以下、本発明に係るプログラミング装置及びその制御プログラム、プログラミング方法について、実施形態を示して詳しく説明する。ここでは、説明を簡明にするために、本発明に係るプログラミング装置を適用したプログラミング教育装置を用いて、三次元的な動きが可能なターゲット機器の動作状態を制御するプログラムを生成する場合について説明する。
<第1の実施形態>
(プログラミング教育装置)
図1は、本発明に係るプログラミング装置を適用したプログラミング教育装置の第1の実施形態を示す概略図である。また、図2は、本実施形態に係るプログラミング教育装置に適用される構成例を示す機能ブロック図であり、図3は、本実施形態に係るプログラミング教育装置に適用される他の構成例を示す機能ブロック図である。
第1の実施形態に係るプログラミング教育装置は、例えば図1に示すように、大別して、プログラム制御装置100と、ターゲット機器200とを有している。プログラム制御装置100は、プログラミング教育の対象者であるユーザによる入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に応じた情報を取得して、ターゲット機器200の動作状態を制御するプログラムを生成する。また、ターゲット機器200は、タンジブルな、又はタンジブルでない移動体であって、プログラム制御装置100から転送されたプログラムを実行することにより動作状態が制御される。以下、プログラム制御装置100及びターゲット機器200について、詳しく説明する。
(プログラム制御装置)
プログラム制御装置100は、例えば図1に示すように、いずれもタンジブルである、プログラミングボード120と、プログラミングブロック140と、コアユニット160と、プログラミング用ガイドシート(以下、「ガイドシート」と略記する)180と、を有している。
(プログラミングボード120)
プログラミングボード120は、現実空間内において物理的に直接触れることができるタンジブルな物体であり、例えば図1に示すように、同一の平面形状を有する複数のタンジブルな領域102が相互に隣接して行列方向に2次元配置されたプログラミングエリア104が、一面側(図面、上面)に設けられた略平板状の形状を有している。このプログラミングエリア104は、ユーザが後述するようなタンジブルな入力操作により指示した情報を取得する入力装置として機能し、プログラミングエリア104の各領域102は、後述するターゲット機器200を動作させる際の絶対座標系での二次元平面(本実施形態では水平面)内の位置に対応する。ここで、各領域102は、例えば図1示すように、正方形や長方形等の矩形状の平面形状を有して格子状に配列されている。なお、各領域102の平面形状は、矩形状の他、八角形等の多角形状や円形状を有するものであってもよい。
プログラミングボード120は、具体的には、例えば図2に示すように、指示検出部122と、識別変移部124と、ブロックインターフェース部(以下、「ブロックI/F部」と略記する)126と、記憶部128と、外部インターフェース部(以下、「外部I/F部」と略記する)130と、制御部132と、を有している。
指示検出部122は、プログラミングエリア104の各領域102へのユーザによる指示の有無を検出する。具体的には、指示検出部122は、例えば図2に示すように、プログラミングエリア104の各領域102に対応して個別に設けられたタッチセンサ、あるいは、プッシュスイッチ等のメカニカルスイッチを有している。そして、指示検出部122は、このタッチセンサによりユーザの指等が各領域102に接触した状態、又は、プッシュスイッチにより各領域102を押下した状態を検出すると、プログラミングエリア104上での当該領域(指示領域)102の位置を特定する。指示検出部122により取得された指示領域102の位置に関する情報(以下、「指示位置情報」と記す)は、後述する記憶部128の記憶領域に順次記憶される。ここで、指示検出部122に適用されるタッチセンサは、静電容量方式であってもよいし、感圧方式であってもよい。また、指示検出部122に適用されるプッシュスイッチは、ユーザによる押下操作のたびにオン状態とオフ状態が切り替わるとともに、押下操作後に各プッシュスイッチ上面の高さがプログラミングエリア104の上面高さ(便宜的に「基準高さ」と記す)に復帰する(すなわち、プッシュスイッチの上面高さが常に基準高さに戻る)機構を有していることが好ましい。
なお、図2においては、指示検出部122として、プログラミングエリア104の各領域102に対応してタッチセンサ又はプッシュスイッチを個別に設けた形態を示したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば図3に示すように、指示検出部122として、プログラミングエリア104の全域にわたり共通して設けられたタッチパネルを有しているものであってもよい。この場合には、指示検出部122は、ユーザの指等がタッチパネルの各領域102に対応する位置に接触した状態を検出することにより、プログラミングエリア104上での当該指示領域102の位置を特定する。この場合においても、タッチパネルは、静電容量方式であってもよいし、感圧方式であってもよい。このような形態によれば、指示検出部122のタッチパネルの解像度を向上させてより高精細に指示領域102を検出することができるので、ターゲット機器200の移動経路を直線状(あるいは、直交方向)の経路だけでなく、滑らかな曲線を含む経路に設定することができる。なお、図3には、後述するように、識別変移部124として、プログラミングエリア104の全域に共通する発光パネルや表示パネルを設けた形態を示したが、指示検出部122として上記のタッチパネルを設けた形態であれば、識別変移部124は各領域102に対応して個別に設けられているものであってもよい。
識別変移部124は、ユーザにより指示された領域(指示領域)を、指示されていない他の領域に対して視覚的に識別可能な状態に変移させる。具体的には、識別変移部124は、例えば図2に示すように、プログラミングエリア104の各領域102に対応して個別に設けられた発光部、あるいは、表示部を有している。ここで、識別変移部124に適用される発光部は、例えば発光ダイオード(LED)を適用することができ、表示部は、例えば液晶や有機EL素子による表示方式を適用することができる。そして、識別変移部124は、プログラミングボード120を用いたプログラミング操作の際に、指示検出部122によりユーザの指示が検出された領域102の発光部を所定の発光色や発光強度、発光パターンで発光させたり、表示部に表示される画像を変化させたりすることにより、視覚的に他の領域102との識別を可能にする。
また、識別変移部124は、プログラミング操作に基づいて生成されたプログラムを実行して、ターゲット機器200を動作させる際に、当該ターゲット機器200の移動位置に対応した領域102の発光部を所定の発光色や発光強度、発光パターンで発光させたり、表示部に表示される画像を変化させたりすることにより、視覚的に他の領域102との識別を可能にする。なお、プログラミング操作時及びプログラム実行時における識別変移部124の変移状態の例(発光部の発光状態)については、後述するプログラミング方法において詳しく説明する。
なお、図2においては、識別変移部124として、プログラミングエリア104の各領域102に対応して発光部又は表示部を個別に設けた形態を示したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば図3に示すように、識別変移部124として、プログラミングエリア104の全域にわたり共通して設けられた発光パネルや表示パネルを有しているものであってもよい。この場合には、識別変移部124は、プログラミング操作の際に、ユーザが指示した領域102に対応する発光パネルの領域を所定の発光色や発光強度、発光パターンで発光させたり、表示パネルの当該領域に表示される画像を変化させたりすることにより、視覚的に他の領域102との識別を可能にする。また、識別変移部124は、プログラミング操作に基づいて生成されたプログラムを実行する際に、ターゲット機器200の移動位置に対応する発光パネルの領域を所定の発光色や発光強度、発光パターンで発光させたり、表示パネルに表示される画像を変化させたりすることにより、視覚的に他の領域との識別を可能にする。なお、識別変移部124に適用される発光パネルや表示パネルは、例えばLEDを2次元配列したパネルや、液晶表示パネル、有機EL表示パネルを適用することができる。このような形態によれば、識別変移部124の発光パネルや表示パネルの解像度を向上させてより高精細で多彩な発光動作や表示動作を行うことができるので、プログラミング操作時やプログラム実行時にターゲット機器200の移動経路や対応する領域を鮮明かつ明確に識別することができる。なお、図3には、上述したように、指示検出部122として、プログラミングエリア104の全域に共通するタッチパネルを設けた形態を示したが、識別変移部124として、上記の発光パネルや表示パネルを設けた形態であれば、指示検出部122は各領域102に対応して個別に設けられているものであってもよい。また、識別変移部124は、上記の発光部又は表示部に加え、音響部や振動部をさらに備え、発音や振動の振幅や周波数、パターンを変化させる形態を有しているものであってもよい。これによれば、ユーザの視覚に加え聴覚や触覚を通して、より確実に指示領域102の識別が可能になる。
ブロックI/F部126は、プログラミングエリア104の各領域102に載置されたプログラミングブロック140の有無、及び、当該領域102に積み重ねられたプログラミングブロック140の個数を含む積み重ね状態に関する情報(以下、「積み重ね特定情報」と記す)を検出するとともに、当該プログラミングブロック140に予め設定された、ターゲット機器200の絶対座標系での高さ方向(水平面に対して垂直方向)の位置を設定するための単位変化量を有する情報(以下、「高さ設定情報」と記す)を受信する。具体的には、ブロックI/F部126は、プログラミングエリア104の各領域102に対応して個別に設けられた非接触型、又は、接触型のインターフェースを有している。そして、ブロックI/F部126は、この非接触型又は接触型のインターフェースによりプログラミングブロック140がプログラミングエリア104の指示領域102に載置された状態を検出すると、プログラミングエリア104上での当該プログラミングブロック140の位置、及び、積み重ねの状態を特定するとともに、当該プログラミングブロック140の高さ設定情報を受信する。ブロックI/F部126により取得されたプログラミングブロック140の位置に関する情報(以下、「ブロック位置情報」と記す)、及び、上記の積み重ね特定情報、高さ設定情報は、相互に関連付けて後述する記憶部128の記憶領域に順次記憶される。ここで、ブロックI/F部126として、非接触型のインターフェースを適用する場合には、例えば電子マネーカード等に用いられているNFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信技術による方式や、赤外線等を用いた光通信方式を適用することができ、また、接触型のインターフェースを適用する場合には、端子電極相互を直接接続する方式を適用することができる。
なお、指示検出部122として静電容量方式のタッチセンサやタッチパネルを有している場合には、プログラミングブロック140の一部又は全部に人体と同程度の誘電体を用いることにより、プログラミングエリア104上にプログラミングブロック140が載置(接触)されたか否か(プログラミングブロック140の有無)を、指示検出部122により検出するものであってもよい。また、指示検出部122として感圧方式のタッチセンサやタッチパネル、あるいは、プッシュスイッチを有している場合には、プログラミングブロック140でプログラミングエリア104を軽く押圧することにより、プログラミングエリア104上にプログラミングブロック140が載置(接触)されたか否か(プログラミングブロック140の有無)を、指示検出部122により検出するものであってもよい。
記憶部128は、指示検出部122により取得された指示領域102の位置に関する指示位置情報を、記憶領域に順次記憶する。ここで、記憶部128の記憶領域に記憶された各指示位置情報を時系列的に並べることにより、ユーザの指示順序に関する情報(以下「順序情報」と記す)が得られる。この指示位置情報及び順序情報は、ユーザのプログラミング操作により動作状態が制御されるターゲット機器200の移動経路を水平面に投影した、水平方向の移動成分を規定する。すなわち、ユーザがプログラミングエリア104の2つ以上の連続する領域102を指示することにより、ターゲット機器200の移動経路のうちの水平面内での動作状態を規定する仮想経路が決定される。換言すると、プログラミングエリア104において、ユーザが2つ以上の連続する領域102を指示することにより決定される仮想経路内の互いに隣接する2つの領域102同士を繋ぐことによりできる線分の集まりを第1形状とすると、当該第1形状の相似形状となる経路がターゲット機器200の実際の移動経路のうちの水平方向の移動成分として規定される。
また、記憶部128は、ブロックI/F部126により取得されたプログラミングブロック140の位置に関するブロック位置情報、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定するための高さ設定情報、及び、プログラミングブロック140の積み重ね個数を含む積み重ね状態に関する積み重ね特定情報を相互に関連付けて記憶する。ここで、後述するコアユニット160において、各ブロック位置情報に関連付けられた高さ設定情報の単位変化量と、積み重ね特定情報のプログラミングブロック140の積み重ね個数とを乗算することにより、上述した仮想経路を決定する各指示領域102におけるターゲット機器200の高さ方向の位置が設定される。そして、上述した仮想経路の各指示領域102に対応する位置に設定された高さ方向の位置を付加した経路が、ターゲット機器200の実際の三次元空間での移動経路として規定される。換言すると、上述した仮想経路を規定する第1形状に、上記の各指示領域102に設定された高さ方向の位置(垂直方向の高さ成分)を付加することにより得られる三次元の立体的な形状を第2形状とすると、当該第2形状の相似形状となる三次元の立体的な第3形状を有する経路が、ターゲット機器200の実際の移動経路として規定される。
さらに、記憶部128は、後述する制御部132においてプログラミングボード120の各部の動作を制御するためのプログラムや各種の情報を記憶するものであってもよい。すなわち、記憶部128は、RAM(ランダムアクセスメモリ)及びROM(読み出し専用メモリ)を有するものである。
外部I/F部130は、プログラミングボード120と後述するコアユニット160との間で通信を行い、記憶部128の記憶領域に記憶された指示位置情報、順序情報、ブロック位置情報、積み重ね特定情報、高さ設定情報(以下、これらの情報を「入力操作情報」と総称する)をコアユニット160に送信する。具体的には、外部I/F部130は、非接触型、又は、接触型のインターフェースを有している。ここで、外部I/F部130として、非接触型のインターフェースを適用する場合には、例えばNFCやBluetooth(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity;登録商標)等の無線通信方式や、赤外線等を用いた光通信方式を適用することができ、また、接触型のインターフェースを適用する場合には、各種の通信ケーブルを用いた有線通信方式や、端子電極相互を直接接続する方式を適用することができる。
