JP6881062B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、公共的施設,産業施設,住宅施設等の建築物で利用される燃料電池システムに関するものである。
都市ガス等の炭化水素燃料を原燃料とする燃料電池は、燃料のエネルギーが電気と熱に変換されるコジェネレーション装置である。燃料電池を公共的施設,産業施設,住宅施設等の建築物で分散電源として使用する場合には、電力負荷に応じた電主熱従運転が基本となる。燃料電池の効率(総合効率)は、発電効率と熱回収効率との合計によって決まる。そのため、発電に伴って発生するオフガス廃熱をうまく利用できなければ、総合効率の低下を招くことになる。
また、燃料電池は、原燃料の水蒸気改質反応によって水素ガスを生成し、その水素ガスをセルスタックに供給して発電している。この際、水蒸気改質反応に使用する改質水は、下記特許文献1に開示されるように、オフガス中の水分を凝縮させることにより確保される(水自立)。そのため、オフガスを露点温度以下に冷却し続けることができなければ、燃料電池の発電を継続することができない。
このように、燃料電池をコジェネレーション装置として成立させるためには、各種施設の様々な熱利用形態に合わせて、オフガス廃熱の熱利用と冷却を同時に確立する必要がある。
特許第5593948号公報(図5)
給湯用の建築設備として、貯湯式給湯設備や瞬間式給湯設備が知られている。貯湯式給湯設備は、貯湯タンク内の貯留水をヒートポンプ,電気ヒータ,ボイラ等の熱源機で沸き上げ、この湯をユースポイントに供給するものである。瞬間式給湯設備は、給水配管を流れる水をガス給湯器,電気温水器等の熱源機で沸き上げ、この湯をユースポイントに供給するものである。そして、このような既存の給湯設備が存在する施設において、後から燃料電池を設置したい場合がある。すなわち、既存の給湯設備を活用しながら、燃料電池の熱回収を可能にし、更には燃料電池の水自立を成立させたい場合がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、既存の設備環境を利用できる簡易な構成で、燃料電池の熱回収と水自立を両立させた燃料電池システムを提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、ユースポイントに向けて温水を取り出し可能な温水取出部を有し、温水を移送する温水移送ルートと;給水を燃料電池の廃熱以外を用いて加熱しながら、前記温水取出部よりも上流位置で前記温水移送ルートに供給する第一給水ルートと、建築設備として有する建築物で利用される燃料電池システムであって、前記建築物内に給電可能な燃料電池と、給水を前記燃料電池の廃熱を用いて加熱しながら、前記温水取出部よりも上流位置で前記温水移送ルートに供給する第二給水ルートと、前記第一給水ルートに設けられた第一圧力調節手段であって、前記温水取出部を介してユースポイントで出湯されると、前記第一圧力調節手段の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を第一設定圧力に維持するように前記温水移送ルートへの給水流量を制御する第一圧力調節手段と、前記第二給水ルートに設けられた第二圧力調節手段であって、前記温水取出部を介してユースポイントで出湯されると、前記第二圧力調節手段の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を第二設定圧力に維持するように前記温水移送ルートへの給水流量を制御する第二圧力調節手段と、を備え、前記第二圧力調節手段の第二設定圧力は、前記第一圧力調節手段の第一設定圧力よりも高いことを特徴とする燃料電池システムに関する。
また、別の観点による本発明の態様は、ユースポイントに向けて温水を取り出し可能な温水取出部を有し、温水を移送する温水移送ルートと;給水を燃料電池の廃熱以外を用いて加熱しながら、前記温水取出部よりも上流位置で前記温水移送ルートに供給する第一給水ルートと、建築設備として有する建築物で利用される燃料電池システムであって、前記建築物内に給電可能な燃料電池と、給水を前記燃料電池の廃熱を用いて加熱しながら、前記温水取出部よりも上流位置で前記温水移送ルートに供給する第二給水ルートと、前記第二給水ルートに設けられた圧力調節手段であって、前記温水取出部を介してユースポイントで出湯されると、前記圧力調節手段の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を設定圧力に維持するように前記温水移送ルートへの給水流量を制御する圧力調節手段と、を備え、前記圧力調節手段の設定圧力は、前記第一給水ルートから前記温水移送ルートへの給水圧力よりも高いことを特徴とする燃料電池システムに関する。
前記第一圧力調節手段および前記第二圧力調節手段は、それぞれ減圧弁であることが好ましい。
前記温水移送ルートは、(a)前記温水取出部への往路および前記温水取出部からの復路からなる循環路;または(b)前記温水取出部への往路のみからなる単管路で構成される。
前記燃料電池システムは、前記第一給水ルートに設けられた第一貯湯タンクと、前記第二給水ルートに設けられた第二貯湯タンクと、を備え、前記第一貯湯タンクの貯留水が前記燃料電池の廃熱以外を用いて加熱され、前記第二貯湯タンクの貯留水が前記燃料電池の廃熱を用いて加熱されることが好ましい。
前記燃料電池は、改質器、セルスタックおよびオフガス熱交換器を有し、前記オフガス熱交換器において、オフガスと冷却液との熱交換によりオフガスを露点温度以下に冷却して、オフガス中の水分を凝縮させ、その凝縮水を前記改質器に再供給し、前記改質器において、原燃料と前記凝縮水を水蒸気改質反応させることにより水素を含有する改質ガスを生成し、前記セルスタックにおいて、前記改質ガス中の水素と空気中の酸素を化学反応させて発電する。
また、前記燃料電池システムは、前記第二貯湯タンク内の貯留水を加熱する貯留水加熱用熱交換器と、前記オフガス熱交換器と前記貯留水加熱用熱交換器との間で、前記冷却液を循環させる循環液回路と、を備えることが好ましい。
前記燃料電池システムは、前記第二給水ルートに、第二流量調節手段が設けられており、前記第二貯湯タンクから前記温水移送ルートへの温水が設定温度を下回ると、前記第二流量調節手段の設定流量を減少させるか、ゼロにすることが好ましい。
また、前記燃料電池システムは、前記温水移送ルートには、前記第一給水ルートおよび前記第一貯湯タンクからなる温水供給系列が並列に複数接続されており、前記各温水供給系列においては、前記第一給水ルートに第一流量調節手段が設けられており、前記第一貯湯タンクから前記温水移送ルートへの温水が設定温度を下回ると、前記第一流量調節手段の設定流量を減少させるか、ゼロにすることが好ましい。
更に、前記燃料電池システムは、前記第一給水ルートと前記第二給水ルートとは、上流側において共通管路とされ、その共通管路に給水ポンプが設けられている。或いは、前記燃料電池システムは、前記第一給水ルートおよび前記第二給水ルートは、それぞれの上流側において給水ポンプが設けられていると共に、前記給水ポンプの吸込側で給水タンクと接続されている。
前記燃料電池は、例えば、固体酸化物形の燃料電池である。
本発明によれば、既存の設備環境を利用できる簡易な構成で、燃料電池の熱回収と水自立を両立させた燃料電池システムを実現することができる。
本発明の第1実施例の燃料電池システムを示す概略図である。
[第1実施例]
