JP6856402B2 - 汚泥濃度の計測方法及び汚泥濃度の計測装置 - Google Patents

汚泥濃度の計測方法及び汚泥濃度の計測装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6856402B2
JP6856402B2 JP2017029735A JP2017029735A JP6856402B2 JP 6856402 B2 JP6856402 B2 JP 6856402B2 JP 2017029735 A JP2017029735 A JP 2017029735A JP 2017029735 A JP2017029735 A JP 2017029735A JP 6856402 B2 JP6856402 B2 JP 6856402B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
pipe
pressure loss
flow velocity
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017029735A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018134575A (ja
Inventor
吉明 村上
吉明 村上
草介 小野田
草介 小野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinko Pantec Co Ltd
Original Assignee
Kobelco Eco Solutions Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobelco Eco Solutions Co Ltd filed Critical Kobelco Eco Solutions Co Ltd
Priority to JP2017029735A priority Critical patent/JP6856402B2/ja
Publication of JP2018134575A publication Critical patent/JP2018134575A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6856402B2 publication Critical patent/JP6856402B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Sludge (AREA)

Description

本発明は、沈殿池で沈降分離され、ポンプ移送される汚泥の汚泥濃度の計測方法及び汚泥濃度の計測装置に関する。
特許文献1には、65〜85%程度の水分を有する下水汚泥を焼却炉などに移送する管路中に設置された圧力計の指示値からずり応力を求め、当該ずり応力を関係式に代入することで汚泥の水分を求める汚泥の水分測定方法について記載されている。
特開平7−31140号公報
上記特許文献1に記載の汚泥の水分測定方法においては、含水率が65〜85%という比較的低い脱水汚泥を管路内で一定の流速で移送されているときに、管路内で生じる圧力損失に基づいて汚泥の水分が測定される。このような含水率の低い脱水汚泥は、管路内を遅い流速で移送されていても、上記の汚泥の水分測定方法で求めるために必要な大きさの圧力損失が管路内で生じるため、上記の汚泥の水分測定方法を採用することが可能である。
しかしながら、上記特許文献1に記載の汚泥の水分測定方法は、以下のような場合では採用することができない。下水を沈殿池で沈降分離した汚泥は、例えば、含水率が90%以上あり、様々な異物が混じった状態である。このような沈殿池からの汚泥を濃縮機などへとポンプ移送する際も、配管内で汚泥が詰まらないような比較的遅い一定な流速で移送されるが、当該汚泥においては含水率が比較的高いため、管路内での移送中に圧力損失がほとんど生じない。したがって、このような沈殿池からの含水率の高い汚泥においては、上記特許文献1に記載の汚泥の水分測定方法を採用しても、圧力損失が測定できないため、汚泥の水分量、すなわち、汚泥濃度を測定することができないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、汚泥における配管内での圧力損失を計測することを可能にして、汚泥の汚泥濃度を測定することを可能にする汚泥濃度の計測方法及び汚泥濃度の計測装置を提供することである。
本発明の汚泥濃度の計測方法は、1以上の沈殿池で沈降分離され、ポンプ移送される、含水率が90%以上の汚泥の汚泥濃度の計測方法において、前記1以上の沈殿池で沈降分離された汚泥を、第1配管内で、汚泥に圧力損失がほとんど生じない一定の流速である一定流速でポンプ移送する移送工程と、前記第1配管内から第2配管内に流入した汚泥を、前記一定流速よりも大きな流速であって、汚泥に圧力損失が生じる流速である所定流速でポンプ移送し、前記第2配管内での圧力損失を計測する圧力損失計測工程と、前記圧力損失計測工程で計測された圧力損失と、予め導出された、前記所定流速における汚泥についての前記第2配管内での圧力損失と汚泥濃度との関係を示す検量線の関係式とから汚泥濃度を導出する汚泥濃度導出工程とを備えている。
これによると、汚泥の流速を、通常運転時における流速よりも大きな所定流速とするため、当該汚泥における配管内での圧力損失を計測することが可能となる。このため、圧力損失計測工程で計測された圧力損失と、予め導出された検量線の関係式とから当該汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となる。なお、ここでいう通常運転時における流速とは、汚泥を配管内で詰まらせないようにして送るときの流速(配管内で汚泥に圧力損失がほとんど生じない流速)であり、比較的遅く一定である。
