JP6881254B2 - 車両用充電制御システム - Google Patents
車両用充電制御システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP6881254B2 JP6881254B2 JP2017226209A JP2017226209A JP6881254B2 JP 6881254 B2 JP6881254 B2 JP 6881254B2 JP 2017226209 A JP2017226209 A JP 2017226209A JP 2017226209 A JP2017226209 A JP 2017226209A JP 6881254 B2 JP6881254 B2 JP 6881254B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- charging
- vehicle
- time
- secondary battery
- charge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/70—Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/7072—Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T90/00—Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02T90/10—Technologies relating to charging of electric vehicles
- Y02T90/14—Plug-in electric vehicles
Landscapes
- Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
Description
本開示は、車両用充電制御システムに係り、特に、車両に搭載された二次電池について外部充電を行う場合の充電所要時間をユーザに通知する車両用充電制御システムに関する。
車両に搭載される充放電可能な二次電池は、車両が走行するに応じて残容量が減少するので、適宜充電を行う必要がある。車両用の充電器には、普通充電に用いられるAC充電器と急速充電に用いられるDC充電器とがある。充電電圧と充電電流の一例を挙げると、AC充電器の場合は、単相200Vまたは100V、最大16A程度で、DC充電器の場合は、DC最大500V、最大125A程度である。充電が行われる状況の一例を挙げると、走行前で充電時間を十分取れる基礎充電ではAC充電が用いられる。走行の途中の継ぎ足し充電では、充電時間が1時間以上可能な場合にAC充電、充電時間が30分程度しか確保できない場合にDC充電が用いられる。充電場所としては、ユーザの自宅、道路沿いの充電スタンド等である。
特許文献1では、複数の車両と、複数の充電スタンドとにネットワークで接続されたサーバが、車両の充電予約を受け取り、複数の充電スタンドの内で、急速充電の利用可能時間が最も長い充電スタンドを優先して案内することが開示されている。
特許文献2では、車両のユーザが置かれている充電条件に応じて、車載用二次電池の充電速度について、急速充電、中速充電、低速充電のいずれが適しているかを判定し、その結果を充電施設に通知するナビゲーション装置が開示されている。ユーザの置かれている充電条件は、充電予定地が自宅か充電スタンドか会社かの条件、充電日が平日か祝祭日かの条件、充電時間帯が夜間か昼間かの条件等である。
特許文献3では、車両において急速充電の頻度が高いと電池寿命に与える影響が大きくなるので、二次電池の過去の充放電履歴から次の充電までの猶予時間を予測して、急速充電が必要か否かを判定することが開示されている。
本開示の関連技術として、特許文献4は、車両走行用の回転電機に電力を供給する二次電池の充放電電流に基づき、二次電池の充電による電解質中におけるイオン濃度の偏りに伴って二次電池の入力性能を低下させる劣化の評価値D_dam_dc及びその時間累積和について述べている。また、特許文献5は、車両用の回転電機に電力を供給するリチウムイオン二次電池への充電電流について、負極に金属リチウムが析出しない最大電流として設定した許容充電電流Ilimに調整することが開示されている。
車両に搭載された二次電池を課金方式の充電スタンドでDC充電する場合、DC充電の充電電力が大きいので二次電池に与える負担が大きく、充電制限条件を課す場合がある。充電制限条件があると、充電時間が長くなり、課金される金額が増加し、走行の途中で充電スタンドに立ち寄り可能な時間内では満充電できないことが生じ得る。充電制限条件の例は、特許文献4,5に述べられている評価値D_dam_dcの時間累積和や、Ilim等による制限条件である。そこで、DC充電を行いたいユーザに対し、DC充電に対する充電制限条件の下での充電所要時間を予め知らせることが可能な車両用充電制御システムが要望される。
本開示に係る車両用充電制御システムは、車両に搭載された二次電池と、車両が充電スタンドに到達するまでに消費する電力量と、車両の現在地における二次電池の現在時SOCとに基づいて、車両が充電スタンドに到達した時の到達時SOCを算出する到達時SOC算出部と、到達時SOCと二次電池における充電制限条件とに基づいて、充電スタンドにおけるDC充電の制限が必要か否かを判定し、制限が必要な場合に充電制限を行う充電制限制御部と、充電制限が必要な場合に、二次電池の満充電SOC、到達時SOC、及び、充電スタンドの充電電流に基づいて、二次電池に対する複数の充電制限条件のそれぞれについて、充電スタンドにおける充電所要時間を算出する複数充電時間算出部と、算出された複数充電時間の内で最も長い充電所要時間をユーザに通知するユーザ通知部と、を備える。
上記構成によれば、二次電池に対する複数の充電制限条件のそれぞれについて、満充電SOCまでの充電所要時間を算出し、最も長い充電所要時間をユーザに通知できる。
上記構成の車両用充電制御システムによれば、DC充電を行いたいユーザに対し、DC充電に対する充電制限条件の下での充電所要時間を予め知らせることが可能となる。
以下に図面を用いて本実施の形態につき詳細に説明する。以下では、車両として、外部電源から充電できるプラグインハイブリッド車両を述べるが、これは説明のための例示であって、二次電池の電力で回転電機を駆動して走行する二次電池式電動車両であればよい。例えば、内燃機関を備えず、二次電池の電力のみで走行する電気自動車であってもよい。以下では、充電スタンドとしてDC充電スタンドを述べるが、これは説明のための例示であって、場合によって、AC充電も可能とする充電スタンドでもよい。以下では、二次電池としてリチウムイオン組電池を述べるが、これは、金属リチウムの析出抑制に関する充電制限条件を受ける例の説明のためである。これ以外の充電制限条件の付される二次電池についても本開示に係る発明は適用可能である。
