JP6869371B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸発器の着霜を融解する霜取運転を行う空気調和機に関するものである。
従来の空気調和機は、暖房運転時に蒸発器が着霜することにより、能力低下等の問題が発生する。そのため、空気調和機は、配管温度を用いて蒸発器への着霜の有無を判断し、着霜していると判断された場合に霜取運転を行い、霜を融解させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−23112号公報 国際公開第2010/106821号
ところで、一般的な空気調和機は、ユーザ等による運転の停止指示に基づいて運転を停止させる。したがって、蒸発器への着霜が検知されて霜取運転が行われる直前に運転の停止指示がなされると、霜取運転を行うことなく、蒸発器が着霜した状態で空気調和機の運転が停止される。
その後、暖房運転の開始指示を受けた場合、空気調和機は暖房運転を開始するが、このとき蒸発器に霜が残っていると、蒸発器を通過する空気の風量が通常時よりも低下し、蒸発器の配管温度が低下する。これにより、蒸発器の霜が成長して風量がさらに低下する。この場合、蒸発器の配管温度は、暖房運転が開始されてからすぐに着霜検知温度に到達し、空気調和機では霜取運転が行われる。すなわち、従来の空気調和機では、暖房運転の開始から霜取運転が開始されるまでの暖房運転継続時間が短くなる。
また、空気調和機では、風の影響等により運転停止中であっても蒸発器が着霜することがある。そのため、暖房運転の開始指示を受けた場合に、蒸発器が着霜していると、運転開始直後に着霜が検知されるため、暖房運転によって温風が吹き出されることなく霜取運転が開始される。
本発明は、上記従来の技術における課題に鑑みてなされたものであって、暖房運転継続時間の減少を抑制することができる空気調和機を提供することを目的とする。
本発明の空気調和機は、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が配管で接続され、冷媒が循環する冷媒回路を有し、暖房運転の際の前記蒸発器の着霜を取り除く霜取運転を行う空気調和機であって、前記蒸発器の状態をセンサ情報として検出する状態検出センサと、前記暖房運転および前記霜取運転の切り替えを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、運転停止から設定時間経過後に、前記状態検出センサにより検出された前記センサ情報に基づき前記蒸発器の着霜状態を判定し、判定結果に基づき前記霜取運転を行うものである。
本発明によれば、運転停止時または運転停止中に蒸発器の着霜状態を判定し、判定結果に応じて霜取運転を行うことにより、暖房運転継続時間の減少を抑制することができる。
実施の形態1に係る空気調和機の構成の一例を示す概略図である。 図1の制御装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。 実施の形態1に係る空気調和機における着霜判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 従来の運転制御による空気調和機の運転状態および蒸発器の配管温度の様子を示す概略図である。 実施の形態1による着霜判定処理を行う運転制御による空気調和機の運転状態および蒸発器の配管温度の様子を示す概略図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る空気調和機について説明する。本実施の形態1に係る空気調和機は、暖房運転と、暖房運転時に蒸発器に発生する霜を取り除くための霜取運転とを行う。
[空気調和機の構成]
図1は、本実施の形態1に係る空気調和機100の構成の一例を示す概略図である。図1に示すように、空気調和機100は、圧縮機1、凝縮器2、膨張弁3、蒸発器4、凝縮器用ファン5、凝縮器用ファンモータ6、蒸発器用ファン7、蒸発器用ファンモータ8、状態検出センサ9および制御装置10で構成されている。圧縮機1、凝縮器2、膨張弁3および蒸発器4が冷媒配管で接続されることにより、冷媒回路が形成される。冷媒回路を循環する冷媒として、R22等の単一冷媒、R410A等の混合冷媒、またはCO等の自然冷媒が用いられる。
