JP6871301B2 - スパッタリングターゲット、窒化チタン膜の製造方法、および半導体素子の製造方法 - Google Patents

スパッタリングターゲット、窒化チタン膜の製造方法、および半導体素子の製造方法 Download PDF

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本発明は、スパッタリングターゲット、窒化チタン膜、配線層、および半導体素子に関する。
半導体素子の高集積化に伴って、AlやCu等からなる金属配線の幅は狭くなっている。このため、これら金属配線にはエレクトロマイグレーション(EM)耐性の向上が要求されている。金属配線のEM耐性を向上させるためには、配線用の金属膜をスパッタリングにより成膜する際に、金属結晶の最稠密面を柱状に成長させることが望ましい。そのためには、金属配線の下地として形成されるTiNやTaNからなるバリア膜も、同様に最稠密面が柱状に成長するように、スパッタリングにより成膜することが望ましい。また、例えば、メモリ配線幅は19nm⇒15nm⇒10nm以下と狭小化しているが、このような極細配線になると、従来は注目されなかった、直径が0.2μm以下の微細なパーティクルも配線不良や素子不良などを引起すことが現実的な問題になってきている。
Al配線に対するバリア膜としては、TiN(窒化チタン)膜が好適である。TiN膜は、例えば高純度Tiからなるスパッタリングターゲットを、窒素雰囲気中でスパッタすることにより得ている。バリア膜の最稠密面が柱状になるようにスパッタ成膜するためには、スパッタリングターゲットを構成する金属の結晶粒径を微細化し、かつ結晶配向をランダム化することが求められる。さらに、スパッタ膜の均一性を向上させるためには、例えば鋳造組織の残存(ゴーストグレイン)を解消することが求められる。
上記のような要求に対して、従来のチタンターゲットにおいては、鋳造組織の残存を解消し結晶粒の微細化をするためには、例えば円柱状インゴットの軸方向に垂直な方向である外周から温間鍛造が行なわれている(特許文献1参照)。また、結晶粒の結晶配向のランダム化のためには、円柱状インゴットを所定の長さに切り出し、円柱状のインゴットの軸方向に平行な方向と垂直な方向の2方向からの温間鍛造あるいは冷間鍛造を繰り返す、こねくり鍛造が行なわれている。(特許文献2,3参照)
特許第4990531号公報 特願2012−504327号公報 特許第4110476号公報
近年、半導体素子の低価格化にともない、スパッタリングターゲットにもさらなる価格ダウンが要求されてきており、原料価格のみならず、工程費の低減も必須となってきた。さらに、前記半導体素子の高集積化による微細構造化に伴い、従来よりもさらに微細なパーティクル(大きさ0.2μm以下)の発生を低減させなければならなくなってきた。
しかしながら、従来のような、円柱状インゴットの軸方向に垂直な方向である外周からの温間鍛造加工のみでは、鋳造組織の残存を解消して結晶粒を微細にすることはできるが、結晶組織のランダム配向性を安定して得ることが出来ない。また、円柱状のインゴットの軸方向に平行な方向と垂直な方向の2方向からの温間鍛造あるいは冷間鍛造を繰り返すこねくり鍛造ではランダム配向な微細結晶組織を得ることができるが、鍛造回数を減らすことが困難であり、工程費を低減することができない。さらに、円柱状のインゴットの軸方向に平行な方向と垂直な方向の2方向からの温間鍛造あるいは冷間鍛造を繰り返すこねくり鍛造では、内部に揉み割れのようなマイクロクラックが入り易く、そのようなマイクロクラックは、微細なパーティクルの原因となってしまい、半導体等の微細化が進んだ近年では半導体等の製品の歩留まり悪化の要因でもある。
本発明が解決しようとする課題は、鋳造組織の残存を解消してマイクロクラックのない微細な結晶組織を有すると共に、結晶組織のランダム配向性を従来の工程より短縮された工程で再現性よく、安定して得ることを可能にしたスパッタリングターゲットの製造方法、そのような製造方法を適用したスパッタリングターゲットを提供することにある。
本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、ガス成分を含まない純度が99.99%以上であるチタン材について、円柱形状の軸方向に垂直な外周方向から温度範囲450℃乃至880℃で均等に温間鍛造加工を実施する工程(第1の温間鍛造工程)と、第1の温間鍛造工程を経たチタン材を円柱形状の軸方向に垂直な面で完成厚さの8倍以上の長さに切断し、円柱形状の軸方向に平行な方向に温度範囲250℃乃至450℃で温間鍛造加工を実施する工程(第2の温間鍛造工程)と、第2の温間鍛造工程を経たチタン材を、円柱形状の軸方向に平行な方向に圧下させるように冷間圧延する冷間圧延工程と、冷間圧延工程を経たチタン材を、温度範囲250℃乃至450℃で熱処理する熱処理工程と、熱処理工程を経たチタン材を機械加工してスパッタリングターゲットを作製する工程と、を具備する。スパッタリングターゲットは、平均結晶粒径が15μm以下のミクロ組織を有し、結晶の配向性がランダム配向である。
