JP6858344B2 - タンクおよびその製造方法 - Google Patents

タンクおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6858344B2
JP6858344B2 JP2017032184A JP2017032184A JP6858344B2 JP 6858344 B2 JP6858344 B2 JP 6858344B2 JP 2017032184 A JP2017032184 A JP 2017032184A JP 2017032184 A JP2017032184 A JP 2017032184A JP 6858344 B2 JP6858344 B2 JP 6858344B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welded portion
body plate
tank
plate
start point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017032184A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018136104A (ja
Inventor
楽 佐藤
楽 佐藤
佑太 辻
佑太 辻
丞志 奥田
丞志 奥田
藤澤 秀行
秀行 藤澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritz Corp
Original Assignee
Noritz Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritz Corp filed Critical Noritz Corp
Priority to JP2017032184A priority Critical patent/JP6858344B2/ja
Priority to AU2018201183A priority patent/AU2018201183B2/en
Publication of JP2018136104A publication Critical patent/JP2018136104A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6858344B2 publication Critical patent/JP6858344B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

Landscapes

  • Details Of Fluid Heaters (AREA)
  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)
  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Description

本発明は、たとえばヒートポンプなどの熱源を用いて加熱生成された給湯用の湯水や、その他の流体を貯留するのに好適なタンク、およびその製造方法に関する。
タンクの一例として給湯装置で用いられる貯湯タンクがある。この貯湯タンクは、たとえば特許文献1に記載されているように、円筒状の胴板と椀状の鏡板とを接合することによりタンク本体を構成しているのが一般的である。ここで、円筒状の胴板は、金属板を丸めた上で、この金属板の両側縁部どうしを溶接することにより製造される。このため、この胴板には、軸長方向に延びた溶接部(胴板溶接部)が設けられることとなる。椀状の鏡板は、金属板に深絞り加工などを施して製造される。これら鏡板と胴板との接合は、胴板の端部に鏡板の開口周縁部を嵌合し、または突き合わせ状態で接触させてから、この接触部分の周方向に溶接を施すことにより行なわれる。このため、胴板と鏡板との接合箇所には、環状溶接部が設けられる。
このような構成によれば、薄板状の金属板を原材料として、種々の容量の貯湯タンクを比較的廉価に製造することが可能である。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、改善すべき余地がある。