制御部132は、上記の指示検出部122、識別変移部124、ブロックI/F部126、記憶部128、外部I/F部130を有するプログラミングボード120の各部の動作を制御するコンピュータのプロセッサである。特に、制御部132は、指示検出部122によりプログラミングエリア104の各領域102へのユーザの指示を検出した場合には、当該領域102の指示位置情報を記憶部128の記憶領域に順次記憶させるとともに、識別変移部124により当該領域102を所定の発光状態で発光させたり、表示画像を変化させたりして視覚的に識別可能な状態に変移させる。また、制御部132は、ブロックI/F部126によりプログラミングブロック140が指示領域102上に載置された状態を検出した場合には、当該プログラミングブロック140に設定された高さ設定情報、及び、プログラミングブロック140の積み重ね状態に関する積み重ね特定情報を、ブロックI/F部126を介して取得して、当該プログラミングブロック140のブロック位置情報に関連付けて記憶部128の記憶領域に記憶させる。さらに、制御部132は、プログラミング操作により記憶部128の記憶領域に記憶された各種情報を、外部I/F部130を介してコアユニット160へ送信する。
(プログラミングブロック140)
プログラミングブロック140は、例えば図1に示すように、現実空間内において物理的に直接触れることができるタンジブルな物体であり、略立方体(又は、略直方体)形状を有し、ユーザによりプログラミングボード120のプログラミングエリア104上の任意の指示領域102に載置される。このプログラミングブロック140は、ターゲット機器200を動作させる際に、プログラミングエリア104の各指示領域102におけるターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する入力装置として機能する。ここで、プログラミングブロック140は、ターゲット機器200に設定する高さ方向の位置に応じて、プログラミングエリア104上に一段又は複数段積み重ねて載置される。また、プログラミングブロック140の立体形状は、立方体や直方体に限定されるものではなく、プログラミングエリア104上に安定して載置することができ、かつ、プログラミングブロック140相互が安定して積み重ねることができるものであれば、任意の多面体形状を有するものであってもよいし、この例に限られないが略円柱形状や略円錐形状、略裁頭円錐形状、略球形状、略半球形状などのように表面の一部が曲面であるものであってもよい。また、プログラミングエリア104上にプログラミングブロック140を安定して載置、又は、プログラミングブロック140同士を安定して載置し、かつ、プログラミングボード120に上述した高さ設定情報、及び、プログラミングブロック140の積み重ね状態に関する積み重ね特定情報を確実に送信するためには、載置するプログラミングブロック140の下面と、載置されるプログラミングボード120の上面、又は、他のプログラミングブロック140の上面とが適切に密着することが好ましい。そのために、例えば接触面となる両面が互いに係合する凹凸形状を有しているものであってもよいし、両面が磁力等により吸着するように形成されているものであってもよい。
プログラミングブロック140は、具体的には、例えば図2に示すように、下面側(図1中、立方体形状の下面側)のブロックI/F部141と、上面側(図1中、立方体形状の上面側)のブロックI/F部142と、識別変移部144と、記憶部146と、制御部148と、を有している。
下面側のブロックI/F部141は、プログラミングボード120、又は、下段に積み重ねられた他のプログラミングブロック140との間で通信を行い、上面側のブロックI/F部142は、上段に積み重ねられた他のプログラミングブロック140との間で通信を行う。これにより、後述する記憶部146の記憶領域に記憶された高さ設定情報、及び、プログラミングブロック140の積み重ね状態に関する積み重ね特定情報が直接、又は、下段のプログラミングブロック140を介して間接的に、プログラミングボード120に送信される。
具体的には、ブロックI/F部141、142は、例えばプログラミングブロック140の立方体形状の対向する2面側(図1では立方体形状の下面側と上面側)に個別に設けられた非接触型、又は、接触型のインターフェースを有している。そして、ブロックI/F部141、142は、この非接触型又は接触型のインターフェースによりプログラミングブロック140がプログラミングエリア104の指示領域に載置された状態、及び、プログラミングブロック140上に他のプログラミングブロック140が積み重ねられた状態を検出すると、プログラミングブロック140に設定された高さ設定情報、及び、プログラミングブロック140の積み重ね状態に関する積み重ね特定情報を、プログラミングボード120に送信する。ここで、ブロックI/F部141、142は、プログラミングブロック140の上下を反転させて、ブロックI/F部142を立方体形状の下面側に配置し、ブロックI/F部141をプログラミングブロック140の立方体形状の上面側に配置した場合であっても、上記と同様にプログラミングボード120や積み重ねられた他のプログラミングブロック140との間で通信を行うことができるものである。すなわち、下面側のブロックI/F部141と上面側のブロックI/F部142とは同等の機能を有し、上述したプログラミングボード120のブロックI/F部126に示した各種の方式と同一の方式が適用される。
なお、本実施形態においては、立方体形状を有するプログラミングブロック140の対向する2面側(上面側及び下面側)に、同等の機能を有する個別のブロックI/F部141、142を設けた場合ついて説明したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、プログラミングブロックに設けた単一のブロックI/F部により下面側のプログラミングボード、及び、上面側又は下面側に積み重ねられた他のプログラミングブロックとの間で通信を行うものであってもよい。
また、他の形態として、例えば、立方体のどの面がプログラミングボード120に載置する際の接触面になった場合であっても、また、どの面に他のプログラミングブロック140が積み重ねられた場合であっても、プログラミングボード120や他のプログラミングブロック140との間で通信が可能なように、ブロックI/F部142が6面全てに個別に、又は、共通して設けられているものであってもよい。
識別変移部144は、上述したプログラミングボード120の識別変移部124と同様に、発光部あるいは表示部を有し、プログラミングボード120を用いたプログラミング操作の際に、ブロックI/F部142によりプログラミングブロック140がプログラミングエリア104の各領域102に載置された状態が検出されると、発光部を所定の発光状態で発光させたり、表示部に表示される画像を変化させたりすることにより、視覚的に他のプログラミングブロック140との識別を可能にする。
なお、この識別変移部144に適用される表示部は、電力を使用せずに表示される画像を変化させるものであってもよい。例えば、プログラミングボード120の内部にはプログラミングエリア104の各領域102に対応する部分に永久磁石が設置され、プログラミングブロック140の内部にも永久磁石が設置されているものとする。そして、プログラミングブロック140を領域102へ載置したことに伴い、プログラミングボード120内の永久磁石とプログラミングブロック140内の永久磁石との間に生じる引力又は反発力によって、表示部が回転することで画像を変化させるというように、磁力を利用したものであってもよい。また、プログラミングブロック140のうち少なくともプログラミングボード120に載置される側に、プログラミングボード120に載置されることにより内部へ向けて押圧変位される凸部を設けておいてもよい。そして、プログラミングブロック140を領域102へ載置したことに伴い、プログラミングブロック140の凸部が内方へ押圧変位され、その変位に連動して表示部が回転することで画像を変化させるというように、メカニカルな機構を有するものであってもよい。
また、識別変移部144は、プログラミング操作に基づいて生成されたプログラムを実行して、ターゲット機器200に三次元空間での動作を行わせる際に、当該ターゲット機器200の高さ方向の位置を規定した各プログラミングブロック140の発光部を所定の発光状態で発光させたり、表示部に表示される画像を変化させたりすることにより、視覚的に他のプログラミングブロック140との識別を可能にする。
なお、識別変移部144は、上述したプログラミングボード120の識別変移部124と同様に、上記の発光部又は表示部に加え、音響部や振動部をさらに備え、発音や振動の振幅や周波数、パターンを変化させる形態を有しているものであってもよい。これによれば、ユーザの視覚に加え聴覚や触覚を通して、より確実に高さ方向の位置を規定したプログラミングブロック140の識別が可能になる。
記憶部146は、ターゲット機器200を三次元空間で動作させる際に、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定するための単位変化量を有する高さ設定情報を記憶している。ここで、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定するための高さ設定情報としては、プログラミングブロック140が載置された領域102に対応する位置での高さ方向の相対的な変化量を示す数値(例えば、直前の領域での高さに対して10cm上昇)を有する。なお、本発明は、この形熊に限定されるものではなく、高さ設定情報としてターゲット機器200の高さ方向の絶対位置を示す数値(例えば、地上からの高さ位置10m)を有するものであってもよい。
また、記憶部146は、当該プログラミングブロック140上に積み重ねられた他のプログラミングブロック140から送信された高さ設定情報、及び、積み重ね特定情報を一時的に記憶領域に記憶する。さらに、記憶部146は、後述する制御部148においてプログラミングブロック140の各部の動作を制御するためのプログラムや各種の情報を記憶するものであってもよい。すなわち、記憶部146は、RAM及びROMを有するものである。
なお、上述した実施形態においては、各プログラミングブロック140に単一の単位変化量を有する高さ設定情報が記憶部146の記憶領域に予め固定的に記憶されている形態を示すが、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、一つのプログラミングブロック140について複数の単位変化量を有する高さ設定情報が予め記憶部146の記憶領域に記憶され、ソフトウェアによる設定変更や切替スイッチの操作、重力センサや加速度センサによるプログラミングブロック140の傾きや衝撃の検知等により、複数の単位変化量のうちから任意の単位変化量が選択されて設定されるものであってもよい。
また、他の形態として、例えば立方体形状を有するプログラミングブロック140において、立方体の6面全てにブロックI/F部142を有するとともに、6面の各々に異なる単位変化量を対応付けて、各単位変化量を有する高さ設定情報を記憶部146の記憶領域に記憶した形態を有するものであってもよい。そして、各面のブロックI/F部142によりプログラミングボード120に直接又は間接的に接触する面を検出することにより、当該接触面に対応付けられた高さ設定情報が記憶部146の記憶領域から読み出されてプログラミングボード120に送信される。これによれば、プログラミングボード120に接触するプログラミングブロック140の面に応じた複数種類の単位変化量に基づいて、ターゲット機器200の高さ方向の位置が設定される。加えて、プログラミングブロック140の一面以上の各面に異なる単位変化量を対応付ける場合には、例えば、プログラミングボード120に接触する面(立方体の下面)に対向する面(立方体の上面)に、当該接触面に対応付けられた単位変化を表す文字や記号、イラスト、画像等を表記して、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する単位変化の内容を、視覚を通して直感的に認識できるようにしてもよい。
制御部148は、上記のブロックI/F部141、142、識別変移部144、記憶部146を有するプログラミングブロック140の各部の動作を制御するコンピュータのプロセッサである。特に、制御部148は、ブロックI/F部141(又は142)によりプログラミングブロック140が指示領域102上に載置された状態を検出した場合には、当該プログラミングブロック140に設定された高さ設定情報、及び、プログラミングブロック140の積み重ね状態に関する積み重ね特定情報を、ブロックI/F部141を介してプログラミングボード120に送信するとともに、識別変移部144により当該プログラミングブロック140を所定の発光状態で発光させたり、表示画像を変化させたりして視覚的に識別可能な状態に変移させる。
(コアユニット160)
コアユニット160は、例えば図1に示すように、一面側(図面、上面)に操作スイッチが配置された直方体形状や平板形状を有している。このコアユニット160は、プログラミングボード120を用いたプログラミング操作により取得された情報に基づいて、ターゲット機器200を動作させるためのプログラムを生成するとともに、当該プログラムを実行して、ターゲット機器200の動作状態を制御するコントロール装置として機能する。
コアユニット160は、具体的には、例えば図2に示すように、操作部162と、外部I/F部164と、記憶部166と、通信インターフェース部(以下、「通信I/F部」と略記する)168と、制御部170と、電源部172と、を有している。
操作部162は、ユーザが操作を行うことにより上述したプログラミングボード120を用いたプログラミング操作により取得された情報に基づいてプログラムを生成するとともに、当該プログラムの実行状態を指示する。具体的には、操作部162は、生成したプログラムの実行状態を選択する複数のプッシュスイッチやタッチセンサ、あるいは、タッチパネルを有している。ここで、操作部162には、例えば図1に示すように、後述する制御部170により生成されたプログラム全体を一括して実行する一括実行スイッチ112や、当該プログラムの命令を1ステップずつ実行するステップ実行スイッチ114、実行されているプログラムを停止する実行停止スイッチ116、ターゲット機器200を初期位置(スタート地点)まで戻すホームスイッチ118等のプッシュスイッチが配置されている。そして、操作部162は、ユーザがいずれかのスイッチを押下した状態、又は、スイッチに接触した状態を検出すると、当該スイッチ操作に応じてプログラムの生成及び実行状態を指示する制御信号を後述する制御部170に出力する。
外部I/F部164は、コアユニット160とプログラミングボード120との間で通信を行い、プログラミングボード120から送信された入力操作情報を受信して後述する記憶部166の記憶領域に記憶する。記憶部166は、プログラミングボード120から外部I/F部164を介して受信した入力操作情報を所定の記憶領域に記憶するとともに、これらの情報に基づいて、後述する制御部170により生成されたプログラムを別の記憶領域に記憶する。また、記憶部166は、制御部170において受信した入力操作情報に基づいてターゲット機器200の動作状態を制御するためのプログラムを生成するためのプログラムや、コアユニット160の各部の動作を制御するためのプログラム、その他、各種の情報を記憶するものであってもよい。すなわち、記憶部166は、RAM及びROMを有するものである。