スパッタリングターゲットの製造方法において、第1の温間鍛造工程での円柱形状の軸方向に垂直な面の断面積減少率が40%乃至80%であり、第2の温間鍛造工程、および冷間圧延工程での円柱形状の軸方向に平行な長さの減少率が40%乃至90%である。
スパッタリングターゲットの製造方法において、第1の温間鍛造加工で、外周方向から外周に対して5方向以上から均等に断面を減少させる。
スパッタリングターゲットの製造方法において、冷間圧延工程を円柱形状の軸方向に垂直な面の2方向以上で2回以上行う。
スパッタリングターゲットは、平均結晶粒径が15μm以下のミクロ組織を有し、結晶の配向性がランダム配向である。スパッタリングターゲットのスパッタ面のX線回折を測定したとき、スパッタ面は(100)面からの回折ピークの相対強度I(100)と(002)面からの回折ピークの相対強度I(002)と(101)面からの回折ピークの相対強度I(101)とがI(101)>I(002)>I(100)の条件を満足し、各面((101)面、(002)面、(100)面)の各回折ピークの半値幅が0.2deg未満である。
本発明によれば、鋳造組織の残存が無く微細な結晶組織を有すると共に、マイクロクラックが少なく結晶組織がランダム配向であるチタンターゲットを従来の工程より短縮された工程で再現性よく、安定して得ることを可能にしたスパッタリングターゲットの製造方法、そのような製造方法を適用したスパッタリングターゲットを達成できる。
実施形態の製造方法で使用する円柱形状のチタン素材を示す斜視図である。 図1に示すチタン素材の正面図である。 図1に示すチタン素材に対する加工方向を示す平面図である。 チタンと鉄の状態図である。出典は、「Binary Alloy Phase Diagrams,2Ed.、Ed.T.B.Massalski、1990,2,1783−1786、Murray J.L.」。 チタンとニッケルの状態図である。出典は、「Z.Metallkd.,1996,87,,972−978,Kumar K.C.H.,Wollants P.」
以下、実施形態のスパッタリングターゲットとその製造方法について説明する。まず、図1に示すように、チタン素材として円柱形状を有するチタン材1を用意する。チタン材1は、チタンインゴットまたはチタンビレットからなる。図2に示すように、円柱形状のチタン材1は、直径Wと厚さHとを有する。チタン材1のサイズは特に限定されるものではないが、直径Wは250mm以上の範囲であることが好ましい。
チタン材1は、電子ビーム(EB)溶解法等を適用した鋳造法により作製されたインゴットやビレットであることが好ましい。チタン材1の純度(チタン純度)は、99.99%以上(4N以上)で、99.995%以上(4N5以上)が好ましい。スパッタリングターゲット(チタンターゲット)の純度はチタン材1の純度に準ずるため、純度が99.99%以上のスパッタリングターゲットを製造する場合には、純度が99.99%以上のチタン材1を使用することが好ましい。純度が99.999%以上(5N以上)のスパッタリングターゲットを製造する場合には、純度が99.999%以上のチタン材1を使用
することが好ましい。
前記高純度チタン素材は、不純物として、鉄が9ppm以下、ニッケルが5ppm以下である。鉄、ニッケルはいずれも、図4のチタン−鉄、図5のチタン−ニッケルのそれぞれの状態図でも示されているように、チタン中へ固溶しにくい金属であり、そのため、鉄が9ppm、ニッケルが5ppmを超えて存在すると、チタン素材中には微量であるが、チタンと鉄、チタンとニッケルの各金属間化合物が存在していると考えられる。前記の金属間化合物が微量でも存在すると、後述する塑性加工工程において、チタン素材中の前記金属間化合物を起点としてマイクロクラックなどの内部歪が生じ易くなってしまう。鉄は7ppm以下、ニッケルは2ppm以下が好ましい。
この実施形態のスパッタリングターゲットの製造方法においては、まず円柱形状のチタン材1に、円柱形状の軸方向に垂直な外周方向から温度範囲450℃〜880℃で均等に温間鍛造加工を実施する(第1の温間鍛造)。前記第1の温間鍛造工程では、前記温度範囲内で再加熱処理を行なってもよい。450℃未満では充分に再結晶しないため結晶組織が不均一となりやすい。880℃以上では結晶粒が粒成長し易く、微細な結晶組織を得にくくなる。