以下で述べる二次電池の充電状態指標であるSOC(State Of Charge)の値、充電所要時間、充電スタンドの数等は、説明のための例示であり、車両用充電制御システムの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、車両10が走行経路12を走行する途中でDC充電をするために、ネットワーク14を介して道路交通情報センタ15、及び、走行経路12の近傍にあるDC充電スタンド16a,16b,16cと交信し、適切なDC充電を行う場合を示す図である。ここで、DC充電とは、DC急速充電を意味する。以下では、特に断らない限り、DC充電スタンドを、単に、充電スタンドと呼ぶ。車両10は、適切なDC充電を行うために、車両用充電制御システム20を備える。
車両10は、外部充電が可能なプラグインハイブリッド車両である。走行経路12は、Sと示す走行出発地点と、Gと示す走行目的地点とを結ぶ車両10が走行する経路である。ネットワーク14は、車両10、道路交通情報センタ15、充電スタンド16a,16b,16cと接続され、それぞれの間の通信に関し、連絡を保って網状になっている通信網である。かかるネットワーク14として、インターネットを用いることができる。
道路交通情報センタ15は、現況の交通情報、一般情報等を、ネットワーク14を介して車両10に提供する情報センタである。ここでは、さらに、走行経路12の近傍にある充電スタンド16a,16b,16cに関する情報を保持し、車両10からの要求に応じてその内容を提供する。充電スタンド16a,16b,16cに関する情報としては、それぞれの位置情報、電話番号等の通信端末情報、最大充電電圧及び最大充電電流を含む充電条件情報、充電時間に対する課金情報等である。充電スタンド16a,16b,16cに関する位置情報は、車両10側から地図情報の送付を受ける場合は、車両10の保持する地図情報上の位置を明示して提供する。充電条件情報としては、充電電圧が最大DC500V、充電電流が最大125A等である。
充電スタンド16a,16b,16cは、それぞれ、DC充電装置17a,17b,17cと、充電プラグ18a,18b,18cを備え、立ち寄った車両10に対し、課金と引き換えに、充電電力を提供する。充電スタンド16a,16b,16cは、それぞれ、ネットワーク14と交信する図示しない通信部を備え、ネットワーク14を介して、車両10と交信して、充電希望の予約を受け付け、予約可能の場合に、予約設定を行うことができる。
図2は、車両10に搭載される車両用充電制御システム20の構成図である。以下では、特に断らない限り、車両用充電制御システム20を、充電制御システム20と呼ぶ。充電制御システム20は、二次電池22、車両駆動部24、ナビゲーション装置50、及び、制御装置80を備える。さらに、二次電池22と車両駆動部24との間に設けられるメインリレー部26と、充電インレット28に接続される充電器30とを備える。
二次電池22は、高電圧用のリチウムイオン組電池である。端子間電圧は、約200Vから約300Vである。リチウムイオン組電池は、単電池または電池セルと呼ばれる端子間電圧が1Vから数Vのリチウムイオン電池を複数個組み合わせたもので、上記の所定の端子間電圧を出力する。
電圧検出部38は、二次電池22の端子間電圧である電池電圧VBを検出する電圧検出手段である。電池電圧VBは、二次電池22の正極側母線21と負極側母線23との間の電圧である。検出された電池電圧VBは、適当な信号線を用いて制御装置80に伝送される。
電流検出部40は、二次電池22を流れる充放電電流である電池電流IBを検出する電流検出手段である。検出された電池電流IBは、適当な信号線を用いて制御装置80に伝送される。温度検出部42は、二次電池22の温度である電池温度TBを検出する温度検出手段である。検出された電池温度TBは、適当な信号線を用いて制御装置80に伝送される。
車両駆動部24は、エンジン32と回転電機34とを備え、さらに、回転電機34に接続されるインバータ部36を含む。エンジン32は、内燃機関である。回転電機34は、車両10に搭載されるモータ・ジェネレータ(MG)であって三相同期型回転電機である。回転電機34は、インバータ部36を介して二次電池22側から電力が供給されるときはモータとして機能し、エンジン32による駆動時、あるいは車両10の制動時には発電機として機能する。
インバータ部36は、回転電機34と二次電池22側との間に配置される電力変換回路である。二次電池22側は、正極側母線21と負極側母線23に接続され、直流電力が入出力する側である。回転電機34側は、三相電力線に接続され、三相交流電力が入出力する側である。インバータ部36は、電圧変換回路と、交直変換回路とを含む。電圧変換回路は、二次電池22側の電圧をリアクトルのエネルギ蓄積作用を利用して昇圧し交直変換回路側に供給する昇圧機能と、交直変換回路側からの電力を二次電池22側に降圧して充電電力として供給する降圧機能とを有する。交直変換回路は、回転電機34に接続される駆動回路であり、複数のスイッチング素子と逆接続ダイオード等を含むインバータで構成され、交流電力と直流電力との間の電力変換を行う。交直変換回路は、回転電機34を発電機として機能させるときは、回転電機34からの交流三相回生電力を直流電力に変換し、二次電池22側に充電電力として供給する交直変換機能を有する。また、回転電機34をモータとして機能させるときは、二次電池22側からの直流電力を交流三相駆動電力に変換し、回転電機34に交流駆動電力として供給する直交変換機能を有する。かかるインバータ部36の動作は、制御装置80の制御の下で行われる。
メインリレー部26は、二次電池22とインバータ部36を接続する正極側母線21と負極側母線23にそれぞれ設けられる複数の電力リレーを含む。図2では、正極側母線21に直列に接続された1つの正極側リレー44と、負極側母線23に直列で且つ互いに並列に接続された2つの負極側リレー45,46が示される。2つの負極側リレー45,46のうち1つは、直列抵抗が接続される。直列抵抗が接続された負極側リレー45は、正極側リレー44を閉じてすぐ負極側リレー46を閉じると生じ得る突入電流を緩和するためのもので、メインリレー部26のオフからオンへの切り替わりの過渡期にオンされ、過渡期が経過した後はオフされる。過渡期以外は、正極側リレー44がオンし、直列抵抗が接続されていない負極側リレー46がオンすることで、メインリレー部26がオンする。逆に、正極側リレー44がオフし、直列抵抗が接続されていない負極側リレー46がオフすることで、メインリレー部26がオフする。
