JP6860426B2 - 免震建物の雨水処理構造 - Google Patents

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本発明は建物が水平方向に間隔を置いて隣接する並列建物の少なくとも一方が免震建物である場合に、免震建物に設置された縦樋から放出される雨水を隣接する建物側へ流出させることなく、免震建物内で処理する免震建物の雨水処理構造に関するものである。
建物が水平方向に間隔を置いて隣接する並列建物の一方が免震建物である場合に、免震建物の縦樋の下端から放出される雨水を免震建物内で処理するには、縦樋自体、または縦樋の下端部に接続される受け材を、周囲を地盤との間の相対移動に追従可能な構造にする必要がある(特許文献1、2参照)。
一方、縦樋の構造を単純化させようとすれば、縦樋から放出される雨水を他方の、免震構造でない建物に形成した排水溝に排出させることが必要になる(特許文献3参照)。この場合、免震建物側では縦樋を免震建物の外壁と犬走りに沿って配置し、縦樋から放出される雨水を排出するための樋状の排出溝を犬走りに形成すればよい。
特開2003−27682号公報(図1〜図3) 特開2003−301575号公報(図1〜図3) 特開平11−256874号公報(図1〜図4)
しかしながら、特許文献3では一方の免震建物内で縦樋から放出される雨水を処理することができないため、一方の免震建物を他方の建物に組み合わせることと、他方の建物に排出溝を形成することが必要になっている。
この例では犬走りは他方の建物に形成された最終排出用の排出溝まで張り出して形成されるため、他方の建物の排出溝に、互いの相対移動を許容する状態に支持される必要がある。結果として、隣接する建物が共に免震建物である場合には、相互に排水を依存する関係になり、排水設備の取り合いが複雑化するため、排水が困難か不可能になることが想定される。
本発明は上記背景より、並列建物の少なくとも一方の建物が免震建物である場合に、隣接する他方の建物に排水を依存しない形態の雨水処理構造を提案するものである。
請求項1に記載の免震建物の雨水処理構造は、水平方向に間隔を置いて隣接する建物の内、少なくとも一方の建物が免震建物である並列建物間において、
前記少なくとも一方の免震建物の、隣接する他方の建物側の面に縦樋が配置され、この縦樋の下端部の下方位置の、前記一方の免震建物の外壁から対向する前記他方の建物側へ犬走りが張り出しながら、前記外壁の面内方向に連続し、この犬走りの、対向する前記他方の建物側の端部に立上り部が連続して形成され、
前記犬走りの上面には前記外壁の面内方向のいずれか一方側、または両側に向けて上流側から下流側へかけて下向きの水勾配が付けられ、
前記立上り部付きの前記犬走りは前記縦樋の下端部から放出される雨水を受け、前記外壁の面内方向に排出する排水路を形成していることを構成要件とする。
請求項2に記載の免震建物の雨水処理構造は、請求項1に記載の発明において、前記縦樋の下端部の排出口が前記外壁の面内方向、または鉛直方向下方を向いていることを構成要件とする。
「少なくとも一方の建物が免震建物である」とは、並列建物の内のいずれか一方の建物10が免震建物である場合と、図1に示すように双方の建物10、20(30)が免震建物である場合(請求項2)があることを言う。請求項1では免震建物を「一方の建物10」と言い、その建物10に隣接する建物20、30を「他方の建物」と言っているが、「他方の建物20、30」も免震建物であることもある(請求項2)。請求項1での「一方」と「他方」は便宜的な区別に過ぎない。
「他方の建物20、30」は図5−(a)、(b)中、符号20で示す既存建物20である場合と、図6−(a)、(b)中、符号30で示すように一方の建物(免震建物)10に隣接して将来、新設される予定の増築建物30である場合がある。他方の建物が既存建物20の場合、一方の建物(免震建物)10は新設建物として既存建物20に隣接して構築される。他方の建物が増築建物30の場合、一方の建物(免震建物)10を構築するときにはその免震建物10は図6−(a)に示すように他方の建物10、30には隣接せずに単独で、独立して構築される。免震建物10の構築後、他方の建物としての増築建物30が既存の免震建物10に隣接して構築される。