前記スパッタリングターゲットの製造方法において、前記円柱形状の軸方向に垂直な外周方向から均等に温間鍛造加工を実施する工程で、図3に示すようにチタン材1の外周方向から外周に対して5方向以上から均等に断面を減少させる。4方向以下あるいは、均等でない場合は不均一な加工歪が入りやすく、均一な組織を得ることが難しいと共にマイクロクラックが生ずる原因の一つとなる。
前記第1の温間鍛造工程では、円柱形状の軸方向に垂直な面の断面積減少率が40%〜80%となるように加工が実施される。40%未満では鋳造組織が残存する可能性がある。80%以上ではチタン材内部又は表面に割れやポアなどの欠陥が生じ易い。
前記第1の温間鍛造工程を経た円柱形状のチタン材を前記円柱形状の軸方向に垂直な面で完成厚さの8倍以上の長さに切断し、前記円柱形状の軸方向に平行な方向に温度範囲250℃〜450℃で温間鍛造加工を実施する(第2の温間鍛造)。前記第2の温間鍛造工程では、前記温度範囲内で再加熱処理を行なってもよい。250℃未満では充分に再結晶しないため結晶組織が不均一となりやすい。450℃以上では結晶粒が粒成長し易く、微細な結晶組織を得にくくなる。
前記第2の温間鍛造工程では、円柱形状の軸方向に平行な長さの減少率が40%〜90%となるように加工が実施される。40%未満では鋳造組織が残存する可能性がある。90%を超えるとチタン材内部又は表面に割れやポアなどの欠陥が生じ易い。
前記第2の温間鍛造工程を経た円柱形状のチタン材を、前記円柱形状の軸方向に垂直な方向に圧下させるように冷間圧延する。(冷間圧延工程)
前記冷間圧延工程の円柱形状の軸方向に平行な長さの減少率が40%〜90%となるように加工が実施される。前記冷間圧延工程を前記円柱形状の軸方向に垂直な面の2方向以上で2回以上行う。40%未満では鋳造組織が残存する可能性がある。90%を超えるとチタン材内部又は表面に割れやポアなどの欠陥が生じ易い。
前記冷間圧延工程を経たチタン材を、温度範囲250℃〜450℃で加熱して熱処理する。(熱処理工程)
250℃未満では充分に再結晶しないため結晶組織が不均一となりやすい。450℃以上では結晶粒が粒成長し易く、微細な結晶組織を得にくくなる。
前記の熱処理工程を経たチタン材を機械加工してスパッタリングターゲットを作製する。得られたスパッタリングターゲットは、拡散接合によりバッキングプレートと接合される。
前記スパッタリングターゲットは、平均結晶粒径が15μm以下でマイクロクラックなどの内部歪が少ないミクロ組織を有し、結晶の配向性がランダム配向であるスパッタリングターゲットであって、 前記スパッタ面のX線回折を測定したとき、前記スパッタ面は(100)面からの回折ピークの相対強度I(100)と(002)面からの回折ピークの相対強度I(002)と(101)面からの回折ピークの相対強度I(101)とがI(101)>I(002)>I(100)の条件を満足するランダム配向であり、各面((101)面、(002)面、(100)面)の各回折ピークの半値幅が0.2deg未満でありマイクロクラックなどの内部歪が少ないことを特徴とするスパッタリングターゲットである。
平均結晶粒径は線インターセプト法により測定する。線インターセプト法は以下のようにして実施される。まず、測定対象部の拡大写真を光学顕微鏡写真により撮影する。拡大写真は単位面積500μm×500μmの部分を拡大する写真とする。このような拡大写真に任意の直線(長さ500μm分)を引き、その線上にあるTi結晶粒の数を数え、「500μm/直線500μm上の結晶粒の数」により平均の結晶粒径を求める。このような作業を3回実施し、それらの測定値の平均値を平均結晶粒径とする。
この実施形態のスパッタリングターゲットは、スパッタ面の結晶配向がランダム配向であり、さらにランダム配向はスパッタリングターゲットの厚さ方向全域にわたって維持されているため、スパッタリング時におけるスパッタレートの変化を抑制することができる。従って、均一な成膜を行うことが可能となる。また、この実施形態のスパッタリングターゲットを用いて、例えば窒素雰囲気中でスパッタリングして窒化チタン(TiN)膜を成膜する場合、最稠密面を柱状に成長させることができる。このような窒化チタン膜は、半導体素子の配線層(Al配線等)のバリア膜等に好適である。
