以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
[ボイラシステム]
図1は、本実施形態に係るボイラシステム1の一例を模式的に示す図である。図1に示すように、ボイラシステム1は、並列に設置された複数のボイラ10と、負荷2と接続され、複数のボイラ10のそれぞれから送出された流体が流れる流体供給ライン3と、複数のボイラ10のそれぞれと接続され、負荷2から送出された流体が流れる流体戻りライン4と、循環ポンプ5と、流体供給ライン3における流体の温度を示す供給温度Toaを検出する供給温度センサ6と、流体戻りライン4における流体の温度を示す戻り温度Tiを検出する戻り温度センサ7と、複数のボイラ10のそれぞれから送出される流体の流量Q(Q1,Q2,Q3)を調整可能な複数の流量調整機構20と、複数のボイラ10のそれぞれから送出される流体の温度を示す出口温度To(To1,To2,To3)を検出する複数の出口温度センサ30と、複数のボイラ10のそれぞれに設けられる個別制御装置40と、複数の個別制御装置40のそれぞれに台数制御信号を出力する台数制御装置100と、を備える。
ボイラ10は、流体を加熱する流体加熱機である。本実施形態において、ボイラ10は、水を加熱して温水を生成する温水ボイラである。以下の説明においては、ボイラシステム1を流れる流体を適宜、水、と称する。
本実施形態においては、3台のボイラ10が並列に設置されることとする。以下の説明においては、3台のボイラ10のそれぞれを適宜、第1ボイラ11、第2ボイラ12、及び第3ボイラ13、と称する。
本実施形態において、流量調整機構20は、モータバルブである。以下の説明においては、流量調整機構20を適宜、モータバルブ20、と称する。また、以下の説明においては、第1ボイラ11から送出される水の流量を調整可能なモータバルブ20を適宜、第1モータバルブ21、と称し、第2ボイラ12から送出される水の流量を調整可能なモータバルブ20を適宜、第2モータバルブ22、と称し、第3ボイラ13から送出される水の流量を調整可能なモータバルブ20を適宜、第3モータバルブ23、と称する。
また、以下の説明においては、第1ボイラ11から送出される水の出口温度To1を検出する出口温度センサ30を適宜、第1出口温度センサ31、と称し、第2ボイラ12から送出される水の出口温度To2を検出する出口温度センサ30を適宜、第2出口温度センサ32、と称し、第3ボイラ13から送出される水の出口温度To3を検出する出口温度センサ30を適宜、第3出口温度センサ33、と称する。
また、以下の説明においては、第1ボイラ11に設けられる個別制御装置40を適宜、第1個別制御装置41、と称し、第2ボイラ12に設けられる個別制御装置40を適宜、第2個別制御装置42、と称し、第3ボイラ13に設けられる個別制御装置40を適宜、第3個別制御装置43、と称する。
ボイラ10は、例えば貫流ボイラである。ボイラ10は、出口管8を介して流体供給ライン3と接続される。また、ボイラ10は、入口管9を介して流体戻りライン4と接続される。
ボイラ10から送出された水は、出口管8を介して流体供給ライン3に供給される。複数のボイラ10のそれぞれから送出された水は、流体供給ライン3において合流する。流体供給ライン3は、負荷2と接続される。複数のボイラ10から送出され流体供給ライン3において合流した水は、負荷2に供給される。負荷2から送出された水は、流体戻りライン4を介して入口管9に供給される。流体戻りライン4は、入口管9を介して複数のボイラ10のそれぞれと接続される。負荷2から送出され流体戻りライン4を流れた水は、複数のボイラ10のそれぞれに供給される。水は、ボイラ10と負荷2との間を循環する。
ボイラ10は、入口管9からの水が流れる水管と、バーナ15が設置される燃焼室16とを有する。バーナ15は、燃料を燃焼室16に噴射する。バーナ15から噴射された燃料が燃焼することにより火炎が生成される。水管を流れる水は、火炎によって加熱される。
循環ポンプ5は、流体戻りライン4に設けられる。なお、循環ポンプ5は、流体供給ライン3に設けられてもよい。循環ポンプ5の作動により、水は、ボイラ10、流体供給ライン3、負荷2、及び流体戻りライン4を含む循環系において循環する。
供給温度センサ6は、複数のボイラ10から送出され流体供給ライン3において合流した水の温度を示す供給温度Toaを検出する。供給温度Toaは、第1,第2,第3ボイラ11,12,13のそれぞれから送出され合流した後の水の温度であり、流体供給ライン3から負荷2に供給される水の温度である。供給温度センサ6は、複数の出口管8と流体供給ライン3との接続部よりも負荷2側において、給水温度Toaを検出する。
