JP6864337B2 - 補助治具 - Google Patents
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Description
金属下地へのネジ部材の締付け強さのコントロールは、電気ドリルを操作する作業者の勘に頼って実施していた。
従って、ネジ部材を締め過ぎると、金属下地のネジ穴周囲部分は容易に変形し、ネジ穴周囲が盛り上がったり、ネジ穴そのものが拡径し、ネジ嵌合力の低下によって他物固定物の固定が不完全になることが懸念される。
施工時に、前記断熱板に接地し、平面視で前記他物固定物の外周部に対応する位置に位置するベース部と、
前記ベース部から立設された脚部と、
前記ベース部の設置面と上下方向に間隔を空けた状態で前記脚部に位置固定され、施工時に前記断熱板と対向するデッキ部と、
前記ドリルのドリル刃における軸芯方向中間部の所望の位置に固定可能なフランジ体と、を備え、
前記デッキ部に、前記ドリル刃の外径寸法よりも大径であり、かつ、前記フランジ体の外径寸法よりも小径である挿通孔が設けられ、
前記ドリルを、前記デッキ部に形成された挿通孔に差し込んで前記ネジ部材を前記金属下地に締結する際に、前記フランジ体が前記デッキ部に上側から当接することで、前記ドリルがそれ以上前記金属下地側に入り込むことを防止するところにある。
そして、ドリル刃における軸芯方向中間部の所望の位置にフランジ体を固定した状態で、デッキ部の挿通孔にドリル刃を挿通させてネジ部材を螺進させ、他物固定物及び断熱板を貫通させて金属下地に螺着することができる。
その結果、誰が螺着操作をしても、ネジ部材を締め込み過ぎることが無くなり、他物固定物を金属下地に対して十分な固定力で取り付けることが可能となる。
前記デッキ部と前記脚部とによって、施工時に前記他物固定物が前記セット部から離間して前記ドリル刃と共に前記金属下地側に向かって下降可能な通過領域が形成されていると好適である。
その結果、他物固定物を支える作業者と、ドリルを駆動させる作業者とを、それぞれ用意する必要が無く、一人の作業者で効率的に作業を進めることができ、施工コストの低減を図ることができる。
また、複数のベース部の間の空間を通して、断熱板上の状況を確認し易くなり、ネジ部材の螺進作業を含む他物固定物の設置作業を、より確実に実施できるようになる。
金属下地1Aへの断熱板1Bの固定は、シート固定具Pと、シート固定具Pを金属下地1Aに固定するネジ部材3とによって実施されている(図7参照)。
内縁部7は、嵌合穴4に前記筒状部材P2を内嵌させた状態で筒状部材P2の上縁の鍔状部8Aを受ける座繰り部として構成されている。
因みに、防水シート2は、当該実施形態においては、例えば、塩化ビニル系等の合成樹脂製シートを例に挙げて説明しているが、材質の異なる他の防水シートを使用することもできる。
筒状部材P2の胴部分8Bの外径は、前記嵌合穴4の内径寸法より若干小さく形成してあり、嵌合穴4に胴部分8Bをスムーズに挿入できるようになっている。
補助治具Hは、図6に示すように、屋根下地1上にシート固定具Pを配置した状態でドリルDによってネジ部材3をシート固定具P側から金属下地1Aに向けて螺進させて、シート固定具Pを金属下地1Aに固定するにあたり、ネジ部材3の過締付けを防止するのに使用される。
ベース部10の平面視における両端部には、前記脚部11がそれぞれ立設状態に固定されている。
尚、ベース部10の下面は、前記断熱板1Bに面接触させ易いように平坦面として形成されている。
ボルト11Aは、皿ネジで構成してあり、ベース部10の下方から上方に向けて挿通したボルト11Aにナット11Bを螺合させて、ベース部10を拡径頭部とナット11Bとで挟持して一体化が図られている。
また、脚部11の上端におけるデッキ部12との一体化についても、同様に、一対のナット11Cでデッキ部12を挟持して一体化が図られている。
従って、ナット11Cの螺合位置を変更することで、デッキ12の高さを調整することができる。
よって、デッキ部12の下面には、シート固定具Pを沿わせてセットすることができる。デッキ部12の下面をセット部Sという。
従って、フランジ体13を装着したドリル刃Daを、挿通孔12aに挿通させた場合、フランジ体13の下面が、デッキ部12の挿通孔12a周囲の上面に当接することで、それ以後の下降が規制され、ドリル刃Daの下限位置を規定することができる。
従って、デッキ部12のセット部Sにシート固定具Pをセットすると、磁石Gの吸着力でシート固定具Pをセット部Sに仮保持することが可能となる(図4参照)。
角穴の開口縁部は、面取り部3dとして形成してある。
また、ドリル先端部Dbは、刃嵌合穴3cに対応した四角柱形状に形成されている。
ドリル刃Daに対する固定構造は、フランジ体13の外周側から内周側に貫通するストッパボルト13aが設けてあり、このストッパボルト13aの基端部を、フランジ体13の外周側から螺進操作することで、先端部が、内周側のドリル刃Daの外周面に食い込み、フランジ体13の位置が固定されるように構成してある。
また、図6に示すように、ドリルDによる螺進を進めて、フランジ体13がデッキ部12に当接してドリル刃Daが下限位置に達する状態になると、押込み力は、デッキ部12から脚部11を経由してベース部10に伝わり、補助治具Hによって支持されるようになるから、ネジ部材3に対しては、回転駆動力のみが伝わる。