メインリレー部26がオンする場合には、正極側母線21と負極側母線23によって、二次電池22と車両駆動部24とが接続状態になる。この状態の下で、車両10は、ハイブリッド車両として動作できる。即ち、二次電池22の電力が供給される回転電機34とエンジン32とを駆動源として、車両10は走行できる。メインリレー部26がオフする場合には、正極側母線21も負極側母線23も共に遮断状態となり、二次電池22と車両駆動部24とが遮断状態となる。この状態は、例えば、車両10が運行を停止し、車庫入れした場合等に生じる。
充電インレット28は、車両10において、外部電源から電力を受けるために設けられた充電ポートである。充電インレット28には、外部電源からの充電プラグに接続されるコネクタが設けられる。外部電源としては、AC充電電源とDC充電電源とがあるが、車両10の充電インレット28は、双方に接続可能なように2種類のコネクタを有する。これは、説明のための例示であって、車両10の仕様によっては、DC充電電源に接続可能なコネクタのみを有していてもよい。以下では、DC充電制御について述べるので、例として、充電インレット28のDC充電電源に接続されるコネクタに、充電スタンド16aの充電プラグ18aが接続される場合を述べる。
充電器30は、充電インレット28と、二次電池22の正極側母線21及び負極側母線23との間に設けられる充電リレー48,49、過電流が流れる場合に溶断するヒューズ、及び充電リレー48,49の動作を制御する充電制御回路等を含む。
充電器30の充電リレー48,49は、車両10が走行中においてオフ状態であり、二次電池22の正極側母線21及び負極側母線23と充電インレット28との間は遮断状態である。車両10が充電スタンド16aに立ち寄って停車し、充電プラグ18aから充電電力を受け取る場合には、充電器30の充電リレー48,49はオン状態とされ、二次電池22の正極側母線21及び負極側母線23と充電インレット28との間が接続状態とされる。充電器30の動作は、制御装置80の制御の下で行われる。
ナビゲーション装置50は、車両10に搭載された電子機器で、ユーザの操作を受け付ける入力部54と、入力部54の内容に従って、電子的に車両10の現在地から走行目的地点Gまでの経路案内を行ない、経路地図等を表示する表示画面52を有する。かかるナビゲーション装置50としては、車両10の搭載に適したコンピュータが用いられる。
ナビゲーション装置50は、経路案内のために、図示しないが、車両10の現在地検出のためのGPSセンサ、地図データベース等を記憶するデータ記憶部、及び経路案内のための各種の演算を行うデータ処理部を備える。地図データベースには、道路リンクに関する道路データ、交差点や分岐点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、施設に関する施設データ等を含む地図データが含まれる。施設データとして、充電スタンド16a,16b,16cに関するデータとしては、道路交通情報センタ15に地図データを送信して提供された地図データ上の充電スタンド16a,16b,16cの位置情報が含まれる。
通信端末64は、ナビゲーション装置50の図示しない通信部と接続され、キーボード入力が可能な端末である。通信端末64を用いることで、入力部54では入力しきれない指示データをナビゲーション装置50に与えることが可能になる。かかる通信端末64としては、携帯電話端末を用いることができる。
ナビゲーション装置50は、車両10の適切なDC充電のために、充電スタンドに充電予約を行う前に、制御装置80と協働して、DC充電の充電所要時間を算出してユーザに通知する処理を行う。制御装置80と協働するために、ナビゲーション装置50は、図示しない通信部を介して、制御装置80と接続される。
ナビゲーション装置50は、DC充電の充電所要時間を算出してユーザに通知する処理のために、スタンド探索部56、距離算出部58、充電時間表示部60、及び、充電予約部62を備える。
スタンド探索部56は、ユーザのスタンド探索指示を受けて、充電スタンド情報を調べ、車両10の現在地とそれぞれの充電スタンドの位置の間の経路を探索し、その結果を、地図データ上でカラーライン等を用いて表示する。走行経路12の近傍にある充電スタンド一覧は、例えば、車両10の現在地から走行目的地点Gまでの間の走行経路12の両側10km以内等の条件を付して、道路交通情報センタ15に問い合わせて取得できる。取得した充電スタンドの一覧情報に基づいて、車両10の現在地からそれぞれの充電スタンドまでの経路を探索する。例えば、図1に示すように、充電スタンド16a,16b,16cの3つがある場合には、車両10の現在地から充電スタンド16a,16b,16cまでの経路がそれぞれ探索される。
距離算出部58は、探索された経路について、車両10の現在地から充電スタンド16a,16b,16cまでの距離をそれぞれ算出する。算出された距離データは、充電スタンド16a,16b,16cの区別を付して、制御装置80に伝送される。
充電時間表示部60は、制御装置80から伝送されてきた充電スタンド16a,16b,16cごとの充電所要時間データを表示画面52に表示する処理を行う。充電予約部62は、ユーザが通信端末64を用いて充電予約を指示した場合に、ネットワーク14を介して指示された充電スタンドに充電予約の処理を行う。
ナビゲーション装置50の各機能は、コンピュータであるナビゲーション装置50がソフトウェアを実行することで実現される。かかる機能の一部をハードウェアで実現してもよい。
アクセルペダル66とブレーキペダル68は、車両10の走行に関するユーザ操作子で、車両10の加速減速に関するアクセルペダル踏度信号とブレーキ信号は、適当な信号線で制御装置80に伝送される。
記憶部70は、制御装置80に接続され、制御装置80が実行する各種プログラムを格納する他に、制御装置80において算出した各種算出結果を一時的に記憶するメモリである。ここでは、特に、後述するハイレート劣化抑制に関する充電所要時間についての関連ファイル72と、金属リチウム析出抑制に関する充電所要時間についての関連ファイル74とを格納する。これらの内容については、後述する。
制御装置80は、車両10の動作について統合的に制御する制御機器である。かかる制御装置80としては、車両10の搭載に適したコンピュータが用いられる。制御装置80には、二次電池22に関する電圧検出部38、電流検出部40、温度検出部42からの検出データである電池電圧VB、電池電流IB、電池温度TBが伝送される。さらに、アクセルペダル66からのアクセルペダル踏度信号、ブレーキペダル68からのブレーキ信号が伝送されるほか、車両10の動作状態に関する各種センサからのセンサ検出信号が伝送される。制御装置80は、これらの伝送される各種信号や各種データに基づいて、車両10の走行状態を制御する走行制御部82を備える。また、二次電池22のSOCを算出し、車両10の走行に関してエンジン32と回転電機34とを併用して走行するHVモード走行については、算出されたSOCの変動幅を目標変動幅の範囲内に収める充放電制御を行うSOC制御部84を備える。目標変動幅の範囲は、二次電池22が過充電及び過放電とならない範囲として、予め設定される。
