JP6855071B2 - ガスパージシステム及びガスパージ方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスパージシステム及びガスパージ方法に関する。
近年、地震等の災害や都市ガス配管の夜間工事等において、都市ガスの供給が一時的に停止した場合、非常事態に対応すべく、都市ガス(12A、13A等)に相当する燃焼特性(ウォツベ指数、燃焼速度)を有する混合ガスをその場で製造し、供給する混合ガス製造装置が開発されている。この混合ガス製造装置では、プロパン等の液化石油ガス(LPG)を原料ガスとして原料ガスタンクから取得し、原料ガスと空気を混合して混合ガスを製造し、都市ガスの代わりに混合ガスをガス消費機器に供給する。これにより、都市ガスの供給が停止しても、混合ガス製造装置により、エンドユーザーは、所定期間、都市ガスに相当する混合ガスでガス消費機器を利用することが出来る。
さて、混合ガス製造装置は、従来、ガス事業法に基づいて都市ガス事業者が取り扱うことになっていたが、上述した非常事態に鑑み、混合ガス製造装置が、高圧ガス保安法に基づいて、エンドユーザー側に平常時から常設され、エンドユーザーが自ら混合ガス製造装置を操作することが出来るようになってきた。
しかしながら、混合ガス製造装置では、原料ガスタンク内が原料ガスで高圧となっており、原料ガスが可燃性であることから、ガスの取り扱いについて専門知識を有しないエンドユーザーが混合ガス製造装置を操作し、混合ガスの燃焼特性の管理を行うことは非常に危険で、装置の運用が難しいという課題がある。
そこで、本出願人は、特開2017−207272号公報(特許文献1)に記載の混合ガス製造装置を発明している。この混合ガス製造装置は、原料ガスを貯蔵する原料ガスタンクと、原料ガスタンクから送られた原料ガスと空気を混合して混合ガスを生成するベンチュリーミキサーと、原料ガスタンクからベンチュリーミキサーに原料ガスを送り込む原料ガス配管に設けられ、この原料ガスの流れを遮断可能な電磁弁と、を備える。そして、混合ガス製造装置は、電磁弁の開弁時間を計測する開弁時間計測手段と、開弁時間計測手段で計測した開弁時間から、原料ガスタンクから送出された原料ガスの送出量を算出し、この送出量が予め定めた所定送出量に到達したら、原料ガスタンクからベンチュリーミキサーへの原料ガスの送出を制御する制御信号を発する制御部と、ベンチュリーミキサーで混合された混合ガスを一時的に貯蔵するクッションタンクと、を備える。これにより、混合ガス製造装置のクッションタンク内の混合ガスの燃焼特性を簡便に所定の範囲内に保つことが可能となるとしている。
特開2017−207272号公報
ところで、上述した混合ガス製造装置を使用する場合、混合ガス製造装置からガス消費機器までに続く混合ガス供給配管内には、最初に空気が滞留しているため、最初に混合ガス供給配管内の滞留空気を混合ガスにガスパージ(ガス置換)する必要がある。
ガスパージには、例えば、混合ガス供給配管の所定の位置から外部に通ずる放散口を設け、混合ガス供給配管への混合ガスの供給により、滞留空気を放散口から外部に追い出す方法がある。しかしながら、この方法では、滞留空気とともに混合ガスも外部に放出してしまうという課題がある。混合ガスのうち、可燃性ガスの放出により爆発事故等の危険性があるとともに、可燃性ガスに含まれる着臭剤の異臭により近隣からの苦情が懸念される。
そこで、他の方法として、滞留空気を外部に放出させずに、混合ガス供給配管内の滞留空気が混合ガスに切り替わるまで、当該混合ガス供給配管に混合ガスを供給するとともに、ガス消費機器が着火動作を繰り返して、混合ガス供給配管から供給される滞留空気及び混合ガスを燃焼させて、燃焼特性を満たさない滞留空気及び混合ガスを消費する方法もある。しかしながら、この方法では、ガス消費機器の着火動作の繰り返しにより、無駄な電力消費が生じるとともに、着火により爆発事故等の危険性も考えられ、安全性に欠けるという課題がある。
そこで、本発明では、前記課題を解決するためになされたものであり、外部に可燃性ガスを放散させること無く、必要最低限のパージを行うことで、ガス消費機器を円滑に動作させることが可能なガスパージシステム及びガスパージ方法を提供することを目的とする。
