JP6865674B2 - 近接検知装置 - Google Patents

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本発明は、近接検知装置に関する。
従来、物体が近接したことを検知する近接検知装置が用いられている。
例えば、特許文献1は、2つの位相を有する符号が所定の周期でランダムな順番で配列された符号信号を、所定周波数の搬送波信号により直接拡散変調を行って送信し、物体により反射された信号を受信して、物体が近接したことを検知する技術を提案している。
特許文献1に開示される技術では、受信した物体により反射された信号を搬送波信号により復調して復調信号を生成する。そして、復調信号が2つに分配されて、一方の復調信号が、検知したい距離だけ離れた物体により反射された信号が有する位相だけ遅らせた符号信号で相関復調されて第1復調信号が生成される。
復調信号が、検知したい距離だけ離れた物体により反射された信号を含んでいる場合、第1復調信号は、位相が一致する符号信号で相関復調されるので、強い強度を有する信号となる。一方、復調信号が、検知したい距離だけ離れた物体により反射された信号を含んでいない場合、第1復調信号は、位相が一致しない符号信号で相関復調されるので、弱い強度を有する信号となる。
また、分配された他方の復調信号が、復調信号とは非相関な位相を有する符号信号で相関復調されて第2復調信号が生成される。
そして、第1復調信号の大きさが、第2復調信号の大きさに基づいて決定される閾値と比較されて、物体が近接したことが検知される。
このように、特許文献1は、不要信号の影響を抑制して、物体が近接したことを検知する技術を提案している。
特開平6−11299号公報
しかし、物体が近接したことを検知するために使用される閾値は、近接検知装置の内外からの不要信号の大きさに応じて変化する第2復調信号に基づいて決定されるので、不要信号の大きさに伴って閾値も大きくなる。
そのため、まれではあるものの不要信号が極端に大きい場合には、第1復調信号の大きさよりも閾値の方が大きくなる可能性がある。この場合、閾値が、第1復調信号よりも大きくなるので、物体が近接したことを検知できないおそれがあった。
本明細書では、不要信号が大きい場合でも物体が近接したことを検知できる近接検知装置を提案することを課題とする。
本明細書に開示する近接検知装置によれば、2つの位相を有する符号が所定の周期でランダムな順番で配列された第1符号信号を発生する符号発生器と、第1符号信号を入力して、位相を第1の所定量だけ遅延させた第2符号信号を出力する第1遅延回路と、第2符号信号を入力して、位相を第2の所定量だけ遅延させた第3符号信号を出力する第2遅延回路と、第2符号信号に対して、所定周波数の搬送波信号により直接拡散変調を行って、変調信号を出力する変調器と、変調信号を入力して、当該変調信号に応じた信号強度の無線信号を出力する送信部と、物体により反射された無線信号を受信して、受信した当該無線信号に応じた信号強度の受信信号を出力する受信部と、受信信号を入力して、搬送波信号により復調して、第1復調信号を出力する第1復調器と、第1復調信号を2つの信号に分配する分配器と、分配器から入力した第1の第1復調信号に対して、第3符号信号により相関復調を行って、第2復調信号を出力する第2復調器と、分配器から入力した第2の第1復調信号に対して、第1符号信号により相関復調を行って、第3復調信号を出力する第3復調器と、第2復調信号を入力して、所定の周期の逆数とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させる第1帯域フィルタと、第3復調信号を入力して、所定の周期の逆数とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させる第2帯域フィルタと、第1帯域フィルタから出力された第2復調信号及び第2帯域フィルタから出力された第3復調信号を入力して、2つの信号の差分信号を出力する差分器と、差分信号に基づいて、物体が近接したことを検知する検知信号を出力する検知器と、を備える。
本明細書に開示する他の近接検知装置によれば、Nビットの符号長を有し、2つの位相を有する符号が所定の周期でランダムな順番で配列された基準符号信号を発生する符号発生器と、基準符号信号を入力して、基準符号信号の位相に対して、それぞれの位相が1ビットからNビット遅延しているN個の遅延符号信号を出力する遅延回路と、基準符号信号に対して、所定周波数の搬送波信号により直接拡散変調を行って、変調信号を出力する変調器と、変調信号を入力して、当該変調信号に応じた信号強度の無線信号を出力する送信部と、物体により反射された無線信号を受信して、受信した当該無線信号に応じた信号強度の受信信号を出力する受信部と、受信信号を入力して、搬送波信号により復調して、第1復調信号を出力する第1復調器と、第1復調信号をN個の信号に分配する分配器と、分配器から入力したN個の第1復調信号のそれぞれに対して、N個の遅延符号信号の内の異なる一の遅延符号信号により相関復調を行って、N個の第2復調信号を出力する第2復調器と、第2復調器から入力したN個の第2復調信号のそれぞれに対して、所定の周期の逆数とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させる帯域フィルタと、帯域フィルタを通過したN個の第2復調信号を入力して、最小の信号強度を有する第2復調信号を決定する最小復調信号検出器と、帯域フィルタを通過したN個の第2復調信号のそれぞれと、最小の信号強度を有する第2復調信号との差分であるN個の差分信号を出力する差分器と、差分信号に基づいて、物体が近接したことを検知する検知信号を出力する検知器と、を備える。
上述した本明細書に開示する近接検知装置によれば、不要信号が大きい場合でも物体が近接したことを検知できる。
