JP6859691B2 - ボールねじ装置 - Google Patents
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Description
また、ナットの軸方向一端にフランジが形成され、フランジに形成されたボルト挿通穴を挿通するボルトで、ナットを環状部品などに固定している。
特許文献2には、ボールねじと、転がり軸受と、フライホイール(回転する錘)と、摺動質部材(スプラインナット)と、を有する回転慣性質量ダンパーが記載されている。この回転慣性質量ダンパーは、互いに近接離反する方向に相対変位する第一構造体と第二構造体との間に介装されている。
特許文献2の回転慣性質量ダンパーには、ナットの負荷分布を均一にするという点で改善の余地がある。
この発明の課題は、ナットが回転するボールねじを備えたボールねじ装置において、ナットの負荷分布が不均一にならないようにすることである。
図1に示すように、この実施形態のボールねじ装置は、ボールねじ1と、転がり軸受2と、フライホイール(回転体)3と、スプラインナット4を有する回転慣性質量ダンパーである。この回転慣性質量ダンパーが、互いに近接離反する方向に相対変位する第一構造体5と第二構造体6の間に介装されている。第一構造体5と第二構造体6の組み合わせとしては、例えば、建物の柱梁と床が挙げられる。第一構造体5は第一ユニット51と第二ユニット52を有する。第一ユニット51と第二ユニット52は、互いに平行に間隔を開けて配置され、同一方向に変位する。
また、ボールねじ1は、ボール3の軌道の終点と始点を接続してボール13の循環路を形成する戻し路として、図2に示すように、四つのリターンチューブ14a〜14dを有する。つまり、ボールねじ1は、ボール13の循環路を四つ有し、これらの循環路内に複数のボール13が配置されている。
図2および図3に示すように、ナット12は、円筒部121と、円筒部121の軸方向一端に形成されたフランジ122を有する。
内輪21の内周面に、ナット12の螺旋溝12aと連続する螺旋溝21aが形成されている。これにより、ボールねじ1では、ナット12の螺旋溝12aおよび内輪21の螺旋溝21aとねじ軸11の螺旋溝11aとで、ボール13の軌道が形成される。つまり、ボールねじ1は、ボール13の軌道を形成する螺旋溝を、転がり軸受2が配置された位置にも有する。
転がり軸受2は、ナット12を第一ユニット(ハウジング)51に対して回転自在に支持するためのものである。第一ユニット51は外輪22を内側に嵌合する円穴51aを有する。外輪22のフランジ223が、第一ユニット51の軸方向端面にボルト7で固定されている。
図1に示すように、スプラインナット4は、第一構造体5の第二ユニット52に固定されている。第二ユニット52は、スプラインナット4を内側に嵌合する円穴52aを有する。ねじ軸11のスプライン溝11bが形成されている部分が、スプラインナット4に挿入され、スプラインナット4に対して軸方向に摺動自在に支持されている。ねじ軸11の小径部11cが第二構造体6に固定されている。
また、この実施形態の回転慣性質量ダンパー(ボールねじ装置)によれば、ボールねじ1のナット12を第一ユニット51に対して回転自在に支持する転がり軸受2の第一内輪軌道溝211が、ナット12のフランジ122の外周に形成されている。そのため、転がり軸受2の荷重を受ける点とナット12の荷重を受ける点が近接している。これにより、ナット12に曲げモーメントがかかりにくい構造となっているため、ナット12の負荷分布を均一化することができる。
また、フライホイール3に最も近い軸受軌道に配置されたボール23の中心位置Oが、外輪22のフランジ223の端面223aより外側にあることで、端面223aより内側にある場合と比較して、ボールねじ1の剛性が高くなるため、ナット12に曲げモーメントが発生しにくい。これに伴い、ナット12の負荷分布を均一化することができる。
なお、上記実施形態では、ナット12のフランジ122の外周面に第一内輪軌道溝211を形成することで、転がり軸受2の内輪をフランジ122に一体化している。しかし、図4および図5に示すように、環状部品(回転体)31を固定するフランジ122の外周に、二個の内輪21を嵌合してもよい。
図4の例では、外輪22が二列の外輪軌道溝221,222を有する。
図5の例では、内輪21と外輪22とボール23と保持器24を有する二個の単列アンギュラ玉軸受(転がり軸受)2A,2Bを備え、二個の内輪21がフランジ122の外周に嵌合されている。また、二個の外輪22の間に間座25を配置することで、二個の単列アンギュラ玉軸受2A,2Bに二点接触予圧を付与している。
また、図5の例で、軸方向で環状部品(回転体)31側の単列アンギュラ玉軸受2Aを、図5の状態よりも大きなものとしてもよい。このようにすることで、環状部品(回転体)31側の単列アンギュラ玉軸受2Aの剛性がより高くなるため、図5の例よりも単列アンギュラ玉軸受2Aの寿命を長くすることができる。
また、ボールねじが三条ねじ構造を有する場合は、ナットの軸方向の同じ位置で、位相(ナットの周方向での配置間隔を示す角度)が120°(360°/3)となる位置に配置されていることが好ましい。ボールねじが四条ねじ構造を有する場合は、ナットの軸方向の同じ位置で、位相が90°(360°/4)となる位置に配置されていることが好ましい。
11 ねじ軸
11a ねじ軸の螺旋溝
11b ねじ軸のスプライン溝
11c ねじ軸の小径部
12 ナット
12a ナットの螺旋溝
121 ナットの円筒部
122 ナットのフランジ
13 ボール
14a〜14d リターンチューブ
2 転がり軸受
2A 転がり軸受
2B 転がり軸受
21 内輪
211 内輪軌道溝
22 外輪
221,222 外輪軌道溝
223 外輪のフランジ
223a 外輪のフランジの端面
23 ボール(転がり軸受の転動体)
24 保持器
223 外輪のフランジ
3 フライホイール(回転体)
31 環状部品(回転体)
4 スプラインナット
5 第一構造体
51 第一ユニット(ハウジング)
52 第二ユニット
6 第二構造体
Claims (3)
- ナットが回転するボールねじと、
前記ナットをハウジングに対して回転自在に支持する転がり軸受であって、前記ナットのフランジの外周に設けられた転がり軸受と、
前記フランジに固定された回転体と、
を有し、
前記ボールねじは、ボールの軌道を形成する螺旋溝を、前記転がり軸受が配置された位置にも有し、
前記転がり軸受の外輪は、前記ハウジングに固定されるフランジを有し、
前記転がり軸受において、前記回転体に最も近い軸受軌道に配置された転動体の中心位置は、前記外輪のフランジの端面より外側であるボールねじ装置。 - 前記ボールねじは、ボールの軌道の終点と始点を接続して循環路を形成する戻し路を複数個有し、
前記複数個の戻し路が、前記ナットの周方向に均等配置されている請求項1に記載のボールねじ装置。 - 前記ボールねじは多条ねじ構造を有し、
前記複数個の戻し路の前記ナットの周方向における配置間隔を示す角度は、前記多条ねじ構造の条数で360°を除した角度である請求項2記載のボールねじ装置。
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JP2016240421A JP6859691B2 (ja) | 2016-12-12 | 2016-12-12 | ボールねじ装置 |
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2016
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