JP6879032B2 - レーザレーダ装置およびレーザレーダ光集積回路 - Google Patents

レーザレーダ装置およびレーザレーダ光集積回路 Download PDF

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Description

本発明は、レーザレーダ装置およびレーザレーダ光集積回路に関する。
従来から、周波数変調されたCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーザの光を対象物に送信し、対象物で反射した反射光を受信部で受信してヘテロダイン検波を行うことにより、対象物とのドップラーシフト周波数を算出し、対象物までの距離および対象物の速度を測定するFMCW方式のレーザレーダ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−338243号公報
FMCW方式を用いたレーザレーダ装置のドップラーシフト周波数fdは、光の波長をλ、対象物との相対速度をvとすれば、(1)式から算出される。
(数1)
d=2v/λ ・・・(1)
例えば、レーザレーダ装置を実装した走行中の車両から対向車線を走行する車両までの距離を測定する場合に、それぞれの車両が時速100kmで走行しており、レーザレーダ装置から送信される光の波長が1μmであるとする。この場合のドップラーシフト周波数fdは(1)式から111MHzとなる。
ドップラーシフト周波数fdはアナログ値として取得されるため、対象物までの距離等を演算するにあたり、レーザレーダ装置は、AD変換器でドップラーシフト周波数fdをデジタル値に変換する。
アナログ値で表される入力信号をデジタル値に変換するには、入力信号を2倍以上のサンプリング周波数でサンプリングする必要がある。したがって、上記の例では、222MHz以上のサンプリング周波数を用いる必要があるが、取り扱う周波数が高くなるに従って、当該周波数に対応する部品の価格が上昇する。また、周波数が高くなるに従って雑音が発生しやすくなるため、発生する雑音を低減させる等の高周波特有の対策を行う必要がある。
更に、レーザレーダ装置に用いる光の波長を短くするほど、対象物までの距離の測定精度が高くなることから、レーザレーダ装置で測定されるドップラーシフト周波数fdは上昇する傾向にあり、それに伴ってレーザレーダ装置のコストも上昇することになる。
本発明は、上記に示した問題点を鑑みてなされたものであり、測定精度を低下させることなく、従来よりも簡単な構成で対象物までの距離を測定するレーザレーダ装置およびレーザレーダ光集積回路を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のレーザレーダ装置は、時間と共に周波数が変化する光を対象物に向けて送信する送信部と、前記送信部から送信した光のうち、前記対象物で反射した光を受信する受信部と、前記送信部で送信した光と、前記受信部で受信した光とのずれに基づいて、前記対象物までの距離を演算する演算部と、を備え、記受信部、通過する光の周波数によって屈折率が異なる異常分散材が設けられ、前記受信部に設けられた前記異常分散材は、通過する光を時間軸方向に伸長させる屈折率を有する。
請求項2に記載のレーザレーダ装置は、前記送信部に前記異常分散材が設けられ、前記送信部に設けられた前記異常分散材は、通過する光を時間軸方向に圧縮し、光の強度を圧縮前より上昇させる屈折率を有する。
請求項に記載のレーザレーダ装置は、受信した光を時分割し、時分割した各々の光を異なる経路に伝播する光マルチプレクサが設けられ、前記経路の各々に前記異常分散材が設けられる。
請求項に記載のレーザレーダ装置は、前記異常分散材が、複数のエアホールが配置されたフォトニック結晶である。
請求項に記載のレーザレーダ装置は、前記複数のエアホールに、異なる大きさのエアホールが含まれる。
請求項に記載のレーザレーダ装置は、前記異常分散材が回折格子である。
請求項に記載のレーザレーダ装置は、前記異常分散材がプリズムである。
請求項に記載のレーザレーダ光集積回路は、請求項1から請求項の何れか1項に記載のレーザレーダ装置が光集積回路で構成される。