制御装置80は、さらに、車両10に対し、充電インレット28を介して外部電源からの充電電力を受け入れて、二次電池22のSOCを満充電状態に向けて増加させる外部充電モードの制御を行う。外部充電モードは、車両10が充電スタンドに立ち寄って停車し、さらに車両駆動部24の動作を停止させ、メインリレー部26をオフ状態とした状態で行われる。立ち寄った先が充電スタンド16aの場合について述べると、充電プラグ18aを、車両10の充電インレット28に挿入すると、挿入状態の検出信号が制御装置80に伝送される。充電プラグ18aの挿入状態の検出信号を受け取ると、制御装置80は、充電器30に対し、充電リレー48,49をオンさせる信号を送出し、これによって、充電プラグ18aの2本の電力線は、二次電池22の正極側母線21と負極側母線23と接続状態となる。そこで、メインリレー部26をオンさせる信号を送出する。これによって、充電プラグ18aからの充電電力が二次電池22に供給され、二次電池22が充電される。
制御装置80は、二次電池22に外部電源からの充電電力を受け入れる前に、二次電池22を満充電にするために要する充電時間である充電所要時間を予め予測して、車両10のユーザに通知する機能を有する。図1、図2の例では、ユーザが走行経路12を走行中にDC充電が必要とした場合に、二次電池22が有する各種の充電制限条件の下での充電所要時間を予め予測する。ユーザは予測された充電所要時間に基づいて、充電スタンド16a,16b,16cにおいて充電のために必要な立ち寄り時間と、充電に必要な課金金額を予測でき、走行目的地点Gまでの走行スケジュールを立てることができる。
制御装置80は、充電所要時間の予測及び通知機能として、到達時SOC算出部90、充電制限制御部92、複数充電時間算出部94、及び、ユーザ通知部96を含む。
到達時SOC算出部90は、所定の充電スタンドに充電予約を行ったとして、DC充電のために車両10が所定の充電スタンドに向かって走行し、所定の充電スタンドに到達した時のSOCである到達時SOCを算出する。所定の充電スタンドは、走行経路12の近傍にある各充電スタンドである。図1の例では、3つの充電スタンド16a,16b,16cがあるので、これらのそれぞれが所定の充電スタンドである。つまり、走行経路12の近傍にある充電スタンド16a,16b,16cのそれぞれについて、到達時SOCの算出が行われる。到達時SOCは、車両10が現在地から充電スタンド16a,16b,16cに到達するまでに消費する電力量(Wh)と、車両10の現在地における二次電池22の現在時SOCとに基づいて算出される。現在時SOCと到達時SOCとを区別して、以下では、特に断らない限り、現在時SOCをSOC1、到達時SOCをSOC2と呼ぶ。
充電制限制御部92は、SOC2と、二次電池22における充電制限条件とに基づいて、充電スタンドにおけるDC充電について充電制限が必要か否かを判定し、必要と判定された場合に充電制限を行う。DC充電の場合、充電電力が大きいので二次電池22に与える負担が大きく、二次電池22の劣化が進む恐れがある。充電制限条件は、二次電池22の劣化を抑制するための充電制限が必要となる条件である。二次電池22がリチウムイオン組電池の場合、ハイレート劣化についての評価値Dの時間累積和ΣDに基づく充電制限条件、金属リチウム析出抑制における許容充電電流Ilimに基づく充電制限条件、二次電池22の内部抵抗に基づく定電流充電の制限条件がある。上記の3つの充電制限条件は、説明のための例示であって、二次電池22の特性に基づく他の充電制限条件であってもよい。
充電制限制御部92は、DC充電が実行される時のSOCとしてSOC2を用いる。そして、SOC2の下で、二次電池22が充電制限条件に該当するか否かを判定し、該当すると判定する場合は、充電スタンドにおける充電制限が必要と判定する。充電制限が必要であると判定するときは、車両10が充電スタンドにおいてDC充電を受ける時に、充電器30の動作を制御して、二次電池22に供給される充電電流を制限する。
複数充電時間算出部94は、二次電池22の満充電SOC、SOC2、及び、所定の充電スタンドの充電電流に基づき、充電スタンドにおける二次電池22の満充電SOCまでの充電所要時間を算出する。算出されるのは、充電制限条件がない場合の充電所要時間と、充電制限条件がある場合の充電所要時間である。充電スタンドの充電電流は、二次電池22の充電制限条件を考慮していない公称の充電電流であるので、充電制限がある場合の実際の充電電流は、公称の充電電流が制限された大きさとなる。充電制限がない場合の充電所要時間は、公称の充電電流に基づいて算出され、充電制限条件の下で充電制限がある場合の充電所要時間は、実際の充電電流を用いて算出される。
複数の充電制限条件として、以下では、ハイレート劣化抑制に関する充電制限条件、金属リチウム析出抑制に関する充電制限条件、二次電池22の電池抵抗に関する充電制限条件の3つについて述べる。この場合には、複数充電時間算出部94は、3つの充電制限条件のそれぞれについて満充電SOCまでの充電所要時間を算出するので、充電制限条件が無い場合の充電所要時間と合わせて、合計4種類の充電所要時間が算出される。
ユーザ通知部96は、所定の充電スタンドについて、複数の充電所要時間の内で最も長い充電所要時間を求め、車両10のユーザに通知する。一例を挙げると、充電スタンド16aについての4種類の充電所要時間の内で最も長い充電所要時間を「35分」とすると、その結果をナビゲーション装置50に伝送する。ナビゲーション装置50は、充電時間表示部60の機能によって、「満充電までの所要時間は、最長でも約35分です。」旨を表示画面52に表示し、ユーザに通知する。これは説明のための例示であって、これ以外の通知方法でユーザに通知してもよい。例えば、音声によってユーザに通知してもよく、プリンタが搭載されている場合は、印刷データとしてユーザに通知してもよい。
制御装置80の各機能は、記憶部70に格納されたソフトウェアを実行することで実現される。特に、制御装置80における充電所要時間の予測及び通知機能については、コンピュータである制御装置80がソフトウェアとしてのDC充電制御プログラムを実行することで実現できる。かかる機能の一部をハードウェアで実現してもよい。
上記構成の作用効果について、特に制御装置80における充電所要時間の通知機能について、図3を用いてさらに詳細に説明する。図3は、充電所要時間の予測及び通知の手順を示すフローチャートである。各手順は、DC充電制御プログラムの各処理手順に対応する。以下では、特に断らない限り、充電スタンドとして充電スタンド16aの例について述べる。
車両10が始動して初期化を経て、制御装置80が立ち上がると、充電所要時間の予測及び通知機能に関するDC充電制御プログラムも立ち上がる。