すなわち、タンク本体内に湯水が流入出する際には、タンク本体の内圧が変化する。このことにより、タンク本体のたとえば胴板には、この胴板の各所を半径方向に拡縮変形させるように作用する応力が発生する。これに対し、胴板には胴板溶接部が軸長方向に延びて設けられているため、この胴板溶接部に沿って溶接歪みが生じており、この部分において胴板の断面形状の真円度が損なわれている場合が多い。前記した溶接歪みは、胴板の端部において最も大きくなり易い。このため、タンク本体の内圧が変化した際には、胴板溶接部付近(胴板溶接部を含む、以下同様)の変形量が、胴板の他の領域の変形量よりも大きくなる。この場合、とくに胴部の端部付近の変形量が、最も大きくなり易い。
一方、鏡板と胴板とを接合する環状溶接部は、溶接の始点と終点とが略一致した配置の始点・終点領域を有しているが、この始点・終点領域は、環状溶接部の他の部分と比較して、孔あき(溶け落ち)などの溶接不良が本来的に生じ易い。これは、環状溶接部の始点および終点のそれぞれが、溶接トーチの静・動の切替えポジションであることや、溶接用の印加電圧やシールドガス流量などの種々の条件が安定し難いことなどの理由による。
ここで、従来においては、鏡板と胴板とを接合させるべく環状溶接部を設ける場合、その始点・終点領域を胴板溶接部との相対的な関係においてどのような位置に設けるかについては、なんら考慮されていないのが実情である。このため、環状溶接部の始点・終点領域は、胴板溶接部から比較的近い位置に設けられている。
ところが、このような構成によれば、環状溶接部の始点・終点領域は、タンク本体の内圧が変化する際に、胴板溶接部付近が大きく変形することの影響を強く受け、その変形量も大きくなる。その結果、元々溶接不良が生じ易い環状溶接部の始点・終点領域に、応力集中が生じることとなって、この部分に亀裂などの欠陥が発生し易くなる。これでは、貯湯タンクの耐久性を高める上で、好ましいものではない。
また、環状溶接部の始点・終点領域を、溶接歪みが大きい胴板溶接部の近くに配置させたのでは、環状溶接部の始点・終点領域に相当する箇所において、胴板と鏡板とを適切に密接させるようなことが困難化する虞も生じる。これでは、環状溶接部の始点・終点領域
の溶接品質がより低下することとなり、この部分に孔あきなどの溶接不良が一層発生し易くなる。このような溶接不良も、貯湯タンクの耐久性を低下させる大きな要因となる。
特許第5050744号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、タンク本体の内圧の変化に起因して溶接部に亀裂が生じ易くなるなどの不具合を適切に防止し、耐久性に優れたものとすることが可能なタンク、およびその製造方法を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供されるタンクは、軸長方向に延びる胴板溶接部が周壁部に設けられている円筒状の胴板と、この胴板の端部に開口周縁部が嵌合または突き合わせ状態で接触し、かつこの接触部分に設けられた環状溶接部を介して前記胴板に接合されている椀状の鏡板と、を具備して構成されたタンク本体を有する、タンクであって、前記環状溶接部は、前記胴板溶接部とは反対側の半分領域のいずれかに始点・終点領域が位置する構成とされており、前記胴板および前記鏡板の少なくとも一方のうち、前記タンク本体の軸長方向視における前記胴板溶接部の両側領域の双方に、跨がるようにして接合された補強部材を、さらに備えており、前記補強部材は、前記タンク本体を支持する脚部であることを特徴としている。
ここで、「胴板溶接部とは反対側の半分領域」とは、たとえば図4に示す領域Aが相当する。同図は、タンク本体Taの軸長方向視の断面図(平面断面図)である。同図において、領域Aは、胴板溶接部Waの位置を角度0°とした上で、タンク本体Taの中心O周りの一定方向に角度θを増加させていく場合において、この角度θが90°〜270°の範囲である。
また、本発明の第2の側面により提供されるタンクは、軸長方向に延びる胴板溶接部が周壁部に設けられている円筒状の胴板と、この胴板の端部に開口周縁部が嵌合または突き合わせ状態で接触し、かつこの接触部分に設けられた環状溶接部を介して前記胴板に接合されている椀状の鏡板と、を具備して構成されたタンク本体を有する、タンクであって、前記環状溶接部は、前記胴板溶接部とは反対側の半分領域のいずれかに始点・終点領域が位置する構成とされており、前記胴板および前記鏡板の少なくとも一方のうち、前記タンク本体の軸長方向視における前記始点・終点領域の両側領域の双方に、跨がるようにして接合された補強部材を、さらに備えており、前記補強部材は、前記タンク本体を支持する脚部であることを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、前記構成においては、胴板と鏡板とを接合するための環状溶接部のうち、溶接の品質が低くなる可能性が高い始点・終点領域は、胴板溶接部から遠ざけられた配置とされている。このため、本発明によれば、従来技術とは異なり、タンク本体内に湯水などの流体が流入出することによってタンク本体の内圧が変化する際に、胴板溶接部付近が比較的大きく変形する現象を生じたとしても、その影響を環状溶接部の始点・終点領域に及び難くし、この始点・終点領域に応力集中を生じないようにすることが可能となる。その結果、環状溶接部の始点・終点領域に亀裂などの欠陥を発生し難くし、タンクの耐久性を高めることができる。
さらに、環状溶接部の始点・終点領域が溶接歪みの大きい胴板溶接部から遠ざけられた配置とされていれば、従来技術とは異なり、環状溶接部の始点・終点領域に相当する箇所に溶接を施す際に、胴板と鏡板とを適切に密接させることが困難になるといったことも解消される。このため、環状溶接部の始点・終点領域の溶接品質が低下することを抑制し、この部分に孔あき(溶け落ち)などの溶接不良を生じ難くすることもできる。その結果、タンクの耐久性を一層高めることができる。
さらに、補強部材を利用した補強作用により、タンク本体の胴板溶接部付近がタンク本体の内圧の変化に伴って大きく変形しないようにして、環状溶接部の始点・終点領域の付近が、胴板溶接部付近の影響を受けて大きく変形することを一層抑制し、始点・終点領域に応力集中を生じ難くすることができ、または環状溶接部の始点・終点領域の付近を補強部材によって補強することができる。その結果、始点・終点領域に亀裂などの欠陥が生じることをより適切に防止することが可能となる。
さらに、タンクの脚部を前記した補強部材として兼用しているため、その構成は合理的であり、部品点数の増加などを適切に解消することができる。
本発明において、好ましくは、前記環状溶接部の始点・終点領域は、前記タンク本体の中心を挟んで前記胴板溶接部とは略正反対の位置に設けられている。
このような構成によれば、環状溶接部の始点・終点領域の位置は、環状溶接部の中で胴板溶接部から最も遠い位置となる。このため、胴板溶接部付近の溶接歪みの影響が環状溶
接部の始点・終点領域に及ぶことを防止するのに最適化され、または最適化に近いものとなる。したがって、タンクの耐久性を高める上で、より好ましいものとなる。
本発明の第の側面により提供されるタンクの製造方法は、軸長方向に延びる胴板溶接部が周壁部に設けられている円筒状の胴板の端部と、椀状の鏡板の開口周縁部とを嵌合または突き合わせ状態で接触させ、かつこの接触部分に環状溶接部を設けることにより、前記胴板と前記鏡板とを接合してタンク本体を形成するための溶接工程を、有している、タンクの製造方法であって、前記環状溶接部は、前記胴板溶接部とは反対側の半分領域のいずれかに始点・終点領域が位置するように設ける一方、前記胴板および前記鏡板の少なくとも一方のうち、前記タンク本体の軸長方向視における前記胴板溶接部の両側領域の双方に跨がるようにして補強部材を接合する工程を、さらに有しており、前記補強部材として、前記タンク本体を支持する脚部を用いることを特徴としている。
本発明の第4の側面により提供されるタンクの製造方法は、軸長方向に延びる胴板溶接部が周壁部に設けられている円筒状の胴板の端部と、椀状の鏡板の開口周縁部とを嵌合または突き合わせ状態で接触させ、かつこの接触部分に環状溶接部を設けることにより、前記胴板と前記鏡板とを接合してタンク本体を形成するための溶接工程を、有している、タンクの製造方法であって、前記環状溶接部は、前記胴板溶接部とは反対側の半分領域のいずれかに始点・終点領域が位置するように設ける一方、前記胴板および前記鏡板の少なくとも一方のうち、前記タンク本体の軸長方向視における前記始点・終点領域の両側領域の双方に跨がるようにして補強部材を接合する工程を、さらに有しており、前記補強部材として、前記タンク本体を支持する脚部を用いることを特徴としている。
このような構成によれば、本発明の第1または第2の側面により提供されるタンクを、適切に製造することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
(a)は、本発明が適用された貯湯タンクの一例を示す斜視図であり、(b)は、(a)のIb−Ib断面図であり、(c)は、(b)の要部拡大図である。 (a)〜(d)は、図1に示す貯湯タンクの製造工程の一例を示す概略斜視図である。 本発明の他の例を示す斜視図である。 本発明における胴板溶接部と環状溶接部の始点・終点領域との位置関係を示す説明図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明が適用されたタンクの一例としての貯湯タンクTを示し、図2は、その製造方法を示すが、貯湯タンクTの構成については、図2も適宜参照しつつ説明する。
図1に示す貯湯タンクTは、たとえば貯湯式給湯装置の構成要素として用いられ、ヒートポンプやその他の所定の熱源を利用して加熱された湯水を貯留させる用途に用いられるものである。同図(a)に示すように、この貯湯タンクTは、胴板1の上下に鏡板2(2a,2b)を溶接して構成されたステンレス製などの金属製のタンク本体Taと、このタンク本体Taを上下高さ方向に起立させた姿勢で支持する複数の脚部3とを備えた構成である。図面では省略しているが、上側の鏡板2(2a)の上部、および下側の鏡板2(2b)の下部には、タンク本体Ta内に給湯用の湯水を流入出させるための配管が接続されている。
胴板1は、図2(a)に示すように、原材料となる平板状の金属板1aを円筒状に丸めて、この金属板1aの両端縁部10どうしを溶接して製造されたものである。この溶接は、たとえばTIG溶接である。後述する図2(c)に示す溶接もTIG溶接であり、これらの図において、符号8は、TIG溶接トーチである。胴板1は、その周壁部12に前記溶接による胴板溶接部Waが軸長方向(上下高さ方向)に延びた状態で設けられた円筒状である。
各鏡板2は、原材料となる金属板に深絞り加工などを施すことにより、全体の概略形状が一端側開口状の椀状に形成されたものであり、開口周縁部20を有している(図2(b)も参照)。図2(c)に示すように、上側および下側の鏡板2は、これらの開口周縁部20を胴板1の上端部および下端部に嵌合または突き合わされた状態で接触させ、かつこの接触部分の全周にわたって溶接を施すことにより、胴板1に接合されている。前記溶接の位置が、環状溶接部Wbであり、上側および下側の2つの環状溶接部Wbがある。各環状溶接部Wbの始点・終点領域Pは、タンク本体Taの中心Oを挟んで胴板溶接部Waとは略正反対の位置、すなわち胴板溶接部Waと中心Oとを結ぶ直線L上、または直線Lの近傍に位置にしている(図1(b)も参照)。環状溶接部Wbの始点(溶接始点)と終点(溶接終点)とは、略一致した配置、またはかなり接近した配置にあり、始点・終点領域Pは、これら始点および終点を一つの領域とみなしたものである。
図1(a)において、各脚部3は、タンク本体Taに接合されたブラケット部30、およびこのブラケット部30から下向きに延びた脚本体部31を備えた構成である。ブラケット部30は、たとえば平面断面略L字または略V字状の金属板であり、このブラケット部30の左右両側縁部30aがタンク本体Taの外面に溶接されている。脚本体部31は、その上部がブラケット部30にボルト止めなどの手段を用いて連結されており、この脚本体部31の下端部は、貯湯タンクTが設置される床面にアンカボルトなどを利用して固定可能とされている。
複数の脚部3は、胴板1の下部寄り領域の外周面に略等角度間隔で取り付けられている。ただし、図1(c)によく表われているように、脚部3Aについては、胴板溶接部Waの両側領域AR1の双方に跨がるようにしてこれら両側領域AR1に溶接されている(図2(d)も参照)。脚部3Aは、胴板溶接部Waの下端付近Sbを補強する役割を果たし、本発明でいう補強部材の一例に相当する。一方、図1(b)において、タンク本体Taの中心Oを挟んで脚部3Aとは反対側に位置する脚部3Bは、環状溶接部Wbの始点・終点領域Pの両側領域AR2の双方に跨がるようにしてこれら両側領域AR2に溶接されて
いる。
次に、前記した貯湯タンクTの作用について説明する。
まず、胴板1の周壁部12のうち、胴板溶接部Waに沿った領域には、多少の溶接歪みが発生している。胴板溶接部Waの上下両端付近Sa,Sbは、胴板1のエッジ部分への溶接であるため、これら上下両端付近Sa,Sbにおける溶接歪みは大きくなり易い。このことにより、胴板溶接部Waの上下両端付近Sa,Sbは、胴板1の周壁部12の真円度を悪化させるように歪んだ部分となっている。このため、タンク本体Taに湯水が流入出され、タンク本体Taの内圧が変化する際には、胴板溶接部Waの上下両端付近Sa,Sbは、胴板1の他の部分よりも胴板1の半径方向に大きく拡縮変形し易い部分となる。
ここで、環状溶接部Wbの始点・終点領域Pが、本実施形態とは異なり、胴板溶接部Waに接近した位置にあれば、始点・終点領域Pが胴板溶接部Waの上下両端付近Sa,Sbが大きく変形することの影響を強く受け、タンク本体Taの内圧が変化する際に、始点・終点領域Pが大きく歪む虞がある。これに対し、本実施形態においては、環状溶接部Wbの始点・終点領域Pは、タンク本体Taの中心Oを挟んで胴板溶接部Waとは略正反対の位置にあり、胴板溶接部Waから最も遠ざけられた位置ある。このため、タンク本体Taの内圧が変化する際に胴板溶接部Waが大きく変形する作用は、環状溶接部Wbの始点・終点領域Pに殆ど及ばないこととなる。したがって、タンク本体Taの内圧が変化する際における始点・終点領域Pの歪みを小さく抑えることができる。環状溶接部Wbの始点・終点領域Pは、本来的には、溶接の品質低下を招き易い部分であり、この部分には不当な応力集中が生じないようにすることが望まれるが、本実施形態によれば、そのようなことを適切に実現することが可能である。その結果、環状溶接部Wbの始点・終点領域Pに亀裂などを生じ難くし、貯湯タンクTの耐久性を高めることができる。
脚部3(3A)のブラケット部30は、既述したように、胴板溶接部Waの両側領域AR1の双方に跨がるようにして接合されており、これら両側領域AR1を補強している。したがって、タンク本体Taの内圧が変化した際に、胴板溶接部Waの下端付近Sbが胴板1の半径方向に大きく変形することは抑制される。その結果、胴板溶接部Waの下端付近Sbに亀裂などが生じる虞を解消することができるばかりか、環状溶接部Wbの始点・終点領域Pが、胴板溶接部Waの下端付近Sbが変形することの影響を受けて歪むことも一層抑制される。
脚部3(3B)のブラケット部30は、環状溶接部Wbの始点・終点領域Pの両側領域AR2の双方に跨がるようにして接合されており、これらの領域AR2を補強している。したがって、このこと自体によっても環状溶接部Wbの始点・終点領域Pがタンク本体Taの内圧変化時に大きく変形しないようにする効果が得られる。このようなことから、上側および下側の2つの環状溶接部Wbのうち、下側の環状溶接部Wbの始点・終点領域Pについては、亀裂などをより生じ難くすることが可能である。他方の上側の環状溶接部Wbの始点・終点領域Pについては、脚部3A,3Bを利用した補強はなされていないものの、この上側の環状溶接部Wbについては、既述したように、その始点・終点領域Pを胴板溶接部Waから遠い配置に設けた構成に基づき、この始点・終点領域Pに亀裂などを生じ難くする効果が得られるため、とくに不具合はない。
本実施形態においては、図2(c)に示すように、環状溶接部Wbを設けるための溶接を施す場合、環状溶接部Wbの始点・終点領域Pは、胴板溶接部Waに起因する溶接歪みがない箇所となる。このため、始点・終点領域Pにおいては、胴板1と鏡板2とを適切に接触させることが可能となる。本実施形態とは異なり、環状溶接部Wbの始点・終点領域Pを溶接歪みが大きい胴板溶接部Waの近傍位置としたのでは、この始点・終点領域Pに
相当する箇所において、胴板1と鏡板2とを適切に接触させることができず、これらの相互間に溶接不良の原因となる隙間が発生し、始点・終点領域Pの溶接の質が低下する虞がある。本実施形態によれば、そのような虞も適切に解消することが可能である。
図3は、本発明の他の実施形態を示している。同図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付すこととし、重複説明は省略する。
図3に示す実施形態においては、脚部3Aのブラケット部30が、胴板1に代えて、下側の鏡板2(2b)の領域AR3に接合されている。この領域AR3は、平面視(本発明でいう軸長方向視の一例)において、胴板溶接部Waの両側に位置する領域である。
このような構成によれば、ブラケット部30は、前記実施形態とは異なり、胴板溶接部Waの実際の両側領域AR1には接合されていないが、鏡板2と胴板1とは接合されて一体化されているため、図3に示す構成であっても、胴板溶接部Waの下端付近Sbが容易に変形しないように補強することが可能である。
本実施形態から理解されるように、本発明においては、補強部材(脚部3A)を用いることによって、タンク本体の内圧変化時における胴板溶接部付近の変形を抑制するための補強を図る場合、この補強部材は、必ずしも胴板溶接部の実際の両側領域に接合されていなくてもよく、要は、タンク本体の軸長方向視において、胴板溶接部の両側領域に相当する部分に接合された配置にあればよい。
