以下、本発明の実施形態1にかかる画像処理システムについて図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態1にかかる画像処理システムの構成を示すブロック図である。本実施形態の画像処理システム300は、情報処理装置の一例であるコンピューター200と、画像形成装置1とを備える。コンピューター200と画像形成装置1とは、LAN又はインターネットなどのネットワークを介して通信可能に接続されている。
コンピューター200は、例えばタブレット型コンピューターであり、表示部222と、タッチパネル223と、通信部224と、記憶部225と、無線通信部226と、制御ユニット210とを備える。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。なお、コンピューター200は、スマートフォンなどの携帯端末装置、デスクトップ型のパーソナル・コンピューターなどであってもよい。
更に、コンピューター200は、表示部222の表示画面に対して入力操作を行うためのペン型の入力装置である電子ペン800を備える。更に、電子ペン800は、任意の対象物の色を検出し、その色の色情報を取得する機能を有する。すなわち、電子ペン800は、筆記色の選択操作と、表示部222の表示画面に沿って移動される筆記操作とが、ユーザーによって行われるものである。
具体的には、電子ペン800は、表示部222の表示画面に対して入力操作を行うためのペン先部801と、対象物の色を検出するRGBカラーセンサー802と、予め定められた色数(例えば、1670万色)の色データを記憶する色データ記憶部803と、RGBカラーセンサー802で検出した対象物の色を、色データ記憶部803を用いて判定する色判定部804と、色判定部804で判定した色を表示する表示部805と、表示部805に表示された色を筆記色に決定するとの決定指示がユーザーによりなされると当該筆記色を示す色情報を無線通信部226に送信する通信部806とを備える。通信部806は、近距離無線通信チップなどの通信モジュールを備える通信インターフェイスである。なお、電子ペン800は、特許請求の範囲における指示体の一例となる。
表示部222は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)などから構成される。
タッチパネル223は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式等のタッチパネルである。タッチパネル223は、表示部222の画面に配置され、表示部222の画面に対する電子ペン800又は指などの接触をその接触位置と共に検知する。例えば、タッチパネル223は、表示部222の表示画面に沿って移動する電子ペン800の当該表示画面の画像上の位置を示す各筆記座標を検知する。タッチパネル223は、電子ペン800又は指などの接触を検知すると、その接触位置の座標を示す検知信号を制御ユニット210の制御部211などに出力する。従って、タッチパネル223は、表示部222の画面に対するユーザー操作が入力される操作部としての役割を果たす。なお、タッチパネル223は、特許請求の範囲における座標検知部の一例となる。
また、コンピューター200は、ユーザー操作が入力される操作部として、上記のタッチパネル223に加えてハードキーを備えてもよい。
通信部224は、例えば、無線LANチップなどの通信モジュールを備える通信インターフェイスである。通信部224は、画像形成装置1との通信機能を有する。
記憶部225は、大容量のSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などからなり、各種のデータやプログラムを記憶している。また、記憶部225は、例えば、画像形成装置1にて記録紙に画像が形成(印刷)される原稿画像の画像データが予め記憶されている。原稿画像としては、例えば、輪郭が閉じた図形Z1を含む画像G1(図6参照)、輪郭が閉じた図形Z3、Z4が2つ以上連結された連結図形RZを含む画像G3(図12参照)、背景BZを含む画像G4(図17参照)などがある。
無線通信部226は、例えば、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fiの規格の近距離無線通信チップなどの通信モジュールを備える通信インターフェイスである。無線通信部226は、電子ペン800との通信機能を有する。無線通信部226は、電子ペン800の筆記色を示す色情報を、当該電子ペン800の通信部806から受信可能となっている。
制御ユニット210は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、MPU、又はASIC等である。この制御ユニット210は、上記のROM又は記憶部225に記憶された制御プログラムが上記プロセッサーで実行されることにより、制御部211、通信制御部212、画像取得部213、色情報取得部214、筆記画像描画部215及び筆記情報生成部216として機能する。なお、制御ユニット210の上記の各構成要素は、前述の制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
制御部211は、コンピューター200の全体的な動作制御を司る。また、制御部211は、表示部222、タッチパネル223、通信部224、および記憶部225と接続されており、上記各構成要素の動作制御や、各構成要素との間の信号またはデータの送受信を行う。制御部211は、特に、表示部222の表示動作を制御する。通信制御部212は、通信部224の通信動作と無線通信部226の通信動作とを制御する機能を有する。また、制御部211は、タッチパネル223から出力される検知信号に基づき、ユーザーにより入力されたユーザー操作を特定する。そして、制御部211は、特定したユーザー操作に応じた制御を行う。
画像取得部213は、ユーザーによる操作に従って、画像形成装置1にて記録紙に画像形成される画像データを、記憶部225から読み出す(取得する)。例えば、輪郭が閉じた図形Z1を含む画像G1(図6参照)の画像データを取得する。
表示部222は、画像取得部213が取得した画像(例えば図6の左上に示すように、輪郭が閉じた三角形の図形Z1を含む画像G1)を表示画面に表示する。電子ペン800は、例えばRGBカラーセンサー802により対象物の色(例えば赤色)を検出し、筆記色が赤色に決定されるといった筆記色の選択操作と、表示部222の表示画面に沿って移動される筆記操作とが、ユーザーによって行われる。
色情報取得部214は、無線通信部226が受信した、電子ペン800の筆記色(図6では赤色が選択されている)を示す色情報を、無線通信部226から取得する。
筆記画像描画部215は、色情報取得部214が取得した色情報が示す筆記色で、かつ、タッチパネル223が検知した各筆記座標を結ぶ軌跡で、筆記画像を表示部222の表示画面の画像上に描画する。例えば図6の右上に示すように、画像G1上に赤色の筆記画像W1が描画される。
