JP6862614B1 - 回転子及び回転電機 - Google Patents

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Abstract

回転子は、複数の孔が形成された回転子コアと、複数の永久磁石と、を備え、複数の孔は、複数の永久磁石がそれぞれ挿入された複数の第1孔と、複数の永久磁石が挿入されていない複数の第2孔と、を含んでおり、回転子コアは、周方向に配列した複数のコア部を有しており、複数のコア部のうち周方向において隣り合う2つのコア部の間には、1つの第2孔が配置されており、2つのコア部のそれぞれは、第2孔に面した縁部を有しており、第2孔を横切って2つのコア部同士を接続する保持部材をさらに備えている。

Description

本開示は、回転子及びそれを備えた回転電機に関する。
特許文献1には、埋込磁石式モータが記載されている。この埋込磁石式モータにおけるロータの環状の表面には、モータ極数Pの1/2個の長方形状のスリットと、スリットと同数の長方形状の永久磁石とが、周方向に交互に配置されている。各々のスリットと永久磁石との間には、P箇所のセグメント領域が形成されている。セグメント領域は、周方向に沿ってN極とS極とに交互に磁化されている。
特開2010−200480号公報
しかしながら、上記の構成では、隣り合う2つのセグメント領域の間にスリットが形成されているため、ロータコアの強度が低下してしまうという課題があった。
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、回転子コアの強度低下を抑制できる回転子及び回転電機を提供することを目的とする。
本開示に係る回転子は、周方向に配列した複数の孔が形成された回転子コアと、前記複数の孔のうちの一部の孔に挿入された複数の永久磁石と、を備え、前記複数の孔は、前記複数の永久磁石がそれぞれ挿入された複数の第1孔と、前記複数の永久磁石が挿入されていない複数の第2孔と、を含んでおり、前記複数の第1孔及び前記複数の第2孔は、前記周方向において1つずつ交互に配列しており、前記回転子コアは、前記周方向に配列した複数のコア部を有しており、前記複数のコア部のうち前記周方向において隣り合う2つのコア部の間には、前記複数の第2孔のうちの1つの第2孔が配置されており、前記2つのコア部のそれぞれは、前記1つの第2孔に面した縁部を有しており、非磁性材料を用いて形成され、前記1つの第2孔を横切って前記2つのコア部同士を接続する保持部材をさらに備えている。
本開示に係る回転電機は、本開示に係る回転子と、固定子と、を備えている。
本開示によれば、回転子コアの強度低下を抑制することができる。
実施の形態1に係る回転電機を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態1の比較例1に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態1の比較例1に係る回転子を備えた回転電機を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態1の比較例2に係る回転子を備えた回転電機を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る回転子の保持部材及びその周囲を拡大して示す図である。 実施の形態1の変形例1−1に係る回転子の保持部材及びその周囲を拡大して示す図である。 実施の形態1の変形例1−2に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態1の変形例1−3に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態1の変形例1−4に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態2の変形例2−1に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態2の変形例2−2に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態2の変形例2−3に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態3の比較例に係る回転子の保持部材及びその周囲を拡大して示す図である。 実施の形態3の変形例3−1に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態4に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態4の変形例4−1に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態4の変形例4−2に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態4の変形例4−3に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る回転子の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態5の変形例5−1に係る回転子の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態5の変形例5−2に係る回転子の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態5の変形例5−3に係る回転子の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態6に係る回転子の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態6の変形例6−1に係る回転子の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態6の変形例6−2に係る回転子の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態7に係る回転子を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。
実施の形態1.
実施の形態1に係る回転子及び回転電機について説明する。図1は、本実施の形態に係る回転電機100を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。ここで、回転電機100における回転子20の軸心に沿う方向を軸方向とする。軸方向に垂直な回転子20の断面において、回転子20の半径に沿う方向を径方向とする。回転子20の回転方向に沿う方向、すなわち、上記断面において回転子20の軸心を中心とした円周に沿う方向を周方向とする。上記断面において、上記円周の接線に沿う方向を接線方向とする。
図1に示すように、回転電機100は、固定子10と、固定子10に対して回転自在に設けられた回転子20と、を有している。固定子10は、磁気的ギャップとなる空隙15を介して回転子20の外周を囲むように設けられている。固定子10は、固定子コア11と、複数の巻線14と、を有している。固定子コア11は、円環状に形成されたコアバック12と、コアバック12から内周側に向かって突出した複数のティース13と、を有している。複数の巻線14は、複数のティース13にそれぞれ巻き付けられている。図1に示す構成では、12個のティース13と12個の巻線14とが設けられている。本実施の形態では、それぞれ円弧状に形成された複数のコアブロックが円環状に連結されることによりコアバック12が構成されているが、コアバック12は一体に形成されていてもよい。また、コアバック12と各ティース13とが分離して形成されていてもよい。
回転子20は、回転子コア21と、回転子コア21の内部に設けられた複数の永久磁石22と、回転子コア21の内周側に設けられたシャフト23と、を有している。回転子20は、回転子コア21の内部に複数の永久磁石22が放射状に配置された縦埋込型の埋込磁石型回転子である。縦埋込型の埋込磁石型回転子は、スポーク型回転子と呼ばれる場合もある。回転子20は、永久磁石22の個数が磁極数よりも少ないコンシクエントポール型の回転子である。回転子20は、磁極数をpとしたとき、p/2個の永久磁石22を有している。ここで、pは2以上の偶数である。図1に示す構成では、回転子20の磁極数pは10であるため、永久磁石22の個数は5個である。本実施の形態及び後述する各実施の形態では、磁極数pが10である回転子20を例示しているが、回転子20の磁極数pは、2以上8以下又は12以上であってもよい。
