以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図8は、本実施の形態による貨幣処理システムおよびこのような貨幣処理システムに設けられた貨幣釣銭機および貨幣入出金機等を示す図である。
図1に示すように、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の商業施設の店舗において、顧客が立ち入ることができるフロント領域12には様々な商品が陳列された商品棚が設置されているとともに、このフロント領域12の精算所(具体的には、対面式レジカウンター)には貨幣釣銭機20やPOSレジスタ60(図2参照)が設置されている。ここで、フロント領域12に複数の精算所が設けられる場合には、各精算所にそれぞれ貨幣釣銭機20およびPOSレジスタ60が設置されるようになる。顧客がこのような精算所で精算処理を行う際に、店員は、顧客から受け取った商品の代金としての貨幣を貨幣釣銭機20に入金したり、釣銭としての貨幣を貨幣釣銭機20から出金して顧客に返却したりするようになっている。また、POSレジスタ60により、顧客が購入した商品に係る情報や貨幣釣銭機20に収納されている貨幣に係る情報等の管理が行われるようになっている。
また、このような店舗における顧客の立ち入りが禁止されたバックヤード領域14(具体的には、例えば出納室)には貨幣入出金機30(具体的には、例えば出納機)が設置されている。ここで、バックヤード領域14に設置される貨幣入出金機30は、貨幣釣銭機20から回収された店舗の売上金としての貨幣の入金処理を行うことができるようになっている。また、貨幣釣銭機20において釣銭としての貨幣が不足する場合には、貨幣入出金機30から釣銭準備金としての貨幣を出金し、この貨幣入出金機30から出金された釣銭準備金としての貨幣を貨幣釣銭機20に補充することができるようになっている。
本実施の形態では、このような貨幣釣銭機20および貨幣入出金機30を組み合わせることにより本発明に係る貨幣処理システム10が構成されている。また、このような貨幣処理システム10において、紙幣を収納するとともに収納されている紙幣の繰り出しを行う収納カセット40によって貨幣釣銭機20と貨幣入出金機30との間で紙幣の受け渡しが行われるようになっている。このような収納カセット40は各貨幣釣銭機20に対応して複数設けられている。また、複数の収納カセット40の各々には識別番号等の識別情報が対応付けられるようになっている。具体的には、各収納カセット40には例えば001から順に識別番号が割り当てられるようになっている。また、複数の収納カセット40は略同一の大きさの略直方体形状のケーシングを有しており、ケーシングの内部に紙幣が収納されるようになっている。また、収納カセット40には、当該収納カセット40の識別情報や収納カセット40に収納されている紙幣に関する情報等の様々な情報を記憶するICタグ等の記憶媒体42が設けられている。また、後述するように、収納カセット40は、貨幣釣銭機20および貨幣入出金機30にそれぞれ着脱自在に装着されるようになっている。また、収納カセット40の側面には開口40aが設けられており、収納カセット40が貨幣釣銭機20や貨幣入出金機30に装着されたときに、貨幣釣銭機20や貨幣入出金機30の搬送部(後述)から開口40aを介して収納カセット40の内部に紙幣が送られるとともに、収納カセット40の内部から繰り出された紙幣が開口40aを介して貨幣釣銭機20や貨幣入出金機30の搬送部に送られるようになっている。
以下、貨幣釣銭機20および貨幣入出金機30の構成の詳細について説明する。
まず、店舗のフロント領域12に設けられた貨幣釣銭機20の構成の詳細について図2および図3を用いて説明する。図2に示すように、本実施の形態による貨幣釣銭機20は、上下に並ぶよう配置された硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26と、これらの硬貨処理装置24や包装硬貨収納装置26の隣に並ぶよう配置された紙幣処理装置22とを備えており、紙幣処理装置22や硬貨処理装置24の上面にはPOSレジスタ60が載置されるようになっている。また、硬貨処理装置24の上部にはタッチパネル等の操作表示部29aが設けられている。紙幣処理装置22および硬貨処理装置24は、それぞれ、紙幣や硬貨の入出金処理を行うようになっている。また、包装硬貨収納装置26は、各金種の包装硬貨(同一金種の硬貨を一定枚数(例えば、20枚や50枚)だけ棒状にまとめてフィルムや包装紙等により包装したもの)を取り出し可能に収納するようになっている。また、紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)を包装硬貨収納装置26に収納することができるようになっている。また、POSレジスタ60は、貨幣釣銭機20の管理を行う管理装置として用いられるようになっている。
紙幣処理装置22には、筐体の外部から内部に紙幣を投入するための投入部と、筐体の内部で紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部と、搬送部により搬送される紙幣の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別を行う識別部と、筐体の内部から外部に紙幣を払い出すための払出部とがそれぞれ設けられている。また、図3に示すように、紙幣処理装置22には、搬送部から送られた紙幣を収納するとともに収納されている紙幣を搬送部に1枚ずつ繰り出し可能な収納繰出部22aが設けられている。なお、上述した投入部、搬送部、識別部、払出部等により、紙幣の処理を行う紙幣処理部22bが構成されている。また、紙幣処理装置22には、収納カセット40が装着されるカセット装着部22cが設けられている。ここで、収納カセット40が紙幣処理装置22のカセット装着部22cに装着されているときに、紙幣処理装置22に設けられた搬送部(図示せず)から開口40aを介して紙幣が収納カセット40の内部に送られたり、収納カセット40に収納されている紙幣が開口40aを介して紙幣処理装置22の搬送部に繰り出されたりするようになっている。より詳細には、収納カセット40の内部には、当該収納カセット40に収納されている紙幣を開口40aから外部に繰り出す紙幣繰出機構が設けられている。また、収納カセット40が紙幣処理装置22のカセット装着部22cに装着されているときに、紙幣処理装置22側から収納カセット40の紙幣繰出機構に動力が伝達されるようになっている。このように、収納カセット40が紙幣処理装置22のカセット装着部22cから取り出された状態では当該収納カセット40に収納されている紙幣を外部に繰り出させることができないため、収納カセット40に収納されている紙幣のセキュリティ性を向上させることができる。また、紙幣処理装置22には、カセット装着部22cに装着されている収納カセット40の記憶媒体42から情報を読み取ったり当該記憶媒体42に情報を書き込んだりするリーダライタ22dが設けられている。
硬貨処理装置24には、筐体の外部から内部に硬貨を投入するための投入部と、筐体の内部で硬貨を1枚ずつ搬送する搬送部と、搬送部により搬送される硬貨の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別を行う識別部と、筐体の内部から外部に硬貨を払い出すための払出部とがそれぞれ設けられている。また、図3に示すように、硬貨処理装置24には、搬送部から送られた硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を搬送部に1枚ずつ繰り出し可能な収納繰出部24aが設けられている。なお、上述した投入部、搬送部、識別部、払出部等により、硬貨の処理を行う硬貨処理部24bが構成されている。
包装硬貨収納装置26には、筐体の内部から手前側に引出可能となっている収納ドロア(図示せず)と、収納ドロアを筐体の内部でロックするロック機構26aとがそれぞれ設けられている。ここで、収納ドロアには複数の包装硬貨が収納されるようになっている。また、ロック機構26aによる収納ドロアのロックが解除されると、操作者は収納ドロアを筐体の内部から手前側に引き出してこの収納ドロアから包装硬貨を取り出したり当該収納ドロアに包装硬貨を収納したりすることができるようになっている。また、収納ドロアには、紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)も収納させることができるようになっている。
