JP2015211248A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】利便性の向上を図ることができる電子機器を提供する。【解決手段】一つの実施形態によれば、電子機器は、カバーと、少なくとも一部が前記カバーに覆われたフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に設けられ、柔軟性を有したカプラと、前記カプラを使用して近接無線通信を実行する通信モジュールと、前記カプラが受信したデータの少なくとも一部を出力する出力装置とを備える。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
近接無線通信用のカプラを備えた電子機器が提供されている。
電子機器は、利便性の向上が望まれている。
本発明の目的は、利便性の向上を図ることができる電子機器を提供することである。
実施形態によれば、電子機器は、カバーと、少なくとも一部が前記カバーに覆われたフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に設けられ、柔軟性を有したカプラと、前記カプラを使用して近接無線通信を実行する通信モジュールと、前記カプラが受信したデータの少なくとも一部を出力する出力装置とを備える。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
本明細書では、いくつかの要素に複数の表現の例を付している。なおこれら表現の例はあくまで例示であり、上記要素が他の表現で表現されることを否定するものではない。また、複数の表現が付されていない要素についても、別の表現で表現されてもよい。
本明細書では、いくつかの要素に複数の表現の例を付している。なおこれら表現の例はあくまで例示であり、上記要素が他の表現で表現されることを否定するものではない。また、複数の表現が付されていない要素についても、別の表現で表現されてもよい。
また、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係や各層の厚みの比率などは現実のものと異なることがある。また、図面相互間において互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれることもある。
(第1実施形態)
図1乃至図6は、第1実施形態に係る電子機器1を示す。図1は、電子機器1の外観を示す。電子機器1は、例えばリストバンド型のモバイルデバイスであり、ユーザの腕に装着されて使用可能である。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、上記例に限られない。本実施形態の構成は、種々の電子機器に広く適用可能である。
図1乃至図6は、第1実施形態に係る電子機器1を示す。図1は、電子機器1の外観を示す。電子機器1は、例えばリストバンド型のモバイルデバイスであり、ユーザの腕に装着されて使用可能である。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、上記例に限られない。本実施形態の構成は、種々の電子機器に広く適用可能である。
図1に示すように、電子機器1は、表示部2と、一対のバンド部3a,3bとを有する。表示部2は、例えば後述する表示装置5を含み、電子機器1に入力されたまたは電子機器1が記憶している種々の情報が表示される。表示部2は、電子機器1がユーザの腕に取り付けられた状態で、例えばユーザの手の甲と略平行に位置する。本実施形態の表示部2は、屈曲性を有しないが、屈曲性を有してもよい。
一対のバンド部3a,3bは、表示部2の両側に分かれて設けられ、略直線状に延びている。バンド部3a,3bの各々は、柔軟性(屈曲性、可撓性)を有し、表示部2に対して例えば曲線状に曲げることができる。バンド部3a,3bは、ユーザの腕の外周に沿うように曲げられ、ユーザの腕に巻かれる。一対のバンド部3a,3bは、互いに連結される係合部を有し、互いに連結可能である。
図2は、電子機器1の一部を分解して示す。電子機器1は、カバー11(アウターカバー、外装部材)と、装置本体12とを有する。カバー11は、装置本体12を覆うとともに、一対のバンド部3a,3bの主部を形成する。カバー11は、表示部2が露出する第1開口部14を有する。カバー11は、例えば種々の素材のもの(例えばゴム、プラスチック、ナイロン、または皮など)が用意され、ユーザの好みに合わせて選択可能(着せ替え可能)である。
一方で、装置本体12は、種々の電子部品を含むモジュールである。装置本体12は、第1部分21、第2部分22、及び第3部分23を有する。第1部分21は、表示部2に対応する部分であり、カバー11の第1開口部14に挿入される。第1部分21は、例えば剛性を有したケース25と、このケース25に収容された表示装置5とを含む。表示装置5は、外部に露出する表示画面5aを有する。表示装置5は、「出力装置」の一例であり、後述のカプラ31(第1アンテナ)が受信したデータの少なくとも一部を表示画面5aに出力する。
装置本体12は、フレキシブル基板32(図3参照)を有する。フレキシブル基板32は、柔軟性(屈曲性、可撓性)を有する。フレキシブル基板32は、例えば絶縁樹脂33(モールド樹脂)で覆われるとともに、カバー11の内面に面して少なくとも一部がカバー11に覆われる。なおここで「フレキシブル基板がカバーに覆われる」とは、フレキシブル基板がカバーに直接に覆われる場合に加えて、例えばフレキシブル基板が絶縁樹脂(モールド樹脂)などで覆われた状態でカバーに覆われる場合も含む。
図3は、装置本体12に含まれるフレキシブル基板32を模式的に示す。なお図3及び後述の同様の図では、説明の便宜上、フレキシブル基板32の裏面に形成された配線パターンを実線にて示す。フレキシブル基板32は、例えば装置本体12の第1部分21、第2部分22、及び第3部分23に亘ってひと繋がりに延びている。
図3に示すように、装置本体12の第1部分21は、制御部35、記憶部36、アンテナ37(第2アンテナ)、及び通信モジュール38を有する。制御部35、記憶部36、アンテナ37、及び通信モジュール38は、例えばフレキシブル基板32の第1面32a(例えばオモテ面、図9参照)に実装されるとともに、電子機器1の厚さ方向において表示装置5に重なる。
制御部35は、電子機器1の動作を統括的に制御するICチップであり、例えばCPUである。記憶部36は、電子機器1に入力された情報を記憶するICチップである。記憶部36は、例えばNAND型メモリチップであるが、これに限られるものではない。