図3においては省略しているが、前記したのと同様な構成は、下側の環状溶接部Wbの始点・終点領域Pを、脚部3Bを用いて補強する場合にも適用することができる。すなわち、下側の鏡板2のうち、平面視において下側の環状溶接部Wbの始点・終点領域Pの両側領域(両側領域AR2の下方領域)に脚部3Bのブラケット部30を接合することによって、下側の環状溶接部Wbの始点・終点領域Pを間接的に補強する構成を採用することもできる。
図4は、先の「発明の概要」の欄において参酌された図である。本発明においては、胴板溶接部Waを基準(角度0°)として、同図に示す角度θが90°〜270°の範囲A(胴板溶接部Waとは反対側の半分領域A)のいずれかの位置に、環状溶接部Wbの始点・終点領域Pが配置されていればよい。環状溶接部Wbの始点・終点領域Pを胴板溶接部Waから遠ざけた配置とし、始点・終点領域Pに応力集中を生じないようにする上では、先に述べた実施形態のように、始点・終点領域Pを角度θが略180°となる配置することが好ましいが、前記した範囲Aのいずれかにあれば、始点・終点領域Pが胴板溶接部Waの溶接歪みの悪影響を受けることを効果的に抑制し、本発明が意図する効果を得ることが可能である。
本発明者らは、図1に示す貯湯タンクTのタンク本体Taと同様な構成のタンク本体を製作し、かつこのタンク本体内への加圧時とその開放時との双方の時期における胴板および各鏡板の各部に発生する歪みの分布(半径方向の歪み)を調査する実験を行なった。この実験によれば、前記した範囲Aにおいて発生する歪みは、他の範囲における歪みと比較して小さくなることが判明した。したがって、本発明において、前記した範囲Aに環状溶接部の始点・終点領域Pを配置させることにより、この始点・終点領域Pに生じる歪みが小さくなる効果が得られることは、前記した実験結果からも裏付けられる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係るタンクの各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。本発明に係るタンクの製造方法の各工程の具体的な構成も、本発明の意図する範囲内において種々に変更自在である。
上述の実施形態においては、補強部材(脚部3A,3B)が下側の環状溶接部に対応すべくタンク本体の下部側のみに設けられているが、これに代えて、または加えて、補強部材が上側の環状溶接部に対応すべくタンク本体の上部側に設けられた構成とすることもできる。
胴板溶接部や環状溶接部は、TIG溶接に限らず、溶接の種類は限定されない。
本発明に係るタンクは、給湯装置用の貯湯タンクに限らず、これ以外の用途に用いられるタンクとして構成することができる。タンク本体内に入れられる流体は、湯水に限らず、これ以外の液体、気体などの流体であってもよい。したがって、タンクの材質もステンレスなどに限定されない。
T 貯湯タンク(タンク)
Ta タンク本体
Wa 胴板溶接部
Wb 環状溶接部
P 始点・終点領域(環状溶接部の)
AR1 両側領域(胴板溶接部の)
AR2 両側領域(環状溶接部の)
1 胴板
12 周壁部
2 鏡板
20 開口周縁部
3(3A,3B) 脚部(補強部材)

Claims (5)

  1. 軸長方向に延びる胴板溶接部が周壁部に設けられている円筒状の胴板と、
    この胴板の端部に開口周縁部が嵌合または突き合わせ状態で接触し、かつこの接触部分に設けられた環状溶接部を介して前記胴板に接合されている椀状の鏡板と、
    を具備して構成されたタンク本体を有する、タンクであって、
    前記環状溶接部は、前記胴板溶接部とは反対側の半分領域のいずれかに始点・終点領域が位置する構成とされており、
    前記胴板および前記鏡板の少なくとも一方のうち、前記タンク本体の軸長方向視における前記胴板溶接部の両側領域の双方に、跨がるようにして接合された補強部材を、さらに備えており、
    前記補強部材は、前記タンク本体を支持する脚部であることを特徴とする、タンク。
  2. 軸長方向に延びる胴板溶接部が周壁部に設けられている円筒状の胴板と、
    この胴板の端部に開口周縁部が嵌合または突き合わせ状態で接触し、かつこの接触部分に設けられた環状溶接部を介して前記胴板に接合されている椀状の鏡板と、
    を具備して構成されたタンク本体を有する、タンクであって、
