JP2017091666A - リチウム析出量推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウム析出量の推定【解決手段】充電容量Wと、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとの積との比[W/{T*Imax}]が、予め定められた閾値Xよりも大きいか否かを判定する(処理D1)。大きいと判定された場合(Yes)には、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとで規定される矩形波に置換する(処理D2)。大きくないと判定された場合(No)に、当該期間Zの平均の電流値Iaveを算出し、当該期間Zの充電を、充電時間Tと平均の電流値Iaveとで規定される矩形波に置換する(処理D3)。処理D3の後で、当該期間Z中、平均電流値Iaveよりも高い電流値が連続する期間Z1を抽出する(処理D4)。これを繰り返し、充電電流値の履歴を矩形波に置換する。置換された矩形波を基にリチウム析出量を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池のリチウム析出量推定方法に関する。
例えば、特開2010−66232号公報には、リチウムイオン二次電池におけるリチウム析出に起因する劣化を判定する方法が提案されている。ここで提案される方法は、リチウムイオン二次電池の開放端電圧(OCV)を算出するステップと、リチウムイオン二次電池の充電状態を推定するステップと、開放端電圧が所定領域にあるか否かを判定するステップと、開放端電圧が所定領域にあると判定された場合において、充電状態と開放端電圧との相関関係が新品時の相関関係から規定量のずれを生じたときに、析出劣化が発生したものと判定するステップとを有している。同公報によれば、析出劣化が進行しても充電状態と開放端電圧との相関関係が変化しない領域を除いた領域を所定領域とすることによって、充電状態と開放端電圧との相関関係が変化しない領域における誤判定(析出劣化が発生していても発生していないと判定)が防止される。したがって、リチウムイオン二次電池における析出劣化の発生を正確に判定することができるとされている。
特開2011−258337号公報には、リチウムイオン二次電池の劣化判定システムが提案されている。ここで提案されているシステムは、正極容量維持率(k1)、負極容量維持率(k2)および電池のずれ容量(ΔQs)を取得する。次に、所定の磨耗劣化マップに基づいて、正極容量維持率(k1)および負極容量維持率(k2)から、磨耗劣化に起因したずれ容量(ΔQs(W))を推定する。次に、ずれ容量(ΔQs)を、磨耗劣化に起因したずれ容量(ΔQs(W))とリチウム析出に起因したずれ容量(ΔQs(Li))とに分離する。そして、少なくともリチウム析出に起因したずれ容量(ΔQs(Li))に基づいて、劣化判定対象であるリチウムイオン二次電池のリユースおよび/またはリサイクルの可否を判定するというものである。
特開2010−66232号公報 特開2011−258337号公報
ところで、車両走行中にリチウムが析出すると電池容量が低下する。ここでは、充電に起因するリチウム析出量を精度良く推定し得る新規な方法を提案する。
ここで提案されるリチウム析出量推定方法は、以下の工程AからHを含んでいる。
工程Aは、制御対象となるリチウムイオン二次電池に流れた電流値のうち、少なくとも充電電流値とSOCと温度とを経時的に記録する工程である。
工程Bは、工程Aにおいて記録された充電電流値の履歴に基づいて、充電が連続した期間を抽出する工程である。
工程Cは、工程Bにおいて抽出された期間Z毎に、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxと充電容量Wとを算出する工程である。
工程Dは、工程Bにおいて抽出された期間Z毎に、充電電流値の履歴を電流値と時間とで規定される矩形波に置換する工程である。
工程Eは、工程Dで置換された矩形波毎に、当該矩形波の開始時点のSOCと温度を抽出する工程である。
工程Fは、矩形波の開始時点のSOCと温度と、矩形波を規定する電流値と充電時間とによって矩形波を区別して、制御対象となるリチウムイオン二次電池の充電において当該矩形波が生じた回数を記録する工程である。
工程Gは、矩形波の開始時点のSOCと温度と、矩形波を規定する電流値と充電時間とによって分けられる矩形波毎に、制御対象となるリチウムイオン二次電池のリチウム析出量を評価したマップを予め用意する工程である。
