JP6870907B2 - 光学部材、偏光板のセットおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Description
1つの実施形態においては、上記低屈折率層の屈折率nと厚みd(nm)とは、下記式(1)または(2)で表される関係を満たす。
1<n≦1.20かつ300≦d・・・・・・・(1)
1.20<n≦1.25かつ500≦d・・・・(2)
1つの実施形態においては、上記プリズムシートは、上記低屈折率層と反対側に凸となる柱状の単位プリズムが複数配列されて構成されている。
1つの実施形態においては、上記偏光板と上記低屈折率層とは粘着剤を介して直接積層されている。
1つの実施形態においては、上記の光学部材は、上記偏光板と上記低屈折率層と上記プリズムシートとをこの順に含む。
本発明の別の局面によれば、偏光板のセットが提供される。この偏光板のセットは、背面側偏光板として用いられる上記の光学部材と、視認側偏光板とを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。この液晶表示装置は、液晶セルと、該液晶セルの視認側に配置された偏光板と、該液晶セルの視認側と反対側に配置された上記の光学部材とを有する。
図1は、本発明の1つの実施形態による光学部材を説明する概略断面図である。光学部材100は、偏光板10と低屈折率層20とプリズムシート30とを含む。偏光板10と低屈折率層20とは、代表的には、粘着剤を介して直接積層されている。光学部材100は、代表的には、偏光板10と低屈折率層20とプリズムシート30とをこの順に含む。偏光板10は、代表的には、偏光子11と、偏光子11の片側に配置された保護層12と、偏光子11のもう一方の側に配置された保護層13とを有する。プリズムシート30は、代表的には、基材部31とプリズム部32とを有する。このように、偏光板とプリズムシートとを一体化することにより、プリズムシートと偏光板との間の空気層を排除することができるので、液晶表示装置の薄型化に寄与することができる。液晶表示装置の薄型化は、デザインの選択幅を広げるので、商業的な価値が大きい。さらに、空気層を排除することにより、空気層とプリズムシートおよび/または偏光板との界面における所望でない反射および屈折を抑制することができるので、液晶表示装置の表示特性に対する悪影響を防止することができる。加えて、偏光板とプリズムシートとを一体化することにより、プリズムシートを面光源装置(バックライトユニット、実質的には導光板)に取り付ける際のこすれによるプリズムシートの傷つきを回避できるので、そのような傷に起因する表示の濁りを防止することができ、かつ、機械的強度に優れた液晶表示装置を得ることができる。
1<n≦1.20かつ300≦d・・・・・・・(1)
1.20<n≦1.25かつ500≦d・・・・(2)
上記構成を有することにより、極角方向に傾いた入射光の反射率が向上し、液晶表示装置においてより高い輝度を得ることができる。すなわち、屈折率nの値が小さい場合には、厚みdが小さくても、低屈折率層において充分な反射効率を得ることができることを意味する。これは、低屈折率層の厚みdが大きいほど低屈折率層による反射効率が高くなるからである。
偏光板10は、代表的には、偏光子11と、偏光子11の片側に配置された保護層12と、偏光子11のもう一方の側に配置された保護層13とを有する。偏光子は、代表的には吸収型偏光子である。
上記吸収型偏光子の波長589nmの透過率(単体透過率ともいう)は、好ましくは41%以上であり、より好ましくは42%以上である。なお、単体透過率の理論的な上限は50%である。また、偏光度は、好ましくは99.5%〜100%であり、更に好ましくは99.9%〜100%である。上記の範囲であれば、液晶表示装置に用いた際に正面方向のコントラストをより一層高くすることができる。
保護層は、偏光板の保護フィルムとして使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。それぞれの保護層は同一であってもよく、異なっていてもよい。
低屈折率層20としては、屈折率nが1<n≦1.25の関係を満たす任意の適切な低屈折率層を採用し得る。低屈折率層の厚みは上記の通りである。