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施例の燃料電池システム1を示す概略図である。
本実施例の燃料電池システム1は、公共的施設,産業施設,住宅施設等の建築物における建築設備の一部として利用される。建築設備とは、人が生活を営むうえで必要になる様々な機能を果たすために、建築物に一体化されて機能する機器および装置をいう。建築設備には、建築基準法第2条第3号に定義されている設備等のほか、建築物利用者のニーズに応じた各種設備(例えば、ボイラ設備や通信設備など)を含み得る。
本実施例の建築物は、建築設備として、ユースポイントで消費する温水を移送する温水移送ルート2と、給水を温水移送ルート2に供給する第一給水ルート23と、建築物内に給電可能な燃料電池3と、給水を温水移送ルート2に供給する第二給水ルート24と、第一給水ルート23に設けられた第一圧力調節手段8と、第二給水ルート24に設けられた第二圧力調節手段9と、を備える。そして、これらの建築設備のうち、燃料電池3、第二給水ルート24、第一圧力調節手段8および第二圧力調節手段9が燃料電池システム1の主要部を構成している。
温水移送ルート2は、(a)温水取出部10への往路2aおよび温水取出部10からの復路2bからなる循環路、または(b)温水取出部10への往路2aのみからなる単管路で構成される。温水移送ルート2は、ユースポイントに向けて温水を取り出し可能な複数の温水取出部10を有している。ここで、温水移送ルート2が循環路とされるのは、例えば、温水移送ルート2が敷設される建築物が中層建築物(3〜5階層)や高層建築物(6階層以上)の場合である。一方、温水移送ルート2が単管路とされるのは、例えば、温水移送ルート2が敷設される建築物が低層建築物(1〜2階層)の場合である。以下、循環路および単管路の具体的構成について詳しく説明する。
〔循環路の構成〕
温水移送ルート2が循環路の場合、図1に示すように、循環ポンプ11により往路2aと復路2bの間で温水を循環させながら、温水取出部10から温水を取り出す。循環路では、第一給水ルート23(後述)および第二給水ルート24(後述)の給水位置のうち、温水の循環方向の最上流に位置する給水位置が往路2aの始点(かつ復路2bの終点)となり、複数の温水取出部10のうち、温水の循環方向の最下流に位置する温水取出部10が往路2aの終点(かつ復路2bの始点)となる。ユースポイントで出湯されている時の状態で見ると、往路2aの始点は、温水取出部10から戻ってくる温水に対して最初に給水が入る位置である。一方、往路2aの終点は、複数の温水取出部10のうちで最後に温水が出ていく位置である。
放熱により温度低下した温水が循環路内に滞留するのを防止するため、循環ポンプ11は、連続運転させるのが好ましい。また、循環ポンプ11を所定のインターバルで断続運転させる場合には、循環ポンプ停止中の出湯を検知(例えば、出湯に伴う循環路内の圧力低下を検知)して作動させてもよい。
また、往路2aと復路2bのいずれかに、追い焚き用の加温装置12を設けるのが好ましい。加温装置12は、循環温水が温度低下しないように加温する装置であり、加温方式を特に問わないが、例えば、燃焼バーナ(ガス給湯器,石油給湯器)や電気ヒータ(電気給湯器)が使用される。循環路内の温水温度に基づき加温装置12を制御することで、循環路内の温水温度を目標温度に維持することができる。これにより、温水取出部10において、所要温度の温水を取り出すことができる。
温水移送ルート2が循環路の場合、更に膨張タンク(図示省略)を設けるのが好ましい。膨張タンクは、周知のとおり、循環路内の循環温水の体積変化を吸収する装置であり、循環温水を大気開放する開放式でもよいし、大気開放することなく循環温水の体積変化を吸収する機構を内蔵した密閉式でもよい。循環路に膨張タンクを設けることで、循環温水の温度変化に伴う体積変化を、膨張タンクで吸収することができる。
〔単管路の構成〕
一方、温水移送ルート2が単管路の場合、往路2aを流通する温水をそのまま温水取出部10から取り出す。単管路では、第一給水ルート23(後述)および第二給水ルート24(後述)の給水位置のうち、温水の流通方向の最上流に位置する給水位置が往路2aの始点となり、複数の温水取出部10のうち、温水の流通方向の最下流に位置する温水取出部10が往路2aの終点となる。なお、単管路では、当然ながら復路2bは存在しない。
往路2aには、必要に応じて追い焚き用の加温装置12を設けるのがよい。往路2aに加温装置12を設けることで、第一給水ルート23(後述)または第二給水ルート24(後述)から供給される温水温度が目標温度に足りなくても、再加温して温水温度を高めることができる。これにより、温水取出部10において、安定した温度の温水を取り出すことができる。
〔循環路および単管路に共通する構成〕
温水移送ルート2に設けた複数の温水取出部10からは、温水分配用の枝管を介して種々のユースポイントへ出湯可能とされる。すなわち、ユースポイントの出湯口が開放されると、その出湯口から外部へ出湯することができる。ユースポイントは、特に問わないが、例えば、厨房,洗面所,バスルーム,シャワールーム等である。なお、ユースポイントの出湯口は、湯水混合栓とされていることが多い。湯水混合栓には、温水取出部10からの温水と、給水タンク7(後述)からの給水配管を介した冷水(常温水)とが供給可能とされ、その混合割合を調整することで所望温度の温水を出湯可能になっている。
温水移送ルート2には、温水取出部10よりも上流位置(すなわち、温水の循環方向または流通方向の最上流に位置する温水取出部10よりも更に上流側の往路2a)に第一給水ルート23が接続される。第一給水ルート23は、給水を燃料電池3(後述)の廃熱以外を用いて加熱しながら、温水水移送ルート2に供給可能に構成されている。第一給水ルート23での温水製造は、瞬間式と貯湯式のうち、いずれかの方式が採用される。
瞬間式の温水製造の場合、第一給水ルート23を流通する給水を加熱しながら温水を供給する。第一給水ルート23を流通する給水を加熱する熱源機は、加熱方式を特に問わないが、例えば、燃焼バーナ(ガス給湯器,石油給湯器)や電気ヒータ(電気給湯器)が用いられる。一方、貯湯式の温水製造の場合、第一給水ルート23の途中に第一貯湯タンク4を設置し、この第一貯湯タンク4内の貯留水を加熱する。第一貯湯タンク4内の貯留水を加熱する熱源機は、加熱方式を特に問わないが、例えば、ヒートポンプ,蒸気ボイラ,温水ヒータ,太陽熱温水器等が用いられる。これら以外にも、発電用ガスエンジンの排ガス廃熱やジャケット廃熱のほか、各種の廃熱を利用して貯留水を加熱することもできる。
本実施例では、第一給水ルート23で貯湯式の温水製造がなされるようになっている。具体的には、第一給水ルート23は、図1に示すように、第一給水路23aと第一温水路23bとからなり、第一貯湯タンク4のには、給水源からの第一給水路23aが接続されると共に、温水移送ルート2への第一温水路23bが接続される。そして、蒸気圧縮式のヒートポンプ5を熱源機として、第一貯湯タンク4の貯留水が加熱される。なお、貯湯タンク内では貯留水の加熱により温度成層ができるので、第一貯湯タンク4の底部に第一給水路23aが接続され、第一貯湯タンク4の頂部に第一温水路23bが接続される。
第一貯湯タンク4は、本実施例では、密閉型タンク(つまり大気開放されないタンク)とされる。そのため、第一貯湯タンク4内は温水で満たされており、第一温水路23bを介して温水移送ルート2へ出湯されると、その出湯分と同量の水が、第一給水路23aを介して第一貯湯タンク6に給水される。後述するように、出湯流量の変動に伴って、第一給水ルート23から温水移送ルート2への給水流量は、第一圧力調節手段8により増減される。