工程Hは、工程Fで記録された矩形波の回数と、工程Gにおいて予め用意されたマップとに基づいて、制御対象となるリチウムイオン二次電池の充電によるリチウム析出量の推定値を算出する工程である。
ここで、工程Dでは、以下の処理D1からD4を含む処理モジュールDxによる処理が、工程Bにおいて抽出された1つの期間Zに対して、処理D4によって新たな期間Z1が抽出されなくなるまで繰り返される。
ここで、処理D1は、充電容量Wと、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとの積との比[W/{T*Imax}]が、予め定められた閾値Xよりも大きいか否かを判定する処理である。
処理D2は、処理D1において大きいと判定された場合に、当該期間Zの充電を、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとで規定される矩形波に置換する処理である。
処理D3は、処理D1において大きくないと判定された場合に、当該期間Zの平均の電流値Iaveを算出し、当該期間Zの充電を、充電時間Tと平均の電流値Iaveとで規定される矩形波に置換する処理である。
処理D4は、処理D3の後で、当該期間Z中、平均電流値Iaveよりも高い電流値が連続する期間Z1を抽出する処理である。
ここで提案されるリチウム析出量推定方法によれば、制御対象となるリチウムイオン二次電池の充電に起因するリチウムの析出量を精度良く推定できる。
図1は、リチウム析出量推定方法のフローチャートである。 図2は、電流値の履歴Rの一例を示すグラフである。 図3は、処理D2によって置換される矩形波P(i+1)を示すグラフである。 図4は、処理D3によって置換される矩形波P(i)を示すグラフである。 図5は、処理D4で抽出される期間Z1を示すグラフである。 図6は、工程Dによって置換される矩形波P(j)を示す概念図である。 図7は、矩形波が生じた回数を記録するマトリックスを示す概念図である。 図8は、ストレングスマップの一例を示す概念図である。 図9は、充電制限ラインが設定されたマトリックスの概念図である。
以下、ここで提案されるリチウム析出量推定方法の一実施形態を説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。本発明は、特に言及されない限りにおいて、ここで説明される実施形態に限定されない。
リチウム析出量推定方法には、以下の工程AからHが含まれている。ここで提案されるリチウム析出量推定方法の各工程は、予め定められたプログラムに沿って電子的な演算処理を行なう演算装置と、記録装置とを備えたコンピュータによって処理され、リチウム析出量推定装置として実現可能である。リチウム析出量推定装置は、例えば、車両用途では、車載される電子制御システムに組み込まれうる。図1は、リチウム析出量推定方法のフローチャートである。
〈工程A〉
工程Aは、制御対象となるリチウムイオン二次電池に流れた電流値のうち少なくとも充電電流値と、SOCと、温度とを経時的に記録する工程である。この実施形態では、工程Aでは、制御対象となるリチウムイオン二次電池に流れた電流値と、SOCと、温度とが測定された時間の情報と関連づけられた状態で記録されている。これによって、制御対象となるリチウムイオン二次電池に流れた電流値と、SOCと、温度とについて、履歴が得られる。電流値は、例えば、リチウムイオン二次電池に取付けられた電流計の測定値を記録装置に記録させるとよい。SOCは、例えば、初期のSOCと、放電量と、充電量とに基づいて推定する方法を採用できる。SOCの算出方法や推定方法については、他にも種々の方法を採用しうる。温度については、リチウムイオン二次電池の予め定められた位置に取付けられた温度計の計測値を記録装置に記録させるとよい。
〈工程B〉
工程Bは、工程Aにおいて記録された充電電流値の履歴に基づいて、充電が連続した期間を抽出する工程である。例えば、車載用途では、充電と放電が繰り返し行なわれる。図2は、電流値の履歴Rの一例を示すグラフである。なお、図2では、充電電流値は−で示されており、放電電流値は+で示されている。この実施形態では、電流値の履歴Rには、放電電流値の履歴と充電電流値の履歴が含まれている。工程Bでは、かかる電流値の履歴Rから、充電が連続した期間Zが抽出される。この場合、電流値の履歴Rのうち、電流値Iがマイナス(−)の期間、つまり(I<0)の期間を充電が連続した期間Zとして抽出するとよい。図2に示された例では、充電が連続した期間として期間Z(i)と期間Z(i+1)が抽出される。ここで、図2において、充電が連続した期間Zに対して括弧内に付した添え字は、期間Zを区別するために付している。同様に、図中の符号に対して括弧内に付した添え字は、添え字によって区別された期間Zに対応していることを示している。
