JP6863603B2 - 通信システム及び通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は通信システム及び無線通信装置に関し、特に、データ通信を維持する通信システム及び無線通信装置に関する。
現在、光回線等の有線WAN(Wide Area Network)を介したデータ通信が広く利用されている。有線WANは、無線WANに比べ、高速大容量通信を安定して提供できるため、利便性が高い一方、地震や台風等の災害で通信ケーブルが切断又は損傷した場合、データ通信を維持できなくなるという脆弱性を有している。このため、通信ケーブルを介したデータ通信が不能になった場合でも、当該データ通信を行っていた端末装置が、インターネット等の外部ネットワークとの間でデータ通信を行うための種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1が開示する安否確認システムでは、上位ネットワーク装置との間の基幹回線が切断された場合、当該上位ネットワーク装置と通信ができない基地局が、特定の端末装置に対し、安否情報を送信する。そして、この特定の端末装置が、上位ネットワーク装置と通信が維持されている別の基地局のセル範囲に移動し、当該別の基地局と接続して安否情報を送信することにより、安否情報が安否確認サーバに伝達される。
特開2018―92461号公報
しかしながら、特許文献1が開示する安否確認システムでは、携帯電話回線を利用可能な通信機能を有する端末装置は、上述した別の基地局を介して、外部ネットワークとデータ通信を行うことができるが、携帯電話回線等の無線WANの利用を可能にする無線WAN通信機能を有しない端末装置は、外部ネットワークとのデータ通信を行うことができないという問題があった。
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、有線WANを介したデータ通信が不能になる可能性がある場合に、無線WAN通信機能を有しない無線端末装置であっても、外部ネットワークとデータ通信を行うことができる通信システム及び無線通信装置を提供することにある。
本発明の通信システムは、無線WANを介したデータ通信が可能な第1の無線通信装置と、有線WANを介したデータ通信が可能な第2の無線通信装置とを備える。前記第1の無線通信装置は、前記有線WANを介したデータ通信が不能になる可能性がある場合に、自機のSSIDを前記第2の無線通信装置にとって既知のSSIDに変更すると共に、前記既知のSSIDに関連する暗号化キーを無効にする設定変更部と、前記既知のSSIDを送信する無線LAN送受信部とを備える。前記第2の無線通信装置は、前記有線WANを介したパケットの受信の有無を検出するWAN監視部と、無線LANを介したデータの送受信を行う無線LAN送受信部と、前記WAN監視部が前記パケットを受信していないと判断した場合において、前記無線LAN送受信部が前記既知のSSIDを受信したときに、前記第1の無線通信装置との間で、前記無線LANを介した通信を確立する制御部とを備える。
本発明により、有線WANを介したデータ通信が不能になる可能性がある場合に、無線WAN通信機能を有しない無線端末装置であっても、外部ネットワークとデータ通信を行うことができる通信システム及び無線通信装置を提供することができる。
本発明の通信システムの一実施形態を示す概略図である。 本発明の第1の実施形態に係るモバイルルータの詳細な構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るホームルータの詳細な構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るモバイルルータ及びホームルータの概略的な構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る管理サーバ、モバイルルータ及びホームルータが実行する処理を示すシーケンス図である。 本発明の第1の実施形態に係るホームルータが実行する処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る管理サーバ、モバイルルータ及び無線端末装置が実行する処理を示すシーケンス図である。 無線LANアンテナテーブルの一例及びモバイルルータの無線LAN通信可能なエリアを示す図である。 有線WANによるデータ通信が不能になった場合の通信システムの一実施形態を示す概略図である。 有線WANによるデータ通信が不能になった場合の通信システムの別の実施形態を示す概略図である。