以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。
(実施形態)
図1は、本発明の一実施形態の呼吸数表示装置の全体構成を概略的に示す図である。図2は、呼吸数表示装置の各部の構成を概略的に示すブロック図である。
図1に示される呼吸数表示装置1は、センサボックス10と、サーバ装置20と、端末装置30とを備える。センサボックス10は、例えば、図1に示すように、ドップラセンサ部40と、信号処理部50とを備え、監視対象である被監視者2が所在する所在空間を監視可能に配置される。
ドップラセンサ部40(センサ部の一例)は、送信波を送信し、物体で反射した前記送信波の反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とに基づいてドップラ周波数成分のドップラ信号を出力するセンサ装置である。前記物体が動いている場合、いわゆるドップラ効果により前記物体の動いている速度に比例して反射波の周波数がシフトするため、送信波の周波数と反射波の周波数とに差(ドップラ周波数成分)が生じる。ドップラセンサ部40は、このドップラ周波数成分の信号をドップラ信号として生成し、出力する。
前記送信波は、超音波やマイクロ波等であって良いが、本実施形態では、2.4GHz〜24GHzのマイクロ波である。マイクロ波は、着衣を透過して生体の体表で反射できるため、生体が衣服を着ていても体表の動きを検知でき、好ましい。ドップラセンサ部40は、前記所在空間に前記送信波を送信し、前記空間から前記反射波を受信するように、配置される。このドップラ周波数成分のドップラ信号は、ドップラセンサ部40から信号処理部50へ出力される。
このようなドップラセンサ部40は、より具体的には、例えば、図2に示すように、送信部41と、送信アンテナ42と、受信アンテナ43と、受信部44と、アナログデジタル変換部(AD変換部)45とを備える。
送信部41は、マイクロ波に対応する電気信号の送信波を生成する回路であり、例えばガンダイオードや増幅回路等を備えたマイクロ波発振回路等を備えて構成される。送信アンテナ42は、送信部41に接続され、送信部41で生成された電気信号の送信波をマイクロ波の送信波に変換し、前記所在空間に前記マイクロ波の送信波を放射するアンテナである。送信アンテナ42は、所定の指向特性(メインローブの半値幅および送信方向)でマイクロ波の送信波を放射する。
受信アンテナ43は、前記所在空間からマイクロ波を取得してマイクロ波を電気信号に変換するアンテナである。受信部44は、受信アンテナ43に接続され、受信アンテナ43から出力された電気信号、および、電気信号の送信波から、信号処理によって、ドップラ周波数成分のドップラ信号を生成する回路である。
受信部44は、1チャンネルのドップラ信号を生成する回路であっても良いが、本実施形態では、より精度良く検出するために、例えば直交位相検波器等を備え、IチャンネルとQチャンネルとの2チャンネルのドップラ信号(IチャンネルデータI(t)およびQチャンネルデータQ(t))を生成する回路である。この2チャンネルの受信部44では、ドップラ周波数成分のドップラ信号Dp(t)は、I(t)+i×Q(t)の複素信号となる(Dp(t)=I(t)+i×Q(t)、iは、虚数単位であり、i2=−1)。
AD変換部45は、受信部44に接続され、アナログのドップラ信号を所定のサンプリング間隔でサンプリングしてデジタル化することによってデジタルのドップラ信号に変換する回路である。AD変換部45は、信号処理部50に接続され、このAD変換したデジタルのドップラ信号(IチャンネルデータI(t)およびQチャンネルデータQ(t))を信号処理部50へ出力する。なお、図2に示す例では、AD変換部45は、ドップラセンサ部40に備えられたが、これに代え、信号処理部50に備えられても良い。
送信アンテナ42および受信アンテナ43は、それぞれ、前記所在空間に臨むように配置される。より具体的には、例えば、図1に示すように、ドップラセンサ部40は、送信アンテナ42および受信アンテナ43が前記所在空間に向くように、前記所在空間を形成する居室の天井4の面上に設置される。ドップラセンサ部40は、被監視者2が使用するベッド3の上方の天井4の面上に設置されることが好ましいが、前記ベッド3の上方を除く他の天井4の面上に設置されても良い。このような場合、送信波の送信方向を前記ベッド3の方向に向けるために、センサボックス10は、前記送信波の送信方向を変更する送信方向変更部をさらに備えることが好ましい。
信号処理部50は、ドップラセンサ部40に接続され、ドップラセンサ部40から信号処理部50に入力されたドップラ周波数成分のドップラ信号を信号処理する。信号処理部50は、例えば、中央演算処理装置(CPU)、プログラム及びデータ等を保存するメモリ51、周辺回路等を含む。メモリ51は、例えば半導体メモリで構成される。
メモリ51に保存されたプログラムを実行することにより、CPUは、図2に示されるように、周波数解析部52、パワー算出部53、呼吸数計算部54、体動レベル計算部55、体動判定部56、通信部57として機能する。
周波数解析部52は、ドップラセンサ部40のAD変換部45に接続され、ドップラセンサ部40より入力された時間空間のドップラ信号を周波数空間のドップラ信号(パワースペクトル)に変換するものである。この周波数空間のドップラ信号は、周波数解析部52からパワー算出部53へ出力される。
この時間空間から周波数空間への変換には、公知の常套手段が用いられ、例えば、高速フーリエ変換法(FFT(Fast Fourier Transform)法)、離散フーリエ変換法(DFT(Discrete Fourier Transform)法)、離散コサイン変換法(DCT(Discrete Cosine Transform)法)およびウェーブレット変換法等が利用される。
本実施形態では、周波数解析部52は、公知技術である短時間フーリエ変換法(STFT(Short−Time Fourier Transform)法)によって前記時間空間のドップラ信号を周波数空間のドップラ信号に変換する。このSTFT法では、ドップラセンサ部40より入力された時間空間のドップラ信号は、いわゆる窓関数によって所定時間(本実施形態では例えば1分間)のドップラ信号だけ取り出され、この所定時間のドップラ信号がフーリエ変換され、これによって周波数空間のドップラ信号(パワースペクトル)が生成される。なお、前記所定時間は、1分間以上の時間でもよい。
実際には、ドップラ信号は、AD変換部45のサンプリング間隔でドップラセンサ部40から連続的に入力されるので、周波数解析部52は、ドップラセンサ部40から入力されるドップラ信号に時間的に窓関数をずらしながら当該窓関数を作用させ、そのそれぞれをフーリエ変換する。窓関数によって取り出される各所定時間のドップラ信号は、互いに独立であっても良いが、本実施形態では、時間分解能を向上させるために、互いにオーバーラップ部分を持つ。このオーバーラップ部分は、前記所定時間のドップラ信号全体に対する1/2〜1/4の間であることが好ましい。
パワー算出部53は、周波数解析部52に接続され、所定時間のドップラ信号における信号強度(パワー)を求めるものである。所定時間のドップラ信号における信号強度は、パワー算出部53から呼吸数計算部54に出力される。本実施形態では、周波数解析部52が、ドップラセンサ部40から入力されるドップラ信号に時間的に窓関数をずらしながら当該窓関数を作用させ、そのそれぞれをフーリエ変換するので、パワー算出部53も、これに応じて、時系列で順に並ぶ互いに異なる複数の所定時間のドップラ信号(周波数空間のドップラ信号)それぞれに対して信号強度を求める。
より具体的には、例えば、パワー算出部53は、周波数空間でのドップラ信号(パワースペクトル)において、各周波数成分の振幅を積算することによって、所定時間のドップラ信号における信号強度(パワー)を求める。また例えば、パワー算出部53は、周波数空間でのドップラ信号(パワースペクトル)において、各周波数成分の振幅の対数を積算することによって、所定時間のドップラ信号における対数の信号強度を求める。
なお、各周波数成分の振幅の積算は、全周波数成分について実施し、パワー算出部53は、所定時間のドップラ信号におけるトータルな信号強度(または対数の信号強度)を求めて良いが、各周波数成分の振幅の積算は、所定の周波数範囲における周波数成分について実施し、パワー算出部53は、所定時間のドップラ信号における前記所定の周波数範囲での部分的な信号強度(または対数の信号強度)を求めても良い。
特に、呼吸等に起因するドップラ信号は、約1Hz以下の低周波数範囲にパワーが偏るため、前記所定の周波数範囲は、約1Hz以下の低周波数範囲であることが好ましい。また、各周波数成分の振幅の積算は、周波数ごとに、あるいは、所定の周波数範囲ごとに、所定の重みを付けても良い。例えば、約1Hz以下の低周波数範囲における各周波数成分の振幅(またはその対数)の積算は、各周波数成分の振幅(またはその対数)に第1重みを付けて実施され、約1Hzを超える残余の周波数範囲における各周波数成分の振幅(またはその対数)の積算は、各周波数成分の振幅(またはその対数)に第1重みよりも小さい第2重みを付けて実施される。
呼吸数計算部54は、パワー算出部53により算出された、所定時間のドップラ信号における信号強度に基づき、被監視者2の呼吸数を算出する。
呼吸の動きは、胸部の上下動として現れ、比較的小さな動作で周期的な動きとなる。安静呼吸では、一般に、約12〜25回/分であり、約0.2Hz〜0.4Hzで胸部が上下動する。このような呼吸の動きに対応するドップラ信号は、比較的小さな信号強度を持つ比較的狭帯域な信号であり、周波数空間では、正常な状態では、約0.2Hz〜0.4Hzの範囲の周波数成分にピークを持つプロファイルとなる。
呼吸数計算部54は、1分間に発生する、約0.2Hz〜0.4Hzの範囲の周波数成分のピーク値の回数をカウントし、カウントした回数を呼吸数として算出する。呼吸数計算部54は、算出した呼吸数を通信部57に出力する。
体動レベル計算部55は、ドップラセンサ部40のAD変換部45に接続され、ドップラセンサ部40より入力された時間空間のドップラ信号から、例えばドリフトを除去して高周波成分をカットすることにより、被監視者2の体動の大きさ(体動レベル)を算出する。体動は、本実施形態では例えば、寝返りなどの睡眠中における被監視者2の体の動きである。
体動判定部56は、体動レベル計算部55により算出された体動レベルと、予め定められた閾値とを比較して、被監視者2の体動の有無を判定する。体動判定部56は、被監視者2の体動の有無を所定時間(第3期間の一例、本実施形態では例えば、1秒)ごとに判定する。体動判定部56は、算出された体動レベルが閾値以上のときに、被監視者2の体動有りと判定する。体動判定部56は、算出された体動レベルが閾値以上の状態から閾値未満になった時点から、閾値未満の状態が所定期間(本実施形態では例えば1分間)継続したときに、被監視者2の体動無しと判定する。体動判定部56は、被監視者2の体動の有無の判定結果を通信部57に出力する。
通信部57は、有線又は無線で、LAN、電話網又はデータ通信網等に接続する通信インタフェースであり、所定の通信プロトコルに従って網(ネットワーク)を介してサーバ装置20との間で通信信号を送受信する。通信部57は、呼吸数計算部54から入力された被監視者2の呼吸数と、体動判定部56から入力された被監視者2の体動の有無の判定結果とを、サーバ装置20に送信する。
