JP6867005B2 - 止水工法 - Google Patents

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Description

本発明は、地中に埋設された管路と、該管路から分岐する管路との接合部における止水工法に関する。
下水管路、工業用水路管路、農業用水管路などの下水や排水を流すための管路は、地中に埋設された複数の管路を連結して構成される。例えば、下水管路は、下水を流す主たる流路を形成する下水道本管、この下水道本管に連結されるマンホール、及び下水道本管から分岐して下水道本管と地上側の桝とを連結する取付管などを備えて構成される。
このように地中に埋設された複数の管路を有する管路構造では、一方向に延在する第1の管路と、第1の管路から分岐する第2の管路との接合部において、地盤変状や周辺地盤からの外圧等により変形や亀裂等が生じやすく、亀裂等により接合部に隙間が生じると、そこから漏水が生じてしまう。例えば、下水管路において接合部に隙間が生じると、そこから漏水が生じてしまい、この漏水によって接合部周辺の地下水や土砂が管内に浸入すると、地中に空洞が生じて地面陥没の原因になってしまう。
このような事態を回避して、接合部おける止水性を確保するための止水構造として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載された下水管路に関する止水構造では、下水道本管を形成している第1の管路と、第1の管路に連結されて取付管を形成している第2の管路との接合部に、接合部を内面側から覆う止水部材を取り付けている。
この止水部材は、第1の管路の内面に固定される固定部と、この固定部と一体に形成された筒状スリーブとを有する。止水部材は、地上で製造された後、固定部を変形させた状態で自走式ロボットを用いて第1の管路(すなわち下水道本管)内へ運び込まれ、その後、筒状スリーブを第2の管路である取付管の中に挿入し、固定部を第1の管路の内面に沿わせて加熱及び加圧することにより固定部の形状を変形前の状態に復元させて、接合部の内周面に取り付ける。
特開2008−202613号公報
特許文献1に記載の止水部材は、固定部及び筒状スリーブのそれぞれの外径を第1の管路及び第2の管路のそれぞれの内周面に合わせた寸法に形成し、さらに、第1の管路に対する第2の管路の交差角度に合わせて、固定部と筒状スリーブの結合角度を設定している。このように、取り付けられる管路形状に合わせて、止水部材の形状を決定し、管路形状に合った止水部材を製造することで、止水部材の密着性を高め、止水性に優れた構造とすることができる。
しかしながら、第1の管路と第2の管路との接合部分の形状は多種多様であるため、これらに対応させるためには、その都度、形状の異なる止水部材を製造する必要がある。そのため、特許文献1の止水部材では、汎用性が低く、コストが掛かるという問題があった。また、止水部材を取り付ける際には、止水部材の脱落を抑えながら管内に固定する必要があるため、自走式ロボットによる作業が煩雑になるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、地中に埋設された第1の管路と、該管路から分岐する第2の管路との接合部における止水工法であって、第1の管路及び第2の管路の多様な管径や形状に容易に対応させることができ、施工性に優れた止水工法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の止水工法は、
地中に埋設された第1の管路と、該第1の管路から分岐する第2の管路との接合部に止水処理を施す止水工法であって、
前記第1の管路及び前記第2の管路のそれぞれの内周面であって前記接合部に、経時的に硬化する樹脂組成物を前記第1の管路及び前記第2の管路の両方に跨るように噴射し、該樹脂組成物の硬化により前記接合部の内周面に、前記第2の管路の前記第1の管路近傍の内周面を被覆する筒状部と、前記第1の管路の前記第2の管路近傍の内周面を被覆する鍔状部とからなる止水層を形成する止水層形成工程と、
前記止水層形成工程の後に、前記第1の管路及び/又は前記第2の管路の内周面に更生管を設置し、該更生管により前記止水層の内面を被覆する更生管設置工程と、を含み、
前記樹脂組成物は、第1液及び第2液を混合することで生成され、前記第1液及び前記第2液は、前記樹脂組成物を噴射する直前に噴射装置のノズル部で混合され、混合により硬化が開始することを特徴とする。
この構成によれば、接合部の内周面に、前記第1の管路及び前記第2の管路の両方に跨るように樹脂組成物を噴射し、この樹脂組成物が経時的に硬化することにより、接合部の内周面の第1の管路側には筒状部が、第2の管路側には鍔状部が形成される。すなわち、第1の管路及び第2の管路の形状に沿った止水層が形成されるので、管路内で、第1の管路及び第2の管路の管径や形状に対応した止水生の高い止水層を容易に形成することができ、汎用性及び施工性に優れている。
この構成によれば、更生管により、止水層の密着性を高めて接合部の止水性を向上させることができる。また、更生管によって止水層の第1及び第2管路に対する安定性が向上し、止水層が管路の内面から剥がれ落ちるのを防止することができる。さらに、止水層の形成領域と非形成領域との境界部が更生管により被覆されるので、この境界部から地下水等が浸入するのを的確に防止することができる。
また、請求項に記載の発明は、請求項1に記載の止水工法において、
前記樹脂組成物は、ポリウレア形成用樹脂組成物又はポリウレタン形成用樹脂組成物であることを特徴とする
この構成によれば、ポリウレア及びポリウレタンは、止水性に優れ、さらに、耐摩耗性や耐酸性・耐アルカリ性に優れているので、固形物が多く流れる管や化学排水を流す管路に有用な止水層を形成することができる。
また、請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の止水工法において、
前記第1の管路は、下水道本管であり、
前記第2の管路は、地上側の桝と前記下水道本管とを連結する取付管、又はマンホールであることを特徴とする。
この構成によれば、下水道本管と、取付管又はマンホールとの接合部において、止水性の高い止水層を容易に形成することができる。
本発明の止水工法によれば、第1の管路及び第2の管路の管径や接続部分の形状に関わらず、多様な形状に合致した密着性の高い止水層を容易に形成することができるので、汎用性及び施工性に優れている。また、止水層により、接合部及びその近傍に生じる漏水を的確に防止することができる。
本発明の第1の実施の形態である止水構造を有する下水管路を模式的に示す断面図。 図1の要部拡大図であって、下水道本管と取付管との接合部の止水構造を示す図。 止水層の斜視図。 止水層の形成工程を説明する図。 図4の要部拡大図。 下水道本管用更生管の設置工程を説明する図。 下水道本管用更生管を設置した状態における下水道本管と取付管との接続部を示す要部拡大図。 本発明の第2の実施の形態である止水構造を有する下水管路を模式的に示す断面図。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態である止水構造10を有する下水管路を模式的に示す断面図である。なお、本発明の説明に用いる図は、要部を強調して示しており、実際の寸法比を示すものではない。本実施の形態において、止水構造10は、第1の管路である下水道本管20と、下水道本管20から分岐する第2の管路である取付管30との接合部に適用され、既設された下水道本管20及び取付管30のそれぞれをライニング材により補修する際に、接合部となる下水道本管20と取付管30との端部の止水性を確保するために適用される。
図示のように、下水道本管20は、地中に埋設された2つのマンホール50−1,50−2の間に、これらを連通するように配設される。取付管30は、下水道本管20と地上側に設置された桝38とを連結し、桝38内の下水を下水道本管20内へ流出する管であり、取付管30の一端部は下水道本管20の周面に接合されている。マンホール50−1,50−2、下水道本管20及び取付管30は、それぞれ、断面が略円形の管路であり、取付管30の内径は、下水道本管20の内径よりも小さい。
図2は、下水道本管20と取付管30との接合部の止水構造10を示す断面図である。止水構造10は、下水道本管20及び取付管30の内周面側に形成された止水層40を有する。
図3は止水層40の斜視図である。止水層40は、取付管30の下水道本管20近傍の内周面を被覆する略円筒形状の筒状部42と、下水道本管20の取付管30近傍の内周面を被覆する鍔状部44とを有する。鍔状部44は、筒状部42の一端から放射状に広がり、下水道本管20の内面形状に沿うように湾曲した曲面形状を有する。筒状部42及び鍔状部44は、ほぼ均一な厚さに形成されており、その厚さは、約0.5〜5mm、より好ましくは約1〜2mmである。
筒状部42の軸方向の最短長さH及び鍔状部44の内縁部から外縁部までの最短長さLは、それぞれ、補修対象の管の大きさに応じて適宜選択することができるが、少なくとも約5cmあることが有利である。筒状部42の軸方向の長さH及び鍔状部44の長さLは、例えば、それぞれ約5〜30cmであり、15cm以上あることがより好ましい。
止水層40は、経時的に硬化する樹脂組成物の硬化物により形成される。このような樹脂組成物としては、例えば、ポリウレア形成用樹脂組成物やポリウレタン形成用樹脂組成物を用いることができる。ポリウレア及びポリウレタンは、耐酸性、耐アルカリ性、耐化学薬品性、耐摩耗性に優れており、特に、ポリウレアは、硬化時間が早く、耐薬品性に優れていることから好適である。本実施の形態では、止水層40が硬化物であるポリウレアによって形成されている。
止水構造10は、さらに、止水層40の内面側に形成された被覆層を有する。被覆層は、鍔状部44を覆う下水道本管用更生管(第1の管路における更生管)25と、筒状部42を覆う取付管用更生管(第2の管路における更生管)35とにより形成されている。
下水道本管用更生管25及び取付管用更生管35は、それぞれ、ライニング材により形成される。ライニング材は、既設管の更生、ここでは下水道本管20及び取付管30の更生に使用される。このようなライニング材は、従来から使用されているもの、例えば、繊維基材(例として、ガラス繊維マットやフェルトなどの不織布)に硬化性樹脂組成物を含浸した管状物と、必要に応じてその管状物の内面及び外面を保護するインナーフィルム及びアウターフィルムを有するものを用いることができる。
インナーフィルム及びアウターフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができる。ライニング材を構成する硬化性樹脂組成物が光硬化性樹脂組成物の場合には、インナーフィルムは照射する光に対して透過性を有するものを用いる。インナーフィルムはライニング材を硬化した後に剥離される。
下水道本管用更生管25は、2つのマンホール50−1,50−2の間に配設された下水道本管20の内周面の全域に亘って配設される。また、取付管用更生管35は、下水道本管20と桝38との間に配設された取付管30の内周面の全域に亘って配設される。
次に、上述した止水構造10を有する管路の施工方法について説明する。
図4は、止水層40を形成する工程を説明する図である。なお、作業時には下水道本管にパッカー78−1,78−2が配置されて下水の流れが堰き止められる。図示のように、まず、一方のマンホール50−1から下水道本管20内に噴射装置60を導入し、下水道本管20と取付管30との接合部付近に配置する。
図5に示すように、噴射装置60は、車輪61により移動可能に構成された本体部62と、本体部62に支持されたロッド状の軸部64と、軸部64の先端に設けられたノズル部66とを備える。軸部64は、軸周りに回転可能に支持されている。噴射装置60には、ホース・ケーブル集合体74を介して地上に配置された供給装置70が接続されている。供給装置70には、プライマーを収容している容器71と、止水層40を形成する樹脂組成物の成分である第1液及び第2液を個別に収容している容器72A及び72Bと、気体を圧送するコンプレッサ73とが接続されている。本実施の形態において容器72Aに収容された第1液はポリアミン成分であり、容器72Bに収容された第2液はポリイソシアネート成分である。
次に、噴射装置60から、下水道本管20及び取付管30の接合部の内周面に、下水道本管20及び取付管30の両方に跨るようにプライマーを噴射してプライマー処理を施す(プライマー処理工程)。プライマーは、供給装置40により圧縮空気とともにホース・ケーブル集合体74を介して噴射装置60に送られ、噴射装置60に設けられたノズル部66から噴射される。プライマーとしては、例えば、エポキシ樹脂などを用いることができる。このようなプライマーの塗布は、止水層40となる樹脂組成物の接着性を向上させるために必要に応じて下水道本管20及び取付管30の内周面に対して行われる。