戻り温度センサ7は、負荷2から流体戻りライン4に送出された水の温度を示す戻り温度Tiを検出する。戻り温度Tiは、第1,第2,第3ボイラ11,12,13のそれぞれに分流される前の水の温度であり、流体戻りライン4から第1,第2,第3ボイラ11,12,13のそれぞれに供給される水の温度である。戻り温度センサ7は、複数の入口管9と流体戻りライン4との接続部よりも負荷2側において、戻り温度Tiを検出する。
モータバブル20は、ボイラ10から流体供給ライン3に送出される単位時間当たりの水の流量Qを調整する。本実施形態において、モータバルブ20は、入口管9に設けられ、ボイラ10に流入する水の流量Qを調整することによって、ボイラ10から送出される水の流量Qを調整する。なお、モータバルブ20は、出口管8に設けられてもよい。モータバルブ20から出口管8に設けられることによっても、ボイラ10から流体供給ライン3に送出される単位時間当たりの水の流量Qを調整することができる。
第1モータバルブ21は、第1ボイラ11から出口管8を介して流体供給ライン3に送出される単位時間当たりの水の流量Q1を調整する。第2モータバルブ22は、第2ボイラ12から出口管8を介して流体供給ライン3に送出される単位時間当たりの水の流量Q2を調整する。第3モータバルブ23は、第3ボイラ13から出口管8を介して流体供給ライン3に送出される単位時間当たりの水の流量Q3を調整する。
第1出口温度センサ31は、第1ボイラ11に接続された出口管8において、第1ボイラ11の出口温度To1を検出する。第2出口温度センサ32は、第2ボイラ12に接続された出口管8において、第2ボイラ12の出口温度To2を検出する。第3出口温度センサ33は、第3ボイラ13に接続された出口管8において、第3ボイラ13の出口温度To3を検出する。
台数制御装置100は、並列に設置された複数のボイラ10の運転台数を負荷2の状況に基づいて制御する。台数制御装置100は、複数の個別制御装置40のそれぞれにボイラ10の運転状態を制御させる台数制御信号を出力する。個別制御装置40は、ボイラ10の運転状態を制御するための個別制御信号をボイラ10に出力する。個別制御装置40は、その個別制御装置40が設けられているボイラ10に個別制御信号を出力する。ボイラ10の運転状態は、個別制御装置40に個別に制御される。
台数制御装置100は、ボイラ10が水を加熱する加熱状態と、水の加熱を停止する停止状態との一方から他方に切り換え可能である。ボイラ10が加熱状態であるとは、ボイラ10が運転状態(燃焼状態)であることを含む。ボイラ10が停止状態であるとは、ボイラ10が運転停止状態(燃焼停止状態)であることを含む。
台数制御装置100は、複数の個別制御装置40のそれぞれに少なくともボイラ10の燃焼量を制御させる台数制御信号を出力する。燃焼量[kcal/h]とは、ボイラ10の燃焼室16において単位時間当たりに発生する熱量をいう。台数制御装置100は、バーナ15から噴射させる単位時間当たりの燃料噴射量を制御することにより、燃焼量を制御する。バーナ15からの燃料噴射量が多いほど、燃焼量は高くなる。バーナ15からの燃料噴射量が少ないほど、燃焼量は低くなる。
ボイラ10が加熱状態において、入口管9からボイラ10に供給された水は、ボイラ10において加熱される。水が加熱されることにより生成された温水は、ボイラ10から出口管8に送出される。ボイラ10が停止状態において、入口管9からボイラ10に供給された水は、ボイラ10において加熱されることなく、ボイラ10から出口管8に送出される。
[台数制御装置]
図2は、本実施形態に係る台数制御装置100の一例を示す機能ブロック図である。台数制御装置100は、コンピュータシステムを含む。台数制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置100Aと、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ及びROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリを含む記憶装置100Bと、信号又はデータを送受信可能な入出力回路を含む入出力インターフェース100Cとを有する。
個別制御装置40(41,42,43)は、コンピュータシステムを含み、演算処理装置と、記憶装置と、入出力インターフェースとを有する。
入出力インターフェース100Cは、供給温度センサ6、戻り温度センサ7、及び出口温度センサ30(31,32,33)のそれぞれと接続される。また、入出力インターフェース100Cは、モータバルブ20(21,22,23)、及び個別制御装置40(41,42,43)のそれぞれと接続される。
演算処理装置100Aは、供給温度取得部100と、戻り温度取得部102と、出口温度取得部103と、流量制御部104と、燃焼制御部105とを有する。
記憶装置100Bは、燃焼量記憶部106と、制御量記憶部107とを有する。