アンテナ37は、例えばBluetooth(登録商標)用のアンテナであるが、これに限られるものではない。アンテナ37は、例えば電波を放射して(放射電磁界を利用して)無線通信を行う。アンテナ37の通信可能距離は、後述のカプラ31の通信可能距離よりも大きい。アンテナ37は、「出力装置」の他の一例であり、カプラ31が受信したデータの少なくとも一部を外部に出力する(無線で送る)ことができる。通信モジュール38は、アンテナ37を使用して無線通信を実行する。
図2及び図3に示すように、装置本体12の第2部分22及び第3部分23は、第1部分21の両側に分かれて位置し、カバー11に覆われる。すなわち、第2部分22及び第3部分23は、カバー11の内面に面する。上述したように、フレキシブル基板32を覆う絶縁樹脂33は、柔軟性を有する。このため、第2部分22及び第3部分23の各々は、柔軟性(屈曲性、可撓性)を有し、カバー11の変形(曲げ)に追従可能である。第2部分22及び第3部分23は、カバー11の内面に取り付けられ、カバー11と一体に上記バンド部3a,3bを形成する。
図1及び図2に示すように、装置本体12の第2部分22は、カプラ31が搭載されるカプラ実装領域15を有する。図2及び図3に示すように、第2部分22は、カプラ31(アンテナ)と、通信モジュール39とを有する。すなわち、カプラ31及び通信モジュール39は、バンド部3aに設けられている。なお、通信モジュール39は、装置本体12の第1部分21に設けられてもよい。
なお、上記構成を別の表現で表すと、カバー11は、表示部2が取り付けられるフレーム部41(主部)と、このフレーム部41の両側に分かれた一対のバンド部42a,42bとを有する。カプラ31及び通信モジュール39は、カバー11のバンド部42aに覆われる領域に配置されたとも言える。
次に、本実施形態のカプラ31について詳しく説明する。
カプラ31は、該カプラ31と他のカプラ(他のアンテナ)との間の電磁的結合(静電界(準静電界)または誘導電界でのカップリング)でデータを送受信する。カプラ31は、近接無線通信で使用されるアンテナである。近接無線通信は、互いに近接されたデバイス間のデータ転送を実行する。近接無線通信の方式は、例えばTransferJet(登録商標)であるが、これに限定されるものではない。TransferJetは、UWB(Ultra Wide Band)を利用した近接無線通信方式である。2つのデバイスが通信範囲(例えば3cm)内に接近した場合、それらデバイス其々に設けられたカプラ間が電磁気的に結合される。この結合により、それらデバイスはピア・ツー・ピアで無線通信することができる。
カプラ31は、該カプラ31と他のカプラ(他のアンテナ)との間の電磁的結合(静電界(準静電界)または誘導電界でのカップリング)でデータを送受信する。カプラ31は、近接無線通信で使用されるアンテナである。近接無線通信は、互いに近接されたデバイス間のデータ転送を実行する。近接無線通信の方式は、例えばTransferJet(登録商標)であるが、これに限定されるものではない。TransferJetは、UWB(Ultra Wide Band)を利用した近接無線通信方式である。2つのデバイスが通信範囲(例えば3cm)内に接近した場合、それらデバイス其々に設けられたカプラ間が電磁気的に結合される。この結合により、それらデバイスはピア・ツー・ピアで無線通信することができる。
本実施形態に係る電子機器1は、例えば各種サービスを提供するデジタル端末(ボックス)の通信面に当接させるまたは近付けることで使用されてもよい。カプラ31は、該カプラ31が搭載されるデバイスが他のデバイス(以下、外部デバイス)に対して複数の異なる姿勢(例えば外部デバイスに対してカプラ31が垂直な姿勢、及び外部デバイスに対してカプラ31が水平な姿勢)で近接させた場合、そのいずれの姿勢でも外部デバイスと電磁的結合ができるように構成されている。
以下、カプラ31の構造について説明する。
図4は、カプラ31の構成例を模式的に示す図である。図4に示すように、カプラ31は、アンテナパターン44(エレメント)と、グランド45とを備える。アンテナパターン44は、結合素子51、給電素子52、及び短絡素子53を含む。これら素子51,52,53の各々は線状である。
図4は、カプラ31の構成例を模式的に示す図である。図4に示すように、カプラ31は、アンテナパターン44(エレメント)と、グランド45とを備える。アンテナパターン44は、結合素子51、給電素子52、及び短絡素子53を含む。これら素子51,52,53の各々は線状である。
本実施形態に係るカプラ31は、フレキシブル基板32上に平面型のカプラとして形成され、柔軟性を有する。カプラ31は、例えばフレキシブル基板32の表面に設けられた配線パターンによって形成されている。カプラ31は、バンド部3aがユーザの腕に取り付けられたとき、バンド部3aの外形に沿う曲面状に曲げられた状態で使用可能である。
結合素子51(第1導体素子、第1導体部)は、該カプラ31と他のカプラとの間を電磁的に結合する素子である。この結合素子51は、例えば第1方向Xに直線状に延びた細長い素子であり、第1開放端E1と、第2開放端E2とを有する。第1開放端E1は、結合素子51の一端であり、どの導電体も接続されない。第2開放端E2は、結合素子51の他端であり、どの導電体も接続されない。
結合素子51は、第1開放端E1と第2開放端E2との間に位置した中点A1を有する。中点A1は、結合素子51の2つの開放端E1,E2間の中点である。つまり、結合素子51の中点A1は、結合素子51の長手方向の中間点に位置する。第1開放端E1と中点A1との間の距離は、第2開放端E2と中点A1との間の距離に等しい。中点A1は、「接続点」の一例である。
図4に示すように、給電素子52とグランド45との間には、給電端子55が設けられている。給電端子55は、正側給電点55aと、グランド側給電点55bとを有する。給電端子55は、信号を伝送する同軸ケーブルが接続されるコネクタであってもよい。このコネクタは、同軸ケーブルの内部導体に接続される正側端子と、同軸ケーブルの外部導体に接続されるグランド側端子とを含む。給電端子55の正側給電点55aは、例えば上述のコネクタの正側端子である。給電端子55のグランド側給電点55bは、例えば上述のコネクタのグランド側端子であり、グランド45に接続される。なお以下では、正側給電点55aを「給電点55a」と称する。
