JP6866112B2 - 現像剤担持体及び現像装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真画像形成装置に用いられる現像剤担持体及び該現像剤担持体を有する現像装置に関する。
電子写真装置で使用される現像剤担持体は、現像剤のチャージアップによる現像剤担持体への現像剤固着防止、現像剤のチャージアップに伴う現像剤担持体の表面から現像剤への摩擦帯電付与不良防止の観点から、例えば、1×10Ω・cm以下の低体積抵抗領域で用いられている。特許文献1は、導電性の軸芯体と、該軸芯体上に形成された、特定のカチオン構造を有する樹脂とアニオンとを含む導電層を備えた電子写真用部材を開示している。
特開2015−232705号公報
本発明者らは、特許文献1に係る電子写真用部材について更に検討を重ねたところ、軸芯体と、導電層との密着性が不十分である場合があった。
そこで、本発明の一態様は、基体と導電層との密着性が向上してなる現像剤担持体を提供することに向けたものである。
本発明の一態様によれば、導電性の基体と、該基体に接触している導電性の樹脂層とを有する現像剤担持体であって、
該樹脂層は電子導電剤と、分子内に下記式(1)〜(7)で示される構造からなる群から選ばれる少なくとも1つの部分構造を有する樹脂と、アニオンと、を含んでいる現像剤担持体が提供される。
Figure 0006866112
式(1)〜(7)中、
101、R201とR202、R301からR303、401からR404、R501とR502、R601からR603、R701からR704は、それぞれ独立にOH、CHOH、COH、COOHを示し、
102、R203とR204、R304からR306、R405からR408、R503からR505、R604からR607、R705からR710は、それぞれ独立にC2m(mは、2〜16の整数)または、(CO)(lは、1〜8の整数)を示し、
307は炭素数1から18のアルキル基を示し、
501、X701、X702は、それぞれ独立に窒素原子またはメチン基を示し、
601は、窒素カチオンまたは炭素原子を示し、
101、A501およびA601は、それぞれ独立に下記構造式(a)〜(d)のいずれかを示し、E201およびE701は、それぞれ独立に下記構造式(e)または(f)を示す:
Figure 0006866112
式(a)〜(f)中、R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を示し、n1およびn2は、各々独立に、1または2を示し、YとYはメチレン基または酸素原子を表す。
また本発明の他の態様によれば、導電性の基体と、該基体に接触している樹脂層とを有する現像剤担持体であって、該樹脂層は、電子導電剤と、下記式(I1)〜(I7)で示される構造からなる群から選ばれる1つのカチオン構造とアニオンを有するイオン導電剤の少なくとも1種と、該イオン導電剤の1級または2級アミノ基と反応可能な官能基を有する化合物との反応物からなる樹脂とを含有する現像剤担持体が提供される。
Figure 0006866112
式(I1)〜(I7)中、
101、R201とR202、R301からR303、R401からR404、R501とR502、R601からR603、R701からR704は、それぞれ独立にOH、CHOH、COH、COOHを示し、
102、R203とR204、R304からR306、R405からR408、R503からR505、R604からR607、R705からR710は、それぞれ独立にC2m(mは、2〜16の整数)または、(CO)(lは、1〜8の整数)を示し、
307は炭素数1〜18のアルキル基を示し、
501、X701、X702は、それぞれ独立に窒素原子またはメチン基を示し、
601は、窒素カチオンまたは炭素原子を示し、
101、A501、A601は、それぞれ独立に下記構造式(a)〜(d)のいずれかを示し、
201、E701は、それぞれ独立に下記構造式(e)または(f)を示す:
Figure 0006866112
式(a)〜(f)中、R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を示し、n1とn2は、各々独立に、1または2を示し、YとYはメチレン基または酸素原子を表す。
また本発明のさらに他の態様によれば、現像剤と、前記現像剤を収容するための容器と、該容器に収容された現像剤を担持搬送するための現像剤担持体を有している現像装置であって、該現像剤担持体が上記に記載の現像剤担持体であることを特徴とする現像装置が提供される。
本発明の一態様によれば、基体と樹脂層の密着性に優れた現像剤担持体を得ることができる。
また本発明の一態様によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成することのできる現像装置を得ることができる。
本発明に係る現像剤担持体の一例を示す概略断面図である。 本発明の現像剤担持体を用いた現像装置の一例を示した模式図である。 本発明の現像剤担持体を用いた現像装置の他の一例を示した模式図である。
本発明者らは、導電性の樹脂層に含まれる樹脂として、4級アンモニウム塩構造を有する樹脂を用いる際、4級アンモニウム塩構造中の窒素原子に特定の官能基を導入することによって、導電性の樹脂層と基体との密着性を向上させ得ることを見出した。
その理由を本発明者らは以下のように推測している。すなわち、アルミ素管など表面処理されていない基体の表面には、OHやHなどの表面官能基が存在している。その表面官能基と、樹脂層中の特定の官能基との間で水素結合が形成されるため、密着性が向上しているものと考えられる。この水素結合を強固にし、樹脂層と基体との密着性をより強くするためには、電気陰性度の高い元素と水素間の水素結合にする必要がある。
電気陰性度の高いアミノ窒素に結合する元素が水素原子である樹脂、および、アミノ窒素に結合する官能基が、−OH、−CHOH、−CHCHOH、−COOHである各樹脂の各々を含む樹脂層のアルミ素管に対する密着性について検討した。その結果、密着性は、アミノ窒素に水素原子が結合した樹脂を含む樹脂層が相対的に低く、その他の樹脂層の密着性はほぼ同程度であった。
すなわち、アミノ窒素に結合する元素が全てHである樹脂を含む樹脂層に比較して、アミノ窒素に結合した官能基の少なくとも一つが−OH、−CHOH、−CHCHOHおよび−COOHからなる群から選択される何れかである樹脂を含む樹脂層は、基体との、密着性は向上する。そして、アミノ窒素に結合する、上記群から選択される何れかの官能基の数が増えるに従って、密着性はより一層向上する。すなわち、アミノ窒素に結合した官能基が全て上記群から選択される何れかの官能基である場合、基体に対する密着性は特に優れたものとなる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1に、本発明の現像剤担持体の一例を示す概略断面図を示す。本発明に係る現像剤担持体1は、図1に示すように、導電性の基体3と、その外周に設けられた樹脂層2とからなることができる。樹脂層2は、本発明に係る樹脂を含む樹脂層である。また、樹脂層は2層以上配置した多層構成であってもよい。この場合、基体に接触している層が本発明に係る樹脂を含む層であれば、その他の層は本発明以外の導電性を有する樹脂層を用いてもよい。
<導電性の基体>
導電性の基体としては、現像剤担持体の分野で公知の基体を用いることができ、その形状は、中空円筒状、中実円柱状及びベルト形状等から適宜選択できる。本発明は基体と樹脂層の官能基による相互作用により密着性を向上させているため、基体としては金属を含む材料が好ましく、表面に酸化被膜(不動態)を形成しやすいアルミニウム、鉄等の金属素管や金属棒がより好ましい。
<樹脂層>
本発明に係る樹脂層を構成する樹脂について説明する。本発明に係る樹脂は、分子内に下記式(1)〜(7)で示される構造からなる群から選ばれる少なくとも1つの部分構造を有している。
(式1)
本発明に係る樹脂が含有する式(1)の構造を以下に示す。
Figure 0006866112
式(1)中、R101は、水素原子、OH、CHOH、COH、COOHを示し、
102は、C2m(mは、2〜16の整数)または、(CO)(lは、1〜8の整数)を示し、A101は下記構造式(a)〜(d)のいずれかを示す。
Figure 0006866112
ここで、R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を示し、
n1は1または2を示し、Yはメチレン基または酸素原子を示す。