本発明に係るガスパージシステムは、パージ準備部と、パージガス供給部と、パージ開始部と、時間計時部と、時間判定部と、パージ停止部と、ガス供給制御部と、を備える。パージ準備部は、ガス消費機器とガス供給配管との接続を遮断し、当該ガス供給配管から分岐したパージ配管とガス吸着部との間の電磁弁を閉塞状態にする。パージガス供給部は、前記電磁弁が閉塞状態で、前記ガス供給配管にガスを供給する。パージ開始部は、前記ガスが供給された状態で、前記電磁弁を開放状態にして、前記ガス供給配管内の滞留空気を前記パージ配管と前記ガス吸着部とを介して外部に放出させる。時間計時部は、前記電磁弁が開放状態になった時点からの経過時間を計時する。時間判定部は、前記計時される経過時間が、前記ガス吸着部の入口における入口ガスの燃焼熱量を前記ガスの燃焼熱量と同等にするための所定のパージ時間を超過するか否かを判定する。パージ停止部は、前記経過時間が前記パージ時間を超過すると、前記電磁弁を閉塞して、前記ガス吸着部へのガスの供給を停止する。ガス供給制御部は、前記ガス吸着部へのガスの供給が停止すると、前記ガス消費機器と前記ガス供給配管とを接続して、当該ガス供給配管内のガスを前記ガス消費機器に供給する。
本発明に係るガスパージ方法は、上述と同様に、パージ準備ステップと、パージガス供給ステップと、パージ開始ステップと、時間計時ステップと、時間判定ステップと、パージ停止ステップと、ガス供給制御ステップと、を備える。
本発明によれば、外部に可燃性ガスを放散させること無く、必要最低限のパージをすることで、ガス消費機器を円滑に動作させることが可能となる。
本発明の実施形態に係るガスパージシステムの構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るガスパージシステムの機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係るガスパージ方法の実行手順を示すためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る初期画面の一例を示す図(図4A)と、本発明の実施形態に係る第一手順画面の一例を示す図(図4B)と、本発明の実施形態に係る準備開始画面の一例を示す図(図4C)と、本発明の実施形態に係る中圧配管気密検査画面の一例を示す図(図4D)と、である。 本発明の実施形態に係る第二手順画面の一例を示す図(図5A)と、本発明の実施形態に係る第三手順画面の一例を示す図(図5B)と、本発明の実施形態に係る確認画面の一例を示す図(図5C)と、本発明の実施形態に係る低圧配管気密検査画面の一例を示す図(図5D)と、である。 本発明の実施形態に係るパージ画面の一例を示す図(図6A)と、本発明の実施形態に係るパージ中画面の一例を示す図(図6B)と、本発明の実施形態に係る運転画面の一例を示す図(図6C)と、本発明の実施形態に係る運転中画面の一例を示す図(図6D)と、である。 パージ開始時点からの入口ガスの燃焼熱量と出口ガスの燃焼熱量との経時変化を示すグラフ(図7A)と、再パージ開始時点からの入口ガスの燃焼熱量と出口ガスの燃焼熱量との経時変化を示すグラフ(図7B)と、である。
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本発明に係るガスパージシステム1は、空調機器、調理機器、コジェネレーションシステム等のガス消費機器Eに対し、都市ガスから所定のガス(都市ガスの代替ガス、例えば、混合ガス)に切り替えるシステムであって、図1に示すように、混合ガス製造システム10と、切替ユニット11と、ガスパージユニット12と、制御ユニット13を備える。
混合ガス製造システム10は、例えば、エンドユーザーの操作により、原料ガスに空気を混合して、都市ガス(12A、13A等)に相当する燃焼特性(燃焼熱量、カロリー)の混合ガスを製造する。切替ユニット11は、ガス消費機器Eに対して都市ガス供給配管14から混合ガス供給配管15に切り替えて、ガス消費機器Eへの都市ガスの供給を混合ガスの供給に変更する。ガスパージユニット12は、ガス消費機器Eに対して都市ガス供給配管14から混合ガス供給配管15に切り替える際に、混合ガス供給配管15内の滞留空気を外部に放出し、混合ガス供給配管15内を混合ガスに置換する。制御ユニット13は、混合ガス製造システム10と、切替ユニット11と、ガスパージユニット12との制御を司る。
さて、各構成について詳細に説明すると、先ず、混合ガス製造システム10は、主に、原料ガスを貯蔵する原料ガス貯蔵装置16と、混合ガスを製造する混合ガス製造装置17とから構成される。
原料ガス貯蔵装置16は、原料ガスを液化状態で貯蔵する原料ガスタンク18と、原料ガス貯蔵装置16内における原料ガスのガス漏れを検知するガス漏えい検知部19と、ガス漏れが発生した場合に警報を鳴らして周囲に知らせるガス漏えい警報部20と、を備えている。原料ガスは、例えば、プロパン、ブタン等の液化石油ガス(LPG)が採用される。
