JP6859240B2 - 粉粒体吹込装置、検量線作成装置および検量線作成方法 - Google Patents
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Description
特許文献1の粉粒体吹込装置では、タンクに収容した粉粒体を所定量ずつ切り出し、窒素などの搬送ガスにより高炉へと供給され、炉体の周方向に配置された羽口などから均等に吹き込まれる。粉粒体吹込装置の制御にあたっては、各羽口に至る経路で粉粒体流量を検出し、その総量を参照して粉粒体の供給量および搬送ガスの流量を制御している。
静電容量式の粉粒体流量計は、管路の流れ方向に離れた2箇所に静電容量センサを設置し、各々のセンサでの電圧から粉粒体濃度を検出し、2つのセンサ間の変動パターンのずれから粉粒体の通過速度を検出する。単位時間あたりの流量は、管路の断面積と、濃度および流速の積で計算される。静電容量式の粉粒体流量計において、センサ電圧から粉粒体濃度を検出する際には、各々の関係を示す検量線が利用される。
なお、静電容量式の粉粒体流量計では、濃度と電圧の関係が検量線となるが、一般的には粉粒体流量計を通過する粉粒体の実流量と粉粒体流量計の検出信号出力の値との関係が検量線となる。
しかし、従来は、静電容量式の粉粒体流量計の検量線の作成が、高炉の稼働前の1回だけであり、検量線の精度を高めることが難しかった。
さらに、粉粒体吹込装置においては、高炉に装入する炭種や、水分量、粉粒体の嵩比重の変動などに応じた検量線を作成することで、これらの条件に対して最適な制御を行うことができる。しかし、検量線の作成は高炉の稼働前の1回だけであり、このような条件の変化に適切に対応することが難しかった。
ここで、検量用経路は、フィードタンクのいずれかからフィードラインを経て高炉に至る本来の経路を模したものとすることができ、本来の経路における粉粒体流量計の検量線の作成を、検量用粉粒体流量計による検量線の作成で代替することができる。
つまり、フィードタンクから高炉に至る本来の経路とは別に、検量用経路において検量線の作成が可能となり、高炉の稼働中にも随時、検量線を作成できるようになる。
なお、本発明で作成する検量線としては、粉粒体流量計を通過する粉粒体の実流量と粉粒体流量計の検出信号出力の値との関係である。例えば、静電容量式の粉粒体流量計では、濃度と電圧の関係が検量線とされる。
一方、検量用フィードラインには、希釈用ガス供給ラインにより、不活性の希釈用ガスを供給することができる。この際、希釈用ガスの供給は、検量用フィードラインの検量用粉粒体流量計より上流側とされ、検量用の流れの流量を確実に測定できる。
もし、検量用フィードラインに、本来のフィードラインと同様な希釈用エアを流した場合、酸素を含む希釈用エアが他のフィードタンクの内部に供給され、他のフィードタンク内の可燃性の粉粒体と反応してしまう虞がある。しかし、本発明では、他のフィードタンクに供給されるのは不活性の希釈用ガスとされ、他のフィードタンク内の可燃性の粉粒体との反応が防止される。
また、ガス流量計は、希釈用ガス供給ラインに設置されることで、検量用フィードラインの希釈用ガス供給ラインの希釈用ガスの流量を検出することができる。
従って、ガス流量計の値を参照しつつ、流量調整弁を調整し、検量用粉粒体流量計を流れるガスの流量や粉粒体の流量や濃度などを調整することができる。
図1において、粉粒体吹込装置1は、高炉2の羽口3から微粉炭などの粉粒体Pを吹き込む装置である。
粉粒体吹込装置1は、粉粒体が収容される複数(本実施形態では3つ)のフィードタンク11,12,13と、フィードタンク11,12,13の各々から高炉2に至るフィードライン21,22,23と、フィードライン21,22,23の各々で搬送される粉粒体Pの流量を検出する粉粒体流量計4と、搬送される粉粒体Pの流量を調整する流量調整装置5と、フィードタンク11,12,13に不活性の搬送ガスCGを供給して粉粒体Pをフィードライン21,22,23へと送出する搬送ガス供給ライン31,32,33と、を有する。
搬送ガス供給ライン30からの搬送ガスCGは、流動化用のため、フィードタンクより上方に設置されている。貯蔵タンク10の内部の粉粒体Pは、重力により切り出されて、フィードタンク11,12,13に供給される。また、搬送ガス供給ライン31,32,33から加圧供給される搬送ガスCGにより、フィードタンク11,12,13の各々の粉粒体Pが切り出されて、フィードライン21,22,23へと送出される。
ディスパーサ24には、希釈用エア供給ライン28が接続され、コンプレッサ29により希釈用の希釈用エアDAが加圧供給される。なお、希釈用エア供給ライン28は、N2などの不活性の希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給ラインとしてもよい。