蒸気圧縮式のヒートポンプ5は、周知のとおり、冷媒圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が順次環状に接続されて構成され、冷媒を循環させる。そして、蒸発器において、熱源流体(例えば、大気)から熱を汲み上げ、凝縮器において、貯湯タンク内の貯留水を加熱する。そのため、図示例では、凝縮器5aは、第一貯湯タンク4内に収容されており、冷媒と貯留水とを熱交換する。
温水移送ルート2には、前述の第一給水ルート23に加えて、温水取出部10よりも上流位置(すなわち、温水の循環方向または流通方向の最上流に位置する温水取出部10よりも更に上流側の往路2a)に第二給水ルート24が接続される。第二給水ルート24は、給水を燃料電池3(後述)のオフガス廃熱を用いて加熱しながら、温水水移送ルート2に供給可能に構成されている。第二給水ルート24での温水製造は、瞬間式と貯湯式のうち、いずれかの方式が採用される。
瞬間式の温水製造の場合、第二給水ルート24を流通する給水を加熱しながら温水を供給する。第二給水ルート24を流通する給水を燃料電池3(後述)のオフガス廃熱を用いて加熱するには、例えば、第二給水ルート24上に給水加熱用熱交換器を設け、この給水加熱用熱交換器とオフガス熱交換器14(後述)の間で冷却液を循環させる。つまり、オフガス熱交換器14でオフガスと冷却水とを熱交換させながら、給水加熱用熱交換器で冷却水と給水とを熱交換させて温水を製造する。一方、貯湯式の温水製造の場合、第二給水ルート24の途中に第二貯湯タンク6を設置し、この第二貯湯タンク6内の貯留水を加熱する。第二貯湯タンク6内の貯留水を燃料電池3(後述)のオフガス廃熱を用いて加熱する手段については後述する。
本実施例では、第二給水ルート24で貯湯式の温水製造がなされるようになっている。具体的には、第二給水ルート24は、図1に示すように、第二給水路24aと第二温水路24bとからなり、第二貯湯タンク6には、給水源からの第二給水路24aが接続されると共に、温水移送ルート2への第二温水路24bが接続される。なお、貯湯タンク内では貯留水の加熱により温度成層ができるので、第二貯湯タンク6の底部に第二給水路24aが接続され、第二貯湯タンク6の頂部に第一温水路24bが接続される。
第二貯湯タンク6は、第一貯湯タンク4と同様に、本実施例では、密閉型タンクとされる。そのため、第二貯湯タンク6内は温水で満たされており、第二温水路24bを介して温水移送ルート2へ出湯されると、その出湯分と同量の水が、第二給水路24aを介して第二貯湯タンク6に給水される。後述するように、出湯流量の変動に伴って、第二給水ルート24から温水移送ルート2への給水流量は、第二圧力調節手段9により増減される。
前述のとおり、温水移送ルート2には、第一給水ルート23と第二給水ルート24とが独立して接続されることにより、温水移送ルート2に対して2つの給水ルートで製造された温水が並列に供給されるようになっている。ここで、2本の給水ルート23,24のうち、いずれの給水ルートの接続点が温水移送ルート2の流れ方向の上流側に位置していてもよい。本実施例では、図1に示すように、第一給水ルート23の接続点が循環方向の上流側に位置し、第二給水ルート24の接続点が循環方向の下流側に位置している。
第一給水ルート23と第二給水ルート24の各給水源は、異なってもよいが、典型的には同一である。本実施例では、給水タンク7が、各給水ルート23,24への共通の給水源とされる。そして、図示例では、第一給水ルート23と第二給水ルート24とは、上流側において共通管路27とされ、その共通管路27に給水ポンプ28が設けられている。共通管路27を形成しない場合には、第一給水ルート23と第二給水ルート24は、それぞれの上流側において給水ポンプ28が設けられると共に、給水ポンプ28の吸込側で給水タンク7と接続される。給水タンク7には、給水配管を介して、水道水が供給され貯留される。本実施例では、定水位弁(ボールタップ)を用いて、給水タンク7への給水が制御され、給水タンク7内は所定水位に維持される。
ここで、給水タンク7への補給水は、常温の水道水である。そのため、給水タンク7内の貯留水の水温は、季節変動するものの、通常5〜30℃程度である。つまり、給水タンク7には、燃料電池8のオフガスの露点温度(例えば、40℃)以下の水が貯留されることになる。後述するように、給水タンク7の貯留水は、第二貯湯タンク6でオフガスの冷却用熱源として利用される。燃料電池3の水自立とは、オフガスの冷却により生成させた凝縮水を燃料電池3で再利用するものであるため、給水タンク7への補給水の温度は、燃料電池3の水自立の成否と密接に関係している。
給水ポンプ28は、典型的には、各貯湯タンク4,6への給水必要時にのみ作動するよう制御される。例えば、給水ポンプ28は、吐出側の給水圧力を所定圧力に維持するように、オンオフ制御またはインバータ制御される。この場合、各貯湯タンク4,6から温水移送ルート2への出湯がなされると、給水ポンプ28の吐出側の給水圧力が下降するので、それを圧力検出手段(圧力スイッチまたは圧力センサ)で検出して給水ポンプ28を駆動させる。そして、各貯湯タンク4,6から温水移送ルート2への出湯がなくなると、給水ポンプ28の吐出側の圧力が上昇するので、それを圧力検出手段(圧力スイッチまたは圧力センサ)で検出して給水ポンプ28を停止させる。なお、第一給水ルート23と第二給水ルート24のそれぞれに給水ポンプ28を設ける場合には、各給水ポンプ28の運転圧力(起動圧力値〜停止圧力値のディファレンシャル)は、同一設定にするのが望ましい。
第一給水ルート23(第一給水路23aまたは第一温水路23b)には、第一圧力調節手段8が設けられる。第一圧力調節手段8は、温水取出部10を介してユースポイントで出湯されると、第一圧力調節手段8の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を第一設定圧力に維持するように温水移送ルート2への給水流量を制御する。本実施例では、第一圧力調節手段8は、第一温水路23bに設けられた第一減圧弁29(二次圧力調整弁)とされている。第一減圧弁29は、二次側圧力(出口側つまり温水移送ルート2側の圧力)を第一設定圧力に維持するように、自力で機械的に弁開度(すなわち、弁部の開口面積)が調整される。例えば、第一減圧弁29は、二次側圧力が第一設定圧力未満になると弁開度を増すように作動する一方、二次側圧力が第一設定圧力以上になると弁開度を減らすように作動する。なお、第一減圧弁29は、直動式とパイロット式のうち、いずれのタイプであってもよい。
第二給水ルート24(第二給水路24aまたは第二温水路24b)には、第二圧力調節手段9が設けられる。第二圧力調節手段9は、温水取出部10を介してユースポイントで出湯されると、第二圧力調節手段9の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を第二設定圧力に維持するように温水移送ルート2への給水流量を制御する。本実施例では、第二圧力調節手段9は、第二温水路24bに設けられた第二減圧弁30(二次圧力調整弁)とされている。第二減圧弁30は、二次側圧力(出口側つまり温水移送ルート2側の圧力)を第二設定圧力に維持するように、自力で機械的に弁開度(すなわち、弁部の開口面積)が調整される。例えば、第二減圧弁30は、二次側圧力が第二設定圧力未満になると弁開度を増すように作動する一方、二次側圧力が第二設定圧力以上になると弁開度を減らすように作動する。なお、第二減圧弁30は、直動式とパイロット式のうち、いずれのタイプであってもよい。