筆記情報生成部216は、筆記画像描画部215が描画した筆記画像の各筆記座標を示す座標情報と色情報とを含む筆記情報を生成する。
通信部224は、筆記画像描画部215により筆記画像が描画された画像データと、筆記情報とを画像形成装置1に送信する。なお、通信部224は、特許請求の範囲における送信部の一例となる。
次に、画像形成装置1について図面を参照して説明する。図2は、画像形成装置1の外観を示す斜視図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。
図2に示すように、画像形成装置1は、装置本体2と、装置本体2の上方に配置された画像読取部5と、画像読取部5と装置本体2との間に設けられた連結部3とから構成される。
画像形成装置1の外郭を構成する筐体7には、画像形成装置1の様々な機能を実現するための複数の構成機器が収容されている。例えば、筐体7には、画像読取部5、画像形成部12(図3)、定着部13(図3)、給紙部30等が収容されている。
画像読取部5は、原稿搬送部6と、原稿搬送部6により搬送されてくる原稿又は不図示のコンタクトガラスに載置された原稿を光学的に読み取るスキャナーとを有するADF(Auto Document Feeder)である。画像形成装置1が画像読取動作を行う場合、画像読取部5は、原稿搬送部6により搬送されてくる原稿又は不図示のコンタクトガラスに載置された原稿を1枚ずつ読み取ることで、原稿の画像を取得する。なお、画像読取部5は、特許請求の範囲における原稿読取部の一例となる。
画像形成部12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及び転写装置を備え、画像読取部5によって読み取られた画像や、ネットワーク接続されたコンピューター200や他のファクシミリ装置から送られてくる印刷データを用いて、給紙部30から供給される記録紙に画像を形成(印刷)する。画像形成済みの記録紙は定着部13による定着処理を受けた後、排出トレイ4に排出される。
操作部47は、例えば、当該画像形成装置1により可能な機能の実行を指示するためのスタートキーやユーザー(操作者)の操作を確定させる決定キー(エンターキー)、更に、数値入力を行うための数値入力キー等を備える。
また、操作部47は、ユーザーへの操作案内等を表示する表示部473を備えている。表示部473はタッチパネルになっており、ユーザーは表示部473に表示される画像やアイコンに触れることで画像形成装置1を操作することができる。
次に、画像形成装置1の構成を説明する。図3は画像形成装置1の主要内部構成例を示す機能ブロック図である。
画像形成装置1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。
画像読取部5は、制御ユニット10による制御の下、光照射部及びCCDセンサー等を有する読取機構を備える。画像読取部5は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサーで受光することにより、原稿から画像を読み取る。
画像処理部31は、画像読取部5で読み取られた原稿画像を、必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、画像読取部5により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の予め定められた画像処理を行う。
画像メモリー32は、画像読取部5による読取で得られた原稿画像を一時的に記憶したり、画像形成部12による画像形成の対象となる画像を一時的に保存したりする領域である。
画像形成部12は、画像読取部5で読み取られた原稿画像、ネットワーク接続されたコンピューター200から受信した印刷データ等の画像形成を行う。この印刷データとしては、例えば図6の右上に示すように、筆記画像W1が描画された画像G1の画像データが含まれる。
定着部13は、画像形成部12の画像形成処理により表面に画像(トナー像)が形成された記録紙を加熱し、熱圧着により当該画像を記録しに定着させる定着処理を行う。
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付ける。操作部47は、ユーザーへの操作案内等を表示する表示部473を備えている。
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送受信を行うものである。
ネットワークインターフェイス部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェイス部91に接続されたLAN等を介して、コンピューター200と種々のデータの送受信を行う。特に、ネットワークインターフェイス部91は、コンピューター200からの印刷データ、例えば筆記画像が描画された画像データと、筆記情報とを受信する。なお、ネットワークインターフェイス部91は、特許請求の範囲における受信部の一例となる。
HDD(Hard Disk Drive)92は、各種のデータやプログラム、画像読取部5によって読み取られた原稿画像等を記憶する大容量の記憶装置である。また、HDD92は、筆記画像のパターンを特定するための予め定められた複数種類の筆記パターンを記憶する筆記パターン記憶部921を備えている。筆記パターン記憶部921は、第1〜第8筆記パターンと、第1〜第8種筆記パターンと、第1〜第3背景筆記パターンとを記憶している。なお、HDD92は、特許請求の範囲における記憶部の一例となる。
第1筆記パターンは、図6の右上に示す筆記画像W1のように、輪郭内が白色である図形Z1に対して、輪郭内に位置しかつ当該輪郭に沿う態様の筆記パターンである。第2筆記パターンは、図7の右上に示す筆記画像W2のように、図形Z1の輪郭外に位置しかつ当該輪郭に沿う態様の筆記パターンである。第3筆記パターンは、図9(A)の左端に示す筆記画像W3のように、輪郭内が有色(白色以外の色)である図形Z2に対して、輪郭外に位置しかつ当該輪郭に沿う態様の筆記パターンである。第4筆記パターンは、図9(B)の左端に示す筆記画像W4のように、第3筆記パターンの筆記画像W3の外側に位置しかつ当該輪郭に沿う態様の筆記パターンである。第5筆記パターンは、図10(A)の左端に示す筆記画像W5のように、輪郭外に位置しかつ当該輪郭に沿う態様と当該輪郭内にドットが記された態様とからなる筆記パターンである。第6筆記パターンは、図10(B)の左端に示す筆記画像W6のように、輪郭外に位置しかつ当該輪郭に沿う態様と当該輪郭内に十字が記された態様とからなる筆記パターンである。第7筆記パターンは、図11(A)の左端に示す筆記画像W7のように、輪郭外に位置しかつ当該輪郭に沿う態様と当該輪郭内にドット及び十字以外の模様が記された態様とからなる筆記パターンである。第8筆記パターンは、図11(B)の左端に示す筆記画像W8のように、図形Z1の輪郭の一部範囲が第1筆記色でなぞられ、かつ、図形Z1の輪郭のうち前記一部範囲以外の残り範囲を第2筆記色でなぞられた態様の筆記パターンである。