本明細書に開示する近接検知装置の第1実施形態の構成を示す図である。 (A)〜(C)は、M系列符号を説明する図である。 M系列符号信号の相関値を説明する図である。 第3符号信号の位相を説明する図である。 復調信号の周波数スペクトルを説明する図である。 (A)及び(B)は、帯域フィルタの通過帯域を説明する図である。 第1符号信号の位相を説明する図である。 (A)〜(D)は、復調信号が第3符号信号と相関する場合の信号処理を説明する図である。 (A)〜(D)は、復調信号が第3符号信号と相関しない場合の信号処理を説明する図である。 本明細書に開示する近接検知装置の第1実施形態の変形例を示す図である。 本明細書に開示する近接検知装置の第2実施形態の構成を示す図である。
以下、本明細書で開示する近接検知装置の好ましい第1実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
図1は、本明細書に開示する近接検知装置の一実施形態の構成を示す図である。
本実施形態の近接検知装置10(以下、単に装置10ともいう)は、物体150が所定の距離に近接したことを検知して、検知信号を出力する装置である。
装置10は、符号信号を発生して、符号信号を含む無線信号を送信する信号送信部20と、無線信号を受信して、物体の近接を検知する信号検知部30を備える。
信号送信部20は、符号発生器21と、第1遅延回路22と、変調器23と、発振器24と、送信部25と、第2遅延回路26を備える。信号検知部30は、受信部31と、第1復調器32と、増幅器33と、分配器34と、第2復調器35と、第3復調器36と、第1帯域フィルタ37と、第2帯域フィルタ38と、第1FFT39と、第2FFT40と、差分器41と、検知器42と、バイアス発生器43を備える。
まず、信号送信部20について、以下に説明する。
符号発生器21は、2つの位相を有する符号が所定の周期でランダムな順番で配列された第1符号信号C1を発生して、第1遅延回路22へ出力する。具体的には、符号発生器21は、第1符号信号として、巡回自己相関関数のサイドローブが一定となる信号を発生することが好ましい。このような第1符号信号C1として、例えば、M系列(Maximum Length Sequence)符号信号又はバーカー系列符号信号を用いることができる。
本実施形態では、第1符号信号C1として、M系列符号信号を用いる。M系列符号信号は、例えば、所定のビット数を有するシフトレジスタを用いて、シフトレジスタの出力値と、シフトレジスタの中間部分から取り出される帰還タップとの排他的論理和をシフトレジスタに入力する回路を内蔵クロックで駆動して発生することができる。
図2(A)は、M系列符号信号の1周期を説明する図である。
時間領域表示では、1周期分のM系列符号信号は、「1」及び「―1」等の2つの位相を有する符号(ビット)が、ランダムに配列されて形成される。M系列符号信号がN段のシフトレジスタを用いて発生されている場合、1周期分のM系列符号信号に含まれる「1」の数は、2N−1個であり、「―1」の数は、(2N−1)−1個になり、ビット数の総数である系列長CNは、2−1になる。
τは、M系列符号信号の1ビットの時間的長さであるサブパルス幅であり、1周期の時間的長さTは、CN×τとなる。
周波数領域表示は、時間領域表示のM系列符号信号を、フーリエ変換することにより得られる。
時間領域表示のM系列符号信号は方形の信号波形を有するので、周波数領域表示では、M系列符号信号は広帯域の周波数分布を有する。メインローブは、0±1/τの範囲にあり、メインローブの両側には、1/τの周期でサイドローブの振動が現れる。
図2(C)に示すように、符号発生器21は、M系列符号信号を、周期Tで繰り返して発生して、第1符号信号C1を連続的に出力する。この場合、時間領域表示の第1符号信号C1は、図2(A)に示す1周期分のM系列符号信号と、図2(B)に示すデルタ関数列とのコンボリューションで表される。
一方、デルタ関数列は、図2(B)に示すように、周波数領域表示でもデルタ関数列であり、時間領域のコンボリューションは周波数領域では積となるので、第1符号信号C1の周波数領域表示は、図2(C)に示すように、周波数ゼロの両側に1/τの周期で振動する包絡線に囲まれて、1/Tの周期でデルタ関数状の周波数成分が配置される周波数スペクトルとなる。周波数ゼロの周波数スペクトルは、系列長CNの逆数の値となる。
図3は、M系列符号信号の相関値を説明する図である。
M系列符号信号の自己相関関数の相関値は、位相のずれがゼロの位置を中心として、位相が1ビット進んだ位置と、位相が1ビット遅れた位置との範囲以外の領域では、―1となる。相関値は、位相が一致する(位相のずれが0)場合には、2―1である。位相のずれが0±1ビット範囲では、相関値は、−1から2―1の範囲で直線的に変化する。図3に示すように、1周期の位相の遅れの範囲では、位相の遅れが0〜1ビットの範囲では、相関値は、2―1から−1へ直線的に変化し、位相の遅れが1ビットから2−2の範囲では、相関値は−1となりサイドローブが一定となる。また、位相の遅れが2−2から2−1ビットの範囲では、相関値は、−1から2―1へ直線的に変化する。位相の遅れが2−2であることは、位相が1ビット進んでいることと等価である。
所定の位相を有するM系列符号信号と、他の位相を有する当該M系列符号信号との2の法とした加算は、更に他の位相を有するM系列符号信号となる。
第1遅延回路22は、第1符号信号C1を入力して、位相を所定量だけ遅延させた第2符号信号C2を、変調器23及び第2遅延回路26へ出力する。第1遅延回路22が、第1符号信号C1を遅延させる位相量は、送信部25から送信された無線信号が、その近接を検知したい距離に位置する物体150により反射されて受信部31に受信されるのに要する時間に基づいて決定されることが好ましい。本実施形態では、第1遅延回路22は、第1符号信号C1を入力して、位相を1ビットだけ遅延させた第2符号信号C2を出力する。第1符号信号C1の位相と第2符号信号C2の位相との関係の詳細については後述する。
変調器23は、第2符号信号C2に対して、発振器24から入力した所定周波数の搬送波信号Fcにより直接拡散変調を行って、変調信号M1を生成して送信部25へ出力する。変調器23は、位相変調、振幅変調又は周波数変調を用いることができる。
発振器24は、所定周波数の搬送波信号Fcを発振して、変調器23及び第1復調器32へ出力する。