また、本発明の汚泥濃度の計測方法は、別の観点では、第1及び第2沈殿池のそれぞれで沈降分離され、ポンプ移送される、含水率が90%以上の汚泥の汚泥濃度の計測方法において、前記第1沈殿池で沈降分離された汚泥を、第1配管内で、汚泥に圧力損失がほとんど生じない一定の流速である第1一定流速でポンプ移送する第1移送工程と、前記第1配管内から第2配管内に流入した汚泥を、前記第1一定流速よりも大きな流速であって、汚泥に圧力損失が生じる流速である第1所定流速でポンプ移送し、前記第2配管内での第1圧力損失を計測する第1圧力損失計測工程と、前記第2沈殿池で沈降分離された汚泥を、第3配管内で、汚泥に圧力損失がほとんど生じない一定の流速である第2一定流速でポンプ移送する第2移送工程と、前記第3配管内から第4配管内に流入した汚泥を、前記第2一定流速よりも大きな流速であって、汚泥に圧力損失が生じる流速である第2所定流速でポンプ移送し、前記第4配管内での第2圧力損失を計測する第2圧力損失計測工程と、前記第1圧力損失計測工程で計測された第1圧力損失と、予め導出された、前記第1所定流速における前記第1沈殿池からの汚泥についての前記第2配管内での第1圧力損失と汚泥濃度との関係を示す第1検量線の関係式とから前記第1沈殿池からの汚泥の汚泥濃度を導出する第1汚泥濃度導出工程と、前記第2圧力損失計測工程で計測された第2圧力損失と、予め導出された、前記第2所定流速における前記第2沈殿池からの汚泥についての前記第4配管内での第2圧力損失と汚泥濃度との関係を示す第2検量線の関係式とから前記第2沈殿池からの汚泥の汚泥濃度を導出する第2汚泥濃度導出工程とを備えている。


これによると、第1沈殿池からの汚泥の流速を、通常運転時における流速よりも大きな第1所定流速とするため、当該汚泥における配管内での第1圧力損失を計測することが可能となる。同様に、第2沈殿池からの汚泥における配管内での第2圧力損失も計測することが可能となる。このため、第1圧力損失計測工程で計測された第1圧力損失と、予め導出された第1検量線の関係式とから第1沈殿池からの汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となり、第2圧力損失計測工程で計測された第2圧力損失と、予め導出された第2検量線の関係式とから第2沈殿池からの汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となる。また、第1及び第2沈殿池のそれぞれからの汚泥の汚泥濃度を個別に導出することが可能となるため、汚泥濃縮や汚泥脱水時に添加する薬剤の添加量を精度良く決めることが可能となる。
また、本発明の汚泥濃度の計測装置は、1以上の沈殿池で沈降分離され、ポンプ移送される、含水率が90%以上の汚泥の汚泥濃度の計測装置において、前記1以上の沈殿池で沈降分離された汚泥がポンプによってそれぞれ送られる第1配管よりも直径が小さく、両端が前記第1配管に接続された第2配管と、前記第2配管に沿って互いに離隔して設けられ、前記第2配管内の汚泥の圧力を測定する2つの圧力計と、前記第2配管を流れる汚泥の流量を測定する流量計と、前記第1配管を流れる汚泥を前記第2配管に送るための送泥手段と、制御装置とを備えている。そして、前記制御装置は、汚泥が前記第1配管を流れる際の一定の流速であって、前記第1配管内で汚泥に圧力損失がほとんど生じない流速である一定流速よりも大きな流速であって、前記第2配管内で汚泥に圧力損失が生じる流速である所定流速で汚泥が前記第2配管内を流れるように、前記送泥手段を制御する送泥制御部と、前記所定流速における汚泥についての前記第2配管内での圧力損失と汚泥濃度との関係を示す検量線の関係式を記憶する記憶部と、汚泥が前記第2配管内を前記所定流速で流れたときに前記2つの圧力計で検出された圧力に基づいて圧力損失を計測する圧力損失計測部と、前記圧力損失計測部が計測した前記圧力損失と、前記検量線の関係式とから汚泥濃度を導出する汚泥濃度導出部とを含んでいる。
これによると、第2配管を流れる汚泥の流速を、第1配管を流れる流速よりも大きな所定流速とするため、当該汚泥における第2配管内での圧力損失を計測することが可能となる。このため、計測された圧力損失と、検量線の関係式とから当該汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となる。
また、本発明において、前記第2配管、前記2つの圧力計、前記流量計、前記送泥手段、前記制御装置が、複数の前記沈殿池のそれぞれから汚泥が送られる複数の前記第1配管毎に設けられていることが好ましい。これにより、複数の沈殿池のそれぞれからの汚泥の汚泥濃度を個別に導出することが可能となる。このため、汚泥濃縮や汚泥脱水時に添加する薬剤の添加量を精度良く決めることが可能となる。
また、本発明において、前記送泥手段は、前記第2配管に設けられた移送ポンプであることが好ましい。これにより、第1配管を流れる汚泥を簡単な構成で第2配管に送ることが可能となる。
本発明の汚泥濃度の計測方法によると、汚泥の流速を、通常運転時における流速よりも大きな所定流速とするため、当該汚泥における配管内での圧力損失を計測することが可能となる。このため、圧力損失計測工程で計測された圧力損失と、予め導出された検量線の関係式とから当該汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となる。
また、本発明の汚泥濃度の計測方法の別の観点によると、第1沈殿池からの汚泥の流速を、通常運転時における流速よりも大きな第1所定流速とするため、当該汚泥における配管内での第1圧力損失を計測することが可能となる。同様に、第2沈殿池からの汚泥における配管内での第2圧力損失も計測することが可能となる。このため、第1圧力損失計測工程で計測された第1圧力損失と、予め導出された第1検量線の関係式とから第1沈殿池からの汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となり、第2圧力損失計測工程で計測された第2圧力損失と、予め導出された第2検量線の関係式とから第2沈殿池からの汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となる。また、第1及び第2沈殿池のそれぞれからの汚泥の汚泥濃度を個別に導出することが可能となるため、汚泥濃縮や汚泥脱水時に添加する薬剤の添加量を精度良く決めることが可能となる。
また、本発明の汚泥濃度の計測装置によると、第2配管を流れる汚泥の流速を、第1配管を流れる流速よりも大きな所定流速とするため、当該汚泥における第2配管内での圧力損失を計測することが可能となる。このため、計測された圧力損失と、検量線の関係式とから当該汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る汚泥濃度の計測装置が採用された下水処理設備のフローを示す図である。 図1に示す計測装置の電気的構成を示すブロック図である。 汚泥の圧力損失を測定するための実験装置の概略構成図である。 汚泥の流速と圧力損失との関係を汚泥濃度毎に示すグラフである。 汚泥の圧力損失と汚泥濃度との関係を汚泥の流速毎に示すグラフである。 第1変形例に係る計測ユニットが採用された下水処理設備のフローの一部を示す図である。 第2変形例に係る計測ユニットが採用された下水処理設備のフローの一部を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る汚泥濃度の計測装置が採用された下水処理設備100について、図1を参照しつつ以下に説明する。
