JP6865639B2 - 洋菓子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は,洋菓子製造方法に関するものである。
近年,バウムクーヘンなどの菓子について,従来の菓子と異なる特徴のある菓子とするためにさまざまな工夫がなされている。その1つとして,菓子母体の表面に表面層材料をコーティングした菓子や菓子の製造方法が開示されている(例えば特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載の菓子の製造方法は,第1生地よりなる生地塊を輪切りした年輪型焼き生地の土台に,第2生地を塗布して蒸した菓子の製造方法である。特許文献2に記載の菓子は,果実がスポンジ層によって包み込まれ,スポンジ層の表面がチョコレートの層で覆われている菓子である。
特開2013−4号公報 特公平8−4449号公報
特許文献1,2に記載の菓子のように,表面に別の生地が塗布された菓子や,表面をチョコレートで被覆した菓子はしっとりとしていて冬場には適しているが,夏場にはより清涼感のある菓子がほしいという要求がある。また,チョコレートで被覆した菓子の場合,夏場はチョコレートが溶けたり,冬場にはチョコレートが割れてしまうことがある。また,一方で,保存料を添加しない要求や保存可能期間を長くしたいとの要求がある。
本発明は,1年を通して提供可能であり,従来にない特徴のある洋菓子とその製造方法を提供することを目的とする。また,第2に保存料を添加することなく,保存可能期間を延ばした洋菓子とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る一の態様の菓子は,菓子母体と,前記菓子母体の表面を被覆する表面層と,を備え,前記表面層を形成する表面層材に寒天が含まれていることを特徴とする。この構成によれば,菓子母体の表面に寒天を含む表面層となり,清涼感のある菓子となる。ここで,菓子母体とは,例えばバウムクーヘンである。
好ましくは,前記表面層材は,少なくとも,水,寒天,砂糖,果汁を含み,Brix値が60Bx以上で,pHが1以上4以下である。本願の発明者らは,研究により,Brix値が60Bx以上,pHが4以下とすることで,保存料を添加することなく,一定の保存可能期間を備えることをつきとめた。同時に,pHを1未満とすると寒天の固まりが悪くなることもつきとめた。なお,Brix値とは糖度を示す数値である。
また,前記表面層材は,さらに,生クリーム,水あめを含み,Brix値が60Bx以上で,pHが2以上3以下である。また,前記表面層材は,フォンダンを含み,Brix値が70Bx以上,pHが2以上4以下とする構成としてもよい。また,前記果汁はレモン果汁であってもよい。また,前記菓子母体は,筒状であり,長手方向において一定間隔
で周回凹部が形成されたバウムクーヘンであってもよい。
本発明に係る一の態様の洋菓子の製造方法は,菓子母体と,前記菓子母体の表面を被覆する表面層を備える菓子の製造方法であって,水,生クリーム,寒天,砂糖を混合して沸騰させ,これに水あめを追加して再度沸騰させ,ベース材料を製造する工程Aと,水,果汁を混合して沸騰させ,果汁液を製造する工程Bと,前記ベース材料に前記果汁液を加えて沸騰させ,前記表面層となる表面層材を製造する工程Cと,を備え,前記工程Aにおいて,前記ベース材料を60℃から80℃の温度とし,その温度を維持したまま,前記工程Cにおいて,前記ベース材料に前記果汁液を加え,Brix値が60Bx以上,pHが以上以下とすることを特徴とする。この構成によれば,果汁を利用した微生物コントロールによって,保存料を添加することなく,一定の保存可能期間を備える洋菓子を容易に製造することができる。
好ましくは,この洋菓子の製造方法は,前記工程Aにおいて,前記水あめを入れるに先だって,砂糖を追加し,沸騰させる。この構成によれば,砂糖を前後二回に分けて投入することができるので,製造過程において,砂糖が溶けにくく塊になることが抑制される。
好ましくは,この洋菓子の製造方法は,前記表面層材は,前記菓子母体の表面に付けるまで,60℃から80℃の温度を維持した状態で,撹拌しながら保管する工程Dをさらに備える。この構成によれば,表面層材を菓子母体に付ける前において,表面層材が不用意に固まることを抑制するとともに,温度管理により表面層の厚みをコントロールできる。