〈工程C〉
工程Cは、工程Bにおいて抽出された期間Z毎に、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxと充電容量Wとを算出する工程である。図2では充電電流値は−で示されているが、「充電電流値の大きさ」は電流値の絶対値で評価される。最大の充電電流値Imax(i)は、期間Z(i)中、絶対値において最も大きい電流値である。充電時間Tは、期間Zの終わりの時間t2から始まりの時間t1を引くことで求められる(T=(t2−t1))。工程Cでは、例えば、図2に示すように、期間Z(i)では、充電時間T(i)と最大の充電電流値Imax(i)と充電容量W(i)とが算出される。充電時間T(i)は、期間Z(i)の終わりの時間t2(i)から始まりの時間t1(i)を引くことで求められる。充電容量W(i)は、期間Z(i)における充電電流値の履歴に基づいて算出される。ここでは、充電電流値の大きさが絶対値で評価されるので、充電容量W(i)についても絶対値で評価される。つまり、期間Z(i)において、単位時間毎に測定された充電電流値を積算することによって、充電容量W(i)が求められる。図2において、期間Z(i+1)も同様に、充電時間T(i+1)と最大の充電電流値Imax(i+1)と充電容量W(i+1)とが算出される。
〈工程D〉
工程Dは、工程Bにおいて抽出された期間Z毎に、充電電流値の履歴を電流値と時間とで規定される矩形波に置換する工程である。
ここで、工程Dでは、処理D1と、処理D2と、処理D3と、処理D4とを含む処理モジュールDxの処理が、前記工程Bにおいて抽出された1つの期間Zに対して、処理D4によって新たな期間Z1が抽出されなくなるまで繰り返される。
〈処理D1〉
処理D1は、充電容量Wと、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとの積{T*Imax}との比[W/{T*Imax}]が、予め定められた閾値Xよりも大きいか否かを判定する。ここで、「*」は、積算を示している。かかる判定において、充電容量Wは、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとの積{T*Imax}よりも小さくなる。ただし、定電流充電の場合には、充電容量Wは、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとの積{T*Imax}とが同じになり得る。比[W/{T*Imax}]は1に近いほど、当該期間Zの充電電流値の履歴が、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとで規定される矩形波に近似している。従って、比[W/{T*Imax}]が1に近い場合には、当該期間Zの充電電流値の履歴Rを、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとで規定される矩形波に置換できる。Xを1.0に近づければ近づけるほど、矩形波への置換が精度良くなるが、工程Dの処理が遅くなる。Xを小さくすればするほど、工程Dの処理が速くなるが矩形波への置換の精度が悪くなる。本発明者の知見では、処理D1の予め定められた閾値Xは、例えば、0.70以上0.90以下の値から選択される任意の値(例えば、0.8)を採用するとよい。これにより、矩形波への置換の精度を保ちつつ、工程Dの処理速度を速くすることができる。
〈処理D2〉
処理D2は、処理D1において、比[W/{T*Imax}]が、予め定められた閾値Xよりも大きいと判定された場合(Yes)に、当該期間Zの充電を、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとで規定される矩形波に置換する。例えば、図2中の期間Z(i+1)の充電の履歴は、正弦波のような波形である。このような場合、比[W(i+1)/{T(i+1)*Imax(i+1)}]が0.8よりも大きくなりやすい。つまり、T(i+1)*Imax(i+1)の面積が、充電容量W(i+1)に相当する面積の8割以上になりやすい。当該期間Z(i+1)の電流値の履歴は、図3に示すように、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとで規定される矩形波P(i+1)に置換される。ここで、図3は、期間Z(i+1)に対する処理D2によって置換される矩形波P(i+1)を示すグラフである。図3中、t1(i+1)は矩形波P(i+1)の開始時点であり、t2(i+1)は矩形波P(i+1)の終了時点である。