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の通信システム100の一実施形態を示す概略図である。通信システム100は、管理サーバ10と、基地局20と、モバイルルータ30と、ホームルータ40と、無線端末装置50a,50bと、収容局60とを含む。管理サーバ10及び収容局60は、それぞれ外部ネットワークであるインターネット70に接続される。管理サーバ10及び基地局20は、有線ネットワークを介して、相互にデータ通信を行うことができる。基地局20及びモバイルルータ30は、無線WANを介して、相互にデータ通信を行うことができる。収容局60及びホームルータ40は、光回線や電話回線等の有線WAN80を介して、相互にデータ通信を行うことができる。
管理サーバ10は、モバイルルータ30に対し、無線通信に関する設定を変更させる情報処理装置である。管理サーバ10は、ホームルータ40が利用する有線WAN80を介したデータ通信が不能になる可能性がある場合、例えば、緊急地震速報や暴風警報、洪水警報、津波警報、高潮警報、暴風雪警報、竜巻注意情報等の情報が発表された場合、モバイルルータ30に対し、無線通信に関する設定を変更する種々の要求(アンテナ増加要求、SSID変更要求及び暗号化キー無効化要求)を送信し、ホームルータ40が接続可能な状態に変更させる。一方、不能になった有線WAN80を介したデータ通信が可能になった場合、管理サーバ10は、モバイルルータ30に対し、無線通信に関する設定を元の状態に変更するための要求(アンテナ減少要求、SSID復元要求及び暗号化キー復元要求)を送信し、当該無線通信に関する設定を元の状態に変更させる。具体的には、管理サーバ10の管理者は、有線WAN80を介したデータ通信が不能になった原因が解消された場合(例えば、有線WAN80を構成する通信ケーブルの断線が復旧された場合等)、管理サーバ10を用いて、これらの要求をモバイルルータ30に送信し、無線通信に関する設定を元の状態に変更させる。
基地局20は、アンテナ等の無線設備と、アクセスサーバとを備えており、アクセスサーバが、モバイルルータ30との間の無線WANを介したデータ通信を制御する。基地局20とモバイルルータ30との間の無線WANを介したデータ通信は、WiMAX2+を含むLTE(Long Term Evolution)等の無線通信規格に準拠する。
モバイルルータ30は、無線WAN及び無線LAN(Local Area Network)を介したデータ通信が可能な無線通信装置である。モバイルルータ30は、無線LANを介して、ホームルータ40及び無線端末装置50a,50bと相互にデータ通信を行うことができる。図1は、モバイルルータ30が、無線端末装置50aと無線通信を確立している状態を示している。モバイルルータ30の機能については、図2を参照して後述する。
ホームルータ40は、有線WAN80及び無線LANを介したデータ通信が可能な無線通信装置である。ホームルータ40は、無線LANを介して、モバイルルータ30及び無線端末装置50bと相互にデータ通信を行うことができる。図1は、ホームルータ40が、無線端末装置50bと無線通信を確立している状態を示している。ホームルータ40の機能については、図3を参照して後述する。
無線端末装置50a,50bは、モバイルルータ30及びホームルータ40との間で、無線LANを介したデータ通信が可能な装置である。無線端末装置50a,50bの具体例としては、無線LAN通信機能を有するスマートフォンやタブレット型端末、PC、家電、センサ等の種々の装置が挙げられる。なお、図1には、説明の便宜上、2つの無線端末装置50a,50bのみが示されているが、モバイルルータ30及びホームルータ40は、任意の数の無線端末装置と通信することができる。
収容局60は、ホームルータ40とインターネット70との間の有線WAN80を介したデータ通信を制御するアクセスサーバを備えている。アクセスサーバは、ホームルータ40から受信したデータやホームルータ40を送信先とするデータのルーティング等を行う。また、アクセスサーバは、有線WAN80のデータ通信が維持されている旨を示すパケットを、定期的(任意の間隔)にホームルータ40に送信する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るモバイルルータ30の詳細な構成を示すブロック図である。モバイルルータ30は、主制御部300と、要求監視部301と、アンテナ制御部302と、設定変更部303と、無線WANインタフェース304と、無線WAN送受信部305と、無線LANインタフェース306と、無線LAN送受信部307と、バッテリ308と、バッテリ制御部309とを備える。