また,この洋菓子の製造方法は,菓子母体と,前記菓子母体の表面を被覆する表面層を備える菓子の製造方法であって,水,寒天を混合した混合液を沸騰させ,前記混合液を30℃から50℃の温度を維持した状態にあるフォンダンに混合してベース材料を製造する工程Aと,前記ベース材料に,果汁を加えて,前記表面層となる表面層材を製造する工程Bと,を備え,前記工程Aにおいて,前記ベース材料を30℃から50℃の温度とし,その温度を維持したまま,前記工程Bにおいて,前記ベース材料に前記果汁を加え,Brix値が70Bx以上,pHが2以上4以下とすることを特徴とする。
好ましくは,この洋菓子の製造方法は,前記表面層材を30℃から50℃の温度を維持した状態で保管する工程Cをさらに備える。この構成によれば,表面層材を菓子母体に付ける前において,表面層材が不用意に固まることを抑制するとともに,温度管理により表面層の厚みをコントロールできる。
また,この洋菓子の製造方法は,前記表面層材を貯留槽に入れ,前記菓子母体を回転させながら表面に前記表面層材をつける工程Eをさらに備える。
好ましくは,この洋菓子の製造方法は,前記工程Eにおいて,前記表面層材は保管タンクから供給部を通じて前記貯留槽に供給されていて,前記貯留槽内の前記表面層材は,該貯留槽内で液面が設定高さを維持するように貯留され,前記貯留槽内の前記表面層材に前記菓子母体を1回浸すことにより,該菓子母体の表面に表面層材を付ける。
この構成によれば,菓子母体の表面に表面層材を効率よく略均一にコーティングすることができ,また複数の菓子母体を連続してコーティングすることができる。ここで,表面層材のコーティングは1回で行うことが好ましい。表面層材には寒天が含まれるため,2回以上とすると,表面層材が綺麗につかない場合があり,表面がいびつになるおそれがある。また,ハガレの原因になるおそれがある。
ここで,貯留槽内で表面層材の液面の設定高さを維持するとは,例えば1つめの菓子母体に表面層材をコーティングした後に,表面層材を貯留槽内に供給して液面高さを設定高
さにする。これにより,2つめの菓子母体に表面層材をコーティングする際に,1つめの菓子母体と同様に表面層材をコーティングすることができる。このようにすれば,複数の菓子母体を処理する場合に複数の寒天のコーティングを略均一とでき,ばらつきを抑えることができる。
また,この洋菓子の製造方法は,前記供給部が,前記保管タンクと前記貯留槽とをつなぐ供給チューブと,前記供給チューブを挟み込んで供給量を制御するエアシリンダと,を有し,前記エアシリンダが,前記菓子母体1つに表面層材を付けるごとに,前記貯留槽での表面層材の液面が設定高さを維持するように前記貯留槽に前記供給チューブを通じて表面層材を補給するように制御される構成としてもよい。この構成によれば,供給チューブが,表面層材によって詰まるのを防止しつつ,供給チューブを通じての表面層材の供給量を制御することで,貯留槽の液面高さを設定高さに維持させることができる。
また,この洋菓子の製造方法は,前記菓子母体が筒状であって,前記菓子母体に櫛状部材を当てながら回転させ,長手方向において一定間隔で周回凹部を形成する工程Fをさらに備えてもよい。この構成によれば,菓子母体の周囲に周回凹部を簡単に形成することができ,完成する洋菓子の形状を特徴的な形状とできる。
本発明に係る洋菓子は,従来にない特徴ある菓子となる。また,菓子母体を被覆する表面層に果汁及び寒天を含めることで,保存料を添加することなく保存可能期間を延ばすことができる。
本発明に係る洋菓子の製造方法は,従来にない特徴ある洋菓子を簡単に製造できる。また,洋菓子母体を被覆する表面層に果汁及び寒天を用いることで,保存料を添加することなく保存可能期間を延ばすことができる。
本実施形態に係る洋菓子の製造方法の一例を示す工程図である。 寒天付けシステムの説明図である。 寒天供給部の説明図である。 寒天付け機の説明図である。 櫛部材の説明図である。 本実施形態に係る洋菓子を示す図である。 本実施形態の変形例の製造方法を示す工程図である。
以下,本発明の一実施形態を図面に沿って説明するが,本発明はこれに限定されるものではない。また,以下の説明において,菓子母体が,筒状で,長手方向において一定間隔で周回凹部が形成されたバウムクーヘンであり,その表面を表面層で被覆した洋菓子及びその製造方法について説明するが,本発明はこれに限定されるものではない。