式(1)で示される部分構造を有する樹脂を得るためには、原料としてのバインダー樹脂を、式(1)で示される部分構造を有するイオン導電剤と反応させて、4級アンモニウム塩構造が導入された樹脂を得ることが重要となる。ここで、バインダー樹脂と反応させる原料としてのイオン導電剤における反応部位は窒素原子である。そのため、R101は立体障害を抑え、イオン導電剤と原料としてのバインダー樹脂との反応性を阻害せず、かつ基体との密着性を向上させるため、水素原子、OH、CHOH、COH、COOHから選択される。さらに、OH、CHOH、COH、COOHは基体の表面官能基との相互作用が強くなるため、好ましい。またR102に関しても、原料としてのバインダー樹脂とイオン導電剤との反応性と導電性の観点から、炭素数2〜16のアルキレン鎖〔C2m(mは、2〜16の整数)〕または、繰り返し単位が1〜8までのエチレンオキサイド鎖〔(CO)(lは、1〜8の整数)〕から選択される。この範囲であれば、原料としてのバインダー樹脂へのイオン導電剤の反応性を阻害することなく、また導電性に関しても十分得られる。
またA101で示される4級アンモニウムカチオン構造として、式(a)〜(d)のいずれかの構造であり、R〜Rがそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基で、n1が1あるいは2、Yがメチレン基または酸素原子であれば、バインダー樹脂との反応を阻害することがなく、高導電性、かつバインダー樹脂との相溶性が得られる。A101で示される4級アンモニウムカチオン構造は、樹脂が複数の式(1)で示される部分構造を有する場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
(式2)
本発明に係る樹脂が含有する式(2)の構造を以下に示す。
Figure 0006866112
式(2)中、R201とR202はそれぞれ独立に水素原子、OH、CHOH、COH、COOHを示し、R203とR204はそれぞれ独立にC2m(mは、2〜16の整数)または、(CO)(lは、1〜8の整数)を示し、E201は下記構造式(e)または(f)を示す。
Figure 0006866112
ここで、RとRはそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を示す。
n2は1または2を示し、Yはメチレン基または酸素原子を表す。
式(2)で示される部分構造を有する樹脂を得るためには、原料としてのバインダー樹脂を、式(2)で示される部分構造を有するイオン導電剤と反応させて、4級アンモニウム塩構造が導入された樹脂を得ることが重要となる。ここで、バインダー樹脂と反応させる原料としてのイオン導電剤における反応部位は式(1)と同様に窒素原子である。そのため、R201とR202は立体障害を抑え、イオン導電剤と原料としてのバインダー樹脂との反応性を阻害せず、かつ基体との密着性を向上させるため、水素原子、OH、CHOH、COH、COOHから選択される。さらに、OH、CHOH、COH、COOHは基体の表面官能基との相互作用が強くなるため、より好ましい。またR203とR204に関しても、原料としてのバインダー樹脂とイオン導電剤との反応性と導電性の観点から、炭素数2〜16のアルキレン鎖または、繰り返し単位が1〜8までのエチレンオキサイド鎖から選択される。この範囲であれば、原料としてのバインダー樹脂へのイオン導電剤の反応性を阻害することなく、また導電性に関しても十分得られる。
またE201で示される4級アンモニウムカチオン構造として、式(e)または(f)の構造であり、RとRがそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基で、n2が1あるいは2であり、Yがメチレン基または酸素原子であれば、バインダー樹脂との反応を阻害することがなく、高導電性、かつバインダー樹脂との相溶性が得られる。E201で示される4級アンモニウムカチオン構造は、樹脂が複数の式(2)で示される部分構造を有する場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
(式3)
本発明に係る樹脂が含有する式(3)の構造を以下に示す。
Figure 0006866112
式(3)中、R301からR303はそれぞれ独立に水素原子、OH、CHOH、COH、COOHを示し、R304からR306はそれぞれ独立にC2m(mは、2〜16の整数)または、(CO)(lは、1〜8の整数)、R307は炭素数1〜18のアルキル基を示す。
式(3)で示される部分構造を有する樹脂を得るためには、原料としてのバインダー樹脂を、式(3)で示される部分構造を有するイオン導電剤と反応させて、4級アンモニウム塩構造が導入された樹脂を得ることが重要となる。ここで、バインダー樹脂と反応させる原料としてのイオン導電剤における反応部位は式(1)と同様に窒素原子である。そのため、R301からR303は立体障害を抑え、イオン導電剤と原料としてのバインダー樹脂との反応性を阻害せず、かつ基体との密着性を向上させるため、水素原子、OH、CHOH、COH、COOHから選択される。さらに、OH、CHOH、COH、COOHは基体の表面官能基との相互作用が強くなるため、好ましい。またR304からR306に関しても、原料としてのバインダー樹脂とイオン導電剤との反応性と導電性の観点から、炭素数2〜16のアルキレン鎖または、繰り返し単位が1〜8までのエチレンオキサイド鎖から選択される。この範囲であれば、原料としてのバインダー樹脂へのイオン導電剤の反応性を阻害することなく、また導電性に関しても十分得られる。またR307が、バインダー樹脂とイオン導電剤との反応性と導電性の観点から、炭素数1〜18のアルキル基から選択される。
(式4)
本発明に係る樹脂が含有する式(4)の構造を以下に示す。
Figure 0006866112
式(4)中、R401からR404はそれぞれ独立に水素原子、OH、CHOH、COH、COOHを示し、R405からR408はそれぞれ独立にC2m(mは、2〜16の整数)または、(CO)(lは、1〜8の整数)を示す。
式(4)で示される部分構造を有する樹脂を得るためには、原料としてのバインダー樹脂を、式(4)で示される部分構造を有するイオン導電剤と反応させて、4級アンモニウム塩構造が導入された樹脂を得ることが重要となる。ここで、バインダー樹脂と反応させる原料としてのイオン導電剤における反応部位は式(1)と同様に窒素原子である。そのため、R401からR404は立体障害を抑え、イオン導電剤と原料としてのバインダー樹脂との反応性を阻害せず、かつ基体との密着性を向上させるため、水素原子、OH、CHOH、COH、COOHから選択される。さらに、OH、CHOH、COH、COOHは基体の表面官能基との相互作用が強くなるため、好ましい。またR405からR408に関しても、原料としてのバインダー樹脂とイオン導電剤との反応性と導電性の観点から、炭素数2〜16のアルキレン鎖または、繰り返し単位が1〜8までのエチレンオキサイド鎖から選択される。この範囲であれば、原料としてのバインダー樹脂へのイオン導電剤の反応性を阻害することなく、また導電性に関しても十分得られる。
(式5)
本発明に係る樹脂が含有する式(5)の構造を以下に示す。
Figure 0006866112
式(5)中、R501とR502は、それぞれ独立に水素原子、OH、CHOH、COH、COOHを示し、R503からR505はそれぞれ独立にC2m(mは、2〜16の整数)または、(CO)(lは、1〜8の整数)を示し、X501は窒素原子またはメチン基を示し、A501は前記構造式(a)〜(d)のいずれかを示す。
式(5)で示される部分構造を有する樹脂を得るためには、原料としてのバインダー樹脂を、式(5)で示される部分構造イオン導電剤と反応させて、4級アンモニウム塩構造が導入された樹脂を得ることが重要となる。ここで、バインダー樹脂と反応させる原料としてのイオン導電剤における反応部位は式(1)と同様に窒素原子である。そのため、R501とR502は立体障害を抑え、イオン導電剤と原料としてのバインダー樹脂との反応性を阻害せず、かつ基体との密着性を向上させるため、水素原子、OH、CHOH、COH、COOHから選択される。さらに、OH、CHOH、COH、COOHは基体の表面官能基との相互作用が強くなるため、好ましい。またR503からR505に関しても、原料としてのバインダー樹脂とイオン導電剤との反応性と導電性の観点から、炭素数2〜16のアルキレン鎖または、繰り返し単位が1〜8までのエチレンオキサイド鎖から選択される。この範囲であれば、原料としてのバインダー樹脂へのイオン導電剤の反応性を阻害することなく、また導電性に関しても十分得られる。X501は窒素原子またはメチン基であることで合成が容易である。
またA501で示される4級アンモニウムカチオン構造が、前記構造式(a)〜(d)のいずれかであるため、バインダー樹脂との反応を阻害することがなく、高導電性、かつバインダー樹脂との相溶性が得られる。
(式6)
本発明に係る樹脂が含有する式(6)の構造を以下に示す。
Figure 0006866112