主制御部300は、モバイルルータ30が備える他の論理回路を制御して、モバイルルータ30の全体制御を行う論理回路である。
要求監視部301は、管理サーバ10から無線WANを介して、種々の要求を受信したか否か判断する論理回路である。要求監視部301は、管理サーバ10から要求を受信すると、当該要求を受信した旨をアンテナ制御部302及び設定変更部303に通知する。
アンテナ制御部302は、管理サーバ10からのアンテナ増加要求及びアンテナ減少要求に応じ、図8に示すような無線LANアンテナテーブルを用いて、無線LANインタフェース306が備えるアンテナの数を増減させる論理回路である。図8に示す無線LANアンテナテーブル800は、2本のアンテナが動作する旨の情報が設定されている。具体的には、アンテナ数が2本である旨を示す情報には、有効を示す値「1(enable)」が関連付けて設定され、アンテナの数が3本である旨を示す情報には、無効を示す値「0(disable)」が関連付けて設定されている。アンテナ制御部302は、有線WAN80を介したデータ通信が不能になる可能性がある場合、3本のアンテナが動作する旨の情報を無線LANアンテナテーブルに設定する。具体的には、アンテナ制御部302は、無線LANアンテナテーブル810に示すように、アンテナの数が2本である旨を示す情報と関連付けられた値を「0(disable)」に変更し、アンテナの数が3本である旨を示す情報と関連付けられた値を、「1(enable)」に変更する。なお、本実施形態では、モバイルルータ30は3本のアンテナを備えるが、4以上のアンテナを備えてもよい。
設定変更部303は、自機のSSID及び当該SSIDに関連する暗号化キーの設定を変更する論理回路である。具体的には、設定変更部303は、管理サーバ10からSSID変更要求及び暗号化キー無効化要求を受信した場合、自機のSSIDを所定のSSIDに変更すると共に、当該所定のSSIDに関連する暗号化キーを無効にする。所定のSSIDとは、モバイルルータ30と接続するホームルータ40及び無線端末装置50aにとって既知のSSIDであり、任意の文字及び数字によって構成することができる。
一方、管理サーバ10からSSID復元要求及び暗号化キー復元要求を受信した場合、設定変更部303は、自機に設定されている所定のSSIDを元のSSIDに変更すると共に、当該SSIDに関連する元の暗号化キーを元に戻す。
無線WANインタフェース304は、無線WANを介したデータ通信を制御する装置である。無線WANインタフェース304は、アンテナ及びマッチング回路を備えており、LTE等の無線WAN通信規格に準拠したデータ通信を行う。
無線WAN送受信部305は、無線WANインタフェース304を介したデータの送受信を行う論理回路である。無線WAN送受信部305は、受信回路及び送信回路を備える。受信回路は、他の装置から無線WANインタフェース304を介して種々のデータを受信すると、これらのデータを主制御部300に提供する。送信回路は、主制御部300の制御下で、無線WANインタフェース304を介して種々のデータを送信する。
無線LANインタフェース306は、無線LANを介したデータ通信を制御する装置である。無線LANインタフェース306は、2GHz又は5GHzの帯域の電波を送受信可能なアンテナ及びマッチング回路を備えており、モバイルルータ30と他の装置との間で、種々の無線LAN通信規格に準拠したデータ通信を行う。
無線LAN送受信部307は、無線LANインタフェース306を介したデータの送受信を行う論理回路である。無線LAN送受信部307は、受信回路及び送信回路を備える。受信回路は、他の装置から無線LANインタフェース306を介して種々のデータを受信すると、これらのデータを主制御部300に提供する。送信回路は、主制御部300の制御下で、無線LANインタフェース306を介して種々のデータを送信する。