第二貯湯タンク6内の貯留水を第一貯湯タンク4内の貯留水よりも優先して温水移送ルート2へ供給するため、第二圧力調節手段9(第二減圧弁30)の第二設定圧力は、第一圧力調節手段8(第一減圧弁29)の第一設定圧力よりも高く設定されている。第一圧力調節手段8および第二圧力調節手段9の具体的な作用については後述する。
なお、前述した給水ポンプ28は、吐出側の給水圧力の昇降(すなわち、第一圧力調節手段8および第二圧力調節手段9の二次側圧力の昇降)に応じて作動するので、本実施例では、給水ポンプ28も第一圧力調節手段8および第二圧力調節手段9の一部として機能する。ただし、共通管路27が有圧の水道配管等に直結されている場合には、給水ポンプ28の設置は必ずしも必要ないので、第一減圧弁29が専ら第一圧力調節手段8として機能し、第二減圧弁30が専ら第二圧力調節手段9として機能する。
〔燃料電池および周辺機器の構成〕
さて、第二貯湯タンク6内の貯留水は、燃料電池3のオフガス廃熱を用いて加熱可能とされる。そのために、本実施例では、燃料電池3のオフガスとその冷却液とを熱交換するオフガス熱交換器14と、このオフガス熱交換器14で加熱された冷却液で第二貯湯タンク4内の貯留水を加熱する貯留水加熱用熱交換器15と、オフガス熱交換器14と貯留水加熱用熱交換器15との間で冷却液を循環させる循環液回路16とを備える。循環液回路16を循環する冷却液は、ここでは水であるが、その他の液体(例えば、エチレングリコールなどを主成分とする不凍液)であってもよい。
燃料電池3は、オフガス熱交換器14の他、燃料電池本体(図示せず)、パワーコンディショナ(図示せず)および各種の補機(図示せず)などを備える。燃料電池本体は、改質器(図示せず)およびセルスタック(図示せず)などを備える。具体的には、燃料電池本体は、発電に使用する主要機器を断熱容器に収容した発電モジュールとして構成されており、主要機器には、(I)蒸発部、混合部及び改質部を有する改質器;(II)複数の発電セルよりなるセルスタック;(III)アノードオフガスとカソードオフガスを燃焼させる燃焼器;(IV)燃焼オフガスとアノード空気を熱交換させる空気予熱器などが含まれる。
燃料電池本体には、ガス管13からの原燃料(都市ガス)が供給されると共に、空気および水(改質水)が供給される。そして、原燃料(メタンガスを主成分とする都市ガス)と水(水蒸気)とを改質器において水蒸気改質反応させることにより水素を含有する改質ガスを生成し、改質ガス中の水素と空気中の酸素とをセルスタックにおいて化学反応させて発電する。セルスタックでは、発電に伴ってアノードオフガスおよびカソードオフガスが生成されるが、これらのガスは、燃焼器に供給されたのち、燃焼オフガスとなって排出される。この燃焼オフガスは、セルスタックの前段に配置された空気予熱器に通され、カソード空気の予熱に利用される。
セルスタックの電池出力は、パワーコンディショナで調整された後に、建築物内に給電される。パワーコンディショナは、セルスタックから出力された直流電圧を昇圧するDC/DCコンバータ(昇圧回路)と、DC/DCコンバータで昇圧された直流電圧を系統電源と同期の取れた交流電圧に変換する系統連系インバータ(電圧変換回路)と、セルスタックの出力電流を制御する出力電流制御部(出力制御回路)と、を有している。系統連系インバータは、建築物内に設置された商用電力系統の配電盤と電気的に接続されている。系統連系インバータと配電盤とは、系統連系用のスイッチを介して並列・解列を切換可能である。配電盤には、系統電源及び複数の分電盤が電気的に接続されている。分電盤には、建築物の各階で使用する照明器具,動力装置,コンセント等の負荷機器が電気的に接続されている。
燃料電池本体の種類は、特に問わないが、好適には固体酸化物形(SOFC)とされる。SOFCは、高温型の動作温度が650〜800℃、中温型の動作温度が450〜650℃と高いため、セルスタック保護の観点から、起動・昇温後は停止させることなく、電主熱従運転させるのが基本である。そのため、発生し続けるオフガス廃熱の回収を可能とすることで、高い総合効率を維持することができる。但し、SOFC(固体酸化物形)はPAFC(リン酸形)やPEFC(固体高分子形)に比べて発電効率が高い分、同じ発電出力で比較するとオフガス廃熱量が少なく、単独では建築物の温水需要には応えられないおそれがある。ところが、第一給水ルート23でヒートポンプ5を用いて製造した温水と、第二給水ルート24で燃料電池3のオフガス廃熱を用いて製造した温水とを並列に供給するように構成することで、建築物の電力需要と温水需要を同時に満足する熱電併給システムを構築することができる。
オフガス熱交換器14は、燃料電池本体からのオフガスとその冷却液とを混ぜることなく熱交換する間接熱交換器である。そのために、オフガス熱交換器14には、燃料電池本体からのオフガスが通されると共に、循環液回路16の循環液がオフガスの冷却液として通される。これにより、オフガス熱交換器14において、オフガスは循環冷却液により冷却され、オフガス中の水分(水蒸気)の凝縮が図られる。一方、循環液回路16の循環冷却液は、オフガス熱交換器14において、オフガスと熱交換することで加熱される。
オフガス熱交換器14での熱交換の対象となるオフガスは、燃料電池本体で発生する水蒸気を含むオフガスである。具体的には、(i)セルスタックのアノード側から排出されるアノードオフガス;(ii)セルスタックのカソード側から排出されるカソードオフガス;(iii)燃焼器から排出される燃焼オフガスから選ばれた一種以上を熱交換の対象とすることができる。オフガス熱交換器14に通されるオフガスは、空気予熱器等で部分的に熱回収された後の状態であってもよい。
SOFCセルスタックのアノード側では、水素と酸素の化学反応が起こるので、アノードオフガスには水蒸気が含まれる。SOFCセルスタックのカソード側に供給される空気には大気の水蒸気が含まれるので、カソードオフガスにも水蒸気が含まれる。燃焼オフガスには、アノードオフガスおよびカソードオフガスに由来する水蒸気のほか、アノードオフガス中の残留水素とカソードオフガス中の残留酸素の燃焼反応によって生成した水蒸気が含まれる。そのため、いずれのオフガスを熱交換の対象とした場合でも、露点温度以下に冷却することで凝縮水を得ることができる。
オフガス熱交換器14からのオフガスの出口側には、セパレータタンク(図示せず)が設けられており、オフガス熱交換器14に通されたオフガスの気液分離が図られる。そして、気液分離後の凝縮水は、燃料電池本体への改質水として燃料電池本体の改質器へ再供給可能とされる。これにより、燃料電池3は、外部からの補給水なしで発電を継続できる水自立運転が可能になっている。なお、気液分離後のアノードオフガスおよびカソードオフガスは燃焼器に供給され、気液分離後の燃焼オフガスは外部に排出される。
燃料電池3の水自立運転において、改質器では、蒸発部で改質水としての凝縮水が気化された後、混合部で原燃料と水蒸気が混合される。そして、この混合ガスが改質部の触媒層に供給されて、水素を含有する改質ガスが生成される。改質部で得られた改質ガスは、アノード燃料としてセルスタックのアノード側に送られる。
また、オフガス熱交換器14は、その構造や流体の流し方を工夫することにより、オフガスの気液分離をセパレータタンクではなく、オフガス熱交換器14内で行うようにすることもできる。その場合、オフガス熱交換器14からのオフガスの出口側に、排気用の分岐ラインを接続する。