回転子コア21は、例えば、複数のコア板が軸方向に積層された構成を有している。回転子コア21には、軸方向に貫通した複数の孔30が形成されている。複数の孔30は、回転子20の周方向に配列している。軸方向に垂直な断面において、複数の孔30のそれぞれは、長手方向が径方向に沿うように放射状に配置されている。孔30の数は、回転子20の磁極数と等しいp個である。つまり、孔30の数は、永久磁石22の数の2倍である。
複数の孔30のうちの一部の孔には、軸方向に延伸した永久磁石22が挿入されている。すなわち、複数の孔30には、永久磁石22が挿入された複数の第1孔31と、永久磁石22が挿入されていない複数の第2孔32と、が含まれている。第1孔31の数及び第2孔32の数は、いずれもp/2個である。図1に示す構成では、磁極数pが10であるため、第1孔31の数及び第2孔32の数は、いずれも5個である。複数の第1孔31と複数の第2孔32とは、回転子20の周方向において1つずつ交互に配列している。つまり、複数の第1孔31と複数の第2孔32とは、回転子20の軸心を中心とした同一円周上に1つずつ交互に配列している。
複数の第1孔31にそれぞれ挿入されている複数の永久磁石22は、回転子20の軸方向に垂直な断面において放射状に配置されている。同断面において、永久磁石22の長手方向は、回転子20の径方向に沿っている。複数の永久磁石22は、周方向に配列している。第2孔32を挟んで周方向に隣り合う2つの永久磁石22は、第2孔32を挟んで周方向において対向する2つの磁極面が異極となるように着磁されている。例えば、複数の永久磁石22のそれぞれは、図1で反時計回り方向を向いた磁極面がN極となり、図1で時計回り方向を向いた磁極面がS極となるように着磁されている。永久磁石22のそれぞれの磁化方向は、回転子20の周方向に沿っている。永久磁石22のそれぞれは、接着剤等を用いて、回転子コア21に対して固定されている。
第1孔31は、径方向において外側、すなわち径方向において固定子10側に向かって開口した外周側開口部33と、径方向において内側、すなわち径方向においてシャフト23側に向かって開口した内周側開口部34と、を有している。つまり、第1孔31は、径方向において外側及び内側の双方に開口している。外周側開口部33は、回転子コア21の外周部において、周方向の磁路における磁気的空隙となる。内周側開口部34は、回転子コア21の内周部において、周方向の磁路における磁気的空隙となる。
第2孔32は、径方向において外側、すなわち径方向において固定子10側に向かって開口した外周側開口部35と、径方向において内側、すなわち径方向においてシャフト23側に向かって開口した内周側開口部36と、を有している。つまり、第2孔32は、径方向において外側及び内側の双方に開口している。外周側開口部35は、回転子コア21の外周部において、周方向の磁路における磁気的空隙となる。内周側開口部36は、回転子コア21の内周部において、周方向の磁路における磁気的空隙となる。第2孔32の内部には、樹脂、非磁性金属等の非磁性材料を用いて形成された非磁性部材が挿入されていてもよい。あるいは、第2孔32の内部は空間であってもよい。
本実施の形態の回転子コア21は、互いに分離された複数のコア部40を有している。複数のコア部40は、周方向に並列している。コア部40の個数は、p/2個である。図1に示す構成では、磁極数pが10であるため、コア部40の個数は5個である。周方向において隣り合う2つのコア部40の間には、1つの第2孔32が配置されている。言い換えれば、コア部40のそれぞれは、周方向において互いに隣り合う2つの第2孔32に挟まれている。コア部40のそれぞれには、1つの第1孔31が設けられている。つまり、コア部40のそれぞれには、1つの永久磁石22が設けられている。
複数のコア部40のそれぞれは、永久磁石22のN極側に位置する第1コア部45と、永久磁石22のS極側に位置する第2コア部46と、に分割されている。第1コア部45と第2コア部46とは、接着剤等を用いて、永久磁石22を挟んで貼り合わされている。第1コア部45は、永久磁石22のN極と接しているため、N極に磁化されている。第2コア部46は、永久磁石のS極と接しているため、S極に磁化されている。
コア部40のそれぞれは、内周部40a、外周部40b、及び一対の縁部40c、40dを備えた部分円環状の形状を有している。内周部40a及び外周部40bのそれぞれは、軸方向に沿って見たとき、回転子20の軸心を中心とした円弧状に形成されている。一対の縁部40c、40dのそれぞれは、軸方向に沿って見たとき、概ね径方向に沿った直線状に形成されている。縁部40cは、コア部40の周方向一端側に配置された第2孔32に面している。縁部40dは、コア部40の周方向他端側に配置された第2孔32に面している。あるコア部40の縁部40cと、当該コア部40と周方向に隣り合う別のコア部40の縁部40dとは、第2孔32を挟んで対向している。ここで、図1に示す構成では、外周部40bが回転子20の軸心を中心とした円弧状に形成されているが、外周部40bは、必ずしも回転子20の軸心を中心とした円弧状に形成されていなくてもよい。例えば、外周部40bは、回転子20の軸心から外れた位置を中心とした円弧状に形成されていてもよい。
縁部40cには、凹部41が形成されている。凹部41は、軸方向に沿って見ると、矩形状に凹んでいる。同様に、縁部40dには、凹部42が形成されている。凹部42は、軸方向に沿って見ると、矩形状に凹んでいる。凹部41及び凹部42はいずれも、軸方向に沿って延伸した溝状に形成されている。
回転子20は、径方向においてシャフト23と複数のコア部40のそれぞれとの間に設けられた非磁性部材50をさらに有している。図1では、非磁性部材50にハッチングを付している。非磁性部材50は、シャフト23の外周を囲むように環状に形成された環状部51と、環状部51から第2孔32に沿って径方向外側に突出した複数の突出部52と、を有している。環状部51は、シャフト23の外周面と、各コア部40の内周部40aと、の間に形成されている。複数の突出部52のそれぞれは、径方向において第2孔32の途中まで、例えば後述する保持部材60まで延びている。非磁性部材50は、樹脂、非磁性金属などの非磁性材料を用いて形成されている。非磁性部材50が設けられていることにより、シャフト23と複数のコア部40のそれぞれとが一体化している。非磁性部材50に代えて、空間すなわち空気層が設けられていてもよい。
回転子20は、さらに保持部材60を有している。保持部材60は、第2孔32を周方向に横切って、第2孔32を挟んで隣り合う2つのコア部40同士を接続するように構成されている。第2孔32を挟んで隣り合う2つのコア部40は、保持部材60を介して互いに支持される。保持部材60の個数は、p/2個である。図1に示す構成では、磁極数pが10であるため、保持部材60の個数は5個である。保持部材60は、樹脂、非磁性金属などの非磁性材料を用いて形成されている。保持部材60は、主に、コア部40のそれぞれが周方向に移動することを抑制する部材である。
保持部材60は、軸方向に延伸した板状の形状を有している。軸方向に沿って見たとき、保持部材60は、長方形状の形状を有している。軸方向に沿って見たときの保持部材60の長手方向は、回転子20の周方向又は回転子20の接線方向に沿っている。保持部材60の一方の端部60aは、第2孔32を挟んで隣り合う2つのコア部40のうち、一方のコア部40に形成された凹部41に嵌め込まれている。保持部材60の他方の端部60bは、他方のコア部40に形成された凹部42に嵌め込まれている。また、保持部材60は、非磁性部材50の突出部52の先端部とも接続されている。
次に、本実施の形態の効果について説明する。図2は、本実施の形態の比較例1に係る回転子200を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図2に示すように、本比較例の回転子200は、少なくとも、第2孔32が外周側開口部35及び内周側開口部36を有していない点で、図1に示した回転子20と異なっている。本比較例の回転子200では、第2孔32の径方向外側は接続部201によって閉じられており、第2孔32の径方向内側は接続部202によって閉じられている。