式(6)中、R601からR603は、独立して水素原子、OH、CHOH、COH、COOHを示し、R604からR607はそれぞれ独立にC2m(mは1〜16の整数)または、(CO)(lは、1〜8の整数)を示し、X601は窒素カチオンまたは炭素原子を示し、A601は前記構造式(a)〜(d)のいずれかを示す。
式(6)で示される部分構造を有する樹脂を得るためには、原料としてのバインダー樹脂を、式(6)で示される部分構造を有するイオン導電剤と反応させて、4級アンモニウム塩構造が導入されたバインダー樹脂を得ることが重要となる。ここで、バインダー樹脂と反応させる原料としてのイオン導電剤における反応部位は式(1)と同様に窒素原子である。そのため、R601からR603は立体障害を抑え、イオン導電剤と原料としてのバインダー樹脂との反応性を阻害せず、かつ基体との密着性を向上させるため、水素原子、OH、CHOH、COH、COOHから選択される。さらに、OH、CHOH、COH、COOHは基体の表面官能基との相互作用が強くなるため、好ましい。またR604からR607に関しても、原料としてのバインダー樹脂とイオン導電剤との反応性と導電性の観点から、炭素数2〜16のアルキレン鎖または、繰り返し単位が1〜8までのエチレンオキサイド鎖から選択される。この範囲であれば、原料としてのバインダー樹脂へのイオン導電剤の反応性を阻害することなく、また導電性に関しても十分得られる。X601は窒素カチオンまたは炭素原子であることで合成が容易である。
またA601で示される4級アンモニウムカチオン構造が、前記構造式(a)〜(d)のいずれかであるため、バインダー樹脂との反応を阻害することがなく、高導電性、かつバインダー樹脂との相溶性が得られる。
(式7)
本発明に係る樹脂が含有する式(7)の構造を以下に示す。
Figure 0006866112
式(7)中、R701からR704は、独立して水素原子、OH、CHOH、COH、COOHを示し、R705からR710はそれぞれ独立にC2m(mは、2〜16の整数)または、(CO)(lは、1〜8の整数)を示し、X701及びX702はそれぞれ窒素原子またはメチン基を示し、E701は前記構造式(e)または(f)を示す。
式(7)で示される部分構造を有する樹脂を得るためには、原料としてのバインダー樹脂を、式(7)で示される部分構造を有するイオン導電剤と反応させて、4級アンモニウム塩構造が導入された樹脂を得ることが重要となる。ここで、バインダー樹脂と反応させる原料としてのイオン導電剤における反応部位は式(1)と同様に窒素原子である。そのため、R701からR704は立体障害を抑え、イオン導電剤と原料としてのバインダー樹脂との反応性を阻害せず、かつ基体との密着性を向上させるため、水素原子、OH、CHOH、COH、COOHから選択される。さらに、OH、CHOH、COH、COOHは基体の表面官能基との相互作用が強くなるため、好ましい。またR705からR710に関しても、原料としてのバインダー樹脂とイオン導電剤との反応性と導電性の観点から、炭素数2〜16のアルキレン鎖または、繰り返し単位が1〜8までのエチレンオキサイド鎖から選択される。この範囲であれば、原料としてのバインダー樹脂へのイオン導電剤の反応性を阻害することなく、また導電性に関しても十分得られる。X701及びX702は窒素原子またはメチン基であることで合成が容易である。
またE701で示される4級アンモニウムカチオン構造として、前記構造式(e)または(f)は、バインダー樹脂との反応を阻害することがなく、高導電性、かつバインダー樹脂との相溶性が得られる。E701で示される4級アンモニウムカチオン構造は、樹脂が複数の式(7)で示される部分構造を有する場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
以下に、本発明で用いられる樹脂の原料としてのバインダー樹脂原料、イオン導電剤について説明する。
<バインダー樹脂原料>
本発明に係る樹脂は、上記の式(1)〜(7)で示される構造からなる群から選ばれる1つの部分構造とアニオンからなるイオン導電剤の少なくとも1種と、該イオン導電剤の1級または2級アミノ基と反応可能な官能基を有する化合物(バインダー樹脂原料)との反応物からなる。
アミノ基と反応可能な官能基を有する化合物は、当該官能基を有するモノマー化合物あるいは、当該官能基を末端等に有するプレポリマーが挙げられる。このような化合物としては、一般的にアミノ基との反応性が公知な官能基を有するものから選ばれる。具体的には、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、カルボン酸化合物、酸ハロゲン化物、酸無水物化合物、アルデヒド化合物、ケトン化合物、ハロゲン化物、α,β不飽和カルボニル化合物等が挙げられるが、これらに限られない。またアンモニア触媒レゾール型フェノール樹脂の様な、アミン化合物及びアルデヒド、求核試薬の3成分反応でStrecker反応、Mannich反応、Betti反応等によってアミノ基と共有結合を形成する樹脂も挙げられる。
バインダー樹脂原料として好ましいものとしては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、カルボン酸化合物、酸ハロゲン化物、ハロゲン化物及びこれらのプレポリマー、アンモニア触媒レゾール型フェノール樹脂である。より好ましいものとしては、イソシアネート基末端プレポリマー、エポキシ基末端プレポリマー、アンモニア触媒レゾール型フェノール樹脂である。これらのバインダー樹脂原料と1級または2級アミノ基を有するイオン導電剤と反応させた樹脂は、電子導電剤との混合が容易かつ化学的に安定であるためである。
以下に1級または2級アミノ基を有するイオン導電剤とそれぞれのバインダー樹脂原料と反応した結合部の構造を示す。すなわち、イオン導電剤由来の4級アンモニウムカチオン構造が導入された、本発明に係る樹脂は下記式(8)〜(10)で示されるいずれかの構造を介して、上記の式(1)〜(7)のいずれかの部分構造と樹脂分子鎖とが結合している。
Figure 0006866112
ここで式(8)〜(10)において、*は式(1)〜(7)のいずれかの構造の結合部位、**は樹脂分子鎖への結合部位を示す。式(10)中のメチレン連結鎖はヒドロキシ基に対してベンゼン環のオルト位またはパラ位に結合する。なお、式(8)は後述するイオン導電剤が有するアミノ基とイソシアネート化合物が有するNCO基とが反応した構造であり、式(9)は後述するイオン導電剤が有するアミノ基とエポキシ化合物が有するエポキシ環の開環付加により形成された構造、式(10)は後述するイオン導電剤が有するアミノ基とアンモニア触媒レゾール型フェノール樹脂が反応した構造である。
<イオン導電剤>
(カチオン)
本発明の原料としてのイオン導電剤は、バインダー樹脂と反応する1級または2級アミノ基と、4級アンモニウム基を有するイオン導電剤である。このイオン導電剤の代表的なカチオン構造を下記I1〜I7に示すが、本発明は例示されたカチオン構造を有するイオン導電剤を用いて製造された樹脂のみに限定されるものではない。
Figure 0006866112
式(I1)〜(I7)において、各基は、式(1)〜(7)で説明した基と同一の意味を示す。
(アニオン)
本発明で使用するイオン導電剤のアニオン、すなわち、本発明に係る樹脂層に含まれるアニオンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンイオン、過塩素酸イオン、スルホン酸化合物イオン、リン酸化合物イオン、ホウ酸化合物イオン、パーフルオロスルホニルイミドイオン等が挙げられる。
上述のイオン種の中でも、パーフルオロスルホニルイミドイオンが好ましい。パーフルオロスルホニルイミドイオンは疎水性が高いため、一般的な親水性の高いイオンと比較し、本発明に係るバインダー樹脂原料との親和性が高くなりやすい。その結果、バインダー樹脂原料と均一に分散し反応し固定化されやすく、分散ムラの低減という点において好適である。
パーフルオロスルホニルイミドイオンとして、具体的には、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド等が挙げられるが、これらに限られない。
このような、カチオン及びアニオンの組み合わせからなるイオン導電剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を組み合わせる場合、同じアニオンを有するものを組み合わせることが好ましい。また、密着性の観点から、少なくとも1種は2級アミノ基を有するイオン導電剤を用いることが好ましく、1級アミノ基を有さないイオン導電剤を用いることがより好ましい。
(添加量)