プリズムシート30は、代表的には、基材部31とプリズム部32とを有する。なお、本実施形態においては、低屈折率層20がプリズム部32を支持する基材部として機能し得るので、基材部31は必ずしも設ける必要はない。プリズムシート30は、代表的には、本発明の光学部材が液晶表示装置のバックライト側に配置された場合に、バックライトユニットの導光板から出射された偏光光を、その偏光状態を保ったまま、プリズム部32内部での全反射等によって、液晶表示装置の略法線方向に最大強度を有する偏光光として、低屈折率層20を介して偏光板10に導く。なお、「略法線方向」とは、法線方向から所定の角度内の方向、例えば、法線方向から±10°の範囲内の方向を包含する。
1つの実施形態においては、図1および図2に示すように、プリズムシート30(実質的には、プリズム部32)は、低屈折率層20と反対側に凸となる複数の単位プリズム33が並列されて構成されている。好ましくは、単位プリズム33は柱状である。単位プリズム33の長手方向(稜線方向)は、偏光板10の透過軸と略直交方向または略平行方向に向いている。好ましくは、図2に示すように、単位プリズム33の長手方向(稜線方向)は、偏光板10の透過軸と略直交方向に向いている。単位プリズムの稜線方向が偏光板の透過軸と略直交方向となるようにプリズムシートおよび偏光板を配置することにより、液晶表示装置において得られる輝度がさらに向上する。本明細書において、「実質的に直交」および「略直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±10°である場合を包含し、好ましくは90°±7°であり、さらに好ましくは90°±5°である。「実質的に平行」および「略平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±10°である場合を包含し、好ましくは0°±7°であり、さらに好ましくは0°±5°である。さらに、本明細書において単に「直交」または「平行」というときは、実質的に直交または実質的に平行な状態を含み得るものとする。なお、プリズムシート30は、単位プリズム33の稜線方向と偏光板10の透過軸とが所定の角度を形成するようにして配置(いわゆる斜め配置)してもよい。このような構成を採用することにより、モアレの発生をさらに良好に防止できる場合がある。なお、意図的に斜め配置を行う場合であっても、その角度は最大でも10°程度である場合が多いので、「実質的に平行」に含まれる場合が多い。
プリズムシート30に基材部31を設ける場合には、単一の材料を押出し成型等することにより基材部31とプリズム部32とを一体的に形成してもよく、基材部用フィルム上にプリズム部を賦形してもよい。基材部の厚みは、好ましくは25μm〜150μmである。このような厚みであれば、低屈折率層とプリズム部との距離を所望の範囲とすることができる。さらに、このような厚みは、取扱い性および強度の観点からも好ましい。
光学部材100は、目的に応じて、任意の適切な位置に任意の適切な位相差層をさらに有していてもよい(図示せず)。位相差層の配置位置、数、複屈折性(屈折率楕円体)等は、液晶セルの駆動モード、所望の特性等に応じて適切に選択され得る。目的に応じて、位相差層は、偏光子の保護層を兼ねてもよい。以下、本発明の光学部材に適用可能な位相差層の代表例を説明する。
本発明の光学部材は、代表的には、液晶表示装置の視認側と反対側に配置される偏光板(以下、背面側偏光板と称する場合がある)として用いられ得る。この場合、当該背面側偏光板と視認側偏光板とを含む偏光板のセットが提供され得る。視認側偏光板としては、任意の適切な偏光板が採用され得る。視認側偏光板は、代表的には、偏光子(例えば、吸収型偏光子)と、偏光子の少なくとも片側に配置された保護層とを有する。偏光子および保護層は、上記B項に記載のものが用いられ得る。視認側偏光板は、目的に応じて任意の適切な光学機能層(例えば、位相差層、ハードコート層、アンチグレア層、反射防止層)をさらに有していてもよい。偏光板のセットは、視認側偏光板(の偏光子)の吸収軸と背面側偏光板(の偏光子)の吸収軸とが実質的に直交または平行となるようにして液晶セルのそれぞれの側に配置される。
