JP6862464B2 - フィーカリバクテリウム・ロンガム(Faecalibacterium longum)およびその使用 - Google Patents

フィーカリバクテリウム・ロンガム(Faecalibacterium longum)およびその使用 Download PDF

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Description

本発明は、微生物学の分野に属し、具体的に、糖尿病およびその関連疾患の治療と予防におけるフィーカリバクテリウム・ロンガム(Faecalibacterium longum)の使用、そして、フィーカリバクテリウム・ロンガムを含む組成物およびその使用に関する。
人体の腸内に大量の共生微生物が棲み、これらの共生微生物群で人体の「第二の器官」を構成し、宿主と協同で栄養物質の消化と吸収に関与するだけでなく、人体の健康の維持に重要な役割を果たす。細胞数からすると、腸内微生物のすべての細胞の数は人体の細胞数の数十倍で、これらの巨大な微生物群は主にファーミキューテス門とバクテロイデス門との2種類からなる。腸内微生物の組成および多様性は、たとえば、肥満、糖尿病、過敏性腸症候群、潰瘍性腸炎、結腸癌、脂肪肝などの多くの疾患の発生に密接に関連することを示す研究が増えてきた。環境、飲食、薬物などの影響によって、元の健康状態における腸内微生物のバランスが崩れ、腸管機能障害が生じ、さらに以上の疾患の発生につながる。
近年、人々の日常生活のレベルの向上とともに、飲食の構成はだんだんバランスが取れなくなり、肥満、糖尿病などの代謝性疾患の発症率が急速に上がってきた。世界保険機関の統計によると、2014年に全世界で約4.22億人が糖尿病に罹り、2012年までに、糖尿病による死亡者数が150万人に達したという。そのため、糖尿病は次なる深刻な公共健康問題になっている。糖尿病は多くの要素による血糖が異常に過剰上昇する疾患で、主にインスリンの分泌不足またはインスリンの機能欠陥による代謝性障害で、糖尿病の発症を引き起こすよく見られるハイリスク要因には遺伝要素、環境要素および良くない生活習慣がある。糖尿病の発生に伴い、多くの合併症、たとえば、冠動脈性心疾患、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、認知症、パーキンソン病、腎臓疾患、網膜疾患などが現れ、患者の生活品質を大幅に低下させる。中でも、2型糖尿病はインスリン非依存型糖尿病で、罹患者数はすべての糖尿病患者の数の90%を占めている。大量の研究で、2型糖尿病の発症は腸内細菌叢の乱れと密接に関連し、腸内細菌叢は宿主との間でエネルギーのバランスおよび炎症反応の調節と密接に関連し、2型糖尿病の発症は主にインスリン抵抗性および低レベルの炎症反応によるものである。
現在、糖尿病を治療するための血糖降下薬はスルホニルウレア類、α-グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド類がある。中では、スルホニルウレア類は主にインスリンの分泌を促進するが、深刻な肝臓、腎臓の損傷を起こし、かつアレルギー体質の人への投与は好適ではない。α-グルコシダーゼ阻害薬は主にα-アミラーゼと腸内におけるα-グルコシダーゼの活性と抑制し、炭水化物の加水分解を抑制することによって、食後の血糖を抑えるという目的を実現するが、腹部膨満、下痢などの有害反応が生じやすい。ビグアナイド類薬物は血糖の輸送の調節、たとえば糖吸収の遅延、ブドウ糖の分解の促進、肝臓でのブドウ糖の生成の抑制、グルコーストランスポーター量の増加によって血糖を低下させる目的を果たすことができる。ビグアナイド類薬物はある程度の副作用ももたらし、胃腸不快、下痢、嘔吐、皮疹が生じやすく、長期間投与すると不活性化しがちである。
そのため、本分野では、毒性・副作用のない、糖尿病およびその関連疾患の治療と予防のための新規な薬物の開発が切望されている。
本発明のもう一つの目的は、糖尿およびその関連疾患の治療と予防におけるフィーカリバクテリウム・ロンガムの使用を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、有効で毒性・副作用のない、糖尿病およびその関連疾患の治療と予防のための薬品、飲料、食品組成物、または動物飼料組成物を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、体重、空腹時血糖および/または血中脂質を低下させる方法およびその使用を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、耐糖能を向上させる方法およびその使用を提供することである。
本発明の第一の側面では、Faecalibacterium longumであるフィーカリバクテリウム・ロンガムを提供する。
もう一つの好適な例において、前記のフィーカリバクテリウム・ロンガムの16s rDNAの配列は、配列番号1で示されるものである。
もう一つの好適な例において、前記フィーカリバクテリウム・ロンガムはFaecalibacterium longum CM04-06で、寄託番号はCGMCC 1.5208である。
本発明の第二の側面では、(a)安全有効量の請求項1に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物と、(b)食品的に許容される担体または薬学的に許容される担体とを含む組成物を提供する。
もう一つの好適な例において、前記組成物はさらに牛乳成長因子を含む。
もう一つの好適な例において、前記組成物は、食品組成物、保健組成物、薬物組成物、飲料組成物、飼料組成物、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の組成物は経口投与製剤である。
もう一つの好適な例において、前記の組成物は液体製剤、固体製剤、半固体製剤である。
もう一つの好適な例において、前記の組成物の剤形は、粉末剤、散剤、錠剤、糖衣剤錠剤、カプセル剤、顆粒剤、懸濁剤、溶液剤、シロップ剤、ドロップ剤、およびトローチ剤からなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の食品組成物は、乳液製品、溶液製品、粉末製品、または懸濁液製品を含む。
もう一つの好適な例において、前記の食品組成物は、乳製品、粉乳、または液体乳を含む。
もう一つの好適な例において、前記の液体製剤は、溶液製品または懸濁液製品からなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記組成物は、前記組成物の全体積または全重量に対し、1×10〜1×1010 cfu/mLまたはcfu/gのFaecalibacterium longum CM04-06を、好ましくは1×104〜1×1010cfu/mLまたはcfu/gのFaecalibacterium longum CM04-06を含有する。
もう一つの好適な例において、前記の組成物に、前記組成物の全重量に対し、0.0001〜99wt%、好ましくは0.1〜90wt%の前記のフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物が含有される。
