以下、好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態の一例の給湯装置の概略構成を示す作動原理図である。
本実施形態の一例の給湯装置1は、給湯装置本体2と、複数のリモコン6,7(浴室リモコン6及び台所リモコン7)とを備えている。給湯装置本体2は、例えば屋外に設置され、浴室リモコン6は、例えば浴室101内に設置され、台所リモコン7は、例えば台所102に設置されている。
この給湯装置1は、シャワー81や給湯栓82などの複数の給湯端末へ給湯する給湯機能に加え、浴槽への注湯機能及び浴槽の湯水の追焚き機能を有している。但し、図1では、給湯機能を実現するための給湯回路11は図示しているが、浴槽への注湯機能を実現するための注湯回路、及び、追焚き機能を実現するための追焚き循環回路は図示していない。また、給湯装置1は、少なくとも給湯機能を有する構成であればよく、浴槽への注湯機能及び追焚き機能を有していない構成でもよい。以下では、主に、給湯機能を実現するための構成について説明する。
給湯装置本体2は、筐体10の内部に、給湯回路11と、バーナ8と、バーナ8へ燃焼用の空気を供給する送風機9と、制御装置5などを備えている。
給湯回路11は、給湯用熱交換器12と、外部の図示しない給水源から水を導入して給湯用熱交換器12に至る入水路13と、給湯用熱交換器12で加熱された湯水を外部へ供給する給湯路14と、入水路13と給湯路14とをつなぐバイパス流路15とを有している。給湯路14を流れる湯水は、外部配管51を介して、浴室101内に設置されたシャワー81や、台所102に設置された給湯栓82などの複数の給湯端末へ供給される。これら複数の給湯端末の各々には、シャワー81の操作レバー81aや、給湯栓82の操作レバー82aのように、出湯流量(吐水流量)を調整できるハンドルが設けられている。
さらに、給湯回路11は、バイパス流路15を通過する流量を調整するバイパス流量調整弁16と、給湯路14を流れる湯水の流量の上限値(給湯流量の上限値)を調整する給湯流量調整弁17(給湯流量調整部)と、入水路13に設けられた流量センサ18とを有している。なお、給湯回路11に設けられる温度センサ等の流量センサ18以外のセンサ類は省略している。
制御装置5は、CPU、ROMおよびRAM等を備え、例えば、マイクロコントローラ等で構成されている。制御装置5には、バーナ8、送風機9、バイパス流量調整弁16、給湯流量調整弁17などを制御するための信号経路が接続されている。また、制御装置5には、流量センサ18及び温度センサなどのセンサ類の出力信号を入力するための信号経路が接続されている。制御装置5では、例えば、CPUがROMに記憶された制御プログラムをRAMに読み出し実行することで給湯装置本体2の各種制御を実行することができる。なお、制御装置5は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。
また、制御装置5は、浴室リモコン6及び台所リモコン7と通信可能に接続されており、互いに情報の授受を行う。これらのリモコン6,7は、給湯装置本体2の運転操作等を行うことができるとともに、給湯最大流量の設定や、給湯温度の設定等の各種設定を行うことができる。そのため、リモコン6,7には、給湯温度などを液晶画面等に表示する表示部61,71と、運転操作等のスイッチが備えられている。また、リモコン6,7には、ブザー音や音声等を出力するためのスピーカが内蔵されている。なお、各リモコン6,7は、操作部及び第1,第2報知部として機能する。
また、制御装置5は、制御部として機能するとともに、流量センサ18とともに給湯流量検出部として機能する。ここで、制御装置5は、例えば、流量センサ18による流量検出値(流量信号)と、バイパス流路15のバイパス流量調整弁16に対する制御装置5の制御開度値とに基づいて、給湯路14から給湯端末へ給湯される給湯流量値を算出するよう構成されている。なお、給湯流量(給湯流量値)とは、現在の瞬時値である単位時間当たりの給湯量であり、単位として例えば、リットル/分(以下では、「L/min」と表記)が用いられる。
この給湯装置1は、給湯運転、風呂注湯運転、追焚き運転、風呂自動運転等の複数種類の運転を行うことができる。各運転における給湯装置1の動作は、制御装置5の制御によって実現される。ここでは、給湯運転の概略について説明する。