供給温度取得部101は、複数のボイラ10から送出され流体供給ライン3において合流した水の温度を示す供給温度Toaを供給温度センサ6から取得する。
戻り温度取得部102は、負荷2から流体戻りライン4に送出された水の温度を示す戻り温度Tiを戻り温度センサ7から取得する。
出口温度取得部103は、複数のボイラ10のそれぞれから送出される水の温度を示す出口温度Toを出口温度センサ30から取得する。出口温度取得部103は、第1,第2,第3ボイラ11,12,13のそれぞれから送出される水の出口温度To1,To2,To3を、第1,第2,第3出口温度センサ31,32,33のそれぞれから取得する。
流量制御部104は、複数のボイラ10のそれぞれから送出される水の流量Qを調整可能なモータバルブ20を制御する。流量制御部104は、第1,第2,第3ボイラ11,12,13から送出される流体の流量Q1,Q2,Q3を調整可能な第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれを制御する制御信号を出力する。
流量制御部104は、1台のボイラ10が水を加熱する加熱状態であり他の2台のボイラ10が水の加熱を停止する停止状態である特定条件において取得された供給温度Toaに基づいて、第1,第2,第3モータバルブ21,22,23を制御する。
また、流量制御部104は、負荷2における水の目標温度Tsetと供給温度Toaとの差が小さくなるように、第1,第2,第3モータバルブ21,22,23を制御する。すなわち、流量制御部104は、特定条件において取得された供給温度Toaに基づいて、目標温度Tsetの水が負荷2に供給されるように、第1,第2,第3モータバルブ21,22,23の制御量を決定して、流量Q1,Q2,Q3を制御する。本実施形態において、モータバルブ20(21,22,23)の制御量は、モータバルブ20の開度を含む概念である。
燃焼制御部105は、出口温度取得部103に取得された出口温度Toに基づいて、加熱状態のボイラ10から送出される水の出口温度Toが規定温度Trになるように、加熱状態のボイラ10を制御する。燃焼制御部105は、出口温度取得部103に取得された出口温度Toに基づいて、加熱状態のボイラ10から送出される出口温度Toが規定温度Trになるように、加熱状態のボイラ10に設けられている台数制御装置40に台数制御信号を出力して、加熱状態のボイラ10の燃焼量を調整する。
[特定条件]
図3は、本実施形態に係る特定条件の一例を示す図である。図3に示すように、本実施形態において、特定条件は、第1特定条件、第2特定条件、及び第3特定条件を含む。第1特定条件とは、第1ボイラ11が加熱状態であり、第2,第3ボイラ12,13が停止状態である特定条件をいう。第2特定条件とは、第2ボイラ12が加熱状態であり、第1,第3ボイラ11,13が停止状態である特定条件をいう。第3特定条件とは、第3ボイラ13が加熱状態であり、第1,第2ボイラ11,12が停止状態である特定条件をいう。
なお、特定条件は、ボイラ10の台数に基づいて変化する。例えば、ボイラ10が4台設置される場合、特定条件は4パターン存在する。
[出口温度の調整]
燃焼制御部105は、ボイラ10の燃焼量を制御することによって、ボイラ10から送出される水の出口温度Toを制御する。燃焼制御部105は、出口温度センサ30で検出された出口温度Toに基づいて、加熱状態のボイラ10から送出される水の出口温度Toが規定温度Trになるように、ボイラ10の燃焼量を制御する。
第1ボイラ11が加熱状態である第1特定条件において、燃焼制御部105は、第1出口温度センサ31で検出された第1出口温度To1に基づいて、加熱状態の第1ボイラ11から送出される水の第1出口温度To1が規定温度Trになるように、第1ボイラ11の燃焼量を調整するための台数制御信号を第1個別制御装置41に出力する。例えば規定温度Trが90[℃]である場合、燃焼制御部105は、第1ボイラ11が加熱状態である第1特定条件において、第1ボイラ11の第1出口温度To1が90[℃]になるように、第1出口温度センサ31で検出された出口温度To1に基づいて、第1ボイラ11の燃焼量を制御する。
同様に、第2ボイラ12が加熱状態である第2特定条件において、燃焼制御部105は、第2出口温度センサ32で検出された第2出口温度To2に基づいて、加熱状態の第2ボイラ12の送出される水の第2出口温度To2が規定温度Trである90[℃]になるように、第2ボイラ12の燃焼量を調整するための台数制御信号を第2個別制御装置42に出力する。また、第3ボイラ13が加熱状態である第3特定条件において、燃焼制御部105は、第3出口温度センサ33で検出された第3出口温度To3に基づいて、加熱状態の第3ボイラ13から送出される水の第3出口温度To3が規定温度Trである90[℃]になるように、第3ボイラ13の燃焼量を調整するための台数制御信号を第3個別制御装置43に出力する。