「一方の免震建物10(20、30)の、隣接する他方の建物20、30(10)側の面」は一方の建物10(20、30)の内、他方の建物20、30(10)側を向いた外壁面を指す。この外壁面の内、縦樋14(24)の下端部の下方位置から他方の建物20、30(10)側へ向けて犬走り12(22)が張り出し、外壁11(21)の面内方向に連続する。「外壁の面内方向」は建物10(20、30)の桁行方向、またはスパン方向である。外壁11(21)はそれに接続する柱16(26)を含むこともある。
犬走り12(22)の連続する方向は犬走り12(22)の長さ方向であり、犬走り12(22)が外壁面から張り出す方向は犬走り12(22)の幅方向である。犬走り12(22)の長さ方向には、少なくとも一部の連続した区間、または全長が雨水の排水路になるため、犬走り12(22)の長さ方向の一部から雨水が流出しないよう、立上り部13(23)も排水路として使用される犬走り12(22)の連続した区間の全長に亘って形成される。立上り部13(23)は犬走り12(22)の幅方向の先端側から壁状に立ち上がる。
犬走り12(22)の上面12a(22a)は外壁面(外壁11(21)の内周面11a(21a))に連続し、他方の建物20、30(10)側の端部に形成される立上り部13(23)の外壁面側の面(内周面13a(23a))にも連続することで、縦樋14(24)下端部から放出される雨水を外壁11(21)の面内方向の少なくともいずれかの側へ排出する排水路を形成する。排水路は犬走り12(22)の上面12a(22a)と、これに連続する外壁11(21)と立上り部13(23)の互いに対向する面(犬走り側を向いた内周面11a(21a)、13a(23a))から構成される。
雨水が触れる少なくとも犬走り12(22)の上面12a(22a)と、外壁11(21)の内周面11a(21a)及び立上り部13(23)の内周面13a(23a)である排水路面には雨水の浸透を防止するための何らかの防水処理が施される。防水処理は雨水が直接、接触する表面である排水路面(犬走りの上面、及び外壁と立上り部の互いに対向する内周面)に塗膜防水として施される他、外壁11(21)と立上り部13(23)付き犬走り12(22)の躯体自体に防水コンクリートが使用されることによっても施される。
排水路を構成する排水路面は縦樋14(24)の下端部の排出口14a(24a)から放出される雨水を集めながら、外壁11(21)の面内方向のいずれか一方側、または両側に向けて排出するため、犬走り12(22)の上面12a(22a)には上流側から下流側へかけて下向きの水勾配が付けられる。図2、図3に示すように外壁11(21)の面内方向の両側に雨水を排出する場合、犬走り12(22)の上面12a(22a)の最も高い位置は外壁面内方向両側を除く面内方向中間部に形成される。犬走り12(22)の上面12a(22a)を通じて排出される雨水は縦樋14(24)から放出される分と、直接、犬走り12(22)上に落下する分が含まれる。
排水路としての犬走り12(22)の貯水量は犬走り12(22)の幅が大きい程、大きく、縦樋14(24)から放出される雨水を受け止め易くなる。一方、犬走り12(22)の幅が大きければ、隣接する建物20、30(10)との間に確保すべき距離も大きくなり、隣接する建物10、20(30)を互いに接近させようとすることに制限が掛かる。
このような制限を排除する上では、縦樋14(24)の下端部の排出口14a(24a)を図2に示すように犬走り12(22)の連続する方向(外壁11(21)の面内方向)に向ければ、排出口14a(24a)からの雨水が犬走り12(22)の連続する方向に誘導されるため、排出口14a(24a)からの雨水が犬走り12(22)から漏れる可能性が低下する上、犬走り12(22)を通じた排水が促進される。この結果、縦樋14(24)から放出される雨水の受け止め能力を高める目的で犬走り12(22)の幅を大きくする必要から解放され、隣接する建物10、20(30)を互いに接近させることが可能になる。また排出口14a(24a)を鉛直方向下方に向ければ、少なくとも犬走り12(22)の幅方向への飛散は防止されるため、犬走り12(22)の連続する方向に向ける場合と同様の効果が期待される。
