬送方向Fに沿って搬送される過程で、側端規制部15の送風孔23で引っ掛かることを防止できる。
また、一実施形態の中間バッファ装置4では、
載置部13よりも搬送方向Fの上流側には、上流側ローラ18がさらに配設されて、上流側ローラ18が、一次処理装置2から排出されるシートを下方から支持するとともに、高さ方向に位置調整可能に構成されている。
上記構成によれば、一次処理装置2から排出されるシートの排出高さに適切に対応できるとともに、一次処理装置2から排出されるシートを搬送方向Fにスムーズに搬送できる。
この発明の一態様に係る一次処理システム101は、
シートに一次処理を施す一次処理装置2と、
一次処理装置2から排出されたシートを受け取って、該シートを二次処理装置3に引き渡すための中間バッファ装置4とを備える一次処理システムであって、
中間バッファ装置4が、
一次処理されたシートが載置される載置部13と、
載置部13の上に載置されたシートのうち、最下位に位置する最下位シート100を、二次処理装置3に向かう搬送方向に搬送する搬送部16と、
搬送方向に直交する搬送直交方向に位置するシート側端を、搬送直交方向の外側から規制する2つの側端規制部14,15と、
側端規制部15に設けられて、シート側端に向けて送風するための送風口22と、
送風口22が設けられた側端規制部15と、載置部13との間に配設されており、最下位シート100の下面の下方に間隙を形成するように構成された側端間隙部25とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、側端規制部15に設けられた送風口22からの風が、載置部13上に載置されたシートのシート側端に向けて送られると、当該風の一部が、最下位シート100とその上に位置する次のシートとの間、および、最下位シート100と側端間隙部25との間を流れる。最下位シート100と側端間隙部25との間を流れた風は、さらに、最下位シート100と載置部13との間を流れる。風が、最下位シート100と次のシートとの間および最下位シート100と載置部13との間のそれぞれに流れることによって、それらの間に隙間が形成される。当該隙間によって、最下位シート100が、次のシートおよび載置部13から分離される。最下位シート100が分離されることにより、搬送部16による最下位シート100の搬送が確実に行われる。さらに、シート排出部2bからのシートが、載置部13に積み重ねられても、シートを確実に搬送できるため、載置部13に載置されるシートの枚数が制限されない。そのため、載置部13におけるシートバッファ数も、自在に変更できる。したがって、シートを一次処理部2aから二次処理装置3に安定的に且つスムーズに受け渡しできるとともに、シートバッファ数を自在に変更できる。
また、一実施形態の一次処理システム101では、
側端間隙部が、側端規制部15から載置部13に向けて上方に傾斜するように構成された傾斜部25である。
上記構成によれば、所定の角度で折り曲げ加工することによって傾斜部25が形成されるので、傾斜部25の作製が容易である。
また、一実施形態の一次処理システム101では、
送風口22が、複数の送風孔23から構成され、送風孔23の断面形状が、側端規制部15の外面側から内面側に向けて末広がりである。
上記構成によれば、末広がりに拡径した送風孔23は、シートのコーナー部が引っ掛かりにくい形状であるので、一次処理装置2から排出されたシートが、搬送方向Fに沿って搬送される過程で、側端規制部15の送風孔23で引っ掛かることを防止できる。
また、一実施形態の一次処理システム101では、
載置部13よりも搬送方向Fの上流側には、上流側ローラ18がさらに配設されて、上流側ローラ18が、一次処理装置2から排出されるシートを下方から支持するとともに、高さ方向に位置調整可能に構成されている。
上記構成によれば、一次処理装置2から排出されるシートの排出高さに適切に対応できるとともに、一次処理装置2から排出されるシートを搬送方向Fにスムーズに搬送できる。
この発明の一態様に係る二次処理システム102は、
一次処理装置2から排出されたシートを受け取る中間バッファ装置4と、
中間バッファ装置4から引き渡されたシートに二次処理を施す二次処理装置3とを備える二次処理システム102であって、
中間バッファ装置4が、
一次処理されたシートが載置される載置部13と、
載置部13の上に載置されたシートのうち、最下位に位置する最下位シート100を、二次処理装置3に向かう搬送方向に搬送する搬送部16と、