送信部25は、変調信号M1を入力して、変調信号M1に応じた信号強度の無線信号を出力する。無線信号としては、電磁波、音波、光を用いることができる。本実施形態では、無線信号として、電磁波を用いる。
第2遅延回路26は、第2符号信号C2を入力して、位相を所定量だけ遅延させた第3符号信号C3を第2復調器35へ出力する。本実施形態では、第2遅延回路26は、第2符号信号C2を入力して、位相を1ビットだけ遅延させた第3符号信号C3を出力する。第3符号信号C3の位相と第2符号信号C2の位相との関係の詳細については後述する。
次に、信号検知部30について、以下に説明する。
受信部31は、物体150により反射された無線信号を受信して、受信した無線信号に応じた信号強度の受信信号M2を第1復調器32へ出力する。
第1復調器32は、受信信号M2を入力して、搬送波信号Fcにより復調して、復調信号Dを増幅器33へ出力する。ここで、復調信号Dは、第2符号信号C2とは異なる位相を有するM系列符号信号を含む。このM系列符号信号の位相は、送信部25から送信された無線信号が、物体150により反射されて受信部31に受信されるのに要する時間の分だけ第2符号信号C2よりも遅れている。また、復調信号Dは、装置10外に起因する不要信号又は装置10内に起因する不要信号を含み得る。
増幅器33は、入力した復調信号Dを増幅して、分配器34へ出力する。
分配器34は、復調信号Dを第1信号チャンネルCH1及び第2信号チャンネルCH2のそれぞれに分配する。第1信号チャンネルCH1は、第2復調器35と、第1帯域フィルタ37と、第1FFT39を備える。第2信号チャンネルCH2は、第3復調器36と、第2帯域フィルタ38と、第2FFT40を備える。
まず、第1信号チャンネルCH1について、以下に説明する。
第2復調器35は、分配器34から入力した第1の復調信号Dに対して、第3符号信号C3により相関復調を行って、復調信号D1を第1帯域フィルタ37へ出力する。
第2復調器35は、復調信号Dに含まれるM系列符号信号と、同じM系列符号信号である第3符号信号C3との相関値に応じた信号強度を有する復調信号D1を出力する。復調信号D1の信号強度は、復調信号Dに含まれるM系列符号信号の位相と、第3符号信号C3の位相とに影響を受ける。
図3を参照して説明したように、復調信号Dに含まれるM系列符号信号の位相が、同じM系列符号信号である第3符号信号C3の位相に対して、1ビット未満のずれであれば、自己相関関数を求めることと等価である復調処理により、−1よりも大きい相関値が得られる。次に、第3符号信号C3の位相について、図4を参照しながら以下に説明する。
図4は、第3符号信号の位相を説明する図である。
第3符号信号C3の位相は、接近を検知したい、物体150と装置10との最短の距離Rrに基づいて決定され得る。装置10と物体150とが距離Rrだけ離れている時に送信部25から送信された無線信号が物体150に反射されて受信部31が受信するまでに要する時間Trは、2×Rr/Vcで表される。ここで、Vcは、電磁波の速度である。従って、第3符号信号C3の位相が、第2符号信号C2の位相に対して時間Trだけ遅れていると、第3符号信号C3の位相と復調信号Dに含まれるM系列符号信号の位相とが一致する。
従って、第3符号信号C3の位相の第2符号信号C2の位相に対する遅れが、時間Tr以上であれば、物体150が装置10に距離Rrまで接近する以前に、物体150が装置10と近接したことを、検知することが可能となる。
本実施形態では、第3符号信号C3の位相の第2符号信号C2の位相に対する遅れは1ビットである。この1ビットは、距離Rrに基づいて決定される時間Trに対応している。なお、1ビットの時間は、図2(A)に示すサブパルス幅に対応する。
第1帯域フィルタ37は、復調信号D1を入力して、符号発生器21が発生したM系列符号信号C1の周期の逆数(1/T)とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させて、第1FFT39へ出力する。
第1FFT39は、第1帯域フィルタ37から出力された復調信号D1を入力して、フーリエ変換された復調信号D1を、差分器41へ出力する。第1FFT39は、時間領域表示の信号を、周波数領域表示の信号(周波数スペクトルを含む信号)に変換する。
図5は、復調信号の周波数スペクトルを説明する図である。
まず、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の位相と、第3符号信号C3の位相との差が1ビット未満であれば、大きい相関値が得られるので、図5のピークPに示すように、ドップラー周波数fdの位置に復調信号D1の周波数スペクトルが得られる。ドップラー周波数fdの位置に基づいて、装置10と物体150との間の相対速度を求めることもできる。
次に、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の位相が、第3符号信号C3の位相よりも1ビット以上遅れている場合の周波数スペクトルを、図5を参照しながら説明する。
周波数スペクトルS1及びS4は、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の位相が、第3符号信号C3の位相よりも1ビット遅れている場合の例である。周波数スペクトルS2及びS5は、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の位相が、第3符号信号C3の位相よりも2ビット遅れている場合の例である。周波数スペクトルS3及びS6は、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の位相が、第3符号信号C3の位相よりも3ビット遅れている場合の例である。
周波数スペクトルS1〜S3は、周波数がゼロと1/Tの間の範囲の分布である。周波数スペクトルS4〜S6は、周波数が、1/T以上の範囲に分布している1次高調波の周波数スペクトルである。