以上のように免震建物10の外壁11から他方の建物20(30)側へ張り出す犬走り12自体が雨水の排水路として利用されることで、雨水の排水処理上、一方の建物10である免震建物が他方の建物20(30)に依存する関係にはならない。このため、縦樋14から放出される雨水を他方の建物20(30)に流す必要がなくなる結果、他方の建物20(30)に排出溝を形成する必要も生じない。免震建物10内で発生する雨水の処理が他方の建物20(30)に依存する関係にはならないことで、隣接する建物10、20
(30)が共に免震建物である場合(請求項)にも、免震建物10、20(30)単位で雨水の排水を処理することができるため、隣接する建物10、20(30)に排水を依存する場合のように排水処理が困難になることはない。
一方の建物(免震建物)10内で発生する雨水の処理が他方の建物20(30)に依存しないことで、一方の免震建物10と他方の建物20(30)の構築時期が相違する場合に、すなわち前記のように他方の建物20が既存で、免震建物10が新設で構築される場合に、新設の免震建物10を他方の既存建物20に隣接させながら構築しつつも、建物10、20毎に雨水を処理できる関係を成立させることが可能である。同様に、図5−(a)、(b)に示すように免震建物10の構築後、将来的に増築建物30を免震建物10に隣接させて構築しながらも、増築建物30が免震建物であるか否かに拘わらず、建物10、30毎に雨水を処理できる関係を成立させることも可能になる。
隣接する建物10、20(30)が共に免震建物である場合(請求項)、各建物10、20(30)の隣接する建物20(30)、10側に犬走り12、22が形成され、他方の建物(免震建物)20、30(10)の、隣接する一方の免震建物10(20、30)側の面にも縦樋14(24)が配置される。
各建物10、20(30)に形成される犬走り12、22の形態は同じであり、各建物10、20(30)における縦樋14、24の下端部の下方位置の、他方の建物20(30)、10の外壁21、11から対向する一方の免震建物10、20(30)側へ犬走り22、12が張り出しながら、外壁21、11の面内方向に連続する。犬走り22、12の、対向する一方の免震建物10、20(30)側の端部に立上り部23、13が連続して形成される。立上り部23、13付きの犬走り22、12は縦樋24、14の下端部から放出される雨水を受け、外壁21、11の面内方向に排出する排水路を形成する(請求項)。
請求項では互いに対向する外壁面から隣接する建物(免震建物)側へ犬走り12、22が張り出すことから、双方の犬走り12、22が同一レベル等、少なくとも立上り部13、23を含む幅方向の先端部が互いに衝突し合う高さにあれば、上記のように隣接する建物10、20を互いに接近させることに制限が生じる。
そこで、請求項においていずれか一方の免震建物10(20、30)における犬走り12(22)の立上り部13(23)の上面13b(23b)と、他方の免震建物20、30(10)における犬走り22(12)の下面22b(12b)との間に段差を形成することで(請求項)、双方の犬走り12、22を平面上(平面で見たとき)、重ねる(重複させる)ことができるため、隣接する建物10、20(30)を互いに接近させることが可能になる。
「一方の免震建物の立上り部の上面と、他方の免震建物の犬走りの下面との間に段差を形成する」とは、一方の犬走り12(22)の立上り部13(23)の上面13b(23b)が、他方の犬走り22(12)の下面22b(12b)の下に位置することを言い、双方の立上り部13、23が衝突することなく、双方の犬走り12、22が互いに重なり合えることを言う。