バッテリ308は、バッテリ制御部309の制御下で、モバイルルータ30が備える装置や電子回路に電力を供給する電池である。バッテリ制御部309は、バッテリ308による電力供給を制御する論理回路である。バッテリ制御部309は、無線LANアンテナテーブルを参照し、電力を供給するモバイルルータ30のアンテナを決定する。例えば、図8に示す無線LANアンテナテーブル800の場合、バッテリ制御部309は、既定の2本のアンテナに電力を供給し、これらのアンテナが動作する。一方、図8に示す無線LANアンテナテーブル810の場合、バッテリ制御部309は、既定の3本のアンテナに電力を供給し、これらのアンテナが動作する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るホームルータ40の詳細な構成を示すブロック図である。ホームルータ40は、主制御部400と、WAN監視部401と、有線WANインタフェース402と、有線WAN送受信部403と、動作モード制御部404と、第1の無線LANインタフェース405と、第1の無線LAN送受信部406と、第2の無線LANインタフェース407と、第2の無線LAN送受信部408とを備える。
主制御部400は、ホームルータ40が備える他の論理回路を制御して、ホームルータ40の全体制御を行う論理回路である。
WAN監視部401は、有線WANを介したパケットの受信の有無を検出する論理回路である。WAN監視部401は、収容局60のアクセスサーバから有線WAN80を介したパケットを、一定期間(上記任意の間隔に対応する期間)受信していないか否か、すなわち、有線WAN80を介したデータ通信が不能になったか否か判断する。また、WAN監視部401は、有線WAN80を介したデータ通信が不能になった後に有線WAN80を介したパケットを受信したか否か、すなわち、不能になった有線WAN80を介したデータ通信が可能になったか否か判断する。本実施形態では、WAN監視部401は、当該アクセスサーバが送信する、有線WAN80のデータ通信が維持されている旨を示すパケットを監視することができる。また、ホームルータ40を利用する無線端末装置からインターネット70を介したデータ要求に対する応答パケットを監視することができる。
有線WANインタフェース402は、有線WAN80を介したデータ通信を制御する装置である。光回線を利用するWANの場合、有線WANインタフェース402は、ケーブルを介してデータ回線終端装置に接続され、光回線を介したデータの送受信を行う。電話線を利用するWANの場合、有線WANインタフェース402は、ケーブルを介してモデムに接続され、電話回線を介したデータの送受信を行う。
有線WAN送受信部403は、有線WANインタフェース402を介したデータの送受信を行う論理回路である。有線WAN送受信部403は、受信回路及び送信回路を備える。受信回路は、他の装置から有線WANインタフェース402を介して種々のデータを受信すると、これらのデータを主制御部400に提供する。送信回路は、主制御部400の制御下で、有線WANインタフェース402を介して種々のデータを送信する。
動作モード制御部404は、ホームルータ40の動作モードを変更する論理回路である。動作モード制御部404は、有線WAN80を介したデータ通信が不能になった場合、有線WAN80を介したデータ通信を行う親機モードから、モバイルルータ30をアクセスポイントとして利用する中継機モードに動作モードを変更する。具体的には、動作モード制御部404は、現在の動作モードを示す情報として、中継機モードを示す値を、主制御部400がアクセス可能な記憶装置に保存する。動作モードが中継機モードである場合、主制御部400は、有線WANインタフェース402を介したデータ送信を行わない。すなわち、有線WANインタフェース402を介したデータの送信が停止する。
一方、不能になっていた有線WANを介したデータ通信が可能になった場合、動作モード制御部404は、動作モードを中継機モードから親機モードに変更する。具体的には、動作モード制御部404は、現在の動作モードを示す情報として、親機モードを示す値を、上記記憶装置に保存する。動作モードが親機モードである場合、主制御部400は、有線WANインタフェース402を介したデータ送信を行う。すなわち、有線WANインタフェース402を介したデータの送信が可能になる。
第1の無線LANインタフェース405は、無線LANを介したデータ通信を制御する装置である。第1の無線LANインタフェース405は、アンテナ及びマッチング回路を備えており、ホームルータ40と他の装置との間で、2GHz帯域の無線電波を用いたデータ通信を行う。
第1の無線LAN送受信部406は、第1の無線LANインタフェース405を介したデータの送受信を行う論理回路である。第1の無線LAN送受信部406は、受信回路及び送信回路を備える。受信回路は、他の装置から第1の無線LANインタフェース405を介して種々のデータを受信すると、これらのデータを主制御部400に提供する。送信回路は、主制御部400の制御下で、第1の無線LANインタフェース405を介して種々のデータを送信する。