ここで、周波数スペクトルS1〜S3は、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の周波数スペクトルと、同じ分布を有している。即ち、周波数スペクトルS1〜S3は、同じ分布を有している。これは、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の位相が、第3符号信号C3の位相よりも1ビット以上遅れていても、復調信号D1に含まれるM系列符号信号と第3符号信号C3との自己相関値(DC成分)は−1で一定であるためである。
一方、周波数スペクトルS4〜S6は、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の位相と、第3符号信号C3の位相とのずれに基づいて変化するので同じとは限らない。
第1帯域フィルタ37は、周波数スペクトルS1〜S3を有する信号を通過させるが、周波数スペクトルS4〜S6を有する信号は通過させない。
なお、上述した説明は、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の位相が第3符号信号C3の位相に対して1ビット以上進んでいる場合にも適用される。
図6(A)は、図2(C)の周波数領域表示の周波数スペクトルに対応しており、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の周波数スペクトルを示している。周波数1/Tの間隔で配置される各周波数成分は、装置10と物体150との間に相対速度があると、+fd及び―fdの方向にドップラーシフトする。
図6(B)は、第1帯域フィルタ37が通過させる、周波数がゼロと1/Tの間の範囲の周波数スペクトルを拡大して示す。装置10と物体150との間の相対速度の増加によりドップラー周波数が増大すると、周波数1/Tの周波数成分−fdが、周波数ゼロの方向に移動すると共に、周波数ゼロの周波数成分+fdが、周波数1/Tの方向へ移動して、周波数1/(2T)において重なる。ドップラーシフトによる周波数成分のこれ以上の移動が生じると、検知器42が周波数ゼロの周波数成分の位置を検知できなくなるおそれがある。
そこで、第1帯域フィルタ37は、復調信号D1を入力して、1/(2T)とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させて第1FFT39へ出力することが、検知器42が周波数ゼロの周波数成分の位置を検知する観点から好ましい。
以上が、第1信号チャンネルCH1の説明である。
次に、第2信号チャンネルCH2について、以下に説明する。
第3復調器36は、分配器34から入力した第2の復調信号Dに対して、第1符号信号C1により相関復調を行って、復調信号D2を第2帯域フィルタ38へ出力する。
第3復調器36は、復調信号Dに含まれるM系列符号信号と、同じM系列符号信号である第1符号信号C1との相関値に応じた信号強度を有する復調信号D2を出力する。復調信号D2の信号強度は、復調信号Dに含まれるM系列符号信号の位相と、第1符号信号C1の位相とに影響を受ける。
図3を参照して説明したように、復調信号Dに含まれるM系列符号信号の位相が、同じM系列符号信号である第1符号信号C1の位相に対して、1ビット未満のずれであれば、自己相関関数を求めることと等価である復調処理により、−1よりも大きい相関値が得られる。次に、第1符号信号C1の位相について、図7を参照しながら以下に説明する。
図7は、第1符号信号の位相を説明する図である。
第1符号信号C1の位相は、復調信号Dに含まれるM系列符号信号との相関がとれないように、即ち相関値が−1となるように、決定されることが好ましい。装置10では、差分器41において、第1信号チャンネルCH1の復調信号D1と、第2信号チャンネルCH2の復調信号D2との差分が取られて、第3符号信号C3の位相と一致する信号が検知器42において検知されるものである。この観点から、第2信号チャンネルCH2の復調信号D2は、復調信号Dに含まれるM系列符号信号と位相が一致する信号を含まないことが好ましい。
具体的には、第1符号信号C1の位相は、検知したい物体150の最大検知距離Rよりも離れた距離に相当する時間Trに対応することが好ましい。即ち、時間Trは、2×R/Vcよりも大きいことが好ましい。ここで、Vcは、電磁波の速度である。従って、時間Trは、2×R/Vc<Tr<Tの範囲にあることが好ましい。ここで、Tは、M系列符号信号の周期である。
本実施形態では、第2符号信号C2の位相を基準として、第3符号信号C3の位相は、1ビットだけ遅れている。周期TのM系列符号信号において、第2符号信号C2の位相を基準として位相が最大に遅れている位置C1’は2―2ビットだけ位相が遅れた位置である。この位置C1’は、第2符号信号C2の位相を基準として、位相が1ビットだけ進んだ第1符号信号C1の位相の位置と等価である。そこで、本実施形態では、第1符号信号C1の位相を、第2符号信号C2の位相よりも1ビットだけ進めている。
第1符号信号C1の位相は、物体150が装置10に対して最大検知距離Rよりも十分に遠い位置にある場合に無線信号を反射して受信する可能性はあるが、受信した信号の強度は、検知器42で検知不可能な程度に十分に小さい。そのため、例え復調信号Dに含まれるM系列符号信号の位相が、第1符号信号C1の位相と一致したとしても、検知器42が検知信号を出力することは実質的にはあり得ない。
また、上述したように、所定の位相を有するM系列符号信号と、他の位相を有する当該M系列符号信号との2の法とした加算(復調処理に対応)は、更に他の位相を有するM系列符号信号となる。従って、復調信号Dに含まれるM系列符号信号の位相は、同じくM系列符号信号である第1符号信号C1の位相とは1ビット以上離れて異なるので、第3復調器36が出力する復調信号D2は、復調信号Dに含まれるM系列符号信号の位相及び第1符号信号C1の位相とは異なる位相を有するM系列符号信号を含むことになる。