充電所要時間の予測及び通知機能に関する処理手順の最初は、充電予約があるか否かについての判定が行われる(S10)。ここでは、二次電池22に対する充電予約の有無を予測する。充電予約の有無の予測とは、車両10のユーザが、現在、あるいは近い将来に、充電予約をするか否かについての予測である。ユーザがナビゲーション装置50に対し、スタンド探索指示を行った場合は、近い将来に充電予約が有ると予測する。これに代えて、二次電池22のSOCは、制御装置80のSOC制御部84によって常時監視されているので、二次電池22のSOCについて、予め充電予約の予測に関する閾値を設定し、SOC1が閾値に達した場合は、近い将来に充電予約が有ると予測してよい。あるいは、車両10が高速道路に入って走行する場合は、立ち寄り充電としてはDC充電を行うと考えられるので、近い将来に充電予約が有ると予測してよい。
S10の判定が肯定されると、車両10のユーザが、近い将来に充電スタンドにおけるDC充電を行う可能性があると考えられるので、充電予約に先立って、S12以下の手順に進む。S10の判定が否定される場合は、S12以下には進まない。
次に、車両10の走行トリップに関する二次電池22の使われ方を把握するため、平均電流Ibを算出する(S12)。二次電池22の使われ方は、車両10のEVモードとHVモードでは異なる。EVモードとは、エンジン32を停止して回転電機34のみで走行するモードであり、HVモードとは、エンジン32と回転電機34を併用して走行するモードである。EVモードでは、走行距離が長くなるに応じてSOCが低下するのに対し、HVモードでは、SOCが予め定めた目標変動幅の範囲内に収めるようにエンジン32と回転電機34の併用が行われるので、走行距離が長くなってもSOCは目標変動幅の範囲内にある。
EVモードにおける平均電流Ib(EV)は、EVモードで走行中における各時間における電流絶対値を総和し、EVモード走行時間で除算する。これを複数のEVトリップについて行い、学習した結果を用いる。すなわち、Ib(EV)=[{(電流絶対値の総和)/(EVモード走行時間)}×(1−y)+{前回までの学習値}×y]として求める。yは学習に関する重み係数である。なお、走行時間には、Pレンジ放置中のように、走行中でない時間は除かれる。
HVモードにおける平均電流Ib(HV)も同様に、Ib(HV)=[{(電流絶対値の総和)/(HVモード走行時間)}×(1−z)+{前回までの学習値}×z]として求める。zは学習に関する重み係数である。走行時間には、Pレンジ放置中のように、走行中でない時間は除かれることも同じである。
次に、車両10が充電スタンドに到達した時のSOCであるSOC2を算出する(S14)。図1の例では、充電スタンド16a,16b,16cのそれぞれについてSOC2が算出されるが、以下では、充電スタンド16aの場合について述べる。車両10が充電スタンド16aまでHVモードで走行する場合には、SOCが予め定めた目標変動幅の範囲内に収めるように制御されるので、SOC2は、SOC1とほぼ同じと考えてよい。したがって、S14は、主に、車両10が充電スタンド16aまでEVモードで走行する場合に適用される。
SOC2は、車両10が現在地にいる時の二次電池22のSOC1と、車両10が現在地から充電スタンド16aに到達するまでにSOCが低下する量であるΔSOCとを用いて、SOC2=SOC1−ΔSOCで算出される。
ΔSOCは、車両10が現在地から充電スタンド16aに到達するまでに消費した電力量ΔWhから求められる。ΔWhは、車両10の現在地から充電スタンド16aの位置までの距離L(km)と、車両10の単位電力量(Wh)当たりの走行距離(km)である電費p(km/Wh)とを用いて、(L/p)と算出される。車両10の現在地から充電スタンド16aの位置までの距離L(km)は、ナビゲーション装置50の距離算出部58の機能によって算出された距離Lが制御装置80に伝送されるので、その値を用いる。電費pは、p=(EVモード走行距離)/[{EVモードの平均電流Ib(EV)}×(二次電池22の電池電圧VB)×(EVモード走行時間)]で算出される。
以上で、車両10が充電スタンド16aに到達した時のSOC2と、車両10が現在地から充電スタンド16aへ走行したときのSOCの変化分であるΔSOCが算出される。ここまでの処理手順は、制御装置80の到達時SOC算出部90の機能によって実行される。以下のS16からS32では、充電スタンド16aにおける複数の充電所要時間を求める。これらの処理手順は、制御装置80の充電制限制御部92における充電制限が必要か否かについての判定機能と、複数充電時間算出部94の機能とによって実行される。
S16は、充電制限条件が無い場合における充電所要時間Time1の算出工程である。充電所要時間Time1は、二次電池22の満充電SOCをSOC3として、充電スタンド16aにおける充電電流IC、SOC2、SOC3に基づいて算出される。ここで、SOCは百分率(%)で示されるので、SOCと容量(Ah)との換算係数として、F(Ah/%)を用いると、Time1={(SOC3−SOC2)×F/IC}で求められる。
次に、二次電池22における充電制限条件の下での充電所要時間を求める。充電制限条件として、ハイレート劣化抑制に関する充電制限、金属リチウムの析出抑制に関する充電制限、電池抵抗に関する充電制限を用いる。
S18は、ハイレート劣化抑制に関する充電制限に関する演算を行う。ハイレート劣化抑制に関する充電抑制は、二次電池22の充電による電解質中におけるイオン濃度の偏りに伴って二次電池22の入力性能を低下させる劣化についての評価値D、及びその時間累積和ΣDに基づいて行われる。これらの内容については、特許文献4に詳しく述べられている。特許文献4では、評価値Dを、D_dam_dcとし、その時間累積和ΣDを、Dam_dcとし、それぞれ、式(1),(2)で与えられる。
式(1)は、時間tから(t+Δt)の間での評価値Dの変化を示す式である。ここで、αは、忘却係数で、SOCと電池温度TBに依存し、SOCが大きいほど大となり、TBが高いほど大となる。βは、電流係数と呼ばれる係数である。第二項の分母のc0_dam_dc2は、限界閾値と呼ばれ、SOCと電池温度TBに依存し、SOCが大きいほど大となり、TBが高いほど大となる。
式(2)は、時間tから(t+Δt)の間でのDの時間累積和であるΣDの変化を示す式である。ここで、γは、イオン濃度偏りの緩和を示す減衰係数であり、1よりも小さな値である。ηは、適宜定められる補正係数である。
