JP6867272B2 - 水中検査面型取り装置、及び水中検査面型取り方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、構造物の表面に密着するレプリカ採取部と、レプリカ素材を構造物の表面とレプリカ採取部との間にレプリカ素材を注入するレプリカ素材供給ノズルと、を備えた欠陥レプリカ採取装置が開示されている。
これにより、第1の隙間に水が残存する可能性を低くすることが可能となるので、精度の高いレプリカを得ることができる。
これにより、第1の隙間に水が残存する可能性を低くすることが可能となるので、精度の高いレプリカを形成することができる。
図1及び図2を参照して、第1の実施形態の水中検査面型取り装置10の概略構成について説明する。図1では、水中検査面型取り装置10の構成要素ではない検査対象物1(検査対象物1の面1a及び検査面1abも含む)も図示する。図1において、X方向は筒状部材21の径方向(蓋部)、Y方向はX方向に対して直交する筒状部材21の軸線方向をそれぞれ示している。
また、図1において、Oは筒状部材21の中心軸(以下、「中心軸O」という)、O1は樹脂注入部13の中心軸(以下、「中心軸O1」という)、O2は排出部14の中心軸(以下、「中心軸O2」という)、WはY方向における第1の隙間G1の大きさ(以下、「大きさW」という)をそれぞれ示している。
図2において、図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。また、図2において、Lは蓋部22を平面視した状態において、中心軸Oと中心軸O1とを結ぶ直線(以下、「直線L」という)をそれぞれ示している。
筒状部材21は、Y方向を軸線方向とする筒状の部材である。Y方向における筒状部材21の内径R1は、一定の大きさとされている。
筒状部材21は、シール部材15を介して、水3中に位置する検査対象物1の検査面1abを囲いながら検査対象物1の面1aに当接される端部21Aを有する。なお、検査面1abは、検査対象物1の面1aの一部である。
筒状部材21の形状は、例えば、円筒形状とすることが可能である。なお、本実施形態では、一例として、筒状部材21の形状が円筒形状の場合を例に挙げて説明する。
蓋部22は、蓋部本体26と、連結部27と、を有する。蓋部本体26は、板状の部材であり、筒状部材21内に収容されている。蓋部本体26は、内面26aと、外面26bと、外周面26cと、を有する。
内面26aは、検査面1abと対向する面である。外面26bは、内面26aの反対側に配置された面であるとともに、導入管17及び排出管18が接続される側の面である。内面26a及び外面26bは、平面とされている。
外周面26cは、筒状部材21の内周面21aと接触する面である。
このような構成とされた蓋部本体26は、筒状部材21を閉塞している。
この空間S1は、蓋部本体26の内面26aを露出している。
隙間形成部12の中心軸は、筒状部材21の中心軸Oと一致している。隙間形成部12の形状としては、例えば、円形板形状とすることが可能である。
隙間形成部12の外径R4は、連結部27の外径R3よりも大きく、かつ蓋部本体26の外径R2よりも小さくなるように構成されている。
対向面12aは、第1の隙間G1を介して、検査面1abと対向している。
第1の隙間G1に導入される樹脂(レプリカの材料)が硬化することで、レプリカが形成される。つまり、第1の隙間G1は、レプリカ形成領域として機能する。
第1の隙間G1の大きさWは、例えば、5mm以下にすることが好ましい。
外周面12cは、筒状部材21の内周面21aから離間した状態で、内周面21aと対向している。外周面12cと内周面21aとの間には、リング形状とされた第2の隙間G2が形成されている。
第2の隙間G2は、空間S2を介して、空間S1と第1の隙間G1とを連通させている。
樹脂注入部13は、第1の隙間G1にレプリカの材料となる樹脂を注入するための注入口として機能する。
樹脂注入部13から注入された樹脂は、第1の隙間G1を経由して、空間S2、第2の隙間S1、及び空間S1に流入する。