もう一つの好適な例において、前記の生成物は、単位剤形(1錠、1カプセルまたは1小瓶)で、1単位剤形あたりの質量は0.05〜5gで、好ましくは0.1〜1gである。
もう一つの好適な例において、前記の組成物は、さらに、ほかのプロバイオティクスおよび/またはプレバイオティクスを含有する。
もう一つの好適な例において、前記のプロバイオティクスは、乳酸菌、ビフィドバクテリウム、ラクトバチルス・アシドフィルス、またはこれらの組み合せからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記のプレバイオティクスは、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、乳果オリゴ糖(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン(Inulin)、またはこれらの組み合せからなる群から選ばれる。
本発明の第三の側面では、本発明の第一の側面に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガム、または本発明の第二の側面に記載の組成物の使用であって、(a)肥満の予防および/または治療、(b)血中脂質の低下、(c)心血管疾患の予防または治療、ならびに/あるいは(d)糖尿病の予防および/または治療からなる群から選ばれる一つまたは複数の用途に使用される薬物または製剤の製造のための使用を提供する。
もう一つの好適な例において、前記製剤は、マイクロ生態製剤を含む。
本発明の第四の側面では、本発明の第一の側面に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガム、または本発明の第二の側面に記載の組成物の使用であって、
(i)哺乳動物の体重増加の抑制、
(ii)哺乳動物の血中脂質レベルの低下、
(iii)哺乳動物における高密度リポタンパク質(HDL-C)のレベルの向上、
(iv)哺乳動物における低密度リポタンパク質(LDL-C)のレベルの低下、
(v)哺乳動物の血糖レベルの低下、
(vi)哺乳動物の耐糖能の向上、
からなる群から選ばれる一つまたは複数の用途に使用される薬物または製剤の製造のための使用を提供する。
もう一つの好適な例において、前記哺乳動物は、ヒト、齧歯動物(たとえばラット、マウス)を含む。
もう一つの好適な例において、前記哺乳動物の血中脂質レベルの低下は、総コレステロール(TC)レベルおよび/またはトリグリセリドレベルの低下を含む。
もう一つの好適な例において、前記哺乳動物の血糖レベルの低下は、空腹時血糖レベルの低下を含む。
本発明の第五の側面では、本発明の第二に記載の組成物の製造方法であって、本発明の第一の側面に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物を、食品的に許容される担体または薬学的に許容される担体と混合することによって、本発明の第二に記載の組成物を形成させる工程を含む方法を提供する。
もう一つの好適な例において、前記製造方法は、さらに、成長因子と混合する工程を含む。
もう一つの好適な例において、前記成長因子は牛乳成長因子である。
もう一つの好適な例において、前記成長因子はビタミン類物質、プリン類物質、ピリミジン類物質、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記組成物は経口投与製剤である。
本発明の第六の側面では、(a)適切な培養条件において、本発明の第一の側面に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガムを培養することによって、培養産物を得る工程、(b)任意に、前記培養産物からフィーカリバクテリウム・ロンガムの菌体および/またはその代謝産物を分離する工程、ならびに(c)任意に、工程(b)で分離されたフィーカリバクテリウム・ロンガムの菌体および/またはその代謝産物を食品的に許容される担体または薬学的に許容される担体と混合することによって、組成物を製造する工程を含む生産方法を提供する。
もう一つの好適な例において、工程(c)の前に、分離されたフィーカリバクテリウム・ロンガムの菌体および/またはその代謝産物を成長因子と混合する工程を含む。
もう一つの好適な例において、前記成長因子は牛乳成長因子である。
もう一つの好適な例において、前記成長因子はビタミン類物質、プリン類物質、ピリミジン類物質、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
本発明の第七の側面では、体重、空腹時血糖および/血中脂質を低下させる方法であって、前記対象に本発明の第一の側面に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物、あるいは本発明の第二の側面に記載の組成物を施用する方法を提供する。
もう一つの好適な例において、前記の施用は経口投与を含む。
もう一つの好適な例において、前記の施用の投与量は0.01〜5 g/50 kg体重/日、好ましくは0.1〜2 g/50 kg体重/日である。
もう一つの好適な例において、前記の対象は、哺乳動物、たとえばヒトを含む。
本発明の第七の側面では、耐糖能を向上させる方法であって、前記対象に本発明の第一の側面に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物、あるいは本発明の第二の側面に記載の組成物を施用する方法を提供する。
もう一つの好適な例において、前記の施用は経口投与を含む。
もう一つの好適な例において、前記の施用の投与量は0.01〜5 g/50 kg体重/日、好ましくは0.1〜2 g/50 kg体重/日である。
もう一つの好適な例において、前記の対象は、哺乳動物、たとえばヒトを含む。
もちろん、本発明の範囲内において、本発明の上記の各技術特徴および下記(たとえば実施例)の具体的に記述された各技術特徴は互いに組合せ、新しい、または好適な技術方案を構成できることが理解される。紙数に限りがあるため、ここで逐一説明しない。
フィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longumを3日培養した集落の写真である。 本発明のフィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longumの顕微鏡におけるグラム染色の写真である(1000倍)。 モデル群およびフィーカリバクテリウム・ロンガムCM04-06およびメトホルミンによって治療された糖尿病マウスの体重変化を示す。 モデル群およびフィーカリバクテリウム・ロンガムCM04-06およびメトホルミンによって治療された糖尿病マウスの空腹時血糖(FBG)の結果を示す。 モデル群およびフィーカリバクテリウム・ロンガムCM04-06およびメトホルミンによって治療された糖尿病マウスの耐糖能の状況を示す。