以上説明したように、本発明に係るレーザレーダ装置およびレーザレーダ光集積回路によれば、測定精度を低下させることなく、従来よりも簡単な構成で対象物までの距離を測定することができる、という効果を奏する。
第1実施形態に係るレーザレーダ装置の構成例を示す図である。 伸長前の送信光および受信光の波形の一例を示す図である。 光の伸長の一例を示す模式図である。 伸長後の送信光および受信光の波形の一例を示す図である。 フォトニック結晶の一例を示す図である。 フォトニック結晶における屈折率特性の一例を示す図である。 フォトニック結晶の一例を示す図である。 回折格子の一例を示す図である。 回折格子における光の経路例を示す図である。 プリズム群の一例を示す図である。 第2実施形態に係るレーザレーダ装置の構成例を示す図である。 光の圧縮によるピークパワーの変化の一例を示す模式図である。 第3実施形態に係るレーザレーダ装置の構成例を示す図である。 第3実施形態に係るレーザレーダ装置の受信光の波形の一例を示す図である。 光フェーズドアレイアンテナの一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るレーザレーダ装置10の構成例を示す図である。図1に示すように、レーザレーダ装置10は、導波路4〜8、駆動回路12、レーザ光源14、SSB(Single Side Band)変調器16、送信アンテナ18、受信アンテナ20、伸長器22、フォトダイオード24、AD(Analog/Digital)変換器26、信号処理回路28および制御回路30を含む。
駆動回路12がレーザ光源14に供給する電圧または電流の大きさを調整してレーザ光源14を駆動することで、レーザ光源14からレーザ光が照射される。
レーザ光源14には、例えば予め定めた単一波長のレーザ光を照射するDFB(Distributed Feedback)レーザが用いられる。
レーザ光源14から照射されたレーザ光(以降、「送信光PT」という)は導波路4を伝播してSSB変調器16に入力さる。
SSB変調器16は、予め定めた周波数を有する搬送波信号を用いて送信光PTの周波数を上昇させると共に、送信光PTを線形に掃引して、例えば時間と共に周波数が変化する送信光PTに変調する。
図2は、SSB変調器16で変調された送信光PTの波形の一例を示す図である。図2の横軸は時間を表し、縦軸は周波数を表す。
SSB変調器16は、時間と共に送信光PTの周波数を直線的に上昇させ、周波数が予め定めた上限周波数まで達すると、周波数を上昇前の周波数まで直線的に低下させ、予め定めた期間経過後に再び周波数を直線的に上昇させるような変調を繰り返すことで、送信光PTの波形を図2に示すような三角形状の波形(いわゆる三角波)に制御する。
SSB変調器16で変調された送信光PTは、導波路4に設けられた図示しない光カプラ等の分岐装置によって分岐され、分岐した一方の送信光PTは送信アンテナ18から対象物に向かって送信される。また、分岐した他方の送信光PTは後ほど説明する伸長器22に入力される。
ここで「対象物」とは、レーザレーダ装置10による位置および動きに関する属性の測定対象となる物体のことをいい、レーザレーダ装置10は、対象物のレーザレーダ装置10からの距離や移動速度といった属性を測定する。
対象物に向かって送信された送信光PTのうち対象物で反射した光は、受信アンテナ20で受信光PRとして受信される。受信アンテナ20で受信した受信光PRは、導波路8を伝播して伸長器22に入力される。
伸長器22は、周波数に応じて光の経路長を変化させ、光の波形を時間軸方向に伸長する装置である。具体的には、伸長器22は、周波数が高くなるに従って経路長が長くなるように光の経路長を調整した装置である。
図3は、伸長器22における光の伸長例を示す図である。図3において波形の横方向は時間軸を表す。伸長器22に波形34Aを有する光が入力されると、波形が密の部分、すなわち比較的周波数が高い領域の光ほど伸長されることによって、図3に示すように波形34Aが時間軸方向に伸長され、波形34Bのような波形を有する伸長された光に変換される。
波形34Aが時間軸方向に伸長されると、波形34Aを有する光の周波数が伸長前の周波数に比べて低下することになる。したがって、伸長器22で送信光PTおよび受信光PRの各々の周波数が低下される。