通信I/F部168は、コアユニット160とターゲット機器200との間で通信を行い、記憶部166の記憶領域に記憶されたプログラムをターゲット機器200に送信する。具体的には、通信I/F部168は、非接触型、又は、接触型のインターフェースを有し、非接触型のインターフェースを適用する場合には、例えばWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線通信方式や、赤外線等を用いた光通信方式を適用することができ、また、接触型のインターフェースを適用する場合には、通信ケーブルを用いた有線通信方式を適用することができる。
制御部170は、上記の操作部162、外部I/F部164、記憶部165、通信I/F部168、及び、後述する電源部172を有するコアユニット160の各部の動作を制御するコンピュータのプロセッサである。特に、制御部170は、操作部162によりプログラムの生成、実行に関するユーザの指示を検出した場合には、プログラミングボード120から送信される入力操作情報に基づいて、ターゲット機器200の動作状態を制御するプログラムを生成する。
具体的には、制御部170は、操作部162において、一括実行スイッチ112又はステップ実行スイッチ114が操作されて押下又は接触状態を検出すると、プログラミングボード120から送信された入力操作情報(指示位置情報、順序情報、ブロック位置情報、積み重ね特定情報、高さ設定情報)に基づいて、三次元空間を移動するターゲット機器200の動作状態を制御するための命令を有するプログラムを生成する。ここで、プログラミングボード120を用いたプログラミング操作により取得された上記の各情報はプログラムのソースコードに対応し、制御部170は、このソースコードをターゲット機器200において実行可能な機械語からなるプログラムに変換(コンパイル)する。変換処理されたプログラムは、記憶部166の別の記憶領域に記憶される。なお、この変換処理は、プログラム全体を一括して行うものであってもよいし、プログラムの1ステップの命令ごとに行うものであってもよい。
また、制御部170は、操作部162におけるスイッチ操作に応じて、生成されたプログラムをターゲット機器200に転送してターゲット機器200の動作状態を制御する。さらに、制御部170は、電源部172によりコアユニット160内の各部、及び、プログラミングボード120、プログラミングブロック140への駆動用の電力の供給状態を制御する。
電源部172は、コアユニット160内の各部に駆動用の電力を供給する。また、電源部172は、コアユニット160とプログラミングボード120とを接続することにより外部I/F部164、130を介して、プログラミングボード120内の各部に駆動用の電力を供給する。プログラミングボード120に供給された電力は、ブロックI/F部126、141(又は142)を介して、プログラミングブロック140にさらに供給される。ここで、電源部172は、例えば商用交流電源から電力が供給されるものであってもよいし、乾電池等の一次電池やリチウムイオン電池等の二次電池を備えるものであってもよいし、環境発電技術による発電部を備えるものであってもよい。
なお、本実施形態においては、コアユニット160にのみ電源部を備え、プログラミングボード120及びプログラミングブロック140には電源部を備えていない形態を示した。この形態においては、コアユニット160とプログラミングボード120とを接続することにより双方の外部I/F部164、130に設けられた給電機構を介して、コアユニット160からプログラミングボード120へ駆動用の電力が供給される。さらに、プログラミングボード120上にプログラミングブロック140が載置されることにより双方のブロックI/F部126、141(又は142)に設けられた給電機構を介して、プログラミングボード120からプログラミングブロック140へ駆動用の電力が供給される。ここで、外部I/F部130、164や、ブロックI/F部126、141に設けられる給電機構としては、電磁誘導方式等の非接触型、又は、ケーブルや端子電極を直接接続する接触型の給電機構を適用することができる。
また、本発明に適用可能な他の形態としては、プログラミングボード120及びプログラミングブロック140の一方、又は、双方が固有の電源部を有するものであってもよい。プログラミングボード120が固有の電源部を有する形態においては、ブロックI/F部126、141に設けられた給電機構を介して、プログラミングボード120からプログラミングブロック140へ駆動用の電力が供給されるものであってもよい。
少なくともプログラミングボード120が固有の電源部を有する形態においては、プログラミングボード120にコアユニット160を接続しない状態においても、ユーザはプログラミングボード120やプログラミングブロック140を用いてプログラミング操作を行うことができる。また、コアユニット160をプログラミングボード120から離間させて独立した状態で(すなわち、コアユニット160単体で)、操作部162の各スイッチを操作することにより、入力操作情報に基づくプログラム生成処理や、ターゲット機器200の動作状態の制御を行うことができる。
(ガイドシート180)
ガイドシート180は、例えば図1に示すように、プログラミングボード120のプログラミングエリア104上に載置して装着される光透過性の(透明又は半透明な)タンジブルな薄膜や薄板であって、ユーザのプログラミング操作を支援、誘導するための画像(イラストや写真、数字、文字、記号等)が予め表記されている。言い換えれば、ガイドシート180にはターゲット機器200の移動経路を規定する仮想経路を特定する情報が記録されている。ここで、ガイドシート180には、プログラミングボード120のプログラミングエリア104の各領域102に対応する複数の区画106が設けられ、上記画像は、この区画106を基準単位として表記されている。具体的には、例えば、ガイドシート180に道路や通路、山や川、海等の地形を表記する場合には、隣接する区画106間で画像が連続するように設置され、家屋や樹木等を表記する場合には、一又は複数の区画106単位で画像が設置される。
また、上述したように、ターゲット機器200の移動経路のうちの水平方向の移動成分に対応する仮想経路を決定するプログラミング操作の際に、ユーザは、ガイドシート180の複数の区画106のうちのいずれか1つの区画106にユーザの指等が接触する、又は、その1つの区画106を押下する。指示検出部122として、静電容量方式のタッチセンサを適用する場合には、ガイドシート180はプログラミングエリア104を保護しつつ、ユーザの指等の誘電体の接触状態をタッチセンサに適切に伝達することができる性質(誘電特性)を有している。この場合、指示検出部122は上述の接触操作に応じて、接触された1つの区画106の直下にあるプログラミングボード120のプログラミングエリア104の1つの領域102が直接接触された場合と同様に、その1つの領域102における静電容量の変化を検出することができる。また、指示検出部122として、感圧方式のタッチセンサやプッシュスイッチを適用する場合には、指示検出部122は上述の押下操作に応じて、押下された1つの区画106の直下にあるプログラミングボード120のプログラミングエリア104の1つの領域102が直接押下された場合と同様に、その1つの領域102の変位を検出することができる。
また、ユーザが上記の水平面内での移動経路においてターゲット機器200の高さ方向の位置を設定するプログラミング操作の際には、プログラミングボード120上に装着されたガイドシート180の各区画106(すなわち、プログラミングエリア104の各領域102に対応する)に、ターゲット機器200の高さ方向の位置に応じて1又は複数個のプログラミングブロック140が載置される。このとき、プログラミングブロック140とプログラミングボード120との間でガイドシート180を介して所定の通信方式により情報が送受信される。ここで、プログラミングブロック140とプログラミングボード120のブロックI/F部141、126として、NFC等の無線通信技術による方式や、赤外線通信等の光通信方式を適用する場合には、ガイドシート180は当該通信に使用される電磁波や光を透過する性質又は形態を有している。また、端子電極相互を直接接続する方式を適用する場合には、ガイドシート180は各区画106にプログラミングブロック140のブロックI/F部141とプログラミングボード120のブロックI/F部126とが直接接触するための開口部(貫通孔)が設けられているものであってもよいし、各区画106にブロックI/F部141とブロックI/F部126とを電気的に接続するための貫通電極(ガイドシート180の表裏両面に露出した導電体)が設けられているものであってもよい。
そして、ユーザはガイドシート180に表記されている地形等に基づいて、ガイドシート180の上からプログラミングボード120の各領域102を順次指示するとともに、各領域102にプログラミングブロック140を載置することにより、ターゲット機器200の三次元空間での移動経路を決定する。このようなプログラミング操作に関連する特定の画像が表記されたガイドシート180を、プログラミングの内容に応じて複数種類用意し、プログラミングエリア104上に装着するガイドシート180を適宜交換することにより、異なる内容のプログラミング操作を適切に支援して、プログラミング学習の効率を向上させることができる。
また、このようなガイドシート180を用いたプログラミング操作によれば、ユーザのプログラミング操作により指示された領域102や、生成されたプログラムを実行する際にターゲット機器200の移動位置に対応する領域102を、識別変移部124により所定の発光状態で発光させたり、表示画像を変化させたりした場合であっても、当該光や画像が光透過性のガイドシート180を通して視覚的に認識される。
(ターゲット機器200)
ターゲット機器200は、ユーザによる入力操作に基づいてプログラム制御装置100により生成されたプログラムの実行対象である。本実施形態ではターゲット機器200として、例えば図1に示すように、現実空間内において所定の空域を三次元的に飛行するドローン等の実体のある飛行体を適用した場合について示す。しかしながら、ターゲット機器200は当該生成されたプログラムに基づいて三次元空間での動作状態が制御されるものであればよく、タンジブルな移動体の他に、スマートフォンやタブレット等のモバイル端末、パーソナルコンピュータ等の情報通信機器において実行されるアプリケーションソフトウェア又は当該アプリケーションソフトウェアにより実現される仮想空間内のオブジェクト、すなわち、タンジブルでない移動体であってもよい。
ターゲット機器200がタンジブルな移動体である場合には、ターゲット機器200は、通信I/F部、駆動部、記憶部、機能部、電源部、及び、制御部を備える。ターゲット機器200の通信I/F部は、コアユニット160の通信I/F部168と通信を行い、コアユニット160の制御部170により生成されたプログラムを受信する。記憶部は、ターゲット機器200の通信I/F部が受信したプログラムを記憶する。制御部は、ターゲット機器200の記憶部に記憶されたプログラムに従って、後述する機能部や、駆動部、電源部などを制御し、ターゲット機器200を動作させる。
ターゲット機器200は、プログラミングボード120を用いたプログラミング操作において、ユーザが、ガイドシート180が装着されたプログラミングエリア104の各領域102を順次指示するとともに、各領域102にプログラミングブロック140を載置することにより決定される三次元空間内の移動経路に沿って立体的に移動する。ここで、ターゲット機器200は、プログラミング操作の際に使用したガイドシート180の画像を拡大した画像(相似画像)に対応する実際の地形(実地形)202上を、上記の移動経路に沿って移動する。
なお、本実施形態に適用されるターゲット機器200は、図1に示したドローン等飛行体に限定されるものではなく、特定の水平面内を移動しつつ、当該水平面に垂直な方向の成分が変化するものであれば、例えば、水中を潜航する潜水体であってもよいし、地上を走行しつつ所定の位置で所定の高さにジャンプするような自走式の玩具であってもよいし、水上を移動しつつ所定の位置で所定の高さに水を噴き上げる船体であってもよい。ここで、ターゲット機器200が本実施形態に示したような飛行体の場合や潜水体の場合には、移動経路の始点で当該ターゲット機器200が地上から一定の高度に上昇、又は、水面から一定の水深に潜水し、移動経路の終点で地上に下降、又は、水面に浮上する動作を行うものであってもよい。
また、ターゲット機器200として、モバイル端末や情報通信機器において実行されるアプリケーションソフトウェアを適用する場合には、当該アプリケーションソフトウェアにより実現される仮想の三次元空間内において、前述のオブジェクト(例えばゲーム画面内のキャラクタやアイテム等)の動作状態を制御して当該三次元空間内の任意の経路で移動させる。
(プログラミング操作及びプログラム生成、実行方法)
次に、本実施形態に係るプログラミング教育装置におけるプログラミング操作及びプログラム生成、実行方法(プログラミング方法)について説明する。
図4は、本実施形態に係るプログラミング教育装置におけるプログラミング操作及びプログラム生成、実行方法の一例(ノーマルモード)を示すフローチャートである。図5、図6は、本実施形態に適用されるプログラミング操作処理を説明するための概略図である。また、図7、図8は、本実施形態に適用されるプログラム生成、実行処理(一括処理)を説明するための概略図であり、図9、図10は、本実施形態に適用されるプログラム生成、実行処理(ステップ処理)を説明するための概略図である。なお、図4のフローチャートのうちの、モードの切り替え設定に係る処理動作(ステップS104)については、後述する変形例において詳しく述べるため、本実施形態では説明を適宜省略する。
本実施形態に係るプログラミング教育装置におけるプログラミング操作及びプログラム生成、実行方法においては、大別して、プログラミングボード120とプログラミングブロック140とガイドシート180とを用いた入力操作によるプログラミング操作処理と、プログラミングボード120とコアユニット160とを用いた入力操作情報に基づくプログラム生成処理と、コアユニット160とターゲット機器200とを用いたプログラム実行処理と、が実行される。プログラミング教育装置における、これらの各制御処理は、上述したプログラミングボード120やプログラミングブロック140、コアユニット160、ターゲット機器200に設けられた各制御部において、独立して又は相互に連携して特定の制御プログラムを実行することにより実現されるものである。
(プログラミング操作処理)
本実施形態に係るプログラミング教育装置におけるプログラミング操作処理においては、図4のフローチャート及び図5(a)、(b)に示すように、まず、ユーザは、プログラミング教育装置のプログラミングボード120とコアユニット160とを接続した状態でコアユニット160の電源を投入することによりプログラム制御装置100を起動するとともに、ターゲット機器200の電源を投入して起動する(ステップS102)。また、プログラミングボード120のプログラミングエリア104を覆うようにガイドシート180を装着する。
ここで、ガイドシート180には、図2に示すように、後述する全移動経路情報及び隣接領域情報が記憶されたICチップ182が設けられている。また、プログラミングボード120には、上記の装着されたガイドシート180のICチップ182に記憶された隣接領域情報を読み出すICチップ読出し部184が設けられている。このICチップ読出し部184は、近距離無線通信などの通信方式によりICチップ182に記憶されたデータを読み出す。プログラミングボード120の電源が投入されて、かつ、ガイドシート180にプログラミングボード120が装着されると、プログラミングボード120のICチップ読出し部184によって、ガイドシート180のICチップ182に記憶された、当該ガイドシート180に固有の全移動経路情報及び隣接領域情報が読み出されて、プログラミングボード120の制御部132の制御により記憶部128の記憶領域に記憶される。