給電素子52(第2導体素子、第2導体部)は、「第1接続素子」の一例である。給電素子52は、結合素子51への給電のために結合素子51の中点A1に電気的に接続され、給電点55aからの電流が流れる。給電素子52は、給電点55aと結合素子51の中点A1との間を接続する。詳しく述べると、給電素子52の一端は、給電点55aに接続される。給電素子52の他端は、結合素子51の中点A1に接続される。本実施形態では、給電素子52は、結合素子51の中点A1に直接に接続されている。
図4に示すように、給電素子52は、第1部分52aと、第2部分52bとを有するとともに、これら第1部分52aと第2部分52bの間で折れ曲がっている。第1部分52aは、給電点55aに接続される。第1部分52aは、上述の第1方向Xとは略直交した第2方向Yに直線状に延びている。第2部分52bは、第1部分52aと結合素子51の中点A1との間を直線状に延びている。第2部分52bは、第1方向X及び第2方向Yとは斜めに交差した方向(つまり、結合素子51と斜めに交差した方向)に延びている。
図4に示すように、短絡素子53とグランド45との間には、短絡点Pが位置する。短絡点Pは、アンテナパターン44がグランド45に接続する接続位置である。カプラ31は、第2方向Yで結合素子51の中点A1を通る中心線Cを有する。給電端子55及び短絡点Pは、カプラ31の中心線Cの両側に分かれて位置する。給電端子55と短絡点Pとの間の第1方向Xの距離は、特に限定されるものでは無く、給電素子52及び短絡素子53の長さに適した距離に設定されてよい。
短絡素子53(第3導体素子、第3導体部)は、「第2接続素子」の一例である。なお、短絡素子53は、「第1接続素子」の一例を構成してもよい。この場合、給電素子52が「第2接続素子」の一例を構成する。
短絡素子53は、結合素子51の中点A1に電気的に接続され、給電点55aからの電流が流れる。短絡素子53は、結合素子51の中点A1と短絡点Pとの間を接続する。詳しく述べると、短絡素子53の一端は、結合素子51の中点A1に接続される。短絡素子53の他端は、短絡点Pに接続される。本実施形態では、短絡素子53は、結合素子51の中点A1に直接に接続されている。
図4に示すように、短絡素子53は、第1部分53aと、第2部分53bとを有するとともに、これら第1部分53aと第2部分53bとの間で折れ曲がっている。第1部分53aは、短絡点Pに接続される。第1部分53aは、第2方向Yに直線状に延びている。第2部分53bは、第1部分53aと結合素子51の中点A1との間を直線状に延びている。第2部分53bは、第1方向X及び第2方向Yとは斜めに交差した方向(つまり、結合素子51と斜めに交差した方向)に延びている。
以上の構成により、結合素子51、給電素子52、短絡素子53を含むアンテナパターン44は、結合素子51の中点A1に関して(つまり中心線Cに関して)左右対称の形状を有している。
次に、結合素子51の電気長について説明する。
結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の電気長は、L1(第1電気長)である。このL1は、n×λ/4に設定される。λは上述の近接無線通信で使用される周波数に対応する波長である。より詳しくは、近接無線通信で使用される周波数帯域内の中心周波数に対応する波長がλである。nは1以上の奇数であればよい。換言すれば、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の電気長は、波長λの1/4の奇数倍である。なお、本実施形態では、L1=λ/4に設定される場合が例示されている。同様に、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の電気長も、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の電気長と同じL1である。
結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の電気長は、L1(第1電気長)である。このL1は、n×λ/4に設定される。λは上述の近接無線通信で使用される周波数に対応する波長である。より詳しくは、近接無線通信で使用される周波数帯域内の中心周波数に対応する波長がλである。nは1以上の奇数であればよい。換言すれば、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の電気長は、波長λの1/4の奇数倍である。なお、本実施形態では、L1=λ/4に設定される場合が例示されている。同様に、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の電気長も、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の電気長と同じL1である。
上述したように、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の電気長はn×λ/4であるので、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の素子部分は一つの共振アンテナ部(共振部)として機能する。同様に、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の電気長もn×λ/4であるので、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の素子部分は別の一つの共振アンテナ部(共振部)として機能する。このように、結合素子51自体が共振部として機能する。
したがって、カプラ31においては、結合素子51の他に、共振スタブのような専用の共振回路を設けることなく、所望周波数帯域の信号に対応する多くの電流を結合素子51に流すことができる。この結果、カプラ31の上面においては、結合素子51の長手方向に沿った部分、つまり結合素子51を囲む領域(カプラ31の上部領域)は、他のカプラとの結合が可能な結合部分として機能する。
上述したように、給電素子52が結合素子51の中点A1に接続されているので、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の素子部分における電荷分布(電流分布)は、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の素子部分における電荷分布(電流分布)と対称となる。よって、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の素子部分、または結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の素子部分のどちらに相手のカプラが近接された場合でも、これらカプラ間の電磁気的な結合の強さを同等にすることができる。