ΣDが大きいほど、ハイレート劣化が進んでいるので、二次電池22への充電電力である入力電力Winに対する制限が大きくなる。図4は、二次電池22のハイレート劣化と入力電力制限の関係を示すタイムチャートの一例である。図4(a),(b)の横軸は、共通の時間軸で、(a)の縦軸はΣDであり、(b)の縦軸は入力電力Winである。図4(a)は、車両10の二次電池22におけるΣDの変化を示す。時間t1は、車両10の現在地における時間であり、このときのSOC=SOC1である。時間t1において、ΣD=ΣD1と示す。時間t2は、車両10が充電スタンド16aに到達し、DC充電が開始する時間であり、このときのSOC=SOC2である。時間t2において、ΣD=ΣD2と示す。時間t2からDC充電が開始し、時間t3で、所定のDC充電が完了し、SOC=SOC3となる。時間t3において、ΣD=ΣD3と示す。ΣDは、SOCの変化に応じた平均電流Ibに基づいて、式(1),(2)から算出される。
図4(b)は、ハイレート劣化の進行程度を示すΣDに基づいて制限される二次電池22に対する入力電力Winを示す図である。Winは、充電電圧と充電電流の積であるが、充電電圧は通常では一定値であるので、Winの制限は、充電スタンド16aの充電電流ICの制限と考えてよい。図4(b)において、初期状態から時間tW1までは、充電制限が無く、Win=W0のままである。時間tW1は、ハイレート劣化が進行し、ΣDが増加して、ΣD=ZD1に達した時間である。時間tW1に達すると、ハイレート劣化の進行を遅らせるために、第1段階の充電制限が行われ、Win=W1に設定される。Win=W1に制限された後は、時間tW2までは、Win=W1のままである。時間tW2は、ハイレート劣化がさらに進行し、ΣDが増加して、ΣD=ZD2に達した時間である。時間tW2に達すると、ハイレート劣化の進行を遅らせるために、第2段階の充電制限が行われ、Win=W2に設定される。ここで、W0>W1>W2である。
図4(a),(b)の例では、車両10が充電スタンド16aに到達しDC充電を開始する時間t2では、Win=W0であるので、充電制限が無く、充電電流ICで充電が開始する。この場合、式(1),(2)は、Ib=ICとして計算される。Ib=ICの充電中にもハイレート劣化が進行し、ΣD=ZD1に達すると、第1段階の充電制限が行われ、Win=W1(<W0)となる。W1に対応する充電電流をIC1とすると、充電電圧一定として、IC1={(W1/W0)×IC}である。この場合、式(1),(2)は、Ib=IC1として計算される。Ib=IC2の充電中にもハイレート劣化が進行するが、図4の例では、充電完了する時間t3では、ΣD<ZD2であるので、第2段階の充電制限の前に、満充電となって充電完了する。この例では、充電所要時間Time2は、Ib=ICの下での充電時間である(tW1−t2)と、Ib=IC1の下での充電時間である(t3−tW1)の和である。仮に、充電完了の時間t3において、ΣD>ZD2となっていると、ΣD=ZD2となった時間以降は、Win=W2(<W1)となり、W2に対応する充電電流をIC2={(W2/W0)×IC}を用いて式(1),(2)の計算が行われる。
S20では、ΔSOCに対応するΔΣDを求める。ここでは、式(1),(2)に基づき、車両10の現在地から充電スタンド16cに到達した時までにΣDが増加する大きさであるΔΣDを求める。式(1)、式(2)に代えて図4で説明すると、車両10の現在地の時間t1から充電スタンド16aに到達した時間t2の間にΣDが増加する大きさがΔΣDである。
S22では、ΔΣDから、車両10が充電スタンド16cに到達した時のΣDである充電開始時のΣD2を求め、充電開始時のΣD2がZD0以上か否かの判定が行われる。ZD0は、ハイレート劣化の進行の程度が十分低く、充電スタンド16aの充電電流ICで満充電まで充電してハイレート劣化が進行しても、ZD1を超えない充電開始時のΣDである。ZD0に対応するΣDは、式(1),(2)において、Ib=IC、SOC2、SOC3を与え、例えば、SOC=SOC3となった時のΣDをZD1として、SOC=SOC2の時のΣD2を求めることで定められる。
S22の判定が否定される場合は、二次電池22への入力電力Winは制限を受けないまま、満充電となるので、ハイレート劣化抑制に関する充電制限が無く、この場合の充電制限時間は、S16のTime1と同じになる。
S22の判定が肯定されて、ΣD2≧ZD0の場合は、SOC2から充電電流ICで充電を行うと、満充電までにWinの制限を受けることになるので、S24に進み、図4で説明した手順と計算方法で、充電所要時間Time4の算出が行われる。実際には、式(1),(2)に基づいてTime2の算出が行われる。式(1),(2)は、ΔSOC、平均電流Ib、電池温度TBが定まれば、一意に算出されるので、Time2も、ΔSOC、平均電流Ib、電池温度TBを定めれば、一意に算出される。車載コンピュータである制御装置80の演算負荷を軽くするために、予め、Time2と、ΔSOC、平均電流Ib、電池温度TBの関係をマップ化して、記憶部70に関連ファイル72として格納する。関連ファイル72は、ハイレート劣化抑制に関する充電所要時間Time2と、ハイレート劣化に関するパラメータであるΔSOC、平均電流Ib、電池温度TBとを関連づけたデータファイルである。S24では、記憶部70から関連ファイル72を読出し、ΔSOC、平均電流Ib(EV)、電池温度TBを与えて、Time2を算出する。このようにして、ハイレート劣化抑制に関する充電所要時間Time2の算出が行われる。
図3に戻り、S26は、金属リチウム析出抑制に関する充電制限に関する演算を行う。金属リチウム析出抑制に関する充電抑制は、リチウムイオン二次電池への充電電流について、負極に金属リチウムが析出しない最大電流として設定した許容充電電流Ilimに調整することで行われる。許容充電電流Ilimは、式(3)で与えられる。許容充電電流Ilimの内容については、特許文献5に詳しく述べられている。
式(3)は、時間tから(t+Δt)の間で充放電が行われることによるIlimの変化を示す式である。α’は、充電によってIlimが減少することを示す係数で、β’は放置によってIlimが回復することを示す係数である。Ilim(0)は、初回の許容充電電流で、充放電電力の影響が全くない状態から充電した場合に、単位時間内に金属リチウムが析出しない最大電流である。充電が行われると、許容充電電流Ilimは、Ilim(0)から減少し、充電が止まって放置されるとIlim(0)に向って回復する。
S28では、車両10が充電スタンド16aに到達した時のIlimをIlim2として、Ilim2に基づいて、金属リチウム析出抑制に関する充電所要時間Time3の算出が行われる。Ilim2は、式(3)に基づいて求められる。Ilim2が算出されると、充電スタンド16aの充電電流ICは、Ilim2に制限される。単純計算では、(IC/Ilim2)×Time1=Time3と算出される。式(3)は、車両10が充電スタンド16aに到達した時のSOC2、電池温度TBが定まれば、一意に算出されるので、Time3も、SOC2、電池温度TBを定めれば、一意に算出される。車載コンピュータである制御装置80の演算負荷を軽くするために、予め、Time3と、SOC、電池温度TBの関係をマップ化して、記憶部70に関連ファイル74として格納する。関連ファイル74は、金属リチウム析出抑制に関する充電所要時間Time3と、許容充電電流Ilimに関するパラメータであるSOC、電池温度TBとを関連づけたデータファイルである。S28では、記憶部70から関連ファイル74を読出し、SOC2、電池温度TBを与えて、Time3を算出する。このようにして、金属リチウム析出抑制に関する充電所要時間Time3の算出が行われる。