下水処理設備100は、最初沈殿池(第1沈殿池)1、散気管2aを有する曝気槽2、最終沈殿池(第2沈殿池)3、濃縮機4、最初沈殿池1と濃縮機4を繋ぐ配管5(第1配管)、最終沈殿池3と配管5を繋ぐ配管6(第1配管)、2つの移送ポンプ7,8、及び、計測装置30などを含む。最初沈殿池1は、家庭排水・し尿などの一般排水、工場排水、農業排水などの下水が導入され、沈降汚泥と上澄水とに分離される。最初沈殿池1の上澄水は、曝気槽2に導入され、散気管2aからの空気曝気により好気性処理される。曝気槽2内の液は、最終沈殿池3に導入され、沈降汚泥と上澄水とに分離され、上澄水は処理水として系外に取り出される。なお、図1では、最初沈澱池1の沈降汚泥と最終沈澱池3の沈降汚泥とを合流させた後に濃縮機4で濃縮しているが、合流させずに最初沈澱池1の沈降汚泥と最終沈澱池3の沈降汚泥を別々に濃縮処理、即ち、配管5(第1配管)、配管6(第1配管)にそれぞれ別個に濃縮機4を設けて濃縮処理をしてもよい。
最初沈殿池1で沈降した汚泥は、初沈汚泥として移送ポンプ7によって配管5を介して濃縮機4に送られる。このときの初沈汚泥は、通常運転時において、初沈汚泥が配管5で詰まらないように(配管5内で初沈汚泥に圧力損失がほとんど生じないように)、比較的遅い一定な流速で、移送ポンプ7によって送られる。また、最終沈殿池3で沈降した汚泥は、余剰汚泥として移送ポンプ8によって配管6を介して配管5に送られて合流し、濃縮機4に送られる。このときの余剰汚泥も、通常運転時において、余剰汚泥が配管6で詰まらないように(配管6内で余剰汚泥に圧力損失がほとんど生じないように)、比較的遅い一定な流速で、移送ポンプ8によって送られる。
配管5の合流部9(配管5に配管6が合流する箇所)の手前では、最初沈殿池1からの初沈汚泥に対し、図示しない薬注装置によって所定量の薬剤Aが添加される。また、配管6の合流部9の手前では、最終沈殿池3からの余剰汚泥に対し、図示しない薬注装置によって所定量の薬剤Bが添加される。なお、薬剤A,Bとしては、公知の凝集剤(無機凝集剤、高分子凝集剤)が採用されている。また、薬剤A及び薬剤Bは、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、薬剤Aの初沈汚泥に対する添加量、及び、薬剤Bの余剰汚泥に対する添加量は、添加する汚泥の汚泥濃度に応じて決められる。
薬剤Aが添加された初沈汚泥及び薬剤Bが添加された余剰汚泥が合流部9で合流後、配管5を介して濃縮機4に送られる。本実施形態における濃縮機4は、公知のベルト式濃縮機であるが、これ以外の濃縮機であってもよい。なお、濃縮機4の代わりに、重力濃縮槽が設けられていてもよい。このように濃縮された濃縮汚泥は、図示しない脱水機で脱水処理される。脱水機で生じた脱水ケーキは系外に取り出され、焼却処分される。
計測装置30は、2つの計測ユニット10,20を有している。この2つの計測ユニット10,20のうち、計測ユニット10は初沈汚泥の汚泥濃度を計測するためのものであり、計測ユニット20は余剰汚泥の汚泥濃度を計測するためのものである。計測ユニット10は、図1に示すように、配管5に接続された配管11(第2配管)と、2つの圧力計12,13と、流量計14と、移送ポンプ15と、制御装置16とを含んでいる。
配管11は、その両端が配管5に沿って互いに離隔して、配管5に接続されている。配管11の一端11a近傍には、逆止弁17が設けられている。逆止弁17は、配管5を流通する初沈汚泥が一端11aから配管11内に流入するのを防ぐとともに、配管11の他端11bから流入した初沈汚泥が一端11aから配管5に戻すことが可能に構成されている。配管11は、配管5の直径よりも小さい直径を有している。
移送ポンプ15は、配管11の他端11b近傍に配置されている。移送ポンプ15は、制御装置16と接続されており、制御装置16によって駆動されることで、配管5を流通する初沈汚泥を他端11bから配管11内に流入させる。流量計14は、配管11の一端11aと移送ポンプ15との間に設けられており、配管11内を流通する初沈汚泥の流量を計測する。また、流量計14は、制御装置16と接続されており、配管11の初沈汚泥の流量を制御装置16に出力する。
2つの圧力計12,13は、配管11に沿って互いに離隔して、配管11に設けられており、配管11内の初沈汚泥の圧力を計測する。これら2つの圧力計12,13は、制御装置16と接続されており、配管11内の初沈汚泥の圧力をそれぞれ制御装置16に出力する。
制御装置16は、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム及びこれらプログラムに使用されるデータを書き替え可能に記憶するROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)とを含んでいる。制御装置16を構成する各機能部は、これらハードウェアとROM内のソフトウェアとが協働して構築されている。図2に示すように、制御装置16は、記憶部16a、ポンプ制御部16b、圧力損失計測部16c、汚泥濃度導出部16dとを有している。
記憶部16aは、第1所定流速における初沈汚泥についての配管11内での圧力損失と汚泥濃度との関係を示す第1検量線の関係式を記憶している。当該第1検量線の関係式については、後述する。なお、本実施形態における第1所定流速は、移送ポンプ7によって配管5を流れる初沈汚泥の流速よりも大きな流速である。ポンプ制御部(送泥制御部)16bは、流量計14が検出する流量に基づいて、配管5を流れる初沈汚泥が第1所定流速で配管11内を流れるように、移送ポンプ15を制御する。圧力損失計測部16cは、初沈汚泥が配管11内を第1所定流速で流れたときに2つの圧力計12,13で検出された圧力に基づいて圧力損失を計測する。つまり、圧力損失計測部16cは、圧力計12が検出した圧力値と圧力計13が検出した圧力値との差から圧力損失を求める。汚泥濃度導出部16dは、圧力損失計測部16cが計測した圧力損失と、記憶部16aが記憶する第1検量線の関係式とから汚泥濃度を導出する。