本実施形態において、周波数解析部52、パワー算出部53、呼吸数計算部54は、計算部の一例を構成する。体動レベル計算部55、体動判定部56は、判定部の一例を構成する。
サーバ装置20は、例えばコンピュータであり、制御部21、プログラム及びデータ等を保存するメモリ22、周辺回路、表示部23を含む。メモリ22は、半導体メモリ、ハードディスク等で構成される。周辺回路は、入力部24と、通信部25とを含む。
表示部23は、例えば液晶表示パネルを含む。代替的に、表示部23は、有機EL(Electro Luminescence)パネルを含んでもよい。入力部24は、キーボード及びマウスを含んでもよい。表示部23がタッチパネル式の場合には、入力部24は、表示部23のタッチパネルであってもよい。
通信部25は、有線又は無線で、LAN、電話網又はデータ通信網等に接続する通信インタフェースであり、所定の通信プロトコルに従って網(ネットワーク)を介して、センサボックス10の信号処理部50との間、及び端末装置30との間で通信信号を送受信する。通信部25は、被監視者2の呼吸数と、被監視者2の体動の有無の判定結果とを、信号処理部50から受信する。
制御部21は、例えばCPUを含む。メモリ22に保存されたプログラムを実行することにより、制御部21は、センサボックス10の信号処理部50から送信された、被監視者2の呼吸数と、被監視者2の体動の有無の判定結果とを、受信した日時に対応付けて、メモリ22に保存する。また、制御部21は、被監視者2の呼吸数と、被監視者2の体動の有無の判定結果と、受信した日時とを、端末装置30に送信する。また、制御部21は、被監視者2の呼吸数と被監視者2の体動の有無の判定結果とに基づき、表示部23の表示内容を制御する。以下、図3〜図5を用いて、表示部23の表示内容の制御が説明される。
図3は、表示部23に表示される表示画面70の一例を概略的に示す図である。図3の表示画面70は、上半部に表示されたグラフ60と、下半部に表示された呼吸情報71とを含む。
グラフ60は、呼吸数計算部54により算出された被監視者2の呼吸数61の推移と、体動レベル計算部55により算出された被監視者2の体動レベル62の推移とを示す。グラフ60において、横軸は時刻を表し、左の縦軸は体動レベルを表し、右の縦軸は呼吸数(1分間当たりの呼吸の回数)を表す。図3のグラフ60には、ある日(day1)の0時から4時30分までの時間帯の呼吸数61及び体動レベル62の推移が示されている。図3のグラフ60に示されるように、被監視者2の体動の有無を判定する閾値TH1は、体動レベル62の基準ラインB1より高いレベルに設定されている。
呼吸情報71は、帯グラフの形式で表されている。呼吸情報71は、被監視者2の呼吸に関する情報を表す。図3では、グラフ60と同じ0時から4時30分までの時間帯の呼吸情報71が示されている。
図3のグラフ60において、時刻0:00の体動レベル62は閾値TH1以上になっている。このため、体動判定部56は、体動有りと判定する。サーバ装置20の制御部21は、通信部25を介して、体動有りとの判定結果を受け取る。0:00〜0:20の時間帯T1では、体動レベル62が閾値TH1未満の状態が1分間継続した時間帯はない。したがって、サーバ装置20の制御部21は、通信部25を介して、0:00〜0:20の時間帯T1の間中、継続して、体動有りとの判定結果を受け取る。
図3に示されるように、制御部21は、体動有りとの判定結果を受け取る間(図3の例では0:00〜0:20の時間帯T1の間)、呼吸情報71を第1色(本実施形態では例えば橙色)で表す。第1色で表された呼吸情報71(第1呼吸情報の一例)によって、被監視者2の体動に起因して、呼吸数の算出結果が不正確であることが表されている。
次に、グラフ60において、0:20〜1:00の時間帯T2では、体動レベル62は、基準ラインB1の近傍を維持しており、体動レベル62は閾値TH1未満になっている。このため、体動判定部56は、体動無しと判定する。制御部21は、通信部25を介して、体動無しとの判定結果を受け取る。制御部21は、体動無しとの判定結果を受け取ると、通信部25を介して受け取る呼吸数を確認する。制御部21は、体動無しとの判定結果を受け取っている間の過去の所定期間(第1期間の一例、本実施形態では例えば1分間)における呼吸数の平均値と、算出された呼吸数とを比較する。
なお、上述のように、本実施形態では、窓関数によって取り出される各所定時間(本実施形態では例えば1分間)のドップラ信号は、互いにオーバーラップ部分を持つ。したがって、体動無しとの判定結果を受け取っている間の所定期間(第1期間の一例、本実施形態では例えば1分間)において、呼吸数は複数回算出される。このため、制御部21は、呼吸数の平均値を算出することができる。
制御部21は、体動無しとの判定結果を受け取っている間の過去の所定期間の平均値を含む所定の第1範囲(本実施形態では例えば±2回/分)内に、算出された呼吸数が入っている間(図3の例では0:20〜1:00の時間帯T2の間)、呼吸情報71を第2色(本実施形態では例えば青色)で表す。第2色で表された呼吸情報71(第2呼吸情報の一例)によって、被監視者2の体動がないために呼吸数の算出結果が正確であり、しかも、被監視者2の呼吸数が正常範囲に入っていることが表されている。
このように、図3では、制御部21は、体動有りとの判定結果を受け取る間、呼吸情報71を第1色で表す。これによって、ユーザは、算出された呼吸数が不正確であることを容易に知ることができる。これによって、呼吸数が異常な数値を示していても、被監視者2が異常状態になっているとは言えないことが示されている。