S30は、電池抵抗に関する充電制限に関する演算を行う。電池抵抗は、例えば、ハイレート劣化が進行すると増加する。電池抵抗が大きい場合には、DC充電による劣化を抑制するために、DC充電からCCCV充電への切替が行われる。CCCV充電とは、特にリチウムイオン電池において劣化抑制のために行われる充電方式で、当初、定電流で充電し、所定の電池電圧まで上昇した後に、定電圧で充電し、予め定めた終止電圧に到達すると充電完了とする。DC充電からCCCV充電への切替は、電池電圧VBに対し予め定めたCCCV閾値電圧に基づいて行われる。CCCV充電に切り替わると、電池電圧VBが終止電圧に到達するまで充電が継続し、DC充電に比較して充電時間が長くなる。S30では、充電スタンド16aにおける充電開始の時において、CCCV充電が行われるか否かの判定のために、充電開始の時における二次電池22の電池電圧VB2の算出演算が行われる。VB2は、SOC2に対応する二次電池22の開放回路電圧OCV2と、電池抵抗R2と、充電スタンド16aの充電電流ICを用いて算出される。すなわち、VB2=OCV2+(R2×IC)で求められる。
S32では、電池抵抗に関する充電所要時間Time4の算出が行われる。VB2がCCCV閾値電圧未満の場合は、充電スタンド16aにおいて充電開始の時において、CCCV充電が行われずDC充電が行われるので、充電所要時間Time4は、充電制限のない場合の充電所要時間Time1と同じである。VB2がCCCV閾値電圧未満の場合は、充電スタンド16aにおいて充電開始の時においてDC充電からCCCV充電に切り替わる。この場合の充電所要時間Time4は、CCCV充電において、電池電圧VBがVB2から終止電圧までに要する時間である。終止電圧は、二次電池22の仕様で予め定められるので、Time4は、CCCV充電の特性式にVB2と終止電圧とを与えることで、算出できる。このようにして、電池抵抗に関する充電所要時間Time4が算出される。
S34は、S16,S24,S28,S32でそれぞれ算出されたTime1〜Time4を比較して、最も長い充電所要時間をユーザに通知する。この処理手順は、制御装置80のユーザ通知部96と、ナビゲーション装置50の充電時間表示部60の機能によって実行される。具体的には、制御装置80のユーザ通知部96で、最も長い充電所要時間を求め、そのデータをナビゲーション装置50に伝送し、ナビゲーション装置50の充電時間表示部60は、そのデータを表示データに変換して、表示画面52に表示する。
これによって、車両10のユーザは、表示された充電所要時間に基づいて、充電スタンド16a,16b,16cにおいて充電のために必要となる立ち寄り時間と、充電に必要な課金金額を予測でき、走行目的地点Gまでの走行スケジュールを立てることができる。そして、走行スケジュールから見て、例えば、充電スタンド16aで立ち寄り充電するときは、通信端末64あるいは入力部54を用いて、ナビゲーション装置50に充電予約をすることを指示する。その指示に基づいて、ナビゲーション装置50の充電予約部62は、充電スタンド16aに対し、ユーザの要望する充電開始時間、充電時間等に関して、充電予約を行い、その結果を表示画面52に表示する。このようにして、車両10のユーザは、走行経路12において、充電制限条件の下でのDC充電を所望通り行うことができる。
10 車両、12 走行経路、14 ネットワーク、15 道路交通情報センタ、16a,16b,16c 充電スタンド、17a,17b,17c DC充電装置、18a,18b,18c 充電プラグ、20 (車両用)充電制御システム、21 正極側母線、22 二次電池、23 負極側母線、24 車両駆動部、26 メインリレー部、28 充電インレット、30 充電器、32 エンジン、34 回転電機、36 インバータ部、38 電圧検出部、40 電流検出部、42 温度検出部、44 正極側リレー、45,46 負極側リレー、48,49 充電リレー、50 ナビゲーション装置、52 表示画面、54 入力部、56 スタンド探索部、58 距離算出部、60 充電時間表示部、62 充電予約部、64 通信端末、66 アクセルペダル、68 ブレーキペダル、70 記憶部、72,74 関連ファイル、80 制御装置、82 走行制御部、84 SOC制御部、90 到達時SOC算出部、92 充電制限制御部、94 複数充電時間算出部、96 ユーザ通知部。
Claims (1)
- 車両に搭載された二次電池と、
前記車両が充電スタンドに到達するまでに消費する電力量と、前記車両の現在地における前記二次電池の現在時SOCとに基づいて、前記車両が前記充電スタンドに到達した時の到達時SOCを算出する到達時SOC算出部と、
前記到達時SOCと前記二次電池における充電制限条件とに基づいて、前記充電スタンドにおけるDC充電の制限が必要か否かを判定し、制限が必要な場合に充電制限を行う充電制限制御部と、
前記充電制限が必要な場合に、前記二次電池の満充電SOC、前記到達時SOC、及び、前記充電スタンドの充電電流に基づいて、前記二次電池に対する複数の前記充電制限条件のそれぞれについて、前記充電スタンドにおける充電所要時間を算出する複数充電時間算出部と、
算出された複数充電時間の内で最も長い前記充電所要時間をユーザに通知するユーザ通知部と、
を備える、車両用充電制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017226209A JP6881254B2 (ja) | 2017-11-24 | 2017-11-24 | 車両用充電制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017226209A JP6881254B2 (ja) | 2017-11-24 | 2017-11-24 | 車両用充電制御システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019097340A JP2019097340A (ja) | 2019-06-20 |
JP6881254B2 true JP6881254B2 (ja) | 2021-06-02 |
Family