計測ユニット20は、図1に示すように、計測ユニット10と同様に、配管6に接続された配管21(第2配管)と、2つの圧力計22,23と、流量計24と、移送ポンプ25と、制御装置26とを含んでおり、計測ユニット10とほぼ同様の構成である。配管21は、配管11と同様に、両端が配管6に沿って互いに離隔して、配管6に接続されている。配管21の一端21a近傍にも、逆止弁27が設けられている。逆止弁27は、配管6を流通する余剰汚泥が一端21aから配管21内に流入するのを防ぐとともに、配管21の他端21bから流入した余剰汚泥が一端21aから配管6に戻すことが可能に構成されている。配管21は、配管6の直径よりも小さい直径を有している。なお、本実施形態における配管5,6の直径は同じ大きさであるが、互いに異なっていてもよい。また、配管11,21の直径も同じ大きさであるが、互いに異なっていてもよい。
移送ポンプ25は、配管21の他端21b近傍に配置されている。移送ポンプ25は、制御装置26と接続されており、制御装置26によって駆動されることで、配管6を流通する余剰汚泥を他端21bから配管21内に流入させる。流量計24は、配管21の一端21aと移送ポンプ25との間に設けられており、配管21内を流通する余剰汚泥の流量を計測する。また、流量計24は、制御装置26と接続されており、配管21の余剰汚泥の流量を制御装置26に出力する。
2つの圧力計22,23は、配管21に沿って互いに離隔して、配管21に設けられており、配管21内の余剰汚泥の圧力を計測する。これら2つの圧力計22,23は、制御装置26と接続されており、配管21内の余剰汚泥の圧力をそれぞれ制御装置26に出力する。
制御装置26も、制御装置16と同様に、CPUと、ROMと、RAMとを含んでおり、図2に示すように、記憶部26a、ポンプ制御部26b、圧力損失計測部26c、汚泥濃度導出部26dとを有している。なお、図2においては、制御装置26の符号をカッコ付きで示している。記憶部26aは、第2所定流速における余剰汚泥についての配管21内での圧力損失と汚泥濃度との関係を示す第2検量線の関係式を記憶している。当該第2検量線の関係式については、後述する。なお、第2所定流速は、移送ポンプ8によって配管6を流れる余剰汚泥の流速よりも大きな流速である。ポンプ制御部(送泥制御部)26bは、流量計24が検出する流量に基づいて、配管6を流れる余剰汚泥が第2所定流速で配管21内を流れるように、移送ポンプ25を制御する。圧力損失計測部26cは、余剰汚泥が配管21内を第2所定流速で流れたときに2つの圧力計22,23で検出された圧力に基づいて圧力損失を計測する。つまり、圧力損失計測部26cは、圧力計22が検出した圧力値から圧力計23が検出した圧力値を差し引いて、圧力損失を求める。汚泥濃度導出部26dは、圧力損失計測部26cが計測した圧力損失と、記憶部26aが記憶する第2検量線の関係式とから汚泥濃度を導出する。
続いて、記憶部16a,26aで記憶される第1及び第2検量線の関係式の導出について、以下に説明する。
まず、最初沈殿池1から適量(例えば、50L程度)の初沈汚泥を採取する。そして、採取した初沈汚泥の一部を公知の蒸発法などで、汚泥濃度C1を測定する。残りの初沈汚泥は、図3に示す原水槽57へ投入する。図3に示す実験装置50は、計測ユニット10を小型化したものであり、配管51、2つの圧力計52,53、流量計54、移送ポンプ55、コントローラ56、及び、原水槽57で構成されている。実験装置50は、コントローラ56で移送ポンプ55を駆動することで、原水槽57内の初沈汚泥が配管51内を所定流速で流れ、原水槽57に戻る。
次に、原水槽57内の初沈汚泥を、流量Q1で配管51内を循環させたときの圧力損失ΔPを測定する。このとき、実験装置50の配管51の直径をD、断面積SをπD2/4とし、圧力計52から圧力計53までの距離をLとする。
次に、流量をQ1→Q2→Q3→Q4へと段階的に増加させ、横軸を流速V、縦軸を圧力損失ΔPとしたときの、図4に示す汚泥濃度C1に関する曲線を得る。なお、配管51の直径Dが既知であるため、流量Q1〜Q4を断面積Sで除することで流速V1〜V4が算出される。このときの流速V1〜V4は、いずれも配管5を流れる初沈汚泥の流速よりも大きい。
次に、採取した初沈汚泥を水で希釈する、又は、初沈汚泥の水分を蒸発させるなどして、汚泥濃度をC1→C2→C3→C4へと段階的に大きくした初沈汚泥のそれぞれについても上述と同様に、流速V1〜V4における圧力損失ΔPを測定し、図4に示す汚泥濃度C2,C3,C4に関する曲線をそれぞれ得る。
この後、図4に示す各曲線のデータを加工し、図5に示すように、横軸を圧力損失ΔP、縦軸を汚泥濃度Cとしたときの、流速V1〜V4ごとの曲線を得る。こうして得られた4つの曲線から、初沈汚泥における最適流速、すなわち、第1所定流速を導出する。つまり、圧力損失ΔP及び汚泥濃度Cのいずれに対しても程よい感度を示す流速V3及び流速V4のいずれかを最適流速とする。なお、最終沈殿池3からの余剰汚泥についても、上述の初沈汚泥と同様に、最適流速、すなわち、第2所定流速を導出する。このような第1及び第2所定流速は、汚泥の性状などで予め推測した流速(通常運転時の配管5,6内の汚泥の流速より大きい流速)としてもよく、特に上述の導出方法に限定するものではない。
続いて、公知の蒸発法などで、再度、初沈汚泥の汚泥濃度を測定する。この後、計測ユニット10の制御装置16により、配管11内における初沈汚泥の流速が、導出された上述の第1所定流速となるように、移送ポンプ15を制御する。このとき、配管11内の初沈汚泥の流速が配管5での流速よりも大きいため、初沈汚泥には圧力損失が生じる。
次に、配管11内を流れる初沈汚泥の圧力損失ΔPを測定する。つまり、2つの圧力計12,13で検出された圧力に基づいて、圧力損失計測部16cが圧力損失ΔPを測定する。汚泥濃度Cは日々変化するため、初沈汚泥の汚泥濃度Cの測定、及び、汚泥濃度Cが測定された初沈汚泥の第1所定流速における圧力損失ΔPの測定を繰り返し行い、計測ユニット10における当該データを蓄積する。そして、横軸に圧力損失ΔP、縦軸に汚泥濃度Cとしたときの関係を示す曲線、すなわち第1検量線を、上述と同様に得る。
また、このとき、計測ユニット20についても、計測ユニット10と同様に、余剰汚泥の汚泥濃度Cの測定、及び、汚泥濃度Cが測定された余剰汚泥の第2所定流速における圧力損失ΔPの測定を繰り返し行い、計測ユニット20における当該データを蓄積する。そして、横軸に圧力損失ΔP、縦軸に汚泥濃度Cとしたときの関係を示す曲線、すなわち第2検量線を、上述と同様に得る。こうして、得られた第1検量線の関係式及び第2検量線の関係式を導出し、記憶部16a,26aのそれぞれに記憶させる。
