JP6865098B2 - 内面加傷方法及び内面加傷装置 - Google Patents
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Description
例えば、コンベヤ上を流れるガラスびんに所定の荷重を加えて破壊することで、強度を検査する強度検査装置が公知である(特許文献1、2、3等参照)。
また、本出願人は、ガラスびんに荷重を加えた状態で、光源と偏光子と検光子からなる光学系ユニットによって偏光した光を透過させて、ガラスびんの強度低下部を検出する強度検査装置(特願2017−040207号)を提案した。
これらの強度検査装置を使用して、ガラスびんの良、不良を判別するためには、リファレンスとなる既知の傷を有する調整用ガラスびんを使用して、強度検査装置を調整する必要がある。
特許文献1、2、3等で公知の強度検査装置では、既知の傷を有する調整用ガラスびんを別途作成して強度検査装置にセットして(ラインに流して)調整することとなるが、異なる条件で調整する際には異なる調整用ガラスびんを作製して調整作業を行うこととなり非常に手間がかかるという問題があった。
特に、ガラスびんの内面に傷を有する調整用ガラスびんを作製するのは困難であった。
また、本発明に係る内面加傷装置は、前述の内面加傷方法に使用する内面加傷装置であって、ガラスびんを保持する支持ユニットと、レーザー発振器と、前記レーザー発振器から照射されるレーザー光を導く光学系ユニットとを有することにより、前記課題を解決するものである。
また、レーザー光の出力を変更することで傷の大きさを変化させることができ、集光位置を変更することで任意の位置に傷をつけることができるため、異なる調整用ガラスびんを容易に作成でき、異なる条件で強度検査装置を調整する際にも調整作業が容易となる。
本請求項3乃至請求項6に記載の構成によれば、非破壊で行う強度検査において、単一の調整用ガラスびんで、複数の異なる条件での調整を行うことが可能となり、強度検査装置の調整作業がさらに容易となる。
また、レーザー発振器及び光学系ユニットが、前記支持ユニットに保持されたガラスびんの外面側に配置されていることにより、ガラスびんの内部に物品を挿入することなく内面に検査用傷をつけて調整用ガラスびんを作製することが可能となる。
本請求項8に記載の構成によれば、支持ユニットが、強度検査装置の支持ユニットを兼ねていることにより、ガラスびんが強度検査装置にセットされた状態で、内面に傷をつけて調整用ガラスびんを作製することが可能となり、強度検査装置の調整がさらに容易となる。
図1に示すように、レーザー発振器から照射されるレーザー光を、光学系ユニットを介してガラスびんの外表面側から照射してガラス内部に集光し、集光部の熱エネルギーによってガラスびんの外表面には到達しない傷をつける。
本実施形態では、集光位置を、ガラスびんの高さ方向に100μmずつ異なり、ガラスびんの厚み方向に50μmずつ異なる、5箇所に設定されている。
レーザー光の照射エネルギーは各加工あたり1000μJとし、一回の照射パルスで加工した。
なお、図示したガラスびんの外表面、内表面の位置は正確なものではなく、説明のために図に収まるように示したものである。
なお、内表面に現れる傷の大きさを変えるために、照射エネルギーや照射パルスの回数を異なるものとしてもよい。
また、内表面に傷が現れず、熱エネルギーによって応力分布の異なる部分がガラス内部に存在するように設定することも可能である。
さらに、肩部や裾部等のガラスびんの形状が変化したり、厚さが一様でない部分では、異なる複数の集光位置で全く同一条件としてもよい。
また、本発明で作製する調整用ガラスびんの色は特に制限はなく、透明の他に、緑色、茶色、青色等、ガラスびんとして使用するいかなる色であってもよい。
「反射観察」で示した写真では、外表面からの観察となるため、内表面の小さな傷となる上方の3箇所が全く判別できないが、「透過観察」で示す写真では、上方の3箇所の小さな傷も、その周囲の内部応力変化による明るさの変化として観察することができる。
図2の最も左に示すのと同様な丸形のガラスびんの肩部、胴部、裾部にそれぞれ本発明の内面加傷方法及び内面加傷装置を用いて加傷し、調整用ガラスびん1を作製した。
作製した調整用ガラスびん1を、上面から見た図3に示す特許文献1に記載の原理的特徴を持つ装置、すなわち押圧パッド3によってガラスびん外側に応力をかけて強度を検査する方式による装置を用いて試験を実施した。試験の結果を表1に示す。試験に用いた従来の強度検査装置は、具体的には、エムハートグラス社製のHST1000であり、試験において設定したエア圧力値は0.18MPaである。
このように、本発明に係る内面加傷方法及び内面加傷装置によって作製した調整用ガラスびんを使用して強度検査装置を調整することで、精度のよい強度検査が可能となる。
2 ・・・ 搬送用コンベア
3 ・・・ 押圧パッド
4 ・・・ スクイーザホイル
5 ・・・ トランスポータ
Claims (8)
- 強度検査装置の調整に用いる調整用ガラスびんを作製する内面加傷方法であって、
ガラスびんの外表面側からレーザー光を照射してガラス内部に集光し、
集光部の熱エネルギーによって、ガラスびんの外表面には到達しない検査用傷をつける内面加傷方法。 - 前記検査用傷のガラスびんの内面の開口部径が、60μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の内面加傷方法。
- 前記検査用傷を、複数の箇所に設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内面加傷方法。
- 前記複数の検査用傷を、ガラスびん高さ方向の異なる位置に設けることを特徴とする請求項3に記載の内面加傷方法。
- 前記複数の検査用傷は、ガラスびんの厚み方向で異なる位置に集光部が設定されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の内面加傷方法。
- 前記複数の検査用傷は、レーザー光の出力が異なるように設定されることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の内面加傷方法。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の内面加傷方法に使用する内面加傷装置であって、
ガラスびんを保持する支持ユニットと、レーザー発振器と、前記レーザー発振器から照射されるレーザー光を導く光学系ユニットとを有し、
前記レーザー発振器及び光学系ユニットが、前記支持ユニットに保持されたガラスびんの外面側に配置され、ガラスびんの外表面側からレーザー光を照射してガラス内部に集光するように構成されていることを特徴とする内面加傷装置。 - 前記支持ユニットが、強度検査装置の支持ユニットを兼ねていることを特徴とする請求項7に記載の内面加傷装置。
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