図3は、比較例1に係る回転子200を備えた回転電機を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図3では、固定子10に鎖交してトルクに寄与する有効磁束Φ1を実線矢印で表しており、回転子コア21内において閉じた周方向の閉磁路を通る周方向漏洩磁束Φ2を破線矢印で表している。図3に示すように、第2孔32の径方向外側及び径方向内側は、それぞれ接続部201及び接続部202によって閉じられている。接続部201及び接続部202の磁気抵抗は、空隙15の磁気抵抗よりも非常に低い。このため、回転子コア21内において閉じた周方向の閉磁路が積極的に形成され、固定子10に磁束を鎖交させる磁路が形成されにくくなる。これにより、永久磁石22の使用量に対して、接続部201及び接続部202を通る周方向漏洩磁束Φ2が相対的に多くなってしまうため、空隙15を通って固定子10に鎖交する有効磁束Φ1が少なくなってしまう。
回転電機のトルク出力を向上させるためには、周方向漏洩磁束Φ2を減少させ、有効磁束Φ1を増加させる必要がある。図4は、本実施の形態の比較例2に係る回転子を備えた回転電機を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図4では、図3と同様に、有効磁束Φ1を実線矢印で表しており、周方向漏洩磁束Φ2を破線矢印で表している。図4に示す構成では、第2孔32の径方向外側及び径方向内側には、それぞれ外周側開口部35及び内周側開口部36が形成されている。これにより、回転子コア21内において閉じた周方向の閉磁路における磁気抵抗が高くなるため、周方向漏洩磁束Φ2を減少させることができるとともに、固定子10に鎖交する有効磁束Φ1を増加させることができる。したがって、回転電機のトルク出力を向上させることができる。
しかしながら、図4に示す構成では、隣り合うコア部40同士が分離されているため、回転子コア21の強度が低下してしまう。したがって、回転子20が回転し始める回転開始時、回転子20の回転中、及び、回転中の回転子20が停止する回転停止時に、回転子コア21に加わる外力によってコア部40が移動してしまい、各コア部40の位置にずれが生じてしまうおそれがある。
これに対し、図1に示した本実施の形態の構成では、周方向において隣り合うコア部40同士が保持部材60によって接続されているため、回転子コア21の強度低下を抑制できる。このため、コア部40が外力によって例えば周方向に移動してしまうのを抑制でき、コア部40の位置にずれが生じてしまうのを抑制できる。以上のように、本実施の形態によれば、トルク出力の向上と回転子コア21の強度低下の抑制とを両立させることができる。
また、本実施の形態では、隣り合う2つのコア部40のうち一方のコア部40の凹部41には保持部材60の端部60aが嵌め込まれ、他方のコア部40の凹部42には保持部材60の端部60bが嵌め込まれている。これにより、回転子コア21の強度低下をより確実に抑制できる。さらに、磁極間の位置決めを容易に行うことができるため、磁極位置のばらつきにより生じるトルク脈動を抑制することができる。
また、本実施の形態では、非磁性部材50の突出部52よりも外周側に保持部材60が設けられている。このため、非磁性部材50にクラック等が生じて非磁性部材50が破断したとしても、非磁性部材50の破片が第2孔32を通って空隙15に飛び出してしまうことを保持部材60によって防ぐことができる。
本実施の形態に係る回転子20の保持部材60について、より詳細に説明する。図5は、本実施の形態に係る回転子20の保持部材60及びその周囲を拡大して示す図である。図5に示すように、保持部材60は、回転子20の周方向又は回転子20の接線方向に沿って延びており、第2孔32を挟んで隣り合う2つのコア部40を接続している。保持部材60は、径方向を向いた第1表面60c及び第1表面60dと、周方向を向いた第2表面60e及び第2表面60fと、を有している。
保持部材60の第1表面60c及び第1表面60dは、端部60aにおいて、凹部41の表面と接触している。また、保持部材60の第1表面60c及び第1表面60dは、端部60bにおいて、凹部42の表面と接触している。
一方、保持部材60の第2表面60eは、凹部41の表面から離れている。第2表面60eと凹部41の表面との間には、周方向隙間43が形成されている。同様に、保持部材60の第2表面60fは、凹部42の表面から離れている。第2表面60fと凹部42の表面との間には、周方向隙間44が形成されている。
回転子20の回転開始時、回転中、及び回転停止時における保持部材60には、保持部材60の両側のコア部40から加えられる力により、図5中の両矢印で示すように回転子20の周方向に沿った応力が生じる。回転子20の回転及び停止が繰り返されると、保持部材60には上記応力が繰り返し生じる。また、回転子20の製造工程において凹部41及び凹部42に保持部材60が挿入される際にも、保持部材60には、回転子20の周方向に沿った圧縮応力が生じる。仮に、周方向隙間43及び周方向隙間44が形成されていない場合、保持部材60に生じるこれらの応力はより大きくなる。このため、保持部材60の劣化及び破断が促進されてしまう可能性がある。
これに対し、本実施の形態では、保持部材60と凹部41との間には周方向隙間43が形成され、保持部材60と凹部42との間には周方向隙間44が形成されている。このため、回転子20の回転開始時、回転中、及び回転停止時において、周方向に沿った応力が保持部材60に生じるのを緩和することができる。また、回転子20の製造工程において凹部41及び凹部42に保持部材60が挿入される際にも、周方向に沿った圧縮応力が保持部材60に生じるのを緩和することができる。したがって、保持部材60の劣化及び破断を抑制することができる。
図6は、本実施の形態の変形例1−1に係る回転子20の保持部材60及びその周囲を拡大して示す図である。図6に示すように、保持部材60は、径方向における縁部40cの中心部40c1、及び径方向における縁部40dの中心部40d1のそれぞれよりも内周側に設けられている。
保持部材60が導体である場合、固定子10からの電機子磁束が保持部材60に鎖交すると渦電流損が発生し、回転電機100の出力が低下する。このため、特に保持部材60が導体である場合には、保持部材60は、中心部40c1及び中心部40d1のそれぞれよりも内周側に設けられるのが望ましい。例えば、保持部材60は、中心部40c1及び中心部40d1のそれぞれよりも内周側のみに配置される。
回転子コア21は磁性体であり、保持部材60は非磁性体であるため、保持部材60が第2孔32の内周寄りに配置されているほど、固定子10からの電機子磁束が回転子コア21に鎖交しやすくなる。このため、本変形例の構成によれば、電機子磁束が保持部材60に鎖交するのを抑制することができ、保持部材60に発生する渦電流損を低減することができる。
また、保持部材60に大きい遠心力が作用すると、保持部材60に撓みが生じることにより、保持部材60が凹部41及び凹部42から脱落してしまうおそれがある。これに対し、本変形例では保持部材60が中心部40c1及び中心部40d1のそれぞれよりも内周側に設けられているため、保持部材60に作用する遠心力が小さくなる。このため、保持部材60の脱落を防ぐことができる。
図7は、本実施の形態の変形例1−2に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図7に示すように、回転子20の接線方向における第2孔32の幅は、外周側から内周側に向かって広くなっている。回転子20の接線方向における第2孔32の幅は、外周側から内周側に向かって連続的に、例えば直線的又は曲線的に広くなっている。インナーロータ形の回転子20では、固定子10からの距離が遠い内周側では周方向漏洩磁束Φ2が多く、固定子10からの距離が近い外周側では周方向漏洩磁束Φ2が少ない。本変形例の構成では、周方向漏洩磁束Φ2が多い内周側での第2孔32の幅が広くなっているため、周方向漏洩磁束Φ2を効果的に低減できる。これにより、有効磁束Φ1を増加させることができるため、回転電機のトルク出力を高めることができる。本変形例では、第2孔32の幅が外周側から内周側に向かって直線的に広くなっているが、第2孔32の幅は、外周側から内周側に向かって段階的に広くなっていてもよい。
回転子コア21は、円環状の回転子コアバック24と、回転子コアバック24と複数のコア部40のそれぞれとを連結する連結部25と、を有している。回転子コアバック24は、シャフト23よりも外周側であって複数のコア部40よりも内周側に配置されている。連結部25は、回転子コアバック24から径方向外側に突出し、コア部40に接続されている。
複数のコア部40のそれぞれは、永久磁石22のN極側に位置する第1コア部45と、永久磁石22のS極側に位置する第2コア部46と、を有している。連結部25は、コア部40のそれぞれの第1コア部45に接続されている。すなわち、複数の第1コア部45は、連結部25及び回転子コアバック24を介して磁気的に接続されている。一方、コア部40のそれぞれの第2コア部46に対しては、連結部25が直接には接続されていない。第2コア部46は、永久磁石22を挟んで隣接する第1コア部45を介してのみ、連結部25及び回転子コアバック24に接続されている。