このような結合素子51は、例えば第2方向Y(カプラ水平方向)で、該カプラ31と相手デバイスとを電磁的に結合し易い結合素子として機能することができる。
ここで図2及び図3に示すように、本実施形態のバンド部3aは、ユーザの腕の周方向に延びる第1縁部57a及び第2縁部57bを有する。第1縁部57aは、電子機器1がユーザの腕に取り付けられた状態で、例えばユーザの手に近い側に位置する。第2縁部57bは、第1縁部57aとは反対側に位置する。結合素子51は、バンド部3aの第1縁部57aに配置され、第1縁部57aと略平行に配置されている。このため、結合素子51は、バンド部3aがユーザの腕に取り付けられた状態で、例えばユーザの腕から手に向かう方向で通信相手とカップリング可能である。
次に、給電素子52及び短絡素子53の各々の電気長について説明する。
本実施形態では、結合素子51を囲む領域とグランド45との間の領域(中央領域)も結合部として利用できるようにするために、給電素子52及び短絡素子53の各々の電気長L2(第2の電気長)は、波長λの1/4の奇数倍に設定されている。すなわち、L2=m×λ/4である。mは1以上の奇数であればよい。換言すれば、給電素子52及び短絡素子53の各々の電気長L2は、波長λの1/4の奇数倍である。なお、給電素子52の電気長と短絡素子53の電気長は、異なってもよい。本実施形態では、L1=λ/4、L2=λ/4、に設定される場合が例示されている。
本実施形態では、結合素子51を囲む領域とグランド45との間の領域(中央領域)も結合部として利用できるようにするために、給電素子52及び短絡素子53の各々の電気長L2(第2の電気長)は、波長λの1/4の奇数倍に設定されている。すなわち、L2=m×λ/4である。mは1以上の奇数であればよい。換言すれば、給電素子52及び短絡素子53の各々の電気長L2は、波長λの1/4の奇数倍である。なお、給電素子52の電気長と短絡素子53の電気長は、異なってもよい。本実施形態では、L1=λ/4、L2=λ/4、に設定される場合が例示されている。
このように給電素子52及び短絡素子53の各々の電気長L2が波長λの1/4の奇数倍に設定されている場合には、給電素子52及び短絡素子53の各々も、一つの共振アンテナ部(共振部)として機能する。この結果、給電素子52及び短絡素子53の各々に多くの電流が流れる。したがって、カプラ31の上面においては、給電素子52及び短絡素子53の長手方向に其々沿った2つの領域も、他のカプラとの結合が可能な結合部分として機能する。したがって、結合素子51の長手方向に沿った部分とグランド45との間の領域(中央領域)も結合部として利用可能となる。
上述したように、結合素子51は、例えば第2方向Y(カプラ水平方向)で、該カプラ31と相手デバイスとを電磁的に結合し易い結合部として機能することができる。一方で、給電素子52及び短絡素子53の各々は、例えば第1方向X及び第2方向Yに略直交した第3方向Z(グランド45に垂直な方向、図3中で紙面に垂直な方向)で、該カプラ31と相手デバイスとを電磁的に結合し易い結合部として機能することができる。これにより、カプラ31は、第2方向Yと第3方向Zのいずれの方向においても相手デバイスのカプラと電磁的に結合することができる。本実施形態では、給電素子52及び短絡素子53の各々は、バンド部3aがユーザの腕に取り付けられた状態で、ユーザの腕の径方向で通信相手とカップリング可能である。
次に、図5を参照して、本実施形態のカプラ31の電荷分布について説明する。
上述したように、給電素子52が結合素子51の中点A1に接続されているので、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の素子部分には、符号R1で示す共振が生じ、第1開放端E1に近付くに従い大きくなる電荷分布が生じる。同様に、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の素子部分には、符号R2で示す共振が生じ、第2開放端E2に近付くに従い大きくなる電荷分布が生じる。このため、結合素子51に基づく電荷分布だけを見た場合、結合素子51の中点はいわゆるヌル点になる。
上述したように、給電素子52が結合素子51の中点A1に接続されているので、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の素子部分には、符号R1で示す共振が生じ、第1開放端E1に近付くに従い大きくなる電荷分布が生じる。同様に、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の素子部分には、符号R2で示す共振が生じ、第2開放端E2に近付くに従い大きくなる電荷分布が生じる。このため、結合素子51に基づく電荷分布だけを見た場合、結合素子51の中点はいわゆるヌル点になる。
一方で、給電素子52及び短絡素子53には、符号R3で示す共振が生じる。このため、給電素子52及び短絡素子53の共振に基づく電荷は、結合素子51の中点付近に多く溜まり、上記ヌル点を補完する。このような構成によれば、結合素子51の複数の箇所に電荷が分布するので、カプラ31が曲面状に曲げられた場合でも、通信相手と結合しやすい。
給電素子52及び短絡素子53の各々は、第2方向Yに延びた第1部分52a,53aや、結合素子51とは斜めに交差する方向に延びる第2部分53a,53bを有する。これにより、例えば、相手デバイスのカプラの結合素子の長手方向の向きが、カプラ31の結合素子51の長手方向(第1方向X)に対してずれた場合でも、これらカプラ間を結合しやすくすることができる。
また本実施形態では、給電素子52及び短絡素子53の各々は、互いに異なる方向に延びた第1部分52a,53aと第2部分52b,53bとを含む。このような構成によれば、カプラ31の上面に対向される他のデバイスのカプラの結合素子の様々な向きをサポートすることが可能となる。
給電端子55の第1方向Xの位置は、結合素子51の中点A1の直下ではなく、中点A1と第1開放端E1との間の位置に設定してもよい。このように、給電端子55の第1方向Xの位置は、結合素子51の中点A1の直下の位置からオフセットされた位置に設定可能である。同様に、短絡点Pの第1方向Xの位置は、結合素子51の中点A1の直下ではなく、中点A1と第2開放端E2との間の位置に設定してもよい。このように、短絡点Pの第1方向Xの位置は、結合素子51の中点A1の直下の位置からオフセットされた位置に設定可能である。これにより、たとえ給電素子52及び短絡素子53の各々の電気長L2を長くしても、カプラ31の幅方向のサイズの過度の増加を防止することが出来る。