次に、このような貨幣釣銭機20における制御系の構成について図3を用いて説明する。図3に示すように、貨幣釣銭機20にはCPU(中央演算処理ユニット)等の制御部28が設けられており、紙幣処理装置22、硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26の各構成部材がそれぞれ当該制御部28に接続されている。このことにより、リーダライタ22dにより収納カセット40の記憶媒体42から読み取られた情報は制御部28に送られるようになる。また、制御部28は紙幣処理装置22、硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26の各構成部材に指令を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うことができるようになっている。また、図3に示すように、制御部28には操作表示部29a、記憶部29b、通信インターフェース部29cおよび印字部29dがそれぞれ接続されている。操作表示部29aには、紙幣処理装置22、硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理状況に係る情報等が表示されるようになっている。また、操作者は操作表示部29aにより制御部28に様々な指令を入力することができるようになっている。また、記憶部29bには、紙幣処理装置22、硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理履歴に係る情報等が記憶されるようになっている。また、制御部28は通信インターフェース部29cによりPOSレジスタ60等の外部装置に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。また、印字部29dは、紙幣処理装置22、硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理履歴に係る情報等をレシートに印字するようになっている。
次に、店舗のバックヤード領域14に設けられた出納機等の貨幣入出金機30の構成の詳細について図4および図5を用いて説明する。ここで、バックヤード領域14に設置される貨幣入出金機30は、貨幣釣銭機20から回収された店舗の売上金としての貨幣の入金処理を行うことができるようになっている。また、貨幣釣銭機20において釣銭としての貨幣が不足する場合には、貨幣入出金機30から釣銭準備金としての貨幣を出金し、この貨幣入出金機30から出金された釣銭準備金としての貨幣を貨幣釣銭機20に補充することができるようになっている。
図4に示すように、貨幣入出金機30は、紙幣の入金処理および出金処理を行う紙幣処理装置32、硬貨の入金処理および出金処理を行う硬貨処理装置34、および包装硬貨を収納する包装硬貨収納装置36を備えている。図4に示すように、紙幣処理装置32および硬貨処理装置34は貨幣入出金機30を手前側から見て左右に並ぶよう配置されており、これらの紙幣処理装置32および硬貨処理装置34の下方に包装硬貨収納装置36が配置されている。また、硬貨処理装置34の上部にはタッチパネル等の操作表示部39aが設けられている。紙幣処理装置32および硬貨処理装置34は、それぞれ、紙幣や硬貨の入出金処理を行うようになっている。また、包装硬貨収納装置36は、各金種の包装硬貨を取り出し可能に収納するようになっている。また、紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)を包装硬貨収納装置36に収納することができるようになっている。
紙幣処理装置32には、筐体の外部から内部に紙幣を投入するための投入部と、筐体の内部で紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部と、搬送部により搬送される紙幣の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別を行う識別部と、筐体の内部から外部に紙幣を払い出すための払出部とがそれぞれ設けられている。また、図5に示すように、紙幣処理装置32には、搬送部から送られた紙幣を収納するとともに収納されている紙幣を搬送部に1枚ずつ繰り出し可能な収納繰出部32aが設けられている。また、紙幣処理装置32には、搬送部から送られた紙幣を収納する回収カセット(図示せず)が設けられており、警送会社等の警備員は回収カセットに収納されている紙幣を回収カセットごと紙幣処理装置32から回収することができるようになっている。なお、上述した投入部、搬送部、識別部、払出部等により、紙幣の処理を行う紙幣処理部32bが構成されている。また、紙幣処理装置32には、収納カセット40が装着されるカセット装着部32cが設けられている。ここで、収納カセット40が紙幣処理装置32のカセット装着部32cに装着されているときに、紙幣処理装置32に設けられた搬送部(図示せず)から開口40aを介して紙幣が収納カセット40の内部に送られたり、収納カセット40に収納されている紙幣が開口40aを介して紙幣処理装置32の搬送部に繰り出されたりするようになっている。より詳細には、収納カセット40が紙幣処理装置32のカセット装着部32cに装着されているときに、紙幣処理装置32側から収納カセット40の紙幣繰出機構に動力が伝達されるようになっている。また、紙幣処理装置32には、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の記憶媒体42から情報を読み取ったり当該記憶媒体42に情報を書き込んだりするリーダライタ32dが設けられている。
硬貨処理装置34には、筐体の外部から内部に硬貨を投入するための投入部と、筐体の内部で硬貨を1枚ずつ搬送する搬送部と、搬送部により搬送される硬貨の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別を行う識別部と、筐体の内部から外部に硬貨を払い出すための払出部とがそれぞれ設けられている。また、図5に示すように、硬貨処理装置34には、搬送部から送られた硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を搬送部に1枚ずつ繰り出し可能な収納繰出部34aが設けられている。また、硬貨処理装置34には、搬送部から送られた硬貨を収納する回収カセット(図示せず)が設けられており、警送会社等の警備員は回収カセットに収納されている硬貨を回収カセットごと硬貨処理装置34から回収することができるようになっている。なお、上述した投入部、搬送部、識別部、払出部等により、硬貨の処理を行う硬貨処理部34bが構成されている。
包装硬貨収納装置36には、筐体の内部から手前側に引出可能となっている収納ドロア(図示せず)と、収納ドロアを筐体の内部でロックするロック機構36aとがそれぞれ設けられている。ここで、収納ドロアには複数の包装硬貨が収納されるようになっている。また、ロック機構36aによる収納ドロアのロックが解除されると、操作者は収納ドロアを筐体の内部から手前側に引き出してこの収納ドロアから包装硬貨を取り出したり当該収納ドロアに包装硬貨を収納したりすることができるようになっている。また、収納ドロアには、紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)も収納させることができるようになっている。
次に、このような貨幣入出金機30における制御系の構成について図5を用いて説明する。図5に示すように、貨幣入出金機30にはCPU(中央演算処理ユニット)等の制御部38が設けられており、紙幣処理装置32、硬貨処理装置34および包装硬貨収納装置36の各構成部材がそれぞれ当該制御部38に接続されている。このことにより、リーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42から読み取られた情報は制御部38に送られるようになる。また、制御部38は紙幣処理装置32、硬貨処理装置34および包装硬貨収納装置36の各構成部材に指令を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うことができるようになっている。また、図5に示すように、制御部38には操作表示部39a、記憶部39b、通信インターフェース部39cおよび印字部39dがそれぞれ設けられている。操作表示部39aには、紙幣処理装置32、硬貨処理装置34および包装硬貨収納装置36に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理状況に係る情報等が表示されるようになっている。また、操作者は操作表示部39aにより制御部38に様々な指令を入力することができるようになっている。また、記憶部39bには、紙幣処理装置32、硬貨処理装置34および包装硬貨収納装置36に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理履歴に係る情報等が記憶されるようになっている。また、制御部38は通信インターフェース部39cにより上位端末等の外部装置に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。なお、制御部38は通信インターフェース部39cにより警送会社の管理センターに設けられた管理コンピュータ等に対して信号の送受信を行うことができるようになっていてもよい。また、印字部39dは、紙幣処理装置32、硬貨処理装置34および包装硬貨収納装置36に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理履歴に係る情報等をレシートに印字するようになっている。
また、図5に示すように、制御部38には判定手段50および装着順序判定手段52がそれぞれ接続されている。判定手段50は、貨幣釣銭機20から貨幣を回収して貨幣入出金機30に入金させる回収処理において複数の収納カセット40が用いられるときに貨幣釣銭機20の内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30の内部に紙幣が送られたか否かを判定するようになっている。また、装着順序判定手段52は、上述した回収処理において複数の収納カセット40が用いられるときに貨幣入出金機30への収納カセット40の装着の順序に誤りがあるか否かを判定するようになっている。これらの判定手段50および装着順序判定手段52の機能の詳細については後述する。
次に、図1乃至図5に示す貨幣処理システム10において、図1において参照符合(a)で示すような貨幣釣銭機20から売上金としての貨幣を回収して貨幣入出金機30に収納させる動作(以下、回収処理ともいう)や、図1において参照符合(b)で示すような貨幣入出金機30から釣銭準備金としての貨幣を出金して貨幣釣銭機20に補充する動作(以下、補充処理ともいう)について以下に説明する。
まず、貨幣処理システム10において回収処理が行われる際の動作(すなわち、図1において参照符合(a)で示す動作)について説明する。店舗の営業時間が終了すると、精算所で商品の精算業務を行っていたレジ担当者は貨幣釣銭機20から貨幣や貨幣以外の媒体(例えば、商品券等)を回収する。具体的には、レジ担当者は、紙幣処理装置22のカセット装着部22cに空状態の収納カセット40を装着することにより、紙幣処理装置22の収納繰出部22aに収納されている売上金としての紙幣を収納カセット40に収納させる。また、レジ担当者は、硬貨処理装置24において収納繰出部24aに収納されている売上金としての硬貨の出金処理を行う。そして、硬貨処理装置24から出金された硬貨をレジ担当者は収納ケース(図示せず)に手で収納する。また、レジ担当者は、包装硬貨収納装置26に収納されている紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)を手で取りだし、この取り出された媒体を収納ケースに手で収納する。また、紙幣処理装置22および硬貨処理装置24等から売上金としての紙幣や硬貨が回収されると、紙幣処理装置22および硬貨処理装置24から回収された紙幣や硬貨に係る情報(具体的には、金種毎の枚数)等がリーダライタ22dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになる。また、貨幣釣銭機20が設置されている精算所の識別番号や、レジ担当者の識別番号がリーダライタ22dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになっていてもよい。また、本実施の形態では、後述するように、回収処理において複数の収納カセット40が用いられる場合に、カセット装着部22cに装着された収納カセット40が最終カセットであるか否かという情報や、回収処理において何番目に用いられたかという情報がリーダライタ22dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになっている。また、レジ担当者が貨幣釣銭機20から貨幣や貨幣以外の媒体を回収する際に、回収された貨幣等に関する情報がプリンタ等の印字部29dによりレシートに印字される。レジ担当者は、プリンタ等の印字部29dにより印字されたレシートも収納ケースに手で収納する。
そして、フロント領域12において貨幣釣銭機20から貨幣や貨幣以外の媒体を回収したレジ担当者は、収納カセット40および収納ケースをまとめてフロント領域12からバックヤード領域14に運搬する。その後、レジ担当者は収納カセット40を貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着する。このことにより、収納カセット40に収納されている売上金としての紙幣が当該収納カセット40から繰り出されて紙幣処理装置32の筐体の内部に送られ、この紙幣処理装置32の収納繰出部32aに収納されるようになる。また、レジ担当者は収納ケースから売上金としての硬貨を取り出し、この取り出された硬貨を硬貨処理装置34に入金する。このことにより、硬貨処理装置24から回収された売上金としての硬貨が硬貨処理装置34の収納繰出部34aに収納されるようになる。また、レジ担当者は収納ケースから紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)を手で取りだし、この取り出された媒体を包装硬貨収納装置36に収納する。また、本実施の形態では、収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されると、この収納カセット40の記憶媒体42に記憶されている情報がリーダライタ32dにより読み取られる。このことにより、収納カセット40に収納されていた、紙幣処理装置22および硬貨処理装置24から回収された紙幣や硬貨に係る情報(具体的には、紙幣や硬貨の金種毎の枚数)等が貨幣入出金機30の制御部38により管理されるようになる。
次に、貨幣処理システム10において補充処理が行われる際の動作(すなわち、図1において参照符合(b)で示す動作)について説明する。店舗の営業時間前に、レジ担当者は釣銭用として貨幣釣銭機20に収納しておくべき硬貨や紙幣(すなわち、釣銭準備金としての紙幣や硬貨)を貨幣入出金機30から出金する。具体的には、レジ担当者は、紙幣処理装置32のカセット装着部32cに空状態の収納カセット40を装着することにより、紙幣処理装置32の収納繰出部32aから釣銭準備金としての紙幣を繰り出させて収納カセット40に収納させる。また、レジ担当者は、硬貨処理装置34において収納繰出部34aに収納されている硬貨の出金処理を行う。そして、硬貨処理装置34から出金された釣銭準備金としての硬貨をレジ担当者は収納ケース(図示せず)に手で収納する。また、レジ担当者は、包装硬貨収納装置36に収納されている包装硬貨を手で取りだし、この取り出された包装硬貨を収納ケースに手で収納する。また、紙幣処理装置32および硬貨処理装置34等から釣銭準備金としての紙幣や硬貨が出金されると、紙幣処理装置32および硬貨処理装置34から出金された紙幣や硬貨に係る情報(具体的には、金種毎の枚数)等がリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになる。また、紙幣処理装置32および硬貨処理装置34から出金された紙幣や硬貨が補充されるべき貨幣釣銭機20が設置されている精算所の識別番号や、出金処理を行ったレジ担当者の識別番号がリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになっていてもよい。
そして、釣銭準備金としての紙幣や硬貨が収納カセット40や収納カセットに収納されると、レジ担当者は収納カセット40や収納カセットをバックヤード領域14からフロント領域12に運搬する。その後、レジ担当者は収納カセット40を貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに装着する。このことにより、収納カセット40に収納されている釣銭準備金としての紙幣が当該収納カセット40から繰り出されて紙幣処理装置22の筐体の内部に送られ、この紙幣処理装置22の収納繰出部22aに収納されるようになる。また、レジ担当者は収納ケースから釣銭準備金としての硬貨を取り出し、この取り出された硬貨を硬貨処理装置24に入金する。このことにより、硬貨処理装置34から出金された釣銭準備金としての硬貨が硬貨処理装置24の収納繰出部24aに収納されるようになる。また、レジ担当者は収納ケースから釣銭準備金としての包装硬貨を手で取りだし、この取り出された包装硬貨を包装硬貨収納装置26に収納する。また、本実施の形態では、収納カセット40が貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに装着されると、この収納カセット40の記憶媒体42に記憶されている情報がリーダライタ22dにより読み取られる。このことにより、収納カセット40に収納されていた、紙幣処理装置32および硬貨処理装置34から出金された釣銭準備金としての紙幣や硬貨に係る情報(具体的には、紙幣や硬貨の金種毎の枚数)等が貨幣釣銭機20の制御部28により管理されるようになる。
また、本実施の形態の貨幣処理システム10において、貨幣釣銭機20から回収される紙幣の量が多い場合には、1回の取引において(言い換えると、1回の回収処理において)複数の収納カセット40が用いられる場合がある。この場合、貨幣釣銭機20における紙幣処理装置22の内部(具体的には、収納繰出部22a)から紙幣がそれぞれ送られた複数の収納カセット40が貨幣入出金機30に運搬された後、貨幣入出金機30において1つずつ収納カセット40から当該貨幣入出金機30の紙幣処理装置32の内部(具体的には、収納繰出部32a)に紙幣が収納されるようになる。ここで、従来の貨幣処理システムでは、貨幣釣銭機からの紙幣の回収処理において何個の収納カセットが用いられたかを貨幣入出金機側で認識することができないため、操作者は複数の収納カセットのうち1つまたはいくつかの収納カセットを貨幣入出金機に装着し忘れてしまうおそれがあった。この場合には、貨幣入出金機において違算が発生してしまうという問題があった。これに対し、本実施の形態では、1回の回収処理において複数の収納カセット40が用いられるときに貨幣釣銭機20における紙幣処理装置22の内部(具体的には、収納繰出部22a)から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30における紙幣処理装置32の内部(具体的には、収納繰出部32a)に紙幣が送られたか否かを判定手段50により判定するようになっている。このことにより、操作者が複数の収納カセット40のうち1つまたはいくつかの収納カセット40を貨幣入出金機30の紙幣処理装置32に装着し忘れてしまうことを抑制することができ、よって貨幣入出金機30において違算が発生することを防止することができるようになる。このような技術的事項の詳細について以下に述べる。