本発明者は、幅広く深く研究したところ、意外に、フィーカリバクテリウム・ロンガム(Faecalibacterium longum)が糖尿病およびその関連疾患(たとえば心血管疾患、肥満疾患)を予防および治療する作用を有し、フィーカリバクテリウム・ロンガムを含有する活性組成物を実験対象に投与して飼育したところ、当該組成物が体重の増加を抑制し、血中脂質を低下させ、空腹時血糖を低くし、耐糖能を向上させ、有効に糖尿病、心血管および肥満などの病症を軽減することができることを見出した。これに基づき、本発明を完成させた。
本明細書で用いられるように、用語「含有」は、各種の成分が一緒に本発明の混合物または組成物に使用することができることを表す。そのため、用語「主に〜からなる」および「〜からなる」は、用語「含有」に含まれる。
本明細書で用いられるように、用語「成長因子」、「牛乳成長因子」は入れ替えて使用することができ、いずれもビタミン類物質、プリン類物質、ピリミジン類物質、またはこれらの組み合わせの栄養物質である。
ここで、前記ビタミン類物質は、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆体、ビタミンB6、ビタミンD3、ビタミンK、葉酸、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
前記プリン類物質はプリンリボシドを含むが、これらに限定されず、ここで、前記プリンリボシドはプリンリボシドの5'-リン酸エステルを含み、前記プリンリボシドの5'-リン酸エステルは、イノシン酸(イノシン-5'-リン酸:IMP)、グアニル酸(グアノシン-5'-リン酸:GMP)、キサンチル酸(キサントシン-5'-リン酸:XMP)、アデニル酸(アデノシン-5'-リン酸:AMP)、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
前記ピリミジン類物質は、すべてのピリミジン構造を含有する物質を含む。
フィーカリバクテリウム・ロンガムおよびその使用
本明細書で用いられるように、用語「フィーカリバクテリウム・ロンガム」、「Faecalibacterium longum」は入れ替えて使用することができる。一つの好適な例において、前記菌株はFaecalibacterium longum CM04-06で、寄託番号はCGMCC 1.5208で、ヒトの糞便から分離されたものである。フィーカリバクテリウム・ロンガムの生理的特性は以下の通りである。フィーカリバクテリウム・ロンガムは嫌気環境において37℃で2〜3日培養した後、集落が黄白色で、含水量が高く、すこし粘稠で、ほぼ円形で、不透明で、平たくて中央が突起し、集落の直径が約2〜3mmである。グラム染色、顕微観察を行ったところ、CM04-06の菌体は長桿状で、グラム染色の反応は陰性で、芽胞と鞭毛が見られず、菌体の直径が約1μmで、長さが4〜10μmである。そして、本発明に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガムはオキシダーゼおよびカタラーゼ反応がいずれも陰性で、生長温度の範囲が30〜45℃で、pH値の範囲が4.0〜9.0で、最適の温度およびpH値が37℃およびpH 7.0である。3%のNaClに耐えることができる。マンノース、ラフィノース、トレハロースを含むいくつかの炭水化物を発酵させることができ、主にギ酸、酢酸、酪酸、乳酸を生成し、また発酵によって菌体外多糖を生成することができる。
本発明は、糖尿病およびその関連疾患(たとえば心血管疾患、肥満疾患)の治療と予防におけるフィーカリバクテリウム・ロンガムの使用を提供する。高脂肪の食物を摂取する被験者において、菌株Faecalibacterium longum CM04-06は(i)当該被験者の体重増加の抑制、(ii)血中脂質の低下、(iii)空腹時血糖レベルの低下、(iv)耐糖能の向上からなる群から選ばれる一つまたは複数の用途を有する。本発明の一つの好適な例によれば、C57bL/6マウスを試験マウスとし、高脂肪飼料の投与およびストレプトゾトシン(STZ)の注射で誘導することによって、2型糖尿病(T2D)モデルマウスを得、菌株Faecalibacterium longum CM04-06で治療されたT2Dモデルマウスは、治療を受けなかった対照群(モデル群)と比べ、その体重の増加が緩くなり、かつ血中脂質が低下し、そして糖尿病に関連する様々な指標、たとえば空腹時血糖レベルも低下し、また耐糖能も顕著に改善した。そのため、前記菌株は糖尿病およびその関連疾患(たとえば心血管疾患、肥満疾患)の予防と治療に使用することができる。
組成物及びその使用
また、本発明は組成物、好ましくは薬物組成物を提供する。前記組成物は有効量のフィーカリバクテリウム・ロンガムを含み、一つの好適な例において、前記組成物はさらに牛乳成長因子を含む。一つの好適な例において、前記組成物はさらに乳酸菌、ビフィドバクテリウム、ラクトバチルス・アシドフィルス、またはこれらの組み合せからなる群から選ばれるプロバイオティクス、ならびに/あるいははフラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、乳果オリゴ糖(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン(Inulin)、またはこれらの組み合せからなる群から選ばれるプレバイオティクスを含む。
一つの好適な例において、前記の組成物は液体製剤、固体製剤、半固体製剤である。
一つの好適な例において、前記の液体製剤は、溶液製品または懸濁液製品からなる群から選ばれる。
一つの好適な例において、前記の組成物の剤形は、粉末剤、散剤、錠剤、糖衣剤錠剤、カプセル剤、顆粒剤、懸濁剤、溶液剤、シロップ剤、ドロップ剤、およびトローチ剤からなる群から選ばれる。
本発明の薬物組成物は薬物の錠剤、注射剤またはカプセルのいずれかの形態で投与することができ、前記薬物製剤は賦形剤、薬物的に許容される媒体および担体を含み、これらの物質は投与形態によって選択することができる。本発明における薬物製剤はさらに補助する活性成分を含んでもよい。
乳糖、ブドウ糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微細結晶セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウムや鉱物油などはいずれも本発明における薬物組成物の担体、賦形剤や希釈剤などとして使用することができる。
また、本発明の薬物組成物は、さらに、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁液安定剤、防腐剤、甘味剤や香料などを含んでもよい。本発明の薬物組成物は、薬物組成物の活性成分、すなわち、微生物が胃酸に破壊されずに順調に胃を通過することができるように、様々な公知の方法によって腸溶性コーティング製剤として生産してもよい。
さらに、本発明の微生物は通常の方法によって製造されたカプセルの形態で使用してもよい。たとえば、標準賦形剤と本発明の凍結乾燥された微生物を混合して小球のピルとした後、ピルをゼラチンのカプセルに充填する。また、本発明の微生物と薬物的に許容される賦形剤、たとえば液体ガム、セルロース、ケイ酸塩や鉱物油などを混合して懸濁液または分散液とし、この懸濁液または分散液を軟ゼラチンカプセルに充填してもよい。