粉粒体流量計4は、静電容量式の粉粒体流量計であり、静電容量の検出部では、通過する粉粒体Pの濃度に応じて出力信号の電圧が変化する。従って、通過する粉粒体Pの流速Vを別途測定することで、この流速Vと、通過流路の断面積Sと、粉粒体流量計4の出力信号から得られる濃度ρとの積を計算することで、粉粒体流量Qを得ることができる。流量調整装置5は、粉粒体流量計4を目安に調整が行える。
本実施形態では、粉粒体流量計4の検量線を作成するために、前述したフィードタンク11,12,13から分配フィードライン27を経て高炉2に至る粉粒体Pの本来の経路とは別に、フィードタンク11,12,13のうち2つを結ぶ検量用経路を設定する。
検量用経路40は、フィードタンク11に接続されたフィードライン21の途中から分岐してフィードタンク12に至る検量用フィードライン41と、検量用フィードライン41を通る粉粒体Pの流量を検出する検量用粉粒体流量計42と、を有する。
検量用粉粒体流量計42は、粉粒体流量計4の検量線を作成するためのものであり、粉粒体流量計4と同一のものが用いられる。なお、検量用粉粒体流量計42は、粉粒体流量計4と同一でなくてもよいが、作成する検量線が粉粒体流量計4に適したものとなるように、同様の属性をもつものであることが望ましい。
希釈用ガス供給ライン45は、フィードタンク11に接続された搬送ガス供給ライン31の途中に接続され、コンプレッサ39からの窒素ガスなど不活性の搬送ガスCGの一部が希釈用ガスDGとして加圧供給される。希釈用ガス供給ライン45の途中には、流量調整弁46およびガス流量計47が設置されている。
先ず、粉粒体吹込装置1において、受け側のフィードタンク12の圧力を高炉2の羽口3相当の圧力に加圧調整する(処理S0)。つぎに、検量用経路40を開き、フィードタンク11から検量用フィードライン41を通ってフィードタンク12に至る粉粒体Pの流れを形成する(図3の処理S1)。この際、高炉2に粉粒体Pを吹き込む本来の経路(中間フィードライン25ないし分配フィードライン27)は、流通を止めていてもよく、閉じずに吹き込みを継続していてもよい。
この状態で、検量用粉粒体流量計42の出力信号を検出し、得られた検出値を記録する(処理S4)。さらに、フィードタンク11,12の粉粒体Pの現在量を検出し(処理S5)、処理S2での検出量との差分から検量用粉粒体流量計42を通過した粉粒体Pの流量を算出する(処理S6)。
ここで、他の条件での検出が必要か否かを判定し(処理S7)、他の条件(例えば濃度の変更)での検出を行う場合には、処理S3〜S6を繰り返す。一方、他の条件での検出が必要ない場合、各条件で検出された検量用粉粒体流量計42の出力信号を検出値と、算出された粉粒体Pの流量とをグラフ上にプロットし(処理S8)、これにより検量線の作成が完了する。
なお、検量線Lは、各条件でのプロットに対して近似する直線をあてはめればよいが、二次曲線などをあてはめるようにしてもよい。各条件でのプロットは、粉粒体流量計4の測定範囲の全幅にわたって3点以上のサンプル数とすることが望ましい。
本実施形態では、フィードタンク11,12,13のうちのひとつであるフィードタンク11から、フィードライン21および検量用フィードライン41を経て、他のフィードタンク12に至る検量用経路40を形成し、そこに検量用の粉粒体Pを流して検量用粉粒体流量計42で検量を行うことで(図2参照)、検量線L(図4参照)の作成を行うことができる。
ここで、検量用経路40は、フィードタンク11,12,13のいずれかから高炉2に至る本来の経路(フィードライン21,22,23、中間フィードライン25ないし分配フィードライン27を経て)を模したものとすることができ、本来の経路における粉粒体流量計4の検量線の作成を、同型の機器を用いた検量用粉粒体流量計42による検量線Lの作成で代替することができる。
つまり、フィードタンク11,12,13から高炉2に至る本来の経路とは別に、検量用経路40において検量線Lの作成が可能となり、高炉2の稼働中にも随時、検量線Lを作成できるようになる。
一方、検量用フィードライン41には、希釈用ガス供給ライン45により、不活性の希釈用ガスDGを供給することができる。この際、希釈用ガスDGの供給は、検量用フィードライン41の検量用粉粒体流量計42より上流側とされ、検量用の流れの流量を確実に測定できる。
もし、検量用フィードライン41に、中間フィードライン25ないし分配フィードライン27と同様な希釈用エアDAを流した場合、酸素を含む希釈用エアDAが他のフィードタンク12の内部に供給され、他のフィードタンク12内の可燃性の粉粒体Pと反応してしまう虞がある。しかし、本実施形態では、他のフィードタンク12に供給されるのは不活性の希釈用ガスDGとされ、他のフィードタンク12内の可燃性の粉粒体Pとの反応が防止される。