また、制御部21は、体動無しとの判定結果を受け取っている間の平均値を含む所定の第1範囲内に、算出された呼吸数が入っている間、呼吸情報71を第2色で表す。これによって、ユーザは、呼吸数が正確な数値であって、しかも被監視者2の呼吸数が正常範囲に入っていることを容易に知ることができる。
図4は、表示部23に表示される表示画面70の図3と異なる例を概略的に示す図である。図4のグラフ60には、図3と別の日(day2)の0時から5時30分までの時間帯の呼吸数61及び体動レベル62の推移が示されている。図4のグラフ60に示されるように、被監視者2の体動の有無を判定する閾値TH2は、体動レベル62の基準ラインB2より高いレベルに設定されている。
なお、図4の閾値TH2及び基準ラインB2は、図3の閾値TH1及び基準ラインB1より低くなっている。体動判定部56は、所定時間(本実施形態では例えば1分間)継続して安定しているレベルを基準ラインとして取得し、基準ラインの高さに応じて閾値を設定してもよい。体動判定部56は、基準ラインが所定値以上変化すると、基準ラインが一定値に戻るように0点補正を行うようにしてもよい。
また、図4では、グラフ60と同じ0時から5時30分までの時間帯の呼吸情報71が示されている。
図4のグラフ60において、時刻0:00の体動レベル62は閾値TH2以上になっている。このため、体動判定部56は、体動有りと判定する。サーバ装置20の制御部21は、通信部25を介して、体動有りとの判定結果を受け取る。0:00〜0:30の時間帯T3では、体動レベル62が閾値TH2未満の状態が1分間継続した時間帯はない。したがって、サーバ装置20の制御部21は、通信部25を介して、0:00〜0:30の時間帯T3の間中、継続して、体動有りとの判定結果を受け取る。
図4に示されるように、制御部21は、体動有りとの判定結果を受け取る間(図4の例では0:00〜0:30の時間帯T3の間)、呼吸情報71を第1色(本実施形態では例えば橙色)で表す。第1色で表された呼吸情報71(第1呼吸情報の一例)によって、被監視者2の体動に起因して、呼吸数の算出結果が不正確であることが表されている。
次に、図4のグラフ60において、0:30〜1:00の時間帯T4では、体動レベル62は、基準ラインB2の近傍を維持しており、体動レベル62は閾値TH2未満になっている。このため、体動判定部56は、体動無しと判定する。制御部21は、通信部25を介して、体動無しとの判定結果を受け取る。制御部21は、体動無しとの判定結果を受け取ると、通信部25を介して受け取る呼吸数を確認する。制御部21は、体動無しとの判定結果を受け取っている間の所定期間(第1期間の一例、本実施形態では例えば1分間)における呼吸数の平均値と、算出された呼吸数とを比較する。
制御部21は、体動無しとの判定結果を受け取っている間の過去の所定期間の平均値を含む所定の第1範囲(本実施形態では例えば±2回/分)内に、算出された呼吸数が入っている間(図4の例では0:30〜1:00の時間帯T4の間)、呼吸情報71を第2色(本実施形態では例えば青色)で表す。第2色で表された呼吸情報71(第2呼吸情報の一例)によって、被監視者2の体動がないために呼吸数の算出結果が正確であり、しかも、被監視者2の呼吸数が正常範囲に入っていることが表されている。
一方、図4のグラフ60において、3:00〜3:15の時間帯T5では、体動レベル62は、基準ラインB2の近傍を維持しており、体動レベル62は閾値TH2未満になっている。このため、体動判定部56は、体動無しと判定する。制御部21は、通信部25を介して、体動無しとの判定結果を受け取る。制御部21は、体動無しとの判定結果を受け取ると、通信部25を介して受け取る呼吸数を確認する。制御部21は、上記平均値を含む上記所定の第1範囲内に、算出された呼吸数が入っているか否かを判定する。
しかし、図4のグラフ60に示されるように、3:00〜3:15の時間帯T5では、呼吸数は約17〜23回/分の範囲で変動しており、上記所定の第1範囲(本実施形態では例えば±2回/分)から外れている。この場合、制御部21は、さらに、上記平均値を含む所定の第2範囲内に、算出された呼吸数が入っているか否かを判定する。第2範囲は、第1範囲と同じに設定されているか(例えば±2回/分)、又は第1範囲より広く設定されている(例えば±3回/分)。時間帯T5では、上述のように変動範囲が大きいため、制御部21は、算出された呼吸数が上記平均値を含む上記所定の第2範囲内に入っていないと判定する。
そして、制御部21は、体動無しとの判定結果を受け取り、かつ、算出された呼吸数が上記平均値を含む上記所定の第2範囲内に入っていないと判定している間(図4の例では3:00〜3:15の時間帯T5の間)、呼吸情報71を第3色(本実施形態では例えばピンク色)で表す。第3色で表された呼吸情報71(第3呼吸情報の一例)によって、被監視者2の体動がないために呼吸数の算出結果は正確であるが、被監視者2の呼吸数が正常範囲から外れており、被監視者2に注意が必要であることが表されている。
図4のグラフ60では、4:30過ぎの時間帯T6でも、呼吸数は20回/分の前後で変動しており、制御部21は、算出された呼吸数が上記平均値を含む上記所定の第2範囲内に入っていないと判定する。そこで、制御部21は、4:30過ぎの時間帯T6の間も、呼吸情報71を第3色(本実施形態では例えばピンク色)で表す。
このように、図4では、図3と同様に、制御部21は、体動有りとの判定結果を受け取る間、呼吸情報71を第1色で表す。これによって、ユーザは、算出された呼吸数が不正確であることを容易に知ることができる。また、制御部21は、体動無しとの判定結果を受け取り、かつ、呼吸数が過去の平均値を含む上記所定範囲内にある間、呼吸情報71を第2色で表す。これによって、ユーザは、呼吸数が正確であって、しかも被監視者2の呼吸数が正常範囲に入っていることを容易に知ることができる。