第1種筆記パターンは、図12の右上に示す筆記画像W11のように、輪郭内が白色である連結図形RZに対して、連結図形RZの一部の図形Z3の輪郭内に位置しかつ当該輪郭に沿う態様の筆記パターンである。第2種筆記パターンは、図13(A)の左端に示す筆記画像W12のように、連結図形RZの輪郭外に位置しかつ連結図形RZの一部の図形Z3に沿う態様の筆記パターンである。第3種筆記パターンは、図13(B)の左端に示す筆記画像W13のように、連結図形RZの輪郭外に位置しかつ連結図形RZの外周のうち予め定められた閾値範囲以上(例えば外周長さの1/2又は2/3以上など)にわたって連結図形RZに沿う態様の筆記パターンである。第4種筆記パターンは、図14(A)の左端に示す筆記画像W14のように、輪郭内が有色である連結図形RZに対して、連結図形RZの輪郭外に位置しかつ連結図形RZの一部の図形Z5に沿う態様の筆記パターンである。第5種筆記パターンは、図14(B)の左端に示す筆記画像W15のように、連結図形RZの輪郭外に位置しかつ連結図形RZの外周のうち予め定められた閾値範囲以上(例えば外周長さの1/2又は2/3以上など)にわたって連結図形RZに沿う第1筆記色による態様と、連結図形RZの少なくとも一部の図形Z5、Z6の輪郭内に位置しかつ当該輪郭に沿う第2筆記色による態様とからなる筆記パターンである。第6種筆記パターンは、図15(A)の左端に示す筆記画像W16又は図16の左端に示す筆記画像W18のように、連結図形RZの輪郭外に位置しかつ連結図形RZの一部の図形Z3に沿う態様と当該一部の図形Z3の輪郭内又は輪郭外にドットが記された態様とからなる筆記パターンである。第7種筆記パターンは、図15(B)の左端に示す筆記画像W17のように、連結図形RZの輪郭外に位置しかつ連結図形RZの一部の図形Z3に沿う態様と当該一部の図形Z3の輪郭内又は輪郭外に十字が記された態様とからなる筆記パターンである。第8種筆記パターンは、連結図形の輪郭外に位置しかつ当該連結図形の一部の図形に沿う態様と当該一部の図形の輪郭内又は輪郭外にドット及び十字以外の模様が記された態様とからなる筆記パターンである。
第1背景筆記パターンは、図17の右上に示す筆記画像W21のように、背景BZの全体の色変更を示す態様の背景筆記パターンである。第2背景筆記パターンは、図18の右上に示す筆記画像W22のように背景BZの一部の閉領域を指定する態様と、筆記画像W21のように閉領域の色変更を示す態様とからなる背景筆記パターンである。第3背景筆記パターンは、図19(A)又は図19(B)の左端に示す筆記画像W23、W24のように、閉領域の階調を示す態様の背景筆記パターンである。
駆動モーター70は、画像形成部12や定着部13等における各回転部材及び搬送ローラー対等に回転駆動力を付与する駆動源である。
制御ユニット10は、制御部100と、筆記画像特定部101と、判定部105と、処理特定部106と、色変更部107と、図形輪郭抽出部102と、連結図形輪郭抽出部103と、背景特定部104とを備える。
制御ユニット10は、HDD92に記憶された制御プログラムが上記プロセッサーで実行されることにより、制御部100と、筆記画像特定部101と、図形輪郭抽出部102と、連結図形輪郭抽出部103と、背景特定部104と、判定部105と、処理特定部106と、色変更部107として機能する。なお、制御ユニット10の上記の各構成要素は、前述の制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。また、制御部100は、画像読取部5、原稿搬送部6、画像処理部31、画像メモリー32、画像形成部12、定着部13、操作部47、表示部473、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、及びHDD(ハードディスクドライブ)92等と接続され、これら各部の駆動制御を行う。
筆記画像特定部101は、ネットワークインターフェイス部91にて受信した画像データによる画像中の筆記画像を、筆記情報に含まれる座標情報と色情報とを用いて特定する。例えば図6の左下に示す場合には、筆記画像特定部101は、筆記画像W1の画像G1上の位置を示す座標情報により、画像G1における筆記画像W1を特定する。
図形輪郭抽出部102は、既知のエッジ検出処理により、ネットワークインターフェイス部91にて受信した画像データによる画像中の図形のうち、筆記画像を含む図形又は筆記画像が外周に位置する図形の輪郭を抽出する。例えば図6の左下に示す場合には、図形輪郭抽出部102は、筆記画像W1を含む図形Z1の輪郭を抽出する。また、図7の左下に示す場合には、図形輪郭抽出部102は、筆記画像W1が外周に位置する図形Z1の輪郭を抽出する。
連結図形輪郭抽出部103は、既知のエッジ検出処理により、ネットワークインターフェイス部91にて受信した画像データによる画像中の連結図形のうち、筆記画像を含む連結図形又は筆記画像が外周に位置する連結図形の輪郭を抽出する。例えば図12の左下に示す場合には、連結図形輪郭抽出部103は、筆記画像W11を含む連結図形RZの輪郭を抽出し、連結図形RZが図形Z3と図形Z4とが連結されて構成されていることから、連結図形RZであると特定する。また、図13(A)の左端に示す場合には、連結図形輪郭抽出部103は、筆記画像W12が外周に位置する連結図形RZの輪郭を抽出する。なお、連結図形輪郭抽出部103は、連結図形RZの輪郭を抽出した場合に、連結図形であることを示す連結図形フラグを「1」として例えばHDD92に記憶させる。
背景特定部104は、既知のエッジ検出処理により、ネットワークインターフェイス部91にて受信した画像データによる画像中において輪郭が閉じていない領域を背景として特定する。例えば図17の左下に示す場合には、背景特定部104は、筆記画像W21を含む領域の輪郭が閉じていない場合には、当該領域を背景BZとして特定する。すなわち、画像G4のうち筆記画像W21を含む領域については、下部側に山状の輪郭が抽出されるのみで、当該画像G4のうち左辺、上辺及び右辺には輪郭が検出されないことから、画像G4のうち筆記画像W21を含む領域は背景BZとして特定される。背景特定部104は、背景BZと特定した場合に、背景であることを示す背景フラグを「1」として例えばHDD92に記憶させる。
判定部105は、筆記画像特定部101が特定した筆記画像が、画像中の図形輪郭抽出部102が輪郭を抽出した図形に対する予め定められた筆記パターンとして、例えば第1〜第8筆記パターンの何れの筆記パターンに合致するか否かを判定する。例えば図6の左下に示す筆記画像W1の場合には、判定部105は、画像データの図形Z1の輪郭内の画素が白色であることから、図形Z1の輪郭内が白色であると判定し、筆記画像W1が図形Z1の輪郭内に位置しかつ当該輪郭に沿う態様であることから、筆記画像W1が、輪郭内が白色である図形Z1に対して、輪郭内に位置しかつ当該輪郭に沿う態様の第1筆記パターンに合致すると判定する。