このように、本実施形態において、燃焼制御部105は、第1,第2,第3特定条件のそれぞれにおいて、出口温度取得部103に取得された第1,第2,第3出口温度To1,To2,To3に基づいて、加熱状態の第1,第2,第3ボイラ11,12,13のそれぞれから送出される水の第1,第2,第3出口温度To1,To2,To3が規定温度Trになるように、第1,第2,第3ボイラ11,12,13を制御する。
すなわち、燃焼制御部105は、第1特定条件における第1出口温度To1と、第2特定条件における第2出口温度To2と、第3特定条件における第3出口温度To3とが、規定温度Trになるように、第1特定条件における第1ボイラ11の燃焼量、第2特定条件における第2ボイラ12の燃焼量、及び第3特定条件における第3ボイラ13の燃焼量のそれぞれを予め調整する。
第1特定条件において第1出口温度To1を規定温度Trにするための第1ボイラ11の燃焼量、第2特定条件において第2出口温度To2を規定温度Trにするための第2ボイラ12の燃焼量、及び第3特定条件において第3出口温度To3を規定温度Trにするための第3ボイラ13の燃焼量のそれぞれは、記憶装置100Bの燃焼量記憶部106に記憶される。
[流量の調整]
上述のように、供給温度センサ6は、3台のボイラ10のうち1台のボイラ10が加熱状態であり、他の2台のボイラ10が停止状態である特定条件において、供給温度Toaを検出する。すなわち、供給温度センサ6は、第1特定条件、第2特定条件、及び第3特定条件のそれぞれにおける供給温度Toaを検出する。
流体戻りライン4から第1,第2,第3ボイラ11,12,13のそれぞれに、戻り温度Tiの流体が供給される。例えば、第1ボイラ11が加熱状態であり、第2,第3ボイラ12,13が停止状態においては、第1出口温度To1は、戻り温度Tiよりも高く(To1>Ti)、第2、第3出口温度To2,To3は、戻り温度Tiと等しい(To2=To3=Ti)。
流量Q1と流量Q2と流量Q3とが均等であると仮定した場合、供給温度Toaは、第1出口温度To1と第2出口温度To2と第3出口温度To3との平均値となる(Toa=(To1+To2+To3)/3)。
一例として、第1特定条件において、第1出口温度To1が90[℃]であり、戻り温度Ti、すなわち、第2,第3出口温度To2,To3が60[℃]である場合、供給温度Toaは、70[℃]になる。また、第2特定条件において、第2出口温度To2が90[℃]であり、戻り温度Ti、すなわち、第1,第3出口温度To1,To3が60[℃]である場合、供給温度Toaは、70[℃]となる。また、第3特定条件において、第3出口温度To3が90[℃]であり、戻り温度Ti、すなわち、第1,第2出口温度To1,To2が60[℃]である場合、供給温度Toaは、70[℃]となる。
しかし、例えばボイラ10の水管に発生するスラッジ等に起因して、流量Q1と流量Q2と流量Q3とが不均等になる可能性がある。例えば、第1特定条件において、流量Q1が流量Q2,Q3よりも多い場合、供給温度Toaは、70[℃]よりも高くなる。一方、流量Q2,Q3が流量Q1よりも多い場合、供給温度Toaは、70[℃]よりも低くなる。
本実施形態において、流量制御部104は、第1、第2、第3特定条件のそれぞれにおいて供給温度取得部101に取得された供給温度Toaに基づいて、目標温度Tsetである70[℃]と供給温度Toaとの差が小さくなるように、第1、第2、第3特定条件のそれぞれにおいて第1,第2,第3モータバルブ21,22,23を制御して、流量Q1,Q2,Q3を調整する。
例えば、第1特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも高いとき(例えば供給温度Toaが72[℃]である場合)、流量制御部104は、加熱状態の第1ボイラ11からの水の流量Q1を減少又は停止状態の第2,第3ボイラ12,13からの水の流量Q2,Q3を増大させるために、モータバルブ20(21,22,23)を制御する。一方、第1特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも低いとき(例えば供給温度Toaが68[℃]である場合)、流量制御部104は、加熱状態の第1ボイラ11からの水の流量Q1を増大又は停止状態の第2,第3ボイラ12,13からの水の流量Q2,Q3を減少させるために、モータバルブ20(21,22,23)を制御する。
また、第2特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも高いとき、流量制御部104は、加熱状態の第2ボイラ12からの水の流量Q2を減少又は停止状態の第1,第3ボイラ11,13からの水の流量Q1,Q3を増大させるために、モータバルブ20(21,22,23)を制御する。一方、第2特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも低いとき、流量制御部104は、加熱状態の第2ボイラ12からの水の流量Q2を増大又は停止状態の第1,第3ボイラ11,13からの水の流量Q1,Q3を減少させるために、モータバルブ20(21,22,23)を制御する。
