JP6885652B2 - スタックされた誘電共振器アンテナアレイを備えるソリッドステートのマイクロ波加熱装置、ならびに、動作方法及び製造方法 - Google Patents

スタックされた誘電共振器アンテナアレイを備えるソリッドステートのマイクロ波加熱装置、ならびに、動作方法及び製造方法 Download PDF

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Description

本明細書で説明されている主題の実施形態は、概して、ソリッドステートのマイクロ波加熱装置、ならびに、それらの動作及び製造の方法に関する。
長年、食物、飲料、又は他のアイテムを加熱する目的でマイクロ波エネルギーを発生させるために、電子レンジにおいてマグネトロンが一般に使用されてきた。マグネトロンは、そのリムの周りに間隔を置いて配置された複数の円筒形状のキャビティを備える円形チャンバと、チャンバの中央に組み込まれたカソードと、磁界を発生させるように構成された磁石とから本質的に構成されている。マイクロ波システムの中へ組み込まれるときに、カソードは、直流電流(DC)電源に結合され、直流電流(DC)電源は、高い電圧電位をカソードに提供するように構成されている。磁界及び円筒形状のキャビティは、チャンバの中の電子にチャンバの中に共振の高周波無線周波数(RF)電磁場を誘導し、電磁場の一部分は、プローブを介してチャンバから抽出され得る。プローブに結合されている導波管は、RFエネルギーをロード(load)に方向付ける。たとえば、電子レンジの中で、ロードは、加熱チャンバであることが可能であり、そのインピーダンスは、加熱チャンバの中の物体によって影響を与えられ得る。
米国特許第6093921号明細書
マグネトロンは、マイクロ波及び他の用途において良好に機能してきたが、それらは、その不利益がなかったわけではない。たとえば、マグネトロンは、典型的に、動作させるために非常に高い電圧を必要とする。それに加えて、マグネトロンは、長期間の動作にわたって、出力パワーの劣化を受けやすい可能性がある。したがって、マグネトロンがその中に含まれているシステムの性能は、時間の経過とともに劣化する可能性がある。さらに、マグネトロンは、嵩張って重いコンポーネントとなる傾向があり、それは、振動に対する感度が高く、したがって、それらを可搬式の用途において使用するのに不適切なものにする。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ソリッドステートのマイクロ波エネルギー供給源と、第1の励振誘電共振器、及び、前記第1の励振誘電共振器に近接する第1のフィード構造体を含む第1の誘電共振器アンテナであって、前記第1の励振誘電共振器は、上部表面及び対向する底部表面を有し、前記第1のフィード構造体は、前記マイクロ波エネルギー供給源に電気的に結合され、前記マイクロ波エネルギー供給源から第1の励振信号を受け取り、前記第1の励振誘電共振器は、前記第1のフィード構造体に提供される前記励振信号に応答して、第1の電界を作り出すように構成されている、第1の誘電共振器アンテナと、垂直方向にスタックされた誘電共振器アンテナアレイを形成するように前記第1の励振誘電共振器の前記上部表面の上にスタックされた1つ又は複数の追加的な誘電共振器と、からなることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記第1の励振誘電共振器に直接隣接している前記追加的な誘電共振器の第2の誘電共振器が、前記励振信号が提供されるときに、前記第1の励振誘電共振器に密に容量結合されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のマイクロ波加熱装置において、前記励振信号が提供されるときに、前記第1の励振誘電共振器によって作り出された前記第1の電界は、前記第2の誘電共振器に直接作用し、前記第1の電界の作用に応答して、前記第2の誘電共振器に第2の電界を作り出させることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のマイクロ波加熱装置において、前記第2の誘電共振器は、前記第1のフィード構造体から直接励振信号を受け取らず、その代わりに、前記第1の電界の前記作用に応答して、前記第2の電界を作り出す寄生性誘電共振器であることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記第1のフィード構造体は、フィードを含み、前記フィードは、前記第1の励振誘電共振器を通って、前記1つ又は複数の追加的な誘電共振器の少なくとも1つの中へ延在していることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のマイクロ波加熱装置において、前記フィードは、前記1つ又は複数の追加的な誘電共振器のすべての中へ、又はそれらを通って延在していることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記第1のフィード構造体は、前記第1の励振誘電共振器の中へ延在するフィードを含むことを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のマイクロ波加熱装置において、前記第1の誘電共振器アンテナは、前記第1の励振誘電共振器の中に1つ又は複数の追加的なフィードを含み、前記1つ又は複数の追加的なフィードは、前記マイクロ波エネルギー供給源に電気的に結合され、前記マイクロ波エネルギー供給源から1つ又は複数の追加的な励振信号を受け取ることを要旨とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記第1のフィード構造体は、前記第1の励振誘電共振器にアパーチャ結合されている導体を含むことを要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記誘電共振器アンテナアレイは、1つ又は複数の追加的な誘電共振器アンテナをさらに含み、前記1つ又は複数の追加的な誘電共振器アンテナのそれぞれは、追加的なフィード、追加的な励振誘電共振器、及び、前記追加的な励振誘電共振器の上部表面の上にスタックされた1つ又は複数の余剰の追加的な誘電共振器を含むことを要旨とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記第1の励振誘電共振器及び前記1つ又は複数の第2の誘電共振器のそれぞれは、円筒、円板、円錐、平行六面体、球体、及びドームから選択される形状を有することを要旨とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記誘電共振器アンテナアレイの中の隣接する誘電共振器の各セット間に位置決めされている1つ又は複数の誘電スペーサをさらに含むことを要旨とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のマイクロ波加熱装置において、前記1つ又は複数の誘電スペーサのそれぞれは、前記隣接する誘電共振器の各セット間の距離を画定する厚さを有し、それぞれの距離は、前記第1の励振誘電共振器の共振周波数の波長の5分の1より小さいことを要旨とする。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のマイクロ波加熱装置において、それぞれの距離は、ゼロミリメートルから12.5ミリメートルの間にあることを要旨とする。
請求項15に記載の発明は、請求項13に記載のマイクロ波加熱装置において、それぞれの距離は、前記第1の励振誘電共振器の前記共振周波数の前記波長の10分の1より小さいことを要旨とする。
請求項16に記載の発明は、請求項13に記載のマイクロ波加熱装置において、それぞれの距離は、ゼロミリメートルから3.0ミリメートルの間にあることを要旨とする。
請求項17に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記誘電共振器アンテナアレイの第1の側部に位置決めされているグランド・プレーンと、前記グランド・プレーンから前記誘電共振器アンテナアレイの反対側に位置決めされているチャンバであって、ロードを含むように構成されている、チャンバと、をさらに含むことを要旨とする。
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載のマイクロ波加熱装置において、前記チャンバは、前記誘電共振器アンテナアレイがないときに、カットオフを下回ることになることを要旨とする。
請求項19に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記第1の励振誘電共振器及び前記1つ又は複数の第2の誘電共振器をカバーする共形材料をさらに含むことを要旨とする。
請求項20に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記第1の励振誘電共振器及び前記1つ又は複数の第2の誘電共振器は、同じ幾何学的形状を有し、実質的に同じサイズのものであることを要旨とする。
請求項21に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記第1の励振誘電共振器及び前記1つ又は複数の第2の誘電共振器のうちの2つ以上が、異なる幾何学的形状を有することを要旨とする。
請求項22に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記第1の励振誘電共振器及び前記1つ又は複数の第2の誘電共振器のうちの2つ以上が、実質的に異なるサイズを有することを要旨とする。
請求項23に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置において、前記ソリッドステートのマイクロ波エネルギー供給源は、トランジスタ入力及びトランジスタ出力を備えたトランジスタを含む増幅器構成であって、2.3ギガヘルツから2.6GHzの範囲にあるマイクロ波周波数において、前記励振信号を作り出すように構成されている、増幅器構成を含むことを要旨とする。
請求項24に記載の発明は、請求項23に記載のマイクロ波加熱装置において、前記増幅器構成は、発振器サブシステムの一部分を形成しており、前記発振器サブシステムは、前記トランジスタ出力と前記トランジスタ入力との間のフィードバック経路に沿った共振回路をさらに含み、前記共振回路の共振周波数は、前記マイクロ波周波数であることを要旨とする。
請求項25に記載の発明は、ロードを含むように構成されているチャンバと、ソリッドステートのマイクロ波エネルギー供給源と、第1の励振誘電共振器、及び、前記第1の励振誘電共振器に近接する第1のフィード構造体を含む第1の誘電共振器アンテナであって、前記第1の励振誘電共振器は、上部表面及び対向する底部表面を有し、前記第1のフィード構造体は、前記マイクロ波エネルギー供給源に電気的に結合され、前記マイクロ波エネルギー供給源から第1の励振信号を受け取り、前記第1の励振誘電共振器は、前記第1のフィード構造体に提供される前記励振信号に応答して、第1の電界を作り出すように構成されている、第1の誘電共振器アンテナと、誘電共振器アンテナアレイを形成するように前記第1の励振誘電共振器の前記上部表面の上にスタックされた1つ又は複数の第2の誘電共振器と、からなることを要旨とする。
請求項26に記載の発明は、請求項25に記載のマイクロ波加熱装置において、前記チャンバは、前記誘電共振器アンテナアレイがないときに、カットオフを下回ることになることを要旨とする。
請求項27に記載の発明は、請求項25に記載のマイクロ波加熱装置において、前記チャンバの断面形状は、円形、楕円形、及び矩形から選択されることを要旨とする。
請求項28に記載の発明は、請求項25に記載のマイクロ波加熱装置において、前記誘電共振器アンテナアレイの中の隣接する誘電共振器の各セット間に位置決めされている1つ又は複数の誘電スペーサをさらに含むことを要旨とする。
請求項29に記載の発明は、請求項28に記載のマイクロ波加熱装置において、前記1つ又は複数の誘電スペーサのそれぞれは、前記隣接する誘電共振器の各セット間の距離を画定する厚さを有し、それぞれの距離は、前記第1の励振誘電共振器の共振周波数の波長の5分の1より小さいことを要旨とする。
請求項30に記載の発明は、請求項29に記載のマイクロ波加熱装置において、それぞれの距離は、前記第1の励振誘電共振器の前記共振周波数の前記波長の10分の1より小さいことを要旨とする。
請求項31に記載の発明は、マイクロ波発生モジュールを含むマイクロ波システムを動作させる方法であって、前記マイクロ波発生モジュールによって、第1の無線周波数フィード構造体に搬送される第1の励振信号を作り出す工程であって、前記第1のRFフィード構造体は、第1の誘電共振器に近接して位置決めされており、1つ又は複数の第2の誘電共振器は、前記第1の誘電共振器の上にスタックされている、工程と、前記第1のRFフィード構造体によって搬送される前記第1の励振信号に応答して、前記第1の誘電共振器によって、第1の電界を作り出す工程と、前記第1の電界の作用に応答して、前記第1の励振信号に応答して、又は、前記第1の電界及び前記第1の励振信号の両方に応答して、前記1つ又は複数の第2の誘電共振器によって、第2の電界を作り出す工程であって、前記第1及び第2の電界は、近距離場のロードを含むチャンバに向けて方向付けされている、工程と、からなることを要旨とする。
請求項32に記載の発明は、請求項31に記載の方法において、前記RFフィード構造体は、前記第1の誘電共振器の中へ延在しているが、前記1つ又は複数の第2の誘電共振器の中へは延在していないことを要旨とする。
請求項33に記載の発明は、請求項31に記載の方法において、前記RFフィード構造体は、前記第1の誘電共振器の中へ、及び、前記1つ又は複数の第2の誘電共振器のうちの少なくとも1つの中へ延在していることを要旨とする。
請求項34に記載の発明は、マイクロ波システムを製造する方法であって、複数の誘電共振器を誘電共振器スタックの中に共に結合する工程であって、前記誘電共振器スタックは、最も低い第1の誘電共振器、及び、前記第1の誘電共振器の上にスタックされた1つ又は複数の第2の誘電共振器を含む、工程と、基板を筐体の中へ据え付ける工程であって、無線周波数フィード構造体は、前記基板に結合されており、前記筐体は、封鎖された端部を備えた導波管として構成されるチャンバを画定している、工程と、前記RFフィード構造体が前記第1の誘電共振器に十分に近接しており、前記RFフィード構造体が適切なRF励振信号を供給されたとき、前記第1の誘電共振器を励振して共振状態にすることができるように、前記誘電共振器スタックを前記筐体の中へ据え付ける工程と、からなることを要旨とする。
請求項35に記載の発明は、請求項34に記載の方法において、前記誘電共振器スタックを前記筐体の中へ据え付ける工程の後で、前記RFフィード構造体は、前記第1の誘電共振器の中へ延在しているが、前記1つ又は複数の第2の誘電共振器の中へは延在していないことを要旨とする。
請求項36に記載の発明は、請求項34に記載の方法において、前記誘電共振器スタックを前記筐体の中へ据え付ける工程の後で、前記RFフィード構造体は、前記第1の誘電共振器の中へ、及び、前記1つ又は複数の第2の誘電共振器のうちの少なくとも1つの中へ延在していることを要旨とする。
請求項37に記載の発明は、請求項34に記載の方法において、1つ又は複数の誘電スペーサを、前記誘電共振器スタックの中の隣接する誘電共振器間に結合し、前記隣接する誘電共振器間の距離を画定する工程であって、前記距離は、前記隣接する誘電共振器が密に容量結合されていることを確実にする、工程をさらに含むことを要旨とする。
例示的な実施形態による、開いた状態の可搬式のマイクロ波加熱装置の斜視図。 例示的な実施形態による、閉じた状態の可搬式のマイクロ波加熱装置の斜視図。 例示的な実施形態による、マイクロ波パワー発生モジュール及び誘電共振器アンテナ(DRA)アレイを含むマイクロ波加熱装置の簡単化されたブロック図。 誘電共振器の斜視図。 例示的な実施形態によるDRAアレイの上面図。 例示的な実施形態によるDRAアレイの斜視図。 ある実施形態による、垂直方向にスタックされた隣接する誘電共振器及び水平方向に配置された隣接する誘電共振器を備えるDRAの電気的特性を表す回路ダイアグラム。 ある実施形態によるDRAアレイのゲイン・バンド幅を示すグラフ。 例示的な実施形態による、図1及び図2の可搬式のマイクロ波加熱装置の側断面図。 いくつかの他の例示的な実施形態による、垂直方向にスタックされたDRAアレイの側断面図。 いくつかの他の例示的な実施形態による、垂直方向にスタックされたDRAアレイの側断面図。 いくつかの他の例示的な実施形態による、垂直方向にスタックされたDRAアレイの側断面図。 いくつかの他の例示的な実施形態による、垂直方向にスタックされたDRAアレイの側断面図。 いくつかの他の例示的な実施形態による、垂直方向にスタックされたDRAアレイの斜視側面図。 さまざまな形状を有する誘電共振器の斜視図。 さまざまな形状を有する誘電共振器の斜視図。 さまざまな形状を有する誘電共振器の斜視図。 さまざまな形状を有する誘電共振器の斜視図。 さまざまな形状を有する誘電共振器の斜視図。 さまざまな形状を有する誘電共振器の斜視図。 いくつかの他の例示的な実施形態による、マイクロ波加熱装置の中で使用するのに適切なDRAアレイの上面図。 いくつかの他の例示的な実施形態による、マイクロ波加熱装置の中で使用するのに適切なDRAアレイの上面図。 いくつかの他の例示的な実施形態による、マイクロ波加熱装置の中で使用するのに適切なDRAアレイの上面図。 さらなる別の例示的な実施形態による、マイクロ波加熱装置の中で使用するのに適切なDRAアレイの斜視図。 別の例示的な実施形態による、可搬式のマイクロ波加熱装置の側断面図。 例示的な実施形態による、DRAアレイを含むマイクロ波システムを動作させる方法のフローチャート。 例示的な実施形態による、DRAアレイを含むマイクロ波システムを製造する方法のフローチャート。
主題のより完全な理解は、以下の図とともに考えられるときに、詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって得ることが可能である。図において、同様の参照符号は、図の全体を通して、同様の構成要素を表している。
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示目的のものであり、主題の実施形態、又は、そのような実施形態の用途及び使用を限定することを意図していない。本明細書で使用されているように、「例示的な」及び「例」という語句は、「例、事例、又は図解としての役割を果たしている」ことを意味している。例示的なもの又は例として、本明細書で説明されている任意の実装形態は、必ずしも、他の実装形態よりも好適又は有利であるとして解釈されるべきではない。そのうえ、先行する技術分野、背景、又は、以下の詳細な説明に提示されている任意の明示又は暗示された理論に制約される意図は存在していない。
本明細書で説明されている主題の実施形態は、ソリッドステートのマイクロ波加熱装置(たとえば、定置式の又は可搬式の電子レンジ、及びマイクロ波解凍機など)に関連しているが、同様に、さまざまな実施形態が、他のシステムの中で利用され得る。より詳細に下記に説明されるように、例示的なマイクロ波加熱装置は、マイクロ波発生モジュール、誘電共振器アンテナ(DRA)アレイ、及びチャンバを使用して実現化される。マイクロ波発生モジュールは、RFエネルギーをDRAアレイに提供し、DRAアレイは、エネルギーをチャンバの中へ放射し、チャンバの中には、ロード(たとえば、食物ロード、又は、いくつかの他のタイプのロード)が位置決めされ得る。
本明細書で使用されているように、「誘電共振器」という用語は、バルク誘電材料(たとえば、セラミック)から構成される物品を意味しており、それは、RFエネルギーを受け取ること、及び、1つ又は複数の共振モードで、誘電共振器の共振周波数でRFエネルギーを共振させることができる。共振周波数は、誘電材料の形状及び寸法、ならびに、バルク誘電材料の誘電率によって決定される。一般的に、誘電共振器は、比較的高い誘電率及び比較的高いQファクタを有するものとして特徴付けられる。さまざまな実施形態によれば、いくつかのタイプの共振モードは、誘電共振器の中で励振され得る。
本明細書で使用されているように、「誘電共振器アンテナ」又は「DRA」という用語は、誘電共振器及び1つ又は複数のRF信号フィードを含むアンテナ・アッセンブリを意味している。RF信号フィードは、RF信号を伝達するように構成されており、また、RF信号が誘電共振器を励振するように、誘電共振器に対して位置決めされており、共振モードで、誘電共振器に、誘電共振器の共振周波数でRFエネルギーを共振させる。DRAの共振特性は、誘電共振器の形状及びサイズに依存し、また、フィードの形状、サイズ、及び位置に依存する。本明細書で使用されているように、フィードからのRF信号によって直接励振される誘電共振器は、「励振誘電共振器(exciter dielectric resonator)」と称される。望ましくは、RF信号は、励振誘電共振器の共振周波数にあるか又はその近くにある周波数を有する振動信号である。
いくつかの実施形態によれば、DRAは、誘電材料の中へ挿入された1つ又は複数の金属製のモノポール・プローブ(すなわち、フィード)を備える誘電共振器を含む。グランド・プレーンは、DRAの一方の側に存在することが可能であり、DRAが、主に「前方」方向に(たとえば、DRAに隣接している加熱チャンバの中へ)パワーを放射するようになっている。代替的な実施形態では、DRAは、接地した基板の上に又はその近くに配設された誘電共振器を含み、エネルギーが、接地した基板の中に提供されるモノポール・アパーチャ・フィードによって、誘電共振器に伝送される。また、マイクロストリップ伝送線への直接的な接続、及び、マイクロストリップ伝送線による励振が可能である。
本明細書で使用されているように「誘電共振器アンテナアレイ」及び「DRAアレイ」という用語は、少なくとも1つのDRAと、DRAに密結合されている(たとえば、容量結合されている)少なくとも1つの追加的な誘電レゾネータとを含むアッセンブリを意味している。ある実施形態では、DRAの誘電共振器及び追加的な誘電共振器は、スタックされた構成で配置されている。また、さらなる実施形態では、いくつかの誘電共振器は、同一平面的な構成で配置され得る。いずれの方法でも、DRAアレイは、複数のスタックされた誘電共振器と、複数の誘電共振器のうちの1つ又は複数の中の又はそれに近接する、1つ又は複数のフィードとを含み、アレイの中の1つ又は複数のDRAを形成する。
ある実施形態によれば、DRAの誘電共振器は、それが、フィードの上に伝達される信号によって直接励振されて共振されるように構成されているという点において(すなわち、それは、フィードから直接電磁エネルギーを受け取る)、「励振共振器」と称される。それとは対照的に、DRAアレイの中の誘電共振器のうちの1つ又は複数は、それがフィードから直接は電磁エネルギーを受け取らないという点において、「寄生性共振器」であることが可能である。ある実施形態では、DRAの1つ又は複数の励振共振器、及び、1つ又は複数の寄生性共振器は、DRAの誘電共振器、又は、より具体的には、DRAの励振共振器と、寄生性共振器との間に、容量性結合が起こるように配置されている。換言すれば、励振共振器によって作り出された電界(「励振器によって作り出された電界」と称される)が、1つ又は複数の寄生性共振器に直接作用して、寄生性共振器も共振させるように、寄生性共振器が配置され得る。代替的に、励振器によって作り出された電界は、DRAアレイがその中に位置決めされているチャンバによって反射され得、反射されたエネルギーは、寄生性共振器に作用し、寄生性共振器にエネルギーをチャンバの中へ再放射させることが可能である。別の言い方をすれば、励振器によって作り出された電界が寄生性共振器に直接又は間接的に作用する結果として、寄生性共振器は、次に、「寄生性によって作り出された電界」を作り出す。励振器によって作り出された電界及び寄生性によって作り出された電界が、それぞれ、主として実質的に同じ方向に方向付けされるように、DRAアレイの中の誘電共振器は配置されている。マイクロ波加熱装置の実施形態では、励振器によって作り出された電界及び寄生性によって作り出された電界は、それぞれ、主として、マイクロ波加熱装置の加熱チャンバの方向に方向付けされ、チャンバは、加熱されることになるロード(たとえば、食物ロード)を含むように構成されている。本明細書で使用されているように、「熱」という用語、及び、そのさまざまな派生語は、質量体の熱エネルギーを増加させることを表している。そのような熱エネルギーの増加(又は、「加熱」)は、質量体の温度を室温よりも著しく上の温度まで上昇させることが可能であるが、「加熱」は、質量体の温度を任意の量だけ上昇させることを含むことも可能である(たとえば、質量体を解凍し、氷点下から室温へ温度を上昇させる)。
より詳細に下記に論じられるように、本明細書で開示されているDRAアレイの実施形態は、比較的ワイドバンドの構造体を構成し、それは、マイクロ波発生モジュールからのRFエネルギーを加熱チャンバの中のロードの中へ効率的に結合させる。広いバンド幅に起因して、DRAアレイの実施形態は、マイクロ波加熱用途において使用される従来のアンテナと比較したときに、(たとえば、チャンバの中の設置されているロードに起因して)近距離場のローディングに対してはるかに感度が低い。
図1及び図2は、それぞれ、例示的な実施形態による、開いた状態及び閉じた状態の可搬式のマイクロ波加熱装置100の斜視図である。マイクロ波加熱装置100は、筐体110、加熱チャンバ120、制御パネル130、1つ又は複数のマイクロ波パワー発生モジュール(たとえば、モジュール350、図3)、1つ又は複数のDRAアレイ(たとえば、DRAアレイ500、図5、図6)、及び、より詳細に下記に論じられている他のコンポーネントを含む。
筐体110は、ある実施形態では、ベース部分112、チャンバ部分114、及び蓋部116を含む。ベース部分112は、ある実施形態では、マイクロ波パワー発生モジュール、及び、1つ又は複数のDRAアレイの少なくとも一部分を含むことが可能である。それに加えて、ベース部分112は、マイクロ波パワー発生モジュール及び制御パネル130にパワーを与えるための再充電可能な又は再充電不可能なバッテリシステムなど、電源システムを含むことが可能である。外部接続ポート118が、対応するケーブルに結合されているときに、装置100を動作させるために、及び/又は、装置100の再充電可能なバッテリシステムを再充電するために、パワーを受け入れるために使用され得る。それに加えて、外部接続ポート118は、たとえば、ソフトウェア・アップデートを受け取るために、外部システムと通信するために使用され得る。
加熱チャンバ120は、筐体110のチャンバ部分114の中に位置付けされており、また、内部側壁部122、チャンバ底部表面(たとえば、表面924、図9)、及びチャンバ上部表面(たとえば、表面926、図9)によって画定されている。図1に示されているように、蓋部116が開いているときには、加熱チャンバ120は、アクセス可能であり、ロード140(たとえば、食物ロード又は他のロード)が、チャンバ120の中に設置され得る。図2に示されているように、蓋部116が閉じているときには、加熱チャンバ120は、閉鎖性の空気キャビティになり、それは、本質的に、封鎖された端部を備えた導波管として機能する。実施形態によれば、マイクロ波発生モジュールは、蓋部116が開いているときには非活性化され、蓋部116が閉じているときにだけ活性化され得る。したがって、マイクロ波加熱装置100は、蓋部116の状態(すなわち、開いた状態又は閉じた状態)を検出するためのセンサ又は他の機構を含むことが可能である。
マイクロ波加熱装置100を動作させるために、ユーザは、蓋部116を開け、1つ又は複数の物体(たとえば、ロード140)を加熱チャンバ120の中へ置き、蓋部116を閉じ、所望の加熱期間及び所望のパワーレベルを特定する制御パネル130を介して入力を提供することが可能である。それに応答して、システムコントローラ(たとえば、コントローラ310、図3)は、マイクロ波パワー発生モジュール(たとえば、モジュール350、図3)に励振信号をDRAアレイ(たとえば、DRAアレイ360、図3)に提供させる。それに応答して、DRAアレイは、マイクロ波スペクトルの電磁エネルギー(本明細書で「マイクロ波エネルギー」と称される)を加熱チャンバ120の中へ放射する。より具体的には、ユーザ入力と一致する期間の間、及びそのパワーレベルでDRAアレイにマイクロ波エネルギーを加熱チャンバ120の中へ放射させるように、システムコントローラがマイクロ波パワー発生モジュールにさせる。マイクロ波エネルギーは、ロード140の熱エネルギーを増加させる(すなわち、マイクロ波エネルギーは、ロードを熱する)。
それぞれのDRAアレイは、マイクロ波エネルギーを加熱チャンバ120の中へ放射するように構成されている。放射されたエネルギーは、ある実施形態では、液体物体及び固体物体(たとえば、液体及び食物)を加熱するのにとりわけ適切なマイクロ波スペクトルの波長を有する。たとえば、それぞれのDRAアレイは、約2.0ギガヘルツ(GHz)から約3.0GHzの範囲にある周波数を有するマイクロ波エネルギーを加熱チャンバ120の中へ放射するように構成され得る。より具体的には、それぞれのDRAアレイは、ある実施形態では、約2.45GHzの波長を有するマイクロ波エネルギーを加熱チャンバ120の中へ放射するように構成され得る。
さらに詳細に下記に説明されるように、それぞれのマイクロ波パワー発生モジュールが、マグネトロンを含むというよりもむしろ、マイクロ波エネルギーを発生させて放射するソリッドステートの回路構成を含むという点において、それぞれのマイクロ波パワー発生モジュールは、一体型の「ソリッドステート」のモジュールとして実装され得る。したがって、マイクロ波パワー発生モジュールの実施形態が含まれているシステムの実施形態は、従来のマグネトロン−ベースのマイクロ波システムと比較したときに、相対的に低い電圧で動作することが可能であり、時間の経過に伴う出力パワーの劣化を受けにくくなることが可能であり、及び/又は、相対的にコンパクトであることが可能である。
マイクロ波加熱装置100は、そのコンポーネントが互いに対して特定の相対的な配向になっている状態で示されているが、同様に、さまざまなコンポーネントが異なって配向され得ることを理解されたい。それに加えて、さまざまなコンポーネントの物理的な構成は異なっていてもよい。たとえば、制御パネル130は、より多くの、より少ない、又は異なるユーザ・インターフェース・エレメントを有することが可能であり、及び/又は、ユーザ・インターフェース・エレメントは、異なって配置され得る。代替的に、制御パネル130は、装置100のベース部分112又は蓋部分116の中に位置付けされ得る。それに加えて、実質的に円筒形状の装置100及び加熱チャンバ120が図1に図示されているが、加熱チャンバは、他の実施形態では、異なる形状(たとえば、長方形及び楕円など)を有することが可能であることを理解されたい。さらに、マイクロ波加熱装置100は、図1には具体的に示されていない追加的なコンポーネントを含むことが可能である。さらには、「可搬式」のマイクロ波加熱装置の実施形態が本明細書で詳細に図示及び説明されているが、DRAアレイの本発明実施形態は、定置式のマイクロ波加熱装置(たとえば、より大型の装置、及び/又は、外部電気供給ネットワーク(又は、グリッド)によってパワーを与えられる装置)にも適用され得ることを当業者は理解するであろう。
図3は、例示的な実施形態による、1つ又は複数のDRAアレイ360を含むマイクロ波加熱装置300(たとえば、マイクロ波加熱装置100、図1)の簡単化されたブロック図である。それに加えて、マイクロ波システム300は、システムコントローラ310、ユーザインターフェース330、電源340、加熱チャンバ320、及び、1つ又は複数のマイクロ波パワー発生モジュール350を含む。図3は、説明の目的のための、及び、記載を容易にする目的のための、マイクロ波システム300の簡単化された表現であること、ならびに、実際の実施形態は、他のデバイス及びコンポーネントを含み、追加的な機能及び特徴を提供することが可能であること、ならびに/又は、マイクロ波システム300は、より大型の電気的なシステムの一部であることが可能であることを理解されたい。
ユーザインターフェース330は、制御パネル(たとえば、制御パネル130、図1)に対応することが可能であり、たとえば、それは、ユーザが、加熱動作のためのパラメータ(たとえば、加熱動作の持続期間、加熱動作に関するパワーレベル、及び、特定の加熱動作パラメータに相関するコードなど)、ならびに、スタートボタン及びキャンセルボタンなどに関する入力をシステムに提供することを可能にする。それに加えて、ユーザインターフェースは、加熱動作の状態を示すユーザ知覚可能な出力(たとえば、カウントダウン・タイマー、及び、加熱動作の完了を示す可聴音など)、ならびに、他の情報を提供するように構成され得る。
システムコントローラ310は、ユーザインターフェース330及び電源システム340に結合されている。たとえば、システムコントローラ310は、1つ又は複数の汎用又は専用プロセッサー(たとえば、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラ、及び特定用途向け集積回路(ASIC)など)、揮発性の及び/又は不揮発性のメモリー(たとえば、ランダムアクセスメモリー(RAM)、リードオンリーメモリー(ROM)、フラッシュ、及び、さまざまなレジスターなど)、1つ又は複数の通信バス、ならびに、他のコンポーネントを含むことが可能である。ある実施形態によれば、システムコントローラ310は、ユーザインターフェース330を介して受け取られるユーザ入力を示す信号を受け取るように構成され、また、受け取られたユーザ入力に対応する時間期間の間、及びそのパワーレベルで、電源340に、マイクロ波パワー発生モジュール350にパワーを提供させるように構成されている。
電源340は、システムコントローラ310から受け取られた制御信号にしたがって、それぞれのマイクロ波パワー発生モジュール350に供給電圧を選択的に提供することが可能である。電源340から適切な供給電圧を供給されたとき、それぞれのマイクロ波パワー発生モジュール350は、RF信号を作り出すことになり、RF信号は、DRAアレイ360の一部分を形成する1つ又は複数のフィード構造体370(又は、「フィード」)に搬送される。それに応答して、DRAアレイ360は、マイクロ波エネルギーを加熱チャンバ320の中へ放射する。先に述べられているように、加熱チャンバ320は、閉じた端部を備える導波管として本質的に機能する。DRAアレイ360の誘電共振器、加熱チャンバ320、及び、加熱チャンバ320の中に位置決めされている任意のロード(たとえば、ロード140、図1)は、DRAアレイ360によって作り出されるマイクロ波エネルギーに関する累積的なロードに対応している。より具体的には、誘電共振器、加熱チャンバ320、及び、加熱チャンバ340の中のロードは、マイクロ波パワー発生モジュール350に対してインピーダンスを提示する。
ある実施形態によれば、それぞれのマイクロ波パワー発生モジュール350は、ソリッドステートの発振器サブシステム352、周波数調整回路354、及びバイアス回路356を含むことが可能である。ある実施形態によれば、発振器サブシステム352は、ソリッドステート増幅器(たとえば、1つ又は複数のパワー・トランジスタを含む)及び共振回路を含む。さまざまな実施形態では、発振器サブシステム352の中のパワー増幅器は、シングル・エンド型増幅器、ダブル・エンド型増幅器、プッシュ・プル増幅器、ドハティ増幅器、スイッチ・モード・パワー増幅器(SMPA)、又は、別のタイプの増幅器を含むことが可能である。
ある実施形態では、発振器サブシステム352のエレメントが、出力ノード358において、振動電気信号を作り出すように構成されており、出力ノード358において、信号は、比較的高い出力パワー(たとえば、約100ワット(W)から約300W以上の範囲にある出力パワー)を有するマイクロ波スペクトルの周波数を有するという点において、発振器サブシステム352は、パワー・マイクロ波発振器である。共振回路は、パワー増幅器の出力と入力との間でフィードバック経路に沿って結合されており、共振回路は、共振フィードバック・ループを完成させ、それは、パワー増幅器によって作り出された増幅電気信号を共振回路の共振周波数において又はその近くで振動させる。ある実施形態では、共振回路は、マイクロ波スペクトルの周波数で(たとえば、約2.45GHzの周波数で)共振するように構成されている。増幅器構成によって作り出された増幅電気信号は、おおよそ共振回路の共振周波数で振動する。実際には、共振回路の実施形態は、異なる周波数で共振し、マイクロ波システム300を利用する特定の用途の要求を満たすように構成され得ることに留意されたい。
ある実施形態によれば、パワー増幅器は、調整回路354に結合されている入力端子(又は、制御端子)と、増幅器出力ノード358に結合されている出力端子(たとえば、ドレイン端子)とを有する、シングル・ステージの又はマルチ・ステージのトランジスタとして実装されている。たとえば、トランジスタは、調整回路354に接続されているゲート端子と、増幅器出力ノード358に接続されているドレイン端子と、接地基準電圧(たとえば、約0ボルトであるが、いくつかの実施形態では、接地基準電圧は、0ボルトよりも高くなることも又は低くなることも可能である)に接続されているソース端子とを有する電界効果トランジスタ(FET)を含むことが可能である。たとえば、トランジスタは、横方向拡散金属酸化物半導体FET(LDMOSFET)トランジスタを含むことが可能である。しかし、トランジスタは、任意の特定の半導体技術に限定されることは意図されておらず、他の実施形態では、トランジスタは、窒化ガリウム(GaN)トランジスタ、別のタイプのMOSFETトランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、又は、別の半導体技術を利用するトランジスタとして実現化され得ることに留意されたい。
周波数調整回路354は、容量性エレメント、誘導性エレメント、及び/又は抵抗性エレメントを含み、それらは、発振器サブシステム352によって発生された振動電気信号の振動周波数を調節するように構成されている。例示的な実施形態では、周波数調整回路354は、接地基準電圧と発振器サブシステム352の入力との間に結合されている。
バイアス回路356は、電源340と発振器サブシステム352との間に結合されており、電源340からプラスの(又は、供給)電圧を受け取るように構成されている。ある実施形態によれば、バイアス回路356は、発振器サブシステム352の中のトランジスタのゲート端子及び/又はドレイン端子において、直流電流(DC)又は公称バイアス電圧を制御するように構成されており、トランジスタのスイッチを入れるようになっており、また、トランジスタが発振器サブシステム352の動作の間にアクティブ・モードで動作することを維持するようになっている。図示されていないが、バイアス回路356は、温度センサ及び温度補償回路を含むことが可能であり、それは、トランジスタの温度を感知し、又は、そうでなければ検出するように構成されており、また、トランジスタの温度の増加及び/又は減少に応答してゲートバイアス電圧を調節するように構成されている。そのような実施形態では、バイアス回路356は、温度変化に応答して、トランジスタに関する実質的に一定の自己消費電流を維持するように構成され得る。
1つ又は複数のインピーダンス・マッチング回路(図示せず)を通して、発振器サブシステム352は、フィード構造体370に結合されている。より詳細に下記に説明されるように、フィード構造体370の実施形態は、1つ又は複数のDRAアレイ360の1つ又は複数の誘電共振器の中に位置決めされている導電性構造体を含む。代替的に、フィード構造体370は、マイクロストリップ・ラインを含むことが可能であり、マイクロストリップ・ラインは、1つ又は複数のDRAアレイ360の1つ又は複数の誘電共振器にアパーチャ結合されている(aperture coupled)。
DRAアレイ360は、マイクロ波エネルギーを加熱チャンバ320の中へ放射するように構成されている。より具体的には、フィード構造体370及びDRAアレイ360は、発振器出力ノード358における振動電気信号を電磁マイクロ波信号に変換する。たとえば、発振器サブシステム352が約2.45GHzの周波数で信号を作り出すように構成されているマイクロ波加熱装置の用途では、DRAアレイ360は、発振器出力ノード358における振動電気信号を、2.45GHzにおけるマイクロ波電磁信号に変換し、また、マイクロ波信号をマイクロ波加熱装置300の加熱チャンバ320の中へ方向付けする。
マイクロ波加熱装置300が複数のDRAアレイ360を含むときには、DRAアレイ360は、同じ周波数及びパワーレベルで共振するように構成され得、また、同時に、又は、所定のシーケンスで、動作され得る。代替的に、DRAアレイ360は、異なって構成され得る(たとえば、それらは、異なる周波数で共振することが可能であり、及び/又は、異なるパワーレベルでマイクロ波エネルギーを放射することが可能である)。そのような代替的な実施形態では、DRAアレイ360は、同時に、又は、所定のシーケンスで、動作され得る。
図5〜図7、図9〜図14、及び図21〜図25により詳細に示されるように、それぞれのDRAアレイは、複数の誘電共振器を含み、複数の誘電共振器は、スタックされた構成で配置されており、少なくとも1つの寄生性共振器が、少なくとも1つの励振器共振器と密結合される(たとえば、密に容量結合される)ようになっている。DRAアレイのさまざまな実施形態を詳細に論ずる前に、DRAアレイの基礎的なビルディング・ブロックの実施形態、又は、より具体的には、誘電共振器の実施形態が、図4と関連して論じられることになる。
図4は、誘電共振器400の斜視図であり、誘電共振器400は、DRAアレイの実施形態において使用するのに適切である。誘電共振器400は、セラミック、ペロブスカイト化合物(たとえば、Nd、TiO、CaO/SrO、BaO、MgO、ZnO、CoO、Ta、及び/又はNbなどを組み込む)、又は、他の適切な材料など、バルク誘電材料から形成されている。ある実施形態によれば、バルク誘電材料は、約8から約70の間の誘電率など、比較的高い誘電率を有するが、誘電率は、同様に、より大きくてもより小さくてもよい。さらに、バルク誘電材料は、ある実施形態では、約40,000から約300,000の間の無ロード状態の(unloaded)Qなど、比較的高いクオリティ・ファクタ(Q)を有するが、バルク誘電材料は、同様に、より低い又はより高い無ロード状態のQを有することも可能である。さらには、バルク誘電材料は、ある実施形態では、極めて低い熱膨張係数(たとえば、約ゼロppm)を有する。
図示されている実施形態では、誘電共振器400は、上部表面410と、底部表面412と、上部表面410と底部表面412との間に延在する外部側壁部416とを備える円筒形状を有する。それに加えて、誘電共振器400は、中心軸線に沿って上部表面410と底部表面412との間に延在する中心チャネル又は中心孔部420を有し、中心孔部420は、内部側壁部422によって画定されている。図15〜図20に関連してより詳細に後に論じられるように、中心チャネルを含まない誘電共振器を含む、さまざまな他の形状を有する誘電共振器が、DRAアレイのさまざまな他の実施形態において使用され得る。
図示されている誘電共振器400は、DRAアレイの中の励振器共振器として、又は、寄生性共振器として利用され得る。励振器共振器として利用されるときには、伝導性フィード(たとえば、フィード550、551、図5)は、誘電共振器400の底部表面412から中心孔部420の中へ挿入され得、フィードに提供されるRF信号は、誘電共振器400に誘電共振器400の特性共振周波数で共振させるために使用され得る。たとえば、共振周波数は、約2.0GHzから約3.0GHzの範囲にあることが可能であるが、共振周波数は、同様に、より低くてもより高くてもよい。誘電共振器400の共振周波数は、バルク誘電材料の誘電率によって、ならびに、誘電共振器400の形状及びサイズ(たとえば、高さ430及び直径432)によって、少なくとも部分的に定義される。一般的に、誘電率が高ければ高いほど、所与の共振周波数に関して、誘電共振器は小さくなることが可能である。それに加えて、任意の所与の誘電率及び誘電共振器形状に関して、より小さい誘電共振器は、より大きい誘電共振器よりも高い共振周波数で共振する。
誘電共振器400の中に位置決めされているフィードが適切なRF信号を伝達するときには、垂直方向の電界442(すなわち、上部表面410及び/又は底部表面412に直交する電界442)が発生される。本明細書で使用されているように、垂直方向の電界442は、「1次的な」電界と称される。垂直方向の又は1次的な電界442の強度は、どの程度深くまでフィードが中心孔部420の中へ延在するかということに、少なくとも部分的に依存し得る。それに加えて、適切なRF信号が誘電共振器400を励振するために使用されるときに、円周方向の電界440(本明細書で「2次的な」電界と称される)も、誘電共振器400によって作り出される。より具体的には、フィードによって伝達されたRF信号によって適切に励振されるときに、誘電共振器400は、慣性座標系の直交軸(たとえば、固定された慣性座標系450の直交軸「X」、「Y」、及び「Z」)に対して3つの分極に方向付けされた電磁エネルギー場を作り出すことが可能である。
上述されているように、マイクロ波加熱装置(たとえば、マイクロ波加熱装置100、200、図1、図2)において使用するのに適切であり得るDRAアレイは、複数の誘電共振器(たとえば、複数の事例の誘電共振器400、図4)を含むことが可能であり、複数の誘電共振器は、少なくとも1つの寄生性共振器が少なくとも1つの励振器共振器と密結合されるように配置されている。代替的に、DRAアレイの中の誘電共振器のそれぞれは、フィードによって直接励振され得、誘電共振器のすべてを、励振器共振器として分類可能にする。
たとえば、図5及び図6は、例示的な実施形態による、複合型DRAアレイ500の上面図及び斜視図である。図示されている複合型DRAアレイ500は、基板530に結合されている7つの水平方向に配置された隣接する誘電共振器510、511、520を備える、第1の水平方向に配置されたDRAアレイと、励振誘電共振器510の上に垂直方向にスタックされている8つの追加的な誘電共振器611〜618を備える、第2の垂直方向にスタックされたDRAアレイとを含む。
ある実施形態では、1つ又は複数のRF信号を伝達するように構成されている1つ又は複数のフィード550、551は、誘電共振器510、511のうちの1つ又は複数の中心孔部512、513の中に位置決めされており、したがって、それらの誘電共振器510、511を励振器共振器として分類する。図5の実施形態では、誘電共振器510、511及びそれらの関連のフィード550、551は、2つの誘電共振器ンテナ(DRA)を形成している。
適切なRF信号がフィード550、551によって伝達されるときに、信号は、励振器共振器510、511にそれらの共振周波数で共振させることになる。そして、これは、励振器共振器510、511にそれぞれの励振器共振器510、511の周囲部の周りに2次的な電界(たとえば、電界440、図4)を作り出させることになる。それに加えて、励振器共振器510、511のそれぞれは、それぞれの励振器共振器510、511の上部表面から上向きに直交して延在する1次的な電界(たとえば、電界442、図4)を作り出すことになる。
ある実施形態では、垂直方向にスタックされた誘電共振器510、611〜618は、互いに物理的に結合されており、誘電共振器スタック610を形成している。少なくとも最も低い誘電共振器510がDRAとして機能し、スタック610が複数の誘電共振器を含むので、フィード550及び誘電共振器510、611〜618を含むアッセンブリは、DRAアレイとして分類され得る。このDRAアレイでは、誘電共振器510、611〜618は、同心円状にスタックされている(たとえば、それらの中心軸線又は中心チャネル620が線形に整合されるように整合されている)。スタック610の中の誘電共振器510、611〜618のそれぞれが中心チャネル620を含む実施形態では、整合することが、最も低い共振器510の底部表面から最も高い共振器618の上部表面へ延在する連続的なチャネルをもたらす。したがって、より詳細に後に論じられるように、フィード550は、スタック610の中へ任意の高さまで延在することが可能である(たとえば、最も低い共振器510から開始して、最大で最も高い共振器618まで、任意の数の共振器を通して、及び、場合によっては最も高い共振器618を通して)。代替的に、スタック610の中の誘電共振器510、611〜618のうちのいくつかは、中心チャネルを含まないことも可能である。いずれにしても、フィード550がその中へ延在するか又はそれを通して延在する、任意の誘電共振器510、611〜618は、励振器共振器であると考えられ得、フィード550がその中へ延在していない任意の誘電共振器611〜618は、寄生性共振器であると考えられ得る。
スタック610は、複数のセットの隣接する共振器を含み、隣接する共振器のセットの中の第1の(より低い)誘電共振器の上部表面は、そのセットの中の第2の(より高い)誘電共振器の底部表面に向けて配向されている。誘電共振器スタックのさまざまな実施形態は、1つ又は複数のセットの隣接するレゾネータを含むことが可能である。図6の実施形態では、スタック610は、8セットの隣接するレゾネータを含む(すなわち、レゾネータ510、611を含む第1のセット、レゾネータ611、612を含む第2のセット、レゾネータ612、613を含む第3のセットなど)。
ある実施形態によれば、隣接する誘電共振器510、611〜618のそれぞれのセットの中のレゾネータは、隣接する誘電共振器510、611〜618を互いの合理的に小さい距離(たとえば、距離630)の中に位置決めすることによって、互いに「密に電界結合及び/又は容量結合されている」。より具体的には、隣接する誘電共振器510、611〜618のそれぞれのセットの中のレゾネータの上部表面と底部表面との間の距離630は、適切な励振信号がフィード550に提供されるときに、隣接する誘電共振器510、611〜618が密に電界結合及び/又は容量結合されるように選択される。ある実施形態によれば、隣接する誘電共振器510、611〜618のそれぞれのセットの中のレゾネータの上部表面と底部表面との間の距離630は、そのセットの中の誘電共振器のうちのいずれか又は両方の共振周波数の波長10分の1(又は、ラムダの10分の1)より小さい。たとえば、約2.5GHzの共振周波数に関して、距離630は、約12.5ミリメートル(mm)以下であることが可能である。別の実施形態によれば、距離630は、ラムダの15分の1より小さい。たとえば、約2.5GHzの共振周波数に関して、距離630は、約3.0mm以下であることが可能である。いくつかの実施形態では、隣接する誘電共振器510、611〜618は、約1.0mmから2.0mmの間で離れていることが可能である。さらなる別の実施形態では、距離630は、隣接するレゾネータのセットのうちのいくつか又はすべてに関してゼロであることが可能である(すなわち、隣接する誘電共振器510、611〜618は、図11に示されているように、直接物理的に結合され得る)。
ある実施形態によれば、スタック610の中の隣接するレゾネータ間の間隔又は距離630は、隣接するレゾネータ510、611〜618のうちのいくつか又はすべての間にスペーサ621〜628を含むことによって確立され得る。スペーサ621〜628の厚さ、及び、スペーサ621〜628が形成される材料の特性(たとえば、誘電率)は、隣接するレゾネータ510、611〜618の各セット間の容量性結合の密接性に影響を与える。さまざまな実施形態では、スペーサ621〜628は、ガラス繊維(たとえば、織られたガラス繊維)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、又は、他の適切な材料など、良好な熱伝導率を有する剛性の又は可撓性の非導電性材料から形成され得る。フィード550がスタック610の中の複数のレゾネータ510、611〜618を通って上へ延在する実施形態では、スペーサ621〜628は、誘電共振器510、611〜618を通るチャネル620に整合される中心孔部を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、スペーサ621〜628以外の構造又は材料が、誘電共振器510、611〜618の間の所望の距離を維持するために使用され得る。
上記に説明されているように、誘電共振器510、611〜618が互いに極めて近接しているときに、誘電共振器によって作り出された垂直方向の又は1次的な電界(たとえば、電界442、図4)は、隣接する誘電共振器に直接作用することが可能であり、それは、その隣接するレゾネータも共振させることが可能である。たとえば、誘電共振器510によって作り出された垂直方向の電界は、隣接するレゾネータ611に直接作用することが可能であり、隣接するレゾネータ611を、フィード550の上に伝達される信号によって直接励振されることができないとしても、その共振周波数で共振させる。同様に、誘電共振器611によって作り出された垂直方向の電界は、隣接するレゾネータ612に直接作用することが可能であり、隣接するレゾネータ612をその共振周波数で共振させる。たとえば、フィード550が最も低い誘電共振器510だけの中へ延在する(レゾネータ611〜618の中へは延在しない)特定の例示的な実施形態では、励振共振器510によって作り出された垂直方向の電界は、隣接する寄生性レゾネータ611に作用することが可能であり、それを共振させる。同様に、寄生性レゾネータ611によって作り出された垂直方向の電界は、隣接する寄生性レゾネータ612に作用することが可能であり、それを共振させる。それぞれの連続的な垂直方向の電界の強度が十分に強力であると仮定すると、この反応は、すべてのレゾネータ611〜618がそれらのそれぞれの共振周波数で共振している状態になるまで、寄生性レゾネータ611〜618のそれぞれを通して継続することが可能である。他の実施形態では、フィード550は、スタック610を通してさらに上へ延在することが可能であり、(たとえば、図9に示されているように)最も高いレゾネータ618の上部表面を通過して上へ延在するものを含む。
適切な励振信号を与えられると、励振誘電共振器及び隣接する誘電共振器510、611〜618は、互いに容量結合され得、それぞれの誘電共振器510、611〜618は、フィード550の上に伝達される信号によって直接、又は、容量結合されている隣接する共振器によって作り出された垂直方向の電界によって、その共振周波数で共振するように誘導され得る。したがって、図6の共振器スタック610は、本質的に、複数の容量結合されている共振器510、611〜618を含む。それぞれの誘電共振器510、611〜618は、本質的に、スペースに効率的に放射することができるアンテナであり、したがって、「分散アンテナ」を形成する。図9の説明によってより明確になるように、ロードが比較的小さく、及び/又は、DRAアンテナ500に対してさまざまな場所に位置決めされているときでも、スタック610などDRAアンテナによって具現化される分散アンテナは、近距離場のロード(たとえば、加熱チャンバの中の食物ロード)に効率的に結合することが可能である。
同心円状にスタックされたように配置されている、垂直方向にスタックされた誘電共振器510、611〜618とは対照的に、水平方向に配置された誘電共振器510、511、520は、同一平面的に配置されている。図5の実施形態では、水平方向に配置された誘電共振器510、511、520は、2つの励振器共振器510、511及び5つの寄生性共振器520を含む。
ある実施形態によれば、水平方向に配置された共振器510、511、520は、誘電共振器510、511、520の間の固定された空間的関係を維持するために、基板530の第1の側部に物理的に結合されている。たとえば、基板530は、ガラス繊維、PTFE、ナイロン、又は、他の適切な材料など、良好な熱伝導率を有する、剛性の又は可撓性の非導電性材料であることが可能である。図9に関連してより詳細に後に論じられるように、基板530の材料は、下にあるグランド・プレーンから十分な電気的な隔離を提供するように選ばれ得、基板530は、グランド・プレーンにスライド可能に係合され得る。
ある実施形態によれば、誘電共振器510、511、520の上部表面及び/又は底部表面(又は、誘電共振器510、511、520を通してとられた断面)が同一平面的であるという点において、励振器誘電共振器510、511及び隣接する寄生性誘電共振器520は、同一平面的に配向されている。スタック610の中の誘電共振器と同様に、励振誘電共振器510、511及び隣接する誘電共振器520は、励振誘電共振器及び隣接する誘電共振器510、511、520を互いの合理的に小さい距離540の中に位置決めすることによって、互いに密に電界結合及び/又は容量結合されている。より具体的には、適切な励振信号がフィード550、551に提供されるときに、誘電共振器510、511、520の隣接するセットが密に電界結合及び/又は容量結合されるように、隣接する誘電共振器510、511、520の側壁部間の最小の距離540が選択される。ある実施形態によれば、励振誘電共振器510、511及び隣接する誘電共振器520の側壁部間の距離540は、励振誘電共振器510、511の共振周波数の波長の10分の1(又は、ラムダの10分の1)より小さい。たとえば、約2.5GHzの共振周波数に関して、距離540は、約12.5mm以下であることが可能である。別の実施形態によれば、距離540は、ラムダの15分の1より小さい。たとえば、約2.5GHzの共振周波数に関して、距離540は、約3.0mm以下であることが可能である。いくつかの実施形態では、励振誘電共振器及び隣接する誘電共振器510、511、520は、約1.0mmから2.0mmの間で離れていることが可能である。さらなる別の実施形態では、距離540は、ゼロであることが可能である(すなわち、励振誘電共振器510、511及び隣接する誘電共振器520は、接触していることが可能である)。
上記に説明されているように、励振誘電共振器及び隣接する誘電共振器510、511、520が互いに極めて近接しているときに、励振誘電共振器510、511によって作り出された円周方向の又は2次的な電界(たとえば、電界440、図4)は、隣接する誘電共振器520に直接作用することが可能である。そして、これは、隣接する誘電共振器520をそれらのそれぞれの共振周波数で共振させることが可能である。したがって、誘電共振器510、511のそれぞれは、励振器共振器として適切に分類される。それとは対照的に、図5に図示されている実施形態では、隣接する誘電共振器520のいずれも、フィードによって直接励振されない。したがって、それらは、寄生性共振器として適切に分類される。
適切な励振信号を与えられると、励振誘電共振器及び隣接する誘電共振器510、511、520は、互いに容量結合することが可能であり、それぞれの誘電共振器510、511、520は、その共振周波数で共振する。したがって、図5及び図6の水平方向に配置された共振器510、511、520は、本質的に、複数の容量結合された共振器510、511、520を含む。スタック610の中の共振器510、611〜618と同様に、水平方向に配置された共振器510、511、520のセットの中のそれぞれの誘電共振器は、本質的に、スペースに効率的に放射することができるアンテナであり、したがって、また、分散アンテナを形成する。また、そのような分散アンテナは、近距離場のロードに効率的に結合することが可能である。
励振器共振器510、511は、誘電共振器510、511の中心孔部512、513の中に位置決めされているフィード550、551によってそれぞれ励振され得るが、励振器共振器510、511のうちのいずれか又は両方は、代替的に、マイクロストリップ・ライン560、561又は他の導電性構造体にアパーチャ結合され得、それは、その代わりに、誘電共振器510、511を励振するためのRF信号を伝達するために使用され得る。それに加えて、又は、代替的に、励振誘電共振器は、中央孔部以外の場所に設置されているフィードによって励振され得、及び/又は、複数のフィードが、誘電共振器を励振するために使用され得る。
ある実施形態によれば、フィード550、551及び/又はマイクロストリップ・ライン560、561は、同じRF信号を受け取ることが可能である。さまざまな代替的な実施形態では、フィード550、551及び/又はマイクロストリップ・ライン560、561は、異なるRF信号(たとえば、異なる周波数及び/もしくはパワーレベルのRF信号)を受け取ることが可能であり、ならびに/又は、フィード550、551及び/もしくはマイクロストリップ・ライン560、561へのRF信号の提供は、位相を合わせられ得る(phased)。たとえば、第1の時間期間の間に、第1の励振器共振器(たとえば、共振器510)は、その関連のフィード550及び/又はマイクロストリップ・ライン560から励振を提供され得、一方、第2の及び異なる励振器共振器511は、その関連のフィード551及び/又はマイクロストリップ・ライン560から励振を受け取らないか、又は、異なる励振を受け取ることが可能である。第2の時間期間の間に、第1の励振器共振器510に提供された励振は、除去又は変更され得、第2の励振器共振器511に提供された励振は、同じままにされるか、又は、除去もしくは変更されるかのいずれかであることが可能である。このように、DRAアレイ500によって作り出された累積的な電界は、時間の経過とともに、方向、強度、周波数、又はその他において変化され得る。別の言い方をすれば、複数のフィード550、551及び/又はマイクロストリップ・ライン560、561を提供することによって、ならびに、シーケンシャルに又はさまざまな組み合わせでそれらを励振することによって、連続的に又はインクリメンタルに操向可能な1つ又は複数のビーム又はビームが形成され得る。より具体的には、マイクロ波エネルギーのビームは、複数のフィード550、551及び/又はマイクロストリップ・ライン560、561を個別に又は組み合わせて活性化させることによって、方位角及び/又は高度を操向され得る。
図6の実施形態に最良に図示されている誘電共振器510、611〜618のスタック610は、9つの共振器510、611〜618を含むが、誘電共振器スタックの代替的な実施形態は、より多くの又はより少ない共振器を含むことが可能である(たとえば、わずか2つの共振器を備えるスタックを含む)。さらに、図5に最良に図示されている水平方向に配置された誘電共振器は、7つの誘電共振器510、511、520を含むが、共振器の水平方向に配置されたセットの代替的な実施形態は、より多くの又はより少ない共振器(たとえば、2つから30個以上の範囲にある任意の数の誘電共振器)を含むことが可能である。それに加えて、図5及び図6に図示されている実施形態では、誘電共振器510、511、520、611〜618のすべては、十分に同じサイズ及び形状である。それらがすべて同じ誘電率を有する1つ又は複数の材料から形成されていると仮定すると、誘電共振器510、511、520、611〜618のそれぞれは、実質的に同じ共振周波数で共振することになる。代替的な実施形態では、異なる共振周波数で共振する誘電共振器が選択され得る。これは、たとえば、異なるサイズの誘電共振器、異なる形状の誘電共振器、及び/又は、異なる誘電率を有する誘電共振器を使用することによって達成され得る。
図7は、ある実施形態による、複数の垂直方向にスタックされた隣接する誘電共振器及び3つの水平方向に配置された隣接する誘電共振器を備えるDRAの電気的特性を表す回路ダイアグラム700である。より具体的には、第1の共振回路710は、励振誘電共振器(たとえば、誘電共振器510、図5)を表しており、第2及び第3の隣接する共振回路720、730は、第1の(励振器)共振器710に隣接して位置決めされている、水平方向に配置された寄生性誘電共振器(たとえば、誘電共振器520のうちの2つ、図5)を表している。それに加えて、共振回路711〜713は、励振器共振器(回路710によって表されている)の上にスタックされている追加的な誘電共振器を表している。ある実施形態によれば、フィードは、励振誘電共振器(又は、第1の共振回路710)に近接して、及び、容量性結合を通して設置されており、励振誘電共振器(又は、第1の共振回路710)は、寄生性誘電共振器(又は、共振回路711〜713、720、730)に結合している。
上記に論じられているように、寄生性誘電共振器は、励振誘電共振器に十分に極めて近接して設置され得、コンデンサ740、750によって表されているように、共振器が密に容量結合されることを確実にする。本質的に、共振回路710、720、730の間の水平方向の容量性結合(すなわち、コンデンサ740の値)は、共振回路710、720、730によって表されている誘電共振器間の距離に反比例しており、また、隣接する共振器間に位置決めされ得る任意の材料(たとえば、共形コーティング982、図9)の特性(たとえば、誘電率)によっても影響を与えられる。同様に、共振回路710〜713の間の垂直方向の容量性結合(すなわち、コンデンサ750の値)は、共振回路710〜713によって表されている誘電共振器間の距離に反比例しており、また、隣接する共振器間に位置決めされ得る任意のスペーサ(たとえば、スペーサ621〜628、図6)の特性(たとえば、誘電率)によっても影響を与えられる。誘電共振器間の異なる間隔、及び、誘電共振器間の任意の材料の異なる特性は、容量性結合の異なる強度、及び、異なる周波数応答をもたらす。より具体的には、周波数応答の変化は、回路700のバンド幅に著しく影響を与える可能性がある。いくつかの実施形態では、誘電共振器は、比較的ブロードバンドの回路700を生成するように、互いに対してサイズ決め、形状決め、及び位置決めされ得る。換言すれば、個々の誘電共振器は、複合的なブロードバンド応答を与えるように位置決めされ得る(又は、共に結合されている)。
図7の電気的な表現では、それぞれの共振回路710〜713、720、730は、並列のインダクタ及びコンデンサ(それは、共に共振器を形成している)、ならびに、放射抵抗を表す抵抗(Rr)を含む。より具体的には、回路700によって表されているDRAアレイが、加熱チャンバの中へエネルギーを放射するために使用されるときに、放射抵抗は、DRAアレイから離れるエネルギーの放射の結果としてのチャンバの中へのエネルギー損失を表している。共振回路710〜713、720、730の中の共振器のそれぞれは、同じ周波数で放射することが可能であり(たとえば、誘電共振器が同一であるとき)、又は、共振回路710〜713、720、730の中の共振器は、異なる周波数で共振することが可能である(たとえば、誘電共振器が、サイズ、形状、及び/又は誘電率において異なっているとき)。
図8は、実施形態による、DRAアレイ(たとえば、DRAアレイ500、図5)のゲイン・バンド幅を示すグラフである。より具体的には、グラフは、約2.45GHzの無負荷中心周波数を有するDRAアンテナの実施形態のゲイン・バンド幅を示している。単一の誘電共振器を備えるDRAは、かなりナローバンドの応答(たとえば、約2.4GHzから2.5GHzの間)を有することが可能である。しかし、上記に(及び、後に)論じられているDRAアレイの実施形態は、少なくとも1つのDRA及び1つ又は複数の隣接する誘電共振器を含み、それは、アンテナのアパーチャを技術的に増加させ、著しくよりワイドバンドの応答(たとえば、−10dBポイントにおいて約2.3GHzから2.6GHzの間の約200メガヘルツのバンド幅)をもたらす。
比較的ワイドバンドの応答に起因して、及び、より詳細に下記に論じられるように、DRAアレイの実施形態は、従来のモノポール・アンテナ、パッチ・アンテナ、又は、他のタイプのナローバンドのアンテナよりも、近距離場のロードに対して著しく感度が低い可能性がある。これは、加熱チャンバが放射エレメント(このケースでは、DRAアレイ)に極めて近接しているマイクロ波加熱用途に、DRAアレイ実施形態をとりわけうまく適合させる。アンテナ理論において知られているように、かなりの近距離場のロードは、アンテナによって作り出されたエネルギーが所望の無ロード状態のバンドからシフトする範囲まで、比較的ナローバンドのアンテナを離調させる。これが、マイクロ波加熱用途において事実である場合には、アンテナは、加熱チャンバの中へエネルギーを発射することができないことになる。しかし、DRAアレイ構造体のさまざまな実施形態のワイドバンドの応答は、ロードが近距離場のロード(たとえば、DRAアレイ構造体が近接している加熱チャンバの中に設置されている食物ロード)であるときでも、DRAアレイ構造体が関心のバンドの中の(たとえば、2.45GHzの辺りを中心とするバンドの中の)かなりのエネルギーを加熱チャンバ及びロードの中へ発射することができることを確実にする。換言すれば、近距離場のロードがDRAアレイ構造体応答を周波数に関して移動させる場合にも、DRAアレイ構造体の実施形態は、十分にワイドバンドであり、応答が、比較的広いバンドの外側に移動しないようになっており、したがって、近距離場のロードの中への効率的なエネルギー伝送を可能にする。DRAアレイは、ブロードバンドの周波数応答を生成し、それは、加熱チャンバの中の近距離場のロード及びロード位置に対して著しく感度が低い。それに加えて、DRAアレイ実施形態のワイドバンドの応答は、エネルギーが広い範囲の誘電率を有する食物ロードに効率的に提供され得ることを確実にする。DRAアレイのさまざまな実施形態の広いバンド幅に起因して、隣接する加熱チャンバの中への発射効率は、95パーセント以上の高さにまでなることが可能である。
図9は、例示的な実施形態による、図1及び図2の可搬式のマイクロ波加熱装置100の側断面図である。マイクロ波加熱装置900は、筐体910、加熱チャンバ920、システムコントローラ(たとえば、システムコントローラ310、図9には図示されていない)、ユーザインターフェース(たとえば、ユーザインターフェース330、図9には図示されていない)、電源システム(たとえば、電源システム340、図9には図示されていない)、マイクロ波パワー発生モジュール950(たとえば、モジュール350、図3)、垂直方向にスタックされたDRAアレイ960、水平方向に配置されたDRAアレイ962、及び、より詳細に下記に論じられている他のコンポーネントを含む。ある実施形態によれば、及び、詳細に下記に論じられるように、水平方向に配置されたDRAアレイ962は、筐体910のベース部分912の中に位置決めされ得、垂直方向にスタックされたDRAアレイ960は、ベース部分912から上向きに延在することが可能である。代替的な実施形態では、垂直方向にスタックされたDRAアレイ及び/又は水平方向に配置されたDRAアレイは、図9に示されている配向に対して直交して配向され得る。
筐体910は、ある実施形態では、ベース部分912、チャンバ部分914、及び蓋部916(それは、図9において閉じた状態になっている)を含む。ある実施形態では、加熱チャンバ920は、筐体910のチャンバ部分914の中に位置付けされており、蓋部916の内部の中へ、上へ延在している。加熱チャンバ920は、内部側壁部922、チャンバ底部表面924、及びチャンバ上部表面926によって画定されている。図9は、チャンバ920の中のロード940(たとえば、食物ロード又は他のロード)を示している。図9に示されているように、蓋部916が閉じた状態で、加熱チャンバ920は、閉鎖性の空気キャビティであり、それは、先に説明されているように、本質的に、封鎖された端部を備えた導波管として機能する。図示されている実施形態では、加熱チャンバ920は、実質的に円形断面を有し、加熱チャンバ920を円筒形状の導波管にする。他の実施形態では、チャンバは、長方形の断面、楕円形の断面、又は、別の形状を有する断面を有することが可能である。
ある実施形態では、チャンバ壁部は、良好な熱伝導率を有する材料から形成され得る。たとえば、チャンバ壁部は、銅、アルミニウム、スチール、又は、別の適切な材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、チャンバ920の内部側壁部922は、チャンバ920の周波数に影響を与える材料でコーティングされ得る。たとえば、内部側壁部922は、PTFE、ナイロン、又は、別の適切な材料でコーティングされ得、それは、チャンバ920の周波数を低減させるか、又は、そうでなければ影響を与えることが可能である。
ある実施形態によれば、筐体910のベース部分912は、水平方向に配置されたDRAアレイ962及び少なくとも1つの電子基板970を含み、垂直方向にスタックされたDRAアレイ960は、電子基板970からチャンバ920の中へ上向きに延在している。たとえば、電子基板970は、マイクロ波又はRFラミネート、PTFE基板、プリント回路基板(PCB)材料基板(たとえば、FR−4)、アルミナ基板、セラミック・タイル、又は、別のタイプの基板を含むことが可能である。ある実施形態によれば、電子基板970は、電子基板970の第1の表面(たとえば、図9の中の上側表面)の上の又はそれに近接する伝導性グランド・プレーン972と、1つ又は複数の他の伝導性層とを含み、1つ又は複数の他の伝導性層のうちのいくつかは、電子基板970に装着されているさまざまなコンポーネントの間に電気的な相互接続を提供するようにパターン化され得る。ある実施形態では、たとえば、システムコントローラに対応するコンポーネント、ユーザインターフェースの一部分、電源、及びマイクロ波パワー発生モジュール950が、電子基板970の第2の表面(たとえば、図9の中の下側表面)の上に装着され得、また、それらのコンポーネントは、第2の表面の上又は下のパターン化された伝導性層を通して、互いに電気的に結合され得る。
ある実施形態では、垂直方向にスタックされたDRAアレイ960及び水平方向に配置されたDRAアレイ962は、複合型DRAアレイ500、図5の中の垂直方向にスタックされたDRAアレイ及び水平方向に配置されたDRAアレイと同様に構成され得るが、それらは、同様に、異なって構成され得る。垂直方向にスタックされたDRAアレイ960は、励振器共振器964及び8つの追加的な共振器965を含み、追加的な共振器965は、先に説明されているように、励振器共振器964に、又は、互いに、密に容量結合されている。図示されている実施形態では、フィード968は、追加的な共振器965のすべてを通って上へ延在しているので、追加的な共振器965のそれぞれは、また、励振器共振器として分類され得る。水平方向に配置されたDRAアレイ962は、少なくとも2つの励振器共振器964、966及び1つ又は複数の隣接する寄生性共振器967を含み、寄生性共振器967は、先に説明されているように、励振器共振器964、966に密に容量結合されている。図5に関連して説明されているように、励振器共振器及び寄生性共振器964、966、967は、DRAアレイ基板980(たとえば、基板530、図5)に結合され得、DRAアレイ基板980は、電子基板970の第1の表面(たとえば、グランド・プレーン972)にスライド可能に係合されている。
ある実施形態によれば、非導電性の共形コーティング982は、DRAアレイ960、962を包み込んでいる。共形コーティング982は、湿分及び他の汚染物質(たとえば、食物の飛び跳ね)からDRAアレイ960、962を保護するように機能し、チャンバ920の底部表面924を画定して、また、チャンバ920の側部表面923の一部分も画定している。たとえば、共形コーティング982は、熱硬化性プラスチック、プラスチックABS、エポキシ樹脂、PTFE、又は、別の適切な材料など、非伝導性の封入材料を含むことが可能である。代替的な実施形態では、共形のコーティング982を含むというよりもむしろ、代替的な構造体(たとえば、カバー)が、DRAアレイ960、962とチャンバ920との間の物理的なバリアを提供するために使用され得る。
図示されている実施形態では、RF信号を伝達するように構成されている第1のフィード968は、励振器共振器964の中心孔部の中に位置決めされており、励振器共振器964の上にスタックされている追加的な共振器965の垂直方向に整合された中心孔部を通って上へ延在している。それに加えて、同じ又は異なるRF信号を伝達するように構成されている第2のフィード969は、励振器共振器966の中心孔部の中に位置決めされている。ある実施形態によれば、フィード968、969の直径は、共振器964、966の中心孔部の直径より小さく、フィード968、969が、それらが熱膨張を経験するときに、中心孔部の内部側壁部に接して圧縮し、おそらくは共振器964、966に亀裂が入ることがない。そのように構成されることで、励振器共振器964及びフィード968は、第1のDRAを形成し、励振器共振器966及びフィード969は、第2のDRAを形成し、DRA及び追加的な共振器965、967は、第1及び第2のDRAアレイ960、962を形成する。
先に説明されているように、マイクロ波パワー発生モジュール950は、調整回路(たとえば、調整回路354、図3)、バイアス回路(たとえば、バイアス回路356、図3)、及び発振器サブシステム(たとえば、発振器サブシステム352、図3)を含む。ある実施形態では、発振器サブシステムは、1つ又は複数のパワー・トランジスタ952を含む。振動RF信号をフィード968、969に提供することを容易にするために、1つ又は複数のパワー・トランジスタ952の1つ又は複数の出力(たとえば、ドレイン端子)(又は、1つ又は複数のパワー増幅器の出力)は、電子基板970の第2の表面の上又は下の伝導性伝送線954を通して、フィード968、969に電気的に結合されている。フィード968、969は、電子基板970の中の孔部を通って、DRAアレイ基板980の中の孔部を通って、励振器共振器964、966の中の中心孔部の中へ延在している。
ユーザインターフェース(たとえば、を介して制御パネル130、図1)を介して提供されるユーザ入力に応答して、システムコントローラ(たとえば、コントローラ310、図3)は、マイクロ波パワー発生モジュール950に1つ又は複数の励振信号をDRAアレイ960、962に提供させる。それに応答して、それぞれのDRAアレイ960、962は、電磁エネルギー(網掛けエリア990によって示されている)を加熱チャンバ920の中へ放射する。マイクロ波エネルギーは、ロード940の熱エネルギーを増加させ、ロードを熱することが可能である。
上記に説明されているように、フィード968、969の上に伝達されるRF信号によって適切に励振されるときに、励振器共振器964、966は、それらの共振周波数(又は、複数の周波数)で共振し、円周方向の電界(たとえば、電界440、図4)及び垂直方向の電界(たとえば、電界442、図4)をそれぞれ作り出す。ある実施形態によれば、円周方向の電界は、寄生性共振器967に直接作用し、それらをそれらの共振周波数(又は、複数の周波数)で共振させる。これは、寄生性共振器967に円周方向の電界及び垂直方向の電界をも作り出させる。本質的に、DRAアレイ960、962のそれぞれの共振器964〜967は、放射パターンを有する。電界の性質、ならびに、グランド・プレーン972及び側壁部922の存在を所与として、累積的な放射が、かなり指向性のビームで、チャンバ920に向けて、チャンバ920の中へ方向付けされる。換言すれば、それぞれのDRAアレイ960、962は、電磁エネルギーのかなり幅の狭い固定されたビームをチャンバ920の中へ方向付けするアンテナアレイとして動作する。
たとえば、第1のDRAアレイ960は、チャンバ側壁部922に対して直交する方向に、電磁エネルギーのビームを作り出すことが可能であり、その方向は、概して、矢印992によって示されている。同様に、第2のDRAアレイ962は、チャンバ920の底部表面924に対して直交する方向に、電磁エネルギーのビームを作り出すことが可能であり、その方向は、概して、矢印994によって示されている。図9から明らかであるように、第1及び第2のDRAアレイ960、962によって作り出された電磁エネルギーのビームは、実質的に直交する配向を有する。それに加えて、第1及び第2のDRAアレイ960、962は、実質的に同じ周波数で動作することが可能であるが、それらは、代替的に、よりブロードバンドのエネルギー結合をチャンバ920の中のロード940に提供するために、異なる周波数で動作され得る。
先に述べられているように、チャンバ920は、本質的に、封鎖された端部を備えた電磁波ガイドとして機能し、チャンバ920の中の電磁波は、概して、DRAアレイ960、962からチャンバ920の上部表面及び側部表面922、926に向かう方向に伝播する。より具体的には、電磁波は、1つ又は複数の横断方向の電気(TE)モード、横断方向の磁気(TM)モード、及び/又は、ハイブリッドの横断方向の電気及び磁気(TEM)モードを含む、1つ又は複数の伝播モードで、チャンバ920を通って伝播することが可能である。しかし、アレイ960、962によって作り出された電磁エネルギーの周波数が、一般的にカットオフ周波数と称される、チャンバ920に関する下側閾値又は最小周波数を超えるときだけ、電磁波が、チャンバ920の中を伝播することになる。
チャンバ920に関するカットオフ周波数は、チャンバ920のサイズ(たとえば、高さ及び直径によって画定される)ならびに形状(たとえば、円筒形状、長方形、及び楕円形など)によって画定される。ある実施形態によれば、及び、DRAアレイ960、962、又は、チャンバ920の中に存在するロード940の存在の結果として起こるローディングを計算に入れずに、チャンバ920のサイズ及び形状は、チャンバ920をカットオフを下回るようなものにする。換言すれば、マイクロ波加熱に関する動作の所望のバンド(たとえば、2.3GHzから2.6GHzの間、また、下記で「マイクロ波加熱バンド」と称されている)において、ならびに、DRAアレイ960、962及びロード940がないときに、いかなるモードも、マイクロ波加熱バンドの中の電磁エネルギーに関して、どのようにそれが励振されるかにかかわらず、チャンバ920の中を伝播することができないように、チャンバ920が構成されている。たとえば、チャンバ920は、無ロード状態のときに、3.0GHzよりも低い電磁エネルギーによって励振されるときに、いずれの伝播モードも支持することができないサイズ及び形状を有することが可能である。
しかし、マイクロ波加熱装置900では、及び、誘電共振器964〜967の高い誘電率に部分的に起因して、DRAアレイ960、962は、1つ又は複数のモードがマイクロ波加熱バンドにおいてチャンバ920の中を伝播することを可能にするように、チャンバ920にロードを加えるように機能する。換言すれば、DRAアレイ960、962によって提供されるローディングは、マイクロ波加熱バンドの中にある共振周波数にチャンバ920を持っていく(すなわち、DRAアレイ960、962によってロードされるときに、チャンバ920は、カットオフを下回らない)。別の言い方をすれば、そうでなければカットオフを下回るチャンバ920のカットオフ周波数は、ある実施形態では、チャンバ920の中にDRAアレイ960、962のうちのいずれか又は両方を含むことによって、マイクロ波加熱バンドの中へ低下される。したがって、無ロード状態のチャンバ920が小さ過ぎてそれらのモードの伝播を支持することができないとしても、マイクロ波加熱バンドの中にある(DRAアレイ960、962からの)電磁エネルギーによってチャンバが励振されるときに、1つ又は複数のモードは、チャンバ920の中を伝播され得る。
ある実施形態では、ロードされたチャンバ920の形状、サイズ、及びカットオフ周波数に応じて、それは、ほとんど自然に、伝播の最良モードを見出すことになる。望ましくは、チャンバ920は、ハイブリッド・モード及び/又は複合モードを支持するように設計されており、ハイブリッド・モード及び/又は複合モードは、電磁的なカオスがチャンバ920の中に生成されるときに、挿入されたロード940の均一な加熱が強化され得るという点において、有利である可能性がある。換言すれば、マルチプル・モード及び/又は高次モードがチャンバ920の中に伝播されるときに、ロード940にわたる均一な加熱が、より容易に実現され得る。フィード968、969は、電界が3つの直交方向(たとえば、X、Y、及びZ)に作り出されることを可能にすることができるので、チャンバ920の中の基本モードが、自動的に励振され得る。
いくつかの実施形態では、チャンバ920がカットオフを下回る可能性があるとしても、本質的に、DRAアレイ960、962は、エネルギーをチャンバ920の中へ効率的に結合させるように構成されている。マイクロ波加熱装置900の実施形態は、上記に説明されているように、カットオフを下回る無ロード状態のチャンバ920を含むことが可能であるが、他の実施形態では、無ロード状態のチャンバ920は、チャンバ920をカットオフを上回るようにするようにサイズ決め及び形状決めされ得る(又は、DRAアレイ960、962によるローディングがない場合でも、マイクロ波加熱バンドの中の電磁エネルギーによって励振されるときに、1つ又は複数の伝播モードを支持することができる)。
動作の間に、ロード940(たとえば、食物ロード)は、DRAアレイ960、962によって提供されるローディングに加えて、チャンバ920の中に追加的なローディングを提供する。より具体的には、図9に示されているように設置されているときに、ロード940は、アレイ960、962に関して近距離場にある。従来のアンテナ(たとえば、モノポール・アンテナ又はパッチ・アンテナ)を使用して、そのような近距離場のローディングは、アンテナがエネルギーをチャンバ又はロードの中へ結合できない程度に、アンテナを離調する可能性がある。しかし、先に詳細に論じられているように、DRAアレイ960、962のブロードバンド特性は、それらを近距離場のローディングに対してはるかに鈍感にさせる。したがって、近距離場のロード940の存在下であっても、DRAアレイ960、962は、エネルギーをチャンバ920及びロード940の中へ効率的に結合させることが可能である。
図9の実施形態では、フィード968は、共振器のスタックの中の誘電共振器964、965のすべてを通って延在している。実際に、フィード968は、スタックの中の最も高い共振器965の上部表面を越えて実際に延在している。したがって、共振器964、965のそれぞれは、フィード968の上に伝達される信号によって直接励振され得、共振器964、965のそれぞれは、励振器共振器として分類され得る。代替的な実施形態では、フィードは、スタックの全体を通って延在していなくてもよい。たとえば、図10は、別の実施形態による、誘電共振器1011〜1019のスタック1010の側断面図を図示しており、それは、マイクロ波加熱装置の中で使用され得る。図10の実施形態では、スタック1010は、より具体的には、9つの誘電共振器1011〜1019、隣接する誘電共振器1011〜1019の間に配設されている8つのスペーサ1021〜1028、及びフィード1068を含み、フィード1068は、スタック1010の中の最も低い誘電共振器1011だけの中に上へ延在している。いくつかの実施形態では、スペーサ1021〜1028以外の構造又は材料が、誘電共振器1011〜1019の間の所望の距離を維持するために使用され得る。
そのような実施形態では、最も低い誘電共振器1011は、フィード1068の上に伝達される信号によって直接励振され、共振され得る。したがって、最も低い誘電共振器1011は、励振器共振器であると考えられ得る。それとは対照的に、フィード1068は、誘電共振器1012〜1019の中へ上へ延在していないので、それらの誘電共振器1012〜1019は、寄生性共振器であると考えられ得る。適切な励振信号を与えられると、最も低い誘電共振器1011は共振し、励振器共振器1011の上部表面から上向きに延在する垂直方向の1次的な電界と、励振器共振器1011の周りの円周方向の2次的な電界とを作り出すことが可能である。フリンジング効果に起因して、隣接する誘電共振器1012も、フィード1068の上に伝達される信号によって直接励振され、フィード1068の上に伝達される信号によって共振され得る。それに加えて、励振器共振器1011によって作り出された1次的な電界は、隣接する誘電共振器1012に直接作用することが可能であり、それは、誘電共振器1012を共振して垂直方向の電界及び円周方向の電界をも作り出させることが可能である。誘電共振器スタック1010が、共振器1011〜1019の側壁部に隣接して位置決めされているチャンバ(図示せず)の中に含まれているときに、チャンバは、少なくとも励振器共振器1011からのエネルギーを反射することが可能であり、その反射されたエネルギーは、誘電共振器1012〜1019に作用することになる。それに応答して、共振器1012〜1019は、チャンバから受け取られたエネルギーを再放射することが可能であり、したがって、チャンバの中のエネルギーのカオスを増加させる(又は、チャンバの中のフィールド強度分布をかき乱す)。このように、チャンバの全体を通したフィールド強度分布は、単一の共振器だけを含むアンテナと比較したときに、より均一になることが可能である。スタック1010の中の励振共振器1011、及び、上を覆っている誘電共振器1011〜1019によって作り出された累積的な電界は、チャンバの中のロードに結合することが可能であり、また、チャンバの中の比較的均一のフィールド分布に起因して、ロードは、単一の共振器を使用して実現され得る加熱と比較したときに、より均一に加熱され得る。
上記に論じられているように、スペーサ1021〜1028の物理的な特性及び材料特性は、電界の強度、及び/又は、隣接する共振器1011〜1019の間の容量性結合に影響を与える。代替的な実施形態では、誘電共振器のスタックは、スペーサを除外することが可能であり、誘電共振器は、共に直接物理的に接続され得る(たとえば、間隔630、図6は、ゼロになっている)。たとえば、図11は、別の実施形態による、誘電共振器1111〜1119のスタック1110の側断面図を図示しており、それは、マイクロ波加熱装置の中で使用され得る。図11の実施形態では、スタック1110は、より具体的には、9つの誘電共振器1111〜1119、及びフィード1168を含み、フィード1168は、スタック1110の中へ上へ延在している。以前の実施形態とは対照的に、スタック1110の中の隣接する誘電共振器1111〜1119は、共に直接物理的に接続されている。したがって、隣接する共振器は、依然として、共に密に容量結合されていると考えられ得るが、容量性結合の値は、誘電スペーサが隣接する共振器間に位置決めされている実施形態におけるものよりも、著しく低い。
また、図11の実施形態は、フィード1168を示しており、フィード1168は、スタック1110の中のいくつかの誘電共振器1111〜1116を通って、又は、その中へ延在しているが、スタック1110の中のすべての共振器1111〜1119を通って延在してはいない。図示されている実施形態では、共振器1111〜1116は、フィード1168の上に伝達される信号によって直接励振され得、したがって、共振器1111〜1116は、励振共振器であると考えられ得る。逆に、共振器1117〜1119は、寄生性共振器であると考えられ得る。
先に述べられているように、マイクロ波加熱装置の代替的な実施形態は、誘電共振器を含むことが可能であり、誘電共振器は、DRAアレイの少なくとも1つの励振共振器(たとえば、共振器964)の中に位置決めされているフィード(たとえば、フィード968、図9)を通して結合されているというよりもむしろ、RF信号供給源にアパーチャ結合されている。たとえば、図12は、さらなる別の実施形態による、誘電共振器1211〜1219のスタック1210の側断面図を図示しており、そこでは、スタック1210の中の最も低い共振器1211は、RF信号供給源にアパーチャ結合されている。図12の実施形態では、スタック1210は、より具体的には、9つの誘電共振器1211〜1219、8つのスペーサ1221〜1228(別の実施形態では、それは、除外され得る)、及び基板1270を含む。以前の実施形態とは対照的に、スタック1110の中の隣接する誘電レゾネータ1111〜1119は、共に直接物理的に接続されている。したがって、隣接する共振器は、依然として、共に密に容量結合されていると考えられ得るが、容量性結合の値は、誘電スペーサが隣接する共振器間に位置決めされている実施形態におけるものよりも、著しく低い。
基板1270は、基板1270の第1の表面(たとえば、図12の中の上側表面)の上の又はそれに近接する伝導性グランド・プレーン1272と、1つ又は複数の他の伝導性層とを含み、1つ又は複数の他の伝導性層のうちのいくつかは、基板1270に装着されているさまざまなコンポーネントの間に電気的な相互接続を提供するようにパターン化され得る。ある実施形態では、たとえば、システムコントローラに対応するコンポーネント、ユーザインターフェースの一部分、電源、及びマイクロ波パワー発生モジュールが、基板1270の第2の表面(たとえば、図12の中の下側表面)の上に装着され得、また、それらのコンポーネントは、第2の表面の上又は下のパターン化された伝導性層を通して、互いに電気的に結合され得る。
ある実施形態によれば、グランド・プレーン1272は、最も低い(励振)共振器1211の下にある開口部又はアパーチャ1274を含む。それに加えて、電子基板1270の表面(たとえば、図12の中の下側表面)の上又は下のマイクロストリップ・ライン1276又は他の導電性構造体は、グランド・プレーン1272の中のアパーチャ1274の下にあり、また、励振共振器1211の下にある。
ある実施形態では、マイクロストリップ・ライン1276は、発振器サブシステム(たとえば、発振器サブシステム352、図3)の出力に電気的に結合されており、より具体的には、発振器サブシステムのパワー・トランジスタ1252の出力(たとえば、ドレイン端子)に電気的に結合されている。マイクロストリップ・ライン1276が適切なRF信号を提供されるときに、マイクロストリップ・ライン1276は、電磁エネルギーを作り出し、電磁エネルギーは、電子基板1270を通して、より具体的には、グランド・プレーン1272の中のアパーチャ1274を通して、励振共振器1211に結合されている。励振共振器1211が共振し、励振共振器1111の上部表面から上向きに延在するそれ自身の1次的な電界を作り出させるために、結合されているRFエネルギーが十分であるときには、その電界は、隣接する寄生性共振器1212に直接作用することが可能である。それに加えて、励振共振器1211は、励振共振器1211の周りに、円周方向の2次的な電界を作り出すことが可能である。誘電共振器スタック1210が、共振器1211〜1219の側壁部に隣接して位置決めされているチャンバ(図示せず)の中に含まれているときに、チャンバは、少なくとも励振共振器1211からのエネルギーを反射することが可能であり、その反射されたエネルギーは、誘電共振器1212〜1219に作用することになる。それに応答して、図10に関連して先に論じられているように、共振器1212〜1219は、チャンバから受け取られたエネルギーを再放射することが可能であり、したがって、チャンバの中のエネルギーのカオスを増加させる(又は、チャンバの中のフィールド強度分布をかき乱す)。
いくつかの他の代替的な実施形態では、DRAアレイは、異なる周波数で共振する誘電共振器を含むことが可能である。先に論じられているように、これは、たとえば、異なるサイズの誘電共振器、異なる形状の誘電共振器、及び/又は、異なる誘電率を有する誘電共振器を使用することによって達成され得る。図13は、別の実施形態による、誘電共振器1311〜1320のスタック1310の側断面図であり、それは、マイクロ波加熱装置の中で使用され得、また、異なるサイズの誘電共振器を含む。図13の実施形態では、スタック1310は、より具体的には、第1のサイズの5つの誘電共振器1311〜1315と、第2の(より小さい)サイズの5つの誘電共振器1316〜1320と、隣接する誘電共振器1311〜1320の間に配設されている9つのスペーサ1321〜1329と、フィード1368とを含み、フィード1368は、スタック1310の中の共振器1311〜1320のすべてを通って上へ延在している。
上述されているように、及び、先に説明されたDRAアレイとは対照的に、誘電共振器1311〜1320は、異なるサイズのものになっている。誘電共振器1311〜1320が同じ誘電率を有する材料から形成されていると仮定すると、サイズの相違は、誘電共振器1311〜1320が異なる共振周波数で共振することをもたらす。たとえば、最大の誘電共振器1311〜1315は、第1の共振周波数で共振することが可能であり、より小さい誘電共振器1316〜1320は、より高い第2の共振周波数で共振することが可能である。共振周波数の相違の結果として、DRAアレイ1310から生じる累積的な電界は、誘電共振器1311〜1320の側部表面(たとえば、側部表面416)に非直交になっていることが可能である。共振器スタック1310は、2つの異なるサイズの共振器1311〜1320を交互配置で含むように示されているが、他の実施形態は、3つ以上の異なるサイズの共振器(もしくは、3つ以上の周波数で共振する共振器)を含むことが可能であり、及び/又は、異なってサイズ決めされた共振器は、交互配置以外の配置で配置され得る(たとえば、最大から最小へ、最小から最大へ、より小さい共振器をスタックの中央にする、及び、より小さい共振器をスタックの端部にするなど)。
異なってサイズ決めされた誘電共振器1311〜1320(したがって、異なる共振周波数を有する共振器)をアレイ1310の中へ組み込むことによって、図13のDRAアレイ1310の中で、電界ステアリングが達成されるが、同様のビーム・ステアリング効果は、他の方式でも達成され得る。たとえば、電界ステアリングは、代替的に、異なる誘電率を有する誘電共振器をアレイの中へ組み込むことによって、異なって形状決めされた誘電共振器をアレイの中へ組み込むことによって、又は、隣接する誘電共振器のセットの間の間隔、ひいては、容量性結合の強度を変化させることによって、達成され得る。さまざまな共振周波数を有する誘電共振器をDRAアレイの中へ組み込むことによって、誘電共振器の上部表面から直交する以外の1つ又は複数の方向に累積的な電界が方向付けされるシステムが設計され得る。
上記に示されているように、いくつかの他の代替的な実施形態では、DRAアレイは、異なる物理的な構成を有する誘電共振器を含むことが可能であり、ひいては、異なる周波数で共振し、及び/又は、異なる電界分布を有する誘電共振器を含むことが可能である。たとえば、図14は、さらなる別の実施形態による、誘電共振器1411〜1419のスタック1410の斜視図であり、それは、さらなる別の例示的な実施形態による、異なる物理的な構成の誘電共振器1410、1420、1430を含む。DRAアレイ・スタック1410は、基板1440に結合されている9つの誘電共振器1411〜1419を含み、それは、少なくとも1つの励振共振器(たとえば、最も低い共振器1411、及び、スタック1410の中のより高い共振器1412〜1419のうちの任意の1つ又は複数)、ならびに、場合によっては、隣接する寄生性共振器(たとえば、フィードによって直接励振されない共振器1411〜1419のうちの任意の1つ又は複数)を含む。
先に説明されたDRAアレイとは対照的に、誘電共振器1411〜1419は、異なる物理的な構成のものである。より具体的には、図示されている実施形態では、複数の第1の誘電共振器1411〜1414は、中心孔部を備える実質的に円筒形状を有し、複数の第2の誘電共振器1415〜1418は、中心孔部を備える実質的に立方体形状又は平行六面体形状を有し、第3の誘電共振器1419は、中心孔部のない円錐形状を有する。誘電共振器1411〜1419が同じ誘電率を有する材料から形成されていると仮定すると、物理的な構成の相違は、第1の誘電共振器1411〜1414、第2の誘電共振器1415〜1418、及び第3の誘電共振器1419をもたらし、それぞれは、異なる共振周波数で共振し、及び/又は、異なる分布を有する電界を作り出す。
図14の実施形態は、さまざまな異なる構成の誘電共振器が、DRAアレイのさまざまな実施形態において利用され得ることを図示している。さらにその点を図示するために、図15〜図20は、さまざまな物理的な構成を有する誘電共振器1500、1600、1700、1800、1900、2000の斜視図であり、それは、DRAアレイの中で使用され得る。より具体的には、誘電共振器1500(図15)は、中心孔部のない円筒形状を有し、誘電共振器1600(図16)は、中心孔部を備える扁平な円板形状を有し、誘電共振器1700(図17)は、中心孔部を備える円錐形状を有し、誘電共振器1800(図18)は、中心孔部を備える平行六面体形状を有し、誘電共振器1900(図19)は、中心孔部を備える球形形状を有し、誘電共振器2000(図20)は、中心孔部のないドーム形状を有する。中心孔部を備えるかもしくは中心孔部のない、又は、他の開口部を備える、多種多様な異なる構成の誘電共振器のいずれかが、代替的に、さまざまな実施形態において使用され得る。
異なる構成のDRAアレイのさまざまな実施形態が、ここで、図21〜図24に関連して説明される。たとえば、図21は、別の例示的な実施形態による、マイクロ波加熱装置の中で使用するのに適切なDRAアレイ2100の上面図である。DRAアレイ2100は、基板2130に結合されている7つの水平方向に配置された誘電共振器2110〜2112を含み、それは、2つの励振共振器2110、2111及び隣接する寄生性共振器2112を含む。それに加えて、示されてはいないが、DRAアレイ2100は、励振共振器2110、2111のうちのいずれか又は両方の上にスタックされた1つ又は複数の追加的な共振器を含むことが可能である。
基板2130は、基板530(図5)と実質的に同様であることが可能であり、上記に論じられている基板530の変形例を含む。図示されている実施形態では、1つ又は複数のRF信号を伝達するように構成されている複数のフィード2150、2151は、複数の励振共振器2110、2111の中心孔部の中に位置決めされている。そのように構成されることで、励振共振器2110、2111のそれぞれ、及び、その関連のフィード2150が、DRAを形成している。代替的な実施形態では、励振共振器2110、2111の1つ又は複数は、代替的に、マイクロストリップ・ライン2160、2161又はいくつかの他の導電性構造体にアパーチャ結合され得、それは、その代わりに、励振共振器2110、2111を励振するためのRF信号を伝達するために使用され得る。また、図5の実施形態とは対照的に、励振共振器2110、2111は、それぞれの誘電共振器2110、2111の中の追加的な場所に位置決めされている追加的なフィード2152、2153も含む。1つ又は複数の追加的な共振器が、励振共振器2110、2111のいずれか又は両方の上にスタックされているときに、中心フィード2150、2151及び/又は追加的なフィード2152、2153は、最も低い励振共振器2110、2111だけの中へ延在することが可能であり、又は、中心フィード2150、2151及び/又は追加的なフィード2152、2153は、追加的な共振器の中へ、及び、場合によっては、追加的な共振器を通って、上へ延在することが可能である。
ある実施形態によれば、フィード2150〜2153及び/又はマイクロストリップ・ライン2160、2161のすべては、同じRF信号を受け取ることが可能である。さまざまな代替的な実施形態では、フィード2150〜2153及び/もしくはマイクロストリップ・ライン2160、2161は、異なるRF信号(たとえば、異なる周波数及び/又はパワーレベルのRF信号)を受け取ることが可能であり、ならびに/又は、フィード2150〜2153及び/もしくはマイクロストリップ・ライン2160、2161へのRF信号の提供は、位相を合わせられ得る。たとえば、第1の時間期間の間に、第1の励振共振器(たとえば、共振器2110)は、その関連のフィード2150、2152及び/又はマイクロストリップ・ライン2160のうちの1つ又は複数から励振を提供され得、一方、第2の励振共振器2111は、その関連のフィード2151、2153及び/又はマイクロストリップ・ライン2160のうちの1つ又は複数から、励振を受け取らないか、又は、異なる励振を受け取ることが可能である。第2の時間期間の間に、第1の励振共振器2110に提供された励振は、除去又は変更され得、第2の励振共振器2111に提供された励振は、同じままにされるか、又は、除去もしくは変更されるかのいずれかであることが可能である。このように、DRAアレイ2100によって作り出された累積的な電界は、時間の経過とともに、方向、強度、周波数、又はその他において変化され得る。別の言い方をすれば、複数のフィード2150〜2153及び/又はマイクロストリップ・ライン2160、2161を提供することによって、ならびに、シーケンシャルに又はさまざまな組み合わせでそれらを励振することによって、連続的に又はインクリメンタルに操向可能な1つ又は複数のビーム又はビームが形成され得る。より具体的には、マイクロ波エネルギーのビームは、複数のフィード2150〜2153及び/又はマイクロストリップ・ライン2160、2161を個別に又は組み合わせて活性化させることによって、方位角及び/又は高度を操向され得る。
図22は、さらなる別の例示的な実施形態による、マイクロ波加熱装置の中で使用するのに適切なDRAアレイ2200の上面図である。先に説明されたDRAアレイのそれぞれは、円形断面を有する加熱チャンバ(たとえば、チャンバ920、図9)を含むマイクロ波加熱システムの中で使用するように示されてきたが、図22のDRAアレイ2200は、長方形の断面を有する加熱チャンバを含むマイクロ波加熱装置の中で使用するのに、とりわけうまく適合され得る。換言すれば、DRAアレイ2200は、封鎖された端部を備えた長方形導波管として本質的に機能する加熱チャンバを含むシステムの中で使用するのにうまく適合され得る。
図示されている実施形態では、DRAアレイ2200は、長方形基板2230に結合されている11個の誘電共振器2210〜2213、2220を含み、それは、複数の励振共振器2210〜2213及び隣接する寄生性共振器2220を含む。形状を除いて、基板2230は、基板530(図5)と実質的に同様であることが可能であり、上記に論じられている基板530の変形例を含む。図示されている実施形態では、1つ又は複数のRF信号を伝達するように構成されている複数のフィード2250は、複数の励振共振器2210〜2213の中心孔部の中に位置決めされている。そのように構成されることで、励振共振器2210〜2213のそれぞれ、及び、その関連のフィード2250が、DRAを形成している。したがって、DRAアレイ2200は、複数のDRAを含む。代替的な実施形態では、励振共振器2210〜2213の1つ又は複数は、代替的に、マイクロストリップ・ライン2260又はいくつかの他の導電性構造体にアパーチャ結合され得、それは、その代わりに、励振共振器2210〜2213を励振するためのRF信号を伝達するために使用され得る。それに加えて、示されてはいないが、DRAアレイ2200は、励振共振器2210〜2213のいくつか又はすべての上にスタックされた1つ又は複数の追加的な共振器を含むことが可能であり、フィード2250は、最も低い励振共振器2210〜2213だけの中へ、上へ延在することが可能であり、又は、追加的な共振器の中へ、及び/又は、追加的な共振器を通って、上へ延在することが可能である。
DRAアレイ500と同様に、適切なRF信号がフィード2250又はマイクロストリップ・ライン2260によって伝達されるときに、信号は、対応する励振共振器2210〜2213をその共振周波数で共振させることになる。そして、これは、励振共振器2210〜2213に励振共振器2210〜2213の周囲部の周りに1次的な電界(たとえば、電界440、図4)を作り出させることになる。それに加えて、励振共振器2210〜2212は、励振共振器2210〜2213の上部表面から上向きに直交して延在する2次的な電界(たとえば、電界442、図4)を作り出すことが可能である。
図21の実施形態と同様に、及びある実施形態によれば、フィード2250及び/又はマイクロストリップ・ライン2260のすべては、同じRF信号を受け取ることが可能である。さまざまな代替的な実施形態では、フィード2250及び/又はマイクロストリップ・ライン2260は、異なるRF信号(たとえば、異なる周波数及び/又はパワーレベルのRF信号)を受け取ることが可能であり、ならびに/又は、フィード2250及び/又はマイクロストリップ・ライン2260へのRF信号の提供は、位相を合わせられ得る。
図23は、さらなる別の例示的な実施形態による、マイクロ波加熱装置の中で使用するのに適切なDRAアレイ2300の上面図である。図5のDRAアレイ500のように、円周方向に設置された誘電共振器の単一の列だけを含むというよりも、誘電共振器の余剰の円周方向に設置された列を含むことを除いて、DRAアレイ2300は、図5の中のDRAアレイ500と同様である。より具体的には、DRAアレイ2300は、基板2330に結合されている19個の誘電共振器2310、2312、2320、2322を含み、それは、複数の励振共振器2310、2312及び隣接する寄生性共振器2320、2322を含む。より具体的には、DRAアレイ2300は、中心に位置決めされている励振共振器2310と、中心の励振共振器2310に直接隣接している寄生性共振器2320の第1の円周方向の列と、交互になっている励振共振器2312及び寄生性共振器2322の第2の円周方向の列とを含む。それに加えて、示されてはいないが、DRAアレイ2300は、励振共振器2310、2312のいくつか又はすべての上にスタックされた1つ又は複数の追加的な共振器を含むことが可能であり、フィード2350は、最も低い励振共振器2310、2312だけの中へ、上へ延在することが可能であり、又は、追加的な共振器の中へ、及び/又は、追加的な共振器を通って、上へ延在することが可能である。
図5のDRAアレイ500と同様に、1つ又は複数のRF信号を伝達するように構成されている複数のフィード2350は、複数の励振共振器2310、2312の中心孔部の中に位置決めされている。そのように構成されることで、励振共振器2310、2312のそれぞれ、及び、その関連のフィード2350が、DRAを形成している。代替的な実施形態では、励振共振器2310、2312の1つ又は複数は、代替的に、マイクロストリップ・ライン2360又はいくつかの他の導電性構造体にアパーチャ結合され得、それは、その代わりに、励振共振器2310、2312を励振するためのRF信号を伝達するために使用され得る。
DRAアレイ500と同様に、適切なRF信号がフィード2350又はマイクロストリップ・ライン2360によって伝達されるときに、信号は、対応する励振共振器2310、2312をその共振周波数で共振させることになる。そして、これは、励振共振器2310、2312に励振共振器2310、2312の周囲部の周りに1次的な電界(たとえば、電界440、図4)を作り出させることになる。それに加えて、励振共振器2310、2312は、励振共振器2310、2312の上部表面から上向きに直交して延在する2次的な電界(たとえば、電界442、図4)を作り出すことが可能である。
ある実施形態によれば、フィード2350及び/又はマイクロストリップ・ライン2360のすべては、同じRF信号を受け取ることが可能である。さまざまな代替的な実施形態では、フィード2350及び/又はマイクロストリップ・ライン2360は、異なるRF信号(たとえば、異なる周波数及び/又はパワーレベルのRF信号)を受け取ることが可能であり、ならびに/又は、フィード2350及び/又はマイクロストリップ・ライン2360へのRF信号の提供は、位相を合わせられ得る。
図23に図示されているDRAアレイ実施形態と一致して、図24は、複合型DRAアレイ2400の斜視図を図示しており、図25は、DRAアレイ2400など複合型DRAアレイを含むことが可能であるマイクロ波加熱装置2500の側断面図を図示している。DRAアレイ2400が、2つの垂直方向にスタックされたDRAアレイ(誘電共振器2411、2413のスタック2410、2412を含む)と、基板2430にすべて結合されている、追加的な水平方向に配置されたDRAアレイ(隣接する誘電共振器2420を含む)とを含むことを除いて、複合型DRAアレイ2400は、DRA600、図6と同様である。それに加えて、誘電スペーサ2414、2415は、先に論じられているように、スタック2410、2412の中の隣接する共振器2411、2413の間に位置決めされ得る。代替的な実施形態では、スペーサ2414、2415のうちのいくつか又はすべてが除外され得る。
他の実施形態に関連して先に説明されているように、1つ又は複数のフィードは、誘電共振器スタック2410、2412の中の最も低い共振器を含む、水平方向に配置された誘電共振器2420のうちの任意の1つ又は複数の中へ延在することが可能である。それに加えて、誘電共振器スタック2410、2412に関連付けられるフィードは、最も低い共振器だけの中へ延在することが可能であり、又は、それぞれのスタック2410、2412の中の共振器2411、2413の任意の数(すべてを含む)の中へ、及び/又は、それを通って、上へ延在することが可能である。先に論じられているように、マイクロストリップ・ラインが、代替的に、RF励振信号を伝達するために使用され得る。さまざまな実施形態では、複数のフィード及び/又はマイクロストリップ・ラインがRF励振信号を伝達するために利用されるときに、フィードのすべてが、同じRF信号を受け取ることが可能であり、いくつかのフィードが、異なるRF信号を受け取ることが可能であり、及び/又は、さまざまなフィードが、位相を合わせられたRF信号を受け取ることが可能である。
複合型DRAアレイ2400は、19個の水平方向に配置された誘電共振器と、9つの垂直方向にスタックされた共振器2411、2413をそれぞれ備える、2つの共振器スタック2410、2412とを含むように示されている。しかし、他の実施形態では、代替的な実施形態は、より多くのもしくはより少ない水平方向に配置された誘電共振器、より多くのもしくはより少ない誘電共振器スタック、それぞれのスタックの中のより多くのもしくはより少ない誘電共振器、異なる共振周波数を有する誘電共振器(たとえば、異なるサイズ及び誘電率などの共振器)、ならびに/又は、異なって形状決めもしくは構成された誘電共振器を含むことが可能であることを、当業者は、本明細書の説明に基づいて理解するであろう。
図25は、別の実施形態による、複合型DRAアレイ2400など複数の誘電共振器スタックを備える複合型DRAアレイを含むことが可能であるマイクロ波加熱装置2500の側断面図を図示している。図9のマイクロ波加熱装置900と同様に、マイクロ波加熱装置2400は、筐体2510、加熱チャンバ2520、システムコントローラ(たとえば、システムコントローラ310、図25には図示されていない)、ユーザインターフェース(たとえば、ユーザインターフェース330、図25には図示されていない)、及び電源システム(たとえば、電源システム340、図25には図示されていない)を含む。それに加えて、筐体2510は、ある実施形態では、ベース部分2512、チャンバ部分2514、及び蓋部2516(それは、図25において閉じた状態になっている)を含む。
図9のマイクロ波加熱装置900とは対照的に、マイクロ波加熱装置2500は、チャンバ2520の異なる側部に位置決めされている、2つの垂直方向にスタックされたDRAアレイ2550、2552と、チャンバ2520の底部に位置決めされている、水平方向に配置されたDRAアレイ(付番されていないが、DRA基板2580に結合されている5つの誘電共振器を含む)とを含む。より具体的には、水平方向に配置されたDRAアレイは、筐体2510のベース部分2512の中に位置決めされており、第1の垂直方向にスタックされたDRAアレイ2550は、筐体2510のチャンバ部分2514の第1の側壁部に隣接して位置決めされており、第2の垂直方向にスタックされたDRAアレイ2552は、チャンバ部分2514の第2の側壁部に隣接して位置決めされている。図示されている実施形態では、DRAアレイのそれぞれは、共形のコーティング2582によってカバーされ、加熱チャンバ2520の側部表面2522、2523及び底部表面2524を画定している。代替的な実施形態では、カバーは、DRAアレイをチャンバ2520から分離するために使用され得る。また、図25は、チャンバ2520の中のロード2540(たとえば、食物ロード又は他のロード)を示している。繰り返しになるが、加熱チャンバ2520は、閉鎖性の空気キャビティであり、それは、先に説明されているように、封鎖された端部を備えた導波管として本質的に機能する。
ある実施形態によれば、筐体2510のベース部分2512は、水平方向に配置されたDRAアレイと、1つ又は複数のマイクロ波パワー発生モジュール2550及びグランド・プレーン2572を収容する電子基板2570とを含む。マイクロ波パワー発生モジュール2550は、水平方向に配置されたDRAアレイ、ならびに、第1及び第2の垂直方向にスタックされたDRAアレイ2550、2552に、1つ又は複数のRF励振信号を提供するように構成されている。たとえば、RF励振信号は、それぞれ、フィード2581、2582、2583を通して提供され得る。第1のフィード2581は、水平方向に配置されたDRAアレイが、チャンバ2520の底部表面2524に対して直交する方向に、電磁エネルギーのビームを作り出すことを可能にすることができ、その方向は、概して、矢印2591によって示されている。同様に、第2のフィード2582は、第1の垂直方向にスタックされたDRAアレイ2550にRF励振信号を提供するように構成されており、それは、第1の垂直方向にスタックされたDRAアレイ2550に、チャンバ側壁部2522に対して直交する方向に、電磁エネルギーのビームを作り出させ、その方向は、概して、矢印2592によって示されている。最後に、第3のフィード2583は、第2の垂直方向にスタックされたDRAアレイ2552にRF励振信号を提供するように構成されており、それは、第2の垂直方向にスタックされたDRAアレイ2552に、チャンバ側壁部2523に対して直交する方向に、電磁エネルギーのビームを作り出させ、その方向は、概して、矢印2593によって示されている。上記に論じられているように、フィード2581〜2583は、誘電共振器又は共振器スタックの中の任意の高さまで延在することが可能である。それに加えて、さまざまなDRAアレイは、実質的に同じ周波数で動作され得るが、それらは、代替的に、異なる周波数又は位相で動作され、よりブロードバンドのエネルギー結合を、チャンバ2520の中のロード2540に提供することが可能である。
図26は、例示的な実施形態による、1つ又は複数の単純な又は複合型DRAアレイを含むマイクロ波システム(たとえば、システム100、300、900、2500)を動作させる方法のフローチャートである。方法は、システムコントローラ(たとえば、システムコントローラ310、図3)が、マイクロ波加熱動作を実施するためのパラメータを示す情報を受け取るときに、ブロック2602において開始する。たとえば、情報は、ユーザインターフェース(たとえば、ユーザインターフェース330、図3)を通して提供されるユーザ入力から生じることが可能であり、情報は、加熱動作の持続期間、加熱動作のパワーレベル、及び/又は、加熱動作に関連する他のパラメータを搬送することが可能である。
ブロック2604において、システムコントローラは、電源(たとえば、電源340、図1)に1つ又は複数のマイクロ波発生モジュール(たとえば、モジュール350、図3)にパワーを提供させ、その方式は、マイクロ波発生モジュールに加熱動作に関して特定されたパラメータと一致する1つ又は複数の励振信号を作り出させることになる。
ある実施形態によれば、ブロック2606において、それぞれの励振信号は、RFフィード(たとえば、フィード968、図9)を通して、又は、マイクロストリップ・ライン(たとえば、マイクロストリップ・ライン1276、図12)を通して、DRAアレイ(たとえば、DRAアレイ500、960、1010、1110、1210、1310、1410、2100、2200、2300、2400、2550、2552)に搬送され得る。それに応答して、それぞれのDRAアレイは、ブロック2608において、指向性の電磁エネルギー・ビームを作り出し、それは、マイクロ波システムの加熱チャンバ(たとえば、加熱チャンバ920)に向けて配向されている。先に論じられているように、チャンバは、近距離場のロード(たとえば、ロード940、2540)を含むことが可能である。DRAアレイは、励振信号の提供が中止されるまで(その時点において、方法は終了する)、指向性の電磁エネルギー・ビームを作り出し続ける。
図27は、例示的な実施形態による、単純な又は複合型DRAアレイを含むマイクロ波システム(たとえば、システム100、300、900、2500)を製造する方法のフローチャートである。方法は、ブロック2702において、複数の誘電共振器を誘電共振器スタックの中に共に結合することによって開始し、誘電共振器スタックは、最も低い第1の誘電共振器と、第1の誘電共振器の上にスタックされた1つ又は複数の第2の誘電共振器とを含む。また、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の誘電スペーサは、スタックの中の隣接する誘電共振器間に結合され、隣接する誘電共振器間の距離を画定することが可能であり、その距離は、隣接する誘電共振器が密に容量結合されていることを確実にする。また、ある実施形態では、複数の誘電共振器(又は、誘電共振器スタック)は、DRA基板(たとえば、DRA基板980、2580)に結合され、DRA基板アッセンブリを形成している。それに加えて、1つもしくは複数の追加的な誘電共振器スタック、及び/又は、1つもしくは複数の個々の誘電共振器は、DRA基板に結合され得る。このように、1つ又は複数の垂直方向にスタックされたDRAアレイが形成され得、1つ又は複数の水平方向に配置されたDRAアレイもまた同様である。
ブロック2704において、1つ又は複数の電子基板(たとえば、基板970、2570)は、筐体の中へ(たとえば、筐体のベース部分又は他の部分の中へ)据え付けられる。筐体は、加熱チャンバ(たとえば、チャンバ920、2520)を含み、加熱チャンバは、加熱又は解凍されることになるロード(たとえば、ロード940、2540)を含むように構成されている。ある実施形態によれば、それぞれの電子的な基板は、1つ又は複数のRFフィード構造体(たとえば、フィード968、969、2581〜2583又はマイクロストリップ・ライン)を含む、マイクロ波発生モジュール(たとえば、モジュール950、2550)を収容している。それに加えて、それぞれの電子的な基板は、グランド・プレーン(たとえば、グランド・プレーン972、2572)を含む。
ブロック2706において、誘電共振器スタック及び/又はDRA基板アッセンブリは、電子基板の上の筐体の中に据え付けられ、DRA基板が、グランド・プレーンと加熱チャンバとの間に位置決めされるようになっている。ある実施形態によれば、RFフィード構造体が、それぞれのスタックの中の最も低い誘電共振器に十分に近接しており、RFフィード構造体が適切なRF励振信号を供給されたとき、少なくとも最も低い誘電共振器を励振して共振状態にすることができるように、誘電共振器スタック及び/又はDRA基板を筐体の中へ据え付けることが実施される。たとえば、誘電共振器スタックを筐体の中へ据え付けた後に、RFフィード構造体は、最も低い誘電共振器の中へ延在するが、1つ又は複数の上を覆っている第2の誘電共振器の中へは延在しないことが可能である。代替的に、RFフィード構造体は、最も低い誘電共振器の中へ延在し、かつ、第2の誘電共振器のうちの1つ又は複数の中へ、上へ延在することが可能である。ブロック2708において、DRAアレイの上に共形材料(たとえば、共形コーティング982、2582)を適用することによって、又は、DRAアレイの上に保護カバーを設置することによって、DRAアレイは保護される(すなわち、物理的な分離が、DRAアレイとチャンバとの間に確立される)。
簡潔化のために、共振器、増幅器、バイアシング、負荷変調、インピーダンス・マッチング、パワー・スプリッター及び/又はパワー・コンバイナー、マイクロ波用途、ならびに、システムの他の機能的な態様(及び、システムの個々の動作コンポーネント)に関連する従来の技法は、本明細書で詳細に説明されていない可能性がある。本明細書に含まれているさまざまな図に示されている接続線は、さまざまなエレメント間の例示的な機能的関係、及び/又は物理的な結合を表すことが意図されている。多くの代替的なもしくは追加的な機能的関係又は物理的な接続は、主題の実施形態の中に存在し得ることに留意されたい。それに加えて、特定の専門用語は、また、参照の目的のためだけに本明細書で使用され得、したがって、限定するものであるようには意図されておらず、「第1の」、「第2の」という用語、及び、構造体を参照する他のそのような数字の用語は、文脈によって明確に示されていなければ、シーケンス又は順序を暗示してはいない。
本明細書で使用されているように、「ノード」は、任意の内部又は外部の基準点、接続点、接点、信号線、又は伝導性エレメントなどを意味しており、そこにおいて、所与の信号、ロジックレベル、電圧、データパターン、電流、又は量が存在している。そのうえ、2つ以上のノードが、1つの物理的なエレメントによって実現化され得る(及び、共通のノードにおいて受け取られ又は出力されたとしても、2つ以上の信号が、多重化され、変調され、又は、そうでなければ区別され得る)。
先述の説明は、共に「接続されている」又は「結合されている」エレメント又はノード又はフィーチャに言及している。本明細書で使用されているように、そうでないことを明示的に述べていなければ、「接続されている」は、1つのエレメントが別のエレメントに直接接合されており(又は、直接連通しており)、必ずしも機械的に接続されているわけではないことを意味している。同様に、そうでないことを明示的に述べていなければ、「結合されている」は、1つのエレメントが別のエレメントに直接又は間接的に接合されており(又は、直接もしくは間接的に連通しており)、必ずしも機械的に接続されているわけではないことを意味している。したがって、図に示されている概略は、エレメントの1つの例示的な配置を示しているが、追加的な介在するエレメント、デバイス、フィーチャ、又はコンポーネントが、示されている主題の実施形態の中に存在し得る。
マイクロ波加熱装置の実施形態は、ソリッドステートのマイクロ波エネルギー供給源と、第1の励振誘電共振器、及び、第1の励振誘電共振器に近接する第1のフィード構造体を含む第1の誘電共振器アンテナと、垂直方向にスタックされた誘電共振器アンテナアレイを形成するように第1の励振誘電共振器の上部表面の上にスタックされた1つ又は複数の追加的な誘電共振器とを含む。第1のフィード構造体は、マイクロ波エネルギー供給源に電気的に結合され、第1の励振信号を受け取り、また、第1の励振誘電共振器は、第1のフィード構造体に提供される励振信号に応答して、第1の電界を作り出すように構成されている。第1の励振誘電共振器に直接隣接している追加的な誘電共振器の第2の誘電共振器は、励振信号が提供されるときに、第1の励振誘電共振器に密に容量結合される。
マイクロ波加熱装置の別の実施形態は、チャンバと、ソリッドステートのマイクロ波エネルギー供給源と、第1の励振誘電共振器、及び、第1の励振誘電共振器に近接している第1のフィード構造体を含む第1の誘電共振器アンテナと、誘電共振器アンテナアレイを形成するように第1の励振誘電共振器の上部表面の上にスタックされた1つ又は複数の第2の誘電共振器とを含む。チャンバは、ロードを含むように構成されている。第1のフィード構造体は、マイクロ波エネルギー供給源に電気的に結合され、マイクロ波エネルギー供給源から第1の励振信号を受け取り、また、第1の励振誘電共振器は、第1のフィード構造体に提供される励振信号に応答して、第1の電界を作り出すように構成されている。
マイクロ波発生モジュールを含むマイクロ波システムを動作させる方法の実施形態は、マイクロ波発生モジュールによって、第1のRFフィード構造体に搬送される第1の励振信号を作り出す工程を含み、第1のRFフィード構造体は、第1の誘電共振器に近接して位置決めされており、1つ又は複数の第2の誘電共振器が、第1の誘電共振器の上にスタックされている。方法は、第1のRFフィード構造体によって搬送される第1の励振信号に応答して、第1の誘電共振器によって、第1の電界を作り出す工程と、第1の電界の作用に応答して、第1の励振信号に応答して、又は、第1の電界及び第1の励振信号の両方に応答して、1つ又は複数の第2の誘電共振器によって、第2の電界を作り出す工程とをさらに含む。第2の電界は、近距離場のロードを含むチャンバに向けて方向付けされる。
マイクロ波システムを製造する方法の実施形態は、複数の誘電共振器を誘電共振器スタックの中に共に結合する工程を含み、誘電共振器スタックは、最も低い第1の誘電共振器と、第1の誘電共振器の上にスタックされた1つ又は複数の第2の誘電共振器とを含む。また、方法は、基板を筐体の中へ据え付ける工程を含み、RFフィード構造体は、基板に結合されており、筐体は、封鎖された端部を備えた導波管として構成されるチャンバを画定している。また、方法は、RFフィード構造体が第1の誘電共振器に十分に近接しており、RFフィード構造体が適切なRF励振信号を供給されたとき、第1の誘電共振器を励振して共振状態にすることができるように、誘電共振器スタックを筐体の中へ据え付ける工程を含む。
少なくとも1つの例示的な実施形態が、先述の詳細な説明において提示されてきたが、膨大な数の変形例が存在することが認識されるべきである。また、本明細書で説明されている1つ又は複数の例示的な実施形態は、特許請求されている主題の範囲、適用可能性、又は構成を限定することを、決して意図していないことが認識されるべきである。むしろ、先述の詳細な説明は、説明されている1つ又は複数の実施形態を実装するための便利なロードマップを当業者に提供することになる。特許請求の範囲によって定義されている範囲から逸脱することなく、エレメントの機能及び配置のさまざまな変形を行うことが可能であり、それは、本特許出願の出願時において、公知の均等物及び予測可能な均等物を含むことを理解されたい。
510,511…励振誘電共振器、370…フィード構造体、610…スタックされた1つ又は複数の追加的な誘電共振器。

Claims (38)

  1. ソリッドステートのマイクロ波エネルギー供給源と、
    第1の励振誘電共振器、及び、前記第1の励振誘電共振器に近接する第1のフィード構造体を含む第1の誘電共振器アンテナであって、前記第1の励振誘電共振器は、上部表面及び対向する底部表面を有し、前記第1のフィード構造体は、前記マイクロ波エネルギー供給源に電気的に結合され、前記マイクロ波エネルギー供給源から第1の励振信号を受け取り、前記第1の励振誘電共振器は、前記第1のフィード構造体に提供される前記励振信号に応答して、第1の電界を作り出すように構成されている、第1の誘電共振器アンテナと、
    垂直方向にスタックされた誘電共振器アンテナアレイを形成するように前記第1の励振誘電共振器の前記上部表面の上にスタックされた1つ又は複数の追加的な誘電共振器と、
    からなるマイクロ波加熱装置。
  2. 前記第1の励振誘電共振器に直接隣接している前記追加的な誘電共振器の第2の誘電共振器が、前記励振信号が提供されるときに、前記第1の励振誘電共振器に密に容量結合されている請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 前記励振信号が提供されるときに、前記第1の励振誘電共振器によって作り出された前記第1の電界は、前記第2の誘電共振器に直接作用し、前記第1の電界の作用に応答して、前記第2の誘電共振器に第2の電界を作り出させる請求項2に記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 前記第2の誘電共振器は、前記第1のフィード構造体から直接励振信号を受け取らず、その代わりに、前記第1の電界の前記作用に応答して、前記第2の電界を作り出す寄生性誘電共振器である請求項3に記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 前記第1のフィード構造体は、フィードを含み、前記フィードは、前記第1の励振誘電共振器を通って、前記1つ又は複数の追加的な誘電共振器の少なくとも1つの中へ延在している請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  6. 前記フィードは、前記1つ又は複数の追加的な誘電共振器のすべての中へ、又はそれらを通って延在している請求項5に記載のマイクロ波加熱装置。
  7. 前記第1のフィード構造体は、前記第1の励振誘電共振器の中へ延在するフィードを含む請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  8. 前記第1の誘電共振器アンテナは、前記第1の励振誘電共振器の中に1つ又は複数の追加的なフィードを含み、前記1つ又は複数の追加的なフィードは、前記マイクロ波エネルギー供給源に電気的に結合され、前記マイクロ波エネルギー供給源から1つ又は複数の追加的な励振信号を受け取る請求項7に記載のマイクロ波加熱装置。
  9. 前記第1のフィード構造体は、前記第1の励振誘電共振器にアパーチャ結合されている導体を含む請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  10. 前記誘電共振器アンテナアレイは、1つ又は複数の追加的な誘電共振器アンテナをさらに含み、前記1つ又は複数の追加的な誘電共振器アンテナのそれぞれは、追加的なフィード、追加的な励振誘電共振器、及び、前記追加的な励振誘電共振器の上部表面の上にスタックされた1つ又は複数の余剰の追加的な誘電共振器を含む請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  11. 前記第1の励振誘電共振器及び前記1つ又は複数の第2の誘電共振器のそれぞれは、円筒、円板、円錐、平行六面体、球体、及びドームから選択される形状を有する請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  12. 前記誘電共振器アンテナアレイの中の隣接する誘電共振器の各セット間に位置決めされている1つ又は複数の誘電スペーサ
    をさらに含む請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  13. 前記1つ又は複数の誘電スペーサのそれぞれは、前記隣接する誘電共振器の各セット間の距離を画定する厚さを有し、それぞれの距離は、前記第1の励振誘電共振器の共振周波数の波長の5分の1より小さい請求項12に記載のマイクロ波加熱装置。
  14. それぞれの距離は、ゼロミリメートルから12.5ミリメートルの間にある請求項13に記載のマイクロ波加熱装置。
  15. それぞれの距離は、前記第1の励振誘電共振器の前記共振周波数の前記波長の10分の1より小さい請求項13に記載のマイクロ波加熱装置。
  16. それぞれの距離は、ゼロミリメートルから3.0ミリメートルの間にある請求項13に記載のマイクロ波加熱装置。
  17. 前記誘電共振器アンテナアレイの第1の側部に位置決めされているグランド・プレーンと、
    前記グランド・プレーンから前記誘電共振器アンテナアレイの反対側に位置決めされているチャンバであって、ロードを含むように構成されている、チャンバと、
    をさらに含む請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  18. 前記チャンバは、前記誘電共振器アンテナアレイがないときに、カットオフを下回ることになる請求項17に記載のマイクロ波加熱装置。
  19. 前記第1の励振誘電共振器及び前記1つ又は複数の第2の誘電共振器をカバーする共形材料をさらに含む請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  20. 前記第1の励振誘電共振器及び前記1つ又は複数の第2の誘電共振器は、同じ幾何学的形状を有し、実質的に同じサイズのものである請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  21. 前記第1の励振誘電共振器及び前記1つ又は複数の第2の誘電共振器のうちの2つ以上が、異なる幾何学的形状を有する請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  22. 前記第1の励振誘電共振器及び前記1つ又は複数の第2の誘電共振器のうちの2つ以上が、実質的に異なるサイズを有する請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  23. 前記ソリッドステートのマイクロ波エネルギー供給源は、
    トランジスタ入力及びトランジスタ出力を備えたトランジスタを含む増幅器構成であって、2.3ギガヘルツ(GHz)から2.6GHzの範囲にあるマイクロ波周波数において、前記励振信号を作り出すように構成されている、増幅器構成
    を含む請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  24. 前記増幅器構成は、発振器サブシステムの一部分を形成しており、前記発振器サブシステムは、
    前記トランジスタ出力と前記トランジスタ入力との間のフィードバック経路に沿った共振回路をさらに含み、前記共振回路の共振周波数は、前記マイクロ波周波数である請求項23に記載のマイクロ波加熱装置。
  25. ロードを含むように構成されているチャンバと、
    ソリッドステートのマイクロ波エネルギー供給源と、
    第1の励振誘電共振器、及び、前記第1の励振誘電共振器に近接する第1のフィード構造体を含む第1の誘電共振器アンテナであって、前記第1の励振誘電共振器は、上部表面及び対向する底部表面を有し、前記第1のフィード構造体は、前記マイクロ波エネルギー供給源に電気的に結合され、前記マイクロ波エネルギー供給源から第1の励振信号を受け取り、前記第1の励振誘電共振器は、前記第1のフィード構造体に提供される前記励振信号に応答して、第1の電界を作り出すように構成されている、第1の誘電共振器アンテナと、
    誘電共振器アンテナアレイを形成するように前記第1の励振誘電共振器の前記上部表面の上にスタックされた1つ又は複数の第2の誘電共振器と、
    からなるマイクロ波加熱装置。
  26. 前記チャンバは、前記誘電共振器アンテナアレイがないときに、カットオフを下回ることになる請求項25に記載のマイクロ波加熱装置。
  27. 前記チャンバの断面形状は、円形、楕円形、及び矩形から選択される請求項25に記載のマイクロ波加熱装置。
  28. 前記誘電共振器アンテナアレイの中の隣接する誘電共振器の各セット間に位置決めされている1つ又は複数の誘電スペーサ
    をさらに含む請求項25に記載のマイクロ波加熱装置。
  29. 前記1つ又は複数の誘電スペーサのそれぞれは、前記隣接する誘電共振器の各セット間の距離を画定する厚さを有し、それぞれの距離は、前記第1の励振誘電共振器の共振周波数の波長の5分の1より小さい請求項28に記載のマイクロ波加熱装置。
  30. それぞれの距離は、前記第1の励振誘電共振器の前記共振周波数の前記波長の10分の1より小さい請求項29に記載のマイクロ波加熱装置。
  31. マイクロ波発生モジュールを含むマイクロ波システムを動作させる方法であって、
    前記マイクロ波発生モジュールによって、第1の無線周波数(RF)フィード構造体に搬送される第1の励振信号を作り出す工程であって、前記第1のRFフィード構造体は、第1の誘電共振器に近接して位置決めされており、1つ又は複数の第2の誘電共振器は、前記第1の誘電共振器の上にスタックされている、工程と、
    前記第1のRFフィード構造体によって搬送される前記第1の励振信号に応答して、前記第1の誘電共振器によって、第1の電界を作り出す工程と、
    前記第1の電界の作用に応答して、前記第1の励振信号に応答して、又は、前記第1の電界及び前記第1の励振信号の両方に応答して、前記1つ又は複数の第2の誘電共振器によって、第2の電界を作り出す工程であって、前記第1及び第2の電界は、近距離場のロードを含むチャンバに向けて方向付けされている、工程と、
    からなる方法。
  32. 前記RFフィード構造体は、前記第1の誘電共振器の中へ延在しているが、前記1つ又は複数の第2の誘電共振器の中へは延在していない請求項31に記載の方法。
  33. 前記RFフィード構造体は、前記第1の誘電共振器の中へ、及び、前記1つ又は複数の第2の誘電共振器のうちの少なくとも1つの中へ延在している請求項31に記載の方法。
  34. マイクロ波システムを製造する方法であって、
    複数の誘電共振器を誘電共振器スタックの中に共に結合する工程であって、前記誘電共振器スタックは、最も低い第1の誘電共振器、及び、前記第1の誘電共振器の上にスタックされた1つ又は複数の第2の誘電共振器を含む、工程と、
    基板を筐体の中へ据え付ける工程であって、無線周波数(RF)フィード構造体は、前記基板に結合されており、前記筐体は、封鎖された端部を備えた導波管として構成されるチャンバを画定している、工程と、
    前記RFフィード構造体が前記第1の誘電共振器に十分に近接しており、前記RFフィード構造体が適切なRF励振信号を供給されたとき、前記第1の誘電共振器を励振して共振状態にすることができるように、前記誘電共振器スタックを前記筐体の中へ据え付ける工程と、
    からなる方法。
  35. 前記誘電共振器スタックを前記筐体の中へ据え付ける工程の後で、前記RFフィード構造体は、前記第1の誘電共振器の中へ延在しているが、前記1つ又は複数の第2の誘電共振器の中へは延在していない請求項34に記載の方法。
  36. 前記誘電共振器スタックを前記筐体の中へ据え付ける工程の後で、前記RFフィード構造体は、前記第1の誘電共振器の中へ、及び、前記1つ又は複数の第2の誘電共振器のうちの少なくとも1つの中へ延在している請求項34に記載の方法。
  37. 1つ又は複数の誘電スペーサを、前記誘電共振器スタックの中の隣接する誘電共振器間に結合し、前記隣接する誘電共振器間の距離を画定する工程であって、前記距離は、前記隣接する誘電共振器が密に容量結合されていることを確実にする、工程
    をさらに含む請求項34に記載の方法。
  38. 共形材料及びカバーから選択される構造体を使用して、前記誘電共振器スタックと前記チャンバとの間に物理的な分離を確立する工程
    をさらに含む請求項34に記載の方法。
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