〈処理D3〉
処理D3は、処理D1において、比[W/{T*Imax}]が、予め定められた閾値Xよりも大きくないと判定された場合(No)には、当該期間Zの平均の電流値Iaveを算出する。そして、当該期間Zの充電を、充電時間Tと平均の電流値Iaveとで規定される矩形波に置換する。例えば、図2中の期間Z(i)では、期間の一部において、充電電流値が急激に高くなっている。この場合、充電容量W(i)よりも、{T(i)*Imax(i)}がかなり大きくなる。このため、比[W(i)/{T(i)*Imax(i)}]は、0.8よりも小さくなる。したがって、当該期間Z(i)では、処理D1において、比[W(i)/{T(i)*Imax(i)}]が、予め定められた閾値Xよりも大きくない(No)と判定される。この場合、図4に示すように、当該期間Z(i)の電流値の履歴は、充電時間T(i)と平均の電流値Iave(i)とで規定される矩形波P(i)に置換される。ここで、図4は、期間Z(i)に対する処理D3によって置換される矩形波P(i)を示すグラフである。図4中、t1(i)は矩形波P(i)の開始時点であり、t2(i)は矩形波P(i)の終了時点である。
〈処理D4〉
処理D4は、処理D3の後で、当該期間Z中、平均電流値Iaveよりも高い電流値が連続する期間Z1を抽出する。図5は、図2の期間Z(i)における、処理D4で抽出される期間Z1(j)を示すグラフである。図5に示すように、図2の期間Z(i)では、期間Z(i)中に、充電電流値が急激に高くなった期間のうち、当該期間Z(i)の平均電流値Iave(i)よりも高い電流値が連続する期間Z1(j)が抽出される。図2の例では、平均電流値Iave(i)よりも高い電流値が連続する期間Z1(j)は、一つの期間Z1(j)が抽出されるのみであるが、電流値が複雑に変動するような場合には、かかる処理D4において複数の期間が抽出されうる。
工程Dでは、上述した処理D1と、処理D2と、処理D3と、処理D4とを含む処理モジュールDxの処理が、工程Bにおいて抽出された1つの期間Zに対して、処理D4によって新たな期間Z1が抽出されなくなるまで繰り返される。つまり、図2の例における期間Z(i)のように、処理D4で新たな期間Z1(j)が抽出された場合には、上述した処理D1により、新たに抽出された期間Z1(j)について、充電容量W(j)と、充電時間T(j)と最大の充電電流値Imax(j)との積{T(j)*Imax(j)}との比[W(j)/{T(j)*Imax(j)}]が、予め定められた閾値Xよりも大きいか否かを判定する。そして、処理D2あるいは処理D3によって、期間Z1(j)について、矩形波に置換される。図5の例では、比[W(j)/{T(j)*Imax(j)}]が、予め定められた閾値Xよりも大きい。このため、図5に示すように、当該期間Z1(j)の電流値の履歴は、充電時間T(j)と最大の充電電流値Imax(j)とで規定される矩形波P(j)に置換される。図5中、t1(j)は矩形波P(j)の開始時点であり、t2(j)は矩形波P(j)の終了時点である。
また、期間Z1(j)について、処理D3が行なわれた場合には、さらに処理D4が行なわれ、さらに新たな期間Z1が抽出される。かかる処理モジュールDxは、工程Bにおいて抽出された1つの期間Zに対して、処理D4によって新たな期間Z1が抽出されなくなるまで繰り返される。図2の例では、工程Bにおいて抽出された1つの期間Z(i)は、矩形波P(i)と矩形波P(j)とに置換される。また、図6は、図2で示された電流値の履歴Rについて、工程Dによって置換される矩形波を示す概念図である。図6に示すように、工程Dによる矩形波の置換では、期間Z(i)のうち、充電電流値が急激に高くなった期間Z1(j)についても、充電電流値が急激に高くなった充電電流値の履歴に応じた矩形波P(j)に置換されている。