判定部105は、筆記画像特定部101が特定した筆記画像が、画像中の連結図形輪郭抽出部103が輪郭を抽出した連結図形に対する予め定められた筆記パターンとして、例えば第1〜第8種筆記パターンの何れの筆記パターンに合致するか否かを判定する。
判定部105は、筆記画像特定部101が特定した筆記画像が、画像中の背景特定部104が特定した背景に対する予め定められた筆記パターンとして、例えば第1〜第3背景筆記パターンの何れの筆記パターンに合致するか否かを判定する。
処理特定部106は、判定部105にて筆記画像が筆記パターンに合致すると判定された場合に、当該筆記パターンに対応する色変更処理を特定する。例えば、処理特定部106は、例えば図6の左下に示す筆記画像W1が第1筆記パターンに合致すると判定されると、第1筆記パターンに対応する色変更処理としての第1色変更処理を特定する。この第1色変更処理は、図形の輪郭及び輪郭内を筆記色に変更する処理である。例えば図6の下中央に示すように、図形Z11の輪郭及び輪郭内を筆記色である赤色に変更する第1色変更処理が特定される。
色変更部107は、画像中から筆記画像を削除し、処理特定部106が特定した色変更処理に従って当該画像中の図形の表示態様を色情報が示す筆記色による表示態様に変更する。例えば第1色変更処理の場合には、図6の下中央に示すように、図形Z11の輪郭及び輪郭内を筆記色である赤色に変更する処理が実行される。
画像形成部12は、色変更部107が図形の表示態様を筆記色による表示態様に変更した画像を記録紙に形成する。画像形成部12は、例えば図6の右下に示すように、図形Z11の輪郭及び輪郭内を筆記色である赤色に変更した画像G11を記録紙に形成する。
次に、本実施形態の画像処理システム300のコンピューター200における画像データ送信処理を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、コンピューター200の画像取得部213は、ユーザーによる操作に従って、画像形成装置1にて画像形成される原稿として、輪郭が閉じた図形を含む画像の原稿の画像データを、記憶部225から取得する(S11)。そして、制御部211は、画像取得部213が取得した画像(例えば図6の左上に示すように、輪郭が閉じた三角形の図形Z1を含む画像G1)を、表示部222の表示画面に表示させる(S12)。
そして、制御部211は、電子ペン800による操作の有無を判定する(S13)。電子ペン800による操作、すなわち、電子ペン800に対して筆記色の選択操作がユーザーにより行われ、電子ペン800を表示部222の表示画面に沿って移動させる筆記操作がユーザーにより行われると(S13「Yes」)、色情報取得部214は、電子ペン800にて選択された筆記色を示す色情報を取得し、筆記画像描画部215は、色情報取得部214が取得した色情報が示す筆記色で、かつ、タッチパネル223が検知した各筆記座標を結ぶ軌跡で、筆記画像を表示部222の表示画面の画像上に描画する(S14)。例えば図6の右上に示すように、画像G1上に筆記画像W1が描画される。一方、電子ペン800による操作が一定期間において無かった場合(S13「No」)には、本処理を終了する。
筆記情報生成部216は、筆記画像描画部215が描画した筆記画像の各筆記座標を示す座標情報と色情報とを含む筆記情報を生成する(S15)。そして、制御部211は、ユーザーによる送信指示の有無を判定する(S16)。具体的には、制御部211は、表示部222の表示画面に表示された「送信」のボタン表示にユーザーが触れると、このユーザーによる接触操作がタッチパネル223によって検出され(S16「Yes」)、筆記画像描画部215により筆記画像が描画された画像データと、筆記情報生成部216が生成した筆記情報とを、通信部224から画像形成装置1に送信させ(S17)、本処理を終了する。一方、制御部211は、ユーザーによる送信指示が無い場合(S16「No」)には、送信指示を受けるまで待機する。
次に、本実施形態の画像処理システム300の画像形成装置1における色等変更後画像の画像形成処理を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
画像形成装置1の制御部100は、ネットワークインターフェイス部91がコンピューター200からの印刷データ、例えば筆記画像が描画された画像データと、筆記情報とを受信したか否かを判定する(S21)。
ネットワークインターフェイス部91が、筆記画像が描画された画像データと、筆記情報とを受信した場合(S21「Yes」)、筆記画像特定部101は、ネットワークインターフェイス部91にて受信した画像データによる画像中の筆記画像を、筆記情報に含まれる座標情報と色情報とを用いて特定する(S22)。例えば図6の左下に示す場合には、筆記画像W1が特定される。一方、ネットワークインターフェイス部91が、筆記画像が描画された画像データと、筆記情報とを受信しない場合(S21「No」)には、本処理を終了する。
図形輪郭抽出部102は、既知のエッジ検出処理により、ネットワークインターフェイス部91にて受信した画像データによる画像中の図形のうち、筆記画像を含む図形又は筆記画像が外周に位置する図形の輪郭を抽出する(S22A)。また、連結図形輪郭抽出部103は、既知のエッジ検出処理により、ネットワークインターフェイス部91にて受信した画像データによる画像中の連結図形のうち、筆記画像を含む連結図形又は筆記画像が外周に位置する連結図形の輪郭を抽出する(S22A)。背景特定部104は、既知のエッジ検出処理により、ネットワークインターフェイス部91にて受信した画像データによる画像中において輪郭が閉じていない領域を背景として特定する(S22A)。
判定部105は、筆記画像特定部101が特定した筆記画像が、いずれの筆記パターンに合致するか否かを判定する(S23)。具体的には、制御部100が例えば連結図形フラグが「0」であると判定すると、判定部105は、画像中の図形に対する予め定められた第1〜第8筆記パターンの何れに合致するか否かを判定し、制御部100が例えば連結図形フラグが「1」であると判定すると、判定部105は、画像中の連結図形に対する予め定められた第1〜第8種筆記パターンの何れに合致するか否かを判定し、制御部100が例えば背景フラグが「1」であると判定すると、判定部105は、第1〜第3背景筆記パターンの何れに合致するか否かを判定する(S23)。例えば図6の左下に示す筆記画像W1は、輪郭内が白色である図形Z1に対して、輪郭内に位置しかつ当該輪郭に沿う態様であるため、第1筆記パターンに合致すると判定される。
処理特定部106は、判定部105にて筆記画像が筆記パターンに合致すると判定された場合に、当該筆記パターンに対応する色変更処理(例えば図6の場合には第1色変更処理)を特定する(S24)。