図3は、本発明の1つの実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。液晶表示装置500は、液晶セル200と、液晶セル200の視認側に配置された視認側偏光板110と、液晶セル200の視認側と反対側に配置された背面側偏光板としての本発明の光学部材100と、光学部材100の液晶セル200と反対側に配置されたバックライトユニット300とを有する。光学部材100については、上記A項〜E項で説明したとおりである。視認側偏光板については、上記F項で説明したとおりである。図示例では、視認側偏光板110は、偏光子11と、偏光子の一方の側に配置された保護層12と、偏光子11のもう一方の側に配置された保護層13とを有する。視認側偏光板110および光学部材(背面側偏光板)100は、それぞれの吸収軸が実質的に直交または平行となるようにして配置されている。バックライトユニット300は、任意の適切な構成が採用され得る。例えば、バックライトユニット300は、エッジライト方式であってもよく、直下方式であってもよい。直下方式が採用される場合、バックライトユニット300は、例えば、光源と、反射フィルムと、拡散板とを備える(いずれも図示せず)。エッジライト方式が採用される場合、バックライトユニット300は、導光板と、ライトリフレクターとをさらに備え得る(いずれも図示せず)。
エリプソメーター(製品名「ウーラムM2000」、J.A. Woollam株式会社製)を用いて反射測定を行うことにより、屈折率および膜厚を求めた。
(2)プリズムシートから下側偏光板までの総厚みの評価
得られた液晶表示装置のプリズムシートから下側偏光板までの総厚みが500μm以下の場合を○、500μmを超える場合を×として評価した。
(3)液晶表示装置の正面輝度
液晶表示装置を全画面白表示となるようにし、コノスコープ(AUTRONIC MELCHERS株式会社製)にて測定した(単位:cd/m2)。
(4)液晶表示装置の拡散照度
液晶表示装置の上方に所定の間隔をあけてコノスコープ(AUTRONIC MELCHERS株式会社製)を設置し、全方位において1°おきに輝度Lを測定することにより、光拡散照度(単位:Lx)を算出した。
(第1の位相差層用フィルムの作成)
環状ポリオレフィン系ポリマーを主成分とする市販の高分子フィルム[オプテス株式会社製、商品名「ゼオノアフィルム ZF14−130」(厚み:60μm、ガラス転移温度:136℃)]を、テンター延伸機を用いて、温度158℃で、フィルム幅が元のフィルム幅の3.0倍となるように幅方向に固定端一軸延伸した(横延伸工程)。得られたフィルムは、搬送方向に進相軸を有するネガティブ二軸プレート(3次元屈折率:nx>ny>nz)であった。このネガティブ二軸プレートの面内位相差は118nm、Nz係数は1.16であった。
スチレン−無水マレイン酸共重合体(ノヴァ・ケミカル・ジャパン株式会社製、製品名「ダイラーク D232」)のペレット状樹脂を、単軸押出機とTダイを用いて、270℃で押出し、シート状の溶融樹脂を冷却ドラムで冷却して厚み100μmのフィルムを得た。このフィルムを、ロール延伸機を用いて、温度130℃、延伸倍率1.5倍で、搬送方向に自由端一軸延伸して、搬送方向に進相軸を有する位相差フィルムを得た(縦延伸工程)。得られたフィルムを、テンター延伸機を用いて、温度135℃で、フィルム幅が前記縦延伸後のフィルム幅の1.2倍となるように幅方向に固定端一軸延伸して、厚み50μmの二軸延伸フィルムを得た(横延伸工程)。得られたフィルムは、搬送方向に進相軸を有するポジティブ二軸プレート(3次元屈折率:nz>nx>ny)であった。このポジティブ二軸プレートの面内位相差は20nm、厚み位相差Rthは−80nmであった。
ポリビニルアルコールを主成分とする高分子フィルム[クラレ株式会社製、商品名「9P75R」(厚み:75μm、平均重合度:2,400、ケン化度99.9モル%)]を水浴中に1分間浸漬させつつ搬送方向に1.2倍に延伸した後、ヨウ素濃度0.3重量%の水溶液中で1分間浸漬することで、染色しながら、搬送方向に、全く延伸していないフィルム(原長)を基準として3倍に延伸した。次いで、この延伸フィルムを、ホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%の水溶液中に浸漬しながら、搬送方向に、原長基準で6倍までさらに延伸し、70℃で2分間乾燥することにより、偏光子を得た。