イオン導電剤の添加量は適宜設定することができ、原料としてのバインダー樹脂原料100質量部に対して、該イオン導電剤を0.5質量部以上20質量部以下の割合で配合することが好ましい。配合量が0.5質量部以上の場合には、イオン導電剤添加による導電性の付与効果を容易に得ることができる。20質量部以下の場合には、電気抵抗の環境依存性を低減させることができる。
(分析方法)
本発明に係る式(1)〜(7)のいずれかの部分構造が、樹脂中に導入されているか否かについては、以下の方法で確認できる。樹脂層を一部切り出し、IR(赤外分光)分析を行うことで部分構造の連結の有無を確認できる。また、樹脂層に対し、固体13C−NMR(核磁気共鳴)測定と、TOF−MS(飛行時間型質量分析)測定を実施することで部分構造を確認できる。また、エタノール等の親水性溶剤を用い、ソックスレー抽出作業を1週間行い、得られた抽出残渣に対して、固体13C−NMR(核磁気共鳴)測定と、TOF−MS(飛行時間型質量分析)測定を実施することで、アニオン種を確認できる。
<電子導電剤>
本発明に係る樹脂層に含む電子導電剤としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン等の金属酸化物、結晶性グラファイト、各種カーボンファイバー、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等の導電性粒子や、上記金属の繊維を挙げることができる。特に、分散性及び導電性に優れることから、カーボンブラック、グラファイトが好ましい。
<その他材料>
本発明においては、樹脂層表面の粗さを適切な値に制御し、且つ維持する目的で、凹凸付与粒子を添加しても良い。凹凸付与粒子としては、例えば次のものが挙げられる。ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のビニル系重合体や共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒子、アルミナ、酸化亜鉛、シリコーン、酸化チタン、酸化錫等の酸化物粒子、炭素粒子、導電処理を施した樹脂粒子等の導電性粒子、イミダゾール化合物等の有機化合物を粒子状化したもの。その他、凹凸付与粒子として用いる樹脂粒子の表面に、無機微粉末を付着させた、または固着させたものを用いてもよい。
<形成方法>
樹脂層の形成方法としては、例えば、各成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、前記基体上に塗工し、乾燥させることにより得る方法を挙げることができる。各成分の分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等のビーズを利用した公知の分散装置、若しくはそれらを利用しないメディアレス分散が好適に利用可能である。また、塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法の如き公知の方法が適用可能である。
樹脂層の厚みは特に制限されるものではないが、3μm以上、25μm以下が好ましく、4μm以上、20μm以下が、電子導電剤の脱離が無く、均一な膜厚を得るためにより好ましい。
〔現像装置〕
次に、本発明に係る現像装置について説明する。図2は、本発明に係る現像剤担持体を備えた現像装置の一例を示す概略断面図である。図2において、静電潜像を保持する静電潜像保持体、例えば、感光ドラム5は、矢印B方向に回転する。本発明に係る現像剤担持体1は、現像剤を収容するための容器(現像容器6)によって供給された磁性現像剤である一成分系現像剤を担持搬送する。現像剤担持体1が、矢印A方向に回転することによって、現像剤担持体1と感光ドラム5とが対向している現像領域Cに現像剤を搬送される。図2に示すように、現像剤担持体1の中空円筒状の基体内には、現像剤を現像剤担持体1上に磁気的に吸引且つ保持するために、磁石が内接されているマグネットローラー7が配置されている。
現像容器6中には、現像剤を攪拌するための攪拌翼8が設けられている。現像剤は、現像剤相互間及び現像剤担持体1の樹脂層2との摩擦により、感光ドラム5上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。図2の例では、現像領域Cに搬送される現像剤の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブレード9が、現像剤担持体1の表面から50〜500μmのギャップ幅を持って現像剤担持体1に対向するように配設されている。マグネットローラー7の磁極N1からの磁力線が磁性規制ブレード9に集中することにより、現像剤担持体1上に現像剤の薄層が形成される。磁性規制ブレード9に代えて非磁性ブレードを使用することもできる。
このようにして、現像剤担持体1上に形成される現像剤の薄層の厚みは、現像領域Cにおける現像剤担持体1と感光ドラム5との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。本発明に係る現像剤担持体は、上記のように、非接触型現像装置に組み込むのが特に有効である。現像領域Cにおいて、現像剤層の厚みが現像剤担持体1と感光ドラム5との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち、接触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用することができる。説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、上記したような非接触型現像装置を例にとって行う。
上記現像剤担持体1に担持された磁性現像剤を有する一成分系現像剤を飛翔させるため、上記現像剤担持体1には、バイアス手段としての現像バイアス電源10により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときに、静電潜像の画像部(現像剤が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体1に印加するのが好ましい。
図3は、本発明の、現像剤担持体を用いた現像装置における他の実施形態を示す模式断面図である。図3に示した現像装置では、現像剤担持体1上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、ウレタンゴム、シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、あるいはリン青銅、ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性規制ブレード11を使用している。そして、この弾性規制ブレード11を現像剤担持体1の回転方向と逆方向の向きで圧接させている。この現像装置では、現像剤担持体1に対して、現像剤層を介して現像剤層厚規制部材を弾性的に圧接することによって、現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成することから、現像剤担持体1上に、薄い現像剤層を形成することができる。図3の現像装置における他の基本的構成は、図2に示した現像装置と同じであり、同符号のものは同一の部材であることを示す。
本発明に係る現像装置は、電子写真画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されてなるプロセスカートリッジとして、あるいは電子写真画像形成装置本体に直接組み込んで使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の合成例及び調製例において「部」及び「%」は特に断りがない限り質量基準を示す。
<1.イオン導電剤の合成>
(式(I1)のカチオン構造を有するイオン導電剤の合成)
(イオン導電剤1)
4級化剤であるN−(4−ブロモブチル)フタルイミド10mmolをアセトン10mlに溶解し、室温で3級アミンとしてトリメチルアミン28%水溶液15mmolを加えた後、72時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、残留物をエタノール10mlに溶解し、ヒドラジン一水和物(純度79%)15mmolを加え40℃にて4時間加熱撹拌した後、室温まで冷却し濾過した。濾液中の溶媒を減圧留去した。得られた残留物のアニオンは、臭化物イオンである。
アニオン交換するために、得られた残留物をジクロロメタン5mlに溶解させた後、アニオン交換塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10mmolを溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回洗浄分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)であるイオン導電剤1を得た。合成したイオン導電剤1の構造を表2に示す。