貨幣処理システム10において複数の収納カセット40を用いた回収処理が行われる際に、複数の収納カセット40のうちある一つの収納カセット40(空状態の収納カセット40)が紙幣処理装置22のカセット装着部22cに装着され、紙幣処理装置22の収納繰出部22aに収納されている売上金としての紙幣がこの収納カセット40に収納されると、カセット装着部22cに装着された収納カセット40が最終カセットであるか否かという情報や、回収処理において何番目に用いられたかという情報がリーダライタ22dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれる。このような収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれた情報の詳細を図6に示す。上述したように、記憶媒体42には収納カセット40の識別情報(具体的には、収納カセット40の識別番号)が記憶されている。また、記憶媒体42には、カセット装着部22cに装着された収納カセット40が最終カセットであるか否かという情報がリーダライタ22dにより書き込まれるようになる。具体的には、図6に示すように、最終カセットではない場合には「0」、最終カセットである場合には「1」という情報が記憶媒体42に書き込まれる(図6に示す例では、回収処理において識別番号:001の収納カセット40が紙幣処理装置22のカセット装着部22cに最後に装着されている)。また、図6に示すように、記憶媒体42には、回収処理において何番目に用いられた収納カセット40であるかという情報がリーダライタ22dにより書き込まれるようになる(図6に示す例では、回収処理において識別番号:001の収納カセット40が5番目に紙幣処理装置22のカセット装着部22cに装着されており、この収納カセット40が1回の回収処理において最後にカセット装着部22cに装着されたものである)。
そして、レジ担当者により複数の収納カセット40がフロント領域12からバックヤード領域14に運搬され、各収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに1つずつ装着されるが、本実施の形態では最後に貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22から紙幣が送られた収納カセット40を最初に貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着するような運用ルールが適用されている。具体的には、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに収納カセット40が装着されるとこの収納カセット40に設けられている記憶媒体42からリーダライタ32dにより情報が読み取られるが、貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに最後に装着された収納カセット40であるか否かという情報(すなわち、最後に貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22から紙幣が送られたか否かという情報)もリーダライタ32dにより記憶媒体42から読み取られる。そして、最初に貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着された収納カセット40が、貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに最後に装着された収納カセット40ではない場合には、装着順序判定手段52は、貨幣入出金機30における紙幣処理装置32への収納カセット40の装着の順序に誤りがあると判定する。そして、貨幣入出金機30における紙幣処理装置32への収納カセット40の装着の順序に誤りがあると装着順序判定手段52により判定されると、図7に示すように、紙幣処理装置32のカセット装着部32cに装着された収納カセット40が貨幣釣銭機20から最後に回収した収納カセット40ではない旨の情報が操作表示部39aに表示される。また、紙幣処理装置32のカセット装着部32cに別の収納カセット40を装着し直すことを操作者に促す旨のメッセージが操作表示部39aに表示される。このことにより、操作者は貨幣入出金機30における紙幣処理装置32への収納カセット40の装着の順序に誤りがあることに気づくことができるようになる。
一方、最初に貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着された収納カセット40が、貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに最後に装着された収納カセット40であった場合には、装着順序判定手段52は、貨幣入出金機30における紙幣処理装置32への収納カセット40の装着の順序が正しいと判定する。この場合には、回収処理において何番目に用いられたかという情報が当該収納カセット40の記憶媒体42からリーダライタ32dにより読み取られることにより、回収処理において何個の収納カセット40が用いられたかという情報を制御部38は取得することができるようになる。すなわち、図6に示すような情報が記憶媒体42に記憶されている収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着された場合には、貨幣入出金機30における紙幣処理装置32への収納カセット40の装着の順序が正しいと装着順序判定手段52により判定されるとともに、回収処理において5個の収納カセット40が用いられたという情報が制御部38により取得されるようになる。その後、レジ担当者により2個目以降の収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着され、この収納カセット40から売上金としての紙幣が収納繰出部32aに送られるようになるが、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40が残っている場合には、操作表示部39aには図8に示すような画面が表示される。具体的には、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40が存在する旨の情報が操作表示部39aに表示されるとともに、未装着の収納カセット40をカセット装着部32cに装着することを操作者に促す旨のメッセージが操作表示部39aに表示されるようになる。このことにより、貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22における収納繰出部22aから紙幣が送られた複数の収納カセット40のうち、紙幣処理装置32のカセット装着部32cにまだ装着していない収納カセット40が存在することに操作者は気づくことができるようになる。そして、貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22における収納繰出部22aから紙幣が送られた複数の収納カセット40が全て貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着され、各収納カセット40から紙幣が全て紙幣処理装置32の収納繰出部32aに送られると、複数の収納カセット40を用いた回収処理が終了する。
このようにして、1回の回収処理において複数の収納カセット40が用いられるときに貨幣釣銭機20における紙幣処理装置22の内部(具体的には、収納繰出部22a)から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30における紙幣処理装置32の内部(具体的には、収納繰出部32a)に紙幣が送られたか否かが判定手段50により判定される。なお、図1に示すように貨幣釣銭機20が複数設けられている場合には、判定手段50は、貨幣釣銭機20における紙幣処理装置22の内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30における紙幣処理装置32の内部に紙幣が送られたか否かを貨幣釣銭機20毎に判定する。