また、第3特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも高いとき、流量制御部104は、加熱状態の第3ボイラ13からの水の流量Q3を減少又は停止状態の第1,第2ボイラ11,12からの水の流量Q1,Q2を増大させるために、モータバルブ20(21,22,23)を制御する。一方、第3特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも低いとき、流量制御部104は、加熱状態の第3ボイラ13からの水の流量Q3を増大又は停止状態の第1,第2ボイラ11,12からの水の流量Q1,Q2を減少させるために、モータバルブ20(21,22,23)を制御する。
第1特定条件において目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするためのモータバルブ20(21,22,23)を制御するための制御量は、記憶装置100Bの制御量記憶部107に記憶される。また、第2特定条件において目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするためのモータバルブ20(21,22,23)を制御するための制御量は、記憶装置100Bの制御量記憶部107に記憶される。また、第3特定条件において目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするためのモータバルブ20(21,22,23)を制御するための制御量は、記憶装置100Bの制御量記憶部107に記憶される。モータバルブ20の制御量は、モータバルブ20の開度を含む。
[制御方法]
図4及び図5は、本実施形態に係る台数制御方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、ボイラ10の燃焼量及びモータバルブ20の制御量を決定する処理と、決定されたボイラ10の燃焼量及びモータバルブ20の制御量に基づいて複数のボイラ10を台数制御する処理とが実施される。
図4を参照しながら、ボイラ10の燃焼量及びモータバブル20の制御量を決定する処理について説明する。
第1ボイラ11が加熱状態である第1特定条件において、燃焼制御部105は、第1出口温度センサ31で検出された第1出口温度To1に基づいて、加熱状態の第1ボイラ11から送出される水の第1出口温度To1が規定温度Trになるように、第1ボイラ11の燃焼量を調整する。第1特定条件において第1出口温度To1を規定温度Trにするための第1ボイラ11の燃焼量が決定された後、その決定された第1ボイラ11の燃焼量は、燃焼量記憶部106に記憶される(ステップSA1)。
第2ボイラ12が加熱状態である第2特定条件において、燃焼制御部105は、第2出口温度センサ32で検出された第2出口温度To2に基づいて、加熱状態の第2ボイラ12から送出される水の第2出口温度To2が規定温度Trになるように、第2ボイラ12の燃焼量を調整する。第2特定条件において第2出口温度To2を規定温度Trにするための第2ボイラ12の燃焼量が決定された後、その決定された第2ボイラ12の燃焼量は、燃焼量記憶部106に記憶される(ステップSA2)。
第3ボイラ13が加熱状態である第3特定条件において、燃焼制御部105は、第3出口温度センサ33で検出された第3出口温度To3に基づいて、加熱状態の第3ボイラ13から送出される水の第3出口温度To3が規定温度Trになるように、第3ボイラ13の燃焼量を調整する。第3特定条件において第3出口温度To3を規定温度Trにするための第3ボイラ13の燃焼量が決定された後、その決定された第3ボイラ13の燃焼量は、燃焼量記憶部106に記憶される(ステップSA3)。
なお、ステップSA1の処理と、ステップSA2の処理と、ステップSA3の処理とが実施される順番は、任意であり、変更可能である。
第1ボイラ11が加熱状態である第1特定条件において、流量制御部104は、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaに基づいて、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差が小さくなるように、第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの開度を示す制御量を調整する。