原料ガスタンク18は、原料ガスを原料ガス手動バルブ21と原料ガス供給配管22を経由して混合ガス供給装置17に供給する。原料ガス手動バルブ21は、エンドユーザー等が手動で操作することで開閉される。原料ガス供給配管22には、原料ガスの上流側から下流側に向かって、第一圧力計23と、再液化防止用調整器24と、原料ガス電磁弁25と、第二圧力計26とがこの順番で設けられる。
再液化防止用調整器24は、原料ガスタンク18から供給された原料ガスの圧力を減圧し、原料ガス供給配管22内での原料ガスの再液化を防止する。第一圧力計23は、再液化防止用調整器24に流れる前の原料ガスの圧力値を計測し、第二圧力計26は、再液化防止用調整器24に流れた後の原料ガスの圧力値を計測する。両者の圧力値に基づいて、再液化防止用調整器24の異常を検知することが出来る。原料ガス電磁弁25は、制御ユニット13により開閉を制御される。
さて、原料ガス供給配管21は、第二圧力計26から混合ガス製造装置17内のベンチュリーミキサー27に原料ガスを供給する。ここで、混合ガス製造装置17内の原料ガス供給配管21には、原料ガスの上流側から下流側に向かって、第一圧力センサー28と、第一電磁弁29と、中圧調整器30と、第二圧力センサー31と、第二電磁弁32とがこの順番で設けられる。
中圧調整器30は、供給された原料ガスの圧力を、ベンチュリーミキサー27の噴出圧まで減圧する。第一圧力センサー28は、中圧調整器30に流れる前の原料ガスの圧力を計測し、第二圧力センサー31は、中圧調整器30に流れた後の原料ガスの圧力を計測する。更に、第一電磁弁29と第二電磁弁32とのそれぞれは、制御ユニット13により開閉を制御される。制御ユニット13は、第一圧力センサー28の圧力値と第二圧力センサー31の圧力値とに基づいて、第一電磁弁29と第二電磁弁32との開閉を制御し、中圧調整器30に流れる原料ガスの圧力と、中圧調整器30から出る原料ガスの圧力とを調整する。この調整により、ベンチュリーミキサー27での原料ガスと空気との混合が円滑に行われる。
ベンチュリーミキサー27は、原料ガスの供給を受けると、内部のノズルからスロートに向けて原料ガスを噴射し、当該噴射による内部の負圧から外部の空気を空気配管を通して取得し、原料ガスと空気とを混合して混合ガスを製造する。ベンチュリーミキサー27は、製造した混合ガスをクッションタンク33に供給し、ここに混合ガスを一時的に貯蔵する。
クッションタンク33は、貯蔵した混合ガスを混合ガス放出配管34を経由して混合ガス供給配管15に供給する。つまり、混合ガス放出配管34は混合ガス供給配管15に接続されている。混合ガス放出配管34には、混合ガスの上流側から下流側に向かって、第三圧力センサー35と、低圧ガバナ36と、混合ガス手動バルブ37とがこの順番で設けられる。
低圧ガバナ36は、クッションタンク33の混合ガスの圧力を、ガス消費機器Eで使用される混合ガスの圧力まで減圧する。第三圧力センサー35は、クッションタンク33から放出された混合ガスの圧力を計測する。制御ユニット13は、第三圧力センサー35の圧力値に基づいて、第一電磁弁29と第二電磁弁32との開閉を制御し、クッションタンク33に供給される混合ガスの圧力を調整する。混合ガス手動バルブ37は、エンドユーザー等が手動で操作することで開閉される。
混合ガス製造装置17の混合ガス放出配管34に接続された混合ガス供給配管15には、混合ガスの上流側から下流側に向かって、気密検査用ガスメータ38と、混合ガス圧力計39とがこの順番で設けられる。
気密検査用ガスメータ38は、混合ガス供給配管15内の気密性を検出し、混合ガスのガス漏れを検知する。気密検査用ガスメータ38には、復帰ボタンが設けられ、復帰ボタンの押下により、気密検査用ガスメータ38がリセットされる。又、気密検査用ガスメータ38には、所定のランプが設けられ、起動によりランプを点灯する。ここで、気密検査用ガスメータ38の出入口には、メータ前後バルブ40、41が設けられ、メータ前後バルブ40、41は、通常、開放状態であり、何らかの異常が生じた場合に、エンドユーザー等が手動で閉塞状態にして、混合ガス製造装置17から混合ガス供給配管15への混合ガスの供給を遮断する。制御ユニット13は、気密検査用ガスメータ38の検知結果に基づいて、各部を制御する。混合ガス圧力計39は、混合ガス供給配管15内の混合ガスの圧力を計測する。