ランダムな結晶配向およびマイクロクラックなどの内部歪の有無は、X線回折法(XRD)により測定することができる。ランダム配向のチタンターゲットは、スパッタ面のX線回折(2θ)を測定したとき、チタンの(100)面からの回折ピークの相対強度I(100)とチタンの(002)面からの回折ピークの相対強度I(002)とチタンの(101)面からの回折ピークの相対強度I(101)とが、I(101)>I(002)>I(100)の順で小さくなる。このような条件を満足しているときに、チタンターゲットがランダム配向であり、各面((101)面、(002)面、(100)面)の各回折ピークの半値幅が0.2deg未満であるときに、マイクロクラックなどの内部歪が少ないことを確認できる。特定の方位に結晶配向しているときは、各結晶面の相対強度比の順番がずれ、内部歪が多いときは半値幅が広がる。
さらに、この実施形態のスパッタリングターゲットは、結晶のランダム配向、マイクロクラックなどの内部歪が少ないことが厚さ方向にわたっても維持されているため、深さ方向にスパッタ面と平行な部分のX線回折(2θ)を測定したときにおいても、各結晶面の相対強度比の順番は同様になる。すなわち、深さ方向のX線回折を測定したとき、チタンの(100)面からの回折ピークの相対強度I(100)とチタンの(002)面からの回折ピークの相対強度I(002)とチタンの(101)面からの回折ピークの相対強度I(101)とがI(101)>I(002)>I(100)の順で小さくなり、各面((101)面、(002)面、(100)面)の各回折ピークの半値幅が0.2deg未満である。
X線回折法では、(100)面、(002)面、(101)面以外の結晶面のピークも検出されるが、ランダム配向か否かを判断するには、(100)面、(002)面、(101)面の各ピークの相対強度を比較することが重要である。その理由は、これらの結晶面のピークはPDF(Powder Diffraction File)データの強度が高いほうから主要の3ピークであるためである。なお、X線回折法の測定条件は、Cuターゲット、管電圧40kV、管電流40mA、散乱スリット0.63mm、受光スリット0.15mmとする。
また、スパッタリングターゲット(チタンターゲット)におけるゴーストグレインの有無に関しても、上記したX線回折法により判断することができる。ゴーストグレインが存在すると、「I(101)>I(002)>I(100)」の条件を満たさない部分が存在することになる。ゴーストグレインの有無は、光学顕微鏡による拡大写真からも判断することができる。光学顕微鏡による拡大写真(組織写真)において、ゴーストグレインが存在するとTi結晶粒の粒界が不鮮明な組織が認められる。
この実施形態のスパッタリングターゲット(チタンターゲット)は、スパッタ面のランダム配向が厚さ方向にわたって維持されている。このため、厚さが10mm以上の厚いスパッタリングターゲットを長時間スパッタしたとしても、スパッタレートの変化が起きにくく、信頼性の高いスパッタ特性を示す。また、スパッタ面の直径が300mm以上の大型のスパッタリングターゲットであっても、15μm以下の平均結晶粒径と均質なランダム配向とマイクロクラックなどの内部歪が少ないことを維持することができる。
さらに、上記した厚いスパッタリングターゲットや大型のスパッタリングターゲットにおいても、平均結晶粒径が15μm以下の微細な結晶構造と均質なランダム配向とを厚さ方向にわたって維持することができる。その上で、ゴーストグレインの残存をなくすことができる。このため、成膜工程でスパッタリングターゲットを長期間使用した場合においても、スパッタレートの変化が起きにくい。従って、スパッタリングターゲットの厚さが2mm程度になるまで安定したスパッタリングを提供できる。スパッタリングターゲットの残余の部分は再利用されるが、残余の部分が多いと再溶解のためのコストが増加する。このため、残余となるターゲット部分は少ない方が好ましい。
この実施形態の半導体素子の製造方法は、上述した実施形態のスパッタリングターゲットを用いて、チタンを含む薄膜をスパッタ成膜する工程を具備する。成膜工程は、例えばスパッタリングターゲット(チタンターゲット)を窒素中でスパッタリングすることによって、窒化チタン膜を成膜する工程である。この実施形態のスパッタリングターゲットを用いて成膜した窒化チタン膜は、半導体素子のバリア膜として好適である。この実施形態のスパッタリングターゲットによれば、長期間使用した場合においても信頼性を維持することができるため、半導体素子の信頼性を向上させることが可能となる。
次に、実施例およびその評価結果について述べる。
(実施例1、2、比較例1、2、3,4)
直径Wが350mm、厚さHが100〜200mmのチタン素材を用意し、表1に条件を示すスパッタリングターゲットの製造工程を実施した。実施例1、2、比較例1、2は、純度99.99質量%以上で鉄が3.3ppm、ニッケルが0.6ppmであり、比較例3は純度99.99質量%以上で鉄が12ppm、ニッケルが0.5ppmであり、比較例4は純度99.99質量%以上で鉄が2.8ppm、ニッケルが6.4ppmである。