搬送方向に直交する搬送直交方向に位置するシート側端を、搬送直交方向の外側から規制する2つの側端規制部14,15と、
側端規制部15に設けられて、シート側端に向けて送風するための送風口22と、
送風口22が設けられた側端規制部15と、載置部13との間に配設されており、最下位シート100の下面の下方に間隙を形成するように構成された側端間隙部25とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、側端規制部15に設けられた送風口22からの風が、載置部13上に載置されたシートのシート側端に向けて送られると、当該風の一部が、最下位シート100とその上に位置する次のシートとの間、および、最下位シート100と側端間隙部25との間を流れる。最下位シート100と側端間隙部25との間を流れた風は、さらに、最下位シート100と載置部13との間を流れる。風が、最下位シート100と次のシートとの間および最下位シート100と載置部13との間のそれぞれに流れることによって、それらの間に隙間が形成される。当該隙間によって、最下位シート100が、次のシートおよび載置部13から分離される。最下位シート100が分離されることにより、搬送部16による最下位シート100の搬送が確実に行われる。さらに、一次処理装置2からのシートが、載置部13に積み重ねられても、シートを確実に搬送できるため、載置部13に載置されるシートの枚数が制限されない。そのため、載置部13におけるシートバッファ数も、自在に変更できる。したがって、シートを一次処理装置2からシート受取部3aに安定的に且つスムーズに受け渡しできるとともに、シートバッファ数を自在に変更できる。
また、一実施形態の二次処理システム102では、
側端間隙部が、側端規制部15から載置部13に向けて上方に傾斜するように構成された傾斜部25である。
上記構成によれば、所定の角度で折り曲げ加工することによって傾斜部25が形成されるので、傾斜部25の作製が容易である。
また、一実施形態の二次処理システム102では、
送風口22が、複数の送風孔23から構成され、送風孔23の断面形状が、側端規制部15の外面側から内面側に向けて末広がりである。
上記構成によれば、末広がりに拡径した送風孔23は、シートのコーナー部が引っ掛かりにくい形状であるので、一次処理装置2から排出されたシートが、搬送方向Fに沿って搬送される過程で、側端規制部15の送風孔23で引っ掛かることを防止できる。
また、一実施形態の二次処理システム102では、
載置部13よりも搬送方向Fの上流側には、上流側ローラ18がさらに配設されて、上流側ローラ18が、一次処理装置2から排出されるシートを下方から支持するとともに、高さ方向に位置調整可能に構成されている。
上記構成によれば、一次処理装置2から排出されるシートの排出高さに適切に対応できるとともに、一次処理装置2から排出されるシートを搬送方向Fにスムーズに搬送できる。
この発明の一態様に係る処理システム1は、
シートに一次処理を施す一次処理装置2と、シートに二次処理を施す二次処理装置3と、一次処理装置2と二次処理装置3との間でシートを受け渡すための中間バッファ装置4とを備える処理システム1であって、
中間バッファ装置4が、
一次処理されたシートが載置される載置部13と、
載置部13の上に載置されたシートのうち、最下位に位置する最下位シート100を、二次処理装置3に向かう搬送方向に搬送する搬送部16と、
搬送方向に直交する搬送直交方向に位置するシート側端を、搬送直交方向の外側から規制する2つの側端規制部14,15と、
側端規制部15に設けられて、シート側端に向けて送風するための送風口22と、
送風口22が設けられた側端規制部15と、載置部13との間に配設されており、最下位シート100の下面の下方に間隙を形成するように構成された側端間隙部25とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、側端規制部15に設けられた送風口22からの風が、載置部13上に載置されたシートのシート側端に向けて送られると、当該風の一部が、最下位シート100とその上に位置する次のシートとの間、および、最下位シート100と側端間隙部25との間を流れる。最下位シート100と側端間隙部25との間を流れた風は、さらに、最下位シート100と載置部13との間を流れる。