この形状のほか,例えば通常の筒状のバウムクーヘンや,その他の焼成された菓子母体の表面を表面層で被覆する場合にも,同様に本発明を適用することができる。また,以下の説明において,菓子母体の表面を被覆する表面層材にレモン果汁を用いたレモン寒天を使用しているが,これに限られず,他の果汁を用いてもよい。
本発明に係る洋菓子の製造方法の一例を示す工程図である図1に沿って,表1に記載の原料を各配合比で用いて,表面層を形成するレモン寒天(表面層材)を製造する手順について説明する。なお,表1の配合比は本実施形態の一例であり,原料の配合比はこれに限
られない。例えば,水10〜25%,生クリーム15〜30%,寒天1〜5%,砂糖30〜50%,水あめ5〜20%,レモン果汁3〜10%の範囲で各材料を選択してもよい。
Figure 0006865639
(ベース材料製造工程)
まず,水,生クリーム,寒天,砂糖を混合し,沸騰させる。
それから,砂糖を追加し,再度沸騰させる。ここで,砂糖を後から追加するのは,沸騰(加熱)により砂糖がうまく溶けずに,塊になるのを回避するために,二回に分けて投入しているのである。環境条件などにより塊になる可能性が低い場合には,後から追加することなく,最初から砂糖全量を混合することも可能である。
続いて,水あめを入れて沸騰させ,それから温度を70℃前後まで下げ,70℃前後の温度のベース材料とし,レモン寒天とされる最終工程まで70℃前後の温度状態を維持して,保管する。この保管状態にあるベース材料においては,寒天は確実に溶かされている。確実に溶かされていないと,後述する寒天付け機4の貯留槽4aにおいて,寒天の分子が切れるためである。
(レモン液製造工程)
ベース材料製造工程とは別に,水,レモン果汁を混合し,沸騰させ,レモン液とする。ここで,水を入れるのは,こげ付くのを防止するためである。また,沸騰させるのは,殺菌のためである。
(レモン寒天製造工程)
ベース材料に,レモン液を70℃前後で混合して,表面層を形成するレモン寒天とする。これにより,糖度がBrix値60Bx以上度で,pH2.6〜2.7のレモン寒天となる。なお,このレモン寒天は,菓子母体に付けるまで,撹拌しながら70℃前後(60℃〜80℃,好ましくは65℃〜75℃)の温度を保持して保管する。ここで,70℃前後の温度を保持するのは,80℃を越えると固まりにくくなり(分子が切れる),60℃
未満になるとうまく混ざりにくいからである。それから,前記レモン寒天は,後述するように,前記温度状態を保持し,攪拌しながら保管しておく。
(菓子母体の製造工程)
一方,菓子母体の製造方法について説明する。まず,図示しない第一ミキサーにバターと砂糖と卵黄と添加剤等を入れ,これらを混合して第一生地材を製造する。一方,図示しない第二ミキサーに,卵白と砂糖とを入れ,これらを混合して第二生地材を製造する。そして,図示しないニーダーに,第一生地材と第二生地材と小麦粉とを入れ,これらを混練して生地を製造する。
次に,上記した生地を焼成装置の槽に貯めた後,焼成装置を作動して,焼成装置に取り付けられた複数の焼成用芯棒ユニットが自転しながら焼成装置の筐体内を公転する。すなわち,槽において各焼成用芯棒ユニットに生地がつけられ,筐体内を公転しながらバーナーで生地が焼き上げられる。各焼成用芯棒ユニットは筐体内を所定周公転して,「槽で生地つけ→バーナーで焼き上げ」を繰り返しながら,複数の層が重ね合わされた菓子母体となる。
なお,本実施形態では,上記した生地付け→焼き上げの工程において,周囲に焼き上げ前の生地がついた状態の焼成用芯棒ユニットを自転させながら,これに所定間隔で櫛部がついた櫛部材を押し当てる(図5参照)。この工程を繰り返すことにより,周回凹部が形成された菓子母体となる。
(レモン寒天付け工程)
次に,上記の菓子母体に上記のレモン寒天をつける。焼成した菓子母体を焼成用芯棒ユニットごと寒天付け機4に取り付ける。一方,レモン寒天を貯留槽4aに設定高さになるよう流し入れる(図4参照)。なお,貯留槽4aには図示しないヒータが設置されていて,貯留槽4a内のレモン寒天の温度が45℃〜65℃に維持されている。レモン寒天の温度が高いとレモン寒天がさらさらし,菓子母体に付着した時に菓子母体に染み込んでしまうためである。