フォトダイオード24は、各々周波数が低下された送信光PTおよび受信光PRによる干渉光(以降、単に「干渉光」という場合がある)を受光し、受光した干渉光の光量に応じた電圧値をAD変換器26に出力する。なお、フォトダイオード24は、受光した干渉光の光量に応じた電流値を出力するものであってもよい。
AD変換器26は、連続値である干渉光の光量に応じた電圧値を離散値に変換して、送信光PTおよび受信光PRの周波数の差分に相当した周波数を有する干渉光の波形を取得し、信号処理回路28に出力する。
信号処理回路28は、受け付けた干渉光の波形に対して、例えば高速フーリエ変換を実行してドップラーシフト周波数fdを算出する。そして、信号処理回路28は、ドップラーシフト周波数fdを用いて、例えば(1)式に基づいて対象物までの距離を算出すると共に、干渉光の周波数特性から対象物との相対速度を算出する。
制御回路30は、駆動回路12、AD変換器26および信号処理回路28で上述した動作が行われるように、駆動回路12、AD変換器26および信号処理回路28をそれぞれ制御する。
なお、導波路4、駆動回路12、レーザ光源14、SSB変調器16および送信アンテナ18は、送信光PTを対象物に向けて送信する送信部に含まれる構成要素の一例であり、導波路8、受信アンテナ20、伸長器22およびフォトダイオード24は、対象物で反射した光を受信する受信部に含まれる構成要素の一例である。また、AD変換器26、信号処理回路28および制御回路30は、演算部に含まれる構成要素の一例である。
レーザレーダ装置10において、レーザレーダ装置10に伸長器22を配置しなかった場合における送信光PTと受信光PRとの時間経過に伴う周波数の変化が図2で示されるとする。この場合、送信光PTと受信光PRとの周波数の差、すなわち「差周波」はΔf1で示される。
一方、レーザレーダ装置10に伸長器22を配置した場合における送信光PTと受信光PRとの時間経過に伴う周波数の変化は、例えば図4で示される。伸長器22によって送信光PTおよび受信光PRの周波数が低下するため、図2に示す波形に比べて、それぞれ時間変化に対する周波数変化の傾きが低く抑えられる。
したがって、図4における差周波Δf2は、図2における差周波Δf1より小さくなるため、AD変換器26におけるサンプリング周波数を、伸長器22を用いなかった場合に要するサンプリング周波数よりも低く設定することができる。
上述した伸長器22は、通過する光の波長に応じて通過時間が異なるように構成された異常分散材を用いることで実現できる。
図5は、フォトニック結晶40の一例を示す図である。フォトニック結晶40は、例えば同じ大きさのエアホール42を複数配列した結晶体であり、エアホールの配置位置および大きさを調整することで、フォトニック結晶40を通過する光の屈折率を周波数に応じて制御することができる。
図6は、フォトニック結晶40における屈折率特性の一例を示す図である。図6において横軸は光の波長を示し、縦軸は群速度屈折率を示す。
フォトニック結晶40における屈折率特性は、例えばエアホール42の配置によって、光の波長が波長λAを超えると、群速度屈折率の増加割合が波長λA以下における群速度屈折率の増加割合に比べて上昇するような特性に設定することができる。
この場合、周波数が低い光ほど、光がフォトニック結晶40を通過する際の経路の長さ、いわゆる「経路長」が長くなる。したがって、周波数が低い光ほどフォトニック結晶を通過するのに要する時間が長くなることで光の波形が伸長され、光の周波数がフォトニック結晶40を通過する前の周波数より低下することになる。
フォトニック結晶40で光の周波数を低下させる効果を高めるには、図6に示した屈折率特性において、波長λAを超える範囲の群速度屈折率の増加度合い、すなわち群速度屈折率の傾きを大きくすればよい。
したがって、図7に示すフォトニック結晶40Aでは、エアホール42Aの大きさを他のエアホール42の大きさより小さくして共振器を構成することで、共振器の共鳴波長近傍の波長を有する光の群速度屈折率の傾きを高めている。フォトニック結晶40Aは、図5に示したフォトニック結晶40に比べて、光の群速度屈折率の傾きを数10倍程度大きくすることができる。すなわち、フォトニック結晶40、40Aは異常分散材の一例である。