プライマー処理を施した後、その上に噴射装置60から経時的に硬化する樹脂組成物を噴射し、この樹脂組成物を硬化させて止水層40を形成する(止水層形成工程)。この樹脂組成物は、容器72A及び72Bに収容された第1液と第2液とを混合することで生成される。本実施の形態では、供給装置70からホース・ケーブル集合体74を介して圧縮空気とともに第1液及び第2液が個別に噴射装置60に送られ、噴射の直前にノズル部66で2つの液が混合される。第1液及び第2液は、噴射によってさらに混合が促進される。下水道本管20及び取付管30の接合部の内周面に、下水道本管20及び取付管30の両方に跨って塗布された樹脂組成物は、時間の経過により硬化し、止水層40を形成する。
なお、本実施の形態において、ノズル部66に設けられた噴射口66aは、図示していない角度調節機構により、噴射角度が調節可能に構成されている。本実施の形態では、図5に示すように、軸部64の軸方向C(ここでは下水道本管20の軸方向と同じ)に対する噴射口66aの角度α(軸心Cと噴射口66aの中心から放出される樹脂組成物の噴射方向との角度)が調整可能となっている。なお、角度αの範囲は、例えば0°<α<180°など、使用状況等に合わせて適宜設定することができる。このように、噴射角度を調節可能とすることで、噴射口66aから噴射された止水層40を形成する樹脂組成物が、下水道本管20や取付管30の内周面に到達するまでの距離を調節し、噴射中に第1液及び第2液が混合する時間を調節したり、樹脂組成物が内周面に到達する前に硬化することを防止したりすることが可能となるまた、プライマーや止水層40の厚さを均一にすることができる。
止水層40が形成された後、下水道本管20の内周面に下水道本管用更生管25を設置する(第1の管路用更生管設置工程)。図6に示すように、本管用更生管設置工程では、まず、下水道本管20内に管状の下水道本管用ライニング材26を導入する。次に、下水道本管用ライニング材26の両端を閉塞部材82−1,82−2で閉塞して閉塞空間85を形成し、地上に配置された作業装置81からホース84を介して閉塞空間79内に圧縮空気を導入する。これにより、下水道本管用ライニング材26を拡径して、その外周面を下水道本管20の内周面及び止水層40の鍔状部44の内面に接触させる。
その後、下水道本管用ライニング材26に対し、ランプ連結体86により内側から光を照射し、下水道本管用ライニング材26に含まれる硬化性樹脂組成物が硬化させる。なお、ランプ連結体86はケーブル87で牽引することで、下水道本管用ライニング材26内を移動可能となっている。これにより、下水道本管用ライニング材26が全域に亘って硬化する。
その後、ランプ連結体86を撤去し、硬化した下水道本管用ライニング材26の両端部の管口処理を行う。また、図7に示すように、下水道本管20と取付管30との接合部において、硬化した下水道本管用ライニング材26を管路の開口形状に合わせて切除する。なお、接合部における下水道本管用ライニング材26の切除は従来から行われている方法、例えば、移動可能な切断機を硬化した下水道本管用ライニング材26の内側に配置し、接続部まで移動させた後、切断機のカッターで硬化後の下水道本管用ライニング材26を円状に切り取ることにより行うことができる。これにより、下水道本管20の内側に下水道本管用更生管25が設置される。
なお、下水道本管用更生管25の設置工程では、下水道本管用ライニング材26の一端側から他端側へ空気流が形成されるように、作業装置81からホース84を介して閉塞空間85内に供給された空気を、ホース88を介して地上の作業装置89から外部へ排出している。これにより、可燃性物質の排出が行われる。