図4では、さらに、制御部21は、体動無しとの判定結果を受け取り、かつ、呼吸数が平均値を含む上記所定の第2範囲内に入っていないときは、呼吸情報71を第3色で表す。これによって、ユーザは、呼吸数は正確であるが、被監視者2の呼吸数が正常範囲から外れており、被監視者2に注意が必要であることを容易に知ることができる。
図5は、サーバ装置20の表示部23に表示される表示画面のさらに別の例を概略的に示す図である。図5の表示画面70は、図3、図4と異なり、グラフを含まず、呼吸情報71のみを含む。図5では、0時から5時30分までの時間帯の呼吸情報71が示されている。このように、サーバ装置20の表示部23に表示される表示画面70は、グラフを含まず、呼吸情報71のみを含むものであってもよい。
図5において、0:00〜0:20の時間帯T11の間、制御部21は、呼吸情報71を第2色(本実施形態では例えば青色)で表している。第2色で表された呼吸情報71(第2呼吸情報の一例)によって、被監視者2の体動がないために呼吸数の算出結果が正確であり、しかも、被監視者2の呼吸数が正常範囲に入っていることが表されている。
また、0:20〜0:50の時間帯T12の間、制御部21は、呼吸情報71を第1色(本実施形態では例えば橙色)で表している。第1色で表された呼吸情報71(第1呼吸情報の一例)によって、被監視者2の体動に起因して、呼吸数の算出結果が不正確であることが表されている。
また、2:00〜2:10の時間帯T13の間、及び、2:20〜2:30の時間帯T15の間、制御部21は、呼吸情報71を第3色(本実施形態では例えばピンク色)で表している。第3色で表された呼吸情報71(第3呼吸情報の一例)によって、被監視者2の体動がないために呼吸数の算出結果は正確であるが、呼吸数が正常範囲から外れており、被監視者2に注意が必要であることが表されている。
図5では、さらに、2:10〜2:20の時間帯T14の間、制御部21は、呼吸情報71を第4色(本実施形態では例えば赤色)で表している。この時間帯T14の間、被監視者2の体動は無いと判定されているとする。つまり呼吸数の算出結果は正確である。一方、被監視者2の呼吸数の算出結果は、25回/分(上限値の一例)以上、又は12回/分(下限値の一例)以下になっているとする。
このように、図5では、第4色で表された呼吸情報71(第4呼吸情報の一例)によって、被監視者2の体動がないために呼吸数の算出結果は正確であるが、呼吸数が25回/分以上又は12回/分以下であり、被監視者2が異常状態になっていることが表されている。
以上のように、本実施形態によれば、体動判定部56により被監視者2の体動有りと判定されると、制御部21は、表示部23に表示されている被監視者2の呼吸数が不正確であることを表すように、呼吸情報71を第1色で表示部23に表示する。このため、ユーザは、呼吸情報71が第1色で表示部23に表示されると、被監視者2の呼吸数が不正確であることを容易に知ることができる。
図2に戻って、端末装置30は、例えば、いわゆるタブレット型コンピュータ、スマートフォン、又は携帯電話機等の持ち運び可能な装置である。端末装置30は、制御部31、プログラム及びデータ等を保存するメモリ32、周辺回路、タッチパネル式表示部33を含む。メモリ32は、半導体メモリ、ハードディスク等で構成される。周辺回路は、通信部34を含む。
タッチパネル式表示部33は、例えばタッチパネル式の液晶表示パネルを含む。代替的に、タッチパネル式表示部33は、タッチパネル式の有機ELパネルを含んでもよい。
通信部34は、有線又は無線で、LAN、電話網又はデータ通信網等に接続する通信インタフェースであり、所定の通信プロトコルに従って網(ネットワーク)を介してサーバ装置20の通信部25との間で通信信号を送受信する。通信部34は、被監視者2の呼吸数と、被監視者2の体動の有無の判定結果とを、通信部25から受信する。
なお、センサボックス10は、被監視者2が睡眠中であるか覚醒中であるかを検出するセンサをさらに備えてもよい。センサボックス10は、被監視者2が睡眠中であるか覚醒中であるかの検出結果をサーバ装置20に送信してもよい。サーバ装置20の通信部25は、被監視者2が睡眠中であるか覚醒中であるかの検出結果を端末装置30に送信してもよい。
制御部31は、例えばCPUを含む。メモリ22に保存されたプログラムを実行することにより、制御部31は、サーバ装置20の通信部25から受信した被監視者2の呼吸数と被監視者2の体動の有無の判定結果と、被監視者2が睡眠中であるか覚醒中であるかの検出結果とに基づき、タッチパネル式表示部33の表示内容を制御する。以下、図6〜図9を用いて、タッチパネル式表示部33の表示内容の制御が説明される。
図6〜図9は、端末装置30のタッチパネル式表示部33に表示される表示画面80の一例を概略的に示す図である。
図6〜図9に示されるように、表示画面80には、上から順に、被監視者情報表示欄81と、呼吸数表示欄82と、睡眠状態表示欄83とが設けられている。また、呼吸数表示欄82の右方には、呼吸情報84が表示されている。
被監視者情報表示欄81には、被監視者2の情報として、被監視者2の居室と氏名とが表示されている。呼吸数表示欄82には、「呼吸数」という表題と、通信部34を介して取得した呼吸数とが表示されている。睡眠状態表示欄83には、「睡眠状態」という表題と、被監視者2が睡眠中であるか覚醒中であるかが表示されている。図6〜図9では、睡眠状態表示欄83には「睡眠」と表示されており、被監視者2が睡眠中であることが示されている。