風が、最下位シート100と次のシートとの間および最下位シート100と載置部13との間のそれぞれに流れることによって、それらの間に隙間が形成される。当該隙間によって、最下位シート100が、次のシートおよび載置部13から分離される。最下位シート100が分離されることにより、搬送部16による最下位シート100の搬送が確実に行われる。さらに、一次処理装置2からのシートが、載置部13に積み重ねられても、シートを確実に搬送できるため、載置部13に載置されるシートの枚数が制限されない。そのため、載置部13におけるシートバッファ数も、自在に変更できる。したがって、シートを一次処理装置2から二次処理装置3に安定的に且つスムーズに受け渡しできるとともに、シートバッファ数を自在に変更できる。
1 処理システム
2 一次処理装置
2a 一次処理部
2b シート排出部
3 二次処理装置
3a シート受取部
3b 二次処理部
4 中間バッファ装置
5 高さ調整装置
10 ベース
11 上流フレーム
12 下流フレーム
13 載置部
14 第一側端規制部
14a 第一内側規制面
14b 第一外側面
15 第二側端規制部
15a 第二内側規制面
15b 第二外側面
16 搬送部
16a ベルト駆動ローラ
16b 搬送ベルト
17 補助搬送部
17a 補助搬送ローラ
17b 後端支持部
17c 補助送風口
18 上流側ローラ
19 ガイド棒
20 送風ファン
21 送風ボックス
22 送風口
23 送風孔
23a 上段送風孔
23b 中段送風孔
23c 下段送風孔
25 傾斜部(側端間隙部)
25a 上凸湾曲部(側端間隙部)
25b 下凸湾曲部(側端間隙部)
25c 矩形凹部(側端間隙部)
30 前端規制部
31 ギャップ規制部
32 規制ローラ
35 搬送ギャップ
50 斜行搬送機構
51 第一斜行搬送ユニット
52 第二斜行搬送ユニット
53 第三斜行搬送ユニット
55 斜行搬送部
100 最下位シート
101 一次処理システム
102 二次処理システム
a1 第一傾斜角度
a2 第二傾斜角度
a3 曲げ角度

Claims (13)

  1. シートに一次処理を施す一次処理装置と、一次処理された前記シートに対して二次処理を施す二次処理装置との間で、前記シートを受け渡すための中間バッファ装置であって、
    一次処理された前記シートが載置される載置部と、
    前記載置部の上に載置された前記シートのうち、最下位に位置する最下位シートを、前記二次処理装置に向かう搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向に直交する搬送直交方向に位置するシート側端を、前記搬送直交方向の外側から規制する2つの側端規制部と、
    前記側端規制部に設けられて、前記シート側端に向けて送風するための送風口と、
    前記送風口が設けられた前記側端規制部と、前記載置部との間に配設されており、前記最下位シートの下面の下方に間隙を形成するように構成された側端間隙部とを備えることを特徴とする、中間バッファ装置。
  2. 請求項1に記載の中間バッファ装置において、前記側端間隙部が、前記側端規制部から前記載置部に向けて上方に傾斜するように構成された傾斜部であることを特徴とする、中間バッファ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の中間バッファ装置において、前記送風口が、複数の送風孔から構成され、前記送風孔の断面形状が、前記側端規制部の外面側から内面側に向けて末広がりであることを特徴とする、中間バッファ装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の中間バッファ装置において、前記一次処理装置の側には、上流側ローラがさらに配設されて、前記上流側ローラが、前記一次処理装置から排出される前記シートを下方から支持するとともに、高さ方向に位置調整可能に構成されていることを特徴とする、中間バッファ装置。
  5. シートに一次処理を施す一次処理装置と、
    前記一次処理装置から排出された前記シートを受け取って、該シートを二次処理装置に引き渡すための中間バッファ装置とを備える一次処理システムであって、
    前記中間バッファ装置が、
    一次処理された前記シートが載置される載置部と、