第2の無線LANインタフェース407は、無線LANを介したデータ通信を制御する装置である。第2の無線LANインタフェース407は、アンテナ及びマッチング回路を備えており、ホームルータ40と他の装置との間で、5GHz帯域の無線電波を用いたデータ通信を行う。
第2の無線LAN送受信部408は、第2の無線LANインタフェース407を介したデータの送受信を行う論理回路である。第2の無線LAN送受信部408は、受信回路及び送信回路を備える。受信回路は、他の装置から第2の無線LANインタフェース407を介して種々のデータを受信すると、これらのデータを主制御部400に提供する。送信回路は、主制御部400の制御下で、第2の無線LANインタフェース407を介して種々のデータを送信する。
図4は、第1の実施形態に係るモバイルルータ30及びホームルータ40が有する主要なプログラムモジュールを示すブロック図である。モバイルルータ30は、主要なプログラムモジュールとして、上述した設定変更部303と、無線LAN送受信部307とを備える。ホームルータ40は、主要なプログラムモジュールとして、上述した主制御部400と、WAN監視部401と、第1の無線LAN送受信部406と、第2の無線LAN送受信部408とを備える。
図5は、ホームルータ40が利用する有線WAN80を介したデータ通信が不能になる可能性がある場合に、本発明の第1の実施形態に係る管理サーバ10、モバイルルータ30及びホームルータ40が実行する処理を示すシーケンス図である。ステップS101では、管理サーバ10が、アンテナ増加要求をモバイルルータ30に送信する。モバイルルータ30は、要求監視部301が管理サーバ10からアンテナ増加要求を受信したと判断すると、ステップS102でアンテナ制御部302が、動作するアンテナの数を増加させる。ステップS103では、主制御部300が、無線WAN送受信部305を用いて、アンテナ増加完了通知を管理サーバ10に送信する。
管理サーバ10は、モバイルルータ30からアンテナ増加完了通知を受信すると、ステップS104でSSID変更要求をモバイルルータ30に送信する。モバイルルータ30は、要求監視部301が管理サーバ10からSSID変更要求を受信したと判断すると、ステップS105で設定変更部303が、現在のSSIDを、ホームルータ40にとって既知のSSIDに変更する。ステップS106では、主制御部300が、無線WAN送受信部305を用いて、SSID変更完了通知を管理サーバ10に送信する。
管理サーバ10は、モバイルルータ30からSSID変更完了通知を受信すると、ステップS107で暗号化キー無効化要求をモバイルルータ30に送信する。モバイルルータ30は、要求監視部301が管理サーバ10から暗号化キー無効化要求を受信したと判断すると、ステップS108で設定変更部303が、既知のSSIDに関連する暗号化キーを無効にする。ステップS109では、主制御部300が、無線WAN送受信部305を用いて、暗号化キー無効化完了通知を管理サーバ10に送信する。
ステップS110では、モバイルルータ30の主制御部300は、無線LAN送受信部307を用いて、既知のSSIDを含むビーコンを送信する。ここで、モバイルルータ30は、ブロードキャスト又はマルチキャストにより、定期的にビーコンを送信することができる。なお、ホームルータ40の動作モードは、図6を参照して説明するように、親機モードから中継機モードに変更されているものとする。
ホームルータ40がモバイルルータ30からビーコンを受信すると、ステップS111において、モバイルルータ30及びホームルータ40との間で、無線LANを介した通信が確立される。なお、モバイルルータ30は、上述した処理を実行する前に無線端末装置50aと無線通信接続がされていた場合、当該無線端末装置50aとも無線通信を確立する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るホームルータ40が実行する処理を示すフローチャートである。図6に示す処理は、ホームルータ40の電源投入時等の任意のタイミングで開始される。ステップS201では、ホームルータ40のWAN監視部401が、有線WAN80を介したパケットを、一定期間受信していないか否か判断する。有線WAN80を介したパケットを受信した場合(NO)、ステップS201の処理が再び実行される。一方、有線WAN80を介したパケットを受信していない場合(YES)、ステップS202に処理が分岐する。