本発明の薬物組成物は腸溶性コーティング錠として経口投与で使用してもよい。本出願における用語「腸溶性コーティング」は、すべての通常の薬物的に許容される腸溶性コーティングを含み、これらのコーティングは胃酸に分解されないが、小腸において十分に分解して迅速に本発明の微生物を放出することができる。本発明の腸溶性コーティングは合成胃酸、たとえばpH=1のHCl溶液において36〜38℃で2時間以上維持し、かつ好ましくは合成腸液、たとえばpH=7.0の緩衝液において1.0時間内で分解する。
本発明の腸溶性コーティングは1錠あたりに約16〜30 mg、好ましくは16〜25 mg、より好ましくは16〜20 mgでコーティングされる。本発明における腸溶性コーティングの厚さは5〜100μm、理想の厚さは20〜80μmである。腸溶性コーティングの成分はすでに公開されて既知の通常の重合体が選ばれる。
本発明の好適な腸溶性コーティングは酢酸セルロースのフタル酸エステル重合体またはトリメリット酸エステル重合体とメタクリル酸の共重合体(たとえば、40%以上のメタクリル酸とフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはそのエステル系誘導体を含むメタクリル酸の共重合体)で製造される。
本発明における腸溶性コーティングに使用される酢酸フタル酸セルロースの粘度は約45〜90 cpで、アセチル含有量は17〜26%で、フタル酸含有量は30〜40%である。腸溶性コーティングに使用されるトリメリット酸酢酸セルロースの粘度は約5〜21 csで、アセチル含有量は17〜26%である。トリメリット酸酢酸セルロースはイーストマン・コダック社によって生産され、本発明における腸溶性コーティング材料に使用することができる。
本発明の腸溶性コーティングに使用されるフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、分子量が一般的に20,000〜130,000ダルトンで、理想の分子量が80,000〜100,000ダルトンで、ヒドロキシプロピル含有量は5〜10%で、メトキシ含有量は18〜24%で、フタロイル含有量は21〜35%である。
本発明の腸溶性コーティングに使用されるフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースはHP50で、日本信越化学工業株式会社によって生産される。HP50は6〜10%のヒドロキシプロピル基、20〜24%のメトキシ基、21〜27%のプロピル基を含有し、その分子量は84,000ダルトンである。もう1種類の腸溶性コーティング物質はHP55で、HP55は5〜9%のフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、18〜22%のメトキシ基、27〜35%のフタル酸を含有し、その分子量は78,000ダルトンである。
本発明の腸溶性コーティングは、通常の方法で腸溶性コーティング溶液をコアに噴霧することによって製造される。当該腸溶性コーティング方法に使用される溶媒はアルコール類(たとえばエタノール)、ケトン類(たとえばアセトン)、ハロ炭化水素化合物(たとえばジクロロメタン)、またはこれらの組み合わせである。軟化剤、たとえばフタル酸ジ-n-ブチルやトリ酢酸グリセリンを腸溶性コーティング溶液に入れ、その比率は1部のコーティング物に対して約0.05部または約0.3部の軟化剤である。噴霧方法は連続に行われることが好ましく、噴霧される材料の量はコーティングに使用される条件によって制御することができる。噴霧の圧力は任意に調整することができるが、一般的に、平均1〜1.5バールの圧力で理想の結果が得られる。
明細書における「薬物有効量」とは、ヒトおよび/または動物に機能や活性があり、且つヒトおよび/または動物にとって受けられる量である。たとえば、本発明において、1×10〜1×1010cfu/mlまたはcfu/g(特に、1×104〜1×1010cfu/mlまたはcfu/g、より特に、1×106〜1×1010cfu/mlまたはcfu/g)のフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物を含有する製剤を製造することができる。
薬物組成物の製造に使用される場合、用いられるフィーカリバクテリウム・ロンガムまたはその代謝産物の有効使用量は、施用の様態と治療しようとする疾患の重篤度によって変更することができる。内服に適する投与量の様態は、固体または液体の薬学的に許容される担体と密接に混合した約1×10〜1×1010cfu/mlまたはcfu/g(特に、1×104〜1×1010cfu/mlまたはcfu/g、より特に、1×106〜1×1010cfu/mlまたはcfu/g)の活性フィーカリバクテリウム・ロンガムまたは発酵による活性成分を含む。この投与量の方案を調節することにより、最適な治療応答を提供することができる。たとえば、治療状況の切望によって、毎日数回に分けた投与量、または比率的に減少する投与量で投与することができる。
前記のフィーカリバクテリウム・ロンガムまたはその代謝産物は経口投与などの形態によって投与してもよい。固体担体は、澱粉、ラクトース、リン酸水素カルシウム、微晶質セルロース、ショ糖とカオリンを、液体担体は、培地、ポリエチレングリコール、ノニオン性界面活性剤と食用油(例えばトウモロコシ油、落花生油と胡麻油)を含むが、フィーカリバクテリウム・ロンガムまたはその代謝産物の特性と所期の特定の投与形態に適するものであればよい。薬物組成物の製造に通常用いられる佐剤も有利的に含まれるが、例えば、矯味剤、色素、防腐剤及びビタミンE、ビタミンC、BHTとBHAのような酸化防止剤などが挙げられる。
製造の容易さ及び投与の面から、好ましい薬物組成物は、固形組成物、特に錠剤及び固体充填或いは液体充填のカプセルである。経口投与が好ましい。
本発明の組成物を前記個体に施用し、毎日1回または複数回投与する。投与量の単位はその形態で分けられる、ヒトまたはほかのすべての哺乳動物の個体に適する投与量を示す。各単位は薬物的に許容される担体と有効治療量の本発明の微生物を含む。投与量は患者の体重および糖尿病の重篤度、含まれる補充活性成分および使用される微生物によって変わる。また、可能であれば、分けて投与してもよく、かつ必要によって連続に投与してもよい。そのため、前記投与量は本発明の限定にならない。また、本発明における「組成物」は薬品だけでなく、機能性食品および健康食品にしてもよい。一つの好適な例において、前記組成物は、飲料、食品、薬品、動物飼料などを含む。
本発明の一つの好適な例において、さらに、有効量のフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物と、残量の食品的に許容される担体とを含む食品組成物を提供し、前記の食品組成物の剤形は固体、乳製品、溶液製品、粉末製品、または懸濁液製品を含む。もう一つの好適な例において、前記食品組成物はさらに牛乳成長因子を含んでもよい。