次に、図6を参照して、カプラ31の原理を説明する。
図6の(a)は、ある平面型小型カプラを示す。この小型カプラの結合素子51’の全長はλ/2である。給電素子52’の長さは波長λに対して無視しうる程度短い。この給電素子52’は、給電点55a(正側給電点)と結合素子51’の中点A1とを接続する。短絡素子53’は、結合素子51’の中点A1とグランド45とを接続する。この小型カプラにおいては、結合素子51’だけが結合部分として機能する。
図6の(a)は、ある平面型小型カプラを示す。この小型カプラの結合素子51’の全長はλ/2である。給電素子52’の長さは波長λに対して無視しうる程度短い。この給電素子52’は、給電点55a(正側給電点)と結合素子51’の中点A1とを接続する。短絡素子53’は、結合素子51’の中点A1とグランド45とを接続する。この小型カプラにおいては、結合素子51’だけが結合部分として機能する。
図6の(b)は、本実施形態に係るカプラ31に対応したカプラ構造を示す。このカプラ構造においては、給電素子52’は、λ/4の長さを有する給電素子52に置き換えられている。短絡素子53’は、λ/4の長さを有する短絡素子53に置き換えられている。λ/4の長さを有する給電素子52及び短絡素子53の各々は、上述したように共振部及び結合部として機能することができる。よって、このカプラ構造においては、3つの結合部分を有する。よって、カプラが搭載されるデバイスと他のデバイスとの間を結合し易くすることができる。
次に、図3を参照して、カプラ31の実装構造例を説明する。
フレキシブル基板32は、第1面32a(例えばオモテ面、図9参照)と、該第1面32aとは反対側に位置した第2面32b(例えば裏面、図8参照)とを有する。結合素子51、給電素子52、短絡素子53、給電端子55(コネクタ)、及びグランド45は、例えば第2面32bに設けられた配線パターンで形成され、略同一平面上に位置する。
フレキシブル基板32は、第1面32a(例えばオモテ面、図9参照)と、該第1面32aとは反対側に位置した第2面32b(例えば裏面、図8参照)とを有する。結合素子51、給電素子52、短絡素子53、給電端子55(コネクタ)、及びグランド45は、例えば第2面32bに設けられた配線パターンで形成され、略同一平面上に位置する。
なお、「略同一平面上に位置する」とは、フレキシブル基板32の表面から離れて設けられていないことを意味する。すなわち、「略同一平面上に位置する」とは、結合素子51、給電素子52、短絡素子53、給電端子55(コネクタ)、及びグランド45がフレキシブル基板32の第1面32a及び第2面32bに分かれて設けられた場合も含む。
図3に示すように、本実施形態では、給電素子52の太さ(幅)及び短絡素子53の太さ(幅)の各々は、結合素子51の太さ(幅)と略同じである。このため、給電素子52及び短絡素子53は、相手デバイスのカプラと安定した結合を行うことができる。
本実施形態では、グランド45(グランド板)は、第1方向Xに延びて板状に形成されている。グランド45は、第2方向Yに幅Wを有する。ここで、グランド45の幅W(電気長)は、波長λの1/4に設定されている。グランド45の幅W(電気長)が波長λの1/4に設定されていると、カプラ31の共振を強めることができる。なお、グランド45の幅Wは、例えば波長λの1/4よりも小さくてもよい。
グランド45は、バンド部3aの長手方向(第1方向X)において、表示部2から見て、結合素子51、給電素子52、及び短絡素子53を超えて延びている。なお、装置本体12の第1部分21及び第3部分23において、フレキシブル基板32の第2面32bにはベタのグランド45が設けられている。すなわち、グランド45は、第1部分21、第2部分22、及び第3部分23に亘りひと続きである。
図3に示すように、グランド45は、バンド部3aの端部に近い端部45aを有する。本実施形態では、短絡素子53及び短絡点Pは、給電素子52及び給電点55aと比べて、グランド45の端部45aに近い。このような構成によれば、カプラ31の共振に影響するグランド45が見かけ上小さくなり、カプラ31の共振が減衰しにくくなる。
フレキシブル基板32の第1面32aには、例えば近接無線通信モジュール39が搭載されてもよい。通信モジュール39は、例えば高周波回路(RF回路)のような電子部品39aを含む。通信モジュール39は、カプラ31を使用して近接無線通信を実行する。
なお、給電端子55は、フレキシブル基板32の第1面32aに設けられてもよい。この場合、給電端子55の給電点55aは、ビア(スルーホール)を介して給電素子52に接続されてもよく、給電端子55のグランド側給電点55bは、ビアを介してグランド45に接続されてもよい。
次に、電子機器1の使用例について説明する。
電子機器1の一例は、音楽プレーヤである。電子機器1は、例えば各種サービスを提供するデジタル端末(ボックス)の通信面に当接させるまたは近付けることで、上記デジタル端末から音楽データを受信することができる。電子機器1は、該音楽データに係る情報(例えば曲名や再生時間)を表示装置5に表示させるとともに、音楽情報をアンテナ37で無線型のイヤホンに送ることができる。なお、電子機器1の使用方法は、これに限られず、種々の方法で使用されることができる。
電子機器1の一例は、音楽プレーヤである。電子機器1は、例えば各種サービスを提供するデジタル端末(ボックス)の通信面に当接させるまたは近付けることで、上記デジタル端末から音楽データを受信することができる。電子機器1は、該音楽データに係る情報(例えば曲名や再生時間)を表示装置5に表示させるとともに、音楽情報をアンテナ37で無線型のイヤホンに送ることができる。なお、電子機器1の使用方法は、これに限られず、種々の方法で使用されることができる。
以上の構成によれば、利便性の向上を図った電子機器1を提供することができる。すなわち、本実施形態の電子機器1は、カバー11と、少なくとも一部がカバー11に覆われたフレキシブル基板32と、フレキシブル基板32に設けられて柔軟性を有したカプラ31と、カプラ31を使用して近接無線通信を実行する通信モジュール39と、カプラ31が受信したデータの少なくとも一部を出力する出力装置(例えば表示装置5またはアンテナ37)とを備える。このような構成によれば、柔軟性を有したカプラ31を種々のデバイスに組み込むことができるとともに、そのカプラ31が受信したデータの少なくとも一部を出力装置で出力可能であるため、電子機器1を様々な場面で利用することができるようになる。このため、電子機器1の利便性の向上を図ることができる。