次いで、ガイドシート180が装着されたプログラミングボード120及びプログラミングブロック140を用いてプログラミング操作処理を実行する。具体的には、まず、図6(a)に示すように、ユーザが、プログラミングボード120に装着されたガイドシート180に表記された画像を参照しつつ、ターゲット機器200を動作させる際の移動経路のうちの水平方向の移動成分に対応する複数の区画106(すなわち、プログラミングエリア104の複数の領域102)に接触して、又は、当該区画106を押下して順次指示する。ここで、ユーザは、ターゲット機器200の移動経路を決定するために、ガイドシート180上の始点(スタート)Rsと終点(ゴール)Rgを含む2以上の連続する区画106の全てについて、ターゲット機器200の移動順序にしたがって順次指示する。
ここで、上記の全移動経路情報及び隣接領域情報について詳述する。本実施形態では、プログラミングエリア104の複数の領域102は行列方向に2次元配置されていて、その配列方向(行方向又は列方向)に沿って連続して配置された2つの領域102は相互に隣接するものとみなす。この場合、相互に隣接する2つの領域102は適宜定められる閾値以下の距離をおいて離れて配置されていてもよい。全移動経路情報は、始点Rsと終点Rgを含む2以上の連続する区画106に対応する2以上の領域102の、プログラミングボード120のプログラミングエリア104内の相対位置を特定する情報である。隣接領域情報は、複数の領域102のうちのいずれか2つの領域102が相互に隣接しているか否かを示す情報である。全移動経路情報及び隣接領域情報は、例えばプログラミングボード120の記憶部128の記憶領域に記憶されている。記憶領域に記憶されている全移動経路情報及び隣接領域情報は、上述のようにガイドシート180のICチップ182に記憶され、上記のICチップ読出し部184によって読み出されたものであってよく、或いは、プログラミングボード120の記憶部128の記憶領域に複数の隣接領域情報が予め記憶されていて、装着したガイドシート180の種類に対応したものをユーザ操作により選択したものであってもよい。以下でさらに詳述するように、ガイドシート180のICチップ182に記憶された全移動経路情報および隣接領域情報は、ターゲット機器200の移動経路のうちの水平面内での動作状態を規定する仮想経路を特定する情報である。
本実施形態では、図5(a)に示すように、注目するある領域102(便宜的に「102X」と記す)を基準として、行方向に一つ左に配置されている領域102Lと、一つ右に配置されている領域102Rと、列方向に一つ上に配置されている領域102Uと、一つ下に配置されている領域102Dとの、4つの領域102L、102R、102U、102Dが、上記の注目するある領域102Xに隣接する領域102である。そして、この注目するある領域102Xを特定するための情報と、その情報に関連付けられて、これら4つの隣接する領域102L、102R、102U、102Dを特定するための情報が、プログラミングボード120の記憶部128の記憶領域に、隣接領域情報として記憶されている。ここで、領域102を特定するための情報は、プログラミングボード120のプログラミングエリア104上の各領域102の相対位置についての情報を含んでいて、具体的には、一例に過ぎないが、プログラミングボード120の最左行から数えて何行目、及び、最上列から数えて何列目の領域102であるかを特定する数値であってよい。
なお、複数の領域102のうちのどの領域を、注目するある領域102Xに隣接する領域とするかについては、プログラミングにかかる学習の目的に応じて適宜設定してよい。例えば、上記の4つの領域102L、102R、102U、102Dに加えて、注目するある領域102Xを基準として配列方向に交差する斜め方向(45°方向)に沿って最も近くに配置された4つの領域102を、当該注目するある領域102Xと隣接する領域102であるとしてもよい。
ここで、本実施形態のプログラミングボード120のプログラミングエリア104には、その全体にわたって複数の領域102が行列方向にくまなく配置されている。しかしながら、ガイドシート180を装着した場合には、ユーザは、すべての領域102に対してプログラミング操作を許容するとは限らない。
具体的には、図5(b)に示すように、ガイドシート180のうちの仮想経路を指定する黒い線が描かれた複数の区画106の直下にある複数の領域102に対してのみプログラミング操作を許容し、それ以外の複数の領域102に対してはプログラミング操作を禁止している。この場合、注目するある領域102Xに隣接する4つの(斜め方向を含める場合には8つの)領域102のうちいずれかに、プログラミング操作を禁止するべき領域(指示禁止領域)が隣接している場合、この指示禁止領域は当該注目するある領域102Xに隣接する領域ではないとする。具体的には、注目するある領域102Xに対応する隣接領域情報が、指示禁止領域に対応する情報を含まないようにすればよい。ここで、指示禁止領域以外の領域、すなわち、プログラミング操作が許容されている領域を便宜上「指示許容領域」とする。始点Rsを例として説明すると、その始点Rsの区画106に対応する1つの領域102の列方向下側は領域102が存在せず、また、行方向右側と行方向左側に隣接する領域102は仮想経路を指定する黒い線が書かれていないので、これらの3つの領域102は、始点Rsに対応する1つの領域102の隣接領域情報には含めない。従って、始点Rsに対応する1つの領域102を特定するための情報と、その情報に関連付けて、列方向上側に隣接する1つの領域102(始点Rsの区画106に対応する1つの領域102を「102X」とした場合、領域102Uとなる)を特定するための情報だけを、当該1つの領域102に対応する隣接領域情報として含むようにすればよい。
プログラミングボード120の制御部132は、指示検出部122によりユーザによる入力操作が検出された1つの領域102が、プログラミング操作が許容された領域であるか否かの判断を行う。具体的には、プログラミング操作を開始して最初に領域を指示する場合は、全移動経路情報に基づいて、始点Rsに対応する1つの領域102へのプログラミング操作のみが許容される。従って、最初に領域を指示するときは、始点Rsに対応しないいずれかの領域102へのプログラミング操作は無効と判断し、プログラミングボード120に設けられた図示しないスピーカや表示部により「プログラムできない領域です。」などのエラーメッセージを出力させたり、その領域102の発光部を発光させないようにしたり、通常とは異なる発光色や発光パターンで発光させたりする制御を行う。
始点Rsに対応する1つの領域102へのプログラミング操作がユーザにより行われると、プログラミングボード120の制御部132は、始点Rsに対応する1つの領域102の隣接領域情報に含まれるいずれかの領域102へのプログラミング操作を待機する。上記の隣接領域情報に含まれるいずれかの領域102へのプログラミング操作が行われた場合、プログラミングボード120の制御部132は、引き続き、さらに別の領域102へのプログラミング操作を待機し、上記の隣接領域情報に含まれないいずれか領域102へのプログラミング操作が行われ場合、エラーメッセージを出力する。このようにして、プログラミングボード120の制御部132は、終点Rgに対応する1つの領域102への指示が指示検出部122により検出されるまで、プログラミング操作を受け付ける。終点Rgに対応する1つの領域102への指示及び全移動経路情報により指定されたすべての領域102への指示が指示検出部122により検出されるか、又は、予め定めた操作によりプログラミング操作が終了したと判断すると、スピーカや表示部から「プログラミングが終わりました。」などのメッセージを出力する。
これにより、ガイドシート180を介して区画106に対応するプログラミングエリア104の領域102が指示されて、図6(b)に示すように、ターゲット機器200の移動経路のうちの水平方向の移動成分に対応する仮想経路(始点Rs→終点Rg)が決定される(ステップS106)。このとき、プログラミングボード120の制御部132は、指示検出部122により検出された各指示領域102の指示位置情報と、それらの指示順序に関する順序情報を取得して記憶部128の記憶領域に記憶させる。また、制御部132は、各指示領域102の識別変移部124を所定の発光状態で発光させたり、表示画像を変化させたりして視覚的に識別可能な状態に変移させる(図6(a)中では便宜的にハーフトーンで表記)。
ここで、識別変移部124が発光部を有する場合には、制御部132は、例えば図6(a)に示すように、指示された各領域102の発光部を所定の発光色や発光強度で常時発光(点灯)させたり、発光色を変化させたり、所定の発光パターンで発光(点減)させたりする動作を継続(保持)する。また、制御部132は、プログラミング操作処理中に、コアユニット160の操作部162に設けられたプログラム確認スイッチ(図示を省略)等を操作したり、一定時間プログラミング操作がなかったりした場合や、既定の又はユーザ操作に応じて定められたある時間間隔的等の条件をトリガーとして、プログラミング操作により指示されて既に決定された移動経路の順番にしたがって、各領域102の発光部を時分割で順次発光させる動作を実行する。このように、各指示領域102における識別変移部124の変移状態(この場合は発光状態)を保持、又は、特定の条件をトリガーとして所定の変移状態を提示することにより、プログラミング操作の内容や進行状況、当該プログラミング操作により決定された現時点までの移動経路やターゲット機器200の移動順序等を視覚的に把握、理解し易くなる。
また、制御部132は、前述のように、指示禁止領域へのプログラミング操作が行われた場合の他にも、プログラム制御装置100の動作に異常が発生した場合等には、スピーカや表示部により「動作エラーです。」などのエラーメッセージを出力させたり、当該領域102の発光部を発光させないようにしたり、通常とは異なる発光色や発光パターンで発光させたりする制御を行う。これにより、プログラミング操作時の誤り等をユーザに報知する。さらに、制御部132は、プログラミングボード120が音響部や振動部を備えている場合には、上記の発光部における発光動作に加え、あるいは、当該発光動作に替えて、音響部や振動部における発音や振動の振幅や周波数、パターンを変化させて、プログラミング操作時の誤り等をユーザに報知するものであってもよい。
次いで、図6(b)、(c)に示すように、ユーザは、上記の仮想経路となる複数の区画106(指示領域102)のうち、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する区画106に、当該高さ方向の位置に応じた個数のプログラミングブロック140を載置する。例えば、各プログラミングブロック140の高さ設定情報として、単位変化の値が10cmの上昇に設定されている場合に、ターゲット機器200の高さ方向の位置を現在よりも10cm上昇させたい区画106には1個のプログラミングブロック140が載置され、30cm上昇させたい区画106には、3個のプログラミングブロック140が積み重ねて載置される。この場合においても、指示禁止領域のいずれかへのプログラミング操作が行われた場合には、プログラミングボード120の制御部132は、前述のようなエラー処理を適宜行う。
これにより、ターゲット機器200の水平方向の移動成分に対応する仮想経路に、高さ成分が付加されて(ステップS108)、ターゲット機器200の実際の三次元空間での移動経路が規定される。このとき、プログラミングボード120の制御部132は、ガイドシート180を介してブロックI/F部126により検出されたプログラミングブロック140のブロック位置情報と、積み重ね特定情報、高さ設定情報を取得して記憶部128の記憶領域に記憶させる。また、プログラミングブロック140の制御部148は、ユーザが載置したプログラミングブロック140の識別変移部144を所定の発光状態で発光させたり、表示画像を変化させたりして視覚的に識別可能な状態に変移させる(図6(c)中では便宜的にハーフトーンで表記)。
ここで、識別変移部144が発光部を有する場合には、制御部148は、例えば図6(c)に示すように、各プログラミングブロック140の発光部を所定の発光色や発光強度で常時発光(点灯)させたり、発光色を変化させたり、所定の発光パターンで発光(点減)させたりする動作を継続(保持)する。また、制御部148は、プログラミング操作処理中に、コアユニット160の操作部162に設けられたプログラム確認スイッチ(図示を省略)を操作したり、一定時間プログラミング操作がなかったりした場合や、既定の又はユーザ操作に応じて定められたある時間間隔等の条件をトリガーとして、プログラミング操作により載置されて既に設定された高さ方向の位置に応じて、各プログラミングブロック140の発光部を時分割で順次発光させる動作を実行する。このように、各プログラミングブロック140における識別変移部144の変移状態(この場合は発光状態)を保持、又は、特定の条件をトリガーとして所定の変移状態を提示することにより、プログラミング操作の内容や進行状況、当該プログラミング操作により設定された現時点までの移動経路を視覚的に把握、理解し易くなる。
また、制御部148は、指示禁止領域のいずれかへのプログラミング操作が行われた場合だけでなく、プログラミングブロック140が予め設定した載置禁止領域に載置されたと判断した場合、さらには、プログラム制御装置100の動作に異常が発生した場合等には、当該プログラミングブロック140の発光部を発光させないようにしたり、スピーカや表示部により予め定めたエラーメッセージを出力させたり、通常とは異なる発光色や発光パターンで発光させたりする制御を行う。これにより、プログラミング操作時の誤り等をユーザに報知する。さらに、制御部148は、プログラミングブロック140が音響部や振動部を備えている場合には、上記の発光部における発光動作に加え、あるいは、当該発光動作に替えて、音響部や振動部における発音や振動の振幅や周波数、パターンを変化させて、プログラミング操作時の誤り等をユーザに報知するものであってもよい。ここで、載置禁止領域とは、プログラミング学習の目的に応じて適宜設定してよく、例えば大勢の人が集まる繁華街やイベント会場、鉄塔や高層ビル等の絵(図示を省略)が描かれた区画106に対応する領域102を載置禁止領域に設定してよい。この載置禁止領域の情報も前述の隣接領域情報に含まれるものとする。
本実施形態においては、ユーザによりターゲット機器200の全移動経路の水平方向の移動成分に対応する仮想経路が決定され、かつ、当該仮想経路の各領域102における全ての高さ成分が付加されてプログラミング操作を終了するまで、上記のステップS106、S108を繰り返し実行する(ステップS110のNo)。具体的には、プログラミングボード120の記憶部128に記憶されている終点Rgの区画106に対応する1つの領域102への指示、及び、全移動経路情報により指定されたすべての領域102への指示が指示検出部122により検出されると、プログラミング操作が終了したものとプログラミングボード120の制御部132により判断される。
なお、ステップS106、S108に示したプログラミング操作は、仮想経路を順次決定しつつ、当該仮想経路の各領域102における高さ成分を順次付加するものであってもよいし、ターゲット機器200の全仮想経路を決定した後、当該仮想経路の各領域102における全ての高さ成分を付加するものであってもよい。また、ターゲット機器200を一定の高さ位置で所定の移動経路に沿って移動させる動作のみを設定し、高さ位置の変化を有しない場合には、ガイドシート180上にプログラミングブロック140を載置する、上記のステップS108のプログラミング操作は省略される。