本変形例では、回転子コアバック24及び連結部25が設けられているため、第2孔32は径方向内側には開口されていない。しかしながら、複数の第1コア部45は同極に磁化されているため、複数の第1コア部45同士が連結部25及び回転子コアバック24を介して接続されていたとしても、連結部25及び回転子コアバック24を磁路とした周方向漏洩磁束Φ2は増加せず、回転電機100のトルク出力の低下も生じない。
第2孔32のそれぞれにおいて、非磁性部材50は、回転子コアバック24よりも外周側であって保持部材60よりも内周側に形成されている。
本変形例では、複数のコア部40が連結部25及び回転子コアバック24を介して一体化するため、磁極同士の配置間隔の製造誤差を低減することができ、回転子20の生産性を向上させることができる。
また、本変形例では、回転子20の回転開始時、回転中、及び回転停止時において、連結部25を含む図7中の破線で囲んだ部分には大きな応力が発生し得る。しかしながら、本変形例では、保持部材60が設けられているため、コア部40のそれぞれの周方向への動きを減少させることができる。したがって、連結部25等に発生する応力を緩和することができるため、応力集中による連結部25の破断を防ぐことができる。
図8は、本実施の形態の変形例1−3に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図8に示す構成では、回転子20の接線方向における第2孔32の幅は、外周側から内周側に向かって段階的に広くなっている。第2孔32は、第1部分32aと、第1部分32aよりも内周側に位置する第2部分32bと、を有している。回転子20の接線方向における第2部分32bの幅は、同方向における第1部分32aの幅よりも広くなっている。第2孔32の幅は、外周側から内周側に向かって2段階に変化している。保持部材60は、第2部分32bに設けられている。
図9は、本実施の形態の変形例1−4に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図9に示す構成では、図8に示した構成と同様に、回転子20の接線方向における第2孔32の幅は、外周側から内周側に向かって段階的に広くなっている。第2孔32は、第1部分32aと、第1部分32aよりも内周側に位置する第2部分32bと、第2部分32bよりもさらに内周側に位置する第3部分32cと、を有している。回転子20の接線方向における第2部分32bの幅は、同方向における第1部分32aの幅よりも広くなっている。回転子20の接線方向における第3部分32cの幅は、同方向における第2部分32bの幅よりも広くなっている。第2孔32の幅は、外周側から内周側に向かって3段階に変化している。保持部材60は、第2部分32bに設けられている。
以上説明したように、本実施の形態に係る回転子20は、周方向に配列した複数の孔30が形成された回転子コア21と、複数の孔30のうちの一部の孔に挿入された複数の永久磁石22と、を備えている。複数の孔30は、複数の永久磁石22がそれぞれ挿入された複数の第1孔31と、複数の永久磁石22が挿入されていない複数の第2孔32と、を含んでいる。複数の第1孔31及び複数の第2孔32は、周方向において1つずつ交互に配列している。回転子コアは、周方向に配列した複数のコア部40を有している。複数のコア部40のうち周方向において隣り合う2つのコア部40の間には、複数の第2孔32のうちの1つの第2孔32が配置されている。上記2つのコア部40の一方は、上記1つの第2孔32に面した縁部40cを有している。上記2つのコア部40の他方は、上記1つの第2孔32に面した縁部40dを有している。回転子20は、非磁性材料を用いて形成され上記1つの第2孔32を横切って上記2つのコア部40同士を接続する保持部材60をさらに備えている。
この構成によれば、周方向において隣り合うコア部40同士が保持部材60によって接続されているため、回転子コア21の強度低下を抑制できる。このため、外力によってコア部40が移動してしまうのを抑制でき、コア部40の位置にずれが生じてしまうのを抑制できる。
本実施の形態に係る回転子20において、縁部40cには、凹部41が形成されている。縁部40dには、凹部42が形成されている。保持部材60は、凹部41及び凹部42のそれぞれに嵌め込まれている。この構成によれば、保持部材60の端部60a及び端部60bがそれぞれ凹部41及び凹部42に嵌め込まれているため、回転子コア21の強度低下をより確実に抑制できるとともに、磁極間の位置決めを容易に行うことができる。
本実施の形態に係る回転子20において、保持部材60は、径方向を向いた第1表面60c及び第1表面60dと、周方向を向いた第2表面60e及び第2表面60fと、を有している。保持部材60の周方向における端部60aにおいて、第1表面60c及び第1表面60dは凹部41と接触しており、第2表面60eは凹部41から離れている。保持部材60の周方向における端部60bにおいて、第1表面60c及び第1表面60dは凹部42と接触しており、第2表面60fは凹部42から離れている。この構成によれば、周方向に沿った応力が保持部材60に生じるのを緩和することができるため、保持部材60の劣化及び破断を抑制することができる。
本実施の形態に係る回転子20において、複数の孔30の数は、複数の永久磁石22の数の2倍である。この構成によれば、永久磁石22の使用量を削減することができるため、回転子20の製造コストを削減することができる。
本実施の形態に係る回転子20において、保持部材60は、径方向における縁部40cの中心部40c1及び径方向における縁部40dの中心部40d1よりも内周側に設けられている。この構成によれば、保持部材60に発生する渦電流損を低減することができる。
本実施の形態に係る回転子20において、複数の永久磁石22は、1つの第2孔32を挟んで周方向において互いに向き合う磁極面が異極となるように着磁されている。
本実施の形態に係る回転子20において、第2孔32の幅は、外周側から内周側に向かって段階的に広くなっている。この構成によれば、固定子10からの距離が遠い内周側での周方向漏洩磁束Φ2を低減できるため、有効磁束Φ1を増加させることができ、回転電機100のトルク出力を高めることができる。
本実施の形態に係る回転子20において、第2孔32の幅は、外周側から内周側に向かって連続的に広くなっている。この構成によれば、固定子10からの距離が遠い内周側での周方向漏洩磁束Φ2を低減できるため、有効磁束Φ1を増加させることができ、回転電機100のトルク出力を高めることができる。
本実施の形態に係る回転子20において、複数のコア部40のそれぞれには、複数の永久磁石22のうちの1つの永久磁石22が設けられている。複数のコア部40のそれぞれは、永久磁石22の一方の磁極面側に位置する第1コア部45と、永久磁石22の他方の磁極面側に位置する第2コア部46と、を有している。回転子コア21は、複数のコア部40よりも内周側に配置された円環状の回転子コアバック24と、回転子コアバック24と複数のコア部40のそれぞれの第1コア部45とを連結する連結部25と、を有している。この構成によれば、複数のコア部40が連結部25及び回転子コアバック24を介して一体化するため、磁極同士の配置間隔の製造誤差を低減することができ、回転子20の生産性を向上させることができる。
本実施の形態に係る回転電機100は、本実施の形態に係る回転子20と、固定子10と、を備えている。この構成によれば、上記のような効果が得られる回転電機100を実現できる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る回転子について説明する。図10は、本実施の形態に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図10では示していないが、回転子20の周囲には、空隙15を介して固定子10が配置される。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10に示すように、回転子20は、円環状の回転子コアバック24と、回転子コアバック24から径方向外側に突出した複数の突起26と、を有している。回転子コアバック24は、複数のコア部40よりも内周側に設けられている。シャフト23は、回転子コアバック24に対し、焼嵌め、圧入等により接合されている。突起26は、径方向に沿って延伸し、保持部材60に接続されている。保持部材60において径方向内側を向いた第1表面60cには、凹部61が形成されている。凹部61には、突起26の先端部が嵌め込まれている。これにより、保持部材60は、突起26を介して回転子コアバック24に接続されている。