双方の犬走り12、22が互いに重なり合えることで、一方の犬走り12(22)が他方の犬走り22(12)の下に潜るように両犬走り12、22を組み合わせることができる結果、両免震建物10、20(30)の外壁面を互いに接近させることが可能であるため、敷地面積内での建築面積を最大に確保することが可能になり、敷地を有効に活用することが可能になる。
請求項では図1に概要を示すように他方の免震建物20(30)の立上り部23の上面23bと、一方の免震建物10の犬走り12の下面12bとの間に段差が形成されることで、上記のように隣接する建物10、20(30)の犬走り12、22を平面上、重ねることができる。この場合、犬走り12、22の立上り部13、23の少なくとも一部が犬走り12、22の幅方向に重なれば、平面上、重なった領域に落下する雨水を相対的に上側に位置する犬走り12(22)が受け止め、排出することができる。
但し、図1に詳しく示すように双方の犬走り12、22の立上り部13、23が平面上、重ならない場合には、両立上り部13、23の外周面13c、23c間に空隙が生じるため、この空隙から犬走り12、22下の空間内に雨水を落下させることになる。
この犬走り12、22下への雨水の落下を回避する上では、図1に示すように上側に位置する犬走り12(22)の立上り部13(23)の外周面13c(23c)に空隙を上方から塞ぐ、犬走り12の長さ方向に連続する形状等のカバー材19が固定される。図1ではカバー材19に山形鋼を使用しているが、カバー材19の断面形状は問われない。また空隙の閉塞上は、カバー材19の底面は下側に位置する犬走り22(12)の立上り部23(13)の上面23b(13b)に密着(接触)することが望ましいが、下側に位置する犬走り22(12)の立上り部23(13)の内周面23a(13a)より外壁21(11)側へ張り出す十分な長さがあれば、必ずしも密着する必要はない。
少なくとも一方の免震建物の、隣接する他方の建物側の面に配置された縦樋の下端部の下方位置の、一方の免震建物の外壁から対向する他方の建物側へ張り出すように犬走りを形成し、犬走り自体を雨水の排水路として利用するため、雨水の排水処理上、一方の建物である免震建物が他方の建物に依存する関係にはならずに済む。従って縦樋から放出される雨水を他方の建物に流す必要も、他方の建物に排出溝を形成する必要も生じない。
免震建物内で発生する雨水の処理が他方の建物に依存する関係にはならないことで、隣接する建物が共に免震建物である場合にも、免震建物単位で雨水の排水を処理することができるため、排水が困難になることはない。
また免震建物内で発生する雨水の処理が他方の建物に依存しないことで、一方の免震建物と他方の建物の構築時期が相違する場合に、新設の免震建物を他方の建物に隣接させながら構築しつつも、建物毎に雨水を処理できる関係を成立させることができる。
並列する両建物が免震建物である場合の双方の犬走りの関係を示した縦断面図である。 図1に示す並列建物の内、一方の免震建物の犬走りの形成例を示した斜視図である。 並列する建物の配置状態と各建物からの平面上の排水の流れを示した平面図である。 並列する建物の配置状態と各建物からの立面上の排水の流れを示した立面図である。 (a)、(b)は既存の建物に隣接して一方の免震建物を構築し、更に一方の免震建物に隣接して将来、増築建物を構築する場合の例を示した平面図である。 (a)、(b)は既存の建物が不在の位置に一方の免震建物を構築し、この一方の免震建物に隣接して将来、増築建物を構築する場合の例を示した平面図、(c)は図5−(a)に示す(今回増築の)一方の免震建物が既存の建物になり、将来、新設予定の増築建物が一方の免震建物として構築された後、更にこの一方の免震建物に隣接して将来、増築建物を構築する場合の例を示した平面図である。
図1、図2は水平方向に間隔を置いて隣接する建物10、20の少なくとも一方が免震建物10である並列建物間において、少なくとも一方の免震建物10の、隣接する他方の建物20側に面する外壁11から、対向する他方の建物20側へ犬走り12が張り出して形成された雨水処理構造の例を示す。犬走り12は外壁11の他方の建物20側の面に配置された縦樋14の下端部の下方位置の、一方の免震建物10の外壁11から対向する他方の建物20側へ張り出し、外壁11の面内方向に連続して形成される。