本実施形態では、電子機器1は、前記出力装置を含む表示部2と、表示部2に対して曲げられてユーザの腕に巻かれるバンド部3aとを有し、カプラ31は、バンド部3aに設けられている。このような構成によれば、柔軟性を有するカプラ31をバンド部3aに搭載するため、表示部2の設計自由度が高まる。このため、利便性の向上をさらに図ることができる電子機器1を提供することができる。
本実施形態では、カプラ31は、平面状に形成されるとともに、バンド部3aの外形に沿う曲面状に曲げられた状態で使用可能である。このような構成によれば、電子機器1を腕に装着したままでもカプラ31が使用可能であり、電子機器1の利便性の向上をさらに図ることができる。
本実施形態では、カプラ31の結合素子51、給電素子52、短絡素子53、及びグランド45の全ては、フレキシブル基板32の表面上に設けられて略同一平面上に位置する。このような構成によれば、カプラ31の柔軟性(屈曲性、可撓性)がさらに高まるので、例えば大きく曲げられる部分にカプラ31を搭載可能になる。これにより、電子機器1の設計自由度がさらに高まり、利便性の向上をさらに図ることができる。
本実施形態では、バンド部3aは、ユーザの腕の周方向に延びる縁部57aを有する。結合素子51は、バンド部3aの縁部57aと略平行に配置されている。このような構成によれば、結合素子51を比較的大きく形成しやすく、カプラ31の大型化を図ることができる。カプラ31の大型化を図ることができると、通信相手との位置合わせが容易になり、これにより電子機器1の利便性をさらに高めることができる。
本実施形態では、結合素子51は、バンド部3aがユーザの腕に取り付けられた状態で、ユーザの腕から手に向かう方向で通信相手とカップリング可能である。このような構成によれば、電子機器1を多様な利用形態で使用可能になり、これにより電子機器1の利便性をさらに高めることができる。
本実施形態では、給電素子52及び短絡素子53の少なくとも一方は、電気長L2が近接無線通信で使用される周波数に対応する波長λの1/4の奇数倍に設定される。このような構成によれば、カプラ31は、ユーザの腕の径方向で通信相手とカップリング可能であり、結合素子51と合わせて複数の方向で通信可能になる。これにより電子機器1の利便性をさらに高めることができる。
すなわち、例えば水平方向(第2方向Y)に結合しやすい結合部として結合素子51が機能することができる。また、垂直方向(第3方向Z)に結合しやすい結合部として給電素子52及び短絡素子53の少なくとも一方が機能することができる。これにより、水平方向及び垂直方向の2方向において結合しやすいカプラ31を提供することができる。このようなカプラ31は、多様な使い方が可能になるので利便性が高く、例えばリストバンド型のモバイルデバイスに搭載されるカプラ31として適している。
本実施形態では、給電素子52及び短絡素子53の両方は、其々電気長L2が前記波長λの1/4の奇数倍に設定されている。このような構成によれば、給電素子52及び短絡素子53の両方が共振部として機能するので、通信相手とさらに結合しやすくなる。これにより電子機器1の利便性をさらに高めることができる。
本実施形態では、グランド45は、バンド部3aの長手方向に、表示部2から見て、結合素子51、給電素子52、及び短絡素子53を超えて延びている。このような構成によれば、グランド45を適切な大きさに設定しやすくなる。
本実施形態では、前記出力装置は、カプラ31よりも通信可能距離が大きく、カプラ31が受信したデータの少なくとも一部を外部に無線で送るアンテナ37である。このような構成によれば、カプラ31が受信したデータをさらに無線で送ることができる。これにより、電子機器1をさらに多様な利用形態で使用可能になり、これにより電子機器1の利便性をさらに高めることができる。
以下に、第2乃至第7の実施形態に係る電子機器1について説明する。なお、第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。本実施形態では、装置本体12(表示部2)の外形が第1実施形態とは異なる。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
図7は、第2実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。本実施形態では、装置本体12(表示部2)の外形が第1実施形態とは異なる。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
ここで、図8乃至図10を参照して、カプラ31の特性測定の結果について説明する。図8及び図9は測定条件を示している。
図8の測定条件においては、カプラ31と基準カプラ61(基準アンテナ)とが垂直方向(第3方向Z)に15mm離されている。つまり、基準カプラ61(基準アンテナ)の上面から距離15mm離れたところにカプラ31が位置する。
なお、基準カプラ61(基準アンテナ)としてはこの分野で広く知られているアンテナを用いればよい。図8の例では、基準カプラ61(基準アンテナ)は、共振回路62、結合素子63、及びグランド64を備える。
図9の測定条件においては、カプラ31と基準カプラ61(基準アンテナ)とが水平方向(第2方向Y)に15mm離されている。つまり、基準カプラ61(基準アンテナ)から15mm離れたところにカプラ31が位置する。
図10は、図8及び図9の測定条件下におけるカプラ31のS21特性を示している。図10の横軸は周波数を表し、縦軸はS21[dB]を表している。図10において、71は、図9の測定条件(水平対向)下におけるカプラ31のS21特性を表す。72は、図8の測定条件(垂直対向)下におけるカプラ31のS21特性を表す。図8及び図9のどちらの測定条件においても、所望周波数4.48GHz近傍の周波数領域において、十分な特性が得られることが分かる。すなわち、カプラ31は、水平方向(第2方向Y)及び垂直方向(第3方向Z)のいずれの方向においても電磁的に結合しやすいといえる。
以上の構成によれば、第1実施形態と同様に、利便性の向上を図った電子機器1を提供することができる。
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。本実施形態では、カプラ31の形状が第2実施形態とは異なる。その他の構成は、第2実施形態と同じである。