リチウムイオン二次電池におけるリチウムの析出量は、充電時間と電流値との関係に起因する。工程Dによって置換された矩形波は、期間Z(i)のうち、充電電流値が急激に高くなった期間Z1(j)についても、充電電流値が急激に高くなった充電電流値の履歴に応じた矩形波P(j)に置換される。置換された矩形波は、充電電流値の履歴Rに対して、充電時間と電流値との関係が上手く反映されている。ここで提案されるリチウム析出量推定方法によれば、図6のように、充電の電流値の履歴Rが精度良く置換された矩形波に基づいて、リチウムイオン二次電池のリチウム析出量が推定される。
〈工程E〉
工程Eは、工程Dで置換された矩形波毎に、当該矩形波の開始時点のSOCと温度を抽出する工程である。図6に示すように、工程Dによって、電流値の履歴Rのうち充電電流値の履歴は、矩形波P(i),P(j)およびP(i+1)に置換される。そして、それぞれの開始時点t1(i),t1(j)およびt1(i+1)が特定され、処理Aによって記憶されたSOCと温度から当該開始時点のSOCと温度が抽出される。
〈工程F〉
工程Fは、矩形波の開始時点のSOCと温度と、矩形波を規定する電流値と充電時間とによって矩形波を区別して、制御対象となるリチウムイオン二次電池の充電において当該矩形波が生じた回数を記録する工程である。例えば、図3に示される矩形波P(i+1)では、電流値Imax(i+1)と充電時間T(i+1)とが特定される。工程Fでは、矩形波の開始時点のSOCと温度と当該電流値Imax(i+1)と充電時間T(i+1)とによって、矩形波P(i+1)が区別される。そして、当該区別において同じと判断される矩形波が生じた回数が記録される。つまり、図2は、リチウムイオン二次電池の一部の使用期間しか示されていないが、リチウムイオン二次電池が継続して使われていると、電流値Imax(i+1)と充電時間T(i+1)と、矩形波の開始時点のSOCと温度の観点において、矩形波P(i+1)と同じ矩形波が現れうる。このような観点で矩形波が同じである場合には、当該期間Zにおける充電に起因するリチウムの析出量は概ね同じであると推定される。
図4に示される矩形波P(i)についても電流値Iave(i)と充電時間T(i)とが特定される。そして、当該矩形波P(i)の開始時点t1(i)のSOCと温度と、電流値Iave(i)と充電時間T(i)とによって、矩形波P(i)が区別される。図5に示される矩形波P(j)についても、それぞれ電流値Imax(j)と充電時間T(j)とが特定される。当該矩形波P(j)の開始時点t1(j)のSOCと温度と、電流値Imax(j)と充電時間T(j)とによって、矩形波P(j)が区別される。そして、このような区別において同じと判断される矩形波が生じた回数が記録される。この工程Fによって、制御対象となるリチウムイオン二次電池の充電において、同等のリチウム析出を生じさせうる充電が行なわれた回数が、その充電毎に記録される。
図7は、矩形波が生じた回数を記録するマトリックスを示す概念図である。ここでは、温度とSOCとの組み合わせに応じた複数のマトリックスが用意されている。各マトリックスには、電流値と充電時間とに応じたマス目が設定されている。そして、複数のマトリックスの各マス目に、当該温度とSOCと電流値と充電時間とで区別された矩形波が生じた回数が記録される。これにより、温度とSOCと電流値と充電時間とで区別された矩形波が生じた回数(換言すれば頻度)が記録される。例えば、図6で置換された矩形波P(i),矩形波P(j)および矩形波P(i+1)の開始時点での温度とSOCが大凡同じである場合には、図7に示すように、同じマトリックスに記録される。マトリックスは、例えば、回数が増えるにつれて、マス目が濃くなるように制御装置が接続されるディスプレイ(表示装置)に表示可能である。このように、マス目の濃淡や色彩などによって、リチウムイオン二次電池において上述した置換後の矩形波の発生回数を可視化できる。後述するストレングスマップも同様に可視化可能である。
〈工程G〉
工程Gは、矩形波の開始時点のSOCと温度と、矩形波を規定する電流値と充電時間とによって区別される矩形波毎に、制御対象となるリチウムイオン二次電池のリチウム析出量を評価したマップを予め用意する工程である。かかるマップは、ストレングスマップとも称されうる。かかるストレングスマップは、図7に示されたマトリックスの各マス目に応じて、リチウム析出量を評価した評価値が予め記録されているとよい。図8は、ストレングスマップの一例を示す概念図である。図8に示すマップでは、図7の1つのマトリックスに対応したマトリックスの各マス目に、リチウム析出量の程度に応じた評価値が記録されている。評価値の傾向として、充電時間が長くなればなるほど、また、電流値が大きくなればなるほどリチウム析出量が多くなる傾向が反映されている。評価値が記録された各マス目は、リチウム析出量の程度が多ければ多いほど色が濃くなるように、ディスプレイに表示可能である。このように、ストレングスマップについて、各マス目の評価値を可視化できる。かかる工程Gで用意されるストレングスマップは、本制御において予め用意されているとよく、例えば、制御装置の記録装置に予め記録されているとよい。