色変更部107は、画像中から筆記画像を削除し、処理特定部106が特定した色変更処理に従って当該画像中の図形の表示態様を色情報が示す筆記色による表示態様に変更する(S25)。例えば図6の下中央に示すように、第1色変更処理の場合には、筆記画像W1を削除し、図形Z1の輪郭及び輪郭内を赤色に変更した図形Z11が生成される。
そして、制御部100は、ユーザーによる画像形成指示の有無を判定する(S26)。具体的には、制御部100は、表示部473の表示画面に表示された「印刷」のボタン表示にユーザーが触れると、このユーザーによる接触操作が表示部473のタッチパネル機能によって検出され(S26「Yes」)、画像形成部12は、色変更部107が図形の表示態様を筆記色による表示態様に変更した画像を記録紙に形成し(S27)、本処理を終了する。例えば図6の右下に示すように、図形Z1の輪郭及び輪郭内が赤色に変更された図形Z11を含む画像G11が記録紙に形成される。一方、制御部100は、ユーザーによる印刷指示が無い場合(S26「No」)には、印刷指示を受けるまで待機する。
上記では、図6に示すように筆記画像W1が第1筆記パターンに合致する場合に、図形Z1の輪郭及び輪郭内を筆記色(例えば赤色)に変更でき、色変更した図形Z11を含む画像G11を記録紙に形成できることについて説明したが、それ以外の筆記パターンの場合について、以下に説明する。
図7の左下に示すように、筆記画像W2が、図形Z1の輪郭外に位置しかつ当該輪郭に沿う態様の第2筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第2筆記パターンに対応する第2色変更処理を特定し、色変更部107は、第2色変更処理に従って図形Z1の輪郭の色のみを赤色に変更した図形Z12を生成し、色変更後の図形Z12を含む画像G12が記録紙に形成される。この場合には、図形Z1の輪郭を筆記色に変更でき、色変更した図形Z12を含む画像G12を記録紙に形成できる。
図8の左下に示すように、2つの筆記画像W1、W2がそれぞれ第1、第2筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第1、第2筆記パターンに対応する第1、第2色変更処理を特定し、色変更部107は、第1色変更処理に従って図形Z1の輪郭内の色を筆記画像W1の筆記色である赤色に変更し、第2色変更処理に従って図形Z1の輪郭の色のみを筆記画像W2の筆記色である青色に変更した図形Z13を生成し、色変更後の図形Z13を含む画像G13が記録紙に形成される。この場合には、図形Z1の輪郭と輪郭内とを各筆記色に変更でき、色変更した図形Z13を含む画像G13を記録紙に形成できる。
図9(A)の左端に示すように、筆記画像W3が、輪郭内が有色(例えば緑色)である図形Z2に対して、輪郭外に位置しかつ当該輪郭に沿う態様の第3筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第3筆記パターンに対応する第3色変更処理を特定し、色変更部107は、第3色変更処理に従って図形Z2の輪郭及び輪郭内の色を赤色に変更した図形Z21を生成し、色変更後の図形Z21を含む画像G21が記録紙に形成される。この場合には、有色の図形Z2の輪郭及び輪郭内を筆記色に変更でき、色変更した図形Z21を含む画像G13を記録紙に形成できる。
図9(B)の左端に示すように、2つの筆記画像W3、W4がそれぞれ第3、第4筆記パターンに合致する場合、つまり、筆記画像W3が上記の第3筆記パターンに合致し、更に、筆記画像W4が筆記画像W3(第3筆記パターン)の外側に位置しかつ輪郭内が有色(例えば緑色)である図形Z2の輪郭に沿う態様の第4筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第3、第4筆記パターンに対応する第3、第4色変更処理を特定し、色変更部107は、第3色変更処理に従って図形Z2の輪郭内の色を筆記画像W3の筆記色である赤色に変更し、第4色変更処理に従って図形Z2の輪郭の色を筆記画像W4の筆記色である青色に変更した図形Z22を生成し、色変更後の図形Z22を含む画像G22が記録紙に形成される。この場合には、有色の図形Z2の輪郭と輪郭内とを各筆記色に変更でき、色変更した図形Z22を含む画像G22を記録紙に形成できる。
図10(A)の左端に示すように、筆記画像W5が、輪郭内が白色である図形Z1に対して、輪郭外に位置しかつ当該輪郭に沿う態様と当該輪郭内にドットが記された態様とからなる第5筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第5筆記パターンに対応する第5色変更処理を特定し、色変更部107は、第5色変更処理に従って図形Z1の輪郭の色を筆記画像W5の筆記色である赤色に変更し、図形Z1の輪郭内を赤色のドット柄に変更した図形Z14を生成し、色変更後の図形Z14を含む画像G14が記録紙に形成される。この場合には、図形Z1の輪郭を筆記色に変更でき、図形Z1の輪郭内を筆記色のドット柄に変更でき、色変更した図形Z14を含む画像G14を記録紙に形成できる。
図10(B)の左端に示すように、筆記画像W6が、輪郭内が白色である図形Z1に対して、輪郭外に位置しかつ当該輪郭に沿う態様と当該輪郭内に十字が記された態様とからなる第6筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第6筆記パターンに対応する第6色変更処理を特定し、色変更部107は、第6色変更処理に従って図形Z1の輪郭の色を筆記画像W6の筆記色である赤色に変更し、図形Z1の輪郭内を赤色の格子柄に変更した図形Z15を生成し、色変更後の図形Z15を含む画像G15が記録紙に形成される。この場合には、図形Z1の輪郭を筆記色に変更でき、図形Z1の輪郭内を筆記色の格子柄に変更でき、色変更した図形Z15を含む画像G15を記録紙に形成できる。
図11(A)の左端に示すように、筆記画像W7が、輪郭内が白色である図形Z1に対して、輪郭外に位置しかつ当該輪郭に沿う態様と当該輪郭内にドット及び十字以外の模様が記された態様とからなる第7筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第7筆記パターンに対応する第7色変更処理を特定し、色変更部107は、第7色変更処理に従って図形Z1の輪郭の色を筆記画像W7の筆記色である赤色に変更し、図形Z1の輪郭内を赤色の模様柄に変更した図形Z16を生成し、色変更後の図形Z16を含む画像G16が記録紙に形成される。この場合には、図形Z1の輪郭を筆記色に変更でき、図形Z1の輪郭内を筆記色の模様柄に変更でき、色変更した図形Z16を含む画像G16を記録紙に形成できる。