(イオン導電剤2)
4級化剤である1,2−ジブロモエタン15mmolをアセトニトリル10mlに溶解し、室温で3級アミンとしてトリメチルアミン10mmolを加えた後、72時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、残留物をエタノール10mlに溶解し、アミノメタノール40%水溶液30mmol(ここで投入するアミンを以後第二のアミンと呼ぶ)を加えた後、72時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。得られた残留物のアニオンは、臭化物イオンである。
アニオン交換するために、得られた残留物をジクロロメタン5mlに溶解させた後、アニオン交換塩としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム塩10mmolを溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回洗浄分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがTFSIであるイオン導電剤2を得た。合成したイオン導電剤2の構造を表2に示す。
(イオン導電剤3〜15)
4級化剤、3級アミン、第二のアミンを表1のものに変更したこと以外はイオン導電剤2と同様にして、イオン導電剤3〜15を合成した。なお、イオン導電剤4はアニオン交換を行わず、イオン導電剤5はアニオン交換塩をシクロヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドカリウム塩(CHFSI K)に変更した。また、イオン導電剤15はアニオン交換前に酸加水分解を実施した。合成したイオン導電剤3〜15の構造を表2に示す。
Figure 0006866112
Figure 0006866112
(式(I2)のカチオン構造を有するイオン導電剤の合成)
(イオン導電剤16)
アミノメタノール40%水溶液30mmolにクロロギ酸フルオレニルメチル (Fmoc−Cl)40mmol、ピリジンを加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、さらに24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。得られた残留物をエタノール10mlに溶解し、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩を加え、72時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返し、得られた濃縮物をアセトニトリル10mlに溶解させた後、ヨードメタン20mmolを添加し室温にて24時間撹拌した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、残留物をエタノール10mlに溶解して、パラジウム/炭素を添加し、水素ガス雰囲気下、室温にて撹拌した。反応溶液を濾過後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物のアニオンは、ヨウ素イオンである。
アニオン交換するために、得られた残留物をジクロロメタン5mlに溶解させた後、アニオン交換塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10mmolを溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回洗浄分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)であるイオン導電剤16を得た。合成したイオン導電剤16の構造を表3に示す。
(イオン導電剤17)
ベンゼン10mlに溶解させた塩化チオニル溶液20mmolに8−アミノ−1−オクタノール10mmolを加え、24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。得られた残留物をエタノール10mlに溶解し、8−クロロ−1−n−オクタノール10mmolを加え、72時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。得られた残留物をベンゼン10mlに溶解させ、塩化チオニル10mmolを加え、24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。得られた濃縮物をアセトニトリル10mlに溶解させた後、ヨードメタン20mmolを添加し室温にて24時間撹拌した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、残留物をエタノール10mlに溶解して、パラジウム/炭素を添加し、水素ガス雰囲気下室温にて撹拌した。反応溶液を濾過後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物のアニオンは、ヨウ素イオンである。
アニオン交換するために、得られた残留物をジクロロメタン5mlに溶解させた後、アニオン交換塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10mmolを溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回洗浄分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)であるイオン導電剤16を得た。合成したイオン導電剤17の構造を表3に示す。
(イオン導電剤18)
イオン導電剤16のヨードメタンを1−クロロオクタデカンに変更したこと以外は、イオン導電剤16と同様にして、イオン導電剤18を合成した。合成したイオン導電剤18の構造を表3に示す。
(イオン導電剤19)
アミンとしてモルホリン10mmolをアセトン10mlに溶解した後、炭酸カリウムを加えた。その後四級化剤としてN−(4−ブロモブチル)フタルイミド20mmolを加え24時間加熱還流した。室温まで冷却した反応溶液にジクロロメタンを加え、分液し得られた有機層の溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、残留物をエタノール10mlに溶解し、ヒドラジン一水和物(純度79%)15mmolを加え40℃にて4時間加熱撹拌し、室温まで冷却後濾過した。その濾液中の溶媒を減圧留去した。その残留物に、アミノメタノール40%水溶液30mmolにクロロギ酸フルオレニルメチル (Fmoc−Cl)40mmol、ピリジンを加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20wt%DMF溶液を加え、24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。
アニオン交換するために、得られた残留物をジクロロメタン5mlに溶解させた後、アニオン交換塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10mmolを溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回洗浄分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)であるイオン導電剤19を得た。合成したイオン導電剤19の構造を表3に示す。
Figure 0006866112
(式(I3)のカチオン構造を有するイオン導電剤の合成)
(イオン導電剤20)
トリス(3−アミノエチル)アミン10mmolとピリジンをジエチルエーテル10mlに溶解させ、ジエチルエーテル5mlに溶解させたクロロ蟻酸フェニル30mmolを滴下し室温にて反応させた。水酸化ナトリウム水溶液を反応溶液に加え塩基性にした後、分液し得られた有機層の溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をアセトニトリル10mlに溶解させた後、ヨードメタン10mmolを添加し室温にて24時間撹拌した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、残留物をエタノール10mlに溶解して、パラジウム/炭素を添加し、水素ガス雰囲気下、室温にて撹拌した。反応溶液を濾過後、溶媒を減圧留去した。その残留物に、アミノメタノール40%水溶液30mmolにクロロギ酸フルオレニルメチル (Fmoc−Cl)40mmol、ピリジンを加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。