図11は、第3実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。本実施形態では、カプラ31の形状が第2実施形態とは異なる。その他の構成は、第2実施形態と同じである。
図11に示すように、カプラ31は、第1アンテナパターン44と、第2アンテナパターン81とを有する。第1アンテナパターン44及び第2アンテナパターン81の各々は、第2実施形態のアンテナパターン44と同様に、結合素子51、給電素子52、及び短絡素子53を有する。第2アンテナパターン81の給電素子52は、給電端子55のグランド側給電点55bに接続されている。第1アンテナパターン44の短絡素子53は、第2アンテナパターン81の短絡素子53に接続点Pで接続されている。
第2アンテナパターン81において、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の電気長L1は、波長λの1/4の奇数倍であり、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の電気長L1は、波長λの1/4の奇数倍である。また、第2アンテナパターン81において、給電素子52及び短絡素子53の各々の電気長L2は、波長λの1/4の奇数倍に設定されている。
このような構成によれば、第1実施形態と同様に、利便性の向上を図った電子機器1を提供することができる。さらに本実施形態の構成によれば、第2アンテナパターン81の結合素子51、給電素子52、及び短絡素子53も結合部として機能することができる。これにより、さらに結合しやすいカプラ31を提供することができ、電子機器1の利便性を向上させることができる。
(第4実施形態)
図12は、第4実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。図13は、本実施形態に係るカプラ31を模式的に示す。本実施形態では、カプラ31の形状が第2実施形態とは異なる。その他の構成は、第2実施形態と同じである。
図12は、第4実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。図13は、本実施形態に係るカプラ31を模式的に示す。本実施形態では、カプラ31の形状が第2実施形態とは異なる。その他の構成は、第2実施形態と同じである。
本実施形態では、給電素子52及び短絡素子53は、結合素子51の中点A1に直接には接続されていない。給電素子52及び短絡素子53は、接続素子85を介して結合素子51の中点A1に電気的に接続されている。
詳しく述べると、給電素子52の第2部分52b及び短絡素子53の第2部分53bの各々は、第1方向Xに延びている。給電素子52と短絡素子53は、接続点A2で互いに接続されている。接続素子85は、接続点A2と結合素子51の中点A1との間に延びて、接続点A2と結合素子51の中点A1とを接続している。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の電気長L1は、波長λの1/4の奇数倍である。また、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の電気長L1は、波長λの1/4の奇数倍である。さらに、給電素子52及び短絡素子53の各々の電気長L2は、波長λの1/4の奇数倍に設定されている。
このような構成によれば、第1実施形態と同様に、電子機器1の利便性を向上させることができる。例えば、結合素子51に加えて給電素子52及び短絡素子53が結合部として機能するため、水平方向(第2方向Y)及び垂直方向(第3方向Z)のいずれの方向においても結合しやすいカプラ31を提供することができ、電子機器1の利便性を向上させることができる。
(第5実施形態)
図14は、第5実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。図15は、本実施形態に係るカプラ31を模式的に示す。本実施形態では、カプラ31の形状が第2実施形態とは異なる。その他の構成は、第2実施形態と同じである。
図14は、第5実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。図15は、本実施形態に係るカプラ31を模式的に示す。本実施形態では、カプラ31の形状が第2実施形態とは異なる。その他の構成は、第2実施形態と同じである。
本実施形態では、給電点55a(給電端子55)は、カプラ31の中心線C上に設けられている。給電素子52は、給電点55aから結合素子51の中点A1に向いて直線状に延び、結合素子51の中点A1に直接に接続されている。本実施形態では、給電素子52は、波長λの1/4の奇数倍の長さではない。
一方で、短絡点Pは、グランド45の端部45aに設けられている。短絡素子53は、結合素子51の中点A1に直接に接続されるとともに、給電素子52及びグランド45の縁部に沿って延び、結合素子51の中点A1と短絡点Pとを接続する。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の電気長L1は、波長λの1/4の奇数倍である。また、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の電気長L1は、波長λの1/4の奇数倍である。さらに、短絡素子53の電気長L2は、波長λの1/4の奇数倍に設定されている。
このような構成によれば、第1実施形態と同様に、電子機器1の利便性を向上させることができる。例えば、結合素子51に加えて短絡素子53が結合部として機能するため、水平方向(第2方向Y)及び垂直方向(第3方向Z)のいずれの方向においても電磁的に結合しやすいカプラ31を提供することができ、電子機器1の利便性を向上させることができる。
図16は、第5実施形態に係るフレキシブル基板32の変形例を示す。カプラ31は、フレキシブル基板32の第1面32a及び第2面32bの2つの面を用いて実現される。すなわち、フレキシブル基板32の例えば第2面32bには、結合素子51、給電素子52、グランド45、及び給電端子55(コネクタ)が設けられている。結合素子51、給電素子52、グランド45、及び給電端子55の構成は、上記第5実施形態の構成と同じである。
フレキシブル基板32の例えば第1面32aには、短絡素子53が設けられている。短絡素子53の一端は、ビア91(スルーホール)を介して第2面32b上の結合素子51の中点A1に接続される。また、短絡素子53の他端は、ビア92(スルーホール)を介して第1面上のグランド45に接続される。このような構成によっても、上記第5実施形態と同様の機能を有した電子機器1を提供することができる。