続いて、計測装置30での、初沈汚泥及び余剰汚泥の汚泥濃度の測定方法について、以下に説明する。
はじめに、圧力損失ΔPは、下記の式1(ダルシーワイズバッハの式)で算出される。
ΔP=f×L/D×ρV2/2・・・(式1)
ΔP:圧力損失、f:摩擦損失係数、L:配管の長さ(2つの圧力計の間の長さ)、D:配管の直径、ρ:流体の密度、V:流速とする。
流体の密度ρの変化は汚泥濃度Cの変化を意味するため、概念的に下記の式2に変換できる。
ΔP=f×L/D×CV2/2・・・(式2)
さらに式2を変形すると、式3となる。
C=2D/fLV2×ΔP・・・・・(式3)
すなわち、上述したように、汚泥濃度Cが既知のときの圧力損失ΔPを蓄積し当該汚泥の検量線(すなわち、第1及び第2検量線)を作成すれば、以降は圧力損失ΔPを測定し、その値を、対応する検量線の関係式に代入することで、汚泥濃度Cを推算することができる。
計測ユニット10で初沈汚泥の汚泥濃度Cを測定する場合、ポンプ制御部16bが、流量計14が検出する流量に基づいて、配管5を流れる初沈汚泥が第1所定流速で配管11内を流れるように、移送ポンプ15を制御する。そして、圧力損失計測部16cが、2つの圧力計12,13で検出された圧力に基づいて、初沈汚泥の配管11内での圧力損失ΔPを測定する(第1圧力損失計測工程)。
次に、汚泥濃度導出部16dが、圧力損失計測部16cが計測した圧力損失ΔPと、記憶部16aが記憶する第1検量線の関係式とから汚泥濃度Cを導出する。つまり、第1検量線の関係式に圧力損失ΔPを代入することで、汚泥濃度Cを導出する(第1汚泥濃度導出工程)。なお、配管11の直径、配管11の長さ(2つの圧力計12,13間の長さ)、初沈汚泥の流速などは、既知であるため、汚泥濃度Cを容易に導出することができる。また、導出された汚泥濃度Cは、図示しない表示器に表示するなどして、ユーザに報知すればよい。
計測ユニット20で余剰汚泥の汚泥濃度Cを測定する場合も、ポンプ制御部26bが、流量計24が検出する流量に基づいて、配管6を流れる余剰汚泥が第2所定流速で配管21内を流れるように、移送ポンプ25を制御する。そして、圧力損失計測部26cが、2つの圧力計22,23で検出された圧力に基づいて、余剰汚泥の配管21内での圧力損失ΔPを測定する(第2圧力損失計測工程)。
次に、汚泥濃度導出部26dが、圧力損失計測部26cが計測した圧力損失ΔPと、記憶部26aが記憶する第2検量線の関係式とから汚泥濃度Cを導出する。つまり、第2検量線の関係式に圧力損失ΔPを代入することで、汚泥濃度Cを導出する(第2汚泥濃度導出工程)。このときも、導出された汚泥濃度Cは、図示しない表示器に表示するなどして、ユーザに報知すればよい。こうして、計測装置30によって、初沈汚泥及び余剰汚泥のそれぞれの汚泥濃度Cが計測される。なお、初沈汚泥及び余剰汚泥のそれぞれの汚泥濃度Cを導出するための圧力損失ΔPの測定が終了した後は、配管11,21の移送ポンプ15,25と流量計14,24間に、図示しない配管洗浄ラインから洗浄液(例えば、水など)を供給して配管11,21内を洗浄してもよい。
薬剤Aの初沈汚泥に対する添加率(すなわち、薬注率)とは、添加した薬剤Aの乾燥重量を、初沈汚泥の乾燥重量で除し、百分率で表した数値である。したがって、計測ユニット10によって計測された初沈汚泥の汚泥濃度Cを利用して、現状の薬剤Aの薬注率が決められる。なお、薬剤Bの余剰汚泥に対する添加率(すなわち、薬注率)も、計測ユニット20によって計測された余剰汚泥の汚泥濃度Cを利用して、薬剤Aのときと同様にして、決められる。
薬剤A,Bの薬注率の変更は、薬注装置の注入量(すなわち、薬剤注入ポンプの吐出量)を変更(制御)することで行われる。薬注率が運転範囲より高ければ、薬剤A,Bの添加量を低減し、薬注率が運転範囲より低ければ、薬剤A,Bの添加量を増加させるように、薬注装置の注入量を制御する。このような薬剤A,Bの注入量の制御は、自動又は手動で行ってもよい。
以上のように、本実施形態における計測装置30によると、配管11,21を流れる汚泥の流速を、配管5,6を流れる流速よりも大きな所定流速(第1及び第2所定流速)とするため、当該汚泥における配管11,21内での圧力損失を計測することが可能となる。このため、配管11で計測された圧力損失と第1検量線の関係式とから初沈汚泥の汚泥濃度を導出することができ、配管21で計測された圧力損失と第2検量線の関係式とから余剰汚泥の汚泥濃度を導出することができる。
また、計測装置30が2つの計測ユニット10,20を有し、これらが、最初沈殿池1からの初沈汚泥が送られる配管5及び最終沈殿池3からの余剰汚泥が送られる配管6にそれぞれ対応して設けられている。これにより、複数の沈殿池1,3のそれぞれからの汚泥の汚泥濃度を個別に導出することが可能となる。このため、汚泥濃縮や汚泥脱水時に添加する薬剤A,Bの添加量を精度良く決めることが可能となる。なお、制御装置16,26を1つの制御装置で構成してもよい。
また、計測ユニット10,20は、配管5,6から配管11,21に汚泥を送泥する送泥手段として、移送ポンプ15,25が採用されている。これにより、配管5,6を流れる汚泥を簡単な構成で配管11,21に送ることが可能となる。
また、本実施形態における汚泥濃度の計測方法によると、最初沈殿池1(第1沈殿池)からの初沈汚泥の流速を、通常運転時における流速(配管5を流れる初沈汚泥の流速)よりも大きな第1所定流速とするため、当該汚泥における配管11内での圧力損失を計測することが可能となる。同様に、最終沈殿池3(第2沈殿池)からの余剰汚泥における配管21内での圧力損失も計測することが可能となる。このため、第1圧力損失計測工程で計測された圧力損失と、予め導出された第1検量線の関係式とから最初沈殿池1からの初沈汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となり、第2圧力損失計測工程で計測された圧力損失と、予め導出された第2検量線の関係式とから最終沈殿池3からの余剰汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となる。また、最初沈殿池1の初沈汚泥、及び、最終沈殿池3の余剰汚泥の汚泥濃度を個別に導出することが可能となるため、汚泥濃縮や汚泥脱水時に添加する薬剤の添加量を精度良く決めることが可能となる。
上述の実施形態における計測装置30は、2つの計測ユニット10,20を有し、2つの沈殿池1,3のそれぞれの汚泥の汚泥濃度を測定しているが、計測装置は1つの計測ユニットだけを有していてもよい。この場合、計測装置は、配管5,6のいずれの箇所に配置されていてもよい。上述したように複数の沈殿池1,3からの汚泥が合流する場合は、当該計測装置を配管5の合流部9から濃縮機までの間に設けてもよい。こうすれば、合流後の混合汚泥を、上述の実施形態と同様な方法で汚泥濃度を測定することが可能となる。