また、本実施の形態では、複数の収納カセット40を用いて回収処理を行う際に、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに収納カセット40を1つずつ装着する途中で当該紙幣処理装置32への紙幣の入金処理を中断させることができるようになっている。具体的には、図8に示すように貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40が残っている状態で、レジ担当者等の操作者が操作表示部39aに表示されている「強制終了」ボタンを押下すると、各収納カセット40から紙幣処理装置32への紙幣の入金処理が中断される。また、この場合には、貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22の内部(具体的には、収納繰出部22a)から紙幣が送られたが貨幣入出金機30の紙幣処理装置32の内部(具体的には、収納繰出部32a)に紙幣を送っていない収納カセット40に係る情報が制御部38から出力され、この出力された情報が操作表示部39aに表示される。具体的には、回収処理が中断された時点における、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40の数や識別情報(具体的には、識別番号)等の情報が操作表示部39aに表示される。また、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40に収納されている紙幣に係る情報も操作表示部39aに表示されるようになっていてもよい。このことにより、回収処理が中断されたときに、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40の数や識別情報を操作者は認識することができるようになる。
なお、本実施の形態の貨幣処理システムは、図1乃至図8に示すような、収納カセット40に記憶媒体42が設けられる態様のものに限定されることはない。本実施の形態の貨幣処理システムの他の例として、図9乃至図12に示すような、収納カセット40に記憶媒体42ではなくバーコード等の識別用媒体44が設けられるようなものが用いられてもよい。このような態様について以下に説明する。
図9乃至図12は、本実施の形態の他の例に係る貨幣処理システム10aおよびこのような貨幣処理システム10aに設けられた貨幣釣銭機20aおよび貨幣入出金機30aを示す図である。なお、図9乃至図12に示す貨幣釣銭機20aおよび貨幣入出金機30aを説明するにあたり、図1乃至図8に示す貨幣釣銭機20および貨幣入出金機30と同一の構成部材については同一の参照符合を付してその説明を省略する。
上述したように、図9乃至図12に示す貨幣処理システム10aでは、貨幣釣銭機20aと貨幣入出金機30aとの間で紙幣の受け渡しを行う複数の収納カセット40の各々には識別番号等の識別情報が対応付けられるようになっている。また、収納カセット40には、当該収納カセット40の識別情報を示すバーコード等の識別用媒体44が設けられている。また、レジ担当者はICカード等の携帯用記憶媒体46を所持するようになっている。このような携帯用記憶媒体46には、当該携帯用記憶媒体46を所持する操作者の識別情報に加えて、回収処理や補充処理で用いられる収納カセット40の識別番号等の識別情報、回収処理や補充処理で用いられる収納カセット40に収納されている紙幣に係る情報(具体的には、紙幣の金種毎の枚数等の情報)、回収処理や補充処理が行われる貨幣釣銭機20aの識別情報等が記憶されるようになっている。
また、図10に示すように、貨幣釣銭機20aの紙幣処理装置22には、カセット装着部22cに装着されている収納カセット40の識別用媒体44から当該収納カセット40の識別情報を読み取るバーコードリーダ22eが設けられている。このようなバーコードリーダ22eが設けられていることにより、貨幣釣銭機20aの紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに収納カセット40が装着されると、この収納カセット40の識別番号等の識別情報がバーコードリーダ22eによって識別用媒体44から読み取られて制御部28に送られるようになる。また、貨幣釣銭機20aには、操作者が所持するICカード等の携帯用記憶媒体46から情報を読み取ったり当該携帯用記憶媒体46に情報を書き込んだりするリーダライタ29eが設けられており、このようなリーダライタ29eは制御部28に接続されるようになっている。
また、図11に示すように、貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32にも、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の識別用媒体44から当該収納カセット40の識別情報を読み取るバーコードリーダ32eが設けられている。このようなバーコードリーダ32eが設けられていることにより、貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに収納カセット40が装着されると、この収納カセット40の識別番号等の識別情報がバーコードリーダ32eによって識別用媒体44から読み取られて制御部38に送られるようになる。また、貨幣入出金機30aには、操作者が所持するICカード等の携帯用記憶媒体46から情報を読み取ったり当該携帯用記憶媒体46に情報を書き込んだりするリーダライタ39eが設けられており、このようなリーダライタ39eは制御部38に接続されるようになっている。
次に、このような貨幣処理システム10aにおいて回収処理が行われる際の動作(すなわち、図9において参照符合(a)で示す動作)について説明する。店舗の営業時間が終了すると、精算所で商品の精算業務を行っていたレジ担当者は貨幣釣銭機20aから貨幣や貨幣以外の媒体(例えば、商品券等)を回収する。具体的には、最初に、レジ担当者は、当該レジ担当者の識別番号等の識別情報が記憶されている携帯用記憶媒体46を貨幣釣銭機20aのリーダライタ29eにより読み取らせる。このことにより、操作者の識別情報が制御部28により取得され、当該操作者の権限の認証が行われるようになる。そして、リーダライタ29eにより携帯用記憶媒体46から読み取られた操作者の権限が、貨幣釣銭機20aの紙幣処理装置22から紙幣を回収することが認められた権限であると認証された場合には、レジ担当者は紙幣処理装置22のカセット装着部22cに空状態の収納カセット40を装着することにより、紙幣処理装置22の収納繰出部22aに収納されている売上金としての紙幣を収納カセット40に収納させる。また、紙幣処理装置22等から売上金としての紙幣等が回収された後、操作者が再び携帯用記憶媒体46をリーダライタ29eにより読み取らせると、紙幣処理装置22等から回収された紙幣等に係る情報(具体的には、金種毎の枚数)等がリーダライタ29eにより携帯用記憶媒体46に書き込まれるようになる。
そして、フロント領域12において貨幣釣銭機20aから貨幣や貨幣以外の媒体を回収したレジ担当者は、収納カセット40等をまとめてフロント領域12からバックヤード領域14に運搬する。その後、レジ担当者は所持する携帯用記憶媒体46に記憶されている情報を貨幣入出金機30aのリーダライタ39eにより読み取らせる。このことにより、操作者の識別情報が制御部38により取得され、当該操作者の権限の認証が行われるようになる。そして、リーダライタ39eにより携帯用記憶媒体46から読み取られた操作者の権限が、収納カセット40から貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32に紙幣を入金することが認められた権限であると認証された場合には、レジ担当者は収納カセット40を貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着する。このことにより、収納カセット40に収納されている売上金としての紙幣が当該収納カセット40から繰り出されて紙幣処理装置32の筐体の内部に送られ、この紙幣処理装置32の収納繰出部32aに収納されるようになる。
また、図9乃至図12に示す貨幣処理システム10aでも、図1乃至図8に示す貨幣処理システム10と同様に、1回の取引において(言い換えると、1回の回収処理において)貨幣釣銭機20aから回収される紙幣の量が多い場合には、複数の収納カセット40が用いられる場合がある。この場合、貨幣釣銭機20aにおける紙幣処理装置22の内部(具体的には、収納繰出部22a)から紙幣がそれぞれ送られた複数の収納カセット40が貨幣入出金機30aに送られた後、貨幣入出金機30aにおいて1つずつ収納カセット40から当該貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32の内部(具体的には、収納繰出部32a)に紙幣が収納されるようになる。
より詳細には、貨幣処理システム10aにおいて複数の収納カセット40を用いた回収処理が行われる際に、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから売上金としての紙幣が複数の収納カセット40に送られた後、操作者が再び携帯用記憶媒体46をリーダライタ29eにより読み取らせると、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られた収納カセット40の識別番号等の識別情報が、カセット装着部22cに装着された順番とともにリーダライタ29eにより携帯用記憶媒体46に書き込まれる(図12参照)。すなわち、図12に示す例では、識別番号が008、002、001、003、005の収納カセット40がこの順に紙幣処理装置22のカセット装着部22cに装着され、これらの収納カセット40に紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られたという情報がリーダライタ29eにより携帯用記憶媒体46に書き込まれる。また、この際に、各収納カセット40に収納された紙幣に係る情報も当該収納カセット40の識別番号に関連付けられてリーダライタ29eにより携帯用記憶媒体46に書き込まれる。