さて、切替ユニット11には、ガス消費機器Eとの接続を都市ガス供給配管14又は混合ガス供給配管15に切り替える三方バルブ42が設けられる。都市ガス供給配管14には、都市ガス手動バルブ43が設けられ、混合ガス供給配管15には、混合ガス手動バルブ44が設けられる。都市ガス手動バルブ43は、通常、開放状態であり、都市ガスの供給が停止した場合に、エンドユーザー等が手動で閉塞状態にする。一方、混合ガス手動バルブ44は、通常、閉塞状態であり、都市ガスの供給が停止した場合に、エンドユーザー等が手動で開放状態にする。そのため、都市ガス手動バルブ43と混合ガス手動バルブ44とを連動させたワンウェイロックバルブを構成しても良い。つまり、ワンウェイロックバルブでは、エンドユーザーが都市ガス手動バルブ43を開放状態にした場合に、これに連動して、混合ガス手動バルブ44を閉塞状態にする。一方、エンドユーザーが都市ガス手動バルブ43を閉塞状態にした場合に、これに連動して、混合ガス手動バルブ44を開放状態にする。これにより、エンドユーザーのバルブの操作ミス等を防止することが出来る。
さて、ガスパージユニット12には、混合ガス供給配管15から分岐して外部に通じるパージ配管45と、入口がパージ配管45の先端に接続されたガス吸着部46とが設けられる。ガス吸着部46は、内部を通過する混合ガスのうち、可燃性ガスを吸着し、可燃性ガス以外の残留ガスを出口から放出する。
ガス吸着部46の出口には、ガス放散配管47が接続され、ガス放散配管47の先端には、外部に通ずる放散口48が設けられる。パージ配管45には、パージ入口電磁弁49が設けられ、ガス放散配管47には、パージ出口電磁弁50が設けられる。制御ユニット13は、パージ入口電磁弁49とパージ出口電磁弁50との開閉を制御し、パージ配管45からガス吸着部46に供給される混合ガスの流量等を調整する。
又、パージ入口電磁弁49よりも混合ガスの上流側のパージ配管45の所定の位置と、パージ出口電磁弁50よりも残留ガスの下流側のガス放散配管47の所定の位置との間には、ガス直行配管51が設けられ、ガス直行配管51には、パージ手動バルブ52が設けられる。パージ手動バルブ52は、通常、閉塞状態であり、ガスパージシステム1の各部の施工及び訓練時に、手動で開放状態にする。
さて、制御ユニット13には、電源スイッチ13aと、キー操作部13bと、電源ランプ13cとが設けられる。キー操作部13bは、例えば、タッチパネルで構成される。エンドユーザーがキー操作部13bを介して制御ユニット13を自ら操作することが出来る。
制御ユニット13は、図示しないCPU、ROM、RAM等を内蔵しており、CPUは、例えば、RAMを作業領域として利用し、ROM等に記憶されているプログラムを実行する。又、後述する各部についても、CPUがプログラムを実行することで当該各部を実現する。
次に、図2−図6を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。災害や都市ガス配管の夜間工事等の非常事態が発生し、都市ガスの供給が一時停止した場合、エンドユーザーは、混合ガス製造装置17を動作させるために、制御ユニット13の電源スイッチ13aを押下して、電源を投入する(図3:S101)。すると、制御ユニット13が起動して、電源ランプ13cを点灯し、制御ユニット13の画面制御部201がタッチパネル13bに初期画面を表示させる(図3:S102)。初期画面400には、例えば、図4Aに示すように、オペレーションシステムのタイトル401と、災害キー402と、訓練キー403とが表示される。尚、訓練キー403は、デモ用の実行手順が行われるが、ここでは省略する。
エンドユーザーは、初期画面400を見ながら、災害キー402を押下すると、画面制御部201が、災害キー402の押下を受け付けて、タッチパネル13bに第一手順画面を表示させる(図3:S103)。第一手順画面404には、例えば、図4Bに示すように、手順を示すメッセージ405「全ての容器バルブを開けてください。」と、完了キー406とが表示される。
エンドユーザーは、第一手順画面404を見ながら、メッセージ405に従って、ガスパージシステム1に関係するバルブを開放状態にする(図3:S104)。具体的には、エンドユーザーは、原料ガスタンク18の原料ガス手動バルブ21を開放状態にする。
そして、エンドユーザーは、バルブの開放を完了し、完了キー406を押下すると、画面制御部201が、完了キー406の押下を受け付けて、タッチパネル13bに準備開始画面を表示させる(図3:S105)。準備開始画面407には、例えば、図4Cに示すように、準備開始キー408が表示される。
エンドユーザーは、準備開始キー408を押下すると、画面制御部201が、準備開始キー408の押下を受け付け、制御ユニット13の配管気密検査部202は、中圧配管気密検査を行う(図3:S106)。
具体的には、配管気密検査部202は、第一圧力センサー28の圧力値と、第二圧力センサー31の圧力値と、第三圧力センサー35の圧力値とを取得し、各圧力値が予め設定された所定の中圧範囲内にあるか否かを判定する。