そして,寒天付け機4を作動させることで,焼成用芯棒ユニットが自転しながら公転し,貯留槽4aで菓子母体の周囲全体にわたって一様にレモン寒天が付着する。その後も焼成用芯棒ユニットは自転しながら寒天付け機4内を公転する工程でレモン寒天が冷却されて,菓子母体の周囲がレモン寒天により被覆される。最後に,レモン寒天により被覆された菓子母体を冷却室等に移すなどして冷却した後,所定の長さ毎にカットして本実施形態の洋菓子が完成する。
この工程により完成した洋菓子を図6に示す。この洋菓子は,筒状で複数の層が重なって形成され,長手方向に一定間隔で周回凹部が形成された形状のバウムクーヘンであり,その周面がレモン寒天で被覆されたものである。
以上の洋菓子の製造方法及び洋菓子によれば,レモン果汁を利用した微生物コントロールによって,保存可能期間を延ばすようにしているので,保存料を添加することなく,保存可能期間を延ばすことができる。微生物コントロールのために,糖度はBrix値60Bx以上の糖度で,pH2.6〜2.7の酸性状態にされている。さらに,pH2.6以上としているのは,例えばpH1以下など酸性が強すぎると寒天が固まりにくいからである。
(寒天付けシステムの構成)
寒天付けシステム1は,図2に示すように,寒天ウォーマー2と,寒天ウォーマー2を
支持する,移動可能である架台3と,貯留槽4aを有する寒天付け機4と,寒天ウォーマー2と寒天付け機4との間に設けられレモン寒天を寒天ウォーマー2から寒天付け機4の貯留槽4aに一定の割合で供給する寒天供給部5とを備える。
寒天ウォーマー2は,保管タンク11と,攪拌機12と,図示しない保温用の電気ヒータ(例えば熱電対温調器で,AC200V,500W)とを備え,保管タンク11内のレモン寒天を前記電気ヒータによって70℃前後(60℃〜80℃)の温度を維持した状態で,攪拌機12によって撹拌しながら,保管できるようになっている。
攪拌機12は,液状のレモン寒天をゆっくり回す程度の撹拌を行うもので,レモン寒天中に投入される撹拌翼12aと,撹拌翼12aを回転駆動する駆動モータ12bとを有する。この攪拌機12の駆動モータ12bや前記電気ヒータは,電気制御盤13によって電気的に制御される。
なお,攪拌機12,電気制御盤13などの電装部品は着脱可能に設けられ,保管タンク11の丸洗いの際には,それらを保管タンク11から簡単に分離できるようになっている。具体的に図示していないが,図示しない前記電気ヒータは電気制御盤13とはコネクタを介して接続され,保温カバーを備える。
保管タンク11は,底部を有する円筒状タンク(SUSタンク,t=50mm)で,直径400m,高さ450mmの大きさを有し,満杯時には60リットルのレモン寒天を貯留することができる。なお,寒天ウォーマー2は,移動可能である架台3で支持させ,移動可能としているので,架台3を利用して洗い場までそのまま移動させることができる。
寒天ウォーマー2の保管タンク11には,別の位置に設置され保温状態のレモン寒天が貯留されている寒天貯留タンク21から,作業者によってバケツなどの搬送容器22を用いて運ばれ,随時投入される。例えば,1回当たり50リットル程度とされる。
保管タンク11は,架台3が備える手動式リフター31の可動部31a上に裁置されている。作業者による可動部31a(リフター31)の昇降操作によって,保管タンク11を,上側の供給位置と下側の投入位置との間で移動させることができる。そして,寒天付け作業中においては,保管タンク11は,通常,上の側の供給位置にあるが,保管タンク11へのレモン寒天投入時には,保管タンク11は,上側の供給位置から下側の投入位置まで移動せしめられ,その投入位置において保管タンク11内に作業者によってレモン寒天が搬送容器22から投入される(図2の二点鎖線参照)。これは,レモン寒天が高温であることから,安全確保のためである。
寒天供給部5は,図3に示すように,供給チューブ5aを通じて,保管タンク11と貯留槽4aとの間の落差を利用して,寒天を保管タンク11から貯留槽4aに供給する構成とされ,供給チューブ5aの途中にエアシリンダ5bが設けられている。エアシリンダ5bは,空気回路15によって駆動制御され,エアシリンダ5bによって供給チューブ5aを絞り込む加減を制御することで,供給チューブ5aの通路断面積を変化させ,レモン寒天の供給量を調整できるようになっている。