ステップS202では、動作モード制御部404が、ホームルータ40の動作モードを、親機モードから中継機モードに変更する。ステップS203では、主制御部400が、モバイルルータ30から第1の無線LANインタフェース405又は第2の無線LANインタフェース407を介して、既知のSSIDを含むビーコンを受信したか否か判断する(パッシブスキャン)。当該ビーコンを受信していない場合(NO)、ステップS203の処理が再び実行される。一方、ビーコンを受信した場合(YES)、ステップS204に処理が分岐する。ステップS204では、主制御部400は、モバイルルータ30と無線通信を確立する。
ステップS205では、WAN監視部401が、有線WAN80を介したパケットを受信したか否か、すなわち、不能になった有線WAN80を介したデータ通信が可能になったか否か判断する。有線WAN80を介したパケットを受信していない場合(NO)、ステップS205の処理が再び実行される。一方、有線WAN80を介したパケットを受信した場合(YES)、すなわち、有線WAN80を介したデータ通信が可能になった場合、ステップS206に処理が分岐する。
ステップS206では、主制御部400は、モバイルルータ30との無線通信を切断する。ステップS207では、動作モード制御部404が、ホームルータ40の動作モードを、中継機モードから親機モードに切り替え、処理が終了する。なお、ステップS206において、ホームルータ40が、モバイルルータ30との無線通信が切断されたか否か判断し、モバイルルータ30との無線通信が切断された場合に、ステップS207の処理を実行してもよい。
図7は、不能になっていた有線WAN80を介したデータ通信が可能になった場合に、本発明の第1の実施形態に係る管理サーバ10、モバイルルータ30及び無線端末装置50aが実行する処理を示すシーケンス図である。ステップS301では、管理サーバ10が、アンテナ減少要求をモバイルルータ30に送信する。モバイルルータ30は、要求監視部301が管理サーバ10からアンテナ減少要求を受信したと判断すると、ステップS302でアンテナ制御部302が、動作するアンテナの数を減少させる。ステップS303では、主制御部300が、無線WAN送受信部305を用いて、アンテナ減少完了通知を管理サーバ10に送信する。
管理サーバ10は、モバイルルータ30からアンテナ減少完了通知を受信すると、ステップS304でSSID復元要求をモバイルルータ30に送信する。モバイルルータ30は、要求監視部301が管理サーバ10からSSID復元要求を受信したと判断すると、ステップS305で設定変更部303が、元のSSIDを設定する。これにより、モバイルルータ30との間で無線通信が確立されていた他の装置との無線通信が遮断される。ステップS306では、主制御部300が、無線WAN送受信部305を用いて、SSID復元完了通知を管理サーバ10に送信する。
管理サーバ10は、モバイルルータ30からSSID復元完了通知を受信すると、ステップS307で暗号化キー復元要求をモバイルルータ30に送信する。モバイルルータ30は、要求監視部301が管理サーバ10から暗号化キー復元要求を受信したと判断すると、ステップS308で設定変更部303が、当該元のSSIDに関連する元の暗号化キーを設定する。ステップS309では、主制御部300が、無線WAN送受信部305を用いて、暗号化キー復元完了通知を管理サーバ10に送信する。
ステップS310では、主制御部300が、無線LAN送受信部307を用いて、元のSSIDを含むビーコンを送信する。無線端末装置50aが当該ビーコンを受信すると、ステップS311において、モバイルルータ30及び無線端末装置50aとの間で、無線LANを介した通信が確立される。
第1の実施形態では、以下の効果を奏する。ホームルータ40が利用する有線WAN80を介したデータ通信が不能になった場合、図9に示すように、モバイルルータ30及びホームルータ40は、無線LANを介した通信を確立する。これにより、アクセスポイントとしてホームルータ40を利用していた無線端末装置50bは、有線WAN80を介したデータ通信が実際に不能になった後も、外部ネットワークを介したデータ通信を行うことができるようになる。特に、これは、無線端末装置50bが無線WAN通信機能を有していない場合に有用である。
また、モバイルルータ30は、有線WAN80を介したデータ通信が不能になる可能性がある場合、当該データ通信が実際に不能になる前に、自機のSSIDを、ホームルータ40にとって既知のSSIDに変更すると共に、当該SSIDに関連する暗号化キーを無効にする。このため、有線WAN80を介したデータ通信が実際に不能になった場合、ホームルータ40は、迅速かつ確実にモバイルルータ30と無線通信を確立することができる。