給湯運転は、給湯機能を実行する運転であり、使用者が行う給湯端末の出湯操作(シャワー81や給湯栓82の操作レバー81a,82aの出湯操作)による給湯要求に応じて、所望の給湯設定温度(例えば摂氏40度)の湯を給湯端末から出湯させることができる。具体的には、給湯装置1は、リモコン6,7が備える運転スイッチに対する所定の操作が行われることによって運転オン状態になり、その状態で使用者が給湯端末の出湯操作を行うことによって入水路13への入水流量が最低作動流量以上になると、給湯要求が生じるように構成することができる。よって、入水路13への入水流量が最低作動流量以上になったことが流量センサ18により検出されることによって給湯要求が生じれば、制御装置5は、給湯運転を実施し、バーナ8及び送風機9を作動制御し、給湯路14に出湯される出湯温度が所定温度になるように所定の燃焼量でバーナ8を燃焼させるようになっている。そして、給湯路14に出湯させた湯と、バイパス流路15を通して給湯路14に分岐入水させた水とを混合させて温調させることにより、例えば、シャワー81や給湯栓82から給湯設定温度の湯が流出される。
また、この給湯装置1は、リモコン6,7の操作によって、給湯路14における給湯最大流量を制御装置5に設定(記憶)することができる。
まず、浴室リモコン6を用いた給湯最大流量の設定方法の一例を説明する。図2(A)〜(C)は、浴室リモコン6を操作して給湯最大流量を設定する場合の浴室リモコン6及び台所リモコン7の状態の一例を示す図である。
図2(A)では、リモコン6,7の表示部61,71に、給湯装置1の運転中に通常表示される通常画面が示されている。
この例では、浴室リモコン6の表示部61には、給湯機能に関わる給湯(シャワー)設定温度、及び、注湯機能及び追焚き機能に関わる風呂(ふろ)設定温度等が表示されている。表示部61の下方には、各種スイッチが設けられ、給湯設定温度及び風呂設定温度の設定及び変更等が可能である。そして、最下方には、設定識別情報を示す「A」〜「E」の複数の指定スイッチ6a、設定スイッチ6b、クリアスイッチ6cが設けられている。これらのスイッチ6a〜6c等を操作して給湯最大流量を設定することができる。また、台所リモコン7の表示部71には、給湯設定温度等が表示されている。なお、設定識別情報は、アルファベットに限らず、番号(数字)等で示すようにしてもよい。
ここで、使用者が浴室リモコン6を操作して給湯最大流量を設定する場合、まず、浴室リモコン6のいずれか1つの指定スイッチ6aを押す。このとき、使用者がシャワー81を使用していても使用していなくてもよい。
例えば、使用者が「A」の指定スイッチ6aを押すと、図2(B)に示すように、表示部61に、設定識別情報D1,現在の給湯流量値(瞬時値)D2,給湯流量設定値D3が表示される。設定識別情報D1は、押された指定スイッチ6aに応じて、「A」〜「E」が表示される。現在の給湯流量値D2は、流量センサ18の検出値から算出される給湯流量値がリアルタイムで表示される。給湯流量設定値D3は、ここでは、「A」の設定識別情報D1については設定されていないので、未設定であることを示すバーが表示されている。
次に、使用者は、シャワー81の例えば操作レバー81aを操作して、シャワー81からの給湯流量(出湯流量)が所望流量となるように調整する。この状態で、設定スイッチ6bを押すと、押したときの給湯流量値が、「A」の設定識別情報D1についての給湯最大流量として制御装置5に設定され、その設定値が、図2(C)に示すように、給湯流量設定値D3として表示される。ここで、設定スイッチ6bを押す操作が設定操作である。
制御装置5は、ある時点において、そのときに指定されている設定識別情報D1に応じた給湯最大流量(設定値)が給湯路14を流れる最大流量となるように、給湯流量調整弁17の開度を設定している。つまり、シャワー81や給湯栓82の操作レバー81a,82aを全開にしても、給湯路14における流量が給湯最大流量(設定値)を超えることはない。