ここで、中圧配管気密検査には、所定の時間を要するため、画面制御部201は、例えば、中圧配管気密検査中に、タッチパネル13bに中圧配管気密検査画面を表示させる。中圧配管気密検査画面409には、例えば、図4Dに示すように、検査を示すメッセージ410「ガス漏れ確認中」と、中圧配管気密検査の開始時点からの経過時間411「・・・分・・・秒」とが表示される。これにより、エンドユーザーは、ガス漏れに要している時間を確認することが出来る。
さて、配管気密検査部202の判定の結果、各圧力値が所定の中圧範囲外の場合は、配管気密検査部202は、中圧配管にガス漏れは生じていると判定し、画面制御部201は、エンドユーザーに中圧配管にガス漏れが生じている旨の警告画面を表示して、中圧配管の検査を促す。
一方、各圧力値が所定の中圧範囲内に含まれている場合は、配管気密検査部202は、中圧配管にガス漏れは生じていないと判定し、この場合は、画面制御部201は、タッチパネル13bに第二手順画面を表示させる(図3:S107)。第二手順画面500には、例えば、図5Aに示すように、手順を示すメッセージ501「ワンウェイロックバルブを切り替えてください。」と、完了キー502とが表示される。
エンドユーザーは、第二手順画面500を見ながら、メッセージ501に従って、都市ガス手動バルブ43と混合ガス手動バルブ44とで構成されたワンウェイロックバルブを操作し、都市ガス手動バルブ43を閉塞状態にするとともに、混合ガス手動バルブ44を開放状態にする(図3:S108)。
そして、エンドユーザーは、バルブの操作を完了し、完了キー502を押下すると、画面制御部201が、完了キー502の押下を受け付けて、タッチパネル13bに第三手順画面を表示させる(図3:S109)。第三手順画面503には、例えば、図5Bに示すように、手順を示すメッセージ504「気密検査用ガスメータの復帰ボタンを押してください。」と、ステータス505「メータ準備中」とが表示される。ここで、ステータス505「メータ準備中」に示すように、配管気密検査部202は、低圧配管気密検査を行うために、気密検査用ガスメータ38からの信号の受信を開始する。
エンドユーザーは、第三手順画面503を見ながら、メッセージ504に従って、気密検査用ガスメータ38の復帰ボタンを押下し、気密検査用ガスメータ38を起動させ、所定のランプを点灯させる(図3:S110)。
すると、ランプの点灯から一定時間が経過した後、エンドユーザーがタッチパネル13bを操作すると、画面制御部201が、この操作を受け付け、タッチパネル13bに確認画面を表示させる(図3:S111)。確認画面506には、例えば、図5Cに示すように、確認を示すメッセージ507「メータのランプは消灯しましたか?」と、ステータス508「メータ準備中」と、確認キー509(「はい」キー)とが表示される。
エンドユーザーは、確認キー509を押下すると、画面制御部201が、確認キー509の押下を受け付け、配管気密検査部202は、低圧配管気密検査を行う(図3:S112)。
具体的には、配管気密検査部202は、気密検査用ガスメータ38が、混合ガス供給配管15の圧力低下の有無を判定する。
ここで、低圧配管気密検査には、所定の時間を要するため、画面制御部201は、例えば、低圧配管気密検査中に、タッチパネル13bに低圧配管気密検査画面を表示させる。低圧配管気密検査画面510には、例えば、図5Dに示すように、検査を示すメッセージ510「メータ準備中」が表示される。
さて、気密検査用ガスメータ38の判定の結果、混合ガス供給配管15に漏えいのある場合は、当該気密検査用ガスメータ38に予め設けられた所定のランプを点灯することにより漏えいのあることを知らせる。
一方、気密検査用ガスメータ38の判定で漏えいの無い場合、エンドユーザーは、気密検査用ガスメータ38のランプが消灯したことを確認し、タッチパネル13bを操作して確認したことを入力する。この場合は、配管気密検査部202は、この操作を受け付け、画面制御部201は、タッチパネル13bにパージ画面を表示させる(図3:S113)。パージ画面600には、例えば、図6Aに示すように、パージ開始を示すメッセージ601「自動パージシステムが稼働します。よろしいですか?」と、実行キー602(「はい」キー)とが表示される。
エンドユーザーは、パージ画面600を見ながら、メッセージ601に従って、実行キー602を押下すると、画面制御部201が、実行キー602の押下を受け付け、制御ユニット13は、ガスパージを実行する。