樹脂注入部13を介して、第1の隙間G1に樹脂が注入されると、第1の隙間G1に存在する水3が空間S2に向かう方向に移動させられる。そして、第1の隙間G1への樹脂の注入(圧入)が進むと、第1の隙間G1、空間S2、及び第2の隙間G2が樹脂で充填され、水3が空間S1及び排出部14内に移動する。
排出部14は、第1の隙間G1に存在した水3、及び余分な樹脂を蓋部22の外部へと導くための排出口として機能する。
これにより、樹脂の注入前において、第1の隙間G1に存在する水3を、排出部14が形成された側の空間S1に集めることが可能となるので、第1の隙間G1に存在する水3の影響を受けることなく、精度の高いレプリカを得ることができる。
例えば、隙間形成部12、蓋部本体26、及び連結部27を貫通するように樹脂注入部13を形成し、中心軸O2が直線Lを通過しない位置において、蓋部本体26の外周部を貫通するように排出部14を形成してもよい。
このような位置に樹脂注入部13及び排出部14を形成した場合でも、樹脂注入部13の外側に排出部14を配置させることが可能となるので、第1の隙間G1の端に押し出された水3を排出部14へと導くことができる。
例えば、中心軸Oに中心軸O1を一致させて、1つの樹脂注入部13を形成する場合には、蓋部本体26の外周部のみを貫通し、かつ周方向に配置された複数の排出部14を形成してもよい。
シール部材15としては、例えば、スポンジを使用することが可能であるが、ゴム等を用いてもよい。
これにより、例えば、検査対象物1の面1a(検査面1abも含む)に凹凸や段差等が形成されている場合でも、十分なシール性を確保することが可能となるので、筒状部材21の外側に樹脂が漏れ出ることを抑制できる。
導入管17は、樹脂注入部13を介して、第1の隙間G1、空間S2、第2の隙間G2、及び空間S1に樹脂を供給する。
排出管18は、第1の隙間G1に存在した水3や蓋部22から導出された余分な樹脂を排出するための管路である。
これにより、第1の隙間G1に水3が残存する可能性を低くすることが可能となるので、精度の高いレプリカを得ることができる。
このように、蓋部22を筒状部材21の軸方向(Y方向)に対して移動可能な構成することで、第1の隙間G1の大きさWを所望の大きさに調整することができる。
具体的には、シール部材15を介して、筒状部材21の端部21Aを検査対象物1の面1aに当接させる。
この段階において、検査面1abと隙間形成部12との間に形成される第1の隙間G1に水3が入り込む可能性がある。
次いで、図6に示すように、樹脂32の圧送がさらに継続されると、空間S1、排出部14、及び排出管18も樹脂32で充填され、排出管18から水が排出される。
これにより、第1の隙間G1には、硬化樹脂34よりなるレプリカ35が形成される。この段階では、レプリカ35は、第2の隙間G2に形成された硬化樹脂34と一体に形成されている。
このとき、隙間形成部12が連結部27よりも外側に突出した形状であるため、水中検査面型取り装置10からレプリカ35が落下することなく、水中検査面型取り装置10とともにレプリカ35を回収することができる。
S4が終了すると、図3に示す処理は、終了する。
これにより、第1の隙間G1に水3が残存する可能性を低くすることが可能となるので、精度の高いレプリカ35を形成することができる。
図10及び図11において、図1及び図2に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
次いで、図10及び図11に示すようにS5では、樹脂を圧送する工程の前に、樹脂注入部13を通じて、水中検査面型取り装置10と検査面1abとの間に形成された空間(具体的には、第1の隙間G1、第2隙間G2、及び空間S1,S2よりなる空間)に空気37を供給する。この工程は、水中検査面型取り装置当接工程と樹脂を圧送する工程との間に行われる。
そして、図11に示すように、空気37の供給がさらに継続されると、空間S1、排出部14、及び排出管18も空気37で充填され、排出管18の出口から空気37が排出される。