ID=66972191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017226209A Active JP6881254B2 (ja) | 2017-11-24 | 2017-11-24 | 車両用充電制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6881254B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102278697B1 (ko) * | 2019-10-31 | 2021-07-16 | 광주과학기술원 | 전기차 충전 시스템에서 소비되는 전력량을 조절하기 위한 전자 장치 및 방법 |
CN113799651B (zh) * | 2020-06-12 | 2023-07-21 | 宇通客车股份有限公司 | 一种车辆及其电池系统充电控制方法及装置 |
US20240239225A1 (en) * | 2021-05-31 | 2024-07-18 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Charger selection system, charger selection method, and charger selection program |
CN114013285B (zh) * | 2021-11-08 | 2023-11-21 | 北京理工新源信息科技有限公司 | 一种电动汽车实际续驶里程评估方法 |
CN118742460A (zh) * | 2022-11-04 | 2024-10-01 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 车辆的充电热管理方法、设备和介质 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014153222A (ja) * | 2013-02-08 | 2014-08-25 | Mitsubishi Motors Corp | 情報提供システム |
JP6620419B2 (ja) * | 2015-05-15 | 2019-12-18 | 日産自動車株式会社 | バッテリー温度制御装置、及び、バッテリーの温度制御方法 |
JP6245224B2 (ja) * | 2015-06-09 | 2017-12-13 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両 |
JP2017091666A (ja) * | 2015-11-04 | 2017-05-25 | トヨタ自動車株式会社 | リチウム析出量推定方法 |
-
2017
- 2017-11-24 JP JP2017226209A patent/JP6881254B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019097340A (ja) | 2019-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6881254B2 (ja) | 車両用充電制御システム | |
US9457682B2 (en) | Method for predicting charging process duration | |
CN110549876B (zh) | 一种能量输出控制方法、装置和氢燃料混合动力汽车 | |
US10675983B2 (en) | Method and arrangement for determining a value of the state of energy of a battery in a vehicle | |
KR102283958B1 (ko) | 전기 자동차의 주행 제어 시스템 및 주행 제어 방법 | |
US20140132214A1 (en) | Electrically powered vehicle and method for controlling electrically powered vehicle | |
KR102189188B1 (ko) | 하이브리드 차량의 제어 장치 및 하이브리드 차량의 제어 방법 | |
JP2008141846A (ja) | 充電状態予測プログラム、架線レス交通システム及びその充電方法 | |
JP2008087719A (ja) | ハイブリッド車両とその制御方法 | |
US9469210B2 (en) | Vehicle | |
JP2009071986A (ja) | 車載バッテリの劣化度演算装置 | |
JP2003079059A (ja) | 車載組電池制御装置 | |
US9365129B2 (en) | Vehicle having an electric motor and method of controlling a display displaying a cruising distance of the vehicle | |
JP2017055551A (ja) | 蓄電池制御装置 | |
JP2014023354A (ja) | 電池制御装置、および電池パック | |
KR20230032024A (ko) | 전기자동차의 전기 사용 안내 방법 | |
CN114834429A (zh) | 混合动力车辆 | |
US11180051B2 (en) | Display apparatus and vehicle including the same | |
JP7099350B2 (ja) | 電動車両の警報装置 | |
JP2012175733A (ja) | 車両の充電装置 | |
KR20220049641A (ko) | 배터리 충전 완료 시간 예측 방법 및 이를 이용한 배터리 시스템 | |
KR20150052965A (ko) | 전기자동차의 배터리 충전량 결정 방법 | |
CN114683904B (zh) | 充电控制装置 | |
JP2020182287A (ja) | 車両用電源装置 | |
US20240140263A1 (en) | Intelligent battery system |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200428 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210406 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210419 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6881254 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |