JP6859177B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
ガソリン自動車とは異なる新しい自動車として、燃料電池を搭載した燃料電池自動車(FCV : Fuel Cell Vehicle)が注目されている。FCVに搭載された燃料電池は、燃料の水素と、空気中の酸素とを化学反応させることにより発電してモータを駆動する。
化学反応は、燃料電池内の膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)により行われる。MEAは一対の電極(アノード及びカソード)とその間の電解質膜により構成される。
電解質膜は、例えば固体高分子材料としてのフッ素系スルホン酸ポリマにより形成された高分子電解質膜であり、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を有する。このため、燃料電池が発電性能を維持するには、電解質膜の湿度管理が重要である。
燃料電池内には、MEAを挟んで対向する一対のセパレータが設けられており、カソード側のセパレータには空気の流路(以下、「カソード流路」と表記)が設けられ、アノード側のセパレータには水素ガスの流路(以下、「アノード流路」と表記)が設けられる。燃料電池のカソードでは化学反応により水分が生成され、生成された水分は空気の流れにより上流から下流へと移動するため、カソード流路の下流側の領域では湿度が高いが、カソード流路の上流側の領域では燃料電池の外部から乾燥した空気が導入されることによって湿度が低くなる。一方、アノード流路の上流側の領域では、高圧タンクから乾いた水素ガスが導入されるために湿度が低く、アノード流路の下流側の領域では、カソードで生成された水分の一部がアノードに移動して蓄積するために湿度が高い。
このため、アノード流路の入口がカソード流路の出口付近に位置し、アノード流路の出口がカソード流路の入口付近に位置するように燃料電池は構成される。これにより、アノード流路の出口付近の領域からカソード流路の入口付近の領域に水分が移動し、カソード流路の出口付近の領域からアノード流路の入口付近の領域に水分が移動するため、燃料電池で生成された水分が燃料電池の内部を循環することができ、電解質膜が全面にわたって加湿される(例えば特許文献1及び2)。
また、特許文献2には、アノード流路の入口と出口の間に別の入口を設けておき、各入口から高圧タンクの水素ガスまたは排出後に再循環された水素ガス(以下、「再循環水素ガス」と表記)をアノード流路に導入する点、及びその両方の水素ガスを混合して各入口からアノード流路に導入する点が記載されている。
特開2013−157315号公報 特開2010−135071号公報
しかし、特許文献2に記載された手法によると、アノード流路の各入口から高圧タンクの水素ガスを導入する場合、再循環水素ガスはアノード流路に導入されないため、再循環水素ガスに含まれる十分な量の水分が電解質膜の加湿に利用されないという問題がある。
また、アノード流路の各入口から再循環水素ガスを導入する場合、及び、高圧タンクの水素ガスと再循環水素ガスを混合してアノード流路の各入口から導入する場合、カソード流路の出口付近に位置するアノード流路の入口の近傍において、アノード流路とカソード流路の間の湿度差が不十分となる。
このため、カソード流路内の空気に含まれる水分は、アノード流路に十分に移動することができない。したがって、カソード流路の出口付近の空気に含まれる水分を電解質膜の加湿に十分に利用することができないという問題がある。なお、このような問題は、FCVに搭載された燃料電池システムに限定されず、他用途の燃料電池システムにも同様に存在する。
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、電解質膜の加湿性能が向上された燃料電池システムを提供することを目的とする。
本明細書に記載の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスの発電反応が行われる膜電極接合体、及び前記膜電極接合体を挟む一対のセパレータを有する燃料電池と、前記燃料ガスを貯蔵する貯蔵部と、前記燃料電池から排出された前記燃料ガスを前記燃料電池に再循環させる再循環部とを備え、前記一対のセパレータの一方には、前記燃料ガスが流通するアノード流路が設けられ、前記一対のセパレータの他方には、前記酸化剤ガスが流通するカソード流路が設けられ、前記アノード流路には、前記貯蔵部に貯蔵された前記燃料ガスを導入するための第1導入孔と、前記再循環部により再循環された前記燃料ガスを前記第1導入孔の下流側に導入するための第2導入孔とが接続され、前記カソード流路には、前記酸化剤ガスを導入するための第3導入孔と、前記酸化剤ガスを排出するための排出孔とが接続され、前記第1導入孔に導入される前記燃料ガスの湿度は、前記第2導入孔に導入される前記燃料ガスの湿度より低く、前記第1導入孔は、前記第3導入孔よりも前記排出孔の近くに配置されている。
本発明によれば、電解質膜の加湿性能を向上することができる。
燃料電池システムの一例を示す構成図である。 燃料電池の一例を示す断面図である。 第1実施例のアノード側セパレータ及びカソード側セパレータを示す平面図である。 第2実施例のアノード側セパレータ及びカソード側セパレータを示す平面図である。 第3実施例のアノード側セパレータ及びカソード側セパレータを示す平面図である。 第4実施例のアノード側セパレータ及びカソード側セパレータを示す平面図である。
図1は、燃料電池システムの一例を示す構成図である。図1は、より具体的には、燃料電池システムのうち、水素ガスが流れるアノード系の構成を示す。燃料電池システムは、例えばFCVのモータの動力源に用いられるが、これに限定されない。
燃料電池システムは、燃料電池スタック90と、高圧タンク91と、パージ弁92と、ポンプPと、供給路80と、再循環路81と、排出路82とを備える。燃料電池スタック90は、積層された複数の燃料電池1(単セル)により構成される。
燃料電池1は、燃料ガスの一例である水素ガスと、酸化剤ガスの一例である空気とが供給され、水素ガスと空気中の酸素を発電反応させる。発電反応により得られた電力は、FCVの場合、モータなどに供給される。
燃料電池スタック90には、発電反応に用いられる水素ガスが供給される上流側ガス供給マニホールド40a及び下流側ガス供給マニホールド40bと、発電反応に用いられた水素ガスが排出されるガス排出マニホールド41が設けられている。後述するように、上流側ガス供給マニホールド40aは、水素ガスが流れるアノード流路の上流側の領域に接続され、下流側ガス供給マニホールド40bは、アノード流路の下流側の領域に接続されている。
上流側ガス供給マニホールド40aは、供給路80を介して高圧タンク91に接続されている。高圧タンク91は、貯蔵部の一例であり、乾燥した水素ガスを貯蔵する。高圧タンク91内の水素ガスは供給路80から上流側ガス供給マニホールド40aに導入される。
ガス排出マニホールド41は排出路82に接続されている。排出路82にはパージ弁92が設けられており、パージ弁92がパージ時に開放されることにより、燃料電池スタック90内の水素ガスが排出路82から外部に排出される。
また、排出路82は、再循環路81に接続されている。再循環路81にはポンプPが設けられている。通常運転時、パージ弁92は閉塞されているため、排出路82から排出された水素ガスは、ポンプPが駆動することにより再循環路81を経由して下流側ガス供給マニホールド40bに導入される。つまり、燃料電池1から排出された水素ガスは、ポンプP及び再循環路81により燃料電池1に再循環される。なお、ポンプP及び再循環路81は、再循環部の一例である。
上流側ガス供給マニホールド40a及び下流側ガス供給マニホールド40bに導入された水素ガスは、矢印で示されるように、発電反応に用いられた後、ガス排出マニホールド41に排出される。カソードの発電反応で生成された水分の一部がアノードに移動するため、ガス排出マニホールド41内の水素ガスの湿度は、上流側ガス供給マニホールド40a内の水素ガスの湿度より高い。この高湿の水素ガスは、下流側ガス供給マニホールド40bに導入される。
このように、上流側ガス供給マニホールド40aには、高圧タンク91から乾燥した水素ガス(以下、「ドライガス」と表記)が導入され、下流側ガス供給マニホールド40bには、再循環路81から高湿の水素ガス(以下、「ウェットガス」と表記)が導入される。燃料電池1は、ドライガスとウェットガスによりアノード流路とカソード流路の間で水分の移動が効果的に行われる。
図2は、燃料電池1の一例を示す断面図である。燃料電池1は、カソード側セパレータ21、アノード側セパレータ22、電解質膜10、カソード電極11、アノード電極12、カソード側ガス拡散層13、アノード側ガス拡散層14、及びガスケット30,31を有する。
電解質膜10、カソード電極11、及びアノード電極12は、水素ガスと空気の発電反応が行われるMEA100を構成する。電解質膜10は、アノード電極12及びカソード電極11の間に挟まれている。アノード電極12及びカソード電極11は、それぞれ、触媒電極層であり、触媒担持導電性粒子により構成された、ガス拡散性を有する多孔質層として形成されている。例えば、アノード電極12及びカソード電極11は、白金担持カーボンの分散溶液である触媒インクの乾燥塗膜として形成される。
電解質膜10は、例えば、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示すイオン交換樹脂膜により構成される。このようなイオン交換樹脂膜としては、例えば、ナフィオン(登録商標)などの、イオン交換基としてスルホン酸基を有するフッ素樹脂系のものが挙げられる。
MEA100は、カソード側ガス拡散層13及びアノード側ガス拡散層14により挟み込まれている。MEA100、カソード側ガス拡散層13、及びアノード側ガス拡散層14は、MEGA(Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly)を構成する。
カソード側ガス拡散層13及びアノード側ガス拡散層14は、炭素繊維などの繊維基材や、いわゆるエキスパンドメタルなどの金属板を加工した多孔質加工部材、発泡金属などの多孔質部材により構成される。カソード側ガス拡散層13は空気を拡散し、アノード側ガス拡散層14は水素ガスを拡散する。
アノード電極12には、アノード側セパレータ22からアノード側ガス拡散層14を介し水素ガスが供給され、カソード電極11には、カソード側セパレータ21からカソード側ガス拡散層13を介し空気が供給される。MEA100は、空気及び水素ガスを用いた電気化学反応により発電する。
カソード側セパレータ21及びアノード側セパレータ22は、一対のセパレータの一例であり、MEA100を挟んでいる。より具体的には、カソード側セパレータ21及びアノード側セパレータ22は、MEA100を挟んで対向する。カソード側セパレータ21及びアノード側セパレータ22は、例えば金属板などにより構成される。
カソード側セパレータ21及びアノード側セパレータ22は、例えば樹脂により形成されたガスケット30を挟み込むことによりカソード側セパレータ21及びアノード側セパレータ22の間の空間の気密性を維持する。ガスケット30は、Y−Z平面に広がるフレーム形状を有し、そのフレーム内には上記のMEGAが保持されている。
カソード側セパレータ21には、燃料電池スタック90の上流側ガス供給マニホールド40aを構成するガス通過孔210と、燃料電池スタック90の下流側ガス供給マニホールド40bを構成する不図示のガス通過孔と、燃料電池スタック90のガス排出マニホールド41を構成するガス通過孔211とが設けられている。下流側ガス供給マニホールド40bを構成するガス通過孔は、ガス通過孔210から見てZ軸の負方向に位置する。なお、各ガス通過孔210,211のZ軸上の位置は相違する。
カソード側セパレータ21のMEGAと対向する面(Y−Z平面)には、例えばプレス金型による曲げ加工などによってカソード流路21bが形成されている。より具体的には、カソード側セパレータ21は、金属板をプレス金型で曲げ加工することでカソード流路21bを構成するリブ21aが形成される。なお、カソード側セパレータ21は、金属に限定されず、例えばカーボン成型により形成されてもよい。
カソード流路21bには、空気供給マニホールドから導入された空気が流通する。カソード流路21bは、発電反応に用いられる空気を導入し、発電反応に用いられた空気を排出する。なお、カソード流路21bは、後述するように、Z軸方向に延びるストレート形状を有する。
また、アノード側セパレータ22には、燃料電池スタック90の上流側ガス供給マニホールド40aを構成する第1のガス導入孔220と、燃料電池スタック90の下流側ガス供給マニホールド40bを構成する不図示の第2のガス導入孔と、燃料電池スタック90のガス排出マニホールド41を構成するガス排出孔221とが設けられている。下流側ガス供給マニホールド40bを構成する第2のガス導入孔は、第1のガス導入孔220から見てZ軸の負方向に位置する。なお、第1のガス導入孔220と第2のガス導入孔のZ軸上の位置は相違する。
アノード側セパレータ22のMEGAと対向する面(Y−Z平面)には、例えばプレス金型による曲げ加工などによってアノード流路22aが形成されている。より具体的には、アノード側セパレータ22は、金属板をプレス金型で曲げ加工することでアノード流路22aを構成する不図示のリブが形成される。なお、アノード側セパレータ22は、金属に限定されず、例えばカーボン成型により形成されてもよい。
アノード流路22aには、上流側ガス供給マニホールド40a及び下流側ガス供給マニホールド40bから導入された水素ガスが流通する。アノード流路22aは、発電反応に用いられる水素ガスを導入し、発電反応に用いられた水素ガスを排出する。なお、アノード流路22aは、後述するように、Y−Z平面内で蛇行するサーペンタイン形状を有する。
互いに隣接する燃料電池1の間には、例えば樹脂により形成されたガスケット31が設けられている。より具体的には、一方の燃料電池1のアノード側セパレータ22と他方の燃料電池1のカソード側セパレータ21は、ガスケット31を挟み込むことによりカソード側セパレータ21及びアノード側セパレータ22の間の冷却水の流路23の気密性を維持する。ガスケット31は、Y−Z平面に広がるフレーム形状を有している。
また、各ガスケット30,31には、燃料電池スタック90の上流側ガス供給マニホールド40aを構成するガス通過孔300,310と、燃料電池スタック90の下流側ガス供給マニホールド40bを構成する不図示のガス通過孔と、燃料電池スタック90のガス排出マニホールド41を構成するガス通過孔301,311とが設けられている。下流側ガス供給マニホールド40bを構成するガス通過孔は、ガス通過孔300,310から見てZ軸の負方向に位置する。なお、各ガス通過孔300, 301のZ軸上の位置は相違し、各ガス通過孔310, 311のZ軸上の位置は相違する。
水素ガス(H)は、点線で示されるように、上流側ガス供給マニホールド40a及び下流側ガス供給マニホールド40bを介して各燃料電池1に供給され、ガス排出マニホールド41を介して各燃料電池1から排出される。上流側ガス供給マニホールド40aの水素ガスは、第1のガス導入孔220からアノード流路22aに導入され、アノード側ガス拡散層14を介してMEA100に到達する。MEA100により発電反応に用いられずに残った水素ガスは、アノード側ガス拡散層14を介してアノード流路22aに到達し、ガス排出孔221からガス排出マニホールド41に排出される。
また、下流側ガス供給マニホールド40bの水素ガスも、第1のガス導入孔220より下流側に位置する第2のガス導入孔からアノード流路22aに導入され、上流側ガス供給マニホールド40aの水素と同様の経路を流れる。
一方、カソード流路21bには、空気供給マニホールドから空気導入孔を介して空気が導入され、カソード側ガス拡散層13を介してMEA100に到達する。MEA100により発電反応に用いられずに残った空気は、カソード側ガス拡散層13を介してカソード流路21bに到達し、空気排出孔から空気排出マニホールドに排出される。
上述したように、燃料電池1が発電性能を維持するには、電解質膜10の湿度管理が重要である。燃料電池1のカソードでは発電反応により水分が生成されるため、カソード流路21bの下流側の領域では湿度が高いが、カソード流路21bの上流側の領域では燃料電池1の外部から空気が導入されるため、湿度が低くなる。一方、アノード流路22aの上流側の領域では、高圧タンク91から乾いた水素ガスが導入されるために湿度が低く、アノード流路22aの下流側の領域では、カソードの発電反応により生成された水分がアノードに移動して蓄積するために湿度が高い。
このため、アノード流路22aの第1のガス導入孔220がカソード流路21bの空気排出孔付近に位置し、アノード流路22aのガス排出孔221がカソード流路21bの空気導入孔付近に位置するように燃料電池1を構成する。これにより、アノード流路22aのガス排出孔221付近の領域からカソード流路21bの空気導入孔付近の領域に水分が移動し、カソード流路21bの空気排出孔付近の領域からアノード流路22aの第1のガス導入孔220付近の領域に水分が移動するため、燃料電池で生成された水分が燃料電池の内部を循環することができ、電解質膜が全面にわたって加湿される。
しかし、アノード流路22aのガス排出孔221付近では水分が不足し、アノード流路22aの下流側の領域では局所的に発電量が不十分となるおそれがある。これは、カソード流路21bから多くの水分がアノード流路22aの第1のガス導入孔220付近に移動しても、アノード流路22aを流れる過程において、カソード流路21bに移動し、また、発電反応による水素ガスの減少のためにアノード流路22a内で保持可能な水分量が減少するためである。
そこで、アノード流路22aには、再循環路81から再循環された水素ガスを第1のガス導入孔220の下流側に導入するための第2のガス導入孔が接続されている。以下にアノード側セパレータ22及びカソード側セパレータ21の構成を説明する。
(第1実施例)
図3は、第1実施例のアノード側セパレータ22及びカソード側セパレータ21を示す平面図である。図3の紙面の上方には、アノード側セパレータ22をMEA100の反対側(裏側)から正面視したときのY−Z平面の平面図が示されている。アノード側セパレータ22は、一例として矩形状を有する。
アノード側セパレータ22は、蛇行形状(サーペンタイン形状)のアノード流路22a、空気通過孔225,226、及び冷却水通過孔223,224を有する。アノード流路22aは、例えばプレス加工により形成されたリブ22b,22cなどから構成される。
アノード流路22aは、上流側ガス供給マニホールド40a、下流側ガス供給マニホールド40b、及びガス排出マニホールド41と連通することにより水素ガスが流通する。アノード流路22aには、第1のガス導入孔220、第2のガス導入孔222、及びガス排出孔221が接続されている。
第1のガス導入孔220は、高圧タンク91からアノード流路22aの上流に水素ガスを導く。第2のガス導入孔222は、アノード流路22aにおいて第1のガス導入孔220の下流側に配置され、再循環路81及びポンプPから再循環された水素ガスを第1のガス導入孔220の下流側に導く。ガス排出孔221は、水素ガスをアノード流路22aから排出路82に導く。なお、第1のガス導入孔220は第1導入孔の一例であり、第2のガス導入孔222は第2導入孔の一例である。
図3の紙面の下方には、カソード側セパレータ21をMEA100側から正面視したときのY−Z平面の平面図が示されている。カソード側セパレータ21は、一例として矩形状を有する。
カソード側セパレータ21は、直線形状(ストレート形状)の複数本のカソード流路21b、ガス通過孔210〜212、及び冷却水通過孔213,214を有する。複数本のカソード流路21bには、共通の空気導入孔216及び空気排出孔215が接続されている。
複数本のカソード流路21bは、空気供給マニホールド51及び空気排出マニホールド50と連通することにより空気が流通する。空気導入孔216は、不図示のエアコンプレッサからカソード流路21bに空気を導く。空気排出孔215は、カソード流路21bから空気を排出する。なお、空気導入孔216は第3導入孔の一例であり、空気排出孔215は排出孔の一例である。
第1のガス導入孔220と第2のガス導入孔222及び冷却水通過孔223は、アノード側セパレータ22の対向する一対の辺の一方に沿って設けられている。また、ガス通過孔210,212及び冷却水通過孔213は、カソード側セパレータ21の対向する一対の辺の一方に沿って設けられている。
より具体的には、アノード側セパレータ22の対向する一対の辺の一方において、第2のガス導入孔222、冷却水通過孔223、及び第1のガス導入孔220は、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。また、カソード側セパレータ21の対向する一対の辺の一方において、ガス通過孔212、冷却水通過孔213、及びガス通過孔210は、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。
アノード側セパレータ22の第1のガス導入孔220とカソード側セパレータ21のガス通過孔210は、重なり合うことにより上流側ガス供給マニホールド40aの一部を構成する。アノード側セパレータ22の第2のガス導入孔222とカソード側セパレータ21のガス通過孔212は、重なり合うことにより下流側ガス供給マニホールド40bの一部を構成する。アノード側セパレータ22の冷却水通過孔223とカソード側セパレータ21の冷却水通過孔213は、重なり合うことにより冷却水供給マニホールド60の一部を構成する。
また、冷却水通過孔224及びガス排出孔221は、アノード側セパレータ22の対向する一対の辺の他方に沿って設けられている。ガス通過孔211及び冷却水通過孔214は、カソード側セパレータ21の対向する一対の辺の他方に沿って設けられている。
より具体的には、アノード側セパレータ22の一対の辺の他方において、ガス排出孔221及び冷却水通過孔224は、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。また、カソード側セパレータ21の対向する一対の辺の他方において、ガス通過孔211及び冷却水通過孔214は、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。
アノード側セパレータ22のガス排出孔221とカソード側セパレータ21のガス通過孔211は、重なり合うことによりガス排出マニホールド41の一部を構成する。アノード側セパレータ22の冷却水通過孔224とカソード側セパレータ21の冷却水通過孔214は、重なり合うことにより冷却水排出マニホールド61の一部を構成する。冷却水供給マニホールド60及び冷却水排出マニホールド61は冷却水の流路23と連通する。
また、空気通過孔225,226は、アノード側セパレータ22の対向する他の一対の辺の各々に沿って設けられており、空気導入孔216及び空気排出孔215は、カソード側セパレータ21の対向する他の一対の辺の各々に沿って設けられている。より具体的には、空気導入孔216、空気排出孔215、及び空気通過孔225,226は、Y軸方向に沿ってそれぞれ設けられている。
空気導入孔216は、ガス通過孔212,211の近傍に設けられ、空気排出孔215は、ガス通過孔210の近傍に設けられている。一方の空気通過孔225は第1のガス導入孔220の近傍に設けられ、他方の空気通過孔226は第2のガス導入孔222及びガス排出孔221の近傍に設けられている。
アノード側セパレータ22の空気通過孔226とカソード側セパレータ21の空気導入孔216は、重なり合うことにより空気供給マニホールド51の一部を構成する。アノード側セパレータ22の空気通過孔225とカソード側セパレータ21の空気排出孔215は、重なり合うことにより空気排出マニホールド50の一部を構成する。
符号Raは、第1のガス導入孔220から導入された水素ガスの流れを示し、符号Rbは、第2のガス導入孔222から導入された水素ガスの流れを示す。また、符号Rcは、空気導入孔216から導入された空気の流れを示す。
第1のガス導入孔220から導入された水素ガスは、アノード流路22aに沿って蛇行しながらガス排出孔221に到達する。第2のガス導入孔222から導入された水素ガスは、第1のガス導入孔220から導入された水素ガスに合流してガス排出孔221に到達する。また、空気導入孔216から導入された空気は、カソード流路21bに沿って空気排出孔215に向かい真っ直ぐに流れる。
アノード側セパレータ22において、第1のガス導入孔220は、空気通過孔226よりも空気通過孔225の近くに配置されている。また、空気通過孔225は、カソード側セパレータ21の空気排出孔215に重なり合い、空気通過孔226は、カソード側セパレータ21の空気導入孔216に重なり合う。
このため、燃料電池1のY−Z平面を正面視した場合、第1のガス導入孔220は、空気導入孔216よりも空気排出孔215の近くに配置されている。アノード流路22aの第1のガス導入孔220の付近には、高圧タンク91から乾燥した水素ガスが導入され、カソード流路21bの空気排出孔215の付近には、発電反応により湿った空気が集中する。
このため、アノード流路22aの第1のガス導入孔220の付近とカソード流路21bの空気排出孔215の付近の湿度差は、他部分の湿度差よりも大きくなる。したがって、カソード流路21bの空気排出孔215の付近からアノード流路22aの第1のガス導入孔220の付近に、電解質膜10の加湿に十分な量の水分を移動させることが可能となる。
アノード側セパレータ22において、第2のガス導入孔222は、空気通過孔225よりも空気通過孔226の近くに配置されている。また、空気通過孔225は、カソード側セパレータ21の空気排出孔215に重なり合い、空気通過孔226は、カソード側セパレータ21の空気導入孔216に重なり合う。
このため、燃料電池1のY−Z平面を正面視した場合、第2のガス導入孔222は、空気排出孔215よりも空気導入孔216の近くに配置されている。第2のガス導入孔222には、再循環路81からの湿った水素ガスが導入される。
このため、水素ガスがアノード流路22aを流れる過程において、アノード流路22a中の水分がカソード流路21bに移動し、また、発電反応による水素ガスの減少のためにアノード流路22a内で保持可能な水分量が減少しても、第2のガス導入孔222から水素ガスとともに水分が補充される。これにより、アノード流路22aのガス排出孔221の付近に多くの水分が存在するため、アノード流路22aのガス排出孔221の付近からカソード流路21bの上流側の領域に、電解質膜10の加湿に十分な量の水分を移動させることが可能となる。
このように、上記の燃料電池1の構成によると、カソード流路21bの空気排出孔215の付近の空気に含まれる水分、及び再循環水素ガスに含まれる十分な量の水分を、電解質膜10の加湿に利用することが可能である。したがって、本実施例の燃料電池システムは、電解質膜10の加湿性能を向上することができる。
(第2実施例)
第1実施例において、第2のガス導入孔222は、空気排出孔215よりも空気導入孔216の近くに配置されているが、アノード流路22aにおいて第1のガス導入孔220より下流側であれば、その配置は限定されない。
図4は、第2実施例のアノード側セパレータ22及びカソード側セパレータ21を示す平面図である。図4において、図3と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2のガス導入孔222aは、アノード側セパレータ22の一対の辺の一方の側において、ガス排出孔221及び冷却水通過孔224の間に位置し、ガス通過孔212aは、カソード側セパレータ21の一対の辺の一方の側において、冷却水通過孔214とガス通過孔211の間に位置する。燃料電池1において、第2のガス導入孔222aとガス通過孔212aは、重なり合うことにより下流側ガス供給マニホールド40bの一部を構成する。
このため、第2のガス導入孔222aは、アノード流路22aにおいて第1実施例の第2のガス導入孔222よりも上流側であるが、第1実施例と同様に、第1のガス導入孔220より下流側に配置されている。したがって、第2のガス導入孔222aは、第1実施例と同様に、再循環路81及びポンプPから再循環された水素ガスを第1のガス導入孔220の下流側に導く。
これにより、カソード流路21bの排出孔付近からアノード流路22aの第1のガス導入孔220付近に燃料電池1内部の水分が移動した後に、アノード流路22aの上流において、第2のガス導入孔222aから水素ガスとともにさらに水分が補充されるため、第1実施例と同様に、アノード流路22aのガス排出孔221の付近からカソード流路21bの上流側に、電解質膜10の加湿に十分な量の水分を移動させることが可能となる。
また、本実施例において、空気供給マニホールド51及び空気排出マニホールド50は、2つずつ設けられている。このため、カソード側セパレータ21では、2つの空気排出孔215と2つの空気導入孔216が、Y軸方向に並列にそれぞれ配置されており、アノード側セパレータ22では、2つの空気通過孔225と2つの空気通過孔226が、Y軸方向に並列にそれぞれ配置されている。このように、カソード流路21bが複数に分割されている場合、それぞれの流路ごとに、例えば流通させる空気量を異なるように制御することができ、アノードとカソードの間の水分の移動量をより適切に制御することができる。なお、カソード流路21bの分割数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
(第3実施例)
第1及び第2実施例において、カソード流路21bはストレート形状を有しているが、これに限定されず、サーペンタイン形状を有してもよい。
図5は、第3実施例のアノード側セパレータ22及びカソード側セパレータ21を示す平面図である。図5において、図4と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
アノード側セパレータ22の対向する一対の辺の一方において、冷却水通過孔223、空気通過孔225a、及び第1のガス導入孔220は、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。アノード側セパレータ22の対向する一対の辺の他方において、ガス排出孔221、空気通過孔226a、第2のガス導入孔222a、及び冷却水通過孔224は、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。
また、カソード側セパレータ21の対向する一対の辺の一方において、冷却水通過孔213、空気排出孔215a、及びガス通過孔210は、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。カソード側セパレータ21の対向する一対の辺の他方において、ガス通過孔211、空気導入孔216a、ガス通過孔212a、及び冷却水通過孔214は、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。なお、空気導入孔216aは第3導入孔の一例であり、空気排出孔215aは排出孔の一例である。
燃料電池1において、空気導入孔216aと空気通過孔226aは重なり合うことにより空気供給マニホールド51の一部を構成し、空気排出孔215a及び空気通過孔225aは重なり合うことにより空気排出マニホールド50の一部を構成する。
カソード流路21cはサーペンタイン形状を有している。このため、空気は、符号Rcで示されるように、カソード流路21cを蛇行しながら空気導入孔216aから空気排出孔215aへと流れる。
また、水素ガスは、符号Ra,Rbで示されるように、アノード流路22aを蛇行しながら第1のガス導入孔220と第2のガス導入孔222aからガス排出孔221へと流れる。このとき、アノード流路22aの水素ガスとカソード流路21cの空気は、互いに反対方向に流れる。つまり、水素ガスの流れと空気の流れは対向流となる。
以上の構成により、第1のガス導入孔220は、空気導入孔216aよりも空気排出孔215aの近くに配置されている。このため、本実施例においても、カソード流路21cの空気排出孔215aの付近からアノード流路22aの第1のガス導入孔220の付近に、電解質膜10の加湿に十分な量の水分を移動させつつ、第2のガス導入孔222aから水素ガスとともにさらに水分を補充することが可能となる。
(第4実施例)
また、アノード流路及びカソード流路は、両方ともストレート形状を有してもよい。
図6は、第4実施例のアノード側セパレータ22及びカソード側セパレータ21を示す平面図である。図6において、図3と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
アノード側セパレータ22は、アノード流路22d、空気通過孔225d,226d、及び冷却水通過孔223dl,223dr,224dl,224drを有する。アノード流路22dは、上流側ガス供給マニホールド40a、下流側ガス供給マニホールド40b、及びガス排出マニホールド41と連通することにより水素ガスが流通する。アノード流路22dには、分配流路部227、平行流路部228、及び集合流路部229が設けられ、第1のガス導入孔220dと第2のガス導入孔222da,222dbが接続されている。
第1のガス導入孔220dは、高圧タンク91からアノード流路22dの上流に水素ガスを導く。第2のガス導入孔222da,222dbは、アノード流路22dにおいて第1のガス導入孔220dの下流側にそれぞれ配置され、再循環路81及びポンプPから再循環された水素ガスを第1のガス導入孔220dの下流側に導く。ガス排出孔221dは、水素ガスをアノード流路22dから排出路82に導く。なお、第1のガス導入孔220dは第1導入孔の一例であり、第2のガス導入孔222da,222dbは第2導入孔の一例である。
平行流路部228には、ストレート形状の複数本の流路が設けられている。平行流路部228は第2のガス導入孔222da,222dbと接続されている。
分配流路部227は、平行流路部228の上流側に設けられ、第1のガス導入孔220dと接続されている。分配流路部227には、第1のガス導入孔220dから導入された水素ガスが平行流路部228の複数本の流路に分配されるように、第1のガス導入孔220dから平行流路部228に向かって放射状に広がる複数本の流路が設けられている。
集合流路部229には、平行流路部228の下流側に設けられ、ガス排出孔221dに接続されている。集合流路部229には、平行流路部228の複数の流路から流れ込んだ水素ガスがガス排出孔221dに導かれるように、ガス排出孔221dから平行流路部228に向かって放射状に広がる複数本の流路が設けられている。
また、カソード側セパレータ21は、カソード流路21d、ガス通過孔210d,211d,212da,212db、及び冷却水通過孔213dl,213dr,214dl,214drを有する。カソード流路21dには、分配流路部217、平行流路部218、及び集合流路部219が設けられ、空気導入孔216dと空気排出孔215dが接続されている。
カソード流路21dは、空気供給マニホールド51及び空気排出マニホールド50と連通することにより空気が流通する。空気導入孔216dは、不図示のエアコンプレッサからカソード流路21dに空気を導く。空気排出孔215dは、カソード流路21dから空気を排出する。なお、空気導入孔216dは第3導入孔の一例であり、空気排出孔215dは排出孔の一例である。