また、図8は、回折格子44の一例を示す図である。回折格子44の周囲には、スリット46が設けられたスリット面44A、44B、44C、44Dが配置される。回折格子44は、導波路8から入力された光が各スリット面44A、44B、44C、44Dで屈折され、再び導波路8に出力されるように接続される。
図9は、回折格子44における光の経路例を示す図である。図9に示すように、回折格子44に入力された光は、例えばスリット面44A、スリット面44B、スリット面44Cおよびスリット面44Dの順に屈折して回折格子44から出力される。
この場合、周波数が低い光ほど回折格子44における経路長が長くなるようにスリット46を設ける。周波数が低い光ほど回折格子44を通過するのに要する時間が長くなることで光の波形が伸長され、光の周波数が回折格子44を通過する前の周波数より低下することになる。すなわち、回折格子44は異常分散材の一例である。
なお、図8に示した回折格子44の形状、スリット面44A、44B、44C、44Dの位置およびスリット面44A、44B、44C、44Dの数は一例であり、通過する光の波長に応じて光の通過時間が異なるものであれば特に制約はない。
また、図10は、プリズム群48の一例を示す図である。プリズム群48は、例えばプリズム48A、48B、48C、48Dを含む。プリズム群48は、導波路8から入力された光が各プリズム48A、48B、48C、48Dで屈折され、再び導波路8に出力されるように配置される。
この場合、周波数が低い光ほどプリズム群48における経路長が長くなるように、プリズム48A、48B、48C、49Dが配置される。周波数が低い光ほどプリズム群48を通過するのに要する時間が長くなることで光の波形が伸長され、光の周波数がプリズム群48を通過する前の周波数より低下することになる。すなわち、プリズム群48は異常分散材の一例である。
なお、レーザレーダ装置10を光集積回路として構成してもよい。フォトニック結晶40、40Aは、回折格子44およびプリズム群48に比べて小型化が可能である。したがって、光集積回路の小型化の観点から、伸長器22の異常分散材にはフォトニック結晶40、40Aを用いることが好ましい。更に、フォトニック結晶40、40Aは、異常分散を制御できるため、群速度遅延が線形となる構成も取ることができる。
このように第1実施形態に係るレーザレーダ装置10によれば、導波路8に光を伸長する伸長器22を配置することで、導波路8を伝播する光の周波数を低下させる。したがって、送信光PTと受信光PRとの差周波が、伸長器22を配置しない場合と比較して低下するため、AD変換器26における干渉光のサンプリング周波数を低下させることができる。
すなわち、レーザレーダ装置10は、対象物に送信する送信光PTの周波数を低下させることなく差周波だけを低下させることができるため、測定精度を低下させることなく、レーザレーダ装置10の構成を簡略化してコストを低減させることができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、受信部に伸長器22を配置したレーザレーダ装置10について説明したが、第2実施形態では、送信部に圧縮器32を配置したレーザレーダ装置10Aについて説明する。
図11は、第2実施形態に係るレーザレーダ装置10Aの構成例を示す図である。図11に示すレーザレーダ装置10Aの構成が、図1に示したレーザレーダ装置10と異なる点は、導波路4に圧縮器32が追加される一方、導波路8から伸長器22が削除されると共に、導波路4および導波路8を接続する導波路6が削除された点である。また、AD変換器26がカウンタ36に置き換えられている。
送信光PTの波長が短くなるほどレーダの距離分解能が向上し、測定精度が向上することが知られている。また、送信光PTの波長が短くなるほど、例えば送信アンテナ18等のレーザレーダ装置10Aに含まれる装置の小型化が図られるため、レーザレーダ装置10Aは、SSB変調器16と送信アンテナ18との間に圧縮器32を有する。