そして、レジ担当者により複数の収納カセット40がフロント領域12からバックヤード領域14に運搬され、各収納カセット40が貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに1つずつ装着されるが、本実施の形態ではカセット装着部32cに収納カセット40が装着される前に、レジ担当者の所持する携帯用記憶媒体46に記憶されている情報が貨幣入出金機30aのリーダライタ39eにより読み取られる。このことにより、制御部38は、図12に示すような、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られた収納カセット40の識別番号等の識別情報を、カセット装着部22cに装着された順番とともに取得することができるようになる。このようにして、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られた収納カセット40の個数に係る情報も制御部38により取得されるようになる。
その後、レジ担当者は複数の収納カセット40を貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに順次装着することにより、各収納カセット40から売上金としての紙幣が収納繰出部32aに送られるようになる。ここで、カセット装着部32cに装着された収納カセット40の識別用媒体44からバーコードリーダ32eにより読み取られた収納カセット40の識別番号が、携帯用記憶媒体46からリーダライタ39eにより読み取られた、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られた収納カセット40の識別番号と一致しない場合には、誤った収納カセット40がカセット装着部32cに装着されたと制御部38により判断される。この場合には、誤った収納カセット40がカセット装着部32cに装着された旨のメッセージが操作表示部39aに表示されるようになる。一方、カセット装着部32cに装着された収納カセット40の識別用媒体44からバーコードリーダ32eにより読み取られた収納カセット40の識別番号が、携帯用記憶媒体46からリーダライタ39eにより読み取られた、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られた収納カセット40の識別番号と一致する場合には、カセット装着部32cに装着された収納カセット40から紙幣が繰り出され、この繰り出された紙幣は収納繰出部32aに送られるようになる。
また、カセット装着部32cに装着された収納カセット40の個数が、携帯用記憶媒体46からリーダライタ39eにより読み取られた、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られた収納カセット40の個数に達していない場合には、カセット装着部32cに装着されていない収納カセット40が残っていると制御部38により判断される。この場合には、操作表示部39aには図8に示すような画面が表示される。具体的には、貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40が存在する旨の情報が操作表示部39aに表示されるとともに、未装着の収納カセット40をカセット装着部32cに装着することを操作者に促す旨のメッセージが操作表示部39aに表示されるようになる。このことにより、貨幣釣銭機20aの紙幣処理装置22における収納繰出部22aから紙幣が送られた複数の収納カセット40のうち、紙幣処理装置32のカセット装着部32cにまだ装着していない収納カセット40が存在することに操作者は気づくことができるようになる。そして、貨幣釣銭機20aの紙幣処理装置22における収納繰出部22aから紙幣が送られた複数の収納カセット40が全て貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着され、各収納カセット40から紙幣が全て紙幣処理装置32の収納繰出部32aに送られると、複数の収納カセット40を用いた回収処理が終了する。
このようにして、1回の回収処理において複数の収納カセット40が用いられるときに貨幣釣銭機20aにおける紙幣処理装置22の内部(具体的には、収納繰出部22a)から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30aにおける紙幣処理装置32の内部(具体的には、収納繰出部32a)に紙幣が送られたか否かが判定手段50により判定される。なお、図9に示すように貨幣釣銭機20aが複数設けられている場合には、判定手段50は、貨幣釣銭機20aにおける紙幣処理装置22の内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30aにおける紙幣処理装置32の内部に紙幣が送られたか否かを貨幣釣銭機20a毎に判定する。
また、本実施の形態における貨幣処理システムの更に他の例として、図13に示すような、各貨幣釣銭機20aと貨幣入出金機30aとがLAN16等によって有線または無線により互いに通信可能に接続されている貨幣処理システム10bが用いられてもよい。なお、図13に示す貨幣処理システム10bでは、図9乃至図12に示す貨幣処理システム10aと比較して、ICカード等の携帯用記憶媒体46が用いられず、代わりに各貨幣釣銭機20aと貨幣入出金機30aとがLAN16等によって有線または無線により互いに通信可能に接続される点が異なるのみであり、他の部分については概ね略同一の構成となっている。図13に示す貨幣処理システム10bを説明するにあたり、図9乃至図12に示す貨幣処理システム10aと同一の構成部材については同一の参照符合を付してその説明を省略する。
図13に示す貨幣処理システム10bにおいて回収処理が行われる際の動作(すなわち、図13において参照符合(a)で示す動作)について説明する。店舗の営業時間が終了すると、精算所で商品の精算業務を行っていたレジ担当者は貨幣釣銭機20aから貨幣や貨幣以外の媒体(例えば、商品券等)を回収する。具体的には、レジ担当者は、紙幣処理装置22のカセット装着部22cに空状態の収納カセット40を装着することにより、紙幣処理装置22の収納繰出部22aに収納されている売上金としての紙幣を収納カセット40に収納させる。また、カセット装着部22cに装着された収納カセット40の識別用媒体44からバーコードリーダ22eにより当該収納カセット40の識別番号等の識別情報が読み取られ、この収納カセット40の識別情報はLAN16により貨幣釣銭機20aの制御部28から貨幣入出金機30aの制御部38に送信される。また、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから収納カセット40に送られた紙幣に係る情報(具体的には、紙幣の金種毎の枚数)もLAN16により貨幣釣銭機20aの制御部28から貨幣入出金機30aの制御部38に送信される。
そして、フロント領域12において貨幣釣銭機20aから貨幣や貨幣以外の媒体を回収したレジ担当者は、収納カセット40等をまとめてフロント領域12からバックヤード領域14に運搬する。その後、レジ担当者は収納カセット40を貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着する。このことにより、収納カセット40に収納されている売上金としての紙幣が当該収納カセット40から繰り出されて紙幣処理装置32の筐体の内部に送られ、この紙幣処理装置32の収納繰出部32aに収納されるようになる。
また、図13に示す貨幣処理システム10bでも、図1乃至図8に示す貨幣処理システム10や図9乃至12に示す貨幣処理システム10aと同様に、1回の取引において(言い換えると、1回の回収処理において)貨幣釣銭機20aから回収される紙幣の量が多い場合には、複数の収納カセット40が用いられる場合がある。この場合、貨幣釣銭機20aにおける紙幣処理装置22の内部(具体的には、収納繰出部22a)から紙幣がそれぞれ送られた複数の収納カセット40が貨幣入出金機30aに運搬された後、貨幣入出金機30aにおいて1つずつ収納カセット40から当該貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32の内部(具体的には、収納繰出部32a)に紙幣が収納されるようになる。
より詳細には、貨幣処理システム10aにおいて複数の収納カセット40を用いた回収処理が行われる際に、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから売上金としての紙幣が複数の収納カセット40に送られた後、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られた複数の収納カセット40の識別番号等の識別情報が、カセット装着部22cに装着された順番に係る情報とともにLAN16により貨幣釣銭機20aの制御部28から貨幣入出金機30aの制御部38に送信される。また、各収納カセット40に収納された紙幣に係る情報も当該収納カセット40の識別番号に関連付けられてLAN16により貨幣釣銭機20aの制御部28から貨幣入出金機30aの制御部38に送信される。このことにより、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られた収納カセット40の個数に係る情報も制御部38により取得されるようになる。