第2帯域フィルタ38は、復調信号D2を入力して、符号発生器21が発生したM系列符号信号C1の周期の逆数(1/T)とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させて、第2FFT40へ出力する。ここで、図6(B)を参照して説明したのと同じ理由から、第2帯域フィルタ38は、復調信号D2を入力して、1/(2T)と、ゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させて第2FFT40へ出力することが好ましい。
第2FFT40は、第2帯域フィルタ38から出力された復調信号D2を入力して、フーリエ変換された復調信号D2を、差分器41へ出力する。第2FFT40は、時間領域表示の信号を、周波数領域表示の信号(周波数スペクトルを含む信号)に変換する。
上述したように、第2復調器D2が出力する復調信号D2は、復調信号Dに含まれるM系列符号信号が、1ビット以上離れた位相を有する非相関の第1符号信号C1の位相により復調されて生成される。従って、第2FFT40が出力する復調信号D2の周波数スペクトルは、図5の周波数スペクトルS1〜S3のような分布を有することになる。
差分器41は、第1FFT39から出力された復調信号D1及び第2FFT40から出力された復調信号D2を入力して、2つの信号の差分信号Eを出力する。
検知器42は、差分信号Eと、バイアス発生器43から入力したバイアス信号Vとに基づいて、物体150が近接したことを検知して、検知信号を出力する。
バイアス発生器43は、装置10内外の電磁気的及び電気的ノイズ環境に応じたアダプティブな信号強度を有するバイアス信号Vを出力する。例えば、バイアス発生器43は、復調信号D2に基づいて、バイアス信号Vを生成してもよい。
検知器42は、差分信号Eに含まれる周波数成分の大きさと、バイアス信号Vの大きさとを比較して、差分信号Eに含まれる周波数成分の大きさの方が大きい場合に検知信号を出力する。
次に、検知器42が、物体150を検知する動作について、図8を参照しながら以下に説明する。
図8(A)は、第1復調器32が出力する復調信号Dの周波数スペクトルを示す。復調信号Dは、M系列符号信号と、不要信号とを含んでいる。ここで、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の位相と、第3符号信号C3の位相との差が1ビット未満であるとする。即ち、受信信号は、装置10と物体150とが距離Rrだけ離れている時に送信部25から送信された無線信号が物体150に反射されて受信部31により受信されている(図4参照)。
図8(B)は、第1信号チャンネルCH1において、第1FFT39が出力する復調信号D1の周波数スペクトルを示す。
復調信号D1に含まれるM系列符号信号は、第2復調器35により、位相が相関する第3符号信号C3により復調されて、図8(B)に示すように、M系列符号信号の自己相関値に対応する大きい周波数スペクトルを有する。一方、不要信号は、第2復調器35において、第3符号信号C3により直接拡散変調されて広帯域に分布する周波数スペクトルを示す。
図8(C)は、第2信号チャンネルCH2において、第2FFT40が出力する復調信号D2の周波数スペクトルを示す。
不要信号は、第3復調器36において、第1符号信号C1により直接拡散変調されて広帯域に分布する周波数スペクトルを示す。
復調信号D2に含まれるM系列符号信号は、第3復調器36により、位相が非相関な第1符号信号C1により復調されるので、異なる位相を有するM系列符号信号の周波数スペクトルを示す。しかし、このM系列符号信号の周波数スペクトルの大きさは、系列長の逆数程度になるので、通常、不要信号と比べて無視できる大きさとなるので図示していない。
図8(D)は、差分器41が出力する差分信号Eを示す。
差分信号Eは、図8(B)に示す周波数スペクトルと、図8(C)に示す周波数スペクトルとの差分をとることにより、不要信号が消去され、且つ、復調信号D1に含まれるM系列符号信号が第1符号信号C1により非相関に復調された信号の周波数成分(ただし、不要信号と比べて無視できる大きさ)が減算されて、M系列符号信号の自己相関値に対応する強い周波数スペクトルSのみを含む。
検知器42は、差分信号Eが含む周波数スペクトルSを、バイアス信号Vの大きさと比較して、周波数スペクトルがバイアス信号Vよりも大きい場合に、検知信号を出力する。
M系列符号信号の系列長(2−1)を長くすることにより、自己相関関数の相関値を大きくすることができる。これにより、相関復調された復調信号D1の周波数スペクトルSが増大するので、検知器42よる周波数スペクトルSの検知精度を高めることができる。一方、M系列符号信号の系列長を長くすることは、帯域フィルタの上限周波数1/(2T)を小さくすることになるので、接近を検知したい物体の接近速度に起因するドップラ周波数fd=2V/λ(V:相対速度、λ:波長)に制限を設けるおそれがある。従って、M系列符号信号の系列長は、検知器42の検知精度と、接近を検知したい物体とのドップラ周波数との兼ね合いにより決定されることが好ましい。
次に、装置10が物体150の近接を検知しない場合について、検知器42の動作を、図9を参照しながら以下に説明する。
図9(A)は、第1復調器32が出力する復調信号Dの周波数スペクトルを示す。復調信号Dは、M系列符号信号と、不要信号とを含んでいる。ここで、復調信号D1に含まれるM系列符号信号の位相と、第3符号信号C3の位相との差が1ビット以上離れている。即ち、復調信号D1に含まれるM系列符号信号と第3符号信号C3とは非相関である。
図9(B)は、第1信号チャンネルCH1において、第1FFT39が出力する復調信号D1の周波数スペクトルを示す。
復調信号D1に含まれるM系列符号信号は、第2復調器35により、位相が非相関な第3符号信号C3により復調されるので、異なる位相を有するM系列符号信号の周波数スペクトルを示す。このM系列符号信号の周波数スペクトルの大きさは、系列長の逆数程度になるので、通常、不要信号と比べて無視できる大きさとなるので図示していない。
また、不要信号は、第2復調器35において、第3符号信号C3により直接拡散変調されて広帯域に分布する周波数スペクトルを示す。
図9(C)は、第2信号チャンネルCH2において、第2FFT40が出力する復調信号D2の周波数スペクトルを示す。