一方、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(コニカミノルタ株式会社製、製品名「KC4UYW」、厚み:40μm)の片面に、アルミナコロイド含有接着剤を塗布し、これを上記で得られた偏光子の片面に両者の搬送方向が平行となるようにロール・トゥー・ロールで積層した。なお、アルミナコロイド含有接着剤は、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度1200、ケン化度98.5モル%、アセトアセチル化度5モル%)100重量部に対して、メチロールメラミン50重量部を純水に溶解し、固形分濃度3.7重量%の水溶液を調製し、この水溶液100重量部に対して、正電荷を有するアルミナコロイド(平均粒子径15nm)を固形分濃度10重量%で含有する水溶液18重量部を加えて調製した。続いて、偏光子の反対側の面に、上記アルミナコロイド含有接着剤を塗布した第1の位相差層用フィルムを、これらの搬送方向が平行となるようにロール・トゥー・ロールで積層し、その後55℃で6分間乾燥させた。乾燥後の積層体の第1の位相差層の表面に、第2の位相差層用フィルムを、アクリル系粘着剤(厚み5μm)を介して、これらの搬送方向が平行となるようにロール・トゥー・ロールで積層することにより、位相差層付偏光板(第2の位相差層/第1の位相差層/偏光子/TACフィルム)を得た。
市販のノート型PC(SONY株式会社製、商品名「VAIO TypeS」)を分解し、バックライト側のプリズムシートを取り出し、プリズム部と逆側の面に存在している拡散層を酢酸エチルで除去し、拡散層を有しないプリズムシートを本実施のプリズムシートとして準備した。
プリズムシートのプリズム部と逆側の面に、平均粒径40nm前後の球状の中空シリカ粒子がメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶剤分散された塗工液(日揮触媒化成株式会社製、商品名「スルーリア4320」)をコーティングし、80℃で1分間乾燥することにより得られる層を低屈折率層とした。この層の膜厚及び屈折率を評価したところ、膜厚400nm、屈折率1.19であった。
上記で得られた位相差層付偏光板と上記で得られた低屈折率層/プリズムシートの構成を有する積層体とをアクリル系粘着剤を介して貼り合わせた。その結果、図1に示すような偏光板/低屈折率層/プリズムシートの構成を有する光学部材を得た。なお、プリズムシートの単位プリズムの稜線方向と偏光板の透過軸とは平行となるように一体化した。したがって、プリズムシートの単位プリズムの稜線方向と偏光板の吸収軸とが直交するように一体化した。このような配置関係を有する光学部材において、低屈折率層の厚みは400nmであった。
IPSモードの液晶表示装置(Apple株式会社製、商品名「iPad2」)から液晶パネルを取り出し、当該液晶パネルから偏光板等の光学部材を取り除き、液晶セルを取り出した。液晶セルは、その両表面(それぞれのガラス基板の外側)を洗浄して用いた。この液晶セルの上側(視認側)に市販の偏光板(日東電工株式会社製、製品名「CVT1764FCUHC」)を貼り付けた。さらに、偏光サングラスをかけて表示装置を見た際の視認性を向上させるために、上記偏光板の上に、λ/4板(カネカ株式会社製、商品名「UTZ−フィルム#140」)の遅相軸が偏光板の吸収軸と45°の角度をなすように貼り付けた。さらに、上記で得られた光学部材を、下側(背面側)偏光板として、アクリル系粘着剤を介して液晶セルの下側(背面側)に貼り付けて、液晶表示パネルを得た。このとき、それぞれの偏光板の透過軸が互いに直交するように貼り付けた。
一方、バックライトユニットとして、上記市販のノート型PC(SONY株式会社製、商品名「VAIO TypeS」)から取り出したバックライトユニットを用いた。上記で得られた液晶表示パネルにこのバックライトユニットを組み込み、図3に示すような液晶表示装置を作製した。
低屈折率層の厚みが800nmとなるように光学部材を作成した以外は、実施例1と同様にして、本発明の光学部材を用いた液晶表示装置を作製した。
下記のように低屈折率層を得た以外は、実施例1と同様にして光学部材を用いた液晶表示装置を作製した。すなわち、プリズムシートのプリズム部と逆側の面に、スプリングバック現象を利用してエアロゲル層を生成し、低屈折率層とした。エアロゲル層の生成方法は、特開2006−011175号公報の実施例1に記載の手順にしたがった。
下記のように低屈折率層を得た以外は、実施例1と同様にして光学部材を用いた液晶表示装置を作製した。すなわち、プリズムシートのプリズム部と逆側の面に、実施例1で用いた中空シリカ粒子に代えて、針状のシリカ粒子が分散された材料をコーティングすることにより得られる多孔質層を低屈折率層とした。