Figure 0006871301
表1に示す製造工程により得たチタン材を旋盤加工して、表2にターゲットサイズを示すチタンターゲットを作製した。各ターゲットの平均結晶粒径を測定し、さらにランダム配向の有無を確認した。平均結晶粒径は前述した方法により測定した。その結果を表2に示す。ランダム配向の有無に関しては、スパッタ面とスパッタ面から深さ10mmまで掘った部分とでX線回折を実施し、各測定箇所における(100)面、(002)面、(101)面からの回折ピークの相対強度および半値幅を測定することにより判定した。各結晶面からの回折ピークの相対強度の順番および各面の半値幅の最大値を表2に示す。チタンターゲットはいずれも再結晶組織を有していた。
Figure 0006871301
次に、実施例および比較例に係るチタンターゲット(スパッタリングターゲット)に拡散接合によりバッキングプレートを接合した後、機械加工にてスパッタリングターゲットを作成した。このターゲットを真空成膜装置に装着して、スパッタ圧3×10−5Pa、Ar流量10sccm(cm/s)、N流量30sccm(cm/s)の条件でTiNの積層膜をウエハー上に形成するマグネトロンスパッタリングを実施した。そして、ウエハー表面上に混入した直径0.1μm以上のダスト数(平均値)をパーティクルカウンター(WM−3)で測定した。その結果も表2に示す。
実施例1〜3によるチタンターゲットは、いずれも半値幅が比較例1〜4より小さいことから、比較例よりマイクロクラックなどの内部歪を有しておらず、残厚が2mmになるまで安定したスパッタ特性を示した。さらに、スパッタ後のダスト個数も実施例のほうが少なことが確認された。この結果から、実施例に係るチタンターゲットは信頼性の高いスパッタ特性を示すことが分かる。従って、実施例のチタンターゲットを使用して半導体素子のバリア膜(TiN膜)を形成することによって、半導体素子の信頼性を向上させることが可能となる。さらに、再使用(最溶解)するチタン量を減らすことができるため、実施例のチタンターゲットは材料効率の点でも優れている。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…円柱状チタン材
H…円柱状チタン材の厚さ
W…円柱状チタン材の直径

Claims (7)

  1. 平均結晶粒径が15μm以下のミクロ組織を有し、結晶の配向性がランダム配向であるスパッタリングターゲットであって、
    前記スパッタリングターゲットは、ガス成分を含まない純度が99.99%以上であり、鉄が9ppm以下、ニッケルが5ppm以下であり、
    前記スパッタリングターゲットのスパッタ面のX線回折を測定したとき、前記スパッタ面は(100)面からの回折ピークの相対強度I(100)と(002)面からの回折ピークの相対強度I(002)と(101)面からの回折ピークの相対強度I(101)とがI(101)>I(002)>I(100)の条件を満足し、各面((101)面、(002)面、(100)面)の各回折ピークの半値幅が0.2deg未満である、スパッタリングターゲット。
  2. 前記半値幅が0.093deg以下である、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 前記スパッタリングターゲットにおいて、前記スパッタ面から深さ10mmの前記スパッタ面と平行な部分のX線回折を測定したとき、(100)面からの回折ピークの相対強度I(100)と(002)面からの回折ピークの相対強度I(002)と(101)面からの回折ピークの相対強度I(101)とがI(101)>I(002)>I(100)の条件を満足し、各面((101)面、(002)面、(100)面)の各回折ピークの半値幅が0.2deg未満である、請求項1または請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲットを用いて窒化チタン膜を成膜する工程を具備する、窒化チタン膜の製造方法
  5. 前記窒化チタン膜は、ウエハーの上に成膜される、請求項4に記載の窒化チタン膜の製造方法。
  6. 請求項4に記載の方法を用いて前記窒化チタン膜を成膜することにより、配線層のバリア膜を形成する工程を具備する半導体素子の製造方法
  7. 前記バリア膜の上に金属膜を成膜することにより、前記配線層を形成する工程をさらに具備する、請求項6に記載の半導体素子の製造方法
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