(第6実施形態)
図17は、第6実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。本実施形態では、カプラ31の形状が第2実施形態とは異なる。その他の構成は、第2実施形態と同じである。
図17は、第6実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。本実施形態では、カプラ31の形状が第2実施形態とは異なる。その他の構成は、第2実施形態と同じである。
本実施形態では、第2実施形態に対して、カプラ31の向きが略90度異なる。すなわち、結合素子51は、第2方向Yに延びている。本実施形態で、第1実施形態と同様に、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の電気長L1は、波長λの1/4の奇数倍である。また、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の電気長L1は、波長λの1/4の奇数倍である。さらに、短絡素子53の電気長L2は、波長λの1/4の奇数倍に設定されている。
このような構成によれば、第1実施形態と同様に、電子機器1の利便性を向上させることができる。例えば、結合素子51に加えて給電素子52及び短絡素子53が結合部として機能するため、水平方向(第1方向X)及び垂直方向(第3方向Z)のいずれの方向においても結合しやすいカプラ31を提供することができ、電子機器1の利便性を向上させることができる。
(第7実施形態)
図18は、第7実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。本実施形態では、カプラ31の形状が第2実施形態とは異なる。その他の構成は、第2実施形態と同じである。
図18は、第7実施形態に係る電子機器1のフレキシブル基板32を示す。本実施形態では、カプラ31の形状が第2実施形態とは異なる。その他の構成は、第2実施形態と同じである。
本実施形態では、第2実施形態に対して、カプラ31の向きが略90度異なる。すなわち、結合素子51は、第2方向Yに延びている。なお、カプラ31の形状は、例えば第5実施形態と略同じである。本実施形態で、第1実施形態と同様に、結合素子51の中点A1と第1開放端E1との間の電気長L1は、波長λの1/4の奇数倍である。また、結合素子51の中点A1と第2開放端E2との間の電気長L1は、波長λの1/4の奇数倍である。さらに、短絡素子53の電気長L2は、波長λの1/4の奇数倍に設定されている。
このような構成によれば、第1実施形態と同様に、電子機器1の利便性を向上させることができる。例えば、結合素子51に加えて短絡素子53が結合部として機能するため、水平方向(第1方向X)及び垂直方向(第3方向Z)のいずれの方向においても結合しやすいカプラ31を提供することができ、電子機器1の利便性を向上させることができる。
以上、第1乃至第7の実施形態及び変形例について説明したが、電子機器1の実施形態はこれらに限られない。電子機器1は、例えば腕時計やヘルスケア用のリストバンドでもよい。また、給電素子52及び短絡素子53の両方が結合部として機能する必要はなく、いずれか一方のみが機能してもよい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…電子機器、2…表示部、3a,3b…バンド部、5…表示装置、11…カバー、12…装置本体、31…カプラ、32…フレキシブル基板、39…通信モジュール、45…グランド、51…結合素子、52…給電素子、53…短絡素子、57a…バンド部の縁部
Claims (10)
- カバーと、
少なくとも一部が前記カバーに覆われたフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板に設けられ、柔軟性を有したカプラと、
前記カプラを使用して近接無線通信を実行する通信モジュールと、
前記カプラが受信したデータの少なくとも一部を出力する出力装置と、
を備え、
前記出力装置を含む表示部と、前記カバーの少なくとも一部を含み前記表示部に対して曲げられてユーザの腕に巻かれるバンド部とを有し、前記カプラは、前記バンド部に設けられた電子機器。 - 請求項1の記載において、
前記カプラは、平面状に形成されるとともに、前記バンド部の外形に沿う曲面状に曲げられた状態で使用可能である電子機器。 - 請求項1または請求項2の記載において、
前記カプラは、結合素子、給電素子、短絡素子、及びグランドを有し、
前記結合素子、前記給電素子、前記短絡素子、及び前記グランドの全ては、前記フレキシブル基板の表面上に設けられて略同一平面上に位置した電子機器。 - 請求項3の記載において、
前記バンド部は、ユーザの腕の周方向に延びる縁部を有し、
前記結合素子は、前記バンド部の縁部と略平行に配置された電子機器。 - 請求項4の記載において、
前記結合素子は、前記バンド部がユーザの腕に取り付けられた状態で、ユーザの腕から手に向かう方向で通信相手とカップリング可能である電子機器。 - 請求項3乃至請求項5のいずれかの記載において、
前記給電素子及び前記短絡素子の少なくとも一方は、電気長が前記近接無線通信で使用される周波数に対応する波長λの1/4の奇数倍に設定され、ユーザの腕の径方向で通信相手とカップリング可能である電子機器。 - 請求項6の記載において、
前記給電素子及び前記短絡素子の両方の電気長が其々前記波長λの1/4の奇数倍に設定された電子機器。 - 請求項3乃至請求項7のいずれかの記載において、
前記グランドは、前記バンド部の長手方向に、前記表示部から見て、前記結合素子、前記給電素子、及び前記短絡素子を超えて延びた電子機器。 - 請求項1乃至請求項8のいずれかの記載において、
前記出力装置は、前記カプラよりも通信可能距離が大きく、前記カプラが受信したデータの少なくとも一部を外部に無線で送るアンテナである電子機器。 - カバーと、
少なくとも一部が前記カバーに覆われたフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板に設けられ、柔軟性を有したカプラと、
前記カプラを使用して近接無線通信を実行する通信モジュールと、
前記カプラが受信したデータの少なくとも一部を出力する出力装置と、
を備えた電子機器。
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