アニオン交換するために、得られた残留物をジクロロメタン5mlに溶解させた後、アニオン交換塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10mmolを溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回洗浄分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)であるイオン導電剤20を得た。合成したイオン導電剤20の構造を表4に示す。
(イオン導電剤21)
フタルイミドカリウム30mmolをジメチルホルムアミド20mlに溶解させた後、1,2−ビス(2−クロロエトキシ)エタン30mmolを加え、加熱還流した。室温まで冷却した溶液にイオン交換水と酢酸エチルを加え分液した。得られた有機層中の溶媒を減圧留去し、四級化剤を得た。この四級化剤をアセトン20mlに溶解した後、ステアリルアミン10mmolと炭酸カリウムを加え24時間加熱還流した。得られた反応溶液を濾過し、濾液中の溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。その残留物に、アミノメタノール40%水溶液30mmolにクロロギ酸フルオレニルメチル (Fmoc−Cl)40mmol、ピリジンを加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。
アニオン交換するために、得られた残留物をジクロロメタン5mlに溶解させた後、アニオン交換塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10mmolを溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回洗浄分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)であるイオン導電剤21を得た。合成したイオン導電剤21の構造を表4に示す。
Figure 0006866112
(式(I4)のカチオン構造を有するイオン導電剤の合成)
(イオン導電剤22)
トリス(3−アミノエチル)アミン10mmolとピリジンをジエチルエーテル20mlに溶解させ、クロロ蟻酸フェニル30mmolを滴下し、室温にて反応させた。水酸化ナトリウム水溶液を反応溶液に加え塩基性にした後、分液し得られた有機層の溶媒を減圧留去した。アセトン20mlに得られた濃縮物と予め別途合成したN−(16−ブロモヘキサデカン)フタルイミド10mmolを溶解し24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、残留物をエタノール10mlに溶解し、ヒドラジン一水和物(純度79%)15mmolを加え40℃にて4時間加熱撹拌し、室温まで冷却後濾過した。得られた濾液中の有機溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノール10mlに溶解して、パラジウム/炭素を添加し、水素ガス雰囲気下、室温にて撹拌した。反応溶液を濾過後、溶媒を減圧留去した。その残留物に、アミノメタノール40%水溶液30mmolにクロロギ酸フルオレニルメチル (Fmoc−Cl)40mmol、ピリジンを加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。
アニオン交換するために、得られた残留物をジクロロメタン5mlに溶解させた後、アニオン交換塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10mmolを溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回洗浄分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)であるイオン導電剤22を得た。合成したイオン導電剤22の構造を表5に示す。
(イオン導電剤23)
1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン10mmolとピリジンをジエチルエーテル10mlに溶解させ、クロロ蟻酸フェニル10mmolを滴下し室温にて反応させた。水酸化ナトリウム水溶液を反応溶液に加え塩基性にした後、分液し得られた有機層の溶媒を減圧留去し原料アミンを得た。
フタルイミドカリウム30mmolをジメチルホルムアミド30mlに溶解させた後、1,2−ビス(2−クロロエトキシ)エタン30mmolを加え、加熱還流した。室温まで冷却した溶液にイオン交換水と酢酸エチルを加え分液した。得られた有機層中の溶媒を減圧留去し、四級化剤を得た。
アセトン50mlに原料アミン10mmolと四級化剤30mmolを溶解し、炭酸カリウムを加え、24時間加熱還流した。その後、濾過を行い濾液中から有機溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、残留物をエタノール30mlに溶解し、ヒドラジン一水和物(純度79%)45mmolを加え40℃にて4時間加熱撹拌し、室温まで冷却後濾過した。得られた濾液中の有機溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノール10mlに溶解して、パラジウム/炭素を添加し、水素ガス雰囲気下、室温にて撹拌した。反応溶液を濾過後、溶媒を減圧留去した。その残留物に、アミノメタノール40%水溶液30mmolにクロロギ酸フルオレニルメチル (Fmoc−Cl)40mmol、ピリジンを加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。
アニオン交換するために、得られた残留物をジクロロメタン5mlに溶解させた後、アニオン交換塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10mmolを溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回洗浄分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)であるイオン導電剤23を得た。合成したイオン導電剤23の構造を表5に示す。
Figure 0006866112
(式(I5)のカチオン構造を有するイオン導電剤の合成)
(イオン導電剤24)
エタノール20mlに四級化剤としてN−(2−ブロモエチル)フタルイミド10mmolを溶解し、三級アミンとしてトリメチルアミン10mmolを添加して24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、残留物をエタノール10mlに溶解し、ヒドラジン一水和物(純度79%)15mmolを加え40℃にて4時間加熱撹拌した後、室温まで冷却し濾過した。濾液中の溶媒を減圧留去し残留物を得た。この残留物と三級化剤であるN−(2−ブロモエチル)フタルイミド20mmolをアセトン30mlに溶解し、炭酸カリウムを加えた後72時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、残留物をエタノール30mlに溶解し、ヒドラジン一水和物(純度79%)30mmolを加え40℃にて4時間加熱撹拌した後、室温まで冷却し濾過した。濾液中の溶媒を減圧留去し残留物を得た。その残留物に、アミノメタノール40%水溶液30mmolにクロロギ酸フルオレニルメチル (Fmoc−Cl)40mmol、ピリジンを加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。
アニオン交換するために、得られた残留物をジクロロメタン5mlに溶解させた後、アニオン交換塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10mmolを溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回洗浄分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)であるイオン導電剤24を得た。合成したイオン導電剤24の構造を表7に示す。
(イオン導電剤25〜33)
四級化剤、三級アミン、三級化剤を表6のものに変更したこと以外はイオン導電剤24と同様にして、イオン導電剤25〜33を合成した。合成したイオン導電剤25〜33の構造を表7に示す。
Figure 0006866112
Figure 0006866112
(式(I6)のカチオン構造を有するイオン導電剤の合成)
(イオン導電剤34)