一つの好適な例において、前記組成物の配合は、1×10〜1×1010cfu/mLのフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物と、食品的にまたは薬学的に許容される担体、および/または賦形剤とである。
もう一つの好適な例において、前記組成物の配合は、1×106〜1×1010cfu/mLのフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物と、食品的にまたは薬学的に許容される担体、および/または賦形剤とである。
マイクロ生態製剤
マイクロ生態製剤はプロバイオティクスおよび代謝産物を含む生物製剤またはプロバイオティクスを増加させる食事サプリメントで、腸内マイクロ生態のバランスを調節、維持することによって、人体の健康レベルを向上させる目的を実現することができる。主にプロバイオティクス、プレバイオティクスおよびバイオスタイム(合生元、Biostime)を含む。
本発明において、前記マイクロ生態製剤は(a)安全有効量のフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物と、(b)食品的に許容される担体または薬学的に許容される担体とを含む。一つの好適な例において、前記製剤はさらに成長因子を含む(たとえば牛乳成長因子、好ましくは、ビタミン類物質、プリン類物質、および/またはピリミジンを含む)。
フィーカリバクテリウム・ロンガムの生産方法
通常、フィーカリバクテリウム・ロンガムは通常の方法で製造することができる。
本発明において、大規模にフィーカリバクテリウム・ロンガムを生産する方法、具体的に、
(a)適切な培養条件において、前記のフィーカリバクテリウム・ロンガムを培養することによって、培養産物を得る工程、
(b)任意に、前記培養産物からフィーカリバクテリウム・ロンガムの菌体および/またはその代謝産物を分離する工程、ならびに
(c)任意に、工程(b)で分離されたフィーカリバクテリウム・ロンガムの菌体および/またはその代謝産物を食品的に許容される担体または薬学的に許容される担体と混合することによって、組成物を製造する工程
を含む方法を提供する。
体重、空腹時血糖および/または血中脂質を低下させる方法
もう一つの好適な例において、前記方法は、本発明の薬物組成物、食品組成物、飲料組成物、またはこれらの組み合わせを摂取することを含む。前記実験対象はヒトである。
もう一つの好適な例において、前記方法は、本発明の薬物組成物、食品組成物、または動物飼料、またはこれらの組み合わせを摂取することを含む。前記実験対象は動物、好ましくはネズミ類、ウサギ類である。
耐糖能を向上させる方法
もう一つの好適な例において、前記方法は、本発明の薬物組成物、食品組成物、飲料組成物、またはこれらの組み合わせを摂取することを含む。前記実験対象はヒトである。
もう一つの好適な例において、前記方法は、本発明の薬物組成物、食品組成物、または動物飼料、またはこれらの組み合わせを摂取することを含む。前記実験対象は動物、好ましくはネズミ類、ウサギ類である。
菌株の寄託
本発明の菌種であるフィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longum CM04-06(寄託名称と同様)は、既に2016年6月13日に中国微生物菌種保蔵管理委員会普通微生物センター(CGMCC)に寄託され、住所は中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号で、寄託番号はそれぞれCGMCC 1.5208である。
本発明の主な利点は以下の通りである。
(a)本発明のフィーカリバクテリウム・ロンガムは顕著に体重、血中脂質、空腹時血糖レベルを低下させることができる。
(b)本発明のフィーカリバクテリウム・ロンガムは顕著に肥満およびその関連疾患(たとえば心血管疾患)に関連する指標(たとえばコレステロールやトリグリセリド)を低下させることができる。
(c)本発明のフィーカリバクテリウム・ロンガムは顕著に総コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質のレベルを低下させることができる。
(d)本発明のフィーカリバクテリウム・ロンガムは顕著に高密度リポタンパク質のレベルを向上させることができる。
(e)本発明のフィーカリバクテリウム・ロンガムは顕著に耐糖能を改善することができる。
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるものだけで、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例で具体的な条件が示されていない実験方法は、通常、たとえばSambrookら、「モレキュラー・クローニング:研究室マニュアル」(ニューヨーク、コールド・スプリング・ハーバー研究所出版社、1989)に記載の条件、あるいは「微生物学:実験マニュアル」(James CappuccinoとNatalie Sherman編、Pearson Education出版社)に記載の条件、あるいはメーカーのお薦めの条件に従う。
特に説明しない限り、実施例で使用された材料はいずれも市販品である。
Faecalibacterium prausnitzii ATCC 27768は、以下ATCC 27768と略し、米国タイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection)から購入され、寄託番号はATCC 27768である。
実施例1 フィーカリバクテリウム・ロンガムCM04-06の選別と同定
1.1 CM04-06の分離と培養
本発明に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガムCM04-06(以下、CM04-06と略する)は深セン市の1名の健康の児童(男性)の糞便サンプルから分離されたものである。分離と培養の環境は厳密な嫌気条件で、具体的な分離過程は、嫌気グローブボックスにおいて0.2g程度の糞便サンプルを取り、1mLの無菌PBSで懸濁分散を行い、十分に振とうして均一に混合した後、勾配希釈を行って塗布し、培地は嫌気のPYG培地(HuanKai Microbial社)を使用し、具体的な成分は下記表に示す。
Figure 0006862464
無機塩溶液の配合は以下の通りである。
Figure 0006862464
プレートを塗布して37℃の嫌気条件において3〜4日培養し、プレートの表面に集落ができたら、単一集落を取って画線分離を行い、純粋な培養菌株を得るまで繰り返し、分離された菌株をグリセリンで-80℃で冷凍保存した。
1.2 フィーカリバクテリウム・ロンガムCM04-06の16S rDNAの同定
(1)ゲノムの抽出:分離された菌株を培養し、菌濃度が108cfu/mlのスケールに達したら2mlの菌液を取ってゲノムDNAの抽出を行った。
(2)16S rDNAのPCR増幅:DNAを鋳型として16S rDNAの増幅を行い、増幅プライマーとして16S rDNAの通常の増幅プライマー:8F-1492R(5’-AGAGTTTGATCATGGCTCAG-3’(配列番号2)および5’-TAGGGTTACCTTGTTACGACTT-3’(配列番号3))を使用し、PCR増幅プログラムは以下の通りである。