そして、レジ担当者により複数の収納カセット40がフロント領域12からバックヤード領域14に運搬され、各収納カセット40が貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに1つずつ装着される。このことにより、各収納カセット40から売上金としての紙幣が収納繰出部32aに送られるようになる。ここで、カセット装着部32cに装着された収納カセット40の識別用媒体44からバーコードリーダ32eにより読み取られた収納カセット40の識別番号が、LAN16により貨幣釣銭機20aの制御部28から貨幣入出金機30aの制御部38に送信された、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られた収納カセット40の識別番号と一致しない場合には、誤った収納カセット40がカセット装着部32cに装着されたと制御部38により判断される。この場合には、誤った収納カセット40がカセット装着部32cに装着された旨のメッセージが操作表示部39aに表示されるようになる。一方、カセット装着部32cに装着された収納カセット40の識別用媒体44からバーコードリーダ32eにより読み取られた収納カセット40の識別番号が、LAN16により貨幣釣銭機20aの制御部28から貨幣入出金機30aの制御部38に送信された、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られた収納カセット40の識別番号と一致する場合には、カセット装着部32cに装着された収納カセット40から紙幣が繰り出され、この繰り出された紙幣は収納繰出部32aに送られるようになる。
また、カセット装着部32cに装着された収納カセット40の個数が、LAN16により貨幣釣銭機20aの制御部28から貨幣入出金機30aの制御部38に送信された、紙幣処理装置22の収納繰出部22aから紙幣が送られた収納カセット40の個数に達していない場合には、カセット装着部32cに装着されていない収納カセット40が残っていると制御部38により判断される。この場合には、操作表示部39aには図8に示すような画面が表示される。具体的には、貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40が存在する旨の情報が操作表示部39aに表示されるとともに、未装着の収納カセット40をカセット装着部32cに装着することを操作者に促す旨のメッセージが操作表示部39aに表示されるようになる。このことにより、貨幣釣銭機20aの紙幣処理装置22における収納繰出部22aから紙幣が送られた複数の収納カセット40のうち、紙幣処理装置32のカセット装着部32cにまだ装着していない収納カセット40が存在することに操作者は気づくことができるようになる。そして、貨幣釣銭機20aの紙幣処理装置22における収納繰出部22aから紙幣が送られた複数の収納カセット40が全て貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着され、各収納カセット40から紙幣が全て紙幣処理装置32の収納繰出部32aに送られると、複数の収納カセット40を用いた回収処理が終了する。
このようにして、紙幣の回収処理において複数の収納カセット40が用いられるときに貨幣釣銭機20aにおける紙幣処理装置22の内部(具体的には、収納繰出部22a)から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30aにおける紙幣処理装置32の内部(具体的には、収納繰出部32a)に紙幣が送られたか否かが判定手段50により判定される。なお、図9に示すように貨幣釣銭機20aが複数設けられている場合には、判定手段50は、貨幣釣銭機20aにおける紙幣処理装置22の内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30aにおける紙幣処理装置32の内部に紙幣が送られたか否かを貨幣釣銭機20a毎に判定する。
また、図8乃至図12に示す貨幣処理システム10aや図13に示す貨幣処理システム10bにおいて、複数の収納カセット40を用いて回収処理を行う際に、貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに収納カセット40を1つずつ装着する途中で当該紙幣処理装置32への紙幣の入金処理を中断させることができるようになっている。具体的には、図8に示すように貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40が残っている状態で、レジ担当者等の操作者が操作表示部39aに表示される「強制終了」ボタンを押下すると、各収納カセット40から紙幣処理装置32への紙幣の入金処理が中断される。また、この場合には、貨幣釣銭機20aの紙幣処理装置22の内部(具体的には、収納繰出部22a)から紙幣が送られたが貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32の内部(具体的には、収納繰出部32a)に紙幣を送っていない収納カセット40に係る情報が制御部38から出力され、この出力された情報は操作表示部39aに表示される。具体的には、回収処理が中断された時点における、貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40の数や識別情報(具体的には、識別番号)等の情報が操作表示部39aに表示される。また、貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40に収納されている紙幣に係る情報も操作表示部39aに表示されるようになっていてもよい。このことにより、回収処理が中断されたときに、貨幣入出金機30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されていない収納カセット40の数や識別情報を操作者は認識することができるようになる。
なお、図13に示す貨幣処理システム10bでは、各貨幣釣銭機20aおよび貨幣入出金機30aがLAN16により互いに通信可能に接続されるとともに、各収納カセット40にそれぞれバーコード等の識別用媒体44が設けられているような例について述べたが、本実施の形態はこのような例に限定されることはない。本実施の形態の更に他の例として、図1乃至図8に示す貨幣処理システム10において、各貨幣釣銭機20および貨幣入出金機30がLANにより互いに通信可能に接続され、回収処理において複数の収納カセット40が用いられる際に貨幣釣銭機20の内部から紙幣が送られた収納カセットの数に係る情報が貨幣釣銭機20の制御部28から貨幣入出金機30の制御部38に送信されるようになっていてもよい。この場合には、判定手段50は、貨幣釣銭機20の制御部28から貨幣入出金機30の制御部38に送信された、回収処理において貨幣釣銭機20の内部から紙幣が送られた収納カセット40の数と、貨幣入出金機30に装着された収納カセット40との数とに基づいて、貨幣釣銭機20の内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30の内部に紙幣が送られたか否かを判定するようになる。
以上のような構成からなる本実施の形態の貨幣処理システム10、10a、10bによれば、貨幣釣銭機20、20aから紙幣を回収して貨幣入出金機30、30aに入金させる回収処理において複数の収納カセット40が用いられるときに貨幣釣銭機20、20aの内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30、30aの内部に紙幣が送られたか否かを判定する判定手段50が設けられている。このように、1回の回収処理において複数の収納カセット40が用いられるときに貨幣釣銭機20、20aの内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30、30aの内部に紙幣が送られたか否かを判定することにより、操作者が複数の収納カセット40のうち1つまたはいくつかの収納カセット40を貨幣入出金機30、30aに装着し忘れてしまうことを抑制することができ、よって貨幣入出金機30、30aにおいて違算が発生することを防止することができる。