回転子コアバック24及び突起26は、少なくとも軸方向と垂直な断面において、継ぎ目なく一体に形成されている。回転子コアバック24及び突起26は、板材を軸方向に積層させることによって形成されていてもよいし、バルク材を削ることによって形成されていてもよい。回転子コアバック24及び突起26は、磁性材料及び非磁性材料のいずれで形成されていてもよい。ただし、周方向漏洩磁束Φ2を低減する観点では、回転子コアバック24及び突起26は非磁性材料で形成されるのが望ましい。
次に、本実施の形態の効果について説明する。本実施の形態では、実施の形態1によって得られる効果に加えて、以下のような効果が得られる。
保持部材60を挟んで配置される2つのコア部40の周方向への移動量が異なる場合、保持部材60には、周方向に沿った引っ張り応力が生じることがある。例えば、回転子20の回転方向において保持部材60の前方に配置されたコア部40の周方向移動量が、同回転方向において保持部材60の後方に配置されたコア部40の周方向移動量よりも大きい場合、保持部材60には引っ張り応力が生じる。保持部材60に引っ張り応力が生じると、保持部材60の破断又は保持部材60の強度の劣化が生じる可能性がある。引っ張り応力が繰り返し生じることにより、保持部材60の強度の劣化が促進され、保持部材60が破断する可能性もある。
これに対し、本実施の形態では、回転子コアバック24から突出した突起26が保持部材60に接続されているため、回転子コア21、永久磁石22、シャフト23、回転子コアバック24、突起26及び保持部材60は、一体化した剛体として機能する。これにより、コア部40のそれぞれの周方向への移動量を実質的に同一にすることが可能となる。したがって、本実施の形態によれば、保持部材60に生じる引っ張り応力を低減でき、保持部材60の強度劣化を抑制することができる。また、本実施の形態によれば、回転子コア21、永久磁石22、シャフト23、回転子コアバック24、突起26及び保持部材60が一体化するため、回転子20の強度を向上させることができる。
図11は、本実施の形態の変形例2−1に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図11に示すように、本変形例では、回転子コアバック24と突起26とが別部材になっている。突起26は、回転子コアバック24の外周面に形成された凹部24aに嵌め込まれている。
本変形例によれば、回転子コアバック24と突起26とを互いに異なる材料により形成することができる。例えば、回転子コアバック24を磁性材料により形成し、突起26を非磁性材料により形成することができる。このため、回転子20の製造コストの増加を抑制することができる。また、本変形例においても、回転子コア21、永久磁石22、シャフト23、回転子コアバック24、突起26及び保持部材60は一体化した剛体として機能する。このため、保持部材60に生じる引っ張り応力を低減でき、保持部材60の強度劣化を抑制することが可能となる。
図12は、本実施の形態の変形例2−2に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図12に示すように、本変形例の回転子コア21は、回転子コアバック24と、回転子コアバック24と一体に形成された突起26と、回転子コアバック24とコア部40のそれぞれの第1コア部45とを連結する連結部25と、を有している。つまり、本変形例の回転子20は、図10に示した本実施の形態の回転子20の構成と、図7に示した変形例1−2の回転子20の構成と、が組み合わされた構成を有している。本変形例によっても、図10に示した本実施の形態の回転子20と同様の効果が得られる。
図13は、本実施の形態の変形例2−3に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図13に示すように、本変形例の回転子コア21は、回転子コアバック24と、回転子コアバック24とは別部材である突起26と、回転子コアバック24とコア部40のそれぞれの第1コア部45とを連結する連結部25と、を有している。つまり、本変形例の回転子20は、図11に示した変形例2−1の回転子20の構成と、図7に示した変形例1−2の回転子20の構成と、が組み合わされた構成を有している。本変形例によっても、図11に示した変形例2−1の回転子20と同様の効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態に係る回転子20において、回転子コア21は、回転子コアバック24と、突起26と、をさらに有している。回転子コアバック24は、複数のコア部40よりも内周側に配置されており、円環状の形状を有している。突起26は、回転子コアバック24から外周側に突出しており、保持部材60に接続されている。この構成によれば、コア部40のそれぞれの周方向への移動量を実質的に同一にすることが可能となるため、保持部材60に生じる引っ張り応力を低減でき、保持部材60の強度劣化を抑制することができる。
本実施の形態に係る回転子20において、回転子コアバック24と突起26とは、別部材である。この構成によれば、突起26を非磁性材料により形成することができるため、回転子20の製造コストの増加を抑制することができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る回転子について説明する。図14は、本実施の形態に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図14では示していないが、回転子20の周囲には、空隙15を介して固定子10が配置される。なお、実施の形態1又は2と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図14に示すように、第2孔32のそれぞれには、2つの保持部材64、65が設けられている。保持部材64及び保持部材65は、互いに異なる径方向位置に設けられている。保持部材65は、径方向において保持部材64よりも外側に設けられている。第2孔32のそれぞれに設けられる保持部材の個数は、3つ以上であってもよい。非磁性部材50は、径方向において最も内側に設けられた保持部材64よりも内周側に形成されており、保持部材64に接続されている。
次に、本実施の形態の効果について説明する。図15は、本実施の形態の比較例に係る回転子20の保持部材60及びその周囲を拡大して示す図である。図15に示す比較例では、1つの第2孔32に1つの保持部材60が設けられている。この場合、回転子20の回転開始時及び回転停止時のコア部40には、図15中の白抜き太矢印で示すように、保持部材60を起点とした回転力が作用する可能性がある。
第1コア部45及び第2コア部46のそれぞれと永久磁石22とは、例えば接着剤を用いて固定されている。この場合、上記の回転力が例えば第1コア部45に作用すると、永久磁石22に剪断応力が発生する。これにより、永久磁石22に欠けが生じ、回転子20と固定子10との間の空隙15に永久磁石22の破片が飛び出すおそれがある。また、第1コア部45に作用する回転力によって第1孔31の外周側開口部33が開くと、永久磁石22が外周側に脱落することもあり得る。
これに対し、本実施の形態では、第2孔32に2つ以上の保持部材64、65が設けられているため、コア部40に作用する回転力を緩和することができる。したがって、回転子コア21の強度低下を抑制することができる。
図16は、本実施の形態の変形例3−1に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図16に示すように、本変形例の回転子コア21は、回転子コアバック24と、回転子コアバック24とコア部40のそれぞれの第1コア部45とを連結する連結部25と、を有している。第2孔32のそれぞれには、2つの保持部材64、65が設けられている。つまり、本変形例の回転子20は、図14に示した本実施の形態の回転子20の構成と、図7に示した変形例1−2の回転子20の構成と、が組み合わされた構成を有している。本変形例によっても、図14に示した本実施の形態の回転子20と同様の効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態に係る回転子20では、保持部材64、65は、1つの第2孔32に複数設けられている。この構成によれば、回転子20の回転開始時及び回転停止時のコア部40に作用する回転力を緩和することができるため、回転子コア21の強度低下を抑制することができる。
実施の形態4.