〈工程H〉
工程Hは、工程Fで記録された矩形波が生じた回数(図7参照)と、工程Gにおいて予め用意されたマップ(図8参照)とに基づいて、制御対象となるリチウムイオン二次電池の充電によるリチウム析出量の推定値を算出する工程である。例えば、図7の各マトリックスのマス目に記録された矩形波が生じた回数と、当該マス目に応じて、図8のストレングスマップから抽出される評価値とを掛けて、マス目に記録された矩形波が生じた回数に応じたリチウム析出量を算出する。そして、各マトリックスのマス目について、算出されたリチウム析出量を積算する。つまり、図7のように複数のマトリックスの各マス目に記録される、当該マス目に対応した矩形波が生じた回数に、図8で示されるストレングスマップに記録された評価値を掛ける。これによって、図7に示される複数のマトリックスに相当する複数のマトリックスの各マス目にリチウム析出量が記録される。そして、各マス目にリチウム析出量が記録された複数のマトリックスについて、各マス目のリチウム析出量を積算する。これによって、制御対象となるリチウムイオン二次電池の充電に起因して生じたリチウム析出量が推定できる。
このリチウム析出量推定方法では、工程Dによって、図6のように、充電の電流値の履歴Rが、精度良く矩形波で置換される。そして、図6のように置換された矩形波に基づいて、工程Eから工程Hによって、リチウムイオン二次電池のリチウム析出量が推定される。この場合、充電の電流値の履歴Rが、充電時間と充電電気量とで規定される矩形波に置換されるとともに、当該矩形波の開始時点のSOCと温度に基づいて、当該矩形波に応じたリチウム析出量が算出され、さらに矩形波毎に算出されたリチウム析出量が積算されてリチウム析出量が推定される。このリチウム析出量推定方法によれば、リチウムイオン二次電池の充電状況が、充電時間と充電電気量とで規定される矩形波によって置換される。置換された各矩形波は、リチウム析出量と相関関係があるので、リチウム析出量が精度良く推定されうる。
〈工程I,工程J〉
工程Hで推定されたリチウム析出量(推定値)をMとする。図1のフローチャートで示されているように、工程Hで推定されたリチウム析出量Mは、充電を制限する制御(入力制限制御)に利用されうる。図1に示すフローチャートの処理では、例えば、制御装置は、工程Iとして、リチウム析出量Mが予め定められた閾値Yを超えていないかを判定する(M≧Y)。そして、リチウム析出量Mが予め定められた閾値Yを超えている場合(Yes)には、工程Jとして、充電を制限する処理を行なう。充電を制限する処理は、例えば、充電時間が当該充電ラインよりも長くなると、当該充電ラインで許容される程度に充電電流値を小さくしたり、充電を一次的に停止したりするとよい。この充電を制限する処理によって、充電に起因するリチウムの析出が抑制される。
また、制御装置は、制御対象となるリチウムイオン二次電池について、ここで推定されたリチウム析出量Mが、予め定められた閾値Yに対して予め定められた程度に近づいた場合に、充電電流値を制限するように制御してもよい。リチウムイオン二次電池の充電に起因するリチウムの析出は、SOCと温度と充電電流値と充電時間に相関関係がある。このため、図7と同様のマトリックスに充電制限ラインを設定してもよい。一例として、図9は、充電制限ラインが設定されたマトリックスの概念図である。充電制限ラインが設定されたマトリックスは、SOCと温度の条件に応じて複数用意されるとよい。図9において、充電制限ラインL1は、初期の充電制限ラインである。充電制限ラインは、当該充電制限ラインよりもリチウムイオン二次電池にリチウムが析出し易い充電を制限するものである。L0は、リチウム析出量が0になると推定される領域Sの境界である。同じ電流値では、充電時間が長くなればなるほど、リチウムが析出し易く、また電流値が大きくなればなるほど、リチウムが析出しやすい。ここで、充電制限ラインは、制御対象となるリチウムイオン二次電池に対して予め行なった試験結果に基づいて設定されうる。