より詳細に説明すると、従来の貨幣処理システムでは、1回の回収処理において複数の収納カセットが用いられる場合、貨幣釣銭機の内部から何個の収納カセットに紙幣が収納されたかを貨幣入出金機側で認識することができないため、操作者は複数の収納カセットのうち1つまたはいくつかの収納カセットを貨幣入出金機に装着し忘れてしまうおそれがある。この場合には、貨幣入出金機において違算が発生してしまうという問題がある。これに対し、本実施の形態では、1回の回収処理において複数の収納カセット40が用いられるときに貨幣釣銭機20、20aの内部から貨幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30、30aの内部に貨幣が送られたか否かを判定することにより、このような従来の貨幣処理システムの問題を解消することができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣処理システム10、10a、10bにおいては、上述したように、判定手段50による判定結果に基づいて、回収処理において貨幣釣銭機20、20aの内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30、30aの内部に紙幣が送られたか否かに係る情報が操作表示部39aに表示されるようになっている(図8参照)。このように、操作表示部39aは、判定手段50による判定結果に基づいて、回収処理において貨幣釣銭機20、20aの内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30、30aの内部に紙幣が送られたか否かに係る情報を報知する報知手段として機能するようになる。なお、このような報知手段は操作表示部39aに限定されることはなく、音声等の他の方法により操作者に報知を行うようになっていてもよい。
また、本実施の形態の貨幣処理システム10、10a、10bにおいては、上述したように、判定手段50は、貨幣釣銭機20、20aの内部から紙幣が送られた収納カセット40の数と、貨幣入出金機30、30aの内部に紙幣を送った収納カセット40との数とが一致しない場合に、回収処理において貨幣釣銭機20、20aの内部から貨幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30、30aの内部に貨幣が送られていないと判定するようになっている。
また、図1乃至図8に示す貨幣処理システム10においては、回収処理において貨幣釣銭機20の内部から最後に紙幣が送られた収納カセット40の記憶媒体42にはリーダライタ22d(第1書込部)により最後に紙幣が送られた収納カセット40である旨の情報および貨幣釣銭機20の内部から紙幣が送られた収納カセット40の数に係る情報が書き込まれるようになっている。なお、図6に示す例では、貨幣釣銭機20の内部から紙幣が送られた収納カセット40の数として、回収処理において収納カセット40が何番目に用いられたかという情報がリーダライタ22dにより記憶媒体42に書き込まれる。しかしながら、本実施の形態はこのような態様に限定されることはなく、回収処理において収納カセット40が何番目に用いられたかという情報の代わりに、または回収処理において収納カセット40が何番目に用いられたかという情報に加えて、貨幣釣銭機20の内部から紙幣が送られた収納カセット40の数自体がリーダライタ22dにより記憶媒体42に書き込まれるようになっていてもよい。また、判定手段50は、貨幣入出金機30のリーダライタ32d(第1読取部)により収納カセット40に設けられている記憶媒体42から読み取られた、回収処理において貨幣釣銭機20の内部から紙幣が送られた収納カセット40の数と、貨幣入出金機30に装着された収納カセット40との数とに基づいて、貨幣釣銭機20の内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30の内部に紙幣が送られたか否かを判定するようになっている。
また、図9乃至図12に示す貨幣処理システム10aにおいては、回収処理において貨幣釣銭機20aの内部から紙幣が送られた収納カセット40の数に係る情報が貨幣釣銭機20aのリーダライタ29e(第2書込部)により携帯用記憶媒体46に書き込まれるようになっている。また、判定手段50は、貨幣入出金機30aのリーダライタ39e(第2読取部)により携帯用記憶媒体46から読み取られた、回収処理において貨幣釣銭機20aの内部から紙幣が送られた収納カセット40の数と、貨幣入出金機30aに装着された収納カセット40との数とに基づいて、貨幣釣銭機20aの内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30aの内部に紙幣が送られたか否かを判定するようになっている。
また、図13に示す貨幣処理システム10bにおいては、貨幣釣銭機20aおよび貨幣入出金機30aは通信可能に接続されており、回収処理において貨幣釣銭機20aの内部から紙幣が送られた収納カセット40の数に係る情報が貨幣釣銭機20aから貨幣入出金機30aに送信されるようになっている。また、判定手段50は、貨幣釣銭機20aから貨幣入出金機30aに送信された、回収処理において貨幣釣銭機20aの内部から紙幣が送られた収納カセット40の数と、貨幣入出金機30aに装着された収納カセット40との数とに基づいて、貨幣釣銭機20aの内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30aの内部に紙幣が送られたか否かを判定するようになっている。
また、本実施の形態の貨幣処理システム10、10a、10bにおいては、上述したように、回収処理が途中で中断されたときに、貨幣釣銭機20、20aの内部から紙幣が送られたが貨幣入出金機30、30aの内部に紙幣を送っていない収納カセット40に係る情報が制御部38から出力され、この出力された情報が操作表示部39aに表示されるようになっている。このように、制御部38は、回収処理が途中で中断されたときに貨幣釣銭機20、20aの内部から紙幣が送られたが貨幣入出金機30、30aの内部に紙幣を送っていない収納カセット40に係る情報を出力する未処理カセット情報出力手段として機能するようになる。
また、本実施の形態の貨幣処理システム10、10a、10bにおける貨幣入出金機30、30aにおいては、他の装置(具体的には、貨幣釣銭機20、20a)から貨幣を回収して貨幣入出金機30、30aに入金させる回収処理においてカセット装着部32cに収納カセット40が装着されると当該収納カセット40から貨幣入出金機30、30aの内部に紙幣が送られるようになっている。また、貨幣入出金機30、30aには、回収処理において複数の収納カセット40が用いられる際に他の装置の内部から紙幣が送られた全ての収納カセット40から貨幣入出金機30、30aに紙幣が送られたか否かを判定する判定手段50が設けられている。
また、本実施の形態の貨幣処理システム10、10a、10bにおける貨幣釣銭機20、20aにおいては、当該貨幣釣銭機20、20aから貨幣を回収して他の装置(具体的には、貨幣入出金機30、30a)に入金させる回収処理においてカセット装着部22cに収納カセット40が装着されると貨幣釣銭機20、20aの内部から当該収納カセット40に紙幣が送られるようになっている。また、制御部28は、回収処理において複数の収納カセット40が用いられる際に、貨幣釣銭機20、20aの内部から紙幣が送られた収納カセット40の数に係る情報を出力するようになっている。このように、制御部28は、回収処理において複数の収納カセット40が用いられる際に貨幣釣銭機20、20aの内部から紙幣が送られた収納カセット40の数に係る情報を出力するカセット数出力手段として機能するようになる。
なお、本発明による貨幣処理システムは、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
図1乃至図13に示す貨幣処理システム10、10a、10bでは、貨幣入出金機30、30aの紙幣処理装置32において収納カセット40が装着されるカセット装着部32cが設けられているが、このような態様に限定されることはない。変形例に係る貨幣処理システムにおいて、貨幣入出金機の紙幣処理装置にカセット装着部が設けられる代わりに、紙幣処理装置の入金口や入出金口に収納カセットが着脱自在に装着されるようになっていてもよい。この場合には、回収処理が行われる際に、紙幣処理装置の入金口や入出金口に収納カセットが装着されると、収納カセットから繰り出された紙幣を入金口や入出金口により紙幣処理装置の筐体内に送ることができるようになる。
また、別の変形例に係る貨幣処理システムにおいて、フロント領域に設けられる各貨幣釣銭機の硬貨処理装置と、バックヤード領域に設けられる貨幣入出金機の硬貨処理装置との間で収納カセットにより硬貨の受け渡しが行われるようになっていてもよい。この場合には、硬貨を収納するとともに収納されている硬貨の繰り出しを行う収納カセットが、各貨幣釣銭機の硬貨処理装置および貨幣入出金機の硬貨処理装置にそれぞれ着脱自在に装着されるようになる。また、このような貨幣処理システムでは、貨幣釣銭機の硬貨処理装置から硬貨を回収して貨幣入出金機の硬貨処理装置に入金させる回収処理において複数の収納カセットが用いられるときに貨幣釣銭機の硬貨処理装置の内部から硬貨が送られた全ての収納カセットから貨幣入出金機の硬貨処理装置の内部に硬貨が送られたか否かを判定する判定手段が設けられている。このように、回収処理において複数の収納カセットが用いられるときに貨幣釣銭機の硬貨処理装置の内部から硬貨が送られた全ての収納カセットから貨幣入出金機の硬貨処理装置の内部に紙幣が送られたか否かを判定することにより、操作者が複数の収納カセットのうち1つまたはいくつかの収納カセットを貨幣入出金機の硬貨処理装置に装着し忘れてしまうことを抑制することができ、よって貨幣入出金機の硬貨処理装置において違算が発生することを防止することができる。