寒天付け機4は,後述するように,貯留槽4aが昇降機構42を介して支持され,作業者が昇降機構42のハンドル42aを操作することで,上側位置と下側位置との間で貯留槽4aを昇降移動させることができるようになっている。寒天付けの際には貯留槽4aは上側位置とされるが,二度付けを回避するために,寒天付けが終了すると次の寒天付けまでの間,貯留槽4aは下側位置に待避させるようになっている。二度付けを回避するのは,レモン寒天は粘度が高いため,菓子母体に二度付けすると,レモン寒天付け後の形状が
いびつになり,ハガレやすくなるからである。
また,寒天付け機4の貯留槽4aには,液状のレモン寒天の液面高さを検知する液面センサ4bが設けられている。そして,この液面センサ4bによって検知される液面高さが信号として制御回路14に送られ,制御回路14において,液面高さが設定高さ下限値よりも下がったと判定された場合には,空気回路15が制御され,エアシリンダ5bによって供給チューブ5aの通路断面積が大きくされ,一定量のレモン寒天が貯留槽4aに補給されることになる。一方,液面高さが設定高さ上限値よりも上昇したと判定された場合には,エアシリンダ5bによって供給チューブ5aが絞られ,供給チューブ5aを通じてのレモン寒天の供給が中断される。ここで,レモン寒天を設定高さとなるように補給するのは,レモン寒天を二度付けできないことと,レモン寒天の色が菓子母体に似ているため,菓子母体の表面に確実にレモン寒天付けされているかどうかがわかりにくいためである。
このようにして,貯留槽4aでのレモン寒天の液面が設定高さに維持されるので,一度浸すだけでレモン寒天付けが確実になされる。
そして,菓子母体Aを自転させながら,上側位置にある貯留槽4aに貯留される液状のレモン寒天に浸漬させることで,寒天付けを行う。そして,菓子母体1本について寒天付けが終了すると,貯留槽4aは下側位置まで下降し,次の寒天付けまでこの下側位置で待機する。この待機状態において,保管タンク11からレモン寒天が必要量だけ寒天付け機4の貯留槽4aに寒天供給部5を通じて供給され,貯留槽4aでのレモン寒天の液面が設定高さに維持され,レモン寒天付けが確実に安定してなされるように液面高さが制御される。
このように,菓子母体1つに寒天付けするごとに,原則として,貯留槽4aに前記設定高さとなるようにレモン寒天が補給され,貯留槽4aに貯留されるレモン寒天の量は,液面が設定高さを保つように調整される。
寒天付け機4においては,図4に示すように,ハウジング4c内に環状の回転チェーン4dがスプロケット4eに巻き掛けられ,図示しない駆動モータによって回転駆動されるように設けられている。この回転チェーン4dには複数の支持部(図示せず)が一定間隔で設けられ,これらの支持部に菓子母体Aを貫通する軸部材Bの両端部が取り外し可能に支持されるようになっている。これにより,菓子母体Aは,回転チェーン4dの回転駆動によりハウジング4c内を公転すると共に自転し,貯留槽4a内のレモン寒天に浸され,菓子母体Aの周囲にレモン寒天が一度付けされる。
また,菓子母体Aがレモン寒天付けをする位置に達すると,それがワーク確認センサ41によって報知され,それを受けて作業者が昇降機構42のハンドル42aを操作することで,下側位置から上側位置に貯留槽4aを移動させ,レモン寒天付けが行われる。また,レモン寒天付け終了後は,逆方向にハンドル42aを回転して下側位置に移動させ,レモン寒天が菓子母体Aに触れることがない待機状態とする。これにより二度付けが回避される。
ハウジング4c内の空気は,フィルタ43を介してブロア44にて吸引され,一定の雰囲気を維持するようになっている。それから,レモン寒天付け後は,取出位置まで回転移動され,その取出位置で外部に取り出され,次の工程に搬送される。
なお,レモン寒天は,温度などで粘度が変化するため,寒天付け時の菓子母体Aの自転速度は,常時調整可能となっている。この寒天付け機4については,詳細に説明していないが,チョコ付け機などとして周知である装置を転用して利用している。
(その他の実施形態)
以上のとおり,図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが,本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で,種々の追加,変更または削除が可能である。例えば,レモン寒天を,フォンダン及び寒天を用いた表面層材とすることも可能である。