    前記環状溶接部は、前記胴板溶接部とは反対側の半分領域のいずれかに始点・終点領域が位置する構成とされており、
    前記胴板および前記鏡板の少なくとも一方のうち、前記タンク本体の軸長方向視における前記始点・終点領域の両側領域の双方に、跨がるようにして接合された補強部材を、さらに備えており、
    前記補強部材は、前記タンク本体を支持する脚部であることを特徴とする、タンク。
  3. 請求項1または2に記載のタンクであって、
    前記環状溶接部の始点・終点領域は、前記タンク本体の中心を挟んで前記胴板溶接部とは略正反対の位置に設けられている、タンク。
  4. 軸長方向に延びる胴板溶接部が周壁部に設けられている円筒状の胴板の端部と、椀状の鏡板の開口周縁部とを嵌合または突き合わせ状態で接触させ、かつこの接触部分に環状溶接部を設けることにより、前記胴板と前記鏡板とを接合してタンク本体を形成するための溶接工程を、有している、タンクの製造方法であって、
    前記環状溶接部は、前記胴板溶接部とは反対側の半分領域のいずれかに始点・終点領域が位置するように設ける一方、
    前記胴板および前記鏡板の少なくとも一方のうち、前記タンク本体の軸長方向視における前記胴板溶接部の両側領域の双方に跨がるようにして補強部材を接合する工程を、さらに有しており、
    前記補強部材として、前記タンク本体を支持する脚部を用いることを特徴とする、タンクの製造方法。
  5. 軸長方向に延びる胴板溶接部が周壁部に設けられている円筒状の胴板の端部と、椀状の鏡板の開口周縁部とを嵌合または突き合わせ状態で接触させ、かつこの接触部分に環状溶接部を設けることにより、前記胴板と前記鏡板とを接合してタンク本体を形成するための溶接工程を、有している、タンクの製造方法であって、
    前記環状溶接部は、前記胴板溶接部とは反対側の半分領域のいずれかに始点・終点領域が位置するように設ける一方、
    前記胴板および前記鏡板の少なくとも一方のうち、前記タンク本体の軸長方向視における前記始点・終点領域の両側領域の双方に跨がるようにして補強部材を接合する工程を、さらに有しており、
    前記補強部材として、前記タンク本体を支持する脚部を用いることを特徴とする、タンクの製造方法。
JP2017032184A 2017-02-23 2017-02-23 タンクおよびその製造方法 Active JP6858344B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017032184A JP6858344B2 (ja) 2017-02-23 2017-02-23 タンクおよびその製造方法
AU2018201183A AU2018201183B2 (en) 2017-02-23 2018-02-19 Tank and manufacturing method therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017032184A JP6858344B2 (ja) 2017-02-23 2017-02-23 タンクおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018136104A JP2018136104A (ja) 2018-08-30
JP6858344B2 true JP6858344B2 (ja) 2021-04-14

Family

ID=63364267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017032184A Active JP6858344B2 (ja) 2017-02-23 2017-02-23 タンクおよびその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6858344B2 (ja)
AU (1) AU2018201183B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU550368B2 (en) * 1980-03-13 1986-03-20 Rheem Australia Pty Limited Improved water heater cylinder + method for making same