また、第1変形例として、図6に示すように、上述の計測ユニット10に代えて計測ユニット200が設けられていてもよい。計測ユニット200は、計測ユニット10の2つの圧力計12,13、流量計14、及び、制御装置16を有し、配管11を有さず、移送ポンプ15に代えて移送ポンプ7を有している。この変形例における計測ユニット200は、2つの圧力計12,13と流量計14とが、配管5に直接、設けられている。流量計14は、配管5の2つの圧力計12,13間に配置されている。これら2つの圧力計12,13及び流量計14は、制御装置16に接続されている。また、制御装置16においては、移送ポンプ7が接続されており、ポンプ制御部16bが、移送ポンプ7を制御する。ポンプ制御部16bは、通常運転時において、初沈汚泥の流速が比較的遅い一定な流速(配管5内で初沈汚泥に圧力損失がほとんど生じない流速)となるように、移送ポンプ7を制御する。また、ポンプ制御部16bは、配管5内での初沈汚泥の圧力損失を計測する際、及び、検量線を得るためにデータを蓄積する際に、通常運転時における初沈汚泥の流速よりも大きな所定流速となるように、移送ポンプ7を制御する。
本変形例においても、上述の実施形態と同様に、初沈汚泥の汚泥濃度を計測するための最適流速を予め決める。この後、上述の第1検量線と同様な、検量線を得るために、公知の蒸発法などで初沈汚泥の汚泥濃度を測定するとともに、配管5内における初沈汚泥の流速が、導出された所定流速(最適流速)となるように、移送ポンプ7を制御して、配管5内を流れる初沈汚泥の圧力損失ΔPを測定する。この初沈汚泥の汚泥濃度の測定、及び、汚泥濃度が測定された初沈汚泥の所定流速における圧力損失ΔPの測定を繰り返し行い、計測ユニット200におけるデータを蓄積する。そして、横軸に圧力損失ΔP、縦軸に汚泥濃度Cとしたときの関係を示す曲線、すなわち検量線を、上述と同様に得る。こうして、得られた検量線の関係式を記憶部16aに記憶させる。
続いて、計測ユニット200での、初沈汚泥の汚泥濃度の測定方法について説明する。本変形例においても、計測ユニット200で初沈汚泥の汚泥濃度Cを測定する場合、ポンプ制御部16bが、流量計14が検出する流量に基づいて、配管5を流れる初沈汚泥が所定流速で配管5内を流れるように、移送ポンプ7を制御する。そして、圧力損失計測部16cが、2つの圧力計12,13で検出された圧力に基づいて、初沈汚泥の配管5内での圧力損失ΔPを測定する(圧力損失計測工程)。
次に、汚泥濃度導出部16dが、圧力損失計測部16cが計測した圧力損失ΔPと、記憶部16aが記憶する検量線の関係式とから汚泥濃度Cを導出する。つまり、検量線の関係式に圧力損失ΔPを代入することで、汚泥濃度Cを導出する(汚泥濃度導出工程)。こうして、計測ユニット200によって計測された汚泥濃度Cを利用して、上述の実施形態と同様に、薬剤の薬注率が決められる。
以上のように、本変形例における計測ユニット200による汚泥濃度の計測方法によると、初沈汚泥の流速を、通常運転時における流速よりも大きな所定流速とするため、当該汚泥における配管5内での圧力損失を計測することが可能となる。このため、圧力損失計測工程で計測された圧力損失と、予め導出された検量線の関係式とから当該汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となる。
なお、計測ユニット200と同様の計測ユニットを上述の計測ユニット20に代えて設けて、余剰汚泥の濃度を計測してもよい。また、計測装置は、計測ユニット200だけを有していてもよい。この場合、計測装置は、配管5,6のいずれの箇所に配置されていてもよい。上述したように複数の沈殿池1,3からの汚泥が合流する場合は、移送ポンプ7を除く2つの圧力計12,13及び流量計14を配管5の合流部9から濃縮機までの間に設けてもよい。こうすれば、合流後の混合汚泥を、上述の第1変形例と同様な方法で汚泥濃度を測定することが可能となる。
また、第2変形例として、図7に示すように、上述の計測ユニット10に代えて計測ユニット300が設けられていてもよい。計測ユニット300は、計測ユニット10の配管11,2つの圧力計12,13、流量計14、及び、制御装置16を有し、逆止弁17を有さず、移送ポンプ15に代えて配管5に設けられた開閉弁301を有している。開閉弁301は、配管5において、配管11の両端部間に配置されている。また、この変形例における制御装置16は、開閉弁301が接続されており、上述のポンプ制御部16bに代えて図示しない弁制御部が設けられている。弁制御部は、通常運転時において、開閉弁301が開状態となるように、開閉弁301を制御する。これにより、初沈汚泥が移送ポンプ7によって配管5内を比較的遅い一定な流速(配管5内で初沈汚泥に圧力損失がほとんど生じない流速)で送られる。また、弁制御部は、配管11内での初沈汚泥の圧力損失を計測する際、及び、検量線を得るためにデータを蓄積する際に、開閉弁301が閉状態となるように、開閉弁301を制御する。これにより、配管5内を流れる初沈汚泥が配管11の一端11aから配管11内に流れ込み、配管11の他端11bから配管5に流出する。このときの配管11内における初沈汚泥の流速は、配管5を流れる初沈汚泥の流速がほぼ一定であるため、配管11の直径でほぼ決まる。このため、配管11の直径は、配管11内の初沈汚泥が後述する最適流速又はその近傍の流速となるように、決められる。
本変形例においても、上述の実施形態と同様に、初沈汚泥の汚泥濃度を計測するための最適流速を予め決める。この後、上述の第1検量線と同様な、検量線を得るために、公知の蒸発法などで初沈汚泥の汚泥濃度を測定するとともに、配管11内における初沈汚泥の流速が、導出された所定流速(最適流速)となるように、開閉弁301を制御して、配管11内を流れる初沈汚泥の圧力損失ΔPを測定する。この初沈汚泥の汚泥濃度の測定、及び、汚泥濃度が測定された初沈汚泥の所定流速における圧力損失ΔPの測定を繰り返し行い、計測ユニット300におけるデータを蓄積する。そして、横軸に圧力損失ΔP、縦軸に汚泥濃度Cとしたときの関係を示す曲線、すなわち検量線を、上述と同様に得る。こうして、得られた検量線の関係式を記憶部16aに記憶させる。