具体的には、制御ユニット13のパージ準備部203は、ガス消費機器Eと混合ガス供給配管15との接続を遮断し、当該混合ガス供給配管15から分岐したパージ配管45とガス吸着部46との間のパージ入口電磁弁49を閉塞状態にする(図3:S114)。パージ準備部203は、例えば、三方バルブ42でガス消費機器Eとの接続を都市ガス供給配管14に切り替えた状態にし、パージ入口電磁弁49を閉塞状態にする。
次に、制御ユニット13のパージガス供給部204は、パージ入口電磁弁49が閉塞状態で、混合ガス供給配管15に混合ガスを供給する(図3:S115)。
ここで、パージガス供給部204が混合ガスを供給する方法に特に限定は無い。例えば、中圧配管気密検査と低圧配管気密検査が既に完了しているため、パージガス供給部204は、原料ガス電磁弁25を開放状態にして、原料ガスタンク18からの原料ガスを混合ガス製造装置17のベンチュリーミキサー27に供給する。パージガス供給部204は、第一圧力センサー28の圧力値と第二圧力センサー31との圧力値とを監視しながら、第一電磁弁29と第二電磁弁32との開閉を制御し、ベンチュリーミキサー27に供給される原料ガスの圧力を調整する。ベンチュリーミキサー27では、原料ガスの供給に伴い、外部の空気を取り込みながら、所定の比率で原料ガスと空気とを混合し、混合ガスを製造してクッションタンク33に供給する。クッションタンク33に混合ガスが一時的に貯蔵され、クッションタンク33の内圧が上昇すると、クッションタンク33の混合ガスが低圧ガバナ36を介して減圧され、気密検査用ガスメータ38と混合ガス圧力計39とを通過し、混合ガス供給配管15に供給される。パージガス供給部204は、第三圧力センサー35の圧力値を監視しながら、クッションタンク33内の混合ガスの圧力が所定のタンク圧範囲内になるように、第一電磁弁29と第二電磁弁32との開閉を制御する。
さて、混合ガスが混合ガス供給配管15に供給されても、パージ入口電磁弁49が閉塞状態であるため、混合ガス供給配管15内に滞留していた滞留空気が、供給された混合ガスにより多少圧縮されたとしても、混合ガス供給配管15に残存することになる。この滞留空気には、混合ガスも多少含まれるかもしれないが、滞留空気の比率が高いため、滞留空気は、混合ガス単体の燃焼熱量(カロリー)と比較して小さい燃焼熱量となる。従って、この滞留空気を外部に放出して、混合ガス供給配管15内は混合ガスでパージする必要がある。
そこで、制御ユニット13のパージ開始部205は、混合ガス供給配管15に混合ガスが供給された状態で、パージ入口電磁弁49を開放状態にして、混合ガス供給配管15内の滞留空気をパージ配管45とガス吸着部46とを介して外部に放出させる(図3:S116)。
本発明の実施形態では、ガス吸着部46の出口にはパージ出口電磁弁50が設けられているため、パージ開始部205は、閉塞状態のパージ入口電磁弁49と閉塞状態のパージ出口電磁弁50とのそれぞれを同時に開放状態にすることで、混合ガス供給配管15内の滞留空気をパージ配管45とガス吸着部46とを通過させて外部に放散させる。
ここで、ガス吸着部46の構成に特に限定は無いが、例えば、可燃性ガスを吸着する能力を有するガス吸着カラムを挙げることが出来る。具体的には、ガス吸着部46は、粒子状の炭素系素材を含む吸着剤を充填したガス吸着カラムを採用することが出来る。このガス吸着カラムは、可燃性ガスの成分、例えば、プロパン、ブタン等の炭化水素系ガス成分と、メルカプタン等の着臭剤(付臭剤)とを吸着する。又、ガス吸着カラムは、パージ配管45とガス放散配管47とから脱着可能に構成される。
さて、滞留空気と混合ガスは、ガス吸着部46を通過することで、混合ガスに含まれる可燃性ガスと着臭剤が吸着・除去され、ガス吸着部46の出口から放出される出口ガスは、空気の成分と同様の窒素と酸素等だけとなる。そのため、混合ガス供給配管15のパージの際に、近隣に可燃性ガスや着臭剤をまき散らすことが無く、環境に配慮し、安全にパージすることが出来る。
ここで、パージ開始部205は、ガス吸着部46の出口に設けられた、開放状態のパージ出口電磁弁50の開放量を制御することで、ガス吸着部46から放出される出口ガスの流量を調整し、パージ時間を短縮するよう構成しても良い。パージ出口電磁弁50の開放量は、例えば、弁の開放口の広さを挙げることが可能であり、パージ出口電磁弁50の開放量が多い程、滞留空気と混合ガスがガス吸着部46を素早く通過し、出口ガスの流量が多くなり、パージ出口電磁弁50の開放量が少ない程、滞留空気と混合ガスがガス吸着部46をゆっくり通過し、出口ガスの流量が少なくなる。ガス吸着部46の吸着性能が高い場合は、ガス吸着部46は、混合ガスに含まれる可燃性ガスと着臭剤を素早く吸着するため、パージ出口電磁弁50の開放量を多くし、パージ時間を短縮出来る。一方、ガス吸着部46の吸着性能が低い場合は、ガス吸着部46は可燃性ガスと着臭剤をゆっくり吸着するため、パージ出口電磁弁50の開放量を少なくし、可燃性ガスと着臭剤との確実な吸着を図る。これにより、可燃性ガスと着臭剤との確実な吸着とパージ時間の必要最小限化を可能とする。