図11(B)の左端に示すように、筆記画像W8が、輪郭内が白色である図形Z1の輪郭の一部範囲が第1筆記色(図形Z1の左領域部分が赤色)でなぞられ、かつ、図形Z1の輪郭のうち当該一部範囲以外の残り範囲を第2筆記色(図形Z1の右領域部分が青色)でなぞられた態様の第8筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第8筆記パターンに対応する第8色変更処理を特定し、色変更部107は、第8色変更処理に従って図形Z1の一部範囲側の輪郭及び当該輪郭内の色を第1筆記色である赤色に変更するとともに図形Z1の前記残り範囲側の輪郭及び当該輪郭内の色を第2筆記色である青色に変更した図形Z17を生成し、図形Z1を2色分けした色変更後の図形Z17を含む画像G17が記録紙に形成される。この場合には、図形Z1を2つの筆記色に変更でき、2色分けした図形Z17を含む画像G17を記録紙に形成できる。
次に、図12〜図16を用いて、連結図形RZに対する第1〜第8種筆記パターンの場合について説明する。図12の左上に示すように、輪郭が閉じた図形Z3、Z4が2つ以上連結された連結図形RZを含む画像G3が、表示部222の表示画面に表示され、図12の上中央に示すように、ユーザーによる電子ペン800の筆記操作により、表示画面の画像G3上に筆記画像W11が描画されたとする。図12の左下に示すように、筆記画像W11が、輪郭内が白色である連結図形RZに対して、連結図形RZの一部の図形Z3の輪郭内に位置しかつ当該輪郭に沿う態様の第1種筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第1種筆記パターンに対応する第1種色変更処理を特定し、色変更部107は、第1種色変更処理に従って図形Z3の輪郭及び輪郭内の色を筆記画像W11の筆記色である赤色に変更した図形Z31を生成し、色変更後の図形Z31を含む画像G31が記録紙に形成される。この場合には、連結図形RZの少なくとも一つの図形Z3の輪郭及び輪郭内を筆記色に変更でき、色変更した連結図形RZを含む画像G31を記録紙に形成できる。
図13(A)の左端に示すように、筆記画像W12が、連結図形RZの輪郭外に位置しかつ当該連結図形RZの一部の図形Z3に沿う態様の第2種筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第2種筆記パターンに対応する第2種色変更処理を特定し、色変更部107は、第2種色変更処理に従って連結図形RZの一部の図形Z3の輪郭及び輪郭内の色を筆記画像W12の筆記色である赤色に変更し、図形Z3の輪郭内を赤色に変更した図形Z31を生成し、色変更後の図形Z31を含む画像G31が記録紙に形成される。この場合には、連結図形RZの一部の図形Z3の輪郭及び輪郭内を筆記色に変更でき、色変更した連結図形RZを含む画像G31を記録紙に形成できる。
図13(B)の左端に示すように、筆記画像W13が、連結図形RZの輪郭外に位置しかつ連結図形RZの外周のうち予め定められた閾値範囲以上(ここでは外周長さの2/3以上)にわたって連結図形RZに沿う態様の第3種筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第3種筆記パターンに対応する第3種色変更処理を特定し、色変更部107は、第3種色変更処理に従って連結図形RZの輪郭及び輪郭内の色を筆記画像W13の筆記色である赤色に変更した図形Z31、Z41を生成し、色変更後の図形Z31、Z41の連結図形RZを含む画像G32が記録紙に形成される。この場合には、連結図形RZの輪郭及び輪郭内を筆記色に変更でき、色変更した連結図形RZを含む画像G32を記録紙に形成できる。
図14(A)の左端に示すように、筆記画像W14が、輪郭内が有色(例えば緑色)である連結図形RZの輪郭外に位置しかつ当該連結図形RZの一部の図形Z5に沿う態様の第4種筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第4種筆記パターンに対応する第4種色変更処理を特定し、色変更部107は、第4種色変更処理に従って連結図形RZの一部の図形Z5の輪郭及び輪郭内の色を筆記画像W14の筆記色である赤色に変更した図形Z51を生成し、図形Z6と色変更後の図形Z51とからなる連結図形RZを含む画像G33が記録紙に形成される。この場合には、連結図形RZの少なくとも一つの図形Z5の輪郭及び輪郭内を筆記色に変更でき、色変更した連結図形RZを含む画像G33を記録紙に形成できる。
図14(B)の左端に示すように、筆記画像W15が、連結図形RZの輪郭外に位置しかつ連結図形RZの外周のうち予め定められた閾値範囲以上(ここでは外周長さの2/3以上)にわたって連結図形RZに沿う第1筆記色による態様と、連結図形RZの少なくとも一部の図形(ここでは図形Z5、Z6の両方)の輪郭内に位置しかつ当該輪郭に沿う第2筆記色による態様とからなる第5種筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第5種筆記パターンに対応する第5種色変更処理を特定し、色変更部107は、第5種色変更処理に従って連結図形RZの輪郭の色を筆記画像W15の第1筆記色である黒色に変更するとともに連結図形RZの少なくとも一部の図形(ここでは図形Z5、Z6の両方)の輪郭内の色を第2筆記色である白色に変更した図形Z3、Z4を生成し、色変更後の図形Z3、Z4の連結図形RZを含む画像G31が記録紙に形成される。この場合には、連結図形RZの輪郭及び輪郭内を筆記色に変更でき、色変更した連結図形RZを含む画像G31を記録紙に形成できる。
図15(A)の左端に示すように、筆記画像W16が、輪郭内が白色である連結図形RZの輪郭外に位置しかつ当該連結図形RZの一部の図形Z3に沿う態様と当該一部の図形Z3の輪郭内にドットが記された態様とからなる第6種筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第6種筆記パターンに対応する第6種色変更処理を特定し、色変更部107は、第6種色変更処理に従って連結図形RZの一部の図形Z3の輪郭の色を筆記画像W16の筆記色である赤色に変更するとともに当該輪郭内を赤色のドット柄に変更した図形Z32を生成し、図形Z4と色変更後の図形Z32とからなる連結図形RZを含む画像G34が記録紙に形成される。なお、図15(A)では図形Z3の輪郭内にドットが記されているが、図16に示すように当該輪郭外にドットが記された場合でも、図15(A)の場合と同様に変更される。この場合には、連結図形RZの図形Z3の輪郭を筆記色に変更でき、図形Z3の輪郭内を筆記色のドット柄に変更でき、色変更した連結図形RZを含む画像G34を記録紙に形成できる。また、図16に示すように、異なる表示態様のドット(例えば、赤色と青色のドット)の筆記画像W18の場合には、図形Z3の輪郭内を各筆記色のドット柄に変更できる。