例えば、第1特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも高い場合、流量制御部104は、第1特定条件において、流量Q1が多い又は流量Q2,Q3が少ないと判定する。流量制御部104は、第1特定条件において、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、例えば第1モータバルブ21を制御して流量Q1を少なくする。なお、流量制御部104は、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、第2モータバルブ22及び第3モータバルブ23の少なくとも一方を制御して、流量Q2及び流量Q3の少なくとも一方を多くしてもよい。
一方、第1特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも低い場合、流量制御部104は、第1特定条件において、流量Q1が少ない又は流量Q2,Q3が多いと判定する。流量制御部104は、第1特定条件において、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、例えば第1モータバルブ21を制御して流量Q1を多くする。なお、流量制御部104は、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、第2モータバルブ22及び第3モータバルブ23の少なくとも一方を制御して、流量Q2及び流量Q3の少なくとも一方を少なくしてもよい。
第1特定条件において供給温度Toaを目標温度Tsetにするための第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの制御量が決定された後、決定された第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの制御量は、制御量記憶部107に記憶される(ステップSA4)。
以下の説明においては、第1特定条件において供給温度Toaを目標温度Tsetにするために決定された第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの制御量を適宜、第1パターン制御量、と総称する。
第2ボイラ12が加熱状態である第2特定条件において、流量制御部104は、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaに基づいて、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差が小さくなるように、第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの開度を示す制御量を調整する。
例えば、第2特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも高い場合、流量制御部104は、第2特定条件において、流量Q2が多い又は流量Q1,Q3が少ないと判定する。流量制御部104は、第2特定条件において、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、例えば第2モータバルブ22を制御して、流量Q2を少なくする。なお、流量制御部104は、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、第1モータバルブ21及び第3モータバルブ23の少なくとも一方を制御して、流量Q1及び流量Q3の少なくとも一方を多くしてもよい。
一方、第2特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも低い場合、流量制御部104は、第2特定条件において、流量Q2が少ない又は流量Q1,Q3が多いと判定する。流量制御部104は、第2特定条件において、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、例えば第2モータバルブ22を制御して、流量Q2を多くする。なお、流量制御部104は、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、第1モータバルブ21及び第3モータバルブ23の少なくとも一方を制御して、流量Q1及び流量Q3の少なくとも一方を少なくしてもよい。
第2特定条件において供給温度Toaを目標温度Tsetにするための第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの制御量が決定された後、決定された第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの制御量は、制御量記憶部107に記憶される(ステップSA5)。