Figure 0006862464
(3)精製、配列決定:得られたPCR産物に対して磁気ビーズ精製を行った後、電気泳動による検出を行い、16S rDNAのバンドは約1.5k程度に位置し、精製された産物に対して3730配列決定を行った。
(4)16S rDNA配列のデータベースのアラインメント:配列決定によって1372bpの16S rDNA配列を得、この配列をEzTaxon-eデータベースでアラインメントし、初歩的に菌株の種の分類情報を得た。16S rDNAの情報から初歩的にCM04-06がFaecalibacterium属に属する新しい種であると判定できた。
CM04-06の16S rDNA配列は配列番号1で、以下の通りである。
Figure 0006862464
1.3 CM04-06の16S rDNAの進化分析
CM04-06の進化分析は16S rDNA配列を使用し、CM04-06の16S rDNA配列でEzTaxon-eデータベースのアラインメントを行い、CM04-06と近縁の種を得、これらの種をCM04-06の16S rDNA配列と配列のアラインメントを行った後、Mega5ソフトで近隣結合法(neighbour-joining)系統樹を作成した。
1.4 CM04-06の微生物学的特徴
(1)形態学的特徴:CM04-06は嫌気環境において37℃で2〜3日培養した後、集落が黄白色で、含水量が高く、すこし粘稠で、ほぼ円形で、不透明で、平たくて中央が突起し、集落の直径が約2〜3mmであった(図1)。
(2)顕微学的特徴:顕微鏡において1000倍に拡大し、CM04-06の菌体は長桿状で、グラム染色の反応は陰性で、芽胞と鞭毛が見られず、菌体の直径が約1μmで、長さが4〜10μmであった(図2)。
(3)生理学・生物化学的特徴:オキシダーゼおよびカタラーゼ反応がいずれも陰性で、生長温度の範囲が30〜45℃で、pH値の範囲が4.0〜9.0で、最適の温度およびpH値が37℃およびpH 7.0であった。3%のNaClに耐えることができた。CM04-06と一番近縁の参照菌ATCC 27768の生理学・生物化学反応(基質の利用状況API 20Aおよび酵素反応API ZYMを含む)の比較は下記表に示す(+は陽性反応を、-は陰性反応を、wは弱陽性反応を表す)。
Figure 0006862464
Figure 0006862464
以上のCM04-06と参照菌の生理学・生物化学反応の比較によって、CM04-06はラフィノースとトレハロースの利用、エスクリンとゼラチンの加水分解およびエステラーゼ(C4)、バリンアリルアミダーゼ、シスチンアリルアミダーゼ、キモトリプシン、ナフトール-AS-BI-リン酸加水分解酵素、β-グルクロニダーゼ、α-グルコシダーゼおよびN-アセチル-グルコサミニダーゼの活性で顕著に異なったことが示され、CM04-06が既知の菌と異なる新種であることが証明された。
1.5 細胞脂肪酸の分析
定常期まで培養したCM04-06をFaecalibacterium prausnitzii ATCC 27768(以下、ATCC 27768と略し、米国タイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection)から購入され、寄託番号はATCC 27768である)の菌体を収集した後、細胞脂肪酸を抽出し、検出した。ガスクロマトグラフィーによって2株の菌の細胞脂肪酸の成分の含有量および違いを分析した。
Figure 0006862464
このように、CM04-06表現型、16S rDNA配列および生理学・生物化学反応で、CM04-06が新種であることが示され、それをフィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longumと名付けた。
実施例2 フィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longum CM04-06の生物活性物質
2.1 短鎖脂肪酸(SCFA)の検出
(1)サンプルの調製:48h培養したCM04-06菌液1mlを取り、12000r /minで5min遠心し、上清液を吸い取り、使用に備えた。
(2)SCFAの測定:短鎖脂肪酸の測定は外標準法を使用し、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸で標準曲線の作成を行った。アジレントのガスクロマトグラフ(GC-7890B, Agilent)を使用し、HP-INNOWax(Cross-Linked PEG)、30m×0.25mm×0.25umの毛細柱によって分析し、検出器は水素炎イオン化検出器で、GCパラメーターの設定はカラム温度:180〜200℃、気化室温度:240℃、検出温度:210℃、仕込み量:2μL、キャリアガス流量:N2,50mL/ min、水素ガス流量:50 mL/ min、空気流量:600〜700 mL/ minであった。
(3)結果:測定したところ、SCFAの収量は、ギ酸(7.62mmol/L)、酢酸(44.8 mmol/L)、酪酸(40.03 mmol/L)であった。
2.2 有機酸の検出
(1)サンプルの調製:2.1部分と同様である。
(2)有機酸の測定:有機酸の検出標準品は、3-メチル酪酸、吉草酸、キナ酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、安息香酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、シキミ酸、クエン酸、イソクエン酸およびL-アスコルビン酸を使用した。またアジレントのガスクロマトグラフ(GC-7890B, Agilent)を使用し、クロマトグラフィーカラムは122-5532G DB-5ms(40 m × 0.25 mm × 0.25 um)を使用し、カラム温度は270〜290℃で、仕込み口の温度は250℃で、ガス流量は0.86 mL/minであった。
(3)結果:測定された有機酸の収量は下記表に詳しく示す(表4)。
Figure 0006862464
実施例3 フィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longum CM04-06が生成する菌体外多糖の検出
菌体外多糖の検出はフェノール硫酸法を使用し、フェノール硫酸は遊離の単糖、オリゴ糖および多糖におけるヘキソースなどと呈色反応が発生し、出る色は吸光度に正比例し、その吸収波長は490 nmである。具体的な実験過程は以下の通りである。
(1)多糖の抽出
実験菌株をPYG培地(配合は実施例1と同様)で2日培養し、10mlの菌液を取って熱湯浴で30min処理した後、10000r/minで遠心し、上清を取り、最終濃度が8%になるまで80%トリクロロ酢酸を入れ、4℃で一晩処理し、タンパク質を沈殿させた。取り出して10000r/minで30min遠心し、NaOHで上清液のpHが6.0になるように調整した。2倍体積の無水エタノールを入れて多糖を沈殿させ、4℃で一晩処理し、取り出して10000r/minで30min遠心し、上清を捨て、沈殿を加熱しておいた蒸留水で溶解させた後、限外ろ過チューブ(3000Daろ過直径)に移して限外ろ過を行い、5000r/minで30min遠心し、内側のチューブに留まった多糖をメスフラスコに移して蒸留水で10mlにし、使用に備えた。