実施の形態4に係る回転子について説明する。図17は、本実施の形態に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図17では示していないが、回転子20の周囲には、空隙15を介して固定子10が配置される。なお、実施の形態1〜3のいずれかと同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図17に示すように、保持部材60の径方向寸法、すなわち保持部材60の厚みは、周方向位置によって異なっている。具体的には、周方向における保持部材60の中央部62の径方向寸法は、保持部材60の他の部分の径方向寸法よりも大きくなっている。
図5を用いて説明したように、回転子20の回転開始時、回転中、及び回転停止時における保持部材60には、周方向に沿った応力が生じる。保持部材60の応力は、両側のコア部40から加えられる力により生じるため、周方向中央部に近い位置ほど大きくなる。保持部材60に生じる応力が圧縮応力である場合、その応力が大きくなると、保持部材60は径方向内側又は径方向外側に座屈してしまう。
これに対し、本実施の形態では、保持部材60の中央部62の厚みが他の部分よりも厚くなっているため、圧縮応力に対する保持部材60の強度を向上させることができ、保持部材60の座屈を回避することができる。
図18は、本実施の形態の変形例4−1に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図18に示すように、本変形例の保持部材60の中央部62には、軸方向に保持部材60を貫通した孔63が形成されている。孔63の断面形状は、例えば円形である。なお、孔63は、保持部材60のうち中央部62以外の部分に設けられていてもよい。
本変形例では、保持部材60に生じた圧縮応力を孔63の両側に分散させることができるため、保持部材60の座屈を回避することができる。
図19は、本実施の形態の変形例4−2に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図19に示すように、本変形例の回転子コア21は、回転子コアバック24と、回転子コアバック24とコア部40のそれぞれの第1コア部45とを連結する連結部25と、を有している。保持部材60の中央部62の厚みは、他の部分の厚みよりも厚くなっている。つまり、本変形例の回転子20は、図17に示した本実施の形態の回転子20の構成と、図7に示した変形例1−2の回転子20の構成と、が組み合わされた構成を有している。本変形例によっても、図17に示した本実施の形態の回転子20と同様の効果が得られる。
図20は、本実施の形態の変形例4−3に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。図20に示すように、本変形例の回転子コア21は、回転子コアバック24と、回転子コアバック24とコア部40のそれぞれの第1コア部45とを連結する連結部25と、を有している。保持部材60の中央部62には、孔63が形成されている。つまり、本変形例の回転子20は、図18に示した変形例4−1の回転子20の構成と、図7に示した変形例1−2の回転子20の構成と、が組み合わされた構成を有している。本変形例によっても、図18に示した変形例4−1の回転子20と同様の効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態に係る回転子20では、保持部材60の径方向寸法は、周方向位置によって異なる。この構成によれば、圧縮応力に対する保持部材60の強度を向上させることができるため、保持部材60の座屈を回避することができる。
また、本実施の形態に係る回転子20では、保持部材60には、軸方向に貫通した孔63が形成されている。この構成によれば、保持部材60に生じた圧縮応力を孔63の両側に分散させることができるため、保持部材60の座屈を回避することができる。
実施の形態5.
実施の形態5に係る回転子について説明する。図21は、本実施の形態に係る回転子20の構成を示す分解斜視図である。なお、実施の形態1〜4のいずれかと同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図21に示すように、回転子20は、軸方向において回転子コア21の外側に設けられた端板70及び端板80を有している。端板70は、回転子コア21の軸方向一端側に配置されており、端板80は、回転子コア21の軸方向他端側に配置されている。
端板70には、複数の保持部材60の軸方向一端側の端部60gがそれぞれ挿入される複数の挿入孔71が形成されている。保持部材60のそれぞれの端部60gは、挿入孔71において端板70と接合されている。端板80には、複数の保持部材60の軸方向他端側の端部60hがそれぞれ挿入される複数の挿入孔81が形成されている。保持部材60のそれぞれの端部60hは、挿入孔81において端板80と接合されている。保持部材60のそれぞれは、端板70及び端板80によって、軸方向の両側から支持されている。
本実施の形態によれば、保持部材60のそれぞれが端板70及び端板80と一体化するため、回転子20の回転開始時、回転中、及び回転停止時に保持部材60が移動してしまうのを抑制できる。
ここで、各保持部材60が端板70及び端板80の双方に電気的に接続されていると、ある保持部材60に発生した渦電流が端板70及び端板80を導体として他の保持部材60に流れる場合がある。この渦電流は、ブレーキトルクとして作用する可能性がある。このため、保持部材60と端板70及び端板80のそれぞれとは、絶縁部材又は絶縁膜を介して接続されることが望ましい。
図22は、本実施の形態の変形例5−1に係る回転子20の構成を示す分解斜視図である。図22では、端板70及び端板80の図示を省略している。図22に示すように、本変形例では、複数の保持部材60のそれぞれが軸方向において複数に分割されている。つまり、本変形例では、複数の保持部材60のそれぞれは、軸方向において分割された複数の保持部材66、67、68を有している。保持部材66、保持部材67及び保持部材68のそれぞれの分割面は、軸方向と垂直になっている。
本変形例では、軸方向において分割されていない保持部材60が用いられる場合と比較すると、保持部材66、保持部材67及び保持部材68のそれぞれの単体で生じる渦電流を低減できる。また、各保持部材60が端板70及び端板80の双方に接続されている場合、ある1つの保持部材60と、端板70及び端板80の一方と、別の保持部材60と、端板70及び端板80の他方と、上記1つの保持部材60と、をこの順に経由する渦電流経路が形成される。これに対し、本変形例では、複数の保持部材60のそれぞれが軸方向において保持部材64、保持部材65及び保持部材66に分割されているため、上記の渦電流経路を遮断することができる。
図23は、本実施の形態の変形例5−2に係る回転子20の構成を示す分解斜視図である。図23に示すように、本変形例の回転子コア21は、軸方向において分割された第1回転子コア21−1及び第2回転子コア21−2を有している。第1回転子コア21−1及び第2回転子コア21−2は、それぞれの第1孔31及び第2孔32の周方向位置が一致するように、軸方向に積層されている。回転子コア21は、2つの第1回転子コア21−1と1つの第2回転子コア21−2とが交互に積層された構成、又は、2つの第2回転子コア21−2と1つの第1回転子コア21−1とが交互に積層された構成を有していてもよい。また、回転子コア21は、複数の第1回転子コア21−1と複数の第2回転子コア21−2とが交互に積層された構成を有していてもよい。
第1回転子コア21−1は、図7に示した変形例1−2の回転子コア21と同様の断面構成を有している。すなわち、N極に磁化された複数の第1コア部45は、連結部25及び回転子コアバック24を介して接続されている。S極に磁化された複数の第2コア部46のそれぞれに対しては、連結部25が直接には接続されていない。
第2回転子コア21−2では、第1回転子コア21−1とは異なり、S極に磁化された複数の第2コア部46が連結部25及び回転子コアバック24を介して接続されている。N極に磁化された複数の第1コア部45のそれぞれに対しては、連結部25が直接には接続されていない。
本変形例によれば、回転子コア21が軸方向において分割されているため、軸方向における漏洩磁束を低減することができる。また、本変形例では、複数の第1コア部45が回転子コアバック24に対して固定された第1回転子コア21−1と、複数の第2コア部46が回転子コアバック24に対して固定された第2回転子コア21−2と、が軸方向に積層される。このため、回転子コア21の強度を高めることができる。
図24は、本実施の形態の変形例5−3に係る回転子20の構成を示す分解斜視図である。図24に示すように、本変形例の回転子コア21は、軸方向において分割された第1回転子コア21−1、第2回転子コア21−2及び第3回転子コア21−3を有している。第3回転子コア21−3は、軸方向において、第1回転子コア21−1と第2回転子コア21−2との間に配置されている。第1回転子コア21−1、第3回転子コア21−3及び第2回転子コア21−2は、それぞれの第1孔31及び第2孔32の周方向位置が一致するように、軸方向に積層されている。
第1回転子コア21−1及び第2回転子コア21−2は、図23に示した変形例5−2の第1回転子コア21−1及び第2回転子コア21−2とそれぞれ同様の構成を有している。第3回転子コア21−3には、第1回転子コア21−1及び第2回転子コア21−2とは異なり、連結部25及び回転子コアバック24が設けられていない。軸方向における第3回転子コア21−3の厚みは、軸方向における第1回転子コア21−1の厚み、及び軸方向における第2回転子コア21−2の厚みのいずれよりも薄くなっている。
本変形例によれば、第1回転子コア21−1、第3回転子コア21−3及び第2回転子コア21−2が軸方向において分割されているため、第1回転子コア21−1と第2回転子コア21−2との間の軸方向における漏洩磁束をさらに低減することができる。また、本変形例によれば、第3回転子コア21−3において周方向の磁気抵抗を高めることができるため、周方向漏洩磁束Φ2を低減することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る回転子20では、保持部材60は、軸方向において分割されている。この構成によれば、保持部材60に発生する渦電流を抑制することができる。
また、本実施の形態に係る回転子20は、軸方向において回転子コア21の外側に設けられた端板70及び端板80をさらに備えている。保持部材60の軸方向における端部60gは、端板70と接続されている。保持部材60の軸方向における端部60hは、端板80と接続されている。この構成によれば、保持部材60が端板70及び端板80によって支持されるため、回転子20の回転開始時、回転中、及び回転停止時に保持部材60が移動してしまうのを抑制できる。
実施の形態6.