体動レベルが閾値TH1以上であるときに、睡眠状態表示欄83には「覚醒」と表示され、閾値TH1未満であるときに、睡眠状態表示欄83には「睡眠」と表示される。
尚、睡眠の表示については、体動レベルが閾値TH1未満かつ呼吸数が1分前と比べて±2回/分未満の変化である場合は「深い睡眠」又は「ノンレム睡眠」と表示し、体動レベルが閾値TH1未満かつ呼吸数が1分前と比べて2回/分以上変化している場合は「浅い睡眠」又は「レム睡眠」と表示する等、睡眠状態を分類して睡眠状態表示欄83に表示してもよい。
この場合において、1分前のみと比べて判断するよりも、好ましくは1分前と3分前と5分前と比べて2回/分以上変化しているか否かによって判定する方が、レム睡眠をより的確に表示することができる。また、周波数解析の精度に合わせて、呼吸数の閾値を±1回/分以上の変化としてもよい。
呼吸情報84は、矩形形状を有し、被監視者2の体動の有無と、被監視者2の呼吸数とに基づく色で表されている。
例えば図6の表示画面80の呼吸情報84は、第1色(本実施形態では例えば橙色)で表されている。上述のように、第1色で表された呼吸情報84(第1呼吸情報の一例)は、被監視者2の体動に起因して、呼吸数の算出結果が不正確であることを表す。図6の呼吸数表示欄82には、「23回/分」と図3、図4のグラフ60に示される安定した値の15回/分より高い数値が表示されている。しかし、呼吸情報84は、呼吸数表示欄82には「23回/分」と高い数値が表示されているが、被監視者2が異常状態になっているとは即座に言えないことを表している。
例えば図7の表示画面80の呼吸情報84は、第2色(本実施形態では例えば青色)で表されている。上述のように、第2色で表された呼吸情報84(第2呼吸情報の一例)は、被監視者2の体動がないため呼吸数の算出結果が正確であり、しかも、被監視者2の呼吸数が正常範囲に入っていることを表す。よって、図7の呼吸情報84は、呼吸数表示欄82に表示されている「15回/分」の近傍で被監視者2の呼吸数が正常範囲内に入っていることを表している。
例えば図8の表示画面80の呼吸情報84は、第3色(本実施形態では例えばピンク色)で表されている。上述のように、第3色で表された呼吸情報84(第3呼吸情報の一例)は、被監視者2の体動がないため呼吸数の算出結果は正確であるが、呼吸数が正常範囲から外れており、被監視者2に注意が必要であることを表す。このため、図8の呼吸数表示欄82には、「20回/分」と表示されているが、呼吸情報84は、呼吸数が「20回/分」で正確に算出されており、正常範囲から外れているので、被監視者2に注意が必要であることを表している。
例えば図9の表示画面80の呼吸情報84は、第4色(本実施形態では例えば赤色)で表されている。上述のように、第4色で表された呼吸情報84(第4呼吸情報の一例)は、被監視者2の体動がないため呼吸数の算出結果は正確であるが、呼吸数が25回/分以上であり、被監視者2が異常状態になっていることを表す。このため、図9の呼吸情報84は、呼吸数表示欄82に表示されている呼吸数「26回/分」が正確であり、25回/分以上であることから、被監視者2が異常状態になっていることを表している。
図10は、端末装置30のタッチパネル式表示部33に表示される表示画面の別の例を概略的に示す図である。図10には、端末装置30のユーザである被監視者2の主治医がログイン中の表示画面90が示されている。
図10に示されるように、表示画面90には、上から順に、ログイン情報表示欄91と、被監視者情報表示欄92とが設けられている。また、ログイン情報表示欄91の右方には、ログアウトボタン93が設けられている。ログイン情報表示欄91には、ログイン中の端末装置30のユーザが表されている。被監視者情報表示欄92には、被監視者2の氏名が表されている。ログアウトボタン93は、ログイン中の表示画面90からログアウトするためのボタンである。
被監視者情報表示欄92の下方に呼吸情報表示領域94が設けられている。呼吸情報表示領域94には、図3〜図5を用いて説明された帯グラフ形式の呼吸情報71が表示されている。図10では、呼吸情報71は、日付順に、それぞれ、0:00から24:00までの24時間の情報を表している。
図10の呼吸情報71において、時間帯95は、第1色で表示されており、上述のように、被監視者2の体動に起因して、算出された被監視者2の呼吸数が不正確であることを表す。時間帯96は、第2色で表示されており、被監視者2の体動がないため呼吸数の算出結果が正確であり、しかも、呼吸数が正常範囲に入っていることを表す。なお、空白で示される時間帯97は、センサボックス10が設置された部屋から被監視者2が外出中であることを示す。
呼吸情報表示領域94の右端には、スクロールバー98が表示されている。ユーザは、スクロールバー98を上下方向に操作することにより、呼吸情報表示領域94をスクロールして所望の日付の呼吸情報71を表示することができる。
なお、図10の表示画面90が端末装置30のタッチパネル式表示部33に表示される実施形態では、制御部31は、サーバ装置20から送信された、被監視者2の呼吸数と、被監視者2の体動の有無の判定結果と、受信日時とを、メモリ32に保存してもよい。制御部31は、スクロールバー98の操作によりタッチパネル式表示部33に表示すべき所望の日付の呼吸情報71を、メモリ32から読み出してもよい。
あるいは、端末装置30の制御部31は、スクロールバー98の操作によりタッチパネル式表示部33に表示すべき所望の日付の呼吸情報71を、その都度、サーバ装置20から取得してもよい。