図9に示されたマトリックスにおいて、リチウム析出量Mが予め定められた閾値Yに近づくにつれて、充電制限ラインL2は、初期に設定された充電制限ラインL1から、リチウム析出量が0になると推定される領域Sの境界L0に近づくように変更される。リチウム析出量Mが予め定められた閾値Yを超えると、最終的には、充電制限ラインは、リチウム析出量が0になると推定される領域Sの境界L0に設定される。そして、制御装置は、充電制限ラインよりも電流値が高くならないように(あるいは、充電時間が長くならないように、)充電を制限するように制御するとよい。また、ここで提案されるリチウム析出量推定方法では、リチウム析出量を精度良く推定できるので、不必要に充電が制限される事象が減少する。これにより、制御対象となるリチウムイオン二次電池の使用状況が改善する。ハイブリッド車などの車両用途では、リチウムイオン二次電池の使用が拡大することによって燃費が向上する。
本発明者は、ハイブリッド車の車載用のリチウムイオン二次電池において、ここで提案されるリチウム析出量推定方法を利用してリチウム析出量を推定し、これに伴い、図9のように、充電制限ラインが設定された制御マップを用いて充電を制限する制御システムを組み込んだ。この場合、車載されたリチウムイオン二次電池のリチウム析出量が極めて小さく抑えられることが確認できた。また、車両の走行試験でも燃費向上に寄与することが確認できた。このようにここで提案されるリチウム析出量推定方法が有効であることが確認できた。
以上、ここで提案されるリチウム析出量推定方法の一実施形態を説明したが、ここで提案されるリチウム析出量推定方法は、特に言及されない限りにおいて、上述した実施形態に限定されない。
P 矩形波
R 電流値の履歴
T 充電時間
W 充電容量
Z 工程Bで抽出された期間
Z1 処理D4で抽出された期間

Claims (1)

  1. 制御対象となるリチウムイオン二次電池に流れた電流値のうち、少なくとも充電電流値とSOCと温度とを経時的に記録する工程Aと、
    前記工程Aにおいて記録された充電電流値の履歴に基づいて、充電が連続した期間を抽出する工程Bと、
    前記工程Bにおいて抽出された期間Z毎に、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxと充電容量Wとを算出する工程Cと、
    前記工程Bにおいて抽出された期間Z毎に、前記充電電流値の履歴を電流値と時間とで規定される矩形波に置換する工程Dと、
    前記工程Dで置換された矩形波毎に、当該矩形波の開始時点のSOCと温度を抽出する工程Eと、
    前記矩形波の開始時点のSOCと温度と、前記矩形波を規定する電流値と充電時間とによって前記矩形波を区別して、前記制御対象となるリチウムイオン二次電池の充電において当該矩形波が生じた回数を記録する工程Fと、
    前記矩形波の開始時点のSOCと温度と、前記矩形波を規定する電流値と充電時間とによって分けられる前記矩形波毎に、前記制御対象となるリチウムイオン二次電池のリチウム析出量を評価したマップを予め用意する工程Gと、
    前記工程Fで記録された前記矩形波の回数と、前記工程Gにおいて予め用意されたマップとに基づいて、前記制御対象となるリチウムイオン二次電池の充電によるリチウム析出量の推定値を算出する工程Hと
    を含み、
    前記工程Dでは、以下の処理D1からD4を含む処理モジュールDxの処理が、前記工程Bにおいて抽出された1つの期間Zに対して、前記処理D4によって新たな期間Z1が抽出されなくなるまで繰り返される、
    ここで、処理D1は、前記充電容量Wと、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとの積{T*Imax}との比[W/{T*Imax}]が、予め定められた閾値Xよりも大きいか否かを判定する処理であり、
    処理D2は、前記処理D1において大きいと判定された場合に、当該期間Zの充電を、充電時間Tと最大の充電電流値Imaxとで規定される矩形波に置換する処理であり、
    処理D3は、前記処理D1において大きくないと判定された場合に、当該期間Zの平均の電流値Iaveを算出し、当該期間Zの充電を、充電時間Tと平均の電流値Iaveとで規定される矩形波に置換する処理であり、
    処理D4は、前記処理D3の後で、当該期間Z中、平均電流値Iaveよりも高い電流値が連続する期間Z1を抽出する処理である、
    リチウム析出量推定方法。
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