JP6881533B2 - 衝突回避装置 - Google Patents
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Description
この衝突回避装置は、検出部(4)と、自動操舵部(S60,S100)と、判定部(S77)と、禁止部(S87)と、を備える。
自動操舵部は、検出部により前方物体が検出された場合において、操舵実施条件が成立すると、前方物体と自車両との衝突を回避するために自車両の操舵装置(12)を制御して自車両の進行方向を変更させる。操舵実施条件は、自車両の進行方向を変更させる必要がある状況であることを示す条件である。
禁止部は、判定部により出力制限状態であると判定された場合に、自動操舵部による操舵装置の制御を禁止する。つまり、禁止部は自動操舵の実施を禁止する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す本実施形態の衝突回避装置1は、車両に搭載される。
ナビゲーション装置5は、道路地図データおよび各種情報を記録した地図記憶媒体から地図データを取得するとともに、図示しないGPSアンテナを介して受信したGPS信号等に基づいて自車両の現在位置を検出する。GPSは、「Global Positioning System」の略である。
通信部21は、通信線6に接続された装置との間で、予め設定された通信プロトコルに従いデータの送受信を行う。通信プロトコルは、例えばCANであるが、他のプロトコルでも良い。尚、CANは、「Controller Area Network」の略である。また、CANは、登録商標である。
衝突回避装置1において、制御部22は、衝突回避処理を実行する。衝突回避処理は、制御部22の動作中において予め設定された実行周期(例えば、50ms)毎に繰り返し実行される。
自転車BCの右端部(すなわち、点P13)の座標を「(x1,y1)」とし、相対速度ベクトルV1の傾きをaとすると、延長線EL1は下式(1)で表される。尚、「a=dy/dx」である。
y = a×(x−x1) + y1 …(1)
このため、下式(2)で示すように、式(1)において「y=0」としたときのxの値が、X軸との交点のx座標値である。
0 = a×(x−x1) + y1 …(2)
そして、式(2)より、X軸との交点のx座標値は、下式(3)で表される。
x = −y1/a + x1 …(3)
このX座標値が、−W/2より大きく且つ+W/2より小さい範囲内である場合に、制御部22は、自車両衝突可能性があると判断する。そして、制御部22は、自転車BCの右端部(すなわち、点P13)と、自車両MC(すなわち、長方形RS)との交点との間の距離(以下、右端部衝突距離)d1を、下式(4)により算出する。
d1 = {y12 + (y1/a)2}−1/2
= (1+1/a2)−1/2×y1 …(4)
更に、制御部22は、自転車BCの右端部を起点とした相対速度ベクトルV1の延長線EL1と、長方形RSの左辺との交点を算出する。
y = a×(−W/2−x1) + y1 …(5)
このy座標値が、−Lより大きく且つ0より小さい範囲内である場合に、制御部22は、自車両衝突可能性があると判断する。そして、制御部22は、この場合の右端部衝突距離d1を、下式(6)により算出する。
d1=[(x1+w/2)2+{2×y1+a(w/2−x1)}2]−1/2 …(6)
次に、制御部22は、自転車BCの左端部を起点とした相対速度ベクトルV2の延長線EL2についても、延長線EL1と同様にして、X軸との交点と、長方形RSの左辺との交点とを算出することにより、車両衝突可能性を判断する。そして、制御部22は、車両衝突可能性があると判断した場合には、延長線EL1と同様にして、自転車BCの左端部(すなわち、点P14)と、自車両MCとの交点との間の距離d2(以下、左端部衝突距離d2)を算出する。尚、図4では、点P14の座標を「(x2,y2)」としている。
VB = {(dx/dt)2+(dy/dt)2}−1/2 …(7)
そして、制御部22は、自転車BCの右端部の衝突予測時間TTC1と、自転車BCの左端部の衝突予測時間TTC2と、自転車BCの中央部の衝突予測時間TTC3を、それぞれ、下式(8),(9),(10)で算出する。
TTC1 = d1/VB …(8)
TTC2 = d2/VB …(9)
TTC3 = d3/VB …(10)
そして、制御部22は、衝突予測時間TTC1,TTC2,TTC3の中で最も小さいものを、衝突予測時間TTCとして採用する。
制動回避限界時間T1は、制動装置16を作動させることにより衝突を回避することができる最小の衝突予測時間であり、前方物体との相対速度に比例している。すなわち、衝突予測時間TTCが制動回避限界時間T1未満である状況下で運転者がブレーキ操作を開始した場合には、ブレーキ操作のみで衝突を回避することができない。
操舵回避限界時間T3は、ステアリング操作により衝突を回避することができる最小の衝突予測時間であり、前方物体との相対速度に依存しない一定値である。すなわち、衝突予測時間TTCが操舵回避限界時間T3未満である状況下で運転者がステアリング操作を開始した場合には、ステアリング操作のみで衝突を回避することができない。
制動/操舵回避領域R2は、制動回避限界時間T1未満であり、且つ、操舵回避限界時間T3以上であり、且つ、通常操舵回避下限時間T4未満である領域である。
無支援領域R4は、領域R1,R2,R3以外の領域である。
制御部22は、S60にて、操舵により回避する状況でないと判定した場合には、そのままS110に移行するが、S60にて、操舵により回避する状況であると判定した場合には、S70に進む。
また、制御部22は、S90にて、操舵回避不適切条件が成立していないと判定した場合には、S100に進む。
制御部22は、S120では、衝突回避のために制動装置16により自車両の走行速度を低減させる自動制動の制御として、衝突回避制動制御を実施し、その後、当該衝突回避処理を一旦終了する。S120の衝突回避制動制御では、具体的には、制動装置16を制御して、予め設定された減速度で自車両を制動させる。制動装置16の制御は、ブレーキECU3を介して実施されるが、制動装置16は、衝突回避装置1からの制御信号によって直接的に制御されるように構成されていても良い。
