JP6878172B2 - ワイヤレスインターホン機器 - Google Patents
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Description
この特許文献1では、映像信号や通話信号を処理する主機能を実装した基板と、無線通信する機能を実装した基板とを別基板とし、更にアンテナをパターン形成した基板を別途設けて親機ケースに収納している。
これは、アンテナから放射される電波や、アンテナに流れる高周波電流により発生するコモンモード電流が、音声系や映像系の回路へ干渉するのを防止するためであった。
尚、無線通信のための高周波信号の音声系への干渉を低減する為に、インダクタンスとコンデンサによるコモンモードフィルタで対策を行うことは可能であるが、小型化に寄与する対策ではなかった。
この構成によれば、不平衡線路の周囲に配設されたグランドパターンのバラン部近傍となる縁部に、所定の径の穴を穿設してグランドパターンの端部にチョークコイルの作用を奏する切り欠きを設けることで、平衡型アンテナに流れる高周波電流の不一致によるコモンモード電流の発生を抑制できる。そのため、アンテナを形成した基板にインターホン回路を実装しても、アンテナから放射される電波のインターホン回路への干渉を低減でき、良好なインターホン動作を実現できる。また、チョークコイルは単純な穴としたため、省スペースで回路形成でき、ワイヤレスインターホン機器の小型化に有効である。
この構成によれば、第1及び第2バランパターンの線路幅を同一とし、線路長を電気長波長の4分の1とすることで、平衡電圧の2つの振幅が同一になり、バラン動作の誤差による動作損失を低減できる。また、バラン部を45°の角度で不平衡線路に接続したことで、バラン部の実効占有面積を低減させることができ、小型化に有効である。
裏面のパターンは、第2バランパターンの端部とスルーホールを介して接続されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、スルーホールを介してバランとアンテナが接続されるため、外観上鋭角に接続されても、高周波電流はパターン連結部に於いてはスルーホールを流れるため、高周波電流がパターンの鋭角な内側に集中して流れるのを回避でき、平衡型アンテナの2つのパターンの平衡状態を保つことができる。
線路幅Wg=(2π・d)/√εr ・・・(1)
ここで、Wg:線路幅、d:多層基板の誘電体部の厚み、εr:基板の比誘電率である。
この構成によれば、ダイポールアンテナの特性インピーダンスは73Ω、無線通信部の特性インピーダンスは50Ωであるが、バラン部の線路においてインピーダンス変換を行うことができ、利得の低下を防止できる。
この構成によれば、ダイポールアンテナの広帯域化を図ることができる。
各図において、11(11a,11b)はパターン形成された平衡型アンテナの1つであるダイポールアンテナ(以下、単に「アンテナ」と称する)、12(12a,12b)はバラン部、13は不平衡線路、14は1.9GHz帯の所定の周波数の信号を生成及び受信する高周波回路である無線通信部である。
そして、図3,5に示す様に、多層から成る基板20の表面に第1アンテナパターン11aが形成され、基板20の裏面に第2のアンテナパターン11bが形成されている。
第1バランパターン12aは、図3に示す様に一端が無線通信部14から延設された不平衡線路13に接続されて、他端がアンテナ11の基部である第1アンテナパターン11a給電点に接続されており、ホット電流が流れるパターンとして形成されている。
第2バランパターン12bは、同様に内層に形成されたグランドパターン15に一端が接続されて、他端が基板20の裏面に形成された第2アンテナパターン11bの給電点Mに接続されており、コールド電流が流れるパターンとして形成されている。
上述したように、第1バランパターン12aと第1アンテナパターン11aとは135°で接続され、第2バランパターン12aと第2アンテナパターン11bとは45°で接続されている。そのため、45°で接続される第2アンテナパターン11bの連結部(給電点M)は、形成した導体パターンの最短ラインに電流(高周波電流)が流れようとするため、図6(a)の矢印i1に示すように連結部の内側に電流集中が発生する。こうなると、アンテナパターンに至る電気長に差異が発生し、電力ロスが発生してしまう。
こうすることで、図6(b)の矢印i2、i3に示すように最短コースへ電流が集中するのを防止でき、第1アンテナパターン11aと第2アンテナパターン11bの電気長を一致させることができる。
図7はこの説明図で、スルーホール16形成部位の基板20の断面説明図である。基板20に貫通形成したスルーホール16により第2バランパターン12bと第2アンテナパターン11bとが接続された状態を示し、電流(矢印で示す)がスルーホール16を介して3次元で流れることで、電気長が短縮されるのを防いでいることを示している。
尚、第1アンテナパターン11aと第1バランパターン12aとの接続は、135°で行われて鋭角ではないため、電気長が設計値から大きく変化するようなことがない。
Wg=2π・d/√εr
但し、d:多層基板の誘電体部の厚さ、εr:基板の比誘電率である。
図3に示す様に、穴17は直径5mmの丸穴であり、不平衡線路13とバラン部12との境界部付近であるグランドパターン15の隅部に、一部がグランドパターン15からはみ出すよう穿設されている。
この結果、バラン部12に近いグランドパターン15の縁部において、対向する鋭端部を有する略円形の切り欠き15aが形成される。加えて、グランドパターン15は、基板20の表面、内層、裏面のそれぞれに、同一形状で形成されており、グランドパーターン15の対向する鋭端部を有する略円形の切り欠き15aは内層及び裏面にも形成され、3箇所同時に形成される。