(2)グルコース標準曲線の作成
精密に標準品のグルコース20mgを100mlスフラスコに量って、目盛まで水を入れた後、それぞれ20、40、60、80、100μg/mlのグルコース標準液を調製した。各組の標準液を400μl取り、三つの平行のものを設け、順に400μlの5%のフェノールおよび1mlの濃硫酸を入れて反応させ、熱湯浴で15min反応させた後室温に冷却し、490nmにおける吸光度を測定した。その後、吸光度を縦座標とし、グルコース標準液の濃度を横座標とし、標準曲線を作成した。
(3)提出された多糖の濃度の検出
多糖溶液を400μl取り、順に400μlの5%のフェノールおよび1mlの濃硫酸を入れて反応させ、熱湯浴で15min反応させた後室温に冷却し、490nmにおける吸光度を測定した。グルコース標準曲線によって多糖の濃度を計算した。
(4)結果
計算したところ、2日培養されたCM04-06発酵液における菌体外多糖の含有量は233mg/Lであった。
実施例4 フィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longum CM04-06の糖尿病動物モデルにおける体内試験
本実施例において、高脂肪飼料の投与およびストレプトゾトシン(STZ)の注射で誘導することによって2型糖尿病(T2D)モデルマウスを作り、フィーカリバクテリウム・ロンガムCM04-06を胃内投与することによって2か月治療し、CM04-06の2型糖尿病(T2D)に対する治療効果を考察した。
4.1 T2Dマウスのモデル構築:試験マウスは8週齢のC57bL/6マウス(湖北医学実験動物中心から購入)を使用し、マウス試験の環境はSPF級で、適応性飼育1週間後群わけしてモデルを構築した。モデルの構築方法は高脂肪飼料とSTZで誘導し、空腹時血糖値(FBG)が10 mM/L以上になったものをT2Dモデルマウスとした。
4.2 実験の群分け:
(1)モデル(Model)群:T2Dモデルのマウスは生理食塩水を胃内投与した。
(2)CM04-06治療群:T2DモデルのマウスはCM04-06菌液を胃内投与して治療した。
(3)陽性薬物群:T2Dモデルのマウスは陽性薬物であるメトホルミンで関与・治療を行った。
4.3 菌液の用意:CM04-06を定常期まで培養し、菌濃度を約108cfu/mlオーダーにした。
4.4 試験過程:群分けの状況によって実験を行い、T2Dモデルが構築できた後(FBG>10)治療を始め、治療は2か月続いた。毎日マウスの摂食活動の様子を記録し、体重を量り、毎週尾静脈から採血し、マウスの空腹時血糖値を検出し、4週目および実験終了時マウスのブドウ糖負荷(OGTT)を測定した。2か月の試験後マウスを殺処分し、すべてのマウスは眼球を取って採血し、頸椎脱臼し、血清における総コレステロール(TC)、トリグリセリド(TG)、高密度リポタンパク質(HDL-C)および低密度リポタンパク質(LDL-C)を検出した。
4.5 実験結果および分析
(1)体重の変化:表5および図3に示すように、試験の進行につれてマウスの体重がだんだん増加し、CM04-06およびメトホルミン治療群でマウスの体重増加の幅がモデル群よりも低かったことで、CM04-06が有効に小鼠体重の増加を緩和させることができることが示された(*P<0.05/**P<0.01)。同時に、統計によって、CM04-06がマウスの体重増加に対する制御の面でメトホルミンよりも有効であったことがわかった。
Figure 0006862464
(2)CM04-06のマウスの空腹時血糖に対する実験結果
Figure 0006862464
表6および図4の結果から、治療の進行につれ、CM04-06およびメトホルミン群でマウスの空腹時血糖値がだんだん低下し、マウスの血糖値が正常になる傾向があり、血糖降下の効果が顕著で、CM04-06が有効に血糖を低下させることができることが示された(同モデル群の比較*P値<0.05/**P<0.01)。同時に、CM04-06群で、マウスの血糖値がメトホルミン群よりも低く、CM04-06の空腹時血糖を低下させる能力がメトホルミンよりも優れたことがわかった。
(3)CM04-06のマウスの耐糖能に対する実験結果
殺処分前のマウスのブドウ糖負荷(OGTT)の状況を測定した(表7および図5)結果、ブドウ糖を胃内投与した後、30minでマウスの血糖値が最高(18.2〜22.5mmol/L)になった後、メトホルミン群とCM04-06で血糖が等速で低下し、120minで9.8 mmol/Lおよび10.1 mmol/Lになったが、モデル群でマウスの血糖は15.2で、この時点で、CM04-06血糖値がモデル群と有意差があり(*P値<0.05)、耐糖能実験の全過程を合わせてみると、比較的に、CM04-06が有効に糖尿病マウスの耐糖能低下の状況を改善することができることがわかった。ブドウ糖を調整する全過程において、CM04-06は各時点における血糖値がメトホルミンよりも低かったことで、CM04-06が糖尿病マウスの耐糖能に対する改善効果はより良いことがわかる。
Figure 0006862464
(4)CM04-06のマウスの血中脂質に対する影響
実験終了後マウスの血中脂質を検出し、総コレステロール(TC)、トリグリセリド(TG)、低密度リポタンパク質(LDLC)および高密度リポタンパク質(HDLC)を含め、検出結果を表8に示す。結果は、メトホルミン群とCM04-06群で低密度リポタンパク質がモデル群よりも低く(*P値<0.05)、同時に、高密度リポタンパク質がモデル群よりも高く(*P値<0.05)、高密度リポタンパク質の主な機能は血液および細胞における過剰のコレステロールおよび低密度リポタンパク質を除去することで、アテローム性動脈硬化を防止する作用を有するため、CM04-06が糖尿病マウスの高脂血の症状を改善することができることがわかる。同時に、メトホルミン群に比べ、CM04-06は血中脂質に対しる改善効果がより良く、低密度リポタンパク質の含有量がより低く,高密度リポタンパク質の含有量がより高かった。
Figure 0006862464
実施例5 フィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longum CM04-06を含む食品組成物
原料の配合は表9に示す。
Figure 0006862464
上記配合の比率で牛乳、白砂糖を混合し、完全に混合するまで撹拌し、予備加熱し、20MPaの圧力で均質化し、90℃程度で5〜10分間殺菌し、40〜43℃に冷却し、ビタミンCを混合し、1〜100×106cfu/gのFaecalibacterium longum CM04-06菌を接種し、Faecalibacterium longum CM04-06菌を含む食品組成物を調製した。
実施例6 フィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longum CM04-06を含む薬物組成物