図15(B)の左端に示すように、筆記画像W17が、輪郭内が白色である連結図形RZの輪郭外に位置しかつ当該連結図形RZの一部の図形Z3に沿う態様と当該一部の図形Z3の輪郭内に十字が記された態様とからなる第7種筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第7種筆記パターンに対応する第7種色変更処理を特定し、色変更部107は、第7種色変更処理に従って連結図形RZの一部の図形Z3の輪郭の色を筆記画像W17の筆記色である赤色に変更するとともに当該輪郭内を赤色の格子柄に変更した図形Z33を生成し、図形Z4と色変更後の図形Z33とからなる連結図形RZを含む画像G35が記録紙に形成される。この場合には、連結図形RZの図形Z3の輪郭を筆記色に変更でき、図形Z3の輪郭内を筆記色の格子柄に変更でき、色変更した連結図形RZを含む画像G35を記録紙に形成できる。
なお、連結図形RZの輪郭外に位置しかつ当該連結図形RZの一部の図形Z3の輪郭内に図15に示すドット又は格子以外の模様が記された態様とからなる第8筆記パターンの場合には、処理特定部106は、第8種筆記パターンに対応する第8種色変更処理を特定し、色変更部107は、第8種色変更処理に従って連結図形RZの一部の図形Z3の輪郭の色を筆記画像の筆記色に変更するとともに当該輪郭内を筆記色の模様柄に変更した図形を生成し、色変更後の図形からなる連結図形RZを含む画像が記録紙に形成される。この場合には、色の模様柄に変更した連結図形RZを含む画像を記録紙に形成できる。
次に、図17〜図20を用いて、背景に対する第1〜第3背景筆記パターンの場合について説明する。図17の左上に示すように、背景BZを含む画像G4が表示部222の表示画面に表示され、図17の上中央に示すように、ユーザーによる電子ペン800の筆記操作により、表示画面の画像G4の背景BZ上に筆記画像W21が描画されたとする。図17の左下に示すように、筆記画像W21が、背景BZの全体の色変更を示す態様(例えば、実線矢印の態様)の第1背景筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第1背景筆記パターンに対応する第1背景色変更処理を特定し、色変更部107は、第1背景色変更処理に従って背景BZの全体の色を筆記画像W21の筆記色である赤色に変更し、色変更後の背景BZを含む画像G41が記録紙に形成される。この場合には、背景BZを筆記色に変更でき、色変更した背景BZを含む画像G41を記録紙に形成できる。
図18の左上に示すように、背景BZを含む画像G4が表示部222の表示画面に表示され、図18の上中央に示すように、ユーザーによる電子ペン800の筆記操作により、表示画面の画像G4の背景BZ上に境界線を示す筆記画像W22が描画され、図18の右上に示すように、背景BZ上に筆記画像W21が描画されたとする。図18の左下に示すように、筆記画像W22が背景BZの一部の閉領域を指定する態様(つまり、境界線を示す態様)であり、筆記画像W21が当該閉領域の色変更を示す態様(例えば、実線矢印の態様)とからなる第2背景筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第2背景筆記パターンに対応する第2背景色変更処理を特定し、色変更部107は、第2背景色変更処理に従って背景BZの閉領域の色を筆記画像W21の筆記色である赤色に変更し、色変更後の背景BZを含む画像G42が記録紙に形成される。この場合には、背景BZの一部の閉領域を筆記色に変更でき、一部の閉領域を色変更した背景BZを含む画像G42を記録紙に形成できる。
図19(A)の左端に示すように、ユーザーによる電子ペン800の筆記操作により、表示画面の画像G4の背景BZ上に境界線を示す筆記画像W22が描画され、背景BZ上に筆記画像W21、W23が描画されたとする。筆記画像W22が背景BZの一部の閉領域を指定する態様(つまり、境界線を示す態様)であり、筆記画像W21が当該閉領域の色変更を示す態様(例えば、実線矢印の態様)である第1背景筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第1背景筆記パターンに対応する第1背景色変更処理を特定し、色変更部107は、第1背景色変更処理に従って背景BZの閉領域の色を筆記画像W21の筆記色である赤色に変更し、更に、筆記画像W23が閉領域の階調を示す態様(例えば、破線矢印の態様)の第3背景筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第3背景筆記パターンに対応する第3背景色変更処理を特定し、色変更部107は、第3背景色変更処理に従って背景BZの閉領域の赤色に対して階調(筆記画像W23の矢印の方向に進むに連れて濃度が濃くなっていくという濃淡変化)を付け、色変更後の背景BZを含む画像G43が記録紙に形成される。この場合には、背景BZの一部の閉領域を筆記色に階調を付すことができ、一部の閉領域を階調色に変更した背景BZを含む画像G43を記録紙に形成できる。
図19(B)の左端に示すように、ユーザーによる電子ペン800の筆記操作により、表示画面の画像G4の背景BZ上に境界線を示す筆記画像W22が描画され、背景BZ上に筆記画像W21、W24が描画されたとする。筆記画像W22が背景BZの一部の閉領域を指定する態様(つまり、境界線を示す態様)であり、筆記画像W21が当該閉領域の色変更を示す態様(例えば、実線矢印の態様)である第1背景筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第1背景筆記パターンに対応する第1背景色変更処理を特定し、色変更部107は、第1背景色変更処理に従って背景BZの閉領域の色を筆記画像W21の筆記色である赤色に変更し、更に、筆記画像W24が閉領域の階調を示す態様(例えば、破線両矢印の態様)の第3背景筆記パターンに合致する場合には、処理特定部106は、第3背景筆記パターンに対応する第3背景色変更処理を特定し、色変更部107は、第3背景色変更処理に従って背景BZの閉領域の赤色に対して階調(筆記画像W23の矢印の中央が最も薄く、かつ、筆記画像W24の両矢印の方向に進むに連れて濃度が濃くなっていくという濃淡変化)を付け、色変更後の背景BZを含む画像G44が記録紙に形成される。この場合には、背景BZの一部の閉領域を筆記色に階調を付すことができ、一部の閉領域を階調色に変更した背景BZを含む画像G44を記録紙に形成できる。
このように本実施形態1では、コンピューター200は、表示部222の表示画面上の画像の図形に電子ペン800によって筆記画像が描画された画像データと筆記情報とを画像形成装置1に送信し、この画像データと筆記情報とを画像形成装置1が受信し、画像形成装置1の筆記画像特定部101が筆記情報に含まれる座標情報及び色情報を用いて筆記画像を特定し、図形輪郭抽出部102が筆記画像を含む図形の輪郭を抽出し、判定部105が筆記画像の筆記パターンを判定し、処理特定部106が筆記パターンに対応する色変更処理を特定し、色変更部107が、画像中から筆記画像を削除し、色変更処理に従って当該画像中の図形輪郭抽出部102が抽出した図形の表示態様を色情報が示す筆記色による表示態様に変更し、画像形成部12が図形の表示態様を筆記色による表示態様に変更した画像を記録紙に形成する。このため、コンピューター200での画像再修正を必要とせず、電子ペン800により、コンピューター200の表示画像に対して簡易な色変更等の指示を行うだけでよく、画像形成装置1の側で当該図形の表示態様を変更した画像を、簡易かつ迅速に記録紙に画像形成することができる。すなわち、画像形成装置1における出力直前の原稿中の図形等の色等変更指示を反映させた色等変更後の原稿生成を、画像形成装置1の側で簡易かつ迅速に行うことができる。