制御装置5は、設定モードと非設定モードとを有している。設定モードとは、給湯流量設定値D3が未設定である設定識別情報D1(「A」〜「E」)が存在する場合に、その設定識別情報D1に対応する指定スイッチ6a、7aが押される(またはタッチ操作される)ことによって開始されるモードである。また、給湯流量設定値D3が既に設定済みである設定識別情報D1(「A」〜「E」)が存在する場合に、その設定済みの設定識別情報D1に対応する指定スイッチ6a、7aが押され(またはタッチ操作され)、かつ、クリアスイッチ6c、7cが押される(またはタッチ操作される)ことによっても開始されるモードである。非設定モードとは、設定モード以外のモードである。なお、指定スイッチ7a及びクリアスイッチ7cは、台所リモコン7の表示部71に表示されるスイッチであり、これらのスイッチ操作については図3を参照して後述する。
制御装置5は、設定モードになると、給湯流量の上限値が給湯装置1の設定可能な最大流量(調整可能範囲内の最大値)となるように給湯流量調整弁17の開度を大きく設定する。よって、この状態で、前述の例では、使用者は、シャワー81の操作レバー81aを操作して、シャワー81からの給湯流量が所望流量となるように調整し、設定スイッチ6bを押す。そのため、給湯最大流量は、給湯装置1の設定可能な最大流量以下の範囲で設定することが可能になる。
また、浴室リモコン6のある指定スイッチ6aが押されて設定モードになると、図2(B)に示すように、制御装置5は、台所リモコン7の表示部71に、設定モードである旨及び/又は給湯端末の使用を控える旨を報知するためのメッセージ7Mを表示させる。本例でのメッセージ7Mは、「浴室リモコンで流量を設定します(設定モードである旨)。使用を控えてください(給湯端末の使用を控える旨)。」と表示されている。これは、流量センサ18の検出値に基づいて給湯路14における給湯流量が検出されるが、給湯路14には複数の給湯端末が並列に接続されているので、例えばシャワー81を使用時の給湯最大流量を設定しているときに、シャワー81以外の給湯端末が使用されると、流量センサ18では、シャワー81を含め使用中(給湯中)の全ての給湯端末の合算流量が検出され、シャワー81の使用に対する給湯最大流量を設定できなくなることを防止するためである。なお、メッセージ7Mは、上述の表示とともに、あるいは、これに代えて、台所リモコン7に内蔵のスピーカから音声で出力するようにしてもよい。
そして、上述のように設定スイッチ6bが押されて、その時の流量が給湯最大流量に制御装置5に設定された後、メッセージ7Mの表示は消える。そして、給湯最大流量の設定後、給湯停止状態(すなわち流量センサ18による検出値が0の状態)が、所定時間(数分程度)継続したときに、リモコン6,7の表示部61,71の表示は、図2(A)のような通常画面に戻る。ここで、給湯停止状態が所定時間継続せずに給湯が再開されたときには図2(C)の画面が維持される。この際、浴室リモコン6においては、給湯最大流量の設定後、給湯を停止しても、その後すぐに給湯を再開する場合は、設定された給湯最大流量値の表示が消えることなく図2(C)の画面が維持されるので、使用者は設定された給湯最大流量値のもとで給湯が行われていることを視認でき、安心感が得られる。給湯再開後、給湯が停止され、給湯停止状態が所定時間継続すると、図2(A)の通常画面に戻る。
次に、ある設定識別情報D1について設定済みの給湯最大流量を変更する場合を説明する。
この場合、例えば、リモコン6,7が図2(A)の状態において、使用者は、給湯最大流量を変更する設定識別情報D1に対応する指定スイッチ6aを押す。例えば、「A」の指定スイッチ6aを押すと、浴室リモコン6は、例えば図2(C)のように、設定済みの給湯最大流量が給湯流量設定値D3として表示される。このとき、流量センサ18の検出値から算出される給湯流量値が例えば0であれば、その値が現在の給湯流量値D2として表示される。
次に、使用者が、クリアスイッチ6cを押すと、制御装置5は、「A」の設定識別情報D1についての給湯最大流量を未設定状態とし、設定モードになる。そして、図2(B)のように、表示部61の給湯流量設定値D3に、未設定であることを示すバーを表示させる。この後は、前述の給湯最大流量を設定する場合と同様にして行われる。
上記では、「A」の設定識別情報D1についての給湯最大流量の設定及び変更を行う場合について説明したが、他(「B」〜「E」)の設定識別情報D1についての給湯最大流量の設定及び変更を行う場合についても同様である。