そして、図6(c)に示すように、プログラミングボード120及びプログラミングブロック140を用いたプログラミング操作処理を終了した状態においては、制御部132、148は、上記のステップS106、S108に示したように、プログラミング操作により決定された高さ方向の位置を有する全移動経路に対応する各指示領域102における識別変移部124や、各プログラミングブロック140における識別変移部144の変移状態を保持したり、特定の条件をトリガーとして当該変移状態を提示したりする。これにより、プログラミング操作により決定されたターゲット機器200の全移動経路やその移動順序等を視覚的に把握、理解し易くなる。
また、上記のプログラミング操作処理を終了すると(ステップS110のYes)、プログラミングボード120及びコアユニット160を用いたプログラム生成処理の実行が可能な待機状態に設定される。
そして、図7(a)に示すように、ユーザが、コアユニット160の操作部162に設けられたプログラム実行スイッチ(一括実行スイッチ112又はステップ実行スイッチ114)を操作すると(ステップS112)、ステップS114〜S120のプログラム一括生成、実行処理、又は、ステップS122〜S130のプログラムステップ生成、実行処理が実行される。
(プログラム一括生成、実行処理)
上記のステップS112において、図7(a)に示すように、ユーザが、コアユニット160に設けられた一括実行スイッチ112をオン操作すると、プログラム一括生成、実行処理が実行される。プログラム一括生成、実行処理においては、まず、コアユニット160の制御部170が、プログラミングボード120の制御部132に制御信号を送信して、上記のプログラミング操作処理により取得した指示位置情報や順序情報、ブロック位置情報、積み重ね特定情報、高さ設定情報を有する入力操作情報を一括してプログラミングボード120から受信する(ステップS114)。
次いで、制御部170は、プログラミングボード120から受信した入力操作情報をソースコードとして、ターゲット機器200の動作状態を制御するための命令を有するプログラムを一括して生成する(ステップS116)。制御部170において生成されたプログラムは、コアユニット160の記憶部166の記憶領域に記憶される。
次いで、制御部170は、図7(a)に示すように、生成されたプログラムを、通信I/F部168を介して、ターゲット機器200に一括して転送する(ステップS118)。ターゲット機器200は、転送されたプログラムを実行することにより、図7(b)及び図8(a)、(b)に示すように、上述したプログラミングボード120を用いたプログラミング操作処理において決定された始点Rsから終点Rgまでの仮想経路、及び、当該仮想経路に付加された高さ成分に基づいて規定された、実地形202での移動経路に沿って順次移動する全体動作を行う(ステップS120)。全体動作を行った後、図4のフローチャートに示したプログラミング操作及びプログラム生成、実行方法に係る一連の処理動作が終了する。
この全体動作において、コアユニット160の制御部170は、通信I/F部168を介して、ターゲット機器200からプログラムの実行状態(すなわち、現在時点におけるターゲット機器200の位置や高さ)に関する情報を、プログラム実行情報として随時受信し、プログラミングボード120の制御部132にプログラム実行情報として送信する。プログラミングボード120の制御部132は、コアユニット160から受信したプログラム実行情報に基づいて、図7(b)及び図8(a)、(b)に示すように、現在時点におけるターゲット機器200の実地形202での位置に対応する領域102又はプログラミングブロック140を、プログラミング操作により決定された他の指示領域102やプログラミングブロック140とは異なる発光状態で発光させたり、表示画像を変化させたりして視覚的に識別可能な状態に変移させる(図7(b)、図8(a)、(b)中では便宜的に白色で表記)。
なお、本実施形態においては、コアユニット160はターゲット機器200と随時通信を行い、ターゲット機器200におけるプログラムの実行状態に関する情報を受信して、これに基づいて現在時点におけるターゲット機器200の位置に対応するプログラミングボード120の領域102、又は、プログラミングブロック140を識別可能な状態に変移(例えば発光)させる場合について説明した。本発明はこれに限定されるものではなく、コアユニット160は例えばターゲット機器200へのプログラムの転送終了のタイミングからの経過時間に基づいて(すなわち、ターゲット機器200と通信を行うことなく)、ターゲット機器200におけるプログラムの実行状態を推測して、プログラミングボード120の領域102、又は、プログラミングブロック140を識別可能な状態に変移させるものであってもよい。この場合、コアユニット160における推測と実際のプログラムの実行状態との誤差が過大にならないように、定期的に、又は、予め設定した位置や条件ごとに、コアユニット160がターゲット機器200と通信を行うものであってもよい。
ここで、プログラミングボード120の識別変移部124及びプログラミングブロック140の識別変移部144がいずれも発光部を有する場合には、プログラミングボード120の制御部132及びプログラミングブロック140の制御部148は、例えば次のように発光状態を制御することにより、ターゲット機器200におけるプログラムの実行状態を視覚的に識別可能にする。これにより、ターゲット機器200におけるプログラムの実行状態等を視覚的に把握、理解し易くなる。
制御部132、148は、例えば図7(a)に示すように、まず、プログラミング操作により決定された全移動経路に対応する全ての指示領域102、及び、プログラミングブロック140の発光部を所定の発光色や発光強度で常時発光させた状態を保持する。そして、制御部132、148は、プログラム実行情報に基づいて、現在時点におけるターゲット機器200の位置に対応する領域102やプログラミングブロック140の発光部を、図7(b)、図8(a)、(b)に示すように、他の指示領域102やプログラミングブロック140とは異なる発光色や、より高い発光強度、あるいは、発光パターン(例えば、点滅)で発光させる制御を行う。
また、他の形態として、制御部132、148は、例えば、プログラム実行情報に基づいて、現在時点におけるターゲット機器200の位置に対応する領域102やプログラミングブロック140の発光部を所定の発光色や発光強度で発光させ、他の指示領域102やプログラミングブロック140の発光部を発光させない(消灯させる)制御を行う。
さらに他の形態として、例えば、プログラミングボード120の各領域102の識別変移部124及びプログラミングブロック140の識別変移部144はいずれも、プログラミング操作時の状況を示す第1の発光部とプログラム実行時の状況を示す第2の発光部とを別個に備えているものとする。そして、制御部132、148は、現在時点におけるターゲット機器200の位置に対応する領域102やプログラミングブロック140では第1及び第2の発光部をともに発光させ、他の指示領域102やプログラミングブロック140では第1の発光部のみを発光させる制御を行う。
また、ターゲット機器200において実行されているプログラムにエラーやバグが発生した場合には、制御部132、148は、ターゲット機器200から受信したプログラム実行情報に基づいて、当該エラーやバグが発生した領域102やプログラミングブロック140を、上記の通常の実行状態とは異なる発光色や発光パターンで発光させる制御を行う。これにより、プログラム実行時の異常をユーザに報知する。ここで、プログラム実行時のエラーやバグとは、例えばターゲット機器200の位置がプログラミング操作時に設定した移動経路から逸脱した場合や、ターゲット機器200がプログラミング操作時には想定されていなかった障害物等に衝突して落下した場合等である。
(プログラムステップ生成、実行処理)
上述したステップS112において、図9(a)に示すように、ユーザが、コアユニット160に設けられたステップ実行スイッチ114をオン操作すると、プログラムステップ生成、実行処理が実行される。プログラムステップ生成、実行処理においては、まず、コアユニット160の制御部170が、プログラミングボード120の制御部132に制御信号を送信して、プログラミング操作処理により取得した入力操作情報を一括して、又は、プログラミング操作の一操作(ステップ)ごとに、プログラミングボード120から受信する(ステップS122)。
次いで、制御部170は、受信した入力操作情報に基づいてターゲット機器200の動作状態を制御するための命令を有するプログラムを一括して、又は、プログラミング操作の一操作ごとに生成する(ステップS124)。制御部170において生成されたプログラムは、コアユニット160の記憶部166の記憶領域に記憶される。ここで、プログラミング操作の一操作とは、1つの領域102を指示する操作や1つのプログラミングブロック140を載置する操作のことであり、本実施形態のプログラムステップ生成、実行処理における一ステップとは、この一操作により指定されるステップのまとまりのことである。
次いで、制御部170は、図9(a)に示すように、生成されたプログラムを一操作分のプログラムごとに、通信I/F部168を介して、ターゲット機器200に転送する(ステップS126)。ターゲット機器200は、転送された一操作分のプログラムを実行することにより、上述したプログラミング操作処理において決定された仮想経路、及び、当該仮想経路に付加された高さ成分に基づいて規定された、実地形202での移動経路に沿って一操作分だけ移動したり、一操作分だけ機能を実行したりするステップ動作を行う(ステップS128)。
このとき、コアユニット160の制御部170は、ターゲット機器200に転送した一操作分のプログラムに関する情報(すなわち、ターゲット機器200の移動位置や高さを規定する情報)を、プログラミングボード120の制御部132にプログラム実行情報として送信する。プログラミングボード120の制御部132は、このプログラム実行情報に基づいて、図9(a)に示すように、現在時点におけるターゲット機器200の実地形202での位置に対応する領域102又はプログラミングブロック140を、他の指示領域102やプログラミングブロック140とは異なる発光状態で発光させたり、表示画像を変化させたりして視覚的に識別可能な状態に変移させる(図9(a)中では便宜的に白色で表記)。
ステップS128の処理動作を実行した後、コアユニット160の制御部170は、ステップS128においてターゲット機器200に実行させたステップ動作が、プログラミング操作処理により取得した入力操作情報のうちの最後の入力操作情報に対応するものであるか否かを判定する(ステップS130)。すなわち、コアユニット160の制御部170は、ターゲット機器200がプレイシート202上の移動経路の終点位置まで移動し、かつ、当該終点位置に1又は複数のプログラミングブロック140が積み重ねられている場合にはそれらすべてのプログラミングブロック140に対応する機能をターゲット機器200が実行し終わっているか否かを判定する。
コアユニット160の制御部170が、ステップS128においてターゲット機器200に実行させたステップ動作が最後の入力操作情報に対応するものであると判定した場合(ステップS130のYes)には、図4のフローチャートに示したプログラミング操作及びプログラム生成、実行方法に係る一連の処理動作が終了する。一方、制御部170が、ステップS128においてターゲット機器200に実行させたステップ動作が最後の入力操作情報に対応するものでないと判定した場合(ステップS130のNo)には、前述のステップS112へ遷移する。このステップS112では、ユーザが、コアユニット160に設けられた一括実行スイッチ112、又は、ステップ実行スイッチ114のいずれをオン操作したかを判定する。
一括実行スイッチ112がオン操作されたと判定した場合、コアユニット160の制御部170は、プログラミング操作処理により取得した入力操作情報のうち、まだ実行していないすべての入力操作情報について、前述のプログラム一括生成、実行処理を行う(ステップS114〜S120)。すべての入力操作情報に対応する動作を行った後、図4のフローチャートに示したプログラミング操作及びプログラム生成、実行方法に係る一連の処理動作が終了する。また、ステップ実行スイッチ114がオン操作されたと判定した場合、コアユニット160の制御部170は、前述のステップS122〜S130に従って、プログラムステップ生成、実行処理が実行される。なお、本実施形態においては、図4に示した一連の処理動作を、便宜的に「ノーマルモード」と呼称する。
このように、本実施形態においては、プログラミングボード120とプログラミングブロック140とコアユニット160とからなるタンジブルなプログラム制御装置を用いて、プログラミングボード120上の任意の領域102に接触又は押下して指示するプログラミング操作により、ターゲット機器200の移動経路のうちの水平方向の移動成分(仮想経路)を決定する。加えて、プログラミングブロック140をプログラミングボード120上の任意の指示領域102に載置するプログラミング操作により、ターゲット機器200の移動経路のうちの垂直方向の高さ成分を付加して、絶対座標系での三次元の移動経路を規定することができる。
また、本実施形態においては、プログラミング操作時に決定されたターゲット機器200の移動経路に対応するプログラミングボード120上の領域102やプログラミングブロック140を、視覚的に他の領域102やプログラミングブロック140と識別が可能なように変移させることができる。また、プログラミング操作に基づいて生成されたプログラムの実行時にターゲット機器200の動作状態に対応する領域102やプログラミングブロック140を、プログラミング操作に基づいて生成されたプログラムの実行時に、又は、プログラムの実行の前後(例えば、プログラミング操作中)に、視覚的に他の領域102やプログラミングブロック140と識別が可能なように変移させることができる。
したがって、本実施形態によれば、幼児等の低年齢者であっても、ターゲット機器200の三次元空間での移動経路を決定するプログラミングを容易に行うことができるとともに、その操作内容やターゲット機器200の動作状態を視覚を通して直感的に把握し易くすることができ、プログラミングの学習効果の向上を期待することができる。
なお、上述したプログラミング操作及びプログラム生成、実行方法においては、プログラミング操作処理の終了後(ステップS110)、ユーザが、コアユニット160の操作部162に設けられたプログラム実行スイッチ(一括実行スイッチ112又はステップ実行スイッチ114)を操作することにより(ステップS112)、プログラミング操作処理により取得した入力操作情報を、プログラミングボード120からコアユニット160に送信する形態(ステップS114、S122)を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、プログラミング操作処理中にプログラミングボード120において入力操作情報を取得した際には、当該入力操作情報を随時、又は、所定のタイミングや定期的にコアユニット160に送信するものであってもよい。