図1は右側の建物が一方の建物としての免震建物10を、左側の建物が他方の建物20を示している。図1はまた、左側の建物20が先行して構築されている既存の建物を、右側の免震建物10が建物20に隣接して後から構築された新設の建物を示している。免震建物10は図1に示すように例えば上部構造の柱16の下方と基礎18との間に設置される免震装置17に上部構造が支持されることにより免震構造化される。
図1は特に他方の建物20も免震建物である場合の例を示している。他方の建物20も例えば上部構造の柱26の下方と基礎28との間に設置される免震装置27に上部構造が支持されることにより免震構造化される。図1中、他方の建物20の犬走り22の幅方向に連続し、立上り部23から一方の免震建物10側へ張り出した部分のハッチングは一方の免震建物10の構築時に除去されることがあることを示している。
両建物10、20が免震建物の場合、他方の建物20の、隣接する一方の免震建物10側に面する外壁21から、対向する一方の免震建物10側へ張り出して犬走り22が形成される。この他方の建物20の犬走り22も外壁21の一方の免震建物10側の面に配置された縦樋24の下端部の下方位置の、他方の建物20の外壁21から対向する一方の免震建物10側へ張り出し、外壁21の面内方向に連続して形成される。図面は隣接する建物10、20が共に免震建物である場合の例を示しているから、以下では免震建物を単に建物と言う。
犬走り12、22は建物10、20の各外壁11、21から隣接する建物20、10側へ、上面12a、22aがほぼ水平面をなすように構築され、その幅方向の先端側である隣接する建物20、10側の端部から、犬走り12、22の上面12a、22aと共に排水路を形成する立上り部13、23が、犬走り12、22に連続し、上方へ向けて形成される。
犬走り12、22の上面12a、22aとその幅方向両側に連続する立上り部13、23の外壁11、21側の内周面13a、23a、及び外壁11、21の立上り部13、23側の内周面11a、21aは縦樋14、24の下端部の排出口14a、24aから落下した雨水を受け止め、犬走り12、22の長さ方向に排出する排水路の表面になる。この関係で、犬走り12、22の上面12a、22aと、立上り部13、23の内周面13a、23a、及び外壁11、21の内周面11a、21aの少なくとも各表面には塗膜防水その他の防水処理が施される。外壁11、21の内周面11a、21aは柱16、26の犬走り12、22に面する面を含む。
「少なくとも各表面」とは、犬走り12、22の上面12a、22a等の少なくとも表面(表層)部分に塗膜防水等が施されることを言い、犬走り12、22の上面12a、22a等に沿って防水シートが敷設されることの他、立上り部13、23を含む犬走り12、22自体が防水性のあるコンクリート等で構築されることを含む。
また犬走り12、22の上面12a、22aには、この上面12a、22aの最上位置になる犬走り12、22の長さ方向の一方の端部から、最下位置になる他方の端部へかけて、または最上位置になる長さ方向の中間部から、最下位置になる長さ方向の両端部側へかけ、下方へ傾斜する水勾配が付けられる。犬走り12、22の上面12a、22aは犬走り12、22の幅方向には必ずしも傾斜する必要はないが、図1では上面12a、22aを外壁11、21側から立上り部13、23側へかけて下向きに傾斜させ、上面12a、22aに幅方向にも水勾配を付けている。
各建物10、20の屋根、または屋根スラブ上に落下した雨水は主に図3、4に示すように各建物10、20の平面上の周囲に配置された縦樋を通じ、分散させられて地上、または地上付近まで導かれる。各建物10、20が互いに対向する外壁面11、21側においては各建物10、20の外壁面11、21に沿って配置された縦樋14、24を通じて地上、または地上付近に形成された犬走り12、22上に導かれた後、犬走り12、22を通じてその長さ方向片側、または両側へ排出される。