また、給湯最大流量の設定及び変更を行わない通常の使用時には、図2(A)の状態において、使用者は、所望する給湯最大流量が設定されている設定識別情報D1に対応する指定スイッチ6aを押す(指定操作)。例えば、「A」の指定スイッチ6aを押すと、前述の給湯最大流量を変更する場合と同様、浴室リモコン6は、例えば図2(C)のように、設定済みの給湯最大流量が給湯流量設定値D3として表示される。この後、給湯停止状態(すなわち流量センサ18による検出値が0の状態)が、所定時間(数分程度)継続したときに、リモコン6,7の表示部61,71の表示は、図2(A)のような通常画面に戻る。ここで、給湯停止状態が所定時間継続せずに給湯が再開されたときには図2(C)の画面が維持される。この際、浴室リモコン6においては、給湯を停止しても、その後すぐに給湯を再開する場合は、指定スイッチ6aで指定した設定識別情報D1について設定済みの給湯最大流量値の表示が消えることなく図2(C)の画面が維持されるので、使用者は上記設定済みの給湯最大流量値のもとで給湯が行われていることを視認でき、安心感が得られる。給湯再開後、給湯が停止され、給湯停止状態が所定時間継続すると、図2(A)の通常画面に戻る。
次に、台所リモコン7を用いた給湯最大流量の設定方法の一例を説明する。図3(A)〜(C)は、台所リモコン7を操作して給湯最大流量を設定する場合の浴室リモコン6及び台所リモコン7の状態の一例を示す図である。
図3(A)は、図2(A)と同じであり、リモコン6,7の表示部61,71に、給湯装置1の運転中に通常表示される通常画面が示されている。
この台所リモコン7を用いた給湯最大流量の設定方法は、前述の浴室リモコン6を用いた場合と基本的には同様であり、操作スイッチの配置等が異なるだけであるので、以下では簡単に説明する。
台所リモコン7の表示部71には、タッチパネルを備えており、給湯設定温度等が表示され、その下に、設定識別情報を示す「A」〜「E」の複数の指定スイッチ7aが表示されている。これらの指定スイッチ7aは、浴室リモコン6の指定スイッチ6aに相当する。
ここで、使用者が台所リモコン7を操作して給湯最大流量を設定する場合、まず、台所リモコン7のいずれか1つの指定スイッチ7aをタッチ操作する。
例えば、使用者が「B」の指定スイッチ7aをタッチ操作すると、図3(B)に示すように、表示部71の所定領域71sに、設定識別情報D1,現在の給湯流量値(瞬時値)D2,給湯流量設定値D3が表示される。給湯流量設定値D3は、ここでは、「B」の設定識別情報D1については設定されていないので、未設定であることを示すバーが表示されている。ここでは、現在の給湯流量値D2はデジタル値としてリアルタイムで表示されるだけでなく、アナログメータD2aとしてもリアルタイムで表示されている。また、所定領域71sには、浴室リモコン6の設定スイッチ6b、クリアスイッチ6cに相当する設定スイッチ7b、クリアスイッチ7cが表示される。
次に、使用者は、給湯栓82の例えば操作レバー82aを操作して、給湯栓82からの給湯流量(出湯流量)が所望流量となるように調整する。この状態で、設定スイッチ7bをタッチ操作すると、そのときの給湯流量値が、「B」の設定識別情報D1についての給湯最大流量として制御装置5に設定(記憶)され、その設定値が、図3(C)に示すように、給湯流量設定値D3として表示される。ここで、設定スイッチ7bのタッチ操作が設定操作である。
また、台所リモコン7を用いて給湯最大流量を設定する場合には、図2(B)、(C)の場合のメッセージ7Mと同様、図3(B)、(C)に示すように、設定モードである旨及び/又は給湯端末の使用を控える旨を報知するためのメッセージ6Mが浴室リモコン6の表示部61に表示される。本例でのメッセージ6Mは、「台所リモコンで流量を設定します(設定モードである旨)。使用を控えてください(給湯端末の使用を控える旨)。」と表示されている。このメッセージ6Mは、上述の表示とともに、あるいは、これに代えて、浴室リモコン6に内蔵のスピーカから音声で出力するようにしてもよい。