また、希釈用ガス供給ライン45にガス流量計47が設置されていることで、検量用粉粒体流量計42と併せて参照することで、検量用フィードライン41の搬送ガスCGと希釈用ガス供給ライン45の希釈用ガスDGとの各々の流量を検出することができる。
従って、ガス流量計47の値を参照しつつ、流量調整弁43,46を調整することで、検量用粉粒体流量計42を流れるガスの流量や粉粒体Pの流量や濃度などを調整することができる。
前述した実施形態では、検量用経路40の粉粒体Pの供給側としてフィードタンク11を用い、受け側としてフィードタンク12を用いたが、例えばフィードタンク12を供給側とし、フィードタンク13を受け側としてもよい。さらに、設備仕様的に許容されれば受け側または供給側として貯蔵タンク10を用いてもよい。
ただし、図1の実施形態との相違点として、検量用経路40Aの検量用フィードライン41Aは、供給側がフィードタンク11であるが、受け側が貯蔵タンク10とされている。貯蔵タンク10にはロードセル101が設置されている。
さらに、各配管には適宜開閉弁や調整弁、流量計などを設置してもよい。
Claims (7)
- 粉粒体が収容された複数のフィードタンクと、
前記フィードタンクの各々から高炉に至るフィードラインと、
前記フィードラインの各々の前記粉粒体の流量を検出する粉粒体流量計と、
前記フィードタンクに不活性の搬送ガスを供給して前記粉粒体を前記フィードラインへと送出する搬送ガス供給ラインと、
いずれかの前記フィードラインの途中から分岐して他の前記フィードタンクに至る検量用フィードラインと、
前記検量用フィードラインの前記粉粒体の流量を検出する検量用粉粒体流量計と、を有することを特徴とする粉粒体吹込装置。 - 請求項1に記載された粉粒体吹込装置において、
前記フィードラインの前記粉粒体流量計より上流側には、希釈用エアを供給する希釈用エア供給ラインまたは不活性の希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給ラインが接続され、
前記検量用フィードラインの前記検量用粉粒体流量計より上流側には、不活性の希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給ラインが接続されていることを特徴とする粉粒体吹込装置。 - 請求項2に記載された粉粒体吹込装置において、
前記希釈用ガス供給ラインは前記搬送ガス供給ラインから分岐され、前記搬送ガスを前記希釈用ガスに用いることを特徴とする粉粒体吹込装置。 - 請求項2または請求項3に記載された粉粒体吹込装置において、
前記検量用フィードラインの前記希釈用ガス供給ラインの接続部分より上流側と、前記希釈用ガス供給ラインとの少なくとも一方に流量調整弁が設置されており、前記検量用フィードラインの前記希釈用ガス供給ラインの接続部分より上流側と、前記希釈用ガス供給ラインとの少なくとも一方にガス流量計が設置されていることを特徴とする粉粒体吹込装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された粉粒体吹込装置において、
前記検量用フィードラインが分岐する前記フィードラインに接続された前記フィードタンクと、前記検量用フィードラインが接続される他の前記フィードタンクとの各々に、収容される前記粉粒体の量を検出するロードセルが設置されていることを特徴とする粉粒体吹込装置。 - 粉粒体が収容された複数のフィードタンクと、
前記フィードタンクの各々から高炉に至るフィードラインと、を有する粉粒体吹込装置の検量線を作成する検量線作成装置であって、
いずれかの前記フィードラインの途中から分岐して他の前記フィードタンクに至る検量用フィードラインと、
前記検量用フィードラインの前記粉粒体の流量を検出する検量用粉粒体流量計と、を有することを特徴とする検量線作成装置。 - 粉粒体が収容された複数のフィードタンクと、
前記フィードタンクの各々から高炉に至るフィードラインと、
前記フィードラインの各々の前記粉粒体の流量を検出する粉粒体流量計と、
前記フィードタンクに不活性の搬送ガスを供給して前記粉粒体を前記フィードラインへと送出する搬送ガス供給ラインと、を有する粉粒体吹込装置の検量線を作成する検量線作成方法であって、
いずれかの前記フィードラインの途中から、前記搬送ガスおよび前記粉粒体の流れを取り出し、他の前記フィードタンクへと流し、
前記フィードラインの途中からの流れの途中に検量用粉粒体流量計を設置し、
前記フィードラインの途中からの流れを複数の状態に変化させ、前記検量用粉粒体流量計で検出される各状態での前記粉粒体の流量から検量線を作成することを特徴とする検量線作成方法。
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