また、この場合において、表示画面90が、端末装置30のタッチパネル式表示部33に表示されている状態で、帯グラフ形式で表された呼吸情報71上が例えば指によりタップされると、制御部31は、タップされた位置を検出してもよい。制御部31は、タップされた位置に対応する時刻の呼吸数をメモリ32から読み出し、読み出した呼吸数をタッチパネル式表示部33に表示してもよい。
(その他)
(1)上記実施形態において、表示画面70が、サーバ装置20の表示部23に表示されている状態で、帯グラフ形式で表された呼吸情報71上が入力部24の例えばマウスによりクリックされると、制御部21は、クリックされた位置を検出してもよい。制御部21は、クリックされた位置に対応する時刻の呼吸数をメモリ22から読み出し、読み出した呼吸数を表示部23に表示してもよい。
(2)上記実施形態では、表示画面70は、サーバ装置20の表示部23に表示されているが、これに限られない。表示画面70は、端末装置30のタッチパネル式表示部33に表示されてもよい。
この場合において、端末装置30の制御部31は、サーバ装置20から送信された、被監視者2の呼吸数と、被監視者2の体動の有無の判定結果と、受信日時とを、メモリ32に保存してもよい。
さらに、表示画面70が、端末装置30のタッチパネル式表示部33に表示されている状態で、帯グラフ形式で表された呼吸情報71上が例えば指によりタップされると、制御部31は、タップされた位置を検出してもよい。制御部31は、タップされた位置に対応する時刻の呼吸数をメモリ32から読み出し、読み出した呼吸数をタッチパネル式表示部33に表示してもよい。
(3)上記実施形態では、表示画面90は、端末装置30のタッチパネル式表示部33に表示されているが、これに限られない。表示画面90は、サーバ装置20の表示部23に表示されてもよい。
この場合において、表示画面90が、サーバ装置20の表示部23に表示されている状態で、帯グラフ形式で表された呼吸情報71上が例えば入力部24のマウスによりクリックされると、制御部21は、クリックされた位置を検出してもよい。制御部21は、クリックされた位置に対応する時刻の呼吸数をメモリ22から読み出し、読み出した呼吸数を表示部23に表示してもよい。
(4)図11は、端末装置30のタッチパネル式表示部33に表示される表示画面80の別の例を概略的に示す図である。端末装置30の制御部31は、図11に示されるように、表示画面80の上端に切替ボタン85を表示してもよい。制御部31は、切替ボタン85が例えば指によりタップされると、タップされた時刻から遡って所定時間(例えば2時間)の呼吸情報71をタッチパネル式表示部33に表示してもよい。
これによって、呼吸情報84に第3色又は第4色で描かれた矩形が表示されている場合に、端末装置30のユーザは、被監視者2の過去の呼吸情報71を容易に知ることができる。
(5)上記実施形態では、呼吸数表示装置1は、端末装置30を備える。しかし、表示画面80,90がサーバ装置20の表示部23に表示される場合には、呼吸数表示装置1は、端末装置30を備えなくてもよい。
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一態様は、
非接触にて監視対象である被監視者の生体信号を取得するセンサ部と、
取得された前記生体信号に基づき前記被監視者の呼吸数を算出する計算部と、
算出された前記被監視者の呼吸数を表示する表示部と、
取得された前記生体信号に基づき前記被監視者の体動の有無を判定する判定部と、
前記被監視者の体動有りと前記判定部により判定されると、前記表示部に表示されている前記被監視者の呼吸数が不正確であることを表す第1呼吸情報を前記表示部に表示する制御部と、を備えるものである。
本態様では、非接触にて被監視者の生体信号が取得される。取得された生体信号に基づき被監視者の呼吸数が算出される。算出された被監視者の呼吸数が表示部に表示される。取得された生体信号に基づき被監視者の体動の有無が判定される。
一般に、被監視者の体動が有ると、非接触にて取得された被監視者の生体信号には体動による信号と呼吸動作による信号とが重畳されている。このため、被監視者の体動が有る場合には非接触で取得された生体信号から呼吸数を正確に算出することは困難である。そこで、本態様では、被監視者の体動有りと判定されると、表示部に表示されている被監視者の呼吸数が不正確であることを表す第1呼吸情報が表示部に表示される。したがって、本態様によれば、ユーザは、第1呼吸情報が表示部に表示されると、被監視者の呼吸数が不正確であることを容易に知ることができる。その結果、表示部に表示された不正確な呼吸数に基づき、呼吸異常と誤認するのを防止できる。これによって、呼吸異常と誤認した結果、被監視者に対して不要な検査が実施されるような事態を防止することができる。
上記態様において、例えば、前記制御部は、前記被監視者の体動無しと前記判定部により判定されている間の過去の所定の第1期間の前記呼吸数の平均値を含む所定の第1範囲内に、前記被監視者の体動無しと前記判定部により判定されているときに前記計算部により算出された前記呼吸数が入っているときは、前記呼吸数が正常であることを表す第2呼吸情報を前記表示部に表示してもよい。
被監視者の体動無しと判定部により判定されているときは、呼吸数を正確に算出することができる。本態様では、被監視者の体動無しと判定部により判定されている間の過去の所定の第1期間の呼吸数の平均値を含む所定の第1範囲内に、被監視者の体動無しと判定部により判定されているときに計算部により算出された呼吸数が入っているときは、呼吸数が正常であることを表す第2呼吸情報が表示部に表示される。