そして、上述のように設定スイッチ7bがタッチ操作されて、その時の流量が給湯最大流量に制御装置5に設定された後、メッセージ6Mの表示は消える。そして、給湯最大流量の設定後、給湯停止状態が、所定時間(数分程度)継続したときに、リモコン6,7の表示部61,71の表示は、図3(A)のような通常画面に戻る。ここで、給湯停止状態が所定時間継続せずに給湯が再開されたときには図3(C)の画面が維持される。この際、台所リモコン7においては、給湯最大流量の設定後、給湯を停止しても、その後すぐに給湯を再開する場合は、設定された給湯最大流量値の表示が消えることなく図3(C)の画面が維持されるので、使用者は設定された給湯最大流量値のもとで給湯が行われていることを視認でき、安心感が得られる。給湯再開後、給湯が停止され、給湯停止状態が所定時間継続すると、図3(A)の通常画面に戻る。
次に、台所リモコン7を用いて、ある設定識別情報D1について設定済みの給湯最大流量を変更する場合を説明する。この場合も、前述の浴室リモコン6を用いた場合と基本的には同様である。
この場合、例えば、リモコン6,7が図3(A)の状態において、使用者は、給湯最大流量を変更する設定識別情報D1に対応する指定スイッチ7aをタッチ操作する。例えば、「B」の指定スイッチ7aをタッチ操作すると、浴室リモコン6は、例えば図3(C)のように、設定済みの給湯最大流量が給湯流量設定値D3として表示される。このとき、給湯流量値が例えば0であれば、その値が現在の給湯流量値D2として表示される。
次に、使用者が、クリアスイッチ7cを押すと、制御装置5は、「B」の設定識別情報D1についての給湯最大流量を未設定状態とし、設定モードになる。そして、図3(B)のように、給湯流量設定値D3に、未設定であることを示すバーを表示させる。この後は、前述の給湯最大流量を設定する場合と同様にして行われる。
上記では、「B」の設定識別情報D1についての給湯最大流量の設定及び変更を行う場合について説明したが、他(「A」、「C」〜「E」)の設定識別情報D1についての給湯最大流量の設定及び変更を行う場合についても同様である。
また、給湯最大流量の設定及び変更を行わない通常の使用時には、図3(A)の状態において、使用者は、所望する給湯最大流量が設定されている設定識別情報D1に対応する指定スイッチ7aをタッチ操作する(指定操作)。例えば、「B」の指定スイッチ7aをタッチ操作すると、前述の給湯最大流量を変更する場合と同様、台所リモコン7は、例えば図3(C)のように、設定済みの給湯最大流量が給湯流量設定値D3として表示される。この後、給湯停止状態が、所定時間(数分程度)継続したときに、リモコン6,7の表示部61,71の表示は、図3(A)のような通常画面に戻る。ここで、給湯停止状態が所定時間継続せずに給湯が再開されたときには図3(C)の画面が維持される。この際、台所リモコン7においては、給湯を停止しても、その後すぐに給湯を再開する場合は、指定スイッチ7aで指定した設定識別情報D1について設定済みの給湯最大流量値の表示が消えることなく図3(C)の画面が維持されるので、使用者は上記設定済みの給湯最大流量値のもとで給湯が行われていることを視認でき、安心感が得られる。給湯再開後、給湯が停止され、給湯停止状態が所定時間継続すると、図3(A)の通常画面に戻る。
この給湯装置1では、例えば、給湯装置1が設置された住宅に居住している家族の各個人に対して、各個人が所望する給湯最大流量を設定することができる。例えば、父、母及び子供2人(子1、子2)の4人家族の場合の設定例を次に示す。制御装置5には、各設定識別情報と対応して給湯最大流量が記憶されている。
(1)設定識別情報「A」・・父のシャワー用に、給湯最大流量を12.3(L/min)に設定。
(2)設定識別情報「B」・・母の台所給湯用に、給湯最大流量を 5.5(L/min)に設定。
(3)設定識別情報「C」・・母のシャワー用に、給湯最大流量を8.7(L/min)に設定。
(4)設定識別情報「D」・・子1のシャワー用に、給湯最大流量を17.3(L/min)に設定。
(5)設定識別情報「E」・・子2のシャワー用に、給湯最大流量を10.6(L/min)に設定。
本実施形態では、同一の指定スイッチ6a、7aに対して1組の設定識別情報及び給湯最大流量を対応させるようにしたが、同一の指定スイッチ6a、7aに対して2組の設定識別情報及び給湯最大流量を対応させるように構成することもできる。