平行流路部218には、ストレート形状の複数本の流路が設けられている。分配流路部217は、平行流路部218の上流側に設けられ、空気導入孔216dと接続されている。分配流路部217には、空気導入孔216dから導入された空気が平行流路部218の複数本の流路に分配されるように、空気導入孔216dから平行流路部218に向かって放射状に広がる複数本の流路が設けられている。
集合流路部219は、平行流路部218の下流側に設けられ、空気排出孔215dに接続されている。集合流路部219には、平行流路部218の複数の流路から流れ込んだ空気が空気排出孔215dに導かれるように、空気排出孔215dから平行流路部218に向かって放射状に広がる複数本の流路が設けられている。
燃料電池1において、アノード側セパレータ22の分配流路部227とカソード側セパレータ21の集合流路部219は対向し、アノード側セパレータ22の集合流路部229とカソード側セパレータ21の分配流路部217は対向する。また、アノード側セパレータ22の平行流路部228とカソード側セパレータ21の平行流路部228も対向する。
第1のガス導入孔220d及び空気通過孔225dは、アノード側セパレータ22の対向する一対の辺の一方に沿って設けられている。また、ガス通過孔210d及び空気排出孔215dは、カソード側セパレータ21の対向する一対の辺の一方に沿って設けられている。
より具体的には、アノード側セパレータ22の対向する一対の辺の一方において、空気通過孔225d及び第1のガス導入孔220dは、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。また、カソード側セパレータ21の対向する一対の辺の一方において、空気排出孔215d及びガス通過孔210dは、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。
アノード側セパレータ22の第1のガス導入孔220dとカソード側セパレータ21のガス通過孔210dは、重なり合うことにより上流側ガス供給マニホールド40aの一部を構成する。アノード側セパレータ22の空気通過孔225dとカソード側セパレータ21の空気排出孔215dは、重なり合うことにより空気排出マニホールド50の一部を構成する。
ガス排出孔221d及び空気通過孔226dは、アノード側セパレータ22の対向する一対の辺の他方に沿って設けられている。また、ガス通過孔211d及び空気導入孔216dは、カソード側セパレータ21の対向する一対の辺の他方に沿って設けられている。
より具体的には、アノード側セパレータ22の対向する一対の辺の他方において、ガス排出孔221d及び空気通過孔226dは、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。また、カソード側セパレータ21の対向する一対の辺の他方において、ガス通過孔211d及び空気導入孔216dは、Z軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。
アノード側セパレータ22のガス排出孔221dとカソード側セパレータ21のガス通過孔211dは、重なり合うことによりガス排出マニホールド41の一部を構成する。アノード側セパレータ22の空気通過孔226dとカソード側セパレータ21の空気導入孔216dは、重なり合うことにより空気供給マニホールド51の一部を構成する。
また、冷却水通過孔224dl,224dr及び第2のガス導入孔222daは、アノード側セパレータ22の対向する他の一対の辺の各々に沿って設けられており、冷却水通過孔214dl,214dr及びガス通過孔212daは、カソード側セパレータ21の対向する他の一対の辺の各々に沿って設けられている。
より具体的には、冷却水通過孔224dr、第2のガス導入孔222da、及び冷却水通過孔224dlは、Y軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。冷却水通過孔214dr、ガス通過孔212da、及び冷却水通過孔214dlは、Y軸の正方向に沿って、この順に並んでいる。
アノード側セパレータ22の第2のガス導入孔222daとカソード側セパレータ21のガス通過孔212daは、重なり合うことにより下流側ガス供給マニホールド40bの1つの一部を構成する。アノード側セパレータ22の第2のガス導入孔222dbとカソード側セパレータ21のガス通過孔212dbは、重なり合うことにより下流側ガス供給マニホールド40bの他の1つの一部を構成する。
アノード側セパレータ22の冷却水通過孔224dl,224drとカソード側セパレータ21の冷却水通過孔214dl,214drは、それぞれ重なり合うことにより冷却水排出マニホールド61の一部を構成する。アノード側セパレータ22の冷却水通過孔223dl,223drとカソード側セパレータ21の冷却水通過孔213dl,213drは、それぞれ重なり合うことにより冷却水供給マニホールド60の一部を構成する。
符号Rdは、第1のガス導入孔220dから導入された水素ガスの流れを示し、符号Reは、第2のガス導入孔222da,222dbから導入された水素ガスの流れを示す。また、符号Rfは、空気導入孔216dから導入された空気の流れを示す。
第1のガス導入孔220dから導入された水素ガスは、分配流路部227を経由して平行流路部228に流れ込み、平行流路部228に沿ってY軸の負方向に流れ、集合流路部229を経由してガス排出孔221dに到達する。第2のガス導入孔222da,222dbから導入された水素ガスは、平行流路部228において第1のガス導入孔220dから導入された水素ガスに合流してガス排出孔221dに到達する。
また、空気導入孔216dから導入された空気は、分配流路部217を経由して平行流路部218に流れ込み、平行流路部218に沿ってY軸の正方向に流れ、集合流路部219を経由して空気排出孔215dに到達する。このため、平行流路部228,218において、水素ガスの流れと空気の流れは対向流となる。