この螺進状態においては、ドリル刃Daは、下降せずにネジ部材3のみが下降していくから、刃嵌合穴3cとドリル先端部Dbとの嵌合深さが浅くなっていき、遂には嵌合が解除される。
因みに、刃嵌合穴3cの開口縁部に面取り部3dを設けてあることで、刃嵌合穴3cとドリル先端部Dbとの嵌合が外れる際に引っ掛かり難くなり、スムーズに嵌合解除がなされる(図10参照)。
このように、誰がドリルDを操作しても、ネジ部材3の螺進深度が一定となるように螺進させることが可能となる。
[1] 準備作業として、図4に示すように、シート固定具Pの板状部材P1に筒状部材P2を嵌合させると共に、筒状部材P2にネジ部材3を挿通させておく。
また、その状態のシート固定具Pを、補助治具Hのセット部Sに磁石Gの吸着力で仮保持させておく。
また、ドリルDにおいては、ドリル刃Daの適切な位置(上述のL0を満たす箇所)にフランジ体13を固定しておく。
その際、筒状部材P2の下端から突出しているネジ部3bの先端を、断熱板1B上のマーキングポイントに合わせることで、補助治具Hの平面的な位置合わせを正確に行うことができる。
ネジ部材3の拡径頭部3aが筒状部材P2の底部8Bbに当接するまでは、シート固定具Pは、デッキ部12による保持状態が継続され、ネジ部材3のみが筒内空部Vを下降する。
このまま螺進を進めることで、図5に示すように、シート固定具Pは、通過領域Tを金属下地1A側に向けて下降する。そして、更に螺進を進めるに伴って、ネジ部材3が金属下地1Aに食い込みながらシート固定具P全体を金属下地1A側に下降させる。
筒状部材P2は、ネジ部材3の螺進に伴って、底部8Bbから断熱板1B内に貫入していく。
その結果、誰が螺着操作をしても、ネジ部材3を締め込み過ぎることが無くなり、シート固定具Pを金属下地1Aに対して十分な固定力で取り付けることが可能となる。
また、断熱板1Bどうしの継ぎ目に固定具Pを設置するような場合には、継ぎ目部分で断熱板1Bどうしに多少の段差が生じていても、補助治具Hのベース部10で押圧することで段差を矯正でき、フラットな状態に固定具Pを設置することができる。
〈1〉 固定対象となる他物固定物Pは、先の実施形態で説明した板状部材P1と筒状部材P2との組み合わせによるものに限らず、板状部材P1のみによる構成や、板状部材P1と筒状部材P2とが一体に形成された構成であってもよい。
また、他物固定物Pの形状は、円板形状に限るものではなく、例えば、楕円板形状や、多角形板形状や、帯板形状であってもよい。
また、他物固定物Pへの他物の固定は、先の実施形態で説明したホットメルト接着層6aによって実施されることに限らず、他の接着材や、ネジ部材や、溶接等を用いた固定法を採用してもよい。
それらを含めて他物固定物Pと総称する。
例えば、ベース部10は、平面視における他物固定物Pの両側方に位置させる一対のベース部10に限らず、三つ以上の複数のベース部10や、平面視における他物固定物Pの周囲を取り囲む環状のベース部10であってもよい。
また、デッキ部12に備えた保持部Gは、磁石に替えて、例えば、弾性変形自在な係止片をデッキ部12に設けて構成したり、デッキ部12の下面に両面テープを貼着して構成してもよい。
また、その場合、ベース部10の少なくとも一部(例えば、内周縁部)が、断熱板1B上に沿わせて配置した板状部材P1の外周縁部上に重なって仮保持できるように構成してあってもよい。
1B 断熱板
3 ネジ部材
10 ベース部
11 脚部
12 デッキ部
12a 挿通孔
13 フランジ体
13A 外径寸法
D ドリル
DA 外径寸法
Da ドリル刃
G 磁石(保持部の一例)
P シート固定具(他物固定物の一例)
S セット部
T 通過領域
X 軸芯
Claims (4)
- 金属下地上に敷設した断熱板上に他物固定物を載置した状態でドリルによってネジ部材を前記他物固定物側から螺進させて前記他物固定物を前記金属下地に固定するにあたり、前記ネジ部材の過締付けを防止する補助治具であって、
施工時に、前記断熱板に接地し、平面視で前記他物固定物の外周部に対応する位置に位置するベース部と、
前記ベース部から立設された脚部と、
前記ベース部の設置面と上下方向に間隔を空けた状態で前記脚部に位置固定され、施工時に前記断熱板と対向するデッキ部と、
前記ドリルのドリル刃における軸芯方向中間部の所望の位置に固定可能なフランジ体と、を備え、
前記デッキ部に、前記ドリル刃の外径寸法よりも大径であり、かつ、前記フランジ体の外径寸法よりも小径である挿通孔が設けられ、
前記ドリルを、前記デッキ部に形成された挿通孔に差し込んで前記ネジ部材を前記金属下地に締結する際に、前記フランジ体が前記デッキ部に上側から当接することで、前記ドリルがそれ以上前記金属下地側に入り込むことを防止する補助治具。 - 前記デッキ部の下面に、前記他物固定物をセットするセット部が設けられ、
前記デッキ部と前記脚部とによって、施工時に前記他物固定物が前記セット部から離間して前記ドリル刃と共に前記金属下地側に向かって下降可能な通過領域が形成されている請求項1に記載の補助治具。 - 前記セット部に、前記他物固定物を仮保持する保持部が設けられている請求項2に記載の補助治具。
- 前記ベース部は、前記他物固定物の外周部に沿って、間隔をあけて複数設けてある請求項1から3の何れか一項に記載の補助治具。
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