例えば、母用の給湯最大流量 5.5(L/min)が設定識別情報「B」に対応して設定済みのときに、「B」の指定スイッチ6a、7aが押され(またはタッチ操作され)、かつ、さらにその「B」の指定スイッチ6a、7aが所定の短時間内に連続して2回押される(またはタッチ操作される)と、設定済みの給湯最大流量 5.5(L/min)は設定識別情報「B1」に対応するものとして記憶が維持されたまま、設定識別情報「B2」に対応する給湯最大流量の設定モードとなる(この時点で、上記の5.5(L/min)を超える給湯が可能となる)。この状態で、設定スイッチ6b、7bが押される(またはタッチ操作される)と、そのときに給湯している流量(例えば8.7(L/min))が、設定識別情報「B2」に対応する給湯最大流量として設定される。このようにして、同一の指定スイッチ6a、7aに対して、例えば母用の給湯最大流量を2つ設定することができる。
そして、母用の2つの給湯最大流量が設定された後は、「B」の指定スイッチ6a、7aが押される(またはタッチ操作される)と、設定識別情報「B1」に対応する給湯最大流量 5.5(L/min)が有効となり、この状態でさらに「B」の指定スイッチ6a、7aが所定の短時間内に連続して2回押される(またはタッチ操作される)と、設定識別情報「B2」に対応する給湯最大流量 8.7(L/min)が有効となる。
このように構成すると、同一の使用者が、同一の指定スイッチ6a、7aに対して2つの給湯最大流量を設定することができ、用途に応じてそれらの1つを選択可能である。また、給湯最大流量を多数設定することができるので、人数の多い家族でも、個々が所望する給湯最大流量を設定することが可能になる。
本実施形態では、使用者がシャワー81あるいは給湯栓82等の給湯端末を使用中に、リモコン6,7で設定スイッチ6b,7bを操作したときに、そのときの給湯流量が給湯最大流量として設定(記憶)されるので、任意の流量を給湯最大流量に容易に設定することができる。また、使用者はどの程度の流量かを感覚的に把握した上で給湯最大流量を設定することができるので、使用者にとっては快適な使用が可能になる。また、上述のように複数の使用者個々に対して給湯最大流量を設定することにより、使用者個々にとって快適な使用が可能になる。また、給湯最大流量が節約効果の得られる適切な流量に設定されることにより、燃料代、水道代を節約し、経済的な使用が可能になる。
なお、本実施形態では、図2(B)の給湯流量設定値D3及び図3(B)の給湯流量設定値D3のように、表示部61,71に未設定状態であることが表示され、制御装置5が、給湯路14における流量が給湯装置1に設定可能な最大流量(調整可能範囲内の最大値)となるように給湯流量調整弁17の開度を大きく設定した設定モードのときに、給湯最大流量を設定可能に構成したが、これに限らない。例えば、ある設定識別情報D1についての給湯最大流量が設定済みである場合に、設定済みの給湯最大流量より小さい範囲内の給湯流量値を新たな給湯最大流量として設定可能なように構成してもよい。この場合、例えば、図2(A)の状態の通常の使用時において、使用者は、所望する給湯最大流量が設定されている設定識別情報D1に対応する指定スイッチ6a、例えば、「A」の指定スイッチ6aを押すと、浴室リモコン6は、例えば図2(C)のように、設定済みの給湯最大流量が給湯流量設定値D3として表示される。この後、シャワー81の操作レバー81aを操作して、設定済みの給湯最大流量よりも給湯流量値が小さいときに、設定スイッチ6bを押すと、その押したときの給湯流量値が新たな給湯最大流量として設定されるように構成してもよい。
また、本実施形態では、設定モードにおいて、給湯装置1に設定可能な最少流量(最低作動流量)から最大流量までの全範囲内で、使用者が所望する給湯最大流量を設定可能としたが、これに代えて、上記最少流量から最大流量までの全範囲のうちの一部の範囲でのみ使用者が所望する給湯最大流量を設定可能としてもよい。
なお、各リモコン6,7の表示部61,71の通常画面に、現在設定されている設定識別情報及び/又は給湯最大流量を表示させるようにしてもよい。
また、本実施形態において、給湯温度についても設定識別情報ごとに設定可能にし、指定スイッチ6a,7aで指定された設定識別情報に応じた設定温度の給湯が行われるよう構成することにより、使用者個々にとってより快適な使用が可能になる。
また、本実施形態では、複数のリモコン6,7を備えた構成としたが、これに限られない。例えば、給湯装置1が給湯栓82のみへ給湯し、台所リモコン7のみが備えられた構成も可能である。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。