圧縮機1は、低温低圧の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮し、高温高圧の冷媒を吐出する。圧縮機1は、例えば、運転周波数を変化させることにより、単位時間あたりの送出量である容量が制御されるインバータ圧縮機等からなる。圧縮機1の運転周波数は、制御装置10によって制御される。なお、圧縮機1は、これに限られず、運転周波数が固定された一定速のものを用いてもよい。
凝縮器2は、凝縮器用ファン5によって供給される室内空気と冷媒との間で熱交換を行い、室内空間に供給される暖房用空気を生成する。凝縮器2は、暖房運転の際に、冷媒の熱を室内空気に放熱して冷媒を凝縮させる。なお、凝縮器2における冷媒との熱交換対象は、室内空気などの気体に限られず、例えば水などの液体でもよい。
膨張弁3は、冷媒を膨張させる。膨張弁3は、例えば、電子式膨張弁等の開度の制御が可能な弁で構成される。膨張弁3の開度は、制御装置10によって制御される。なお、膨張弁3は、これに限られず、例えばキャピラリーチューブでもよい。蒸発器4は、蒸発器用ファン7によって供給される室外空気と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を蒸発させる。
凝縮器用ファン5は、凝縮器用ファンモータ6によって駆動され、凝縮器2で冷媒と熱交換を行う室内空気を凝縮器2に送るために設けられている。凝縮器用ファン5として、例えばシロッコファンまたはプラグファン等が用いられるが、これに限られず、同様の効果を得ることができるものであれば、どのようなファンでもよい。また、凝縮器用ファン5は、凝縮器2における空気の上流側に配置される押し込み方式のものでもよいし、空気の下流側に配置される引っぱり方式のものでもよい。
凝縮器用ファンモータ6は、凝縮器用ファン5を駆動するためのものである。凝縮器用ファンモータ6は、例えばDC(Direct Current)ファンモータであり、制御装置10によってモータの回転数が制御される。
蒸発器用ファン7は、蒸発器用ファンモータ8によって駆動され、蒸発器4で冷媒と熱交換を行う室外空気を蒸発器4に送るために設けられている。蒸発器用ファン7として、例えばシロッコファンまたはプラグファン等が用いられるが、これに限られず、同様の効果を得ることができるものであれば、どのようなファンでもよい。また、蒸発器用ファン7は、蒸発器4における空気の上流側に配置される押し込み方式のものでもよいし、空気の下流側に配置される引っぱり方式のものでもよい。
蒸発器用ファンモータ8は、蒸発器用ファン7を駆動するためのものである。蒸発器用ファンモータ8は、例えばDCファンモータであり、制御装置10によってモータの回転数が制御される。
状態検出センサ9は、蒸発器4の状態を示す情報を検出し、蒸発器4が着霜しているか否かを判定するために用いられるセンサ情報を出力する。状態検出センサ9として、例えば、蒸発器4の配管温度を検出する温度センサ、蒸発器4の配管圧力を検出する圧力センサ、または、蒸発器4の配管の湿度を検出する湿度センサ等が用いられる。具体的には、状態検出センサ9として温度センサが用いられる場合、状態検出センサ9は、蒸発器4内の冷媒が流れる配管の配管温度を検出し、検出した配管温度をセンサ情報として出力する。なお、状態検出センサ9として用いられるセンサは、温度、圧力および湿度のいずれかを検出するものでもよいし、これらすべてを検出するものでもよい。
制御装置10は、空気調和機100の各部から受け取る各種情報に基づき、空気調和機100全体の動作を制御する。具体的には、制御装置10は、外部からの指示に基づく暖房運転の開始および停止、ならびに暖房運転と霜取運転との切り替え等を制御する。特に、本実施の形態1において、制御装置10は、暖房運転の停止指示があった場合または暖房運転停止中に状態検出センサ9から取得したセンサ情報に基づき、蒸発器4の着霜状態を判定し、判定結果に応じた運転の制御を行う。
図2は、図1の制御装置10の構成の一例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、制御装置10は、センサ情報取得部11、着霜判定部12、運転制御部13および記憶部14を備えている。このような制御装置10は、マイクロコンピュータなどの演算装置上でソフトウェアを実行することにより各種機能が実現され、もしくは各種機能を実現する回路デバイスなどのハードウェア等で構成されている。
センサ情報取得部11は、状態検出センサ9で検出されたセンサ情報を取得する。着霜判定部12は、センサ情報取得部11で取得したセンサ情報に基づき、蒸発器4が着霜しているか否かを判定する。具体的には、本実施の形態1では、センサ情報に対して判定閾値が予め設定されており、着霜判定部12は、センサ情報の値と判定閾値が示す温度とを比較する。着霜判定部12は、センサ情報の値が判定閾値以下である場合に、蒸発器4が着霜していると判定する。