貯留水加熱用熱交換器15は、第二貯湯タンク6内に配置され、第二貯湯タンク6内の貯留水とオフガス熱交換器14からの循環冷却液とを混ぜることなく熱交換する間接熱交換器(例えば、伝熱コイル)である。貯留水加熱用熱交換器15は、第二貯湯タンク6の内部領域のうち、少なくとも給水タンク7からの常温水が流入する下層領域(例えば、底部から30〜50%の高さ領域)を加熱可能に配置される。これにより、貯留水加熱用熱交換器15において、第二貯湯タンク6内の貯留水が加熱される一方、循環液回路16の循環冷却液は冷却される。
循環液回路16は、オフガス熱交換器14と貯留水加熱用熱交換器15との間で、冷却液を循環させる。具体的には、貯留水加熱用熱交換器15からオフガス熱交換器14へは、冷却液送り路16aAを介して冷却液が供給され、オフガス熱交換器14から貯留水加熱用熱交換器15へは、冷却液戻し路16bを介して冷却液が戻される。そして、冷却液送り路16a(または冷却液戻し路16b)に設けた循環ポンプ17を作動させることで、オフガス熱交換器14と貯留水加熱用熱交換器15との間で冷却液を循環させることができる。
本実施例では、冷却液送り路16aには、貯留水加熱用熱交換器15からオフガス熱交換器14へ向けて順に、ラジエータ18および循環ポンプ17が設けられている。なお、循環ポンプ17は、冷却液送り路16aに設けられる代わりに、冷却液戻し路16bに設けられてもよい。
ラジエータ18は、オフガス熱交換器14への冷却液とファン19による通風との熱交換器である。所望時にラジエータ18のファン19を作動させることで、オフガス熱交換器14へ供給する冷却液を、外気で冷却することができる。例えば、貯湯タンク4でオフガス廃熱の熱回収が十分にできない場合に、ラジエータ18の冷却作用によってオフガス熱交換器14への冷却液温度をオフガスの露点温度以下にすることで、オフガス熱交換器14においてオフガス中の水分を凝縮させ、燃料電池3の水自立を図ることができる。
ラジエータ18は、好ましくは、通風量を調整可能とされる。本実施例では、ファン19のモータの駆動周波数ひいては回転数をインバータで制御することで、ラジエータ18の通風量を調整可能とされる。他の手段としては、冷却液送り路16aに複数台のラジエータ18を配置しておき、その稼動台数を制御することで、通風量を調整することもできる。
循環液回路16には、冷却液の循環流量調整手段を設けるのが好ましい。本実施例では、循環流量調整手段として、流量調整弁21が、オフガス熱交換器14から貯留水加熱用熱交換器15への冷却液戻し路16bに設けられる。循環ポンプ17の作動中、流量調整弁21の開度を調整することで、循環液回路16内の循環流量を調整することができる。なお、流量調整弁21は、本実施例では、オフガス熱交換器14から貯留水加熱用熱交換器15への冷却液戻し路16bに設けられるが、場合により、貯留水加熱用熱交換器15からオフガス熱交換器14への冷却液送り路16aAに設けられてもよい。また、循環流量調整手段は、循環ポンプ17の駆動周波数ひいては回転数を変更するためのインバータから構成されてもよい。つまり、流量調整弁21の設置と制御に替えて、循環ポンプ17をインバータ制御することで、循環液回路16内の循環流量を調整してもよい。
冷却液送り路16aには、ラジエータ18の出口側に第一温度センサ20が設けられる一方、冷却液戻し路16bには、第二温度センサ22が設けられる。第一温度センサ20は、オフガス熱交換器14の入口側の冷却液の温度を検出し、第二温度センサ22は、オフガス熱交換器14の出口側の冷却液の温度を検出する。
燃料電池3の稼働時、循環ポンプ17を作動させる。これにより、オフガス熱交換器14と貯留水加熱用熱交換器15との間で冷却液が循環される。オフガス熱交換器14において、燃料電池本体からのオフガスが冷却される一方、貯留水加熱用熱交換器15への冷却液が加熱される。一方、貯留水加熱用熱交換器15において、オフガス熱交換器14からの冷却液で、第二貯湯タンク6内の貯留水が加熱される。このようにして、燃料電池3のオフガス廃熱を第二貯留タンク6内の貯留水の加熱に用いて、熱回収することができる。
循環ポンプ17の作動中、第一温度センサ20の検出温度を第一目標温度(例えば、40℃)に維持するように、ファン19のモータがインバータ制御される。これにより、冷却液の温度が上昇し過ぎるのを防止して、水自立を確実に図ることができる。すなわち、オフガス熱交換器14においてオフガスを露点温度以下に冷却して、オフガス中の水分を凝縮させ、その凝縮水を改質器へ再供給することができる。
循環ポンプ17の作動中、第二温度センサ22の検出温度を第二目標温度(例えば、60〜75℃)に維持するように、流量調整弁21の開度が調整される。これにより、貯留水加熱用熱交換器15へ供給する循環液温度を所定温度に維持して、第二貯湯タンク6内の貯留水を所望温度に加熱することができる。
次に、本実施例の燃料電池システム1の作用(運転)について、説明する。
本実施例では、前述したとおり、各貯湯タンク4,6は密閉型タンクである。従って、給水ポンプ28を作動させると、各貯湯タンク4,6の他、各給水ルート23,24、および温水移送ルート2は、水で満たされる。
燃料電池3は、系統連系しながら常時発電する電主熱従運転を行っており、建築物内の電力需要に合わせて、燃料電池3の発電出力(セルスタックの電池出力をパワーコンディショナで調整した出力)が調整される。すなわち、燃料電池3をベースロード電源として使用しつつ、系統電源をピークロード電源として使用している。燃料電池3の運転に伴い、オフガス熱交換器14と貯留水加熱用熱交換器15との間の循環液回路16の循環ポンプ17が作動する。また、第一温度センサ20の検出温度を第一目標温度に維持するように、ファン19のモータをインバータ制御すると共に、第二温度センサ22の検出温度を第二目標温度に維持するように、流量調整弁21の開度を自動制御するのは前述したとおりである。これにより、オフガス熱交換器14において、オフガスを露点温度以下に冷却して、確実で安定した水自立を図ることができる。また、貯留水加熱用熱交換器15において、第二貯湯タンク6内の貯留水を、所定温度(第二目標温度)の循環冷却液で加熱することができる。
貯留水加熱用熱交換器15での熱交換により、第二貯湯タンク4内の貯留水は最大、第二目標温度まで加熱されることになる。この第二目標温度は、加温装置12の加温設定温度(循環路で維持する温水の目標温度)と同一かそれよりも低い温度とされる。
一方、第一貯湯タンク4内の貯留水は、ヒートポンプ5により加熱される。この際、所定温度(典型的には第二貯湯タンク6の貯留水の加熱目標温度と同じ)を目標値として、第一貯湯タンク4内の貯留水は加熱される。
また、循環ポンプ11の駆動により温水移送ルート2内に温水が循環される。この温水は、加温装置12により目標温度に維持される。なお、循環温水のレジオネラ汚染防止など衛生上の観点からは、加温装置12による加温時の設定温度を60℃以上にしておくのが望ましい。