圧縮器32は、図12に示すように、入力された送信光PTを圧縮して、圧縮器32に入力される前の送信光PTの最大強度、すなわち「ピークパワー」を大きくする。送信光PTのピークパワーを大きくすることでS/N比が向上し、かつ、距離分解能も向上することから、レーザレーダ装置10Aの測定精度が向上する。
なお、光集積回路では光のピークパワーが大きくなるに従って、非線形光学効果による光の損失が大きくなるため、光集積回路を通過する光のピークパワーを予め定めた上限以下に制限する必要がある。しかし、レーザレーダ装置10Aでは、光の出力端である送信アンテナ18の近くに圧縮器32を配置している。したがって、レーザレーダ装置10Aを光集積回路で構成して光のピークパワーを大きくしたとしても、ピークパワーを大きくした光が伝播される距離が短いことから光の損失が抑制され、予め定めた上限を超えるピークパワーを有する送信光PTを送信することができる。
レーザレーダ装置10Aは、圧縮器32で圧縮した送信光PTを対象物に向かって送信し、対象物に向かって送信した送信光PTのうち対象物で反射した光を受信アンテナ20で受信光PRとして受信する。
受信アンテナ20で受信した受信光PRは、導波路8を伝播してフォトダイオード24で受光される。そして、フォトダイオード24は、受信光PRの光量に応じた電圧をカウンタ36に通知する。
カウンタ36は、送信光PTを送信したタイミングでタイマを起動し、フォトダイオード24から受信光PRの受光を通知されたタイミングでタイマを停止することで、送信光PTを送信してから受信光PRを受信するまでの時間差を計測する。
信号処理回路28は、カウンタから通知された送信光PTと受信光PRの時間差および光の速度を用いて、レーザレーダ装置10Aから対象物までの距離を算出する、いわゆる「タイムオブフライト(Time Of Flight:TOF)方式」の距離測定を行う回路である。
制御回路30は、駆動回路12、カウンタ36および信号処理回路28で上述した動作が行われるように、駆動回路12、カウンタ36および信号処理回路28を制御する。
なお、導波路4、駆動回路12、レーザ光源14、SSB変調器16、圧縮器32および送信アンテナ18は、送信光PTを対象物に向けて送信する送信部に含まれる構成要素の一例であり、導波路8、受信アンテナ20およびフォトダイオード24は、対象物で反射した光を受信する受信部に含まれる構成要素の一例である。また、カウンタ36、信号処理回路28および制御回路30は、演算部に含まれる構成要素の一例である。
圧縮器32は、レーザレーダ装置10における伸長器22と同じく、異常分散材を用いて光の経路長を周波数に応じて変化させ、光の波形を時間軸方向に圧縮する装置である。具体的には、圧縮器32は、周波数が低くなるに従って経路長が短くなるように、光の経路長を調整した異常分散材を用いて、光の波形を時間軸方向に圧縮する。光の波形が時間軸方向に圧縮されると、光のピークパワーが圧縮前のピークパワーに比べて上昇することになる。
圧縮器32の異常分散材としては、上述したフォトニック結晶40、回折格子44またはプリズム群48を用いることができる。
このように第2実施形態に係るレーザレーダ装置10Aによれば、圧縮器32で圧縮した送信光PTを対象物に向けて送信すると共に、対象物で反射した光を受信光PRとして受信し、送信光PTと受信光PRの位相のずれ、すなわち時間差を用いて、対象物までの距離を測定する。
レーザレーダ装置10Aは、送信光PTを圧縮器32で圧縮することから距離の測定精度が向上する。更に、レーザレーダ装置10Aは、信号処理回路28で受信光PRの周波数解析等を行わなくとも、送信光PTと受信光PRとの位相差から対象物までの距離を測定できるため、演算部の構成を比較的簡素化することができる。
<第3実施形態>
第1実施形態では、導波路8を伝播する光を1つの伸長器22で伸長したが、第3実施形態では、導波路8を伝播する光を時分割して、複数の伸長器22で伸長するレーザレーダ装置10Bについて説明する。