一般に、呼吸数には個人差があり、算出された呼吸数の数値を見ただけでは、正常であるか否かを理解するのに時間を要してしまう。本態様では、被監視者自身の過去の第1期間の呼吸数の平均値と比較している。このため、平均値を含む所定の第1範囲内に、計算部により算出された呼吸数が入っていれば、個人差に関係なく、呼吸数が正常であると判断することができる。したがって、表示部に表示された第2呼吸情報によって、ユーザは、被監視者の呼吸数が正常であると理解することができる。
なお、前記所定の第1範囲の上限と下限との中央に前記平均値がくるように、前記所定の第1範囲を設定してもよい。或いは、前記所定の第1範囲の上限と下限との間の偏った位置に前記平均値がくるように、前記所定の第1範囲を設定してもよい。
上記態様において、例えば、前記制御部は、前記被監視者の体動無しと前記判定部により判定されている間の過去の所定の第1期間の前記呼吸数の平均値を含む所定の第2範囲内に、前記被監視者の体動無しと前記判定部により判定されているときに前記計算部により算出された前記呼吸数が入っていないときは、前記被監視者に注意を払うべきことを表す第3呼吸情報を前記表示部に表示してもよい。
被監視者の体動無しと判定部により判定されているときは、呼吸数を正確に算出することができる。本態様では、被監視者の体動無しと判定部により判定されている間の過去の所定の第1期間の呼吸数の平均値を含む所定の第2範囲内に、被監視者の体動無しと判定部により判定されているときに計算部により算出された呼吸数が入っていないときは、被監視者に注意を払うべきことを表す第3呼吸情報が表示部に表示される。
一般に、呼吸数には個人差があり、算出された呼吸数の数値を見ただけでは、正常であるか否かを理解するのに時間を要してしまう。本態様では、被監視者自身の過去の第1期間の呼吸数の平均値と比較している。このため、平均値を含む所定の第2範囲内に、算出された呼吸数が入っていなければ、個人差に関係なく、呼吸数が正常ではないと判断することができる。したがって、表示部に表示された第3呼吸情報によって、ユーザは、被監視者に注意を払うべきであると理解することができる。
なお、前記所定の第2範囲の上限と下限との中央に前記平均値がくるように、前記所定の第2範囲を設定してもよい。或いは、前記所定の第2範囲の上限と下限との間の偏った位置に前記平均値がくるように、前記所定の第2範囲を設定してもよい。
上記態様において、例えば、前記第1期間は、1分間以上であって、かつ30分間未満であるとしてもよい。
本態様では、被監視者の体動無しと判定されている間の過去の所定の第1期間の呼吸数の平均値と、被監視者の体動無しと判定されているときに算出された呼吸数とが比較される。ここで、呼吸数は1分間に呼吸を行う回数である。このため、1分間が経過する間に体動があると、呼吸数を正確に算出できない。本態様では、平均値は、被監視者の体動無しと判定されている間の1分間以上、30分間未満の呼吸数の平均値である。したがって、平均値を算出する呼吸数は、1分間以上被監視者の体動無しと判定されているときの呼吸数である。このため、本態様によれば、正確な呼吸数を用いた平均値を得ることができる。
上記態様において、例えば、前記制御部は、前記被監視者の体動無しと前記判定部により判定されているときに前記計算部により算出された前記呼吸数が所定の上限値以上又は所定の下限値以下であるときは、前記被監視者が異常状態になっていることを表す第4呼吸情報を前記表示部に表示してもよい。
被監視者の体動無しと判定部により判定されているときは、呼吸数を正確に算出することができる。本態様では、被監視者の体動無しと判定されているときに算出された呼吸数が所定の上限値以上又は所定の下限値以下であるときは、被監視者が異常状態になっていることを表す第4呼吸情報が表示部に表示される。したがって、本態様によれば、ユーザは、正確に算出された呼吸数が所定の上限値以上又は所定の下限値以下であるときに、表示部に表示された第4呼吸情報によって、被監視者が異常状態になっていることを容易に知ることができる。
本態様において、頻呼吸を25回/分と設定すれば、上限値を25回/分としてもよく、徐呼吸を12回/分以下と設定すれば、下限値を12回/分としてもよい。
上記態様において、例えば、前記センサ部は、前記生体信号を所定のサンプリング間隔で取得してもよい。前記計算部は、前記サンプリング間隔より長い第2期間の生体信号に基づき前記呼吸数を算出してもよい。前記判定部は、前記サンプリング間隔より長く、かつ前記第2期間より短い第3期間ごとに前記被監視者の体動の有無を判定してもよい。
本態様では、呼吸数は、所定のサンプリング間隔で所定の第2期間にわたって取得された生体信号に基づき算出される。被監視者の体動の有無は、第2期間より短い第3期間ごとに判定される。したがって、本態様によれば、第2期間にわたって生体信号が取得されている間に、少なくとも1回は体動の有無が判定される。その結果、第2期間の生体信号に基づき算出された呼吸数が正確であるか否かを確実に判定できる。
上記態様において、例えば、前記計算部は、前記第2期間以上の窓関数を用いて前記生体信号に対して周波数解析を行って、前記被監視者の呼吸数を算出してもよい。
本態様では、第2期間以上の窓関数を用いて生体信号に対して周波数解析を行って、被監視者の呼吸数が算出される。周波数解析を行う場合、窓関数の時間によって周波数分解能が定まる。したがって、呼吸数が第2期間の生体信号で算出される場合には、第2期間以上の窓関数を用いることが好ましい。
上記態様において、例えば、前記計算部は、所定の日数以上にわたって前記呼吸数を算出してもよい。
この出願は、2016年6月20日に出願された日本国特許出願特願2016−121357を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。