SE9804196L (sv) * 1998-12-03 2000-06-04 Bo Roennkvist En mantel för ett kärl, ett kärl och sätt att tillverka dessa
JP5010323B2 (ja) * 2006-04-10 2012-08-29 日新製鋼株式会社 溶接構造温水容器用フェライト系ステンレス鋼および温水容器並びにその製造法
JP5050744B2 (ja) * 2007-09-10 2012-10-17 パナソニック株式会社 貯湯タンクおよびそれを用いたヒートポンプ給湯機
NO339244B1 (no) * 2014-02-11 2016-11-21 Braathen Thor F Tank samt fremgangsmåte for fremstilling av en tank
US9840040B2 (en) * 2014-07-24 2017-12-12 Infiltrator Water Technologies Llc Plastic tank having fusion welded parts

Also Published As

Publication number Publication date
AU2018201183B2 (en) 2023-08-24
JP2018136104A (ja) 2018-08-30
AU2018201183A1 (en) 2018-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5156746B2 (ja) 閉鎖された中空横断面を有する部材を溶接する方法
JP2005279778A (ja) 肉厚の構成部材と肉薄の構成部材との間の溶接結合部ならびに内燃機関に用いられる燃料高圧ポンプ
US8047342B2 (en) Strut type shock absorber
JP2011144768A (ja) 直噴エンジン用高圧燃料デリバリパイプ及びその製造方法
JP6858344B2 (ja) タンクおよびその製造方法
JP2017129206A (ja) 電気的駆動弁及びその製造方法
WO2016009090A1 (en) Metallic flat gasket
JP5595114B2 (ja) 超伝導加速空洞の製造方法
US10808843B2 (en) Metallic flat gasket
US8536479B2 (en) Method for welding shafts on vertical rotational axis
JP5253367B2 (ja) 薄板部材の溶接方法、およびその方法を用いた缶体の製造方法
US7188417B2 (en) Advanced L-channel welded nozzle design
JP2012148304A (ja) 薄板部材の溶接方法、およびその溶接方法を用いた缶体の製造方法
JP6896687B2 (ja) 接続部の製造方法
JP2017225990A (ja) スポット溶接方法、貯湯タンクの製造方法、貯湯タンク及びバッフル
JP2018501111A (ja) 流体導管要素及び流体導管要素を製造するための方法
AU2008274879A1 (en) Method of forming a tank
JP6606037B2 (ja) 架構型配管拘束支持具、架構型配管拘束支持構造体、架構型配管拘束支持構造体の組立て方法
JP4451296B2 (ja) 触媒コンバータ及びその製造方法
JP2010052739A (ja) 金属ライナーを内面に備えた繊維強化樹脂補強タンクおよびその製造方法
KR20190135480A (ko) 파이프 라인의 핫탭 피팅의 왜곡 제어 및 용접 후 열처리 없는 두껍고 긴 심의 용접 시스템 및 방법
JP2020116517A (ja) 吸着筒
JP2015064159A (ja) 熱交換器および熱交換器の製造方法
JP2015034645A (ja) チューブシートレス構造の多管式熱交換器
CN111843273B (zh) 制造具有连接凸缘的管的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210307

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6858344

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150