図13は、第3実施形態に係るレーザレーダ装置10Bの構成例を示す図である。レーザレーダ装置10Bの構成が、図1に示した第1実施形態に係るレーザレーダ装置10の構成と異なる点は、送信光PTおよび受信光PRによる干渉光を時分割する光マルチプレクサ50が導波路8に配置された点である。また、光マルチプレクサ50で時分割された干渉光が伝播される導波路52A、52Bに、それぞれ伸長器22A、22B及びフォトダイオード24A、24Bが配置される。更に、フォトダイオード24Aの出力はAD変換器26Aを介して信号処理回路28Aに入力され、フォトダイオード24Bの出力はAD変換器26Bを介して信号処理回路28Bに入力される。
以下、レーザレーダ装置Bの作用について説明する。
導波路8を伝播する干渉光は、光マルチプレクサ50に入力される。光マルチプレクサ50は、例えば共振周波数が異なる2つのリング共振器50A、50Bを備える。リング共振器50A、50Bは、リング形状の導波路に共振する波長の光だけを通過する光フィルタとして機能する。光マルチプレクサ50は、リング共振器50A、50Bの周囲にそれぞれ実装された図示しないヒータに電流を注入し、リング共振器50A、50Bの共振周波数を調整することで干渉光を周期に応じて交互に分割するスイッチング制御を行い、干渉光を時分割する。光マルチプレクサ50は、時分割した干渉光を周期に応じて交互に導波路52A及び導波路52Bに伝播させる。
図14は、光マルチプレクサ50で時分割された干渉光の一例を示す模式図である。図14において、波形54は光マルチプレクサ50に入力された干渉光の波形例である。波形54で表される干渉光が光マルチプレクサ50に入力されると、干渉光が周期毎に交互に分割され、波形56Aで示した干渉光(時分割干渉光A)と波形56Bで示した干渉光(時分割干渉光B)に分割される。このように光マルチプレクサ50は、周期に従って交互に時分割するため、時間軸に沿って時分割干渉光Aと時分割干渉光Bを見た場合、干渉光が重複する期間が存在しないことになる。時分割干渉光Aは、例えば導波路52Aを伝播し、時分割干渉光Bは例えば導波路52Bを伝播する。
導波路52Aを伝播する時分割干渉光Aは、伸長器22Aによって波形56Aが時間軸方向に伸長され、例えば図14の波形58Aに示すような波形に変換される。また、導波路52Bを伝播する時分割干渉光Bは、伸長器22Bによって波形56Bが時間軸方向に伸長され、例えば図14の波形58Bに示すような波形に変換される。
伸長器22Aで伸長された時分割干渉光Aの光量は、フォトダイオード24Aで電流値に変換され、AD変換器26Aで離散値に変換された後に信号処理回路28Aに入力される。信号処理回路28Aでは、受け付けた時分割干渉光Aの波形に対して、例えば高速フーリエ変換を実行してドップラーシフト周波数fdAを算出する。
一方、伸長器22Bで伸長された時分割干渉光Aの光量は、フォトダイオード24Bで電流値に変換され、AD変換器26Bで離散値に変換された後に信号処理回路28Bに入力される。信号処理回路28Bでは、受け付けた時分割干渉光Bの波形に対して、例えば高速フーリエ変換を実行してドップラーシフト周波数fdBを算出する。
このようにレーザレーダ装置10Bでは、光マルチプレクサ50で時分割した干渉光の各々に対して、それぞれ伸長器22、フォトダイオード24、AD変換器26、及び信号処理回路28が独立して設けられている。したがって、信号処理回路28A、28Bでドップラーシフト周波数を並列して算出することができるため、干渉光を時分割しないで対象物までの距離及び対象物との相対速度を算出する場合と比較して、算出速度を向上させることができる。
なお、図13に示したレーザレーダ装置10Bでは、光マルチプレクサ50で干渉光を2つの時分割干渉光に分割したが、リング共振器を追加して3つ以上の時分割干渉光に分割してもよい。この場合、分割数に合わせて伸長器22、フォトダイオード24、AD変換器26、及び信号処理回路28を設ければよい。
なお、図1、図11及び図13に示した送信アンテナ18および受信アンテナ20には、図15に示す光フェーズドアレイアンテナ(以降、「光フェーズドアレイ」という)を用いることができる。ここでは、光フェーズドアレイを送信アンテナ18に適用する例について説明するが、光フェーズドアレイを受信アンテナ20に適用する場合は、光の伝播方向が逆になるだけある。