図3では犬走り12、22の長さ方向両側に雨水を排出する様子を示しているが、片側に排出する場合もある。縦樋14、24を外壁11、21に拘束する支持具15、25は外壁11、21に固定される場合もあるが、図1、図2では外壁11、21から屋外側へ突出した柱16、26に支持具15、25を固定している。
縦樋14、24の下端部の排出口14a、24aから落下した雨水は犬走り12、22の上面12a、22aに受け止められ、そのまま水勾配に従って下流側へ排出される。排出口14a、24aが鉛直方向下方を向く場合と、図1、図2に示すように水平方向を向く場合のいずれも、排出口14a、24aから落下した雨水の犬走り12、22の上面12a、22aでの跳ね返りを抑える上では、排出口14a、24aは犬走り12、22の上面12a、22aに近い位置に配置されることが適切である。
排出口14a、24aが図1、図2に示すように水平方向を向く場合、雨水は犬走り12、22の上面12a、22aに受け止められるまでの間、放物線を描き、排出口14a、24aから上面12a、22aまでの間に水平方向に飛び出そうとする。このため、排出口14a、24aから落下した雨水が犬走り12、22の立上り部13、23を飛び越えないようにする上では、図示するように排出口14a、24aを犬走り12、22の長さ方向の排水側(下流側)に向けることが適切である。
図1に示すように両建物10、20が共に免震建物である場合、双方の対向する外壁11、21から張り出す犬走り12、22の内、いずれか下方側に位置する犬走り22(12)の立上り部23(13)が対向する側の立上り部13(23)、または犬走り12(22)に接触(衝突)しないようにするには、いずれか一方の建物10(20)の立上り部13(23)の上面13b(23b)と、他方の建物20(10)の犬走り22(12)の下面22b(12b)との間に段差を付けることが合理的である。
図1は左側(他方)の建物20の立上り部23の上面23bと、右側(一方)の建物10の犬走り12の下面12bとの間に段差を付けた場合の例を示しているが、逆の場合もある。図1に示す例ではいずれか他方の建物20の立上り部23が一方の建物10の立上り部13より建物20の外壁21側に位置しているが、立上り部23の上面23bと犬走り12の下面12bとの間への段差の形成により他方の建物20の立上り部23を一方の建物10の犬走り12の下側に潜り込ませることもできる。
図1に示すように両建物10、20が共に免震建物である場合には、地震時等に両外壁11、21が互いに接近する向きに相対変位することもある。このことから、立上り部23(13)の上面23b(13b)と犬走り12(22)の下面12b(22b)との間に段差を形成した場合には、図示するようにいずれか他方の立上り部23(13)が一方の立上り部13(23)より他方の建物20(10)の外壁21(11)側に位置しているか、他方の立上り部23(13)が一方の犬走り12(22)の下側に潜り込んでいるかに拘わらず、両外壁11、21が互いに接近する向きに相対変位したときに、他方の建物20の立上り部23と、一方の建物10の立上り部13との衝突を回避することができる。
ここで、他方の立上り部23(13)が一方の犬走り12(22)の下側に潜り込んでいる場合には、平面上、犬走り12、22の立上り部13、23の少なくとも一部が犬走り12、22の幅方向に重なった状態になるため、この重なった領域に落下する雨水を図1において上側に位置する立上り部13を含む犬走り12の上面12aが受け止め、下流側へ排出することができる。
但し、図1では双方の犬走り12、22の立上り部13、23が平面上、重ならず、立上り部13、23の外周面13c、23c間に空隙が生じた状態にあるため、外周面13c、23c間の空隙への雨水の落下を回避する目的で、上側に位置する犬走り12の立上り部13の外周面13cに、立上り部23との間の空隙を上方から塞ぐカバー材19をボルトや接着剤等の手段により固定している。カバー材19は犬走り12の長さ方向に連続した形状をするか、連続的に配置される。