次に、取付管30の内周面に取付管用更生管35を設置する(第2の管路用更生管設置工程)。この設置作業は、従来から行われている方法により行うことができる。例えば、まず、取付管用更生管35を形成する取付管用ライニング材を折り畳まれた状態で取付管30内に導入する。次に、取付管用ライニング材の内部に空気等の気体を流入し、管状の取付管用ライニング材の外周面を取付管30の内周面に密着させる。なお、取付管用ライニング材は、取付管30の下水道本管20側の端部において、止水層40の筒状部42の内面を覆った状態となる。この状態で、光により取付管用ライニング材を硬化させる。その後、硬化した取付管用ライニング材の両端部において管口処理を行う。なお、取付管用更生管35の厚さは、補修対象となる取付管30の管径等に応じて適宜選択される。これにより、図1及び図2に示す取付管用更生管35が設置された管路が形成される。
なお、上述の方法では、下水道本管用ライニング材26及び取付管用ライニング材として、光で硬化する光硬化性樹脂組成物を含浸したものを示したが、熱で硬化する熱硬化性樹脂組成物を含浸したものでもよい。光硬化性樹脂組成物の場合はアゾ化合物等の光重合開始剤が配合され、熱硬化性樹脂組成物の場合は熱に反応する有機過酸化物が配合される。いずれの硬化性樹脂組成物でも、ビニルエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等の重合性樹脂をスチレン等の溶媒に溶かしたものを使用することができる。熱硬化性樹脂組成物を使用した場合には、硬化作業は光照射ではなく、ライニング材を加熱することにより行われる。
上述の施工方法により形成された止水構造10を有する管路では、下水道本管20と取付管30との接合部及びその近傍において、下水道本管用更生管25及び取付管用更生管35のそれぞれが、止水層40を介して下水道本管20及び取付管30のそれぞれと密着した状態で設置される。また、図示のように、止水層40の下水道本管20側の境界部44aは、下水道本管用更生管25により覆われており、止水層40の取付管30側の境界部42aは取付管用更生管35により覆われている。
上述の施工方法では、止水層40の形成方法として、液状の樹脂組成物を噴射して管路の接合部及びその近傍の内周面に塗布し、この樹脂組成物を硬化させているので、下水道本管20及び取付管30の形状に関わらず、施工現場において、下水道本管20及び取付管30の内部形状に適した形状を有する、密着性の高い止水層40を容易に形成することができる。また、この樹脂組成物として、第1液及び第2液を混合することにより硬化が始まる2液混合型の樹脂組成物を用いており、その硬化速度が比較的速いため、止水層40の施工時に管路内の気温や湿度等の外的要因による影響を受けにくく、止水層40における所定の物性を確保することが可能である。
また、止水層40の筒状部42と鍔上部44とは継目なく一連に形成されるので、接合部における止水効果が高いものとなる。さらに、本実施の形態のように接合部及びその周辺部位にのみ止水層40を形成することで、管路全体の内径を狭めることなく、必要な個所に適切な漏水防止処理を施すことができ、施工時間の短縮やコストの低減を図ることができる。
また、止水層40の内面側に下水道本管用更生管25及び取付管用更生管35を設置しているので、止水層40の下水道本管20及び取付管30の内面に対する取付け安定性が向上し、止水層40が下水道本管20及び取付管30の内面から剥がれて落下することが防止される。例えば、下水道本管20及び取付管30の接合部における土被りが浅く、接合部が地表面に対して比較的近い位置にある場合、地表を走行する車両等の影響により接合部の周辺の地盤が変形し、接合部には地盤変形による動的荷重が作用する。止水層40の取付け安定性が低い場合、この荷重の影響により、止水層40が管路内に落下するおそれがあるが、下水道本管20及び取付管30の少なくとも一方の管路に更生管を設けて止水層40を内面側から覆うことで、止水層40が安定的に固定され落下が防止される。
また、止水層40をポリウレアによって形成することで、ポリウレタンのものに比べて施工性を向上させることができる。具体的に説明すると、ポリウレタン形成用樹脂組成物は硬化する際に湿度の影響を受けやすいため、下水道本管20及び取付管30の内面を十分に乾燥させてから噴射して硬化させる必要があるが、ポリウレア形成用樹脂組成物は湿度の影響を受け難いため、管路の内面が湿潤状態であっても適用することが可能である。下水管路の補修作業時には、周辺地盤からの滲水等により管路内に水滴が付着していることがあるため、ポリウレア形成用樹脂組成物を用いることが特に好ましい。