下記のように低屈折率層を得た以外は、実施例1と同様にして光学部材を得た。この光学部材を用いて液晶表示装置を作製した。すなわち、プリズムシートのプリズム部と逆側の面に、下記のようにして低屈折率層を形成した。ジメチルスルホキシド(DMSO)2.2gにケイ素化合物の前駆体であるメチルトリメトキシシラン(MTMS)を0.95g溶解させた混合液に、0.01mol/Lのシュウ酸水溶液を0.5g添加し、室温で30分撹拌を行うことでMTMSを加水分解して、トリス(ヒドロキシ)メチルシランを生成した。その後、DMSO 5.5gに、28%濃度のアンモニア水0.38gおよび純水0.2gを添加した後、上記加水分解処理した混合液をさらに添加し、室温で15分撹拌することで、トリス(ヒドロキシ)メチルシランのゲル化を行い、ゲル状ケイ素化合物を得た。上記ゲル化処理を行った混合液を、そのまま40℃で20時間インキュベートして熟成処理を行った。次に、上記熟成処理したゲル状ケイ素化合物を、スパチェラを用いて数mm〜数cmサイズの顆粒状に砕いた。そこに、イソプロピルアルコール(IPA)40gを添加し、軽く撹拌した後、室温で6時間静置して、ゲル中の溶媒および触媒をデカンテーションした。同様のデカンテーション処理を3回繰り返し、溶媒置換を完了した。そして、上記混合液中のゲル状ケイ素化合物を粉砕処理した。粉砕処理は、ホモジナイザー(商品名「UH−50」、エスエムテー社製)を使用し、5cm3のスクリュー瓶に、ゲル1.18g、IPA 1.14gを秤量した後、50W、20kHzの条件で2分間の粉砕を行った。上記粉砕処理によって、上記混合液中のゲル状ケイ素化合物が粉砕され、その結果、上記混合液は粉砕物のゾル液となった。上記混合液に含まれる粉砕物の粒度バラツキを示す体積平均粒子径を確認したところ、0.5μm〜0.7μmであった。さらに、0.3重量%のKOH水溶液を用意し、前記ゾル液0.5gに対して0.02gのKOHを添加して、塗工液を調製した。プリズムシートのプリズム部と逆側の面に上記塗工液をコーティングし、80℃で1分間乾燥することにより得られる層を低屈折率層とした。この層の膜厚及び屈折率を評価したところ、膜厚1000nm、屈折率1.07であった。
位相差層付偏光板と逆プリズムシートとをアクリル系粘着剤を介して貼り合わせた以外は、実施例1と同様にして光学部材を用いた液晶表示装置を作製した。
位相差層付偏光板と逆プリズムシートとを、低屈折率コーティング剤であるフッ素混合アクリルハードコート(ダイキン工業株式会社製、商品名「AR110」)を塗工し、80℃で1分間乾燥させたのち、300mJの紫外線を当てて低屈折率層としたこと以外は、実施例1と同様にして光学部材を用いた液晶表示装置を作製した。
下記のように低屈折率層を得た以外は、実施例1と同様にして光学部材を用いた液晶表示装置を作製した。すなわち、プリズムシートのプリズム部と逆側の面に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名「ビスコート#300」、屈折率1.52)25gに、塗工液(商品名「スルーリア4320」)375g、及び光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア907」)5gを添加した混合液を塗工し、80℃で1分間乾燥した後に300mJの紫外線を照射して塗工膜を作製した。この塗工膜の屈折率は1.34、膜厚は1000nmであった。
逆プリズムシートをバックライトユニットに組み込み、位相差層付偏光板とは別部材として提供したこと以外は実施例1と同様にしてプリズムシート別置きの液晶表示装置を作製した。
11 偏光子
12 保護層
13 保護層
20 低屈折率層
30 プリズムシート
31 基材部
32 プリズム部
100 光学部材
Claims (3)
- 偏光板と低屈折率層とプリズムシートとをこの順に含み、
該偏光板と該低屈折率層と該プリズムシートとが一体化されており、
該偏光板と該低屈折率層とが粘着剤を介して直接積層されており、
低屈折率層とプリズムシートとが直接積層されており、
該プリズムシートが、該低屈折率層と反対側に凸となる柱状の単位プリズムが複数配列されて構成されており、
該低屈折率層の屈折率nが1<n≦1.25の関係を満たし、
該低屈折率層の屈折率nと厚みd(nm)とが、下記式(1)または(2)で表される関係を満たす、
光学部材。
1<n≦1.20かつ300≦d・・・・・・・(1)
1.20<n≦1.25かつ500≦d・・・・(2) - 背面側偏光板として用いられる請求項1に記載の光学部材と、視認側偏光板とを含む、偏光板のセット。
- 液晶セルと、該液晶セルの視認側に配置された偏光板と、該液晶セルの視認側と反対側に配置された請求項1に記載の光学部材とを有する、液晶表示装置。
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