高周波電流の場合は大半が形成されたパターンの縁に沿って流れる。そのため、図8の矢印で示す様に丸穴により形成された略円形の切り欠き15aの鋭角な先端部P1,P2では、直線部(グランドパターン15の端部)と切り欠き15aの円周部とで電流の流れが逆になり、あたかも電流がキャンセルされるような流れが発生する。
そして基板20に穴を開けることで、このキャンセルされる部分を基板20の表面と内層と裏面の3箇所作り出すことができるし、切り欠き15aの円周分(直径×約3倍)電流経路が長くなるので、コイルのない単純な形状でもチョークコイルの作用を効果的に奏させることができる。この結果、コモンモード電流の阻止に効果を奏している。
また、チョークコイルは単純な穴としたため、省スペースで回路形成でき、ワイヤレスインターホン機器の小型化に有効である。
更に、第1及び第2バランパターン12a,12bの線路幅Wbを同一にし、線路長を電気長波長の4分の1としたことで、平衡電圧の2つの振幅が同一になり、バラン動作の誤差による動作損失を低減できる。加えて、不平衡線路13に対して45°の角度で接続したため、バラン部12の実効占有面積を低減させることができ、小型化に有効である。
またアンテナ11は、基板20の例えば左右端部というように一対設けて、ダイバーシティアンテナを形成して、切替が成されて使用すると良い。
Claims (5)
- 基板にパターン形成した平衡型アンテナにより、1.9GHz帯を使用した無線通信により、音声信号及び映像信号を送受して通話を可能とするワイヤレスインターホン機器であって、
前記平衡型アンテナを、前記基板にパターン形成したバラン部及び不平衡線路を介して同一基板上に形成した無線通信回路に接続し、
前記不平衡線路の周囲に配設されたグランドパターンの前記バラン部の近傍となる縁部に、前記グランドパターンから一部がはみ出す所定の径の穴を前記基板に穿設して前記グランドパターンに切り欠き部を形成し、
前記切り欠き部をチョークコイルとして作用させることで、前記平衡型アンテナに流れる高周波電流の不一致による前記グランドパターンへのコモンモード電流を阻止することを特徴とするワイヤレスインターホン機器。 - 前記基板は多層基板であって、前記不平衡線路は前記多層基板の表面に形成される一方、前記不平衡線路の下部となる前記多層基板の内層はグランドパターンで覆われて成り、
前記バラン部は、前記不平衡線路に連続して前記多層基板の表面に形成され、且つ前記不平衡線路に対して45°の角度で配設された第1バランパターンと、
前記内層に形成されたグランドパターンに接続されて、前記第1バランパターンと重なる様にパターン形成された第2バランパターンとを有し、
更に、前記第1及び第2バランパターンの線路幅を同一として、線路長を電気長波長の4分の1としたことを特徴とする請求項1記載のワイヤレスインターホン機器。 - 前記平衡型アンテナの2つのパターンのうち、一方は前記多層基板の表面に形成される一方、他方は裏面に形成され、
裏面のパターンは、前記第2バランパターンの端部とスルーホールを介して接続されて成ることを特徴とする請求項2記載のワイヤレスインターホン機器。 - 前記平衡型アンテナは全体で2分の1波長のダイポールアンテナであり、
前記バラン部の線路幅が、下記(1)式に基づき算出された所定の幅に設定されていることを特徴とする請求項3記載のワイヤレスインターホン機器。
線路幅Wg=(2π・d)/√εr ・・・(1)
ここで、Wg:線路幅、d:多層基板の誘電体部の厚さ、εr:基板の比誘電率である。 - 前記ダイポールアンテナは、前記基板の縁近傍において縁に平行に配置されると共に、2つのアンテナパターンは先端に向けて拡幅形成され、
当該拡幅は、前記基板の縁方向に向けて実施されて成ることを特徴とする請求項4記載のワイヤレスインターホン機器。
Priority Applications (1)
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JP2017124451A JP6878172B2 (ja) | 2017-06-26 | 2017-06-26 | ワイヤレスインターホン機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017124451A JP6878172B2 (ja) | 2017-06-26 | 2017-06-26 | ワイヤレスインターホン機器 |
Publications (2)
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JP2019009652A JP2019009652A (ja) | 2019-01-17 |
JP6878172B2 true JP6878172B2 (ja) | 2021-05-26 |
Family
ID=65029228
Family Applications (1)
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JP2017124451A Active JP6878172B2 (ja) | 2017-06-26 | 2017-06-26 | ワイヤレスインターホン機器 |
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2017
- 2017-06-26 JP JP2017124451A patent/JP6878172B2/ja active Active
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