不要信号は、第3復調器36において、第1符号信号C1により直接拡散変調されて広帯域に分布する周波数スペクトルを示す。
また、復調信号D2に含まれるM系列符号信号は、第3復調器36により、位相が非相関な第1符号信号C1により復調されるので、異なる位相を有するM系列符号信号の周波数スペクトルを示す。この周波数スペクトルは、第1信号チャンネルCH1において、第2復調器35により生成されるM系列符号信号の周波数スペクトルと同じである。このM系列符号信号の周波数スペクトルの大きさは、系列長の逆数程度になるので、通常、不要信号と比べて無視できる大きさとなるので図示していない。
図9(D)は、差分器41が出力する差分信号Eを示す。
差分信号Eは、図9(B)に示す周波数スペクトルと、図9(C)に示す周波数スペクトルとの差分をとることにより、M系列符号信号の周波数スペクトル及び不要信号が消去されるので、周波数成分をほとんど含まない信号となる。
検知器42は、差分信号Eをバイアス信号Vの大きさと比較して、バイアス信号Vが差分信号Eよりも大きいので、検知信号を出力しない。
上述した本実施形態の近接検知装置によれば、不要信号が大きい場合でも、差分器により不要信号が除去されるので、物体が近接したことを検知できる。
次に、上述した第1実施形態の近接検知装置の変形例を、図10を参照しながら、以下に説明する。
本変型例の装置10では、分配器34は、復調信号Dを第1信号チャンネルCH1、第2信号チャンネルCH2及び第3信号チャンネルCH3のそれぞれに分配する。第3信号チャンネルCH3は、第4復調器50と、第3帯域フィルタ51と、第3FFT52を備える。
第1遅延回路22は、第1符号信号C1を入力して、位相を所定量だけ遅延させた第2符号信号C2を、変調器23、第2遅延回路26及び第3遅延回路54へ出力する。
第3遅延回路54は、第2符号信号C2を入力して、位相を第3符号信号C3よりも大きく遅延させた第4符号信号C4を第4復調器50へ出力する。本実施形態では、第3遅延回路54は、第2符号信号C2を入力して、位相を2ビットだけ遅延させた第4符号信号C4を出力する。
次に、第3信号チャンネルCH3について、以下に説明する。
第4復調器50は、分配器34から入力した復調信号Dに対して、第4符号信号C4により相関復調を行って、復調信号D3を第3帯域フィルタ51へ出力する。
第4復調器50は、復調信号Dに含まれるM系列符号信号と、同じM系列符号信号である第4符号信号C4との相関値に応じた信号強度を有する復調信号D3を出力する。
第3帯域フィルタ51は、復調信号D3を入力して、符号発生器21が発生したM系列符号信号C1の周期の逆数(1/T)とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させて、第3FFT52へ出力する。
第3FFT52は、第3帯域フィルタ51から出力された復調信号D3を入力して、フーリエ変換された復調信号D3を、差分器53へ出力する。
差分器53は、第3FFT52から出力された復調信号D3及び第2FFT40から出力された復調信号D2を入力して、2つの信号の差分信号Fを出力する。
検知器42は、差分信号Fと、バイアス発生器43から入力したバイアス信号Vとに基づいて、物体150が近接したことを検知して、検知信号を出力する。
上述した本変型例によれば、第3信号チャンネルを追加して配置することにより、第1信号チャンネルとは異なる距離においても物体を検知することが可能となる。分配器が分岐する信号の数及び信号チャンネルの数は、更に増やすことにより、更に異なる距離においても物体を検知するようにしてもよい。
次に、上述した近接検知装置の第2実施形態を、図11を参照しながら以下に説明する。第2実施形態について特に説明しない点については、上述の第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、同一の構成要素には同一の符号を付してある。
本実施形態の装置10も、上述した第1実施形態と同様に、信号送信部20と、信号検知部30を備える。
信号送信部20は、符号発生器21と、遅延回路60と、変調器23と、発振器24と、送信部25を備える。
信号検知部30は、受信部31と、第1復調器32と、増幅器33と、分配器61と、第2復調器62と、帯域フィルタ63と、FFT64と、最小復調信号検出器65と、差分器66と、検知器42と、バイアス発生器43を備える。
まず、信号送信部20について、以下に説明する。
符号発生器21は、Nビットの符号長(系列長)を有し、2つの位相を有する符号が所定の周期でランダムな順番で配列された基準符号信号CBを発生して、変調器23及び遅延回路60へ出力する。
遅延回路60は、基準符号信号CBを入力して、基準符号信号CBの位相に対して、それぞれの位相が1ビットからNビット遅延しているN個の遅延符号信号CR1〜CRNを第2復調器62へ出力する。遅延符号信号CR1の位相は、基準符号信号CBよりも1ビット遅延している。遅延符号信号CR2の位相は、遅延符号信号CR1よりも1ビット遅延しており、遅延符号信号CRNの位相は、遅延符号信号CRN−1よりも1ビット遅延している。
変調器23、発振器24及び送信部25の動作は、上述した第1実施形態と同様である。
次に、信号検知部30について、以下に説明する。
受信部31と、第1復調器32と、増幅器33の動作は、上述した第1実施形態と同様である。
分配器61は、復調信号DをN個の信号に分配して、第1〜第Nの復調信号Dを第2復調器62へ出力する。
第2復調器62は、分配器61から入力したN個の復調信号Dのそれぞれに対して、N個の遅延符号信号CR1〜CRNの内の異なる一の遅延符号信号により相関復調を行って、N個の復調信号D1〜DNを、帯域フィルタ63へ出力する。
図11に示すように、第2復調器62は、N個のサブ復調器62a〜62nを有する。
サブ復調器62aは、分配器61から入力した第1の復調信号Dに対して、遅延符号信号CR1により相関復調を行って、復調信号D1を帯域フィルタ63へ出力する。同様に、サブ復調器62b〜62nは、分配器61から入力した第2〜第Nの復調信号Dに対して、遅延符号信号CR2〜CRNにより相関復調を行って、復調信号D2〜DNを帯域フィルタ63へ出力する。