以下の説明においては、第2特定条件において供給温度Toaを目標温度Tsetにするために決定された第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの制御量を適宜、第2パターン制御量、と総称する。
第3ボイラ13が加熱状態である第3特定条件において、流量制御部104は、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaに基づいて、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差が小さくなるように、第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの開度を示す制御量を調整する。
例えば、第3特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも高い場合、流量制御部104は、第3特定条件において、流量Q3が多い又は流量Q1,Q2が少ないと判定する。流量制御部104は、第3特定条件において、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、例えば第3モータバルブ23を制御して、流量Q3を少なくする。なお、流量制御部104は、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、第1モータバルブ21及び第2モータバルブ22の少なくとも一方を制御して、流量Q1及び流量Q2の少なくとも一方を多くしてもよい。
一方、第3特定条件において、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaが目標温度Tsetよりも低い場合、流量制御部104は、第3特定条件において、流量Q3が少ない又は流量Q1,Q2が多いと判定する。流量制御部104は、第3特定条件において、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、例えば第3モータバルブ23を制御して、流量Q3を多くする。なお、流量制御部104は、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくするために、第1モータバルブ21及び第2モータバルブ22の少なくとも一方を制御して、流量Q1及び流量Q2の少なくとも一方を少なくしてもよい。
第3特定条件において供給温度Toaを目標温度Tsetにするための第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの制御量が決定された後、決定された第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの制御量は、制御量記憶部107に記憶される(ステップSA6)。
以下の説明においては、第3特定条件において供給温度Toaを目標温度Tsetにするために決定された第1,第2,第3モータバルブ21,22,23のそれぞれの制御量を適宜、第3パターン制御量、と総称する。
なお、ステップSA4の処理と、ステップSA5の処理と、ステップSA6の処理とが実施される順番は、任意であり、変更可能である。
ボイラ10の燃焼量を決定する処理及びモータバルブ20の制御量を決定する処理は、例えば定期的に実施される。決定されたボイラ10の燃焼量は、燃焼量記憶部106に記憶される。ボイラ10の燃焼量を決定する処理が実施されると、燃焼量記憶部106に記憶されているボイラ10の燃焼量は更新される。同様に、決定されたモータバルブ20の制御量は、制御量記憶部107に記憶される。モータバルブ20の制御量を決定する処理が実施されると、制御量記憶部107に記憶されているモータバルブ20の制御量は更新される。
次に、図5を参照しながら、決定されたボイラ10の燃焼量及びモータバルブ20の制御量に基づいて複数のボイラ10を台数制御する処理について説明する。図5に示す台数制御の処理は、所定の周期で実施される。
本実施形態において、台数制御装置100は、複数のボイラ10(11,12,13)の燃焼時間を均一化するために、複数のボイラ10を、第1特定条件、第2特定条件、及び第3特定条件のそれぞれに順次設定する。
燃焼制御部105は、複数のボイラ10を第1特定条件に設定するか否かを判定する(ステップSB1)。
ステップSB1において、第1特定条件に設定すると判定したとき(ステップSB1:Yes)、燃焼制御部105は、燃焼量記憶部106に記憶されている第1特定条件における燃焼量に基づいて、第1ボイラ11の燃焼量を制御する(ステップSB2)。
また、流量制御部104は、制御量記憶部107に記憶されている第1パターン制御量に基づいて、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差が小さくなるように、モータバルブ20(21,22,23)を制御する(ステップSB3)。