この場合,図7に示すように,フォンダン及び寒天を用いた表面層材は,水,寒天を混合して沸騰させ,続いて,前記混合液を保温状態にあるフォンダンに混合し,それから,レモン果汁を加えて製造され,菓子母体に付けるまで50℃前後の温度を保持した状態で保管する。その後,上記の実施形態と同様に,菓子母体に表面層材を付ける。このとき,この表面層材の糖度はBrix値70Bx以上で,pH3以下とする。なお,各材料の配合比は,一例として,フォンダン80%,寒天1%,水18%,レモン果汁1%である。
また,上記の実施形態では,周回凹部を形成した菓子母体としているが,これに限られず,周回凹部のない筒状の菓子母体やその他の菓子母体としてもよく,その周囲を表面層材で被覆してもよい。また,表面層材はレモン寒天に限られず,その他の果汁を用いてもよい。したがって,このようなものも本発明の範囲に含まれる。
1 寒天付けシステム
2 寒天ウォーマー
3 架台
4 寒天付け機
4a 貯留槽
4b 液面センサ
4c ハウジング
4d 回転チェーン
5 寒天供給部
5a 供給チューブ
5b エアシリンダ
11 保管タンク
12 攪拌機
12a 撹拌翼
12b 駆動モータ
13 電気制御盤
14 制御回路
15 空気回路
21 寒天貯留タンク
22 搬送容器
31 リフター
31a 可動部
41 ワーク確認センサ
42 昇降機構
42a ハンドル
43 フィルタ
44 ブロア
A 菓子母体
B 軸部材

Claims (7)

  1. 菓子母体と,前記菓子母体の表面を被覆する表面層を備える洋菓子の製造方法であって,
    水,生クリーム,寒天,砂糖を混合して沸騰させ,これに水あめを追加して再度沸騰させ,ベース材料を製造する工程Aと,
    水,果汁を混合して沸騰させ,果汁液を製造する工程Bと,
    前記ベース材料に前記果汁液を加えて沸騰させ,前記表面層となる表面層材を製造する工程Cと,を備え,
    前記工程Aにおいて,前記ベース材料を60℃から80℃の温度とし,その温度を維持したまま,前記工程Cにおいて,前記ベース材料に前記果汁液を加え,Brix値が60Bx以上,pHが以上以下とすることを特徴とする,洋菓子の製造方法。
  2. 前記工程Aにおいて,前記水あめを入れるに先だって,砂糖を追加し,沸騰させる,請求項1に記載の洋菓子の製造方法。
  3. 前記表面層材は,前記菓子母体の表面に付けるまで,60℃から80℃の温度を維持した状態で,撹拌しながら保管する工程Dをさらに備える,
    請求項1又は請求項2に記載の洋菓子の製造方法。
  4. 前記表面層材を貯留槽に入れ,前記菓子母体を回転させながら表面に前記表面層材をつける工程Eをさらに備える,
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の洋菓子の製造方法。
  5. 前記工程Eにおいて,
    前記表面層材は保管タンクから供給部を通じて前記貯留槽に供給されていて,
    前記貯留槽内の前記表面層材は,該貯留槽内で液面が設定高さを維持するように貯留され,前記貯留槽内の前記表面層材に前記菓子母体を1回浸すことにより,該菓子母体の表面に寒天を付ける,
    請求項に記載の洋菓子の製造方法。
  6. 前記供給部は,
    前記保管タンクと前記貯留槽とをつなぐ供給チューブと,前記供給チューブを挟み込んで供給量を制御するエアシリンダと,を有し,
    前記エアシリンダは,
    前記菓子母体1つに表面層材を付けるごとに,前記貯留槽での表面層材の液面が設定高さを維持するように前記貯留槽に前記供給チューブを通じて表面層材を補給するように制御される,
    請求項に記載の洋菓子の製造方法。
  7. 前記菓子母体は,筒状であって,
    前記菓子母体に櫛状部材を当てながら回転させ,長手方向において一定間隔で周回凹部を形成する工程Fをさらに備える,
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の洋菓子の製造方法。
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