トリス(3−アミノエチル)アミン10mmolとピリジンをジエチルエーテル20mlに溶解させ、クロロ蟻酸フェニル30mmolを滴下し室温にて反応させた。水酸化ナトリウム水溶液を反応溶液に加え塩基性にした後、分液し得られた有機層の溶媒を減圧留去した。得られた残留物とクロロコリンクロリド10mmolをエタノール20mlに溶解し、24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、得られた残留物をエタノール10mlに溶解して、パラジウム/炭素を添加し、水素ガス雰囲気下室温にて撹拌した。反応溶液を濾過後、溶媒を減圧留去した。その残留物に、アミノメタノール40%水溶液30mmolにクロロギ酸フルオレニルメチル (Fmoc−Cl)40mmol、ピリジンを加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流し、ピペリジン20%DMF溶液を加え、24時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した。
アニオン交換するために、得られた残留物をジクロロメタン5mlに溶解させた後、アニオン交換塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10mmolを溶解させた水溶液を加え、24時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を水にて2回洗浄分液後、ジクロロメタンを減圧留去し、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)であるイオン導電剤34を得た。合成したイオン導電剤34の構造を表9に示す。
(イオン導電剤35〜43)
四級化剤、三級アミン、添加量を30mmolに変更した三級化剤、添加量を20mmolに変更したアニオン交換塩をそれぞれ表8に示す材料に変更し、イオン導電剤24と同様にしてイオン導電剤35〜43を合成した。合成したイオン導電剤35〜43の構造を表9に示す。
Figure 0006866112
Figure 0006866112
(式(I7)のカチオン構造を有するイオン導電剤の合成)
(イオン導電剤44)
アミンとして10mmolのイオン導電剤16をエタノール30mlに溶解させ、ハロゲン化物としてN−(2−ブロモエチル)フタルイミド40mmolと炭酸カリウムを加え24時間加熱還流した。濾過後、濾液にヒドラジン一水和物(純度79%)40mmolを加え40℃にて4時間加熱撹拌した後、室温まで冷却し濾過した。濾液中の溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。この操作を3回繰り返した後、減圧乾燥した。得られた残留物のアニオンは、TFSIイオンである。合成したイオン導電剤44の構造を表11に示す。
(イオン導電剤45〜47)
アミンとハロゲン化物を表10に示す材料に変更した以外はイオン導電剤44と同様にして、イオン導電剤45〜47を合成した。合成したイオン導電剤45〜47の構造を表11に示す。
Figure 0006866112
Figure 0006866112
<2.塗工液の調製>
本発明で用いる塗工液の調製について説明する。
(塗工液1)
以下の材料を混合し、直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として用いたサンドミルにて1時間分散し、塗工液1を得た。
・バインダー樹脂:レゾール型フェノール樹脂(DIC製、商品名:J−325)20部
・カーボンブラック(東海カーボン製、商品名:トーカブラック#5500) 10部
・2−プロパノール(IPA) 50部
・イオン導電剤1 1部
(塗工液2〜17)
イオン導電剤の種類と部数を表12に示す内容に変更したこと以外は塗工液1と同様にして、塗工液2〜17を調製した。
Figure 0006866112
(塗工液18)
窒素雰囲気下、反応容器中でポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR200、東ソー社製)27部に対し、分子量1000のポリテトラメチレングリコール(商品名:PTMG1000、三菱化学社製)100部を反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量3.31%のイソシアネート基末端プレポリマーを得た。
イソシアネート基末端プレポリマー60.4部に対して、分子量3000のポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドを付加重合したポリエーテルジオール(商品名:アデカポリエーテルPR−3007、ADEKA社製)39.6部、及びイオン導電剤2 1部を撹拌混合した。その後、カーボンブラック(商品名:トーカブラック#5500、東海カーボン社製)10部と、総固形分比が30%となるように2−ブタノン(MEK)を加え、直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として用いたサンドミルにて混合し、塗工液18を得た。
(塗工液19)
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムッテックス社製、商品名:デナコールEX−841)51.8部とポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムッテックス社製、商品名:デナコールEX−931)37.1部とエチレングリコールビス(アミノエチル)エーテル(シグマアルドリッチ社製)11.1部とイオン導電剤2 1部を撹拌混合した。その後、カーボンブラック(東海カーボン製、商品名:トーカブラック#5500)10部と、総固形分比が30%となるように2−プロパノール(IPA)を加え、直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として用いたサンドミルにて混合し、塗工液19を得た。
(塗工液20〜51)
イオン導電剤の種類と部数を表13に示す内容に変更したこと以外は塗工液1と同様にして、塗工液20〜51を調製した。
Figure 0006866112
〔実施例1〕
(現像剤担持体1の作製)
基体として上下端部にマスキングを施した外径16.0mm、算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を準備した。この基体を垂直に立てて、一定速度で回転させ、塗工液1を吐出するようにセッティングしたスプレーガンを一定速度で下降させながら塗布した。続いて、熱風乾燥炉中で温度150℃、30分間加熱して塗工液1を硬化して基体上に厚さ12μmの樹脂層を形成し、現像剤担持体1を作製した。なお、IR、NMR、TOF−SIMSにより、樹脂層が本発明に係る部分構造を含むことを確認した。
なお、本実施例1は参考例を構成する。
(クロスカット評価)
基体と樹脂層間の膜剥離を観察することで、密着性の評価を行った。現像剤担持体を温度40℃、湿度95%RHの環境に30日間静置した。その後、さらに温度23℃、湿度50%RHの環境に24時間静置した。静置後、同環境において、JIS K5600−5−6に準拠し、1mmクロスカット碁盤目に付着テープを貼り付けて剥離試験を行い、基体と樹脂層との密着性を下記の基準で評価した。評価結果を表14に示す。
ランク0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。
ランク1:カットの交差点における塗膜の小さなはがれ。
クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。
ランク2:塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点においてはがれている。クロ
スカット部分で影響を受けるのは明確に5%を超えるが15%を上回ること
はない。
ランク3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及
び/又は目のいろいろな部分が、部分的又は全面的にはがれている。クロス
カット部分で影響を受けるのは、明確に15%を超えるが35%を上回るこ
とはない。
ランク4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及
び/又は数か所の目が部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分
で影響を受けるのは、明確に35%を上回ることはない。
ランク5:ランク4でも分類できないはがれ程度のいずれか。
(耐久はがれ試験)
さらに、実機においてはがれが生じているかを確認するため、耐久試験(以降、「耐久はがれ試験」)を実施した。