さらに、モバイルルータ30は、有線WAN80を介したデータ通信が不能になる可能性がある場合、動作するアンテナの数を増加させる。これにより、図8に示すように、モバイルルータ30をアクセスポイントとする無線LAN通信が可能なエリアが拡張されるため、ホームルータ40が、モバイルルータ30と無線LAN通信を確立し易くなる。
さらに、不能になった有線WAN80を介したデータ通信が可能になった場合、ホームルータ40は、有線WAN80を介したパケットを受信したか否か判断することにより、有線WAN80を介したデータ通信が可能になったか否か判断する。有線WAN80を介したデータ通信が可能になった場合、ホームルータ40は、アクセスポイントとして利用していたモバイルルータ30との無線通信を切断し、動作モードを中継機モードから親機モードに変更する。これにより、ホームルータ40は、有線WAN80を介したデータ通信が可能になった場合に、速やかに有線WAN80を介したデータ通信を再開でき、ユーザが、高速大容量の安定したデータ通信を速やかに利用することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、ホームルータ40が利用する有線WAN80を介したデータ通信が不能になった場合、図10に示すように、モバイルルータ30は、ホームルータ40にとって既知のSSIDを含むビーコンを検出した無線端末装置50bとの間で、無線LANを介した通信を確立してもよい。これにより、無線端末装置50bは、ホームルータ40を介さずに、電波圏が拡張されたモバイルルータ30をアクセスポイントとして、外部ネットワークを介したデータ通信を行うことができる。なお、第2の実施形態では、無線端末装置50bは当該SSIDを示す情報を保有しているものとする。
<その他の実施形態>
他の実施形態では、管理サーバ10が、有線WAN80を介したデータ通信が不能になる可能性を有する事象についての情報(緊急地震速報や暴風警報、洪水警報、津波警報、高潮警報、暴風雪警報、竜巻注意情報等)が発表された旨を示す通知をモバイルルータ30に送信してもよい。モバイルルータ30は、当該通知を受信すると、アンテナの数を増加し、SSIDを既知のSSIDに変更し、当該SSIDに関する暗号化キーを無効にする。
また、上述した実施形態では、ホームルータ40が、パッシブスキャンによってモバイルルータ30と無線通信を確立するが、他の実施形態では、アクティブスキャンによってモバイルルータ30と無線通信を確立してもよい。この場合、ホームルータ40は、動作モードを親機モードから中継機モードに変更すると、既知のSSIDを含むプローブ要求を送信する。そして、モバイルルータ30は、当該プローブ要求を受信すると、既知のSSIDを含むプローブ応答をホームルータ40に送信し、モバイルルータ30及びホームルータ40の間の無線通信が確立される。
さらに、他の実施形態では、ホームルータ40が、モバイルルータ30に既に設定されているSSID及び暗号化キーの情報を有する場合、すなわち、モバイルルータ30の現在のSSID及び暗号化キーがホームルータ40にとって既知である場合、モバイルルータ30が、SSIDの変更や暗号化キーの無効化を行うことなく、ホームルータ40が、図6に示す処理を実行してもよい。本実施形態では、ホームルータ40が利用する有線WAN80を介したデータ通信が不能になる可能性がある場合、モバイルルータ30は、動作するアンテナの数を増加させた後、既に設定されているSSIDを含むビーコンを送信する。そして、ホームルータ40が、当該ビーコンを受信すると、モバイルルータ30及びホームルータ40の間の無線通信が確立される。
さらに、上述した実施形態では、収容局60のアクセスサーバは、有線WAN80のデータ通信が維持されている旨を示すパケットを、定期的にホームルータ40に送信するが、他の実施形態では、アクセスサーバは、当該パケットを送信しなくてもよい。この場合、ホームルータ40のWAN監視部401は、ホームルータ40を利用する無線端末装置からインターネット70を介したデータ要求に対する応答パケットを監視する。
さらに、他の実施形態では、無線端末装置50a,50bとして、無線WAN通信機能及び無線LAN通信機能を有する無線端末装置を採用してもよい。本発明により、これらの無線端末装置自体が、無線WAN通信を行うことなく、モバイルルータ30を介して外部ネットワークと通信することができる。これにより、無線端末装置による無線WAN通信に係るデータ通信量を低減することができる。