ステップSB3の処理の後、台数制御装置100は、ステップSB1の処理に戻る。
ステップSB1において、第1特定条件に設定しないと判定したとき(ステップSB1:No)、燃焼制御部105は、複数のボイラ10を第2特定条件に設定するか否かを判定する(ステップSB4)。
ステップSB4において、第2特定条件に設定すると判定したとき(ステップSB4:Yes)、燃焼制御部105は、燃焼量記憶部106に記憶されている第2特定条件における燃焼量に基づいて、第2ボイラ12の燃焼量を制御する(ステップSB5)。
また、流量制御部104は、制御量記憶部107に記憶されている第2パターン制御量に基づいて、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差が小さくなるように、モータバルブ20(21,22,23)を制御する(ステップSB6)。
ステップSB6の処理の後、台数制御装置100は、ステップSB1の処理に戻る。
ステップSB4において、第2特定条件に設定しないと判定したとき(ステップSB4:No)、燃焼制御部105は、複数のボイラ10を第3特定条件に設定するか否かを判定する(ステップSB7)。
ステップSB7において、第3特定条件に設定すると判定したとき(ステップSB7:Yes)、燃焼制御部105は、燃焼量記憶部106に記憶されている第3特定条件における燃焼量に基づいて、第3ボイラ13の燃焼量を制御する(ステップSB8)。
また、流量制御部104は、制御量記憶部107に記憶されている第3パターン制御量に基づいて、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差が小さくなるように、モータバルブ20(21,22,23)を制御する(ステップSB9)。
ステップSB9の処理の後、台数制御装置100は、ステップSB1の処理に戻る。
ステップSB7において、第3特定条件に設定しないと判定したとき(ステップSB7:No)、燃焼制御部105は、複数のボイラ10の運転を停止するか否かを判定する(ステップSB10)。
ステップSB10において、複数のボイラ10の運転を停止しないと判定したとき(ステップSB10:No)、台数制御装置100は、ステップSB1の処理に戻る。
ステップSB10において、複数のボイラ10の運転を停止すると判定されたとき(ステップSB10:Yes)、ボイラ10の運転が終了する。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、複数のボイラ10から送出され流体供給ライン3において合流した水の供給温度Toaが供給温度センサ6により検出され、1台のボイラ10が水を加熱する加熱状態であり他のボイラ10が水の加熱を停止する停止状態である特定条件において検出された供給温度Toaに基づいて、モータバルブ20が制御される。これにより、複数のボイラ10のそれぞれを流れる水の流量Qが不均等であり、運転するボイラ10が切り換えられても、供給温度Toaの温度は一定の温度に維持され、負荷2に供給される水の温度の変動を抑制することができる。
また、本実施形態においては、流量センサは使用されず、供給温度センサ6で検出された供給温度Toaに基づいて、モータバルブ20が制御される。流量センサは、温度センサと比較して高価である場合が多い。本実施形態においては、高価な流量センサを使用することなく、特定条件において供給温度センサ6で検出された供給温度Toaに基づいて、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差が小さくなるように、モータバルブ20を制御することができる。
また、本実施形態においては、複数のボイラ10を台数制御する処理の前に、複数のボイラ10(11,12,13)の出口温度To(To1,To2,To3)が規定温度Trになるように、複数のボイラ10のそれぞれの燃焼量を決定する処理が実施される。これにより、流量制御部104は、複数のボイラ10のそれぞれから送出される水の流量Q(Q1,Q2,Q3)を調整するだけで、目標温度Tsetと供給温度Toaとの差を小さくすることができる。
なお、上述の実施形態においては、3台のボイラ10が並列に設置されることとした。ボイラ10は複数台設定されていればよく、2台でもよいし、4台以上の任意の複数台でもよい。
なお、上述の実施形態においては、流調調整機構20がモータバルブであることとした。流量調整機構20は、ボイラ10から送出される単位時間当たりの水の流量を調整することができればよく、モータバルブに限定されない。
なお、上述の実施形態においては、流体加熱機が温水ボイラであることとした。流体加熱機は、水のような液体を加熱してもよいし、エアのような気体を加熱してもよい。流体加熱機は、温水ボイラでもよいし、熱媒ボイラでもよいし、吸収式冷凍機でもよい。