レーザービームプリンタ:LaserJetP3015n(装置名、Hewlett−Packard製)とその純正カートリッジを用意した。現像剤担持体1をカートリッジに装着可能なようにマグネット及びフランジを取り付けて、このカートリッジに装着した。1枚/5秒の間欠モードで印字比率が1%の文字パターンにて純正の現像剤を補給しながら6万枚の耐久印字を行い、耐久後に樹脂層にはがれが生じているか確認した。判別基準は下記の通りである。なお、このカートリッジは図3に示したような弾性規制ブレードを現像装置内に有する構成である。評価結果を表14に示す。
ランクA:はがれが全くない
ランクB:はがれがごく一部にある。はがれが生じた箇所が全体の5%を上回らない。
ランクC:はがれが一部にある。はがれが生じた箇所が全体の5%を超えるが15%を
上回らない。
ランクD:はがれが全面にある。はがれが生じた箇所が全体の15%を上回る。
〔実施例2〜51〕
塗工液2〜51を使用した以外は現像剤担持体1と同様にして、現像剤担持体2〜51を作製した。
現像剤担持体2〜51のクロスカット評価と耐久はがれ試験の結果を表14に示す。
〔比較例1〕
(イオン導電剤 比較1の合成)
4級化剤、3級アミン、第二のアミンをそれぞれ1,8−ジブロモオクタン、トリメチルアミン、メチルアミンにした以外はイオン導電剤2と同様にして、イオン導電剤 比較1を合成した。合成されたイオン導電剤 比較1の構造は下記式(11)で示されるものであり、式(I1)のR101に相当する置換基がメチル基となるものである。
Figure 0006866112
(塗工液 比較1の調製)
イオン導電剤をイオン導電剤 比較1に変更したこと以外は塗工液1と同様にして、塗工液 比較1を調製した。
(現像剤担持体 比較1の作製)
塗工液 比較1を使用したこと以外は現像剤担持体1と同様にして、現像剤担持体 比較1を作製した。
現像剤担持体 比較1のクロスカット評価と耐久試験の結果を表14に示す。
〔比較例2〕
イオン導電剤をイオン導電剤 比較1に変更したこと以外は塗工液18と同様にして、塗工液 比較2を調製した。その後、塗工液 比較2を使用したこと以外は現像剤担持体1と同様にして、現像剤担持体 比較2を作製した。
現像剤担持体 比較2のクロスカット評価と耐久試験の結果を表14に示す。
〔比較例3〕
イオン導電剤をイオン導電剤 比較1に変更したこと以外は塗工液19と同様にして、塗工液 比較3を調製した。その後、塗工液 比較3を使用したこと以外は現像剤担持体1と同様にして、現像剤担持体 比較3を作製した。
現像剤担持体 比較3のクロスカット評価と耐久試験の結果を表14に示す。
〔比較例4〕
(塗工液 比較4の調製)
イオン導電剤を下記に示す式(12)に変更したこと以外は、塗工液1と同様にして、塗工液 比較4を調製した。
Figure 0006866112
(現像剤担持体 比較4の作製)
塗工液 比較4を使用したこと以外は現像剤担持体1と同様にして、現像剤担持体 比較4を作製した。
現像剤担持体 比較4のクロスカット評価と耐久試験の結果を表14に示す。
Figure 0006866112
実施例1〜51は、クロスカット、耐久はがれともに良好な結果が得られた。一方、比較例1〜3は、樹脂層中の官能基がメチルになっているため、樹脂層と基体の密着性が不十分となり、クロスカット、耐久剥がれともに実施例1〜51より悪い結果になった。比較例4は、樹脂層に固定化できないイオン導電剤を用いているため、樹脂層と基体の密着性が不十分となり、クロスカット、耐久剥がれともに実施例1〜51より悪い結果になった。
1 現像剤担持体
2 樹脂層
3 基体
4 導電粒子
5 感光ドラム
6 現像容器
7 マグネットローラー
8 攪拌翼
9 磁性規制ブレード
10 現像バイアス電源
11 弾性規制ブレード
A 現像剤担持体の回転方向
B 感光ドラムの回転方向
C 現像領域

Claims (9)

  1. 導電性の基体と、該基体に接触している樹脂層とを有する現像剤担持体であって、
    該樹脂層は、
    電子導電剤と、
    分子内に下記式(1)〜(7)で示される構造からなる群から選ばれる少なくとも1つの部分構造を有する樹脂と、
    アニオンと、を含んでいることを特徴とする現像剤担持体:
    Figure 0006866112
    〔式(1)〜(7)中、
    101、R201とR202、R301からR303、401からR404、R501とR502、R601からR603、R701からR704は、それぞれ独立にOH、CHOH、COH、COOHを示し、
    102、R203とR204、R304からR306、R405からR408、R503からR505、R604からR607、R705からR710は、それぞれ独立にC2m(mは、2〜16の整数)または、(CO)(lは、1〜8の整数)を示し、
    307は炭素数1から18のアルキル基を示し、
    501、X701、X702は、それぞれ独立に窒素原子またはメチン基を示し、
    601は、窒素カチオンまたは炭素原子を示し、
    101、A501およびA601は、それぞれ独立に下記構造式(a)〜(d)のいずれかを示し、E201およびE701は、それぞれ独立に下記構造式(e)または(f)を示す:
    Figure 0006866112
    (式(a)〜(f)中、RからRはそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を示し、n1およびn2は、各々独立に、1または2を示し、YとYはメチレン基または酸素原子を表す。)〕。
  2. 前記式(1)〜(7)のいずれかで示される部分構造が下記式(8)〜(10)のいずれかで示される構造を介して樹脂分子鎖に結合している請求項1に記載の現像剤担持体:
    Figure 0006866112
    (式(8)〜(10)中、*は前記式(1)〜(7)のいずれかの構造の結合部位を示し、**は樹脂分子鎖への結合部位を示す)。
  3. 前記樹脂層が、前記アニオンとして、パーフルオロスルホニルイミドイオンを含む請求項1または2に記載の現像剤担持体。
  4. 導電性の基体と、該基体に接触している樹脂層とを有する現像剤担持体であって、
    該樹脂層は、
    電子導電剤と、
    下記式(I1)〜(I7)で示される構造からなる群から選ばれる1つのカチオン構造とアニオンを有するイオン導電剤の少なくとも1種と、
    該イオン導電剤の1級または2級アミノ基と反応可能な官能基を有する化合物との反応物からなる樹脂とを含有する現像剤担持体:
    Figure 0006866112
    〔式(I1)〜(I7)中、
    101、R201とR202、R301からR303、R401からR404、R501とR502、R601からR603、R701からR704は、それぞれ独立にOH、CHOH、COH、COOHを示し、
    102、R203とR204、R304からR306、R405からR408、R503からR505、R604からR607、R705からR710は、それぞれ独立にC2m(mは、2〜16の整数)または、(CO)(lは、1〜8の整数)を示し、
    307は炭素数1〜18のアルキル基を示し、
    501、X701、X702は、それぞれ独立に窒素原子またはメチン基を示し、
    601は、窒素カチオンまたは炭素原子を示し、
    101、A501、A601は、それぞれ独立に下記構造式(a)〜(d)のいずれかを示し、
    201、E701は、それぞれ独立に下記構造式(e)または(f)を示す:
    Figure 0006866112
    (式(a)〜(f)中、RからRはそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を示し、n1およびn2は、各々独立に、1または2を示し、YとYはメチレン基または酸素原子を表す。)〕。
  5. 前記アミノ基と反応可能な化合物が、レゾール型フェノール樹脂、エポキシ化合物、イソシアネート化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である請求項4に記載の現像剤担持体。
  6. 前記導電性の基体は、表面に金属を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像剤担持体。
  7. 前記導電性の基体が、アルミニウムまたは鉄を含む請求項6に記載の現像剤担持体。
  8. 現像剤と、前記現像剤を収容するための容器と、該容器に収容された現像剤を担持搬送するための現像剤担持体を有している現像装置であって、該現像剤担持体が請求項1〜のいずれか1項に記載の現像剤担持体であることを特徴とする現像装置。
  9. 前記現像剤担持体は、前記導電性の基体が中空円筒状であり、該中空円筒状の基体内に磁石を有する、請求項に記載の現像装置。
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