帯域フィルタ63は、第2復調器62から入力したN個の復調信号D1〜DNのそれぞれに対して、符号発生器21が発生したM系列符号信号CBの周期の逆数(1/T)とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させて、FFT64へ出力する。
図11に示すように、帯域フィルタ63は、N個の第1帯域フィルタ(第1PF)63a〜第N帯域フィルタ(第NPF)63nを有する。
第1PF63aは、サブ復調器62aから入力した復調信号D1に対して、符号発生器21が発生したM系列符号信号CBの周期の逆数(1/T)とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させて、FFT64へ出力する。第2PF63b〜第NPF63nは、サブ復調器62b〜62nから入力した復調信号D2〜DNに対して、符号発生器21が発生したM系列符号信号CBの周期の逆数(1/T)とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させて、FFT64へ出力する。
FFT64は、帯域フィルタ63から出力された復調信号D1〜DNを入力して、フーリエ変換された復調信号D1〜DNを、最小復調信号検出器65及び差分器66へ出力する。
図11に示すように、FFT64は、N個の第1FFT64a〜第NFFT64nを有する。
第1FFT64aは、第1PF63aから出力された復調信号D1を入力して、フーリエ変換された復調信号D1を、最小復調信号検出器65及び差分器66へ出力する。第2FFT64b〜第NFFT64nは、第2PF63b〜第NPF63nから出力された復調信号D2〜DNを入力して、フーリエ変換された復調信号D2〜DNを、最小復調信号検出器65及び差分器66へ出力する。
最小復調信号検出器65は、帯域フィルタ63及びFFT64を通過したN個の復調信号D1〜DNを入力して、最小の信号強度を有する復調信号を決定して、決定された最小の信号強度を有する復調信号を、差分器66へ出力する。
差分器66は、帯域フィルタ63及びFFT64を通過したN個の復調信号D1〜DNのそれぞれと、最小の信号強度を有する復調信号との差分であるN個の差分信号E1〜ENを、検知器42へ出力する。
図11に示すように、差分器66は、N個の第1差分器66a〜第N差分器66nを有する。
第1差分器66aは、第1PF63a及び第1FFT64aを通過した復調信号D1と、最小の信号強度を有する復調信号との差分である差分信号E1を、検知器42へ出力する。第2差分器66b〜第N差分器66nは、第2PF63b〜第NPF63n及び第2FFT64b〜第NFFT64nを通過した復調信号D2〜DNと、最小の信号強度を有する復調信号との差分である差分信号E2〜ENを、検知器42へ出力する。
検知器42は、差分信号E1〜ENと、バイアス発生器43から入力したバイアス信号Vとに基づいて、物体150が近接したことを検知して、検知信号を出力する。
具体的には、検知器42は、差分信号E1〜ENに含まれる周波数成分の大きさと、バイアス信号Vの大きさとを比較して、バイアス信号Vの大きさよりも大きい周波数成分を有する差分信号E1〜ENの信号チャンネルを識別するチャンネル識別情報(例えば、E1〜EN)を、検知信号と共に出力する。
差分信号E1〜ENのチャンネル識別情報は、遅延符号信号CR1〜CRNのそれぞれと対応しているので、基準符号信号CBの位相に対する遅延符号信号CR1〜CRNの位相の遅れに基づいて、物体の近接を検知する距離が対応づけられている。従って、検知信号と共にチャンネル識別情報を出力することにより、物体の近接を検知した距離と共に、物体が近接したことを検知することができる。
物体の近接を検知する場合、通常は、遠い位置から近づいてくることを検知できるが、物体の移動の仕方によっては、このような順番では検知されないことがある。本実施形態の近接検知装置によれば、物体がこのような近接の仕方で近づくことも検知することができる。
または、検知器42は、差分信号E1〜ENに含まれる周波数成分の大きさと、バイアス信号Vの大きさとを比較して、何れかの差分信号E1〜ENに含まれる周波数成分の大きさの方が大きい場合に検知信号を出力してもよい。
本発明では、上述した実施形態の近接検知装置は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、第1実施形態の構成において、第1FFT及び第2FFTは配置しなくてもよい。差分器は、第1帯域フィルタ及び第2帯域フィルタの出力する復調信号の差分信号を出力し、検知器が差分信号に基づいて、物体の近接を検知する。第2実施形態においても、同様にFFTを配置しなくてもよい。
10 近接検知装置
20 信号送信部
21 符号発生器
22 第1遅延回路
23 変調器
24 発振器
25 送信部
26 第2遅延回路
30 信号検知部
31 受信部
32 第1復調器
33 増幅器
34 分配器
35 第2復調器
36 第3復調器
37 第1帯域フィルタ
38 第2帯域フィルタ
39 第1FFT(第1フーリエ変換器)
40 第2FFT(第2フーリエ変換器)
41 差分器
42 検知器
43 バイアス発生器
50 第4復調器
51 第3帯域フィルタ
52 第3FFT(第3フーリエ変換器)
53 差分器
54 第3遅延回路
60 遅延回路
61 分配器
62 第2復調器
63 帯域フィルタ
64 FFT(フーリエ変換器)
65 最小復調信号検出器
66 差分器
150 物体

Claims (7)

  1. 2つの位相を有する符号が所定の周期でランダムな順番で配列された第1符号信号を発生する符号発生器と、
    前記第1符号信号を入力して、位相を第1の所定量だけ遅延させた第2符号信号を出力する第1遅延回路と、
    前記第2符号信号を入力して、位相を第2の所定量だけ遅延させた第3符号信号を出力する第2遅延回路と、
    前記第2符号信号に対して、所定周波数の搬送波信号により直接拡散変調を行って、変調信号を出力する変調器と、