また、上述したプログラミング操作及びプログラム生成、実行方法においては、ターゲット機器200の移動経路の始点から終点に対応するプログラミングエリア104の領域102を順次指示することにより移動経路を決定する手法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばプログラミング操作時に時間的に連続する順序関係にあるが、相互に隣接しない2つの領域102が指示された場合には、当該指示領域102間の未指示の領域102を自動的に指示領域に設定して移動経路を決定する補間処理を行うものであってもよい。
具体的には、プログラミングエリア104において、相互に隣接しない2つの領域102が連続して指示された場合には、補間処理として、当該領域102間の最短距離や最短時間となる経路を設定するものであってもよいし、当該領域102間に複数の経路があり、かつ、移動経路を決定する際に予め条件(例えば、最適なコストや必須の通過地点等)がある場合には、その条件を加味して最良の経路を設定するものであってもよい。ここで、最良の経路を設定する際の条件であるコストとは、各領域102や設定される経路を通過する際に発生する費用又は総費用であって、予め各領域102に個別のコストが関係付けられているものである。このような補間処理については、例えばプログラミングボード120の制御部132において実行されるプログラミング操作処理に予め補間処理が組み込まれているものであってもよいし、例えば図示を省略した補間設定スイッチを操作することにより、補間処理機能をオン、オフするものであってもよい。
なお、本実施形態においては、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する方法として、プログラミングブロック140に設定された高さ設定情報の単位変化量と、積み重ね特定情報におけるプログラミングブロック140の積み重ね個数とに基づいて算出された高さ方向の変化量を、仮想経路内の直前の領域102に対応する位置における高さに対して加算(又は、減算)することにより、相対的な高さを設定する手法や、高さ方向の絶対位置を直接設定する手法を示したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。
例えば、高さ設定情報として、プログラミングブロック140が載置された各領域における高さの時間変化量を設定し、当該領域を起点として時間経過に応じて高さを変化させる手法を適用することができる。この手法においては、起点となる領域以降、隣接領域へ移動するたびに、例えば高さ方向の位置が10cmずつ増加(上昇)するように設定される。
また、他の形態として、高さ設定情報として、プログラミングブロック140が載置された各領域に分岐条件を設定し、当該条件に応じて高さの変化方法を変更する手法を適用することができる。この手法においては、例えば現在の領域において高さ方向の位置が100cmを超過している場合には、次の領域で10cm減少(下降)し、100cmを越えていない場合には、次の領域で10cm増加(上昇)するように設定される。
また、他の形態として、ターゲット機器200の移動動作中に発生するイベントに応じて高さを変化させる手法を適用することができる。この手法においては、例えばターゲット機器200が移動経路に沿って移動中に、拍手音を1回検知した場合には、高さ方向の位置が10cmずつ増加(上昇)し、拍手音を2回検知した場合には、高さ方向の位置が10cmずつ減少(下降)するように設定される。
なお、本実施形態においては、図5〜図10に示したように、プログラミングボード120のプログラミングエリア104上にガイドシート180を密着して装着した状態でプログラミング操作を行い、ガイドシート180の画像に対応する実地形202上をターゲット機器200が移動する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、次のような形態を有しているものであってもよい。
図11、図12は、本実施形態に係るプログラミング教育装置(プログラミング装置)において、ガイドシートを有さない構成例を示す概略図である。ここで、本実施形態と同等の構成についてはその説明を簡略化する。
すなわち、本実施形態においては、プログラミング教育装置がガイドシート180を用いることなくプログラミング操作を行うものであってもよい。この場合には、図11(a)に示すように、ユーザがターゲット機器200の三次元空間での移動経路をイメージして、ガイドシートが装着されていないプログラミングボード120のプログラミングエリア104の各領域102に直接接触又は押下して指示することにより、ターゲット機器200の移動経路のうちの水平方向の移動成分(仮想経路)を決定し、また、1又は複数のプログラミングブロック140をプログラミングエリア104の任意の指示領域102に載置することにより、ターゲット機器200の移動経路のうちの垂直方向の高さ成分を付加して、ターゲット機器200の三次元空間での移動経路を決定する。ここで、ユーザが最初に指示したプログラミングエリア104の領域102は、ターゲット機器200の移動経路の始点に対応し、最後に指示した領域102は、移動経路の終点に対応する。
また、ガイドシート180を有さない形態においては、例えばプログラミングボード120のプログラミングエリア104の上面に、上述したガイドシート180に表記された画像と同等の画像が直接表記されているものであってもよい。また、図11(b)に示すように、識別変移部124として各領域102に設けられた発光部や表示部、又は、プログラミングエリア104の全域に共通して設けられた発光パネルや表示パネルに、上述したガイドシート180に表記された画像と同等の画像GPや、プログラミング操作を支援、誘導するための画像GP等を表示するものであってもよい。図11(b)に示した形態においては、識別変移部124を用いて表示される画像GP等のデータを書き替えることにより、プログラミングエリア104に表示される画像GPを適宜変更することができる。
また、ガイドシート180を有さない形態においては、プログラミングボード120の各領域102に対応して設けられる指示検出部122として、ユーザによる押下操作のたびにオン状態とオフ状態が切り替わるとともに、オン状態での上面の高さがプログラミングエリア104の上面高さ(基準高さ)に比較して変移するスイッチ機構を備えたプッシュスイッチ等を適用した形態を有しているものであってもよい。具体的には、各プッシュスイッチは、例えば図12(a)に示すように、1回目の押下操作によりプッシュスイッチの上面がプログラミングエリア104の基準高さに比較して沈み込んだ状態(凹状態)に変移するとともに、電気的にオン状態に移行し、2回目の押下操作によりプッシュスイッチの上面が基準高さに戻るとともに、電気的にオフ状態に移行する。なお、プッシュスイッチは、上記のように押下操作に対してスイッチの上面が沈み込んで(凹状態に変移して)オン状態になるものに限らず、例えば図12(b)に示すように、押下操作に対してスイッチの上面が突出して(凸状態に変移して)オン状態になるものであってもよい。このように、ユーザにより指示された領域102が視覚的に識別可能な状態に変移することにより、プログラミング操作の進行状況が把握、理解し易くなる。すなわち、図12に示した形態においては、指示検出部122が識別変移部124としての機能も兼ね備えている。なお、この形態においても、プログラミングボード120の各領域102は、識別変移部124として発光部や表示部を有しているものであってもよく、上記の指示検出部122により指示領域102が凹状態又は凸状態に変移して電気的にオン状態になるとともに、所定の発光状態で発光したり、表示画像が変化したりするものであってもよい。
なお、本実施形態においては、図1に示したように、プログラミングボード120とコアユニット160とを別個に設けて、非接触型又は接触型のインターフェースを介して入力操作情報の送受信や、駆動用の電力を供給する形態について説明した。本発明はこの形態に限定されるものではなく、プログラミングボード120とコアユニット160とを一体にしたものであってもよい。
図13は、本実施形態に係るプログラミング教育装置(プログラミング装置)において、プログラミングボードとコアユニットとを一体にした構成例を示す概略図である。ここで、図13(a)は、プログラミングボードとコアユニットとを一体にした形態の概略図であり、図13(b)は、本形態におけるプログラミングボードに適用される構成例を示す機能ブロック図である。ここで、本実施形態と同等の構成についてはその説明を簡略化する。
プログラミングボードとコアユニットとを一体にした形態においては、例えば図13(a)に示すように、プログラミングボード120のプログラミングエリア104の周辺に、上述した実施形態に示したコアユニット160の操作部162に設けられた各種のスイッチが配置されている。また、この形態においては、例えば図13(b)に示すように、上述したプログラミングボード120とコアユニット160が有する機能を実現するための構成を有している。
ここで、記憶部129は、上述した実施形態に示したプログラミングボード120の記憶部128及びコアユニット160の記憶部166と同等の機能を有している。すなわち、記憶部129は、指示検出部122及びブロックI/F部126により取得された指示位置情報、順序情報、ブロック位置情報、積み重ね特定情報、高さ設定情報を有する入力操作情報を、所定の記憶領域に記憶するとともに、当該入力操作情報に基づいて制御部133により生成されたプログラムを別の記憶領域に記憶する。また、記憶部129は、制御部133において入力操作情報に基づいてターゲット機器200の動作状態を制御するためのプログラムを生成するためのプログラムや、プログラミングボード120の各部の動作を制御するためのプログラム、その他の各種の情報を記憶するものであってもよい。すなわち、記憶部128は、RAM及びROMを有するものである。
また、制御部133は、上述した指示検出部122、識別変移部124、ブロックI/F部126、記憶部129、操作部162、通信I/F部168、電源部172を有するプログラミングボード120の各部の動作を制御するコンピュータのプロセッサであって、上述した実施形態に示したプログラミングボード120の制御部132及びコアユニット160の制御部170と同等の機能を有している。すなわち、制御部133は、プログラミングエリア104の各領域102へのユーザの指示を検出した場合や、指示領域上にプログラミングブロック140が載置された状態を検出した場合には、取得した入力操作情報を記憶部129の記憶領域に記憶させる。また、制御部133は、入力操作情報に基づいて、ターゲット機器200の動作状態を制御するプログラムを生成するとともに、操作部162におけるスイッチ操作に応じて、生成されたプログラムをターゲット機器200に送信してターゲット機器200の動作状態を制御する。
なお、本形態においては、図2に示したプログラミングボード120とコアユニット160との間で通信を行うための外部I/F部130、164は省略される。また、制御部133や記憶部129は、一部又は全部が図2に示したプログラミングボード120とコアユニット160とにより共有されているものであってもよい。また、本形態においては、単一の電源部172から供給される電力により、図2に示したプログラミングボード120とコアユニット160の各部が動作する。なお、本形態においても、上述したような、プログラミング操作を支援、誘導するためのガイドシート180がプログラミングエリア104上に装着されているものであってもよいし、装着されてなくてもよい。
このように、プログラミングボード120とコアユニット160とを一体にすることにより、プログラミングボード120単体でプログラミング操作やプログラムの生成、ターゲット機器200の動作状態の制御までを行うことができる。このとき、本形態によれば、各処理動作において、各種の情報の送受信を省略したり、記憶部129への記憶、読み出し回数を削減したりすることにより、全体の処理動作を簡素化することができる。また、本形態によれば、プログラム制御装置100を構成する部品数を削減することができるとともに、プログラム制御装置100の各部へ駆動用の電力を安定して供給することができる。
なお、本実施形態においては、ターゲット機器200を三次元空間で動作させる際に、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定するための高さ設定情報を、予めプログラミングブロック140に記憶しておき、仮想経路となる領域102上に1又は複数のプログラミングブロック140を載置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばプログラミングブロック140にターゲット機器200により特定の機能動作を実行させるための機能情報を設定しておき、当該プログラミングブロック140が載置された位置で、設定された機能動作をターゲット機器200に実行させるものであってもよい。すなわち、プログラミングブロック140に設定された機能情報は、上述したターゲット機器200の高さ方向の位置を設定するための高さ設定情報と同様に、プログラミングブロック140を載置することにより入力操作情報の一つとしてプログラミングボード120に取得され、コアユニット160においてターゲット機器200に当該機能情報に基づく機能動作を実行させるための命令を有するプログラムが生成される。
ここで、ターゲット機器200に実行させる機能動作としては、仮想経路となる領域102間の移動を伴わない特定の動作、いわゆる、アクションが実行される。具体的には、機能動作として、例えば発光部を所定の発光状態で発光させる動作や、表示部に表示される画像を変化させる動作、音響部により所定の音や楽音を発生する動作、振動部によりターゲット機器200の筐体を所定のパターンで振動させる動作、ターゲット機器200を現在位置で回転(旋回)させたりジャンプさせたりする動作、撮像部によりターゲット機器200の外部の画像を撮影する動作、及び、音声センサや照度センサ等の各種のセンサによりターゲット機器200の周囲の状況をセンシングする動作等を有する。そのため、ターゲット機器200は、これらの機能動作を実現するために、発光部や音響部、振動部、撮像部、各種センサ等を機能部として予め備えている。ターゲット機器200の制御部は、記憶部に記憶されたプログラムに従って、特定の機能動作が設定されたプログラミングブロック140が載置された領域102に対応する位置及び高さまでターゲット機器200を移動させてから、上述の機能部のいずれかを制御することにより、そのプログラミングブロック140に設定された機能動作を、当該位置でターゲット機器200に実行させる。
また、ターゲット機器200に実行させる機能動作としては、上記のアクションに相当する機能動作の他、予め設定された条件に応じてターゲット機器200の動作状態が変化する「条件分岐」や、予め設定した領域102間をターゲット機器200が繰り返し移動する「繰り返し」、複数の機能動作の集まりである「関数」、ターゲット機器200の移動中に発生するイベントに対する動作を規定する「イベント処理」等を有するものであってもよい。
これらの機能動作は、プログラミングブロック140が載置された領域に対応する移動経路上の位置で、プログラミングブロック140に設定される機能情報に基づいて、単独で又は複数の機能動作を組み合わせて実行されるものであってもよいし、本実施形態に示した、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定するための高さ設定情報と機能情報とを組み合わせてプログラミングブロック140に設定し、ターゲット機器200の三次元空間での移動動作を制御しつつ、特定の機能動作を実行するものであってもよい。