図1に示すカバー材19の設置例の場合、立上り部13、23の外周面13c、23c間に落下する雨水はカバー材19に受け止められた後、下側に位置する犬走り22の上面22aに受け止められ、下流側へ排出される。カバー材19の底面は下側に位置する犬走り22の立上り部23の上面23bに密着する場合と密着しない場合がある。またカバー材19の幅方向の犬走り22側の先端は立上り部23の上面22a上に位置する場合と内周面23aから外壁21側へ張り出す場合がある。
図5−(a)は既存の他方の建物20の(スパン方向)片側に隣接して一方の免震建物10を構築したときの様子を、(b)は既存の他方の建物20の(スパン方向)両側に隣接して一方の免震建物10、10を構築したときの様子を示す。いずれの場合も、二点鎖線で示すように一方の免震建物10の片側には将来的に増築建物30を新たに構築することが可能である。(他方の)既存建物20と増築建物30の一方、または双方が免震建物であることもある。
図6−(a)、(b)は既存の建物20とは無関係に一方の免震建物10を独立して構築したときの様子を示し、将来的にこの一方の免震建物10が既存建物20としてその片側、または両側に増築建物30を新たに構築することを想定した場合の、一方の免震建物10と他方の建物である増築建物30の関係を示す。(c)は図5−(a)における増築建物30が完成した後、更に将来的にこの増築建物30が既存建物20としてその片側に増築建物30を新たに構築することを想定した場合の、一方の免震建物10と他方の建物である増築建物30の関係を示す。
10……免震建物、
11……外壁、11a……内周面、
12……犬走り、12a……上面、12b……下面、
13……立上り部、13a……内周面、13b……上面、13c……外周面、
14……縦樋、14a……排出口、15……支持具、
16……柱、17……免震装置、18……基礎、
19……カバー材、
20……他方の建物(既存建物)、
21……外壁、21a……内周面、
22……犬走り、22a……上面、22b……下面、
23……立上り部、23a……内周面、23b……上面、23c……外周面、
24……縦樋、24a……排出口、25……支持具、
26……柱、27……免震装置、28……基礎、
30……他方の建物(増築建物)。

Claims (4)

  1. 水平方向に間隔を置いて隣接する建物の内、なくとも一方の建物が免震建物である並列建物間において、
    前記少なくとも一方の免震建物の、隣接する他方の建物側の面に縦樋が配置され、この縦樋の下端部の下方位置の、前記一方の免震建物の外壁から対向する前記他方の建物側へ犬走りが張り出しながら、前記外壁の面内方向に連続し、この犬走りの、対向する前記他方の建物側の端部に立上り部が連続して形成され、
    前記犬走りの上面には前記外壁の面内方向のいずれか一方側、または両側に向けて水勾配が付けられ、
    前記立上り部付きの前記犬走りは前記縦樋の下端部から放出される雨水を受け、前記外壁の面内方向に排出する排水路を形成していることを特徴とする免震建物の雨水処理構造。
  2. 前記縦樋の下端部の排出口は前記外壁の面内方向、または鉛直方向下方を向いていることを特徴とする請求項1に記載の免震建物の雨水処理構造。
  3. 前記他方の建物は免震建物であり、この他方の建物の、隣接する一方の免震建物側の面に縦樋が配置され、この縦樋の下端部の下方位置の、前記他方の建物の外壁から対向する前記一方の免震建物側へ犬走りが張り出しながら、前記外壁の面内方向に連続し、この犬走りの、対向する前記一方の免震建物側の端部に立上り部が連続して形成され、この立上り部付きの前記犬走りは前記縦樋の下端部から放出される雨水を受け、前記外壁の面内方向に排出する排水路を形成していることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の免震建物の雨水処理構造。
  4. 前記いずれか一方の免震建物における前記犬走りの前記立上り部の上面と、前記他方の免震建物における前記犬走りの下面との間に段差があることを特徴とする請求項に記載の免震建物の雨水処理構造。
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