その後、図3で説明したS2〜S4の処理が順次行われることで、図9に示す処理が終了する。
図12を参照して、第2の実施形態の水中検査面型取り装置40について説明する。図12において、図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
このような構成とされた押圧部41を有することで、第1の隙間G1から水3を押し出す効果を高めることが可能になるとともに、レプリカに検査面1abの形状を精度良く転写することができる。
1a…面
1ab…検査面
3…水
10,40…水中検査面型取り装置
11…ケーシング
12…隙間形成部
12a…対向面
12b…面
12c,21Ab,26c,27a…外周面
13…樹脂注入部
14…排出部
15…シール部材
17…導入管
17A,18A…流路
18…排出管
21…筒状部材
21a…内周面
21A…端部
21Aa…先端面
22…蓋部
26…蓋部本体
26a…内面
26b…外面
27…連結部
32…樹脂
34…硬化樹脂
35…レプリカ
37…空気
41…押圧部
G1…第1の隙間
G2…第2の隙間
L…直線
O,O1,O2…中心軸
R1…内径
R2〜R4…外径、
S1,S2…空間
W…大きさ
Claims (8)
- 水中に位置する検査対象物の検査面を囲いながら前記検査対象物に当接される筒状部材、及び前記筒状部材の内面及び前記検査面との間に空間を形成した状態で前記筒状部材を閉塞させる蓋部を有するケーシングと、
前記蓋部よりも前記検査面に対して近接するように前記蓋部に設けられており、前記検査面との間に形成されるとともに、前記空間に連通する第1の隙間を介して対向する対向面を有する隙間形成部と、
前記対向面に開口するとともに、レプリカが形成される前記第1の隙間に該レプリカの材料となる樹脂を注入する樹脂注入部と、
前記空間のうち、前記第1の隙間よりも前記蓋部側に離間した位置に配置された部分に露出された前記蓋部の内面に開口する排出部と、
を備える水中検査面型取り装置。 - 前記隙間形成部の外周面と前記筒状部材の内周面との間には、第2の隙間が形成されており、
前記蓋部は、前記筒状部材の内周面と接触する蓋部本体と、該蓋部本体と前記隙間形成部とを連結するとともに、前記隙間形成部よりも外径の小さい連結部と、を有し、
前記第1の隙間は、前記第2の隙間を介して、前記空間と連通している請求項1記載の水中検査面型取り装置。 - 前記樹脂注入部は、前記隙間形成部、前記蓋部本体、及び前記連結部を貫通して形成されており、
前記排出部は、前記樹脂注入部よりも外側に位置する前記蓋部本体のみを貫通して形成されている請求項2記載の水中検査面型取り装置。 - 前記検査対象物と接触する側の前記筒状部材の端部に設けられたシール部材を有する請求項1から3のうち、いずれか一項記載の水中検査面型取り装置。
- 前記蓋部は、前記筒状部材の軸方向に対して移動可能な構成とされている請求項1から4のうち、いずれか一項記載の水中検査面型取り装置。
- 前記蓋部が前記検査面に向かう方向に、該蓋部の外面を押圧する押圧部を有する請求項5記載の水中検査面型取り装置。
- 請求項1から6に記載のいずれか一項記載の水中検査面型取り装置を用いた水中検査面型取り方法であって、
水中に位置する前記検査対象物の前記検査面を囲いながら該検査対象物に前記水中検査面型取り装置を当接させる工程と、
前記樹脂注入部を通じて、前記水中検査面型取り装置と前記検査面との間に形成された空間に前記樹脂を圧送する工程と、
前記樹脂の圧送を停止させた後、前記樹脂を硬化させることで、前記第1の隙間に前記レプリカを形成する工程と、
前記検査面から前記水中検査面型取り装置及び前記レプリカを取り外す工程と、
を備える水中検査面型取り方法。 - 前記水中検査面型取り装置を当接させる工程と前記樹脂を圧送する工程の間に、前記樹脂注入部を通じて、前記水中検査面型取り装置と前記検査面との間に形成された空間に空気を供給する工程を有する請求項7記載の水中検査面型取り方法。
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