以上の構成により、第1のガス導入孔220dは、空気導入孔216dよりも空気排出孔215dの近くに配置されている。このため、本実施例においても、カソード流路21dの空気排出孔215dの付近からアノード流路22dの第1のガス導入孔220dの付近に、電解質膜10の加湿に十分な量の水分を移動させることが可能となる。
また、第2のガス導入孔222da,222dbは、アノード流路22dにおいて、第1実施例と同様に、第1のガス導入孔220dより下流側に配置されている。したがって、第2のガス導入孔222da,222dbは、第1実施例と同様に、再循環路81及びポンプPから再循環された水素ガスを第1のガス導入孔220dの下流側に導く。
これにより、アノード流路22dの平行流路部228において、第2のガス導入孔222da,222dbから水素ガスとともに水分が補充されるため、第1実施例と同様に、アノード流路22dのガス排出孔221dの付近からカソード流路21dの上流側の領域に、電解質膜10の加湿に十分な量の水分を移動させることが可能となる。
上記の各実施例において、カソード流路21b〜21dの空気排出孔215,215a,215d付近の領域からアノード流路22a,22dの第1のガス導入孔220,220d付近の領域への水分の移動量は、カソード流路21b〜21dとアノード流路22a,22dの湿度差が大きいほど多い。このため、仮に、アノード流路22a,22dの第1のガス導入孔220,220dからウェットガスが導入されて第1のガス導入孔220,220d付近の湿度が高い場合には、カソード流路21b〜21dからの水分の移動量が減少し、その結果として、電解質膜13の加湿が不十分となるおそれがある。
しかし、上述したように、アノード流路22a,22dの第1のガス導入孔220,220dからドライガスが導入されることにより、カソード流路21b〜21dとアノード流路22a,22dの湿度差は十分に大きくなる。このため、カソード流路21b〜21dの空気排出孔215,215a,215d付近の水分を効果的にアノード流路22a,22dの第1のガス導入孔220,220d付近に移動させることが可能となる。
このように、本実施例によれば、カソード流路21b〜21dの空気排出孔215,215a,215d付近の空気に含まれる水分、及び再循環水素ガスに含まれる十分な量の水分を電解質膜10の加湿に利用することが可能となる。
なお、第2実施例において、第1のガス導入孔220と第2のガス導入孔222aの間のアノード流路22aは、MEA100のうち、アノード電極12及びカソード電極11が存在する発電可能な領域(以下、「発電領域」と表記)と対向するように形成されているが、アノード電極12及びカソード電極11が存在しない発電不可能な領域(以下、「非発電領域」と表記)と対向するように形成されてもよい。非発電領域では、アノード電極12及びカソード電極11が形成されていないため、発電反応が行われない。
この場合、カソード流路21bの空気排出孔215の付近から、アノード流路22aのうち、非発電領域に対向する流路に水分が移動するため、水素ガスを、発電領域に対向する流路に入る前に十分に加湿することが可能となる。なお、第2のガス導入孔222aは、アノード流路22aのうち、非発電領域に対向する流路を短縮するため、冷却水通過孔224の位置に設けられてもよい。
また、本実施例において、供給路80は、燃料電池スタック90に水素ガスを供給する経路として再循環路81から独立に設けられているが、例えば三方弁などを介して再循環路81と接続されてもよい。この場合、燃料電池システムは、三方弁の開度を制御することにより、運転時、供給路80及び再循環路81から個別に水素ガスを燃料電池1に供給し、非運転時、ポンプPを駆動することにより供給路80及び再循環路81の両方を介して燃料電池1に水素ガスを再循環させることができる。このため、燃料電池システムは、非運転時、燃料電池1の発電で生じた水分を水素ガスの流れにより排出路82から排出することによって、例えば氷点下の環境における燃料電池1内の水分の凍結を抑制することができる。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
1 燃料電池
10 電解質膜
21 カソード側セパレータ
21b〜21d カソード流路
22 アノード側セパレータ
22a,22d アノード流路
91 高圧タンク(貯留部)
81 再循環路(再循環部)
100 MEA(膜電極接合体)
220,220d 第1のガス導入孔(第1導入孔)
222,222d,222da,222db 第2のガス導入孔(第2導入孔)
221,221d ガス排出孔
216,216a,216d 空気導入孔(第3導入孔)
215,215a,215d 空気排出孔(排出孔)
P ポンプ(再循環部)

Claims (1)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスの発電反応が行われる膜電極接合体、及び前記膜電極接合体を挟む一対のセパレータを有する燃料電池と、
    前記燃料ガスを貯蔵する貯蔵部と、
    前記燃料電池から排出された前記燃料ガスを前記燃料電池に再循環させる再循環部とを備え、
    前記一対のセパレータの一方には、前記燃料ガスが流通するアノード流路が設けられ、
    前記一対のセパレータの他方には、前記酸化剤ガスが流通するカソード流路が設けられ、
    前記アノード流路には、前記貯蔵部に貯蔵された前記燃料ガスを導入するための第1導入孔と、前記再循環部により再循環された前記燃料ガスを前記第1導入孔の下流側に導入するための第2導入孔とが接続され、
    前記カソード流路には、前記酸化剤ガスを導入するための第3導入孔と、前記酸化剤ガスを排出するための排出孔とが接続され、
    前記第1導入孔に導入される前記燃料ガスの湿度は、前記第2導入孔に導入される前記燃料ガスの湿度より低く、
    前記第1導入孔は、前記第3導入孔よりも前記排出孔の近くに配置されている、
    燃料電池システム。
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