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態の止水構造10を有する下水管路を模式的に示す断面図である。なお、図8において、第1の実施の形態と対応する部位には同一符号を付している。以下に説明する第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成については詳細な説明を省略する。
本実施の形態の止水構造10は、下水管路において、地中に埋設されたマンホール(第2の管路)50と、マンホール50から分岐する、マンホール50よりも内径が小さい下水道本管(第1の管路)20−1及び20−2のそれぞれと接合部に適用される。下水道本管20−1,20−2の一端部はマンホール50の周面に接合されており、マンホール50と下水道本管20−1との接合部の内周面に、マンホール50と下水道本管20−1の両方に跨る止水層40−1が形成され、マンホール50と下水道本管20−2との接合部の内周面に、マンホール50と下水道本管20−2の両方に跨る止水層40−2が形成されている。
止水層40−1,40−2は、経時的に硬化する樹脂組成物(例えば、ポリウレア形成用樹脂組成物やポリウレタン形成用樹脂組成物)の硬化物により形成されており、下水道本管20−1,20−2のマンホール50近傍の内周面を被覆する略円筒状の筒状部42と、マンホール50の下水道本管20近傍の内周面を被覆する鍔状部44とを有する。鍔状部44は、筒状部42の一端から放射状に広がり、マンホール50の内面形状に沿うように湾曲した曲面形状を有する。筒状部42及び鍔状部44の厚さや長さは、第1の実施の形態と同様に、管路の形状に応じて適宜選択することができる。なお、鍔状部44の下端は、マンホール50の底部まで延在していることが好ましい。
止水構造10は、さらに、止水層40−1,40−2の内面側に形成された被覆層を有する。被覆層は、止水層40−1,40−2のそれぞれの筒状部42を覆う下水道本管用更生管(第1の管路における更生管)25−1,25−2のそれぞれと、止水層40−1,40−2のそれぞれの鍔状部42を覆うマンホール用更生管(第2の管路用更生管)55とにより形成されている。下水道本管用更生管25−1,25−2は、下水道本管20−1,20−2の内周面の全域を覆っており、マンホール用更生管55は、底部51を含むマンホール50の内周面の全域を覆う。各更生管25−1,25−2,55を形成するライニング材は、従来から使用されているものを用いることができる。
このような止水構造10は、以下の方法によって形成される。なお、以下の説明では、一方の下水道本管20−1とマンホール50との接続部における止水構造10の施工方法について説明しているが、他方の下水道本管20−2とマンホール50との接続部における施工方法もこれと同様である。
まず、マンホール50内に噴射装置60を導入し、下水道本管20−1との接合部付近に配置する。次に、噴射装置60のノズル部66からプライマーを噴射して、マンホール50と下水道本管20−1の接合部の内周面にマンホール50と下水道本管20−1の両方に跨ってプライマーを塗布する(プライマー処理工程)。
その後、プライマー処理を施した管路の内周面に対して、ノズル部66から止水層40−1を形成する樹脂組成物を噴射して塗布し、この樹脂組成物を硬化させる(止水層形成工程)。なお、プライマー及び樹脂組成物は、第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。すなわち、止水層40−1を形成する樹脂組成物は、第1液及び第2液を噴射直前に混合したものであって、噴射により混合が促進される。
止水層40−1が形成された後、下水道本管20−1の内周面に下水道本管用更生管25−1を設置する(第1の管路用更生管設置工程)。下水道本管用更生管25−1の設置工程は、第1の実施の形態と同様で方法で行うことができる。