運転制御部13は、着霜判定部12による判定結果に基づき、暖房運転および霜取運転等の空気調和機100の運転を制御する。記憶部14は、着霜判定部12で用いられる判定閾値が予め記憶されている。
[着霜判定処理]
次に、空気調和機100による着霜判定処理について説明する。図3は、本実施の形態1に係る空気調和機100における着霜判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、センサ情報取得部11は、暖房運転中に運転停止信号を受信する。ステップS2において、センサ情報取得部11は、状態検出センサ9からセンサ情報を取得し、着霜判定部12に供給する。
ステップS3において、着霜判定部12は、受け取ったセンサ情報と、記憶部14に記憶された判定閾値とに基づき、蒸発器4が着霜しているか否かを判定する。判定の結果、蒸発器4が着霜していると判断された場合(ステップS3;Yes)、運転制御部13は、ステップS4において霜取運転を行う。霜取運転は、例えば、蒸発器4の近傍に設けられた図示しないヒータ等を加熱して行われる。これにより、蒸発器4の着霜が融解する。そして、ステップS5において、運転制御部13は、空気調和機100の運転を停止する。
一方、蒸発器4が着霜していないと判断された場合(ステップS3;No)、運転制御部13は、ステップS5において、空気調和機100の運転を停止する。
着霜判定処理を行う運転制御について、従来の制御と比較しながら説明する。図4は、従来の運転制御による空気調和機の運転状態および蒸発器の配管温度の様子を示す概略図である。図5は、本実施の形態1による着霜判定処理を行う運転制御による空気調和機100の運転状態および蒸発器4の配管温度の様子を示す概略図である。なお、以下では、状態検出センサ9が温度センサであり、蒸発器4の配管温度に基づいて霜取運転を行う場合を例にとって説明する。
従来の空気調和機は、図4に示すように時刻t1において運転停止信号を受信すると、直前に霜取運転を行う状態であっても運転を停止する。すなわち、時刻t1においては、蒸発器4が着霜した状態で、空気調和機の運転が停止する。そのため、時刻t2において空気調和装置が運転開始信号を受信するまで、蒸発器4は、配管温度が上昇するものの、霜が残っている状態となる。
時刻t2において、従来の空気調和機により運転開始信号が受信されると、蒸発器4が着霜した状態で暖房運転が開始される。このとき、蒸発器4に霜が残っており、蒸発器4の配管温度が比較的低い状態で暖房運転が開始されるため、蒸発器4を通過する風量が通常時よりも低下し、蒸発器4の配管温度が低下する。
そして、時刻t3において、配管温度が判定閾値である判定温度に到達し、予め設定された判定時間が経過すると、時刻t4において霜取運転が行われる。この場合の暖房運転継続時間T1は、「t4−t2」となる。
一方、本実施の形態1に係る空気調和機100は、図5に示すように時刻t10において運転停止信号を受信すると、蒸発器4の着霜状態を判定し、着霜していると判断して霜取運転を行う。そして、時刻t11において、空気調和機100は、霜取運転を終了し、運転を停止する。
時刻t20において、空気調和機100により運転開始信号が受信されると、暖房運転が開始される。このとき、蒸発器4の着霜がなく、蒸発器4の配管温度が十分に高い状態で暖房運転が開始され、蒸発器4の配管温度は徐々に低下する。
そして、時刻t30において、配管温度が判定温度に到達した後に判定時間が経過すると、時刻t40において霜取運転が行われる。この場合の暖房運転継続時間T2は、「t40−t20」となる。
ここで、従来の暖房運転継続時間T1と、本実施の形態1による暖房運転継続時間T2とを比較すると、暖房運転継続時間T2は、暖房運転継続時間T1よりも長い。これは、運転停止前に霜取運転が行われることにより、蒸発器4の配管温度が上昇し、着霜の判定温度よりも十分高くなっているためである。
このように、本実施の形態1において、空気調和機100は、運転停止が指示された際に着霜判定処理を行い、蒸発器4のセンサ情報に基づいて霜取運転を行う。これにより、暖房運転を開始したときの蒸発器4の着霜が抑制され、暖房運転継続時間の減少を抑制することができる。