光フェーズドアレイ18とは、送信光PTを図示しない光カプラによって複数の導波路(図15の例では、18−1から18−8の8本)に分岐させ、導波路18−1〜導波路18−8の端部から送信光PTを送信する光アンテナの一例である。以降では、導波路18−1から導波路18−8をまとめて「導波路18A」という。
導波路18Aにおいて、送信光PTを送信する側の端部には回折格子18−5が設けられており、導波路18Aを伝播する送信光PTは回折格子18−5から対象物に向けて送信される。
また、光フェーズドアレイ18には、導波路18Aの各々を加熱する薄膜ヒータ18−3、18−4が取り付けられており、薄膜ヒータ18−3、18−4で導波路18Aを加熱することで、導波路18Aを伝播する各々の光の屈折率を変化させ、回折格子18−5から送信される光の送信角度を変えることができる。
光の屈折率は、導波路18Aに供給される熱量(薄膜ヒータ18−3、18−4の発熱量)に応じて変化するため、導波路18Aの各々から放射される光の位相が変化することで、送信光PTの送信方向が変化する。したがって、光フェーズドアレイ18は対象物に向けて送信光PTを送信することができる。
なお、受信アンテナ20に光フェーズドアレイを適用した場合には、薄膜ヒータで光フェーズドアレイの導波路が加熱されることで導波路の屈折率が変化し、光フェーズドアレイで受信可能な光の受信角度を変えることができる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、図1に示したレーザレーダ装置10及び図13に示したレーザレーダ10BのSSB変調器16と送信アンテナ18との間の導波路4に、図11に示した圧縮器32を配置してもよい。
この場合、送信光PTが圧縮されるため、レーザレーダ装置10、10Bに比べて距離の測定精度が向上したレーザレーダ装置が実現できる。
4(6、8、18A)・・・導波路、10(10A、10B)・・・レーザレーダ装置、12・・・駆動回路、14・・・レーザ光源、16・・・SSB変調器、18・・・送信アンテナ、20・・・受信アンテナ、22・・・伸長器、24・・・フォトダイオード、26・・・AD変換器、28・・・信号処理回路、30・・・制御回路、32・・・圧縮器、36・・・カウンタ、40(40A)・・・フォトニック結晶、44・・・回折格子、48・・・プリズム群、PR・・・受信光、PT・・・送信光

Claims (8)

  1. 時間と共に周波数が変化する光を対象物に向けて送信する送信部と、
    前記送信部から送信した光のうち、前記対象物で反射した光を受信する受信部と、
    前記送信部で送信した光と、前記受信部で受信した光とのずれに基づいて、前記対象物までの距離を演算する演算部と、
    を備え、
    記受信部、通過する光の周波数によって屈折率が異なる異常分散材が設けられ、前記受信部に設けられた前記異常分散材は、通過する光を時間軸方向に伸長させる屈折率を有する
    レーザレーダ装置。
  2. 前記送信部に前記異常分散材が設けられ、
    前記送信部に設けられた前記異常分散材は、通過する光を時間軸方向に圧縮し、光の強度を圧縮前より上昇させる屈折率を有する
    請求項1記載のレーザレーダ装置。
  3. 前記受信部に、受信した光を時分割し、時分割した各々の光を異なる経路に伝播する光マルチプレクサが設けられ、
    前記経路の各々に前記異常分散材が設けられた
    請求項記載のレーザレーダ装置。
  4. 前記異常分散材が、複数のエアホールが配置されたフォトニック結晶である
    請求項1から請求項の何れか1項に記載のレーザレーダ装置。
  5. 前記複数のエアホールに、異なる大きさのエアホールが含まれる
    請求項記載のレーザレーダ装置。
  6. 前記異常分散材が回折格子である
    請求項1から請求項の何れか1項に記載のレーザレーダ装置。
  7. 前記異常分散材がプリズムである
    請求項1から請求項の何れか1項に記載のレーザレーダ装置。
  8. 請求項1から請求項の何れか1項に記載のレーザレーダ装置が光集積回路で構成されたレーザレーダ光集積回路。
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