次に、マンホール50にマンホール用更生管55を設置する(第2の管路用更生管設置工程)。この設置作業は、従来から行われている方法により行うことができる。例えば、まず、マンホール用ライニング材をマンホール50内に導入し、その内部に空気等の流体を流入して流体の圧力により有底管状のマンホール用ライニング材の対周面をマンホール50の内周面に密着させる。下水道本管20−1との接合部近傍では、マンホール用ライニング材が止水層40−1の鍔状部44の内面を覆った状態となる。この状態で、光によりマンホール用ライニング材を硬化させる。その後、下水道本管20−1との接合部において、硬化したマンホール用ライニング材(つまり、マンホール用更生管55)の管口処理を行う。
上述の実施の形態では、止水層40−1,40−2を設けることにより、マンホール50と下水道本管20−1,20−2の接合部及びその近傍における止水性を高めて、地下水等の漏水を防止することができる。また、止水層40−1,40−2は、液状の樹脂組成物を管路の内面に塗布し、これを硬化させることにより形成されるため、マンホール50及び下水道本管20−1,20−2の様々な管路形状に適した止水層40−1,40−2を容易に形成することができる。さらに、マンホール用更生管55及び下水道本管用更生管25−1,25−2によって、止水層40−1,40−2の内側にこれを被覆する被覆層が形成されるため、止水効果が高いものとなる。
なお、本発明は上述した第1及び第2の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1の実施の形態において、取付管用更生管35を設置した後に下水道本管用更生管25を設置してもよく、第2の実施の形態において、マンホール用更生管55を設置した後に下水道本管用更生管25を設置してもよい。
また、止水構造が適用される管路は、下水を流す管路に限られず、例えば、農業用水路管、工業用水路管等と、これに連結される管路との接合部に適用することができる。さらに、本発明にかかる止水層は、更生管の設置の際に設けられるものに限られず、新規に管路を形成する際(すなわち、更生管が設置されない管路)に形成してもよい。
10 止水構造
20 下水道本管(第1の管路)
25 下水道本管用更生管
30 取付管(第2の管路)
35 取付管用更生管
38 桝
40 止水層
42 筒状部
44 鍔状部
50 マンホール(第2の管路)
55 マンホール用更生管

Claims (4)

  1. 地中に埋設された第1の管路と、該第1の管路から分岐する第2の管路との接合部に止水処理を施す止水工法であって、
    前記第1の管路及び前記第2の管路のそれぞれの内周面であって前記接合部に、経時的に硬化する樹脂組成物を前記第1の管路及び前記第2の管路の両方に跨るように噴射し、該樹脂組成物の硬化により前記接合部の内周面に、前記第2の管路の前記第1の管路近傍の内周面を被覆する筒状部と、前記第1の管路の前記第2の管路近傍の内周面を被覆する鍔状部とからなる止水層を形成する止水層形成工程と、
    前記止水層形成工程の後に、前記第1の管路及び/又は前記第2の管路の内周面に更生管を設置し、該更生管により前記止水層の内面を被覆する更生管設置工程と、を含み、
    前記樹脂組成物は、第1液及び第2液を混合することで生成され、前記第1液及び前記第2液は、前記樹脂組成物を噴射する直前に噴射装置のノズル部で混合され、混合により硬化が開始することを特徴とする止水工法。
  2. 前記樹脂組成物は、ポリウレア形成用樹脂組成物又はポリウレタン形成用樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の止水工法。
  3. 前記第1の管路は、下水道本管であり、
    前記第2の管路は、地上側の桝と前記下水道本管とを連結する取付管、又はマンホールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の止水工法。
  4. 前記止水層形成工程の前に、前記第1の管路及び前記第2の管路のそれぞれの内周面であって前記接合部に、前記第1の管路及び前記第2の管路の両方に跨るように、前記樹脂組成物の接着性を向上させるプライマーを噴射するプライマー処理工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の止水工法。
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