原料の配合は表10に示す。
Figure 0006862464
上記比率で乳糖、酵母粉、ペプトンおよび精製水を均一に混合し、60〜65℃に予備加熱し、20MPaの圧力で均質化し、90℃程度で20〜30分間殺菌し、36〜38℃に冷却し、ビタミンCを混合し、Faecalibacterium longum CM04-06生菌(1-50×106cfu/mL)を接種し、pH値が6.0になるまで36〜38℃で発酵させ、遠心し、水分含有量が3%未満になるまで凍結乾燥し、Faecalibacterium longum CM04-06菌の凍結乾燥物を調製した。0.5グラムのFaecalibacterium longum CM04-06凍結乾燥物を量って等量のマルトデキストリンと混合した後、カプセルに入れ、Faecalibacterium longum CM04-06菌を含む薬物組成物を調製した。
実施例7 フィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longum CM04-06を含む薬物の調製
7.1 菌液の用意:Faecalibacterium longum CM04-06(1×109cfu/ml)を嫌気培養し、嫌気培地はPYG培地を使用し、37℃で2〜3日嫌気発酵させた。
7.2 成長因子の調製:脱脂牛乳、カゼインを混合し、遠心し、限外ろ過して牛乳成長因子の粗製抽出物(ビタミン類物質、プリン類物質、および/またはピリミジン類物質の栄養物質を含有する)を得た。
7.3 薬物の剤形の製造:5体積の上記成長因子を100体積のCM04-06発酵の菌液に入れ、十分に撹拌して均一に混合した後、デンプン補助剤(たとえばマルトデキストリン)を入れることによって、フィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longum CM04-06を含有する薬物を製造した。
菌株の寄託
本発明の菌種であるフィーカリバクテリウム・ロンガムFaecalibacterium longum CM04-06(寄託名称と同様)は、既に2016年6月13日に中国微生物菌種保蔵管理委員会普通微生物センター(CGMCC)に寄託され、住所は中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号で、寄託番号はそれぞれCGMCC 1.5208である。
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、当業者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の形態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。

Claims (12)

  1. 配列番号1に記載の16s rDNAの配列を有するFaecalibacterium longumであることを特徴とするフィーカリバクテリウム・ロンガム。
  2. 前記フィーカリバクテリウム・ロンガムはFaecalibacterium longum CM04-06で、寄託番号はCGMCC 1.5208であることを特徴とする請求項1に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガム。
  3. (a)安全有効量の請求項1に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物と、(b)食品的に許容される担体または薬学的に許容される担体とを含む
    ことを特徴とする組成物。
  4. さらに成長因子を含み、
    前記成長因子は、ビタミン類物質、プリン類物質、ピリミジン類物質、およびこれらの組み合わせからなる群から選ばれることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
  5. 前記組成物の全体積または全重量に対し、1×10〜1×1010 cfu/mLまたはcfu/gのFaecalibacterium longum CM04-06を含有することを特徴とする請求項3に記載の組成物。
  6. 前記組成物の全体積または全重量に対し、1×104〜1×1010cfu/mLまたはcfu/gのFaecalibacterium longum CM04-06を含有することを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  7. 請求項1に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガム、または請求項3に記載の組成物の使用であって、(a)肥満の予防および/または治療、(b)血中脂質の低下、(c)心血管疾患の予防または治療、ならびに/あるいは(d)糖尿病の予防および/または治療からなる群から選ばれる一つまたは複数の用途に使用される薬物または製剤の製造のためであることを特徴とする使用。
  8. 請求項1に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガム、または請求項3に記載の組成物
    の使用であって、
    (i)哺乳動物の体重増加の抑制、
    (ii)哺乳動物の血中脂質レベルの低下、
    (iii)哺乳動物における高密度リポタンパク質(HDL-C)のレベルの向上、
    (iv)哺乳動物における低密度リポタンパク質(LDL-C)のレベルの低下、
    (v)哺乳動物の血糖レベルの低下、
    (vi)哺乳動物の耐糖能の向上
    からなる群から選ばれる一つまたは複数の用途に使用される薬物または製剤の製造のためであることを特徴とする使用。
  9. 前記哺乳動物の血中脂質レベルの低下は、総コレステロール(TC)レベルおよび/またはトリグリセリドレベルの低下を含むことを特徴とする請求項8に記載の使用。
  10. 請求項1に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガムおよび/またはその代謝産物を、食品的に許容される担体または薬学的に許容される担体と混合することによって、請求項3に記載の組成物を形成させる工程
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の組成物を製造する方法。
  11. (a)適切な培養条件において、請求項1に記載のフィーカリバクテリウム・ロンガムを培養することによって、培養産物を得る工程、および
    (b)前記培養産物からフィーカリバクテリウム・ロンガムの菌体および/またはその代謝産物を分離する工程
    を含むことを特徴とする生産方法。
  12. (c)工程(b)で分離されたフィーカリバクテリウム・ロンガムの菌体および/またはその代謝産物を食品的に許容される担体または薬学的に許容される担体と混合することによって、組成物を製造する工程
    を含むことを特徴とする請求項11に記載の生産方法。
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