第1実施形態の衝突回避装置1によれば、以下の効果を奏する。
(1a)制御部22は、レーダ装置4により前方物体が検出された場合に、衝突予測時間TTCと自車速Vに基づいて、操舵により回避する状況であると判定した場合に、S100の衝突回避操舵制御により自車両の進行方向を変更させる。
[2−1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。尚、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
そして、図7の衝突回避処理は、図2の衝突回避処理と比較すると、S70,S80に代えて、S75,S85を備える点が異なる。
制御部22は、S75では、自車両の現在位置において降雪があることを示す降雪情報(以下、自車位置降雪情報)を取得したか否かを判定する。そして、制御部22は、S77では、自車位置降雪情報を取得したと判定した場合に、低摩擦状況であると判定する。
第2実施形態の衝突回避装置1では、制御部22が、自車位置降雪情報を取得した場合に、低摩擦状況であると判定して、自動操舵の実施を禁止する。このため、上記(1a)で述べた効果と同じ効果が得られる。更に、第1実施形態と同様に、低摩擦状態か否かの判定を簡単に実施することができる。また、上記(1d)で述べた効果も得られる。
[3.変形例]
以下に変形例を説明するが、この変形例も、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。また、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
そして、図8の衝突回避処理は、図2の衝突回避処理と比較すると、S70,S80に代えて、S77,S87を備える点が異なる。
制御部22は、S77では、ステアリングアクチュエータ13について、出力制限状態であるか否かを判定する。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしても良い。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしても良い。また、上記実施形態の構成の一部を省略しても良い。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換しても良い。尚、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
Claims (4)
- 走行中の自車両の前方に存在する物体である前方物体と前記自車両とが衝突するのを回避するために前記自車両を制御する衝突回避装置(1)であって、
前記前方物体を検出する検出部(4)と、
前記検出部により前記前方物体が検出された場合において、前記自車両の進行方向を変更させる必要がある状況であることを示す操舵実施条件が成立すると、前記前方物体と前記自車両との衝突を回避するために前記自車両の操舵装置(12)を制御して前記自車両の進行方向を変更させる自動操舵部(S60,S100)と、
バッテリ電圧を動力源として前記操舵装置を動作させるためのアクチュエータ(13)が、当該アクチュエータの出力が制限されている出力制限状態であるか否かを判定する判定部(S77)と、を備え、
前記判定部は、前記アクチュエータの温度が規定値以上になって前記アクチュエータを駆動する装置が前記アクチュエータの出力を制限する動作モードである出力制限モードになっている場合に、前記アクチュエータが前記出力制限状態であると判定するように構成され、
更に、当該衝突回避装置は、
前記判定部により前記出力制限状態であると判定された場合に、前記前方物体と前記自車両との衝突を回避するために前記自動操舵部が前記操舵装置を制御することを禁止する禁止部(S87)、を備える、
衝突回避装置。 - 走行中の自車両の前方に存在する物体である前方物体と前記自車両とが衝突するのを回避するために前記自車両を制御する衝突回避装置(1)であって、
前記前方物体を検出する検出部(4)と、
前記検出部により前記前方物体が検出された場合において、前記自車両の進行方向を変更させる必要がある状況であることを示す操舵実施条件が成立すると、前記前方物体と前記自車両との衝突を回避するために前記自車両の操舵装置(12)を制御して前記自車両の進行方向を変更させる自動操舵部(S60,S100)と、
バッテリ電圧を動力源として前記操舵装置を動作させるためのアクチュエータ(13)が、当該アクチュエータの出力が制限されている出力制限状態であるか否かを判定する判定部(S77)と、を備え、
前記判定部は、前記バッテリ電圧が所定値以下である場合に、前記アクチュエータが前記出力制限状態であると判定するように構成され、
更に、当該衝突回避装置は、
前記判定部により前記出力制限状態であると判定された場合に、前記前方物体と前記自車両との衝突を回避するために前記自動操舵部が前記操舵装置を制御することを禁止する禁止部(S87)、を備える、
衝突回避装置。 - 請求項1に記載の衝突回避装置であって、
前記アクチュエータを駆動する装置は、前記アクチュエータの温度が前記規定値以上になると、前記アクチュエータの過熱保護のために、前記出力制限モードになるように構成されている、
衝突回避装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の衝突回避装置であって、
前記検出部により前記前方物体が検出された場合において、前記自車両を制動させる必要がある状況であることを示す制動実施条件が成立すると、前記自車両の制動装置(16)を制御して前記自車両の走行速度を低減させる自動制動部(S110,S120)、を更に備え、
前記自動制動部は、前記制動実施条件が成立した場合には、前記判定部の判定結果に拘わらず、前記制動装置の制御を実施するように構成されている、
衝突回避装置。
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