続いて、計測ユニット300での、初沈汚泥の汚泥濃度の測定方法について説明する。本変形例においても、計測ユニット300で初沈汚泥の汚泥濃度Cを測定する場合、弁制御部が、配管5を流れる初沈汚泥が所定流速で配管11内を流れるように、開閉弁301を制御する。そして、圧力損失計測部16cが、2つの圧力計12,13で検出された圧力に基づいて、初沈汚泥の配管11内での圧力損失ΔPを測定する(圧力損失計測工程)。
次に、汚泥濃度導出部16dが、圧力損失計測部16cが計測した圧力損失ΔPと、記憶部16aが記憶する検量線の関係式とから汚泥濃度Cを導出する。つまり、検量線の関係式に圧力損失ΔPを代入することで、汚泥濃度Cを導出する(汚泥濃度導出工程)。こうして、計測ユニット300によって計測された汚泥濃度Cを利用して、上述の実施形態と同様に、薬剤の薬注率が決められる。
以上のように、本変形例における計測ユニット300による汚泥濃度の計測方法によると、初沈汚泥の流速を、通常運転時における流速よりも大きな所定流速とするため、当該汚泥における配管11内での圧力損失を計測することが可能となる。このため、圧力損失計測工程で計測された圧力損失と、予め導出された検量線の関係式とから当該汚泥の汚泥濃度を導出することが可能となる。
なお、計測ユニット300と同様の計測ユニットを上述の計測ユニット20に代えて設けて、余剰汚泥の濃度を計測してもよい。また、計測装置は、計測ユニット300だけを有していてもよい。この場合、計測装置は、配管5,6のいずれの箇所に配置されていてもよい。上述したように複数の沈殿池1,3からの汚泥が合流する場合は、当該計測装置を配管5の合流部9から濃縮機までの間に設けてもよい。こうすれば、合流後の混合汚泥を、上述の第2変形例と同様な方法で汚泥濃度を測定することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態及び各変形例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
1 最初沈殿池(第1沈殿池)
3 最終沈殿池(第2沈殿池)
5,6 配管(第1配管)
7,8 移送ポンプ
10,20、200,300 計測ユニット(計測装置)
11,21 配管(第2配管)
12,13,22,23 圧力計
14,24 流量計
15,25 移送ポンプ(送泥手段)
16,26 制御装置
16a,26a 記憶部
16b,26b ポンプ制御部(送泥制御部)
16c,26c 圧力損失計測部
16d,26d 汚泥濃度導出部
30 計測装置
301 開閉弁(送泥手段)

Claims (5)

  1. 1以上の沈殿池で沈降分離され、ポンプ移送される、含水率が90%以上の汚泥の汚泥濃度の計測方法において、
    前記1以上の沈殿池で沈降分離された汚泥を、第1配管内で、汚泥に圧力損失がほとんど生じない一定の流速である一定流速でポンプ移送する移送工程と、
    前記第1配管内から第2配管内に流入した汚泥を、前記一定流速よりも大きな流速であって、汚泥に圧力損失が生じる流速である所定流速でポンプ移送し、前記第2配管内での圧力損失を計測する圧力損失計測工程と、
    前記圧力損失計測工程で計測された圧力損失と、予め導出された、前記所定流速における汚泥についての前記第2配管内での圧力損失と汚泥濃度との関係を示す検量線の関係式とから汚泥濃度を導出する汚泥濃度導出工程とを備えていることを特徴とする汚泥濃度の計測方法。
  2. 第1及び第2沈殿池のそれぞれで沈降分離され、ポンプ移送される、含水率が90%以上の汚泥の汚泥濃度の計測方法において、
    前記第1沈殿池で沈降分離された汚泥を、第1配管内で、汚泥に圧力損失がほとんど生じない一定の流速である第1一定流速でポンプ移送する第1移送工程と、
    前記第1配管内から第2配管内に流入した汚泥を、前記第1一定流速よりも大きな流速であって、汚泥に圧力損失が生じる流速である第1所定流速でポンプ移送し、前記第2配管内での第1圧力損失を計測する第1圧力損失計測工程と、
    前記第2沈殿池で沈降分離された汚泥を、第3配管内で、汚泥に圧力損失がほとんど生じない一定の流速である第2一定流速でポンプ移送する第2移送工程と、
    前記第3配管内から第4配管内に流入した汚泥を、前記第2一定流速よりも大きな流速であって、汚泥に圧力損失が生じる流速である第2所定流速でポンプ移送し、前記第4配管内での第2圧力損失を計測する第2圧力損失計測工程と、
    前記第1圧力損失計測工程で計測された第1圧力損失と、予め導出された、前記第1所定流速における前記第1沈殿池からの汚泥についての前記第2配管内での第1圧力損失と汚泥濃度との関係を示す第1検量線の関係式とから前記第1沈殿池からの汚泥の汚泥濃度を導出する第1汚泥濃度導出工程と、
    前記第2圧力損失計測工程で計測された第2圧力損失と、予め導出された、前記第2所定流速における前記第2沈殿池からの汚泥についての前記第4配管内での第2圧力損失と汚泥濃度との関係を示す第2検量線の関係式とから前記第2沈殿池からの汚泥の汚泥濃度を導出する第2汚泥濃度導出工程とを備えていることを特徴とする汚泥濃度の計測方法。
  3. 1以上の沈殿池で沈降分離され、ポンプ移送される、含水率が90%以上の汚泥の汚泥濃度の計測装置において、
    前記1以上の沈殿池で沈降分離された汚泥がポンプによってそれぞれ送られる第1配管よりも直径が小さく、両端が前記第1配管に接続された第2配管と、
    前記第2配管に沿って互いに離隔して設けられ、前記第2配管内の汚泥の圧力を測定する2つの圧力計と、
    前記第2配管を流れる汚泥の流量を測定する流量計と、
    前記第1配管を流れる汚泥を前記第2配管に送るための送泥手段と、
    制御装置とを備えており、
    前記制御装置は、
    汚泥が前記第1配管を流れる際の一定の流速であって、前記第1配管内で汚泥に圧力損失がほとんど生じない流速である一定流速よりも大きな流速であって、前記第2配管内で汚泥に圧力損失が生じる流速である所定流速で汚泥が前記第2配管内を流れるように、前記送泥手段を制御する送泥制御部と、
    前記所定流速における汚泥についての前記第2配管内での圧力損失と汚泥濃度との関係を示す検量線の関係式を記憶する記憶部と、
    汚泥が前記第2配管内を前記所定流速で流れたときに前記2つの圧力計で検出された圧力に基づいて圧力損失を計測する圧力損失計測部と、
    前記圧力損失計測部が計測した前記圧力損失と、前記検量線の関係式とから汚泥濃度を導出する汚泥濃度導出部とを含んでいることを特徴とする汚泥濃度の計測装置。