さて、ユースポイントで出湯されると、出湯流量に応じて温水取出部10の圧力が降下する。出湯に伴い、給水ポンプ28は、降下する吐出側の給水圧力を所定圧力に維持するように駆動される。ここで、前述したように、第一圧力調節手段8は、第一圧力調節手段8の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を第一設定圧力に維持するように温水移送ルート2への給水流量を制御する。また、第二圧力調節手段9は、第二圧力調節手段9の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を第二設定圧力に維持するように温水移送ルート2への給水流量を制御する。そして、第二圧力調節手段9の第二設定圧力は、第一圧力調節手段8の第一設定圧力よりも高く設定されている。つまり、温水移送ルート2への並列給水時において、第二温水路24bからの給水圧力(第二設定圧力)>第一温水路23bからの給水圧力(第一設定圧力)>温水取出部10の圧力、の関係が維持されるように、各給水ルート23,24からの給水圧力を調整している。従って、ユースポイントでの出湯時に第二圧力調節手段30で制御される第二給水ルート24からの給水流量は、第一圧力調節手段8で制御される第一給水ルート23からの給水流量よりも常に多くなる。これにより、第二貯湯タンク6内の貯留水を第一貯湯タンク6内の貯留水よりも優先して温水移送ルート2へ供給することができる。
上述したように、本実施例では、第二貯湯タンク6では、燃料電池3のオフガス廃熱を貯留水の加熱に用いて熱回収することで、第二貯湯タンク6内の貯留水を加熱しながらオフガスの冷却を可能にしている。この作用を実現する燃料電池システム1の運転状態は、オフガスの冷却用熱源の状態や建築物内での温水需要の影響を受け、次に述べる(a)〜(c)のケースに分けることができる。
(a)夏場以外で、給水タンク7に滞留中の貯留水、すなわちオフガスの冷却用熱源がオフガスの露点温度を超えない場合、第二貯湯タンク6での熱回収のみでオフガスを露点以下に冷却できる。この場合、循環液回路16では、ラジエータ18のファン19を停止しておけばよい。
(b)夏場で、給水タンク7に滞留中の貯留水、すなわちオフガスの冷却用熱源がオフガスの露点温度を超える場合、第二貯湯タンク6での熱回収と、ラジエータ18での放熱とにより、オフガスを露点以下に冷却する。但し、夏場であってもユースポイントで温水需要が十分にある場合には、給水タンク7の貯留水は頻繁に入れ替わるため、給水タンク7内の貯留水(ひいては第二貯湯タンク6への給水)がオフガスの露点温度以下になれば、ラジエータ18のファン19を停止させればよい。それにより、温水移送ルート2への補給水の冷熱利用による水自立を成立させつつ、熱回収効率を高めることができる。
(c)ユースポイントでの温水需要が少ない場合には、給水タンク7の水温とは無関係に十分な熱回収ができないので、ラジエータ18のファン19を作動させて、外気への放熱によりオフガスを露点以下に冷却して水自立を成立させることになる。
以上説明したように、本実施例の燃料電池システム1は、燃料電池3のオフガス廃熱の熱回収によって、第二貯湯タンク6で製造した温水を優先利用するように構成しているので、燃料電池3をコジェネレーション装置として活用することができると共に、燃料電池3の総合効率(=発電効率+熱回収効率)を高めることができる。また、第二貯湯タンク6で製造した温水の優先利用によりオフガスを露点温度以下に冷却し続けるので、燃料改質用の凝縮水を連続して得ることができる。その結果、燃料電池3の水自立運転が達成される。また、本実施例の燃料電池システム1が設置される建築物では、温水移送ルート2、第一給水ルート23、ヒートポンプ5および第一貯湯タンク4として、既存建築設備を利用することもでき、その既存建築設備に、燃料電池3、第二給水ルート24、第一圧力調節手段8、第二圧力調節手段9および第二貯湯タンク6からなる燃料電池システム1を新設することで実現が容易である。
ところで、第二貯湯タンク6内の貯留水が温水移送ルート2へ供給されると、それに伴い、第二貯湯タンク6には同量の水が、給水タンク7から供給される。従って、第二貯湯タンク6から温水移送ルート2への給水流量(言い換えればユースポイントの温水需要量)や、燃料電池3からの廃熱発生状況(言い換えれば建築物内の電力需要量)によっては、第二貯湯タンク6内の貯留水を所定温度に維持できず、第二貯湯タンク6内の貯留水の温度は徐々に低下する。あまりに低温の水を温水移送ルート2へ供給することは好ましくない場合があるので、その場合には、第二貯湯タンク6からの出湯を抑制するか停止して、第一貯湯タンク4からの出湯に切り替えるのが好ましい。そのために、本実施例では、次のように構成される。
すなわち、第二給水ルート24(第二給水路24aまたは第二温水路24b)に、第二流量調節手段31を設けておき、第二貯湯タンク4から温水移送ルート2への温水が設定温度を下回ると、第二流量調節手段31の設定流量(つまり温水移送ルート2への給水流量)を減少させるか、ゼロにすればよい。本実施例では、第二温水路24bの内、第二減圧弁30よりも上流側に第二電動弁32を設けておき、第二電動弁32の一次側(入口側つまり第二貯湯タンク4側)には第二水温センサ33が設けられる。そして、第二水温センサ33の検出温度が設定温度を下回ると、第二電動弁32の開度を絞るか閉鎖すればよい。この際、第二電動弁32の開度を閉鎖せずに所定開度まで絞る構成とすれば、第二温水路23bの通水をある程度維持して、第二貯湯タンク6内の水温を検出しやすい。
なお、並列出湯から第一貯湯タンク4のみの単独出湯への切り替えは、燃料電池システム1の停止時や燃料電池システム1の立ち上げ時など、十分なオフガス廃熱が得られない場合にも実行される。
[第1実施例の変形例]
第1実施例の燃料電池システム1は、上述の構成(制御を含む)に限らず、適宜変更可能である。特に、燃料電池システムを利用する建築物が、(ア)ユースポイントに向けて温水を取り出し可能な温水取出部10を有し、温水を移送する温水移送ルート2と;(イ)給水を燃料電池3の廃熱以外を用いて加熱しながら、温水取出部10よりも上流位置で温水移送ルート2に供給する第一給水ルート23と、を建築設備として有しており、燃料電池システム1が、(ウ)建築物内に給電可能な燃料電池3と、(エ)給水を燃料電池3の廃熱を用いて加熱しながら、温水取出部10よりも上流位置で温水移送ルート2に供給する第二給水ルート24と、(オ)第一給水ルート23に設けられた第一圧力調節手段8であって、温水取出部10を介してユースポイントで出湯されると、第一圧力調節手段8の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を第一設定圧力に維持するように温水移送ルート2への給水流量を制御する第一圧力調節手段8と、(カ)第二給水ルート24に設けられた第二圧力調節手段9であって、温水取出部10を介してユースポイントで出湯されると、第二圧力調節手段9の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を第二設定圧力に維持するように温水移送ルート2への給水流量を制御する第二圧力調節手段9と、を備え、(キ)第二圧力調節手段9の第二設定圧力は、第一圧力調節手段8の第一設定圧力よりも高いのであれば、その他の構成は適宜に変更可能である。
例えば、第1実施例において、第一減圧弁29は、第一温水路23bに設けられたが、(共通管路27から分岐後の)第一給水路23aに設けられてもよい。同様に、第1実施例において、第二減圧弁30は、第二温水路24bに設けられたが、(共通管路27から分岐後の)第二給水路24aに設けられてもよい。
また、第1実施例では、各貯湯タンク4,6を密閉型タンクとしつつ、各圧力調節手段8,9を減圧弁29,30から構成したが、以下のように構成してもよい。すなわち、第一貯湯タンク4と第二貯湯タンク6との内の一方または双方、あるいは、第一圧力調節手段8と第二圧力調節手段9との一方または双方は、以下のように変更することもできる。