また、連結図形輪郭抽出部103が連結図形の輪郭を抽出した場合には、色変更処理に従って当該画像中の連結図形輪郭抽出部103が抽出した連結図形の表示態様を色情報が示す筆記色による表示態様に変更し、画像形成部12が連結図形の表示態様を筆記色による表示態様に変更した画像を記録紙に形成する。このため、コンピューター200での画像再修正を必要とせず、電子ペン800により、コンピューター200の表示画像に対して簡易な色変更等の指示を行うだけでよく、画像形成装置1の側で当該連結図形の表示態様を変更した画像を、簡易かつ迅速に記録紙に画像形成することができる。
また、背景特定部104が背景を特定した場合には、色変更処理に従って当該画像中の背景特定部104が特定した背景の表示態様を色情報が示す筆記色による表示態様に変更し、画像形成部12が背景の表示態様を筆記色による表示態様に変更した画像を記録紙に形成する。このため、コンピューター200での画像再修正を必要とせず、電子ペン800により、コンピューター200の表示画像に対して簡易な色変更等の指示を行うだけでよく、画像形成装置1の側で当該背景の表示態様を変更した画像を、簡易かつ迅速に記録紙に画像形成することができる。
なお、本実施形態1では、指示体として電子ペン800を用いているが、表示部222の表示画面上に各種の色が選択可能な色パレットが表示され、色パレットの任意の色を選択するタッチペンなどを用いてもよい。タッチペンの場合には、色パレットの色の選択操作が行われると、当該色の色情報が色情報取得部214に出力されるため、無線通信部226が不要となる。
次に、実施形態2の画像形成装置1について、図20を用いて説明する。図20は、実施形態2の画像形成装置1の主要内部構成例を示す機能ブロック図である。なお、図3に示した構成と同じ構成については同符号を付して説明を略する。
図20に示す画像形成装置1の制御ユニット10は、図3に示す筆記画像特定部101に替えて、筆記画像取得部108を備える。
筆記画像取得部108は、筆記具により記録紙に筆記画像が描画された描画紙を画像読取部5が読み取った描画後画像データと、記憶部に記憶された原稿の画像データとの差分を取ることにより、筆記具の筆記画像を取得する。
上記の筆記具としては、油性又は水性のカラーペン、マジック、ボールペンなどがある。また、上記の筆記具として、上記実施形態1の電子ペン800にインク吐出機能を持たせた電子ペンを用いてもよい。例えば、インク吐出機能付きの電子ペンとしては、不図示の各色のインクタンクと、図1に示す色判定部804が判定した色を、各色のインクタンクからのインクを調合することにより生成する不図示のインク色生成部と、このインク色生成部からのインクを吐出する不図示のインクヘッド部とを備え、図1のRGBカラーセンサー802で検出した色のインクを当該電子ペンの内部で生成し、記録紙などに実際に描画するものがある。このような、インク吐出機能付きの電子ペンによれば、対象物の任意の色を検出でき、この検出した色で記録紙に実際に描画することができ、色選択の自由度を飛躍的に拡大させることができる。
次に、実施形態2の画像形成装置1における色等変更後画像の画像形成処理を、図21に示すフローチャートを参照して説明する。
なお、画像形成装置1は、例えば図6の左上に示す画像G1を含む記録紙を印刷済みであり、かかる印刷の際又は当該印刷前における画像読取部5での画像G1を含む原稿の読み取りの際に、画像G1の画像データが予めHDD92に記憶されている。また、上記の印刷済みの記録紙の図形に対して、ユーザーが筆記具を用いて筆記画像が描画されているとする。
画像形成装置1の制御部100は、筆記画像の有無の各記録紙を読み取っているか否かを判定する(S28)。例えば、記録紙に筆記画像が描画された描画紙が原稿搬送部6にセットされ、表示部473の表示画面に表示された「描画紙の読み取り」のボタン表示にユーザーが触れると、このユーザーによる接触操作が表示部473のタッチパネル機能によって検出され、描画紙が画像読取部5にて読み取られると、制御部100は、読み取り有りと判定し(S28「Yes」)、筆記画像取得部108は、筆記具により記録紙に筆記画像が描画された描画紙を画像読取部5が読み取った描画後画像データと、記憶部に記憶された原稿の画像データとの差分を取ることにより、筆記具の筆記画像を取得する(S29)。S29の後、図21に示すS22A〜S27が上記実施形態1と同様に実行される。
このように実施形態2の画像形成装置1では、筆記画像取得部108が、筆記具により記録紙に筆記画像が描画された描画紙を画像読取部5が読み取った描画後画像データと、記憶部に記憶された原稿の画像データとの差分を取ることにより、筆記具の筆記画像を取得し、図形輪郭抽出部102が筆記画像を含む図形の輪郭を抽出し、判定部105が筆記画像の筆記パターンを判定し、処理特定部106が筆記パターンに対応する色変更処理を特定し、色変更部107が、色変更処理に従って原稿の画像データ中の図形輪郭抽出部102が抽出した図形の表示態様を色情報が示す筆記色による表示態様に変更し、画像形成部12が図形の表示態様を筆記色による表示態様に変更した画像を記録紙に形成する。このため、コンピューター200での画像再修正を必要とせず、筆記具により記録紙に対して簡易な色変更等の記入(つまり、簡易な筆記画像の描画)を行うだけでよく、画像形成装置1の側で当該図形の表示態様を変更した画像を、簡易かつ迅速に新たな記録紙に画像形成することができる。すなわち、画像形成装置1における出力後の原稿中の図形等の色等変更指示を反映させた色等変更後の原稿生成を、画像形成装置1の側で簡易かつ迅速に行うことができる。
また、連結図形輪郭抽出部103が連結図形の輪郭を抽出した場合には、連結図形の表示態様を色情報が示す筆記色による表示態様に変更でき、背景特定部104が背景を特定した場合には、背景の表示態様を色情報が示す筆記色による表示態様に変更でき、画像形成部12が連結図形又は背景の表示態様を筆記色による表示態様に変更した画像を記録紙に形成する。このため、コンピューター200での画像再修正を必要とせず、電子ペン800により、コンピューター200の表示画像に対して簡易な色変更等の指示を行うだけでよく、画像形成装置1の側で連結図形又は背景の表示態様を変更した画像を、簡易かつ迅速に記録紙に画像形成することができる。