なお、本実施形態においては、図1に示したように、コアユニット160としてプログラミングボード120に非接触型又は接触型のインターフェースを介して接続される専用のコントロール装置を適用した場合について説明したが、本発明はこの形態に限定されるものではなく、スマートフォンやタブレット等の汎用のモバイル端末をコアユニット160として適用するものであってもよい。すなわち、近年市販されている汎用のモバイル端末は、上述したコアユニット160が有する操作部162、外部I/F部164、記憶部166、通信I/F部168、制御部170、電源部172の各構成として機能することができる。したがって、このようなモバイル端末に、プログラミングボード120において取得された入力操作情報に基づいて、ターゲット機器200の動作状態を制御するためのプログラムを生成するための専用のアプリケーションソフトウェア(コンパイラ)をインストールすることにより、汎用のモバイル端末を上述したコアユニット160として適用することができる。ここで、コアユニット160として汎用のモバイル端末を適用する場合には、上記のコンパイラに加え、プログラミングボード120やターゲット機器200の各種のパラメータを設定するためのソフトウェアや、上記の入力操作情報を汎用言語(テキスト)にコード変換するソフトウェア等をインストールするものであってもよい。なお、プログラミングボード120やターゲット機器200の各種のパラメータとは、プログラミングボード120における指示検出部122の検出感度や識別変移部124の発光状態や表示画像、ブロックI/F部126の送受信方式等、ターゲット機器200における駆動部の移動速度や機能部の発光状態、発音状態、振動状態、通信I/F部の通信方式等の、変更が可能な設定項目である。
<変形例>
次に、上述した実施形態に係るプログラム制御装置を有するプログラミング教育装置の変形例について説明する。
図14は、本実施形態に係るプログラミング教育装置におけるプログラミング操作及びプログラム生成、実行方法の変形例(リアルタイムモード)を示すフローチャートである。図15、図16は、本変形例に適用されるプログラミング操作処理及びプログラム生成、実行処理を説明するための概略図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成及び処理方法についてはその説明を簡略化する。
上述した実施形態に係るプログラミング教育装置においては、プログラミング操作処理において、ターゲット機器200の三次元空間での全移動経路を決定した後、プログラム生成処理及びプログラム実行処理を実行するノーマルモードについて説明した。本変形例においては、上述したノーマルモードに加え、プログラミング操作処理において、一操作分の入力操作を行うたびに、当該一操作分のプログラムを生成してターゲット機器200に転送して実行するリアルタイムモードを有し、ユーザが任意のモードを選択してプログラミング学習を行う。
(プログラミング操作処理)
本変形例に係るプログラミング教育装置におけるプログラミング操作処理においては、図14のフローチャートに示すように、まず、ユーザは、プログラミングボード120とコアユニット160とを接続してプログラム制御装置100を起動するとともに、ターゲット機器200を起動する(ステップS202)。また、プログラミングボード120のプログラミングエリア104上にガイドシート180を装着する。
次いで、コアユニット160の制御部170は、ユーザによりモード切換スイッチ119が操作されて、ノーマルモードに設定されたか、リアルタイムモードに設定されたかを判定する(ステップS204)。ここで、モード切換スイッチ119は、例えば図15(a)に示すように、コアユニット160の操作部162に設けられ、上述した実施形態に示したノーマルモードでの処理動作、又は、後述するリアルタイムモードでの処理動作のいずれを実行するかを選択するスイッチであって、例えばプッシュスイッチやスライドスイッチが適用される。ここで、モード切換スイッチ119としてプッシュスイッチを適用した場合には、ユーザがモード切換スイッチ119を押下操作しない場合(ステップS204のNo)には、初期設定(デフォルト)であるノーマルモードが保持され、押下操作した場合(ステップS204のYes)には、ノーマルモードからリアルタイムモードに切り替え設定される。また、モード切換スイッチ119は、リアルタイムモードに切り替え設定された状態で、ユーザが押下操作した場合には、リアルタイムモードから再度ノーマルモードに切り替え設定される。すなわち、モード切換スイッチ119は、押下操作のたびにノーマルモードとリアルタイムモードとが交互に切り替え設定される。
制御部170は、モード切換スイッチ119によりノーマルモードが設定されたと判定した場合には、上述した実施形態において図4に示したフローチャートのステップS106以降の処理動作を実行する。一方、制御部170は、モード切換スイッチ119によりリアルタイムモードが設定されたと判定した場合には、ステップS206以降の処理動作を実行する。
なお、このステップS204におけるモードの切り換え設定に係る処理動作は、上述した実施形態に示した図4のフローチャートにおいても同様に実行され、ステップS104においてユーザがモード切換スイッチ119を押下操作しない場合には、初期設定であるノーマルモードが保持されてステップS106以降の処理動作が実行され、ユーザがモード切換スイッチ119を押下操作して、ノーマルモードからリアルタイムモードに切り換え設定された場合には、以下のステップS206以降の処理動作が実行される。
リアルタイムモードが設定された場合には、ユーザは、ガイドシート180が装着されたプログラミングボード120及びプログラミングブロック140を用いて、ターゲット機器200の三次元空間での移動経路を決定するプログラミング操作処理を実行する(ステップS206)。
具体的には、ターゲット機器200の移動経路を決定するプログラミング操作処理においては、図15(a)に示すように、ユーザが、プログラミングボード120に装着されたガイドシート180に表記された画像を参照しつつ、ターゲット機器200を一操作分だけ動作させるための移動経路に対応する一の区画106(すなわち、仮想経路となる一の領域102)に接触して、又は、当該区画106を押下して指示する。また、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する場合には、図15(b)に示すように、高さ設定情報が設定された1又は複数のプログラミングブロック140を移動経路に対応する一の区画106に載置する。
ユーザが、上記のようなプログラミング操作を行うと、ガイドシート180を介して上記の区画106に対応するプログラミングエリア104の一の領域102が指示されて、図15(a)に示すように、ターゲット機器200の移動経路の一操作分に対応する仮想経路が決定される。また、図15(b)に示すように、プログラミングブロック140が載置された一の領域102が指示されるとともに、上記仮想経路に高さ成分が付加される。このとき、プログラミングボード120の制御部132は、指示検出部122により検出された一の指示領域102の指示位置情報とその順序情報、又は、載置されたプログラミングブロック140のブロック位置情報と高さ設定情報、積み重ね特定情報を取得して記憶部128の記憶領域に記憶させる。また、制御部132は、当該指示領域102の識別変移部124、又は、プログラミングブロック140の識別変移部144を所定の発光状態で発光させたり、表示画像を変化させたりして視覚的に識別可能な状態に変移させる(図15(a)中では便宜的に濃いハーフトーン、図15(b)中では便宜的に白色で表記)。
なお、本変形例においては、ターゲット機器200の水平方向の移動成分に対応する仮想経路を決定する操作処理(図15(a))と、当該仮想経路に高さ成分を付加する操作処理(図15(b))とを個別に行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば図16(a)、(b)に示すように、移動経路に対応する一の区画106(すなわち、仮想経路となる領域102)が指示されていない状態で、当該区画106(又は領域102)に1又は複数のプログラミングブロック140を載置することにより、当該区画106に対応する領域102を仮想経路に決定する処理と当該領域102に高さ成分を付加する処理とを一括して実行する手法を適用するものであってもよい。特に、リアルタイムモードにおいては、プログラミングボード120及びプログラミングブロック140を用いたプログラミング操作とターゲット機器200の動作状態とがリアルタイムで連動するため、上記のような一括処理の手法を適用することにより、ドローン等のターゲット機器200が想定していなかった障害物等に衝突してしまうようなエラーや事故を未然に防止することができる。なお、この手法は、上述した実施形態に示したノーマルモードにおいても良好に適用できるものである。
(プログラム生成、実行処理)
次いで、プログラミング操作処理において、一操作分の指示位置情報と順序情報、又は、ブロック位置情報と高さ設定情報、積み重ね特定情報を有する入力操作情報が取得されると、制御部132からコアユニット160の制御部170に制御信号が送信されて、プログラム生成、実行処理が実行される。具体的には、コアユニット160の制御部170が、プログラミング操作処理によりプログラミングボード120において取得した入力操作情報を、プログラミング操作の一操作(ステップ)ごとに受信する(ステップS208)。
次いで、コアユニット160の制御部170は、受信した一操作分の入力操作情報に基づいてターゲット機器200の動作状態を制御するための命令を有する一操作分のプログラムを生成する(ステップS210)。
次いで、図15(a)、(b)に示すように、制御部170が、生成された一操作分のプログラムをターゲット機器200に転送することにより(ステップS212)、ターゲット機器200において、当該一操作分のプログラムが実行されて、ターゲット機器200が実地形202での移動経路に沿って一操作分だけ水平移動、又は、昇降動作するステップ動作が行われる(ステップS214)。
このようなターゲット機器200の動作状態を制御するためのプログラミング操作処理、及び、プログラム生成、実行処理は、ターゲット機器200が実地形202での移動経路の終点位置に移動してプログラミング操作が終了するまで、図15(a)、(b)、又は、図16(a)、(b)に示すように、一操作ごとに繰り返し実行される(ステップS216)。なお、制御部170は、終点(ゴール)Rgに対応する一の区画106への指示(接触又は押下)を受け付けたことに応じて、プログラミング操作が終了したと判定する。他の例では、制御部170は、プログラミング操作中の任意のタイミングで、コアユニット160の実行停止スイッチ116の押下操作を受け付けたことに応じて、プログラミング操作が終了したと判定してもよい。
このように、本変形例によれば、ノーマルモードとリアルタイムモードとを任意に切り替えることにより、ターゲット機器200の動作状態を制御するためのプログラミング操作処理における操作内容や、プログラムの実行状態を一括して、又は、一操作ごとに視覚を通して把握することができるので、直感的かつ多面的に理解し易くなり、プログラミングの学習効果の向上を期待することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明に係るプログラミング教育装置の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
図17は、本発明に係るプログラム制御装置を適用したプログラミング教育装置の第2の実施形態を示す概略図である。ここで、上述した第1の実施形態と同等の構成についてはその説明を簡略化する。
上述した第1の実施形態に係るプログラミング教育装置においては、プログラミングボード120上に載置したプログラミングブロック140を用いてターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する場合について説明した。第2の実施形態においては、プログラミングブロックを用いることなくターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する。
まず、上述した第1の実施形態において、プログラミングブロック140を用いることなくプログラミング操作を行う場合(すなわち、プログラミングブロック140を用いたプログラミング操作を省略した場合)には、ターゲット機器200の移動経路のうちの水平方向の移動成分に対応する仮想経路のみが決定され、ターゲット機器200は水平面内(すなわち、高さ方向の位置が変化せず一定の状態)での移動動作のみが制御される。
一方、第2の実施形態においては、プログラミングボード120を用いたプログラミング操作の際に、プログラミングブロック140を用いることなく、例えばプログラミングボード120の各領域102に設けられた指示検出部122の検出機能を用いて、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する。具体的には、プログラミングエリア104の各領域102に設けられた指示検出部122はタッチセンサやプッシュスイッチにより、ユーザによる当該領域102への指示(接触又は押下)の有無、及び、当該指示の方法や状態を検出する。また、プログラミングボード120の記憶部128には、指示検出部122により検出されるユーザの指示方法や指示状態に応じて、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定するための単位変化量を有する高さ設定情報が記憶されている。
ここで、指示検出部122により検出される指示方法や指示状態は、ユーザによる領域102への接触又は押下時の回数や、継続時間、力の大きさ、入力操作やジェスチャー動作の種類等であって、プログラミングボード120の制御部132は、この検出結果(回数や継続時間等)に基づいて、高さ設定情報の単位変化量を整数倍、又は、比例数倍することにより、ターゲット機器200の高さ方向の変化量を算出する。
例えば図17(a)に示すように、ユーザが領域102の指示検出部122に設けられたタッチセンサやプッシュスイッチに接触又は押下した回数に応じて、ターゲット機器200の高さが1回ごとに10cmずつ段階的に上昇するように設定される。また、例えば図17(b)に示すように、タッチセンサやプッシュスイッチに接触又は押下した継続時間に応じて、ターゲット機器200の高さが1秒当たり10cmずつ連続的に上昇するように設定される。ここで、接触又は押下1回ごと、又は、1秒ごとの高さ方向の変化量(10cm)は、上述した第1の実施形態に示した高さ設定情報の単位変化量に対応する。また、高さ方向の変化量は、一定の数値範囲内でトグル切り替え(例えば接触又は押下した回数や継続時間に応じて、予め設定された範囲内で増加する変化をし、最大値に到達した場合には最小値に戻り、再度増加)する手法を適用することができる。
また、他の形態として、指示検出部122のタッチセンサやプッシュスイッチに接触又は押下した際の力の大きさや、ダブルクリック操作やジェスチャー動作の種類に応じて、予め設定された高さ方向の変化量(例えばダブルクリック操作の場合は10cm、ジェスチャー動作「A」の場合は30cm、ジェスチャー動作「B」の場合は50cm等)を適用する。制御部132により算出又は適用されたターゲット機器200の高さ方向の変化量は、指示された領域102の指示位置情報に関連付けて記憶部128に記憶される。