    前記載置部の上に載置された前記シートのうち、最下位に位置する最下位シートを、前記二次処理装置に向かう搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向に直交する搬送直交方向に位置するシート側端を、前記搬送直交方向の外側から規制する2つの側端規制部と、
    前記側端規制部に設けられて、前記シート側端に向けて送風するための送風口と、
    前記送風口が設けられた前記側端規制部と、前記載置部との間に配設されており、前記最下位シートの下面の下方に間隙を形成するように構成された側端間隙部とを備えることを特徴とする、一次処理システム。
  6. 請求項5に記載の一次処理システムにおいて、前記側端間隙部が、前記側端規制部から前記載置部に向けて上方に傾斜するように構成された傾斜部であることを特徴とする、一次処理システム。
  7. 請求項5または請求項6に記載の一次処理システムにおいて、前記送風口が、複数の送風孔から構成され、前記送風孔の断面形状が、前記側端規制部の外面側から内面側に向けて末広がりであることを特徴とする、一次処理システム。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の一次処理システムにおいて、前記一次処理装置の側には、上流側ローラがさらに配設されて、前記上流側ローラが、前記一次処理装置から排出される前記シートを下方から支持するとともに、高さ方向に位置調整可能に構成されていることを特徴とする、一次処理システム。
  9. 一次処理装置から排出されたシートを受け取る中間バッファ装置と、
    前記中間バッファ装置から引き渡されたシートに二次処理を施す二次処理装置とを備える二次処理システムであって、
    前記中間バッファ装置が、
    一次処理された前記シートが載置される載置部と、
    前記載置部の上に載置された前記シートのうち、最下位に位置する最下位シートを、前記二次処理装置に向かう搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向に直交する搬送直交方向に位置するシート側端を、前記搬送直交方向の外側から規制する2つの側端規制部と、
    前記側端規制部に設けられて、前記シート側端に向けて送風するための送風口と、
    前記送風口が設けられた前記側端規制部と、前記載置部との間に配設されており、前記最下位シートの下面の下方に間隙を形成するように構成された側端間隙部とを備えることを特徴とする、二次処理システム。
  10. 請求項9に記載の二次処理システムにおいて、前記側端間隙部が、前記側端規制部から前記載置部に向けて上方に傾斜するように構成された傾斜部であることを特徴とする、二次処理システム。
  11. 請求項9または請求項10に記載の二次処理システムにおいて、前記送風口が、複数の送風孔から構成され、前記送風孔の断面形状が、前記側端規制部の外面側から内面側に向けて末広がりであることを特徴とする、二次処理システム。
  12. 請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の二次処理システムにおいて、前記一次処理装置の側には、上流側ローラがさらに配設されて、前記上流側ローラが、前記一次処理装置から排出される前記シートを下方から支持するとともに、高さ方向に位置調整可能に構成されていることを特徴とする、二次処理システム。
  13. シートに一次処理を施す一次処理装置と、シートに二次処理を施す二次処理装置と、一次処理装置と二次処理装置との間で前記シートを受け渡すための中間バッファ装置とを備える処理システムであって、
    前記中間バッファ装置が、
    一次処理された前記シートが載置される載置部と、
    前記載置部の上に載置された前記シートのうち、最下位に位置する最下位シートを、前記二次処理装置に向かう搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向に直交する搬送直交方向に位置するシート側端を、前記搬送直交方向の外側から規制する2つの側端規制部と、
    前記側端規制部に設けられて、前記シート側端に向けて送風するための送風口と、
    前記送風口が設けられた前記側端規制部と、前記載置部との間に配設されており、前記最下位シートの下面の下方に間隙を形成するように構成された側端間隙部とを備えることを特徴とする、処理システム。
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