  4. 前記第2配管、前記2つの圧力計、前記流量計、前記送泥手段、前記制御装置が、複数の前記沈殿池のそれぞれから汚泥が送られる複数の前記第1配管毎に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の汚泥濃度の計測装置。
  5. 前記送泥手段は、前記第2配管に設けられた移送ポンプであることを特徴とする請求項3又は4に記載の汚泥濃度の計測装置。
JP2017029735A 2017-02-21 2017-02-21 汚泥濃度の計測方法及び汚泥濃度の計測装置 Active JP6856402B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017029735A JP6856402B2 (ja) 2017-02-21 2017-02-21 汚泥濃度の計測方法及び汚泥濃度の計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017029735A JP6856402B2 (ja) 2017-02-21 2017-02-21 汚泥濃度の計測方法及び汚泥濃度の計測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018134575A JP2018134575A (ja) 2018-08-30
JP6856402B2 true JP6856402B2 (ja) 2021-04-07

Family

ID=63366352

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017029735A Active JP6856402B2 (ja) 2017-02-21 2017-02-21 汚泥濃度の計測方法及び汚泥濃度の計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6856402B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58221148A (ja) * 1982-06-16 1983-12-22 Yaskawa Electric Mfg Co Ltd 汚泥濃度計
JPS59213414A (ja) * 1982-12-22 1984-12-03 Fuji Electric Co Ltd 上水,下水処理施設における汚泥濃度の計測方式
JP3417987B2 (ja) * 1994-01-17 2003-06-16 日新製鋼株式会社 汚泥処理設備の制御方法
JPH07311140A (ja) * 1994-05-17 1995-11-28 Ngk Insulators Ltd ポンプ輸送中の汚泥の水分測定方法及びその方法を利用した汚泥の焼却処理方法
JP4824539B2 (ja) * 2006-12-22 2011-11-30 巴工業株式会社 汚泥濃度制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018134575A (ja) 2018-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8262914B2 (en) Wastewater treatment system
US20120000859A1 (en) Wastewater Treatment System
KR20010050311A (ko) 이중 압력 용기 화학적 분배기 유닛
JP2010137158A (ja) 汚泥中の繊維分濃度測定装置および繊維分濃度調整装置および脱水設備および脱水方法
AU2013280162B2 (en) Dispersion and conditioning techniques for thick fine tailings dewatering operations
US20200339449A1 (en) Test apparatus for a waste water treatment system
JP6856402B2 (ja) 汚泥濃度の計測方法及び汚泥濃度の計測装置
JP5782931B2 (ja) 水処理方法及び水処理装置
JP2007222814A (ja) 凝集剤注入量制御方法及び制御コントローラ
US8318026B2 (en) Grit chamber and a method for controlling the same
JP6389137B2 (ja) 繊維状物測定装置及びその測定方法
KR101661736B1 (ko) 개수로용 유량 측정 장치
KR101017869B1 (ko) 배수지 또는 수조에서의 수질 대표값 측정 시스템
JP2015199024A (ja) 薬液洗浄方法、水処理システム、及び膜濾過装置
CN108046523A (zh) 一种石油废水在线监测系统
Marsalek et al. An elutriation apparatus for assessing settleability of combined sewer overflows (CSOs)
CN209840905U (zh) 一种污水处理工艺中沉池底泥厚度的测量装置
RU2775639C1 (ru) Система водоотведения с регулируемым притоком на канализационную насосную станцию
CN206915944U (zh) 一种可同时处理多种废水的高效污水处理系统
FR3040388A1 (fr) Procede de traitement des eaux usees comportant un decanteur statique rapide et installation associee
JP4149984B2 (ja) 汚泥処理装置及びその汚泥処理装置の運転制御装置
JP6298791B2 (ja) 汚泥脱水装置及び汚泥脱水方法
CN207525035U (zh) 新型机械搅拌澄清系统
CN206173068U (zh) 一种自动加矾控制系统
EP3814283B1 (en) Suspended solids measurement of wastewater

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210309

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6856402

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250