なお、一の領域102において設定された高さ方向の変化量は、時間的に連続する順序関係にある次の領域102において、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する際の初期値(初期高さ)とする手法を適用することができる。また、高さ方向の変化量(単位変化量)の大きさや変化の速さ、変化の仕方、当該変化量を規定する数値範囲等については、予め固定的に記憶されているものに限らず、例えば、プログラミングボード120に設けられた高さ変化量切替スイッチ(図示を省略)等を操作して設定を変更したり、プログラミングボード120やコアユニット160に接続されたタブレット等のモバイル端末(図示を省略)のアプリケーションソフトウェアにより設定を変更したりすることができるものであってもよい。
また、本実施形態においても、プログラミングボード120を用いたプログラミング操作において、ユーザによりプログラミングエリア104の領域102が指示されて、ターゲット機器200の移動経路のうちの水平方向の移動成分に対応する仮想経路が決定される。このとき、制御部132は、各指示領域102の識別変移部124を所定の発光状態で発光させたり、表示画像を変化させたりして視覚的に識別可能な状態に変移させる(図17(a)、(b)中では便宜的にハーフトーンで表記)。また、ユーザにより仮想経路となる複数の指示領域102のうち、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する領域102が上記の指示方法や指示状態で指示されて、仮想経路に高さ成分が付加される。このとき、制御部132は、各指示領域102の識別変移部124を、設定された高さ方向の変化量の大きさに応じて所定の発光状態で発光させたり、表示画像を変化させたりして視覚的に識別可能な状態に変移させる。
ここで、識別変移部124が単色LED等の発光部を有する場合には、制御部132は、例えば高さ方向の変化量が小さい(又は、高さ方向の絶対位置が低い)ほど、発光強度を低くし、変化量が大きい(又は、高さ方向の絶対位置が高い)ほど、発光強度を高くする。また、識別変移部124が多色LED等の発光部を有する場合には、制御部132は、例えば高さ方向の変化量が小さいほど、青色光側の波長で発光させ、変化量が大きいほど、赤色光側の波長で発光させる(図17(a)、(b)中では便宜的に高さ方向の変化量が大きい領域102ほど濃いハーフトーンで表記)。
このように、本実施形態によれば、プログラミングブロックを用いることなく、プログラミングボード120上の任意の領域102に接触又は押下する際の指示方法や指示状態により、ターゲット機器200の移動経路の垂直方向の高さ成分を規定して、絶対座標系での三次元の移動経路を決定することができる。また、プログラミング操作時に決定されたターゲット機器200の移動経路に対応するプログラミングボード120上の領域102や、高さ成分が付加された領域102を、視覚を通して直感的に把握し易くすることができ、ターゲット機器200の三次元空間での移動経路を決定するプログラミングを容易に行うことができるとともに、プログラミングの学習効果の向上を期待することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明に係るプログラミング教育装置の第3の実施形態について図面を参照して説明する。
図18は、本発明に係るプログラム制御装置を適用したプログラミング教育装置の第3の実施形態を示す概略図である。ここで、上述した第1又は第2の実施形態と同等の構成についてはその説明を簡略化する。
上述した第1の実施形態に係るプログラミング教育装置においては、プログラミングボード120上に載置したプログラミングブロック140を用いてターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する場合について説明した。第3の実施形態においては、上述した第2の実施形態と同様に、プログラミングブロックを用いることなくターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する。
第3の実施形態においては、プログラミングボード120の各領域102の指示検出部122がプッシュスイッチを有し、プログラミング操作の際に、例えば図18(a)に示すように、プログラミングボード120の各領域102に設けられたパネル部材108の突出量を任意設定することにより、当該突出量に基づいてターゲット機器200の高さ方向の位置が設定される。
ここで、パネル部材108は、プログラミングエリア104の各領域102を形成する上面パネルであるとともに、指示検出部122のプッシュスイッチのオン、オフボタンを兼ねている。また、指示検出部122に適用されるプッシュスイッチは、例えば図18(b)に示すように、ユーザによる指示検出部122への指示がなく、パネル部材108が押下されていない状態では、各領域102のパネル部材108の上面は、基準高さであるプログラミングエリア104の上面高さに一致するように設定されている(図18(b)左図)。
ユーザにより各領域102が指示されると、当該領域102のプッシュスイッチのパネル部材108が押下されて一旦沈み込んだ後、ユーザによる押下操作が解除されると、パネル部材108は基準高さよりも突出した状態に変移する(図18(b)中央図)。このとき、指示検出部122が当該領域102へのユーザの指示を検出することにより指示位置情報及び順序情報が取得される。また、本実施形態においても、仮想経路となる各指示領域102の識別変移部124を所定の発光状態で発光させたり、表示画像を変化させたりする。
そして、指示領域102のプッシュスイッチについて、ユーザが基準高さよりも突出したパネル部材108を任意の高さまで引き上げることにより、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定する(図18(b)右図)。ここで、指示検出部122は、プッシュスイッチのパネル部材108が引き上げられたときの、パネル部材108の突出量を連続的又は段階的に検出する。この突出量は、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定するための高さ設定情報として取得される。また、コアユニット160には、高さ設定情報として取得されたパネル部材108の突出量と、ターゲット機器200の高さ方向の位置を設定するための単位変化量や絶対位置を示す数値とが対応付けられて記憶されている。
このように、本実施形態においては、ユーザがプログラミングエリア104の任意の領域102のプッシュスイッチを押下して、基準高さよりも突出したパネル部材108を任意の高さまで引き上げるプログラミング操作により、ユーザにより指示された領域102が視覚的に識別可能な状態になるとともに、当該領域102に対応する位置におけるターゲット機器200の高さ方向の位置が設定される。
したがって、本実施形態によれば、ターゲット機器200の三次元空間での移動経路を決定するプログラミングを容易に行うことができるとともに、その操作内容やターゲット機器200の動作状態を視覚を通して直感的に把握し易くすることができ、プログラミングの学習効果の向上を期待することができる。
なお、上述した各実施形態においては、ターゲット機器200として、ドローン等の三次元空間を移動する物体を示して説明したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。すなわち、本発明は、三次元空間での移動のみならず、二次元空間での移動に加えて別の次元のパラメータの連続的又は段階的な変化を三次元目とする、三次元的な物体の動きの制御を対象するプログラミング学習にも適用が可能である。
具体的には、次のような制御を対象として適用することができる。
風船等の連続的に形状が変化する可変体を備えた移動ロボットにおいて、二次元空間での当該移動ロボットの移動制御と、風船等の大きさ(膨張の程度)の制御。
発光部を備えた移動ロボットにおいて、二次元空間での移動制御と、発光部の発光色(色相)や発光強度の変化の制御。
音響部を備えた移動ロボットにおいて、二次元空間での移動制御と、発光部の音量や音色(周波数)の制御。例えば、スピーカから音楽を流しながら移動している場合の音量の制御や、領域を移動するたびに一つ音を発する場合の音の周波数の制御。
二次元空間での移動制御と、移動速度の制御。例えば、現在時点の領域内での移動速度の制御であって、遅い速度に設定することにより、当該領域を通過する時間が長くなるように制御。
ジャンプ機構を備えた移動ロボットにおいて、二次元空間での移動制御と、ジャンプの高さの制御。
物体の発射機構を備えた移動ロボットにおいて、二次元空間での移動制御と、発射される物体の到達高さや距離の制御。
また、上述した各実施形態においては、幼児等の低年齢者を対象とするプログラミング教育装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、タンジブルな入力操作、及び、視覚を通して操作内容やターゲット機器の動作状態を把握、理解できる特徴を有していることから、例えばプログラミングの初心者を対象とするものであってもよいし、身体の機能回復のためのリハビリテーションを必要とする人を対象とするものであってもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とを含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
[1]
平面方向に配置された複数の部分のうちの2以上の部分がユーザ操作によって指示されたことに応じて前記平面内の第1形状を指示する第1形状指示部と、
ユーザ操作に応じて、前記第1形状が存する前記平面に対する交差方向の位置である高さを、前記2以上の部分のうちのいずれかの部分に対応付けて指示する高さ指示部と、
前記第1形状指示部および前記高さ指示部により指示された立体的な第2形状に対応させて被制御部を移動させる命令を生成する命令生成部と、
を備えることを特徴とするプログラミング装置。
[2]
前記命令生成部は、
前記高さ指示部により前記いずれかの部分に対応付けて指示された前記ある方向の位置へ、前記命令に応じて前記被制御部が移動するように、前記被制御部に実行させる命令を生成することを特徴とする[1]に記載のプログラミング装置。
[3]
前記いずれかの部分は、前記ある方向の位置の指示を受け付ける高さ受付部をさらに備え、
前記命令生成部は、
前記高さ受付部により前記いずれかの部分に対応付けて指示された前記ある方向の位置へ、前記命令に応じて前記被制御部が移動するように、前記被制御部に実行させる命令を生成することを特徴とする[2]に記載のプログラミング装置。
[4]
前記いずれかの部分に対応付けて前記被制御部における機能を設定する機能設定部をさらに備え、
前記命令生成部は、
前記命令に応じて前記被制御部が前記いずれかの部分に対応する位置または前記いずれかの部分に対応付けて指示された前記ある方向の位置へ移動したときに、前記機能設定部により設定された前記機能を前記被制御部に実行させる命令を生成することを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載のプログラミング装置。
[5]
前記いずれかの部分は、前記機能の設定を受け付ける機能受付部をさらに備え、
前記命令生成部は、
前記命令に応じて前記被制御部が前記いずれかの部分に対応する位置または前記いずれかの部分に対応付けて指示された前記ある方向の位置へ移動したときに、前記機能受付部が受け付けた前記機能を該被制御部に実行させる命令を生成することを特徴とする[4]に記載のプログラミング装置。
[6]
平面方向に配置された複数の部分のうちの2以上の部分がユーザ操作によって指示されたことに応じて前記平面内の第1形状を指示する第1形状指示部と、
ユーザ操作に応じて、被制御部の状態を規定するパラメータの値を、前記2以上の部分のうちのいずれかの部分に対応付けて指示するパラメータ値指示部と、
前記被制御部を、前記第1形状指示部により指示された前記第1形状に対応する経路に沿って、または、前記第1形状が存する前記平面へ投影した形状が前記第1形状に等しい立体的な第2形状に対応する経路に沿って、移動させるとともに、前記被制御部が前記経路上の前記いずれかの部分に対応する位置へ移動したときに、前記パラメータ値指示部により指示された前記パラメータ値に基づいて、前記被制御部の状態を変化させる命令を生成する命令生成部と、
を備えることを特徴とするプログラミング装置。
[7]
前記第1形状に対応して移動する前記被制御部を、さらに備えることを特徴とする[1]乃至[6]に記載のプログラミング装置。
[8]
平面方向に配置された複数の部分のうちの2以上の部分がユーザ操作によって指示されたことに応じて前記平面内の第1形状を指示し、
ユーザ操作に応じて、前記第1形状が存する前記平面に対する交差方向の位置である高さを、前記2以上の部分のうちのいずれかの部分に対応付けて指示し、
前記指示された立体的な第2形状に対応させて被制御部を移動させる命令を生成する、
ことを特徴とするプログラミング方法。
[9]
平面方向に配置された複数の部分のうちの2以上の部分がユーザ操作によって指示されたことに応じて前記平面内の第1形状を指示し、
ユーザ操作に応じて、被制御部の状態を規定するパラメータの値を、前記2以上の部分のうちのいずれかの部分に対応付けて指示し、
前記被制御部を、前記指示された前記第1形状に対応する経路に沿って、または、前記第1形状が存する前記平面へ投影した形状が前記第1形状に等しい立体的な第2形状に対応する経路に沿って、移動させるとともに、前記被制御部が前記経路上の前記いずれかの部分に対応する位置へ移動したときに、前記指示された前記パラメータ値に基づいて、前記被制御部の状態を変化させる命令を生成する、
ことを特徴とするプログラミング方法。
[10]
プログラミング装置を制御するための制御プログラムであって、
前記プログラミング装置は、第1形状指示部と高さ指示部と命令生成部とを備え、
前記プログラミング装置を制御するコンピュータに、
平面方向に配置された複数の部分を備える前記第1形状指示部の、前記複数の部分のうちの2以上の部分がユーザ操作によって指示されたことに応じて、前記平面内の第1形状を前記第1形状指示部によって指示させ、
ユーザ操作に応じて、前記高さ指示部によって、前記第1形状が存する前記平面に対する交差方向の位置である高さを、前記2以上の部分のうちのいずれかの部分に対応付けて指示させ、
前記第1形状指示部および前記高さ指示部により指示された立体的な第2形状に対応させて被制御部を移動させる命令を、前記命令生成部によって生成させる、
ことを特徴とする制御プログラム。
[11]
プログラミング装置を制御するための制御プログラムであって、
前記プログラミング装置は、第1形状指示部とパラメータ値指示部と命令生成部とを備え、
前記プログラミング装置を制御するコンピュータに、
平面方向に配置された複数の部分を備える前記第1形状指示部の、前記複数の部分のうちの2以上の部分がユーザ操作によって指示されたことに応じて、前記平面内の第1形状を前記第1形状指示部によって指示させ、
ユーザ操作に応じて、前記パラメータ値指示部によって、被制御部の状態を規定するパラメータの値を、前記2以上の部分のうちのいずれかの部分に対応付けて指示させ、
前記命令生成部によって命令を生成させる処理であって、
前記被制御部を、前記第1形状指示部により指示された前記第1形状に対応する経路に沿って、または、前記第1形状が存する前記平面へ投影した形状が前記第1形状に等しい立体的な第2形状に対応する経路に沿って、移動させるとともに、前記被制御部が前記経路上の前記いずれかの部分に対応する位置へ移動したときに、前記パラメータ値指示部により指示された前記パラメータ値に基づいて、前記被制御部の状態を変化させる命令を、前記命令として生成させる処理を実行させる、
ことを特徴とする制御プログラム。