    前記変調信号を入力して、当該変調信号に応じた信号強度の無線信号を出力する送信部と、
    物体により反射された前記無線信号を受信して、受信した当該無線信号に応じた信号強度の受信信号を出力する受信部と、
    前記受信信号を入力して、前記搬送波信号により復調して、第1復調信号を出力する第1復調器と、
    前記第1復調信号を2つの信号に分配する分配器と、
    前記分配器から入力した第1の前記第1復調信号に対して、前記第3符号信号により相関復調を行って、第2復調信号を出力する第2復調器と、
    前記分配器から入力した第2の前記第1復調信号に対して、前記第1符号信号により相関復調を行って、第3復調信号を出力する第3復調器と、
    前記第2復調信号を入力して、前記所定の周期の逆数とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させる第1帯域フィルタと、
    前記第3復調信号を入力して、前記所定の周期の逆数とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させる第2帯域フィルタと、
    前記第1帯域フィルタから出力された前記第2復調信号を入力して、フーリエ変換された前記第2復調信号を出力する第1フーリエ変換器と、
    前記第2帯域フィルタから出力された前記第3復調信号を入力して、フーリエ変換された前記第3復調信号を出力する第2フーリエ変換器と
    前記第1フーリエ変換器から出力された前記第2復調信号及び前記第2フーリエ変換器から出力された前記第3復調信号を入力して、2つの信号の差分信号を出力する差分器と、
    前記差分信号に基づいて、物体が近接したことを検知する検知信号を出力する検知器と、
    を備える近接検知装置。
  2. 前記第1帯域フィルタは、前記第2復調信号を入力して、前記所定の周期の逆数の1/2と、ゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させて出力し、
    前記第2帯域フィルタは、前記第3復調信号を入力して、前記所定の周期の逆数の1/2と、ゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させて出力する請求項1に記載の近接検知装置。
  3. 前記第1遅延回路は、前記第1符号信号を入力して、位相を1ビットだけ遅延させた前記第2符号信号を出力する請求項1又は2に記載の近接検知装置。
  4. 前記第2遅延回路は、前記第2符号信号を入力して、位相を1ビットだけ遅延させた前記第3符号信号を出力する請求項1〜の何れか一項に記載の近接検知装置。
  5. 前記符号発生器は、前記第1符号信号として、巡回自己相関関数のサイドローブが一定となる信号を発生する請求項1〜の何れか一項に記載の近接検知装置。
  6. 前記分配器は、前記第1復調信号を3つの信号に分配しており、
    前記第2符号信号を入力して、位相を、前記第3符号信号よりも大きく遅延させた第4符号信号を出力する第3遅延回路と、
    前記分配器から入力した第3の前記第1復調信号に対して、前記第4符号信号により相関復調を行って、第4復調信号を出力する第4復調器と、
    前記第4復調信号を入力して、前記所定の周期の逆数とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させる第3帯域フィルタと、
    前記第3帯域フィルタから出力された前記第4復調信号を入力して、フーリエ変換された前記第4復調信号を出力する第3フーリエ変換器と
    前記第3フーリエ変換器から出力された前記第4復調信号及び前記第2フーリエ変換器から出力された前記第3復調信号を入力して、2つの信号の差分を第2の差分信号として出力する第2の差分器と、
    を備え、
    前記検知器は、前記差分信号及び前記第2の差分信号に基づいて、物体が近接したことを検知する検知信号を出力する、請求項1〜の何れか一項に記載の近接検知装置。
  7. Nビットの符号長を有し、2つの位相を有する符号が所定の周期でランダムな順番で配列された基準符号信号を発生する符号発生器と、
    前記基準符号信号を入力して、前記基準符号信号の位相に対して、それぞれの位相が1ビットからNビット遅延しているN個の遅延符号信号を出力する遅延回路と、
    前記基準符号信号に対して、所定周波数の搬送波信号により直接拡散変調を行って、変調信号を出力する変調器と、
    前記変調信号を入力して、当該変調信号に応じた信号強度の無線信号を出力する送信部と、
    物体により反射された前記無線信号を受信して、受信した当該無線信号に応じた信号強度の受信信号を出力する受信部と、
    前記受信信号を入力して、前記搬送波信号により復調して、第1復調信号を出力する第1復調器と、
    前記第1復調信号をN個の信号に分配する分配器と、
    前記分配器から入力したN個の前記第1復調信号のそれぞれに対して、N個の前記遅延符号信号の内の異なる一の前記遅延符号信号により相関復調を行って、N個の第2復調信号を出力する第2復調器と、
    前記第2復調器から入力したN個の前記第2復調信号のそれぞれに対して、前記所定の周期の逆数とゼロとの間の範囲の周波数を有する信号を通過させる帯域フィルタと、
    前記帯域フィルタから出力されたN個の前記第2復調信号のそれぞれを入力して、フーリエ変換されたN個の前記第2復調信号を出力するフーリエ変換器と、
    前記フーリエ変換器から出力されたN個の前記第2復調信号を入力して、最小の信号強度を有する前記第2復調信号を決定する最小復調信号検出器と、
    前記フーリエ変換器から出力されたN個の前記第2復調信号のそれぞれと、最小の信号強度を有する前記第2復調信号との差分であるN個の差分信号を出力する差分器と、
    N個の前記差分信号に基づいて、物体が近接したことを検知する検知信号を出力する検知器と、
    を備える近接検知装置。
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