次に、制御ユニット13の時間計時部206は、パージ入口電磁弁49が開放状態になった時点(パージ開始時点)からの経過時間を計時する(図3:S117)。そして、制御ユニット13の時間判定部207は、計時される経過時間が、ガス吸着部46の入口における入口ガスの燃焼熱量を都市ガスの燃焼熱量と同等にするための所定のパージ時間を超過するか否かを判定する(図3:S118)。
ここで、パージ時間は、例えば、パージ入口電磁弁49が開放状態になった時点から、ガス吸着部46の入口における入口ガスの燃焼熱量が都市ガスの燃焼熱量に到達した時点までの時間に設定される。これにより、混合ガス供給配管15内を混合ガスで確実にパージすることが出来るとともに、ガス吸着部46の出口から混合ガスの可燃性ガスや着臭剤を外部に放出させずに済む。又、パージ時間は、エンドユーザーの待ち時間になるため、エンドユーザーへの待ち時間を必要最小限にし、エンドユーザーの利便性を向上させることが出来る。
ここで、パージには、少なくともパージ時間を要するため、画面制御部201は、例えば、パージ中に、タッチパネル13bに自動パージ中画面を表示させる。自動パージ中画面603には、例えば、図6Bに示すように、パージ中を示すメッセージ604「自動パージ中」と、パージ開始時点からの経過時間605「・・・分・・・秒」とが表示される。これにより、エンドユーザーは、パージに要している時間を確認することが出来る。
さて、時間判定部207の判定の結果、経過時間がパージ時間を超過していない場合(図3:S118NO)、時間判定部207は、混合ガス供給配管15内を混合ガスでパージ出来ていないと判定し、S118に戻って、前記判定を繰り返す(図3:S118)。
一方、経過時間がパージ時間を超過した場合(図3:S118YES)、時間判定部207は、混合ガス供給配管15内を混合ガスでパージ出来たと判定し、この場合は、制御ユニット13のパージ停止部208は、パージ入口電磁弁49を閉塞して、ガス吸着部46への混合ガスの供給を停止する(図3:S119)。
これにより、所定のパージ時間だけ混合ガスを流すことで、ガス吸着部46の吸着性能が喪失する前に、混合ガスの通過を止めて、外部に可燃性ガスと着臭剤が放出されることを確実に防止することが出来る。又、必要最低限のパージをすることで、ガス消費機器Eを円滑に動作させることが可能となる。
そして、画面制御部201は、タッチパネル13bに運転画面を表示させる(図3:S120)。運転画面606には、例えば、図6Cに示すように、運転開始キー607と、運転停止キー608とが表示される。
エンドユーザーは、運転画面606を見ながら、運転開始キー607を押下すると、画面制御部201が、運転開始キー607の押下を受け付け、制御ユニット13のガス供給制御部209は、ガス消費機器Eと混合ガス供給配管15とを接続して、当該混合ガス供給配管15内の混合ガスをガス消費機器Eに供給する(図3:S121)。ガス供給制御部209は、例えば、三方バルブ42でガス消費機器Eとの接続を混合ガス供給配管15に切り替えた状態にする。又、ガス供給制御部209は、パージガス供給部204の操作と同様に、混合ガスを製造する。
ここで、パージを完了しているため、ガス消費機器Eへ混合ガス供給配管15を接続したとしても、所定の燃焼熱量を有する混合ガスがガス消費機器Eに直ぐに供給されるため、エンドユーザーは、ガス消費機器Eを円滑に動作させることが可能となる。
又、ガス消費機器Eへ混合ガスの供給が開始されると、画面制御部201は、例えば、図6Dに示すように、運転画面606の運転開始キー607を運転中609の表示に切り替えた運転中画面を表示させる。これにより、エンドユーザーは、運転中を確認することが出来る。
さて、ガス消費機器Eへ混合ガスが供給された後に、エンドユーザーは、所定のタイミングで、運転画面606の運転停止キー608を押下すると(図3:S122YES)、画面制御部201が、運転開始キー607の押下を受け付け、ガス供給制御部209は、ガス消費機器Eへの混合ガスの供給を停止する(図3:S123)。
具体的には、ガス供給制御部209は、例えば、原料ガス電磁弁25と第一電磁弁29と第二電磁弁32とを閉塞状態とすることで、混合ガスの製造を停止させる。これにより、混合ガスの供給を停止することが出来る。