実施の形態6に係る回転子について説明する。図25は、本実施の形態に係る回転子20の構成を示す分解斜視図である。なお、実施の形態1〜5のいずれかと同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図25に示すように、回転子20は、回転子コア21の軸方向外側に設けられた端板70及び端板80を有している。端板70は、回転子コア21の軸方向一端側に配置されており、端板80は、回転子コア21の軸方向他端側に配置されている。保持部材60には、図20に示した保持部材60と同様に孔63が形成されている。
端板70及び端板80のそれぞれにおいて回転子コア21と対向する面には、保持部材60の端部60g又は端部60hが嵌め込まれる窪み82が形成されている。窪み82の底部には、ボルト孔83が形成されている。
さらに回転子20は、端板70、保持部材60及び端板80を軸方向に貫通する複数のボルト90を有している。ボルト90のそれぞれは、端板70のボルト孔83、保持部材60の孔63、及び端板80のボルト孔83をこの順に貫通している。端板70、各保持部材60及び端板80は、ボルト90及び不図示のナットによって締結されている。ナットに変えて、ボルト90の先端側に位置する端板80のボルト孔83には、雌ねじが切られていてもよい。
ボルト90は、保持部材60の孔63を貫通している。このため、ボルト90は、保持部材60を保持する機能、及び保持部材60の位置決めを行う機能を有している。本変形例によれば、回転子コア21の強度を高めることができるとともに、回転子20の剛性を高めることができる。
本実施の形態では、複数のコア部40が連結部25及び回転子コアバック24を介して接続されているが、図1に示した回転子20のように、複数のコア部40が互いに分離されていても問題はない。
図26は、本実施の形態の変形例6−1に係る回転子20の構成を示す分解斜視図である。図26に示すように、本変形例の回転子コア21は、図23に示した回転子コア21と同様の構成を有している。すなわち、回転子コア21は、軸方向において分割された第1回転子コア21−1及び第2回転子コア21−2を有している。第1回転子コア21−1及び第2回転子コア21−2は、軸方向に積層されている。回転子コア21は、2つの第1回転子コア21−1と1つの第2回転子コア21−2とが交互に積層された構成、又は、2つの第2回転子コア21−2と1つの第1回転子コア21−1とが交互に積層された構成を有していてもよい。また、回転子コア21は、複数の第1回転子コア21−1と複数の第2回転子コア21−2とが交互に積層された構成を有していてもよい。
本変形例によれば、回転子コア21が軸方向において分割されているため、軸方向における漏洩磁束を低減することができる。また、本変形例では、複数の第1コア部45が回転子コアバック24に対して固定された第1回転子コア21−1と、複数の第2コア部46が回転子コアバック24に対して固定された第2回転子コア21−2と、が軸方向に積層される。このため、回転子コア21の強度を高めることができる。
図27は、本実施の形態の変形例6−2に係る回転子20の構成を示す分解斜視図である。図27に示すように、本変形例の回転子コア21は、図24に示した回転子コア21と同様の構成を有している。すなわち、回転子コア21は、軸方向において分割された第1回転子コア21−1、第2回転子コア21−2及び第3回転子コア21−3を有している。第1回転子コア21−1、第3回転子コア21−3及び第2回転子コア21−2は、軸方向にこの順に積層されている。
本変形例によれば、第1回転子コア21−1、第3回転子コア21−3及び第2回転子コア21−2が軸方向において分割されているため、第1回転子コア21−1と第2回転子コア21−2との間の軸方向における漏洩磁束をさらに低減することができる。また、本変形例によれば、第3回転子コア21−3において周方向の磁気抵抗を高めることができるため、周方向漏洩磁束Φ2を低減することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る回転子20では、保持部材60、端板70及び端板80を軸方向に貫通し、保持部材60と端板70及び端板80のそれぞれとを締結するボルト90をさらに備えている。この構成によれば、回転子コア21の強度を高めることができるとともに、回転子20の剛性を高めることができる。
実施の形態7.