まず、各圧力調節手段8,9が、第1実施例と同様に、各温水路23b,24bに設けた減圧弁29,30から構成される場合において、各貯湯タンク4,6が開放型タンクであるとき、各貯湯タンク4,6から減圧弁29,30の間に送水ポンプを設置すればよい。
また、各貯湯タンク4,6が開放型タンクの場合、各貯湯タンク4,6内の水位を所望に維持するように、各給水路23a,34aから各貯湯タンク4,6への給水を制御すればよい。例えば、第一給水路23aに第一給水弁を設け、給水ポンプ28を作動させつつ、第一給水弁を第一貯湯タンク6内の水位に基づき制御したり、第二給水路24aに第二給水弁を設け、給水ポンプ28を作動させつつ、第二給水弁を第二貯湯タンク4内の水位に基づき制御したりすればよい。もちろん、各給水路23a,24aに個別に給水ポンプを設けて、各給水ポンプを各貯湯タンク4,6内の水位に基づき制御してもよい。
また、前記実施例では、各圧力調節手段8,9として、減圧弁29,30を用いた例を説明したが、圧力センサと比例制御可能な電動弁(前記第一電動弁32を利用してもよい)の弁開度制御により構成してもよい。つまり、各温水路23b,24b(各貯湯タンク4,6が密閉型タンクの場合は各給水路23a,24aでもよい)に電動弁を設置し、その電動弁の二次側に圧力センサを設けておき、その圧力センサの検出圧力を設定圧力に維持するように、電動弁の開度を調整してもよい。なお、各貯湯タンク4,6が開放型タンクの場合、各貯湯タンク4,6から電動弁の間に送水ポンプを設置して、電動弁の開放時に送水ポンプを作動させればよい。
これと同様に、各圧力調節手段8,9として、圧力センサとインバータポンプ(回転数制御可能な送水ポンプ)を用いてもよい。つまり、電動弁の開度調整に代えて、圧力センサの検出圧力に基づき、送水ポンプをインバータ制御してもよい。
また、第1実施例において、温水移送ルート2には、第一給水ルート23および第一貯湯タンク4からなる温水供給系列を、並列に複数接続してもよい。この場合において、並列に設置された第一貯湯タンク4の容量は、互いに異なってもよい。また、各第一貯湯タンク4内の貯留水を加熱するための熱源は、互いに異なってもよい。例えば、ある第一貯湯タンク4内の貯留水は、ヒートポンプで加熱され、他の第一貯湯タンク4内の貯留水は、電気ヒータで加熱されるなどしてもよい。いずれの場合も、各第一貯湯タンク4内の貯留水の加熱目標温度は、典型的には同一とされる。
そして、各温水供給系列においては、前記第二流量調節手段31と同様に、第一給水路23aまたは第一温水路23bに第一流量調節手段が設けられており、第一貯湯タンク4から温水移送ルート2への温水が設定温度を下回ると、第一流量調節手段の設定流量を減少させるか、ゼロにするのがよい。第1実施例において、第二貯湯タンク6からの出湯温度が低下した場合にその出湯を制限して第一貯湯タンク4からの出湯に切り替えた場合と同様の作用効果を奏することができる。つまり、第一貯湯タンク4から温水移送ルート2への出湯に伴い、いずれかの第一貯湯タンク4内の貯留水の水温が低下した場合、その第一貯湯タンク4からの出湯を抑制または停止することができる。その場合でも、他の第一貯湯タンク4からの温水供給を継続することができる。
なお、各第一温水路23b(または各第一給水路23a)に設けた第一流量調節手段の前記設定温度は、互いに同一でもよいし、異なってもよい。また、第一圧力調節手段8の第一設定圧力は、互いに同一でもよいし、異なってもよい。
さらに、第二貯湯タンク6経由の温水移送ルート2への給水系統と、第一貯湯タンク4経由の温水移送ルート路2への複数の給水系統とのすべてに流量調節手段を設けた場合、ユースポイントで断水させないために、いずれか一系統は、貯湯タンク4,6内の湯切れ(温度低下)の有無に関わらず、通水状態を維持するのが好ましい。
その他、第二流量調節手段31は、第1実施例では電動弁32を開度調整したが、これに限らない。例えば、第二温水路24bの一部が並列流路を備え、各並列流路に開閉弁が設置されており、その各開閉弁の開弁数で通水量を変えてもよい。また、これと同様であるが、簡易には、第二温水路24bには、図1において、第一電動弁32の前後に接続してバイパス路を設けておき、このバイパス路にバイパス弁を設けておき、第一電動弁32とバイパス弁とのいずれを開けるか(または双方を開けるか)により、流量を変更してもよい。なお、第一流量調節手段についても同様である。
[第2実施例]
本実施例は、第二給水ルート23にのみ圧力調節手段が設けられている点で、第1実施例とは異なっており、他の構成は第1実施例と同じとされている。そして、第二給水ルート24の給水(第二貯湯タンク6内の貯留水)を第一給水ルート23(第一貯湯タンク4内の貯留水)よりも優先して温水移送ルート2へ供給するため、圧力調節手段の設定圧力は、第一給水ルート23から温水送水ルート2への給水圧力よりも高く設定されている。なお、本実施例では、第一給水ルート23と第二給水ルート24とは、上流側において共通管路27とされ、その共通管路27に給水ポンプ28が設けられている。
本実施例の圧力調節手段は、第二給水ルート24に設けたブースターポンプ(昇圧ポンプ)と、圧力検出手段(圧力スイッチまたは圧力センサ)とから構成されている。圧力検出手段は、ブースターポンプの吐出側に設けられる。第二給水ルート24に第二貯湯タンク6を設ける場合には、密閉型タンクとされ、圧力調節手段は、次のような配置が選択される。
◎ブースターポンプおよび圧力検出手段の両方を第二給水路24aに配置
◎ブースターポンプおよび圧力検出手段の両方を第二温水路24bに配置
◎ブースターポンプを第二給水路24aに配置し、圧力検出手段を第二温水路24bに配置
ブースターポンプは、給水ポンプ28と同様に、吐出側の給水圧力を所定圧力(設定圧力)に維持するように、オンオフ制御またはインバータ制御される。この場合、第二貯湯タンク6から温水移送ルート2への出湯がなされると、ブースターポンプの吐出側の給水圧力が下降するので、それを圧力検出手段で検出してブースターポンプを駆動させる。そして、第二貯湯タンク6から温水移送ルート2への出湯がなくなると、ブースターポンプの吐出側の圧力が上昇するので、それを圧力検出手段で検出してブースターポンプを停止させる。圧力調節手段の設定圧力、すなわちブースターポンプの運転圧力(起動圧力値〜停止圧力値のディファレンシャル)は、給水ポンプ28の運転圧力(起動圧力値〜停止圧力値のディファレンシャル)を参考に決定し、例えば同等程度の値とする。
さて、ユースポイントで出湯されると、出湯流量に応じて温水取出部10の圧力が降下する。出湯に伴い、給水ポンプ28は、吐出側の給水圧力を所定圧力に維持するように駆動される。つまり、ユースポイントでの出湯流量が増えるのに伴って、給水ポンプ28からの給水流量も増える。更に、ブースターポンプは、圧力検出手段で検知される吐出側の給水圧力を設定圧力に維持するように駆動される。つまり、ユースポイントでの出湯流量が増えるのに伴って、第二給水ルート24からの給水流量も増える。一方、第一給水ルート23では、ユースポイントでの出湯流量が増えるのに伴い給水圧力が降下してゆく。この状態では、第二給水ルート24から温水送水ルート2への給水圧力は、第一給水ルート23から温水送水ルート2への給水圧力よりも高くなっている。これにより、給水ポンプ28による給水流量の増加分のうち、大部分がブースターポンプの昇圧により第二給水ルート24に割り当てられ、残りが第一給水ルート23に割り当てられることになる。従って、ユースポイントでの出湯時に圧力調節手段で制御される第二給水ルート24からの給水流量は、圧力調節手段のない第一給水ルート23からの給水流量よりも常に多くなる。これにより、第二貯湯タンク6内の貯留水を第一貯湯タンク4内の貯留水よりも優先して温水移送ルート2へ供給することができる。