なお、上述した例では、空気調和機100は、運転停止信号を受信したときに蒸発器4の着霜の有無を判定し、判定結果に応じて運転停止前に霜取運転を行っているが、これに限られず、例えば、運転停止中に着霜の有無を判定して霜取運転を行ってもよい。運転停止中には、風の影響等によって蒸発器4の霜が成長することがあるが、運転停止中における着霜の有無の判定結果に応じて霜取運転を行うことにより、次回の空気調和機100の運転開始時の蒸発器4の着霜を抑制することができる。この場合、例えば、空気調和機100は、運転停止信号を受信してから設定時間経過後に状態検出センサ9からセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づき霜取運転を行う。
以上のように、本実施の形態1に係る空気調和機100において、制御装置10は、運転停止中または運転停止中に、蒸発器4の状態を示すセンサ情報に基づき、蒸発器4の着霜状態を判定し、判定結果に基づいて霜取運転を行う。このとき、制御装置10は、センサ情報が示す値が設定閾値以下である場合に、蒸発器4が着霜していると判定する。これにより、暖房運転を開始したときの蒸発器4の着霜が抑制されるため、暖房運転継続時間の減少を抑制することができる。
また、蒸発器4の状態を検出する状態検出センサ9として、温度センサ、圧力センサまたは湿度センサの少なくともいずれか1つが用いられる。これにより、容易に検出できるセンサ情報から蒸発器4の着霜状態を判定することができる。
以上、本発明の実施の形態1について説明したが、本発明は、上述した本発明の実施の形態1に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、空気調和機100は、暖房運転に加えて冷房運転を行うことができるものでもよい。この場合、霜取運転は、冷房運転と同様に冷媒を流すことによって行ってもよい。
また、空気調和機100は、運転停止信号を受信した際に、着霜の有無によらず、霜取運転を行ってから空気調和機の運転を停止してもよい。これにより、霜をより確実に融解させることができる。
さらに、蒸発器4の状態を検出する際には、状態検出センサ9に代えて、外部に設けられたセンサ等が用いられてもよい。さらにまた、例えば、空気調和機100は、過去の運転データを蓄積し、蓄積された運転データに基づいて霜取運転を行ってもよい。
1 圧縮機、2 凝縮器、3 膨張弁、4 蒸発器、5 凝縮器用ファン、6 凝縮器用ファンモータ、7 蒸発器用ファン、8 蒸発器用ファンモータ、9 状態検出センサ、10 制御装置、11 センサ情報取得部、12 着霜判定部、13 運転制御部、14 記憶部、100 空気調和機。

Claims (6)

  1. 圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が配管で接続され、冷媒が循環する冷媒回路を有し、暖房運転の際の前記蒸発器の着霜を取り除く霜取運転を行う空気調和機であって、
    前記蒸発器の状態をセンサ情報として検出する状態検出センサと、
    前記暖房運転および前記霜取運転の切り替えを制御する制御装置と
    を備え、
    前記制御装置は、
    運転停止から設定時間経過後に、前記状態検出センサにより検出された前記センサ情報に基づき前記蒸発器の着霜状態を判定し、判定結果に基づき前記霜取運転を行う
    空気調和機。
  2. 前記制御装置は、
    前記センサ情報が示す値が設定閾値以下である場合に、前記蒸発器が着霜していると判定する
    請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記状態検出センサは、前記蒸発器の配管温度を検出する温度センサを含む
    請求項1または2に記載の空気調和機。
  4. 前記状態検出センサは、前記蒸発器の配管圧力を検出する圧力センサを含む
    請求項1〜のいずれか一項に記載の空気調和機。
  5. 前記状態検出センサは、前記蒸発器の配管湿度を検出する湿度センサを含む
    請求項1〜のいずれか一項に記載の空気調和機。
  6. 前記制御装置は、
    前記センサ情報を取得するセンサ情報取得部と、
    前記センサ情報取得部で取得された前記センサ情報に基づき前記蒸発器の着霜状態を判定する着霜判定部と、
    前記着霜判定部による判定結果に基づき、前記暖房運転および前記霜取運転の切り替えを行う運転制御部と
    を有する
    請求項1〜のいずれか一項に記載の空気調和機。
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