実施の形態7に係る回転子について説明する。図28は、本実施の形態に係る回転子20を軸方向と垂直に切断した構成を示す断面図である。なお、実施の形態1〜6のいずれかと同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図28に示すように、第2孔32には、板ばね形状を有する保持部材69が配置されている。保持部材69は、板状の非磁性部材を折り曲げることによって形成されており、周方向に圧縮された状態で第2孔32に配置されている。周方向において隣り合う2つのコア部40には、保持部材69によって、互いに離れる方向の力が加えられている。つまり、各コア部40には、周方向において両側に配置された2つの保持部材69によって、永久磁石22を挟み込む方向の力が加えられる。
回転子20の接線方向における第2孔32の幅は、外周側から内周側に向かって広くなっている。回転子コア21の外周部は、固定子コア11のティース13と対向している。このため、回転子コア21の外周側では、ティース13を通る磁路の磁気抵抗は低く、第2孔32を通る周方向の磁路の磁気抵抗が相対的に高い。したがって、回転子コア21の外周部では、周方向漏洩磁束Φ2が比較的少ない。一方、回転子コア21の内周側では、ティース13からの距離が遠いため、ティース13を通る磁路の磁気抵抗が高くなる。これにより、回転子コア21の内周側では、周方向漏洩磁束Φ2が多くなりやすい。本実施の形態では、第2孔32の幅が外周側から内周側に向かって広くなっているため、周方向の磁路の磁気抵抗が外周側から内周側に向かって高くなっている。これにより、回転子コア21に生じる周方向漏洩磁束Φ2を効果的に低減することができる。
また、本実施の形態では、各コア部40は、2つの保持部材69によって周方向両側から押し付けられている。このため、各コア部40が周方向に移動してしまうのを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、複数のコア部40が連結部25及び回転子コアバック24を介して接続されているが、図1に示した回転子20のように、複数のコア部40が互いに分離されていても問題はない。
また、本実施の形態におけるコア部40には、図1に示したコア部40のように、凹部41及び凹部42が形成されていてもよい。この場合、保持部材69の両端部は、凹部41及び凹部42に嵌め込まれていてもよい。
以上説明したように、本実施の形態に係る回転子20では、保持部材69は、ばね板形状を有している。この構成によれば、各コア部40が周方向に移動してしまうのを抑制することができる。
上記の各実施の形態1〜7及び各変形例は、互いに組み合わせて実施することが可能である。
10 固定子、11 固定子コア、12 コアバック、13 ティース、14 巻線、15 空隙、20 回転子、21 回転子コア、21−1 第1回転子コア、21−2 第2回転子コア、21−3 第3回転子コア、22 永久磁石、23 シャフト、24 回転子コアバック、24a 凹部、25 連結部、26 突起、30 孔、31 第1孔、32 第2孔、32a 第1部分、32b 第2部分、32c 第3部分、33 外周側開口部、34 内周側開口部、35 外周側開口部、36 内周側開口部、40 コア部、40a 内周部、40b 外周部、40c、40d 縁部、40c1、40d1 中心部、41、42 凹部、43、44 周方向隙間、45 第1コア部、46 第2コア部、50 非磁性部材、51 環状部、52 突出部、60 保持部材、60a、60b 端部、60c、60d 第1表面、60e、60f 第2表面、60g、60h 端部、61 凹部、62 中央部、63 孔、64、65、66、67、68、69 保持部材、70 端板、71 挿入孔、80 端板、81 挿入孔、82 窪み、83 ボルト孔、90 ボルト、100 回転電機、200 回転子、201、202 接続部、Φ1 有効磁束、Φ2 周方向漏洩磁束。

Claims (21)

  1. 周方向に配列した複数の孔が形成された回転子コアと、
    前記複数の孔のうちの一部の孔に挿入された複数の永久磁石と、
    を備え、
    前記複数の孔は、前記複数の永久磁石がそれぞれ挿入された複数の第1孔と、前記複数の永久磁石が挿入されていない複数の第2孔と、を含んでおり、
    前記複数の第1孔及び前記複数の第2孔は、前記周方向において1つずつ交互に配列しており、
    前記回転子コアは、前記周方向に配列した複数のコア部を有しており、
    前記複数のコア部のうち前記周方向において隣り合う2つのコア部の間には、前記複数の第2孔のうちの1つの第2孔が配置されており、
    前記2つのコア部のそれぞれは、前記1つの第2孔に面した縁部を有しており、
    非磁性材料を用いて形成され、前記1つの第2孔を横切って前記2つのコア部同士を接続する、軸方向に延伸した板状の保持部材をさらに備え
    前記2つのコア部のそれぞれの前記縁部には、凹部が形成されており、
    前記保持部材は、前記凹部に嵌め込まれており、
    前記保持部材は、径方向を向いた第1表面と、前記周方向を向いた第2表面と、を有しており、
    前記保持部材の前記周方向における端部において、前記第1表面は前記凹部と接触しており、前記第2表面は前記凹部から離れている回転子。
  2. 周方向に配列した複数の孔が形成された回転子コアと、
    前記複数の孔のうちの一部の孔に挿入された複数の永久磁石と、
    を備え、
    前記複数の孔は、前記複数の永久磁石がそれぞれ挿入された複数の第1孔と、前記複数の永久磁石が挿入されていない複数の第2孔と、を含んでおり、
    前記複数の第1孔及び前記複数の第2孔は、前記周方向において1つずつ交互に配列しており、
    前記回転子コアは、前記周方向に配列した複数のコア部を有しており、
    前記複数のコア部のうち前記周方向において隣り合う2つのコア部の間には、前記複数の第2孔のうちの1つの第2孔が配置されており、
    前記2つのコア部のそれぞれは、前記1つの第2孔に面した縁部を有しており、
    非磁性材料を用いて形成され、前記1つの第2孔を横切って前記2つのコア部同士を接続し、前記周方向に圧縮された状態で設けられる、軸方向に延伸したばね板形状の保持部材をさらに備えている回転子。
  3. 前記2つのコア部のそれぞれの前記縁部には、凹部が形成されており、
    前記保持部材は、前記凹部に嵌め込まれている請求項に記載の回転子。
  4. 前記保持部材は、径方向を向いた第1表面と、前記周方向を向いた第2表面と、を有しており、
    前記保持部材の前記周方向における端部において、前記第1表面は前記凹部と接触しており、前記第2表面は前記凹部から離れている請求項に記載の回転子。
  5. 前記保持部材は、軸方向に沿って見たとき前記周方向又はこの接線方向に長手方向を有する請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の回転子。
  6. 前記複数の孔の数は、前記複数の永久磁石の数の2倍である請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の回転子。
  7. 前記保持部材は、径方向における前記縁部の中心部よりも内周側に設けられている請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の回転子。
  8. 前記保持部材は、前記1つの第2孔に複数設けられている請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の回転子。
  9. 前記回転子コアは、
    前記複数のコア部よりも内周側に配置された円環状の回転子コアバックと、
    前記回転子コアバックから外周側に突出して前記保持部材に接続された突起と、をさらに有している請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の回転子。
  10. 前記回転子コアバックと前記突起とは、別部材である請求項に記載の回転子。
  11. 前記複数の永久磁石は、前記1つの第2孔を挟んで前記周方向において互いに向き合う磁極面が異極となるように着磁されている請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の回転子。
  12. 前記保持部材の径方向寸法は、周方向位置によって異なる請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の回転子。
  13. 前記保持部材は、軸方向において分割されている請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の回転子。
  14. 前記保持部材には、軸方向に貫通した孔が形成されている請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の回転子。
  15. 軸方向において前記回転子コアの外側に設けられた端板をさらに備え、
    前記保持部材の前記軸方向における端部は、前記端板と接続されている請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の回転子。
  16. 前記保持部材及び前記端板を軸方向に貫通し、前記保持部材と前記端板とを締結するボルトをさらに備える請求項15に記載の回転子。
  17. 前記第2孔の幅は、外周側から内周側に向かって段階的に広くなっている請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の回転子。
  18. 前記第2孔の幅は、外周側から内周側に向かって連続的に広くなっている請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の回転子。
  19. 前記複数のコア部のそれぞれには、前記複数の永久磁石のうちの1つの永久磁石が設けられており、
    前記複数のコア部のそれぞれは、前記1つの永久磁石の一方の磁極面側に位置する第1コア部と、前記1つの永久磁石の他方の磁極面側に位置する第2コア部と、を有しており、
    前記回転子コアは、
    前記複数のコア部よりも内周側に配置された円環状の回転子コアバックと、
    前記回転子コアバックと前記複数のコア部のそれぞれの前記第1コア部とを連結する連結部と、を有している請求項1〜請求項18のいずれか一項に記載の回転子。
  20. 前記保持部材は、ばね板形状を有している請求項1〜請求項19のいずれか一項に記載の回転子。
  21. 請求項1〜請求項20のいずれか一項に記載の回転子と、固定子と、を備えた回転電機。
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