1 燃料電池システム
2 温水移送ルート(2a:往路、2b:復路)
3 燃料電池
4 第一貯湯タンク
5 ヒートポンプ(5a:凝縮器)
6 第二貯湯タンク
7 給水タンク
8 第一圧力調節手段
9 第二圧力調節手段
10 温水取出部
11 循環ポンプ
12 加温装置
13 ガス管
14 オフガス熱交換器
15 貯留水加熱用熱交換器
16 循環液回路(16a:送り路,16b:戻し路)
17 循環液ポンプ
18 ラジエータ
19 冷却ファン
20 第一温度センサ
21 流量調整弁
22 第二温度センサ
23 第一給水ルート(23a:第一給水路,23b:第一温水路)
24 第二給水ルート(24a:第二給水路,24b:第二温水路)
27 共通管路
28 給水ポンプ
29 第一減圧弁
30 第二減圧弁
31 第二流量調節手段
32 第二電動弁
33 第二水温センサ

Claims (12)

  1. ユースポイントに向けて温水を取り出し可能な温水取出部を有し、温水を移送する温水移送ルートと;給水を燃料電池の廃熱以外を用いて加熱しながら、前記温水取出部よりも上流位置で前記温水移送ルートに供給する第一給水ルートと、建築設備として有する建築物で利用される燃料電池システムであって、
    前記建築物内に給電可能な燃料電池と、
    給水を前記燃料電池の廃熱を用いて加熱しながら、前記温水取出部よりも上流位置で前記温水移送ルートに供給する第二給水ルートと、
    前記第一給水ルートに設けられた第一圧力調節手段であって、前記温水取出部を介してユースポイントで出湯されると、前記第一圧力調節手段の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を第一設定圧力に維持するように前記温水移送ルートへの給水流量を制御する第一圧力調節手段と、
    前記第二給水ルートに設けられた第二圧力調節手段であって、前記温水取出部を介してユースポイントで出湯されると、前記第二圧力調節手段の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を第二設定圧力に維持するように前記温水移送ルートへの給水流量を制御する第二圧力調節手段と、を備え、
    前記第二圧力調節手段の第二設定圧力は、前記第一圧力調節手段の第一設定圧力よりも高い
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. ユースポイントに向けて温水を取り出し可能な温水取出部を有し、温水を移送する温水移送ルートと;給水を燃料電池の廃熱以外を用いて加熱しながら、前記温水取出部よりも上流位置で前記温水移送ルートに供給する第一給水ルートと、建築設備として有する建築物で利用される燃料電池システムであって、
    前記建築物内に給電可能な燃料電池と、
    給水を前記燃料電池の廃熱を用いて加熱しながら、前記温水取出部よりも上流位置で前記温水移送ルートに供給する第二給水ルートと、
    前記第二給水ルートに設けられた圧力調節手段であって、前記温水取出部を介してユースポイントで出湯されると、前記圧力調節手段の二次側圧力に基づき、この二次側圧力を設定圧力に維持するように前記温水移送ルートへの給水流量を制御する圧力調節手段と、を備え、
    前記圧力調節手段の設定圧力は、前記第一給水ルートから前記温水移送ルートへの給水圧力よりも高い
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 前記第一圧力調節手段および前記第二圧力調節手段は、それぞれ減圧弁である
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記温水移送ルートは、(a)前記温水取出部への往路および前記温水取出部からの復路からなる循環路;または(b)前記温水取出部への往路のみからなる単管路で構成される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記第一給水ルートに設けられた第一貯湯タンクと、
    前記第二給水ルートに設けられた第二貯湯タンクと、を備え、
    前記第一貯湯タンクの貯留水が前記燃料電池の廃熱以外を用いて加熱され、
    前記第二貯湯タンクの貯留水が前記燃料電池の廃熱を用いて加熱される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池は、改質器、セルスタックおよびオフガス熱交換器を有し、
    前記オフガス熱交換器において、オフガスと冷却液との熱交換によりオフガスを露点温度以下に冷却して、オフガス中の水分を凝縮させ、その凝縮水を前記改質器に再供給し、
    前記改質器において、原燃料と前記凝縮水を水蒸気改質反応させることにより水素を含有する改質ガスを生成し、
    前記セルスタックにおいて、前記改質ガス中の水素と空気中の酸素を化学反応させて発電する
    ことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記第二貯湯タンク内の貯留水を加熱する貯留水加熱用熱交換器と、
    前記オフガス熱交換器と前記貯留水加熱用熱交換器との間で、前記冷却液を循環させる循環液回路と、を備える
    ことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記第二給水ルートに、第二流量調節手段が設けられており、
    前記第二貯湯タンクから前記温水移送ルートへの温水が設定温度を下回ると、前記第二流量調節手段の設定流量を減少させるか、ゼロにする
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記温水移送ルートには、前記第一給水ルートおよび前記第一貯湯タンクからなる温水供給系列が並列に複数接続されており、
    前記各温水供給系列においては、前記第一給水ルートに第一流量調節手段が設けられており、
    前記第一貯湯タンクから前記温水移送ルートへの温水が設定温度を下回ると、前記第一流量調節手段の設定流量を減少させるか、ゼロにする
    ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記第一給水ルートと前記第二給水ルートとは、上流側において共通管路とされ、その共通管路に給水ポンプが設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記第一給水ルートおよび前記第二給水ルートは、それぞれの上流側において給水ポンプが設けられていると共に、前記給水ポンプの吸込側で給水タンクと接続されている
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  12. 前記燃料電池は、固体酸化物形の燃料電池である
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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