さらに、他の実施形態では、CPU(Central Processing Unit)が、上述した論理回路に実装された本発明のプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより、本発明の方法を実現してもよい。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに提供することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに提供されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
本発明は上述した実施形態に限られたものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
100 通信システム
10 管理サーバ
20 基地局
30 モバイルルータ
40 ホームルータ
50a,50b 無線端末装置
60 収容局
70 インターネット
80 有線WAN

Claims (8)

  1. 無線WANを介したデータ通信が可能な第1の無線通信装置と、
    有線WANを介したデータ通信が可能な第2の無線通信装置とを備え、
    前記第1の無線通信装置は、
    前記有線WANを介したデータ通信が不能になる可能性がある場合に、自機のSSIDを前記第2の無線通信装置にとって既知のSSIDに変更すると共に、前記既知のSSIDに関連する暗号化キーを無効にする設定変更部と、
    前記既知のSSIDを送信する無線LAN送受信部とを備え、
    前記第2の無線通信装置は、
    前記有線WANを介したパケットの受信の有無を検出するWAN監視部と、
    無線LANを介したデータの送受信を行う無線LAN送受信部と、
    前記WAN監視部が前記パケットを受信していないと判断した場合において、前記無線LAN送受信部が前記既知のSSIDを受信したときに、前記第1の無線通信装置との間で、前記無線LANを介した通信を確立する制御部とを備える、通信システム。
  2. 前記第1の無線通信装置は、
    前記有線WANを介したデータ通信が不能になる可能性がある場合に、動作するアンテナの数を増加させるアンテナ制御部をさらに備える、請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記第1の無線通信装置は、前記既知のSSIDを受信した無線端末装置との間で、前記無線LANを介した通信を確立する、請求項1又は2に記載の通信システム。
  4. 前記有線WANを介したデータ通信が不能になる可能性がある場合とは、前記データ通信が不能になる可能性を有する事象についての情報が発表された場合である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信システム。
  5. 無線WANを介したデータ通信が可能な第1の無線通信装置が、
    有線WANを介したデータ通信が可能な第2の無線通信装置による前記有線WANを介したデータ通信が不能になる可能性がある場合に、自機のSSIDを、前記第2の無線通信装置にとって既知のSSIDに変更すると共に、前記既知のSSIDに関連する暗号化キーを無効にし、
    前記第1の無線通信装置は、無線LANを介して前記既知のSSIDを送信し、
    前記第2の無線通信装置が、前記有線WANを介したパケットの受信の有無を検出し、
    前記第2の無線通信装置は、前記有線WANを介した前記パケットを受信していないと判断した場合において、前記第1の無線通信装置から前記既知のSSIDを受信したときに、前記第1の無線通信装置との間で、前記無線LANを介した通信を確立する、通信方法。
  6. 前記第1の無線通信装置は、前記有線WANを介したデータ通信が不能になる可能性がある場合に、動作するアンテナの数を増加させる、請求項5に記載の通信方法。
  7. 前記第1の無線通信装置は、前記既知のSSIDを受信した無線端末装置との間で、前記無線LANを介した通信を確立する、請求項5又は6に記載の通信方法。
  8. 前記有線WANを介したデータ通信が不能になる可能性がある場合とは、前記データ通信が不能になる可能性を有する事象についての情報が発表された場合である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の通信方法。
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