さて、本発明におけるパージ時間の有効性について説明する。上述のように、混合ガス供給配管15を介してガス消費機器Eに混合ガスを供給する際に、混合ガス供給配管15内の混合ガスが、ガス消費機器Eの燃焼可能な燃焼熱量(発熱量)を有する必要がある。
本発明では、混合ガス供給配管15に混合ガスを流して、混合ガス供給配管15内の滞留空気をガス吸着部46を経由して外部に放散させる際に、ガス吸着部46の入口における入口ガスの燃焼熱量が都市ガスの燃焼熱量と同等になるまでのパージ時間を規定する。そして、そのパージ時間だけ混合ガスを流すことで、混合ガス供給配管15内の混合ガスの燃焼熱量を都市ガスの燃焼熱量とし、且つ、混合ガスのうち、可燃性ガスや着臭剤を外部に放出させないのである。
このパージ時間が有効であることを次の実験で確認した。図1に示すシステムにおいて、都市ガスと同等の燃焼性を持つ混合ガスの燃焼熱量を55MJ/mと設定し、ガス吸着部46の出口における出口ガスの開放流量を18.0L/minと設定し、ガス吸着部46の入口と出口のそれぞれに、燃焼熱量を計測する測定器を配置した。そして、パージ入口電磁弁49とパージ出口電磁弁50との同時開放によるパージ開始時点から、ガス吸着部46の入口における入口ガスの燃焼熱量と、ガス吸着部46の出口における出口ガスの燃焼熱量とを経時的に計測した。
図7Aには、パージ開始時点からの入口ガスの燃焼熱量と出口ガスの燃焼熱量との経時変化を示すグラフである。図7Aに示すように、パージ開始時点から、入口ガスの燃焼熱量が都市ガスと同等の燃焼性を持つ混合ガスの燃焼熱量(55MJ/m)に到達した時点(6分30秒)において、出口ガスの燃焼熱量はほぼ0MJ/mであり、出口ガスに可燃性ガスが含まれていないことが理解される。つまり、入口ガス中の可燃性ガスは、ガス吸着部46に吸着されるため、出口ガスの燃焼熱量は基本的に0MJ/mであり、この状態において、出口ガスの燃焼熱量が経時的に上昇しなければ、可燃性ガスが外部に放散していないことを意味する。又、この時点において、ガス吸着部46の出口で、着臭剤を検出する試薬を設置したところ、この試薬は陰性であり、着臭剤の流出も見られなかった。
これらの結果により、入口ガスの燃焼熱量が都市ガスの燃焼熱量に到達するまでの時間(6分30秒)をパージ時間に設定することで、入口ガスの燃焼熱量を都市ガスの燃焼熱量と同等にするとともに、ガス吸着部46の出口から可燃性ガスや着臭剤を流出させずに済むことが理解される。
更に、システムの実使用では、混合ガスのパージが完了した状態であっても、何らかの理由により、再パージが行われる場合がある。そのため、再パージが行われた場合の安全性も確認した。再パージでは、都市ガスと同等の燃焼性を持つ混合ガスの燃焼熱量を60MJ/mと設定し、出口ガスの開放流量を18.0L/minと設定した。そして、上述と同様に、再パージ開始時点から、入口ガスの燃焼熱量と出口ガスの燃焼熱量とを経時的に計測した。
図7Bには、再パージ開始時点からの入口ガスの燃焼熱量と出口ガスの燃焼熱量との経時変化を示すグラフである。図7Bに示すように、入口ガスの燃焼熱量は、再パージ開始から一貫して、都市ガスと同等の燃焼性を持つ混合ガスの燃焼熱量(60MJ/m)を維持しているが、出口ガスの燃焼熱量は、再パージ開始時点から所定時間(10分)経過後に上昇を開始していることが理解される。
これらの結果により、パージ時間は、入口ガスの燃焼熱量が都市ガスの燃焼熱量に到達した時点と、出口ガスの燃焼熱量が上昇を開始した時点との間に設定されれば良いが、例えば、パージ開始時点から、入口ガスの燃焼熱量が都市ガスの燃焼熱量に到達した時点までの時間に設定されることで、可燃性ガスの排出の危険性を確実に回避するとともに、パージ時間を必要最小限とし、エンドユーザーへの待ち時間を短縮することが出来る。
ところで、ガス吸着部46を通過する出口ガスの開放流量は、ガス吸着部46の吸着性能やパージ時間に影響する。例えば、出口ガスの開放流量が低い場合、パージ時間は長くなり、その結果、混合ガスの使用開始が遅くなり、非常時に使用するシステム1の有効性が損なわれる。そこで、開放状態のパージ出口電磁弁50の開放量を制御し、出口ガスの開放流量を適切に調整することで、パージ時間を短縮することが出来る。例えば、出口ガスの開放流量を2.5L/minに設定した場合、入口ガスの燃焼熱量が都市ガスの燃焼熱量に到達するパージ時間は40分となったが、上述のように、出口ガスの開放流量を18.0L/minに設定した場合、パージ時間は6分30秒となり、パージ時間を大幅に短縮することが出来た。
尚、図7Bに示す結果により、一回目のパージした後のガス吸着部46において、二回目のパージでは、ガス吸着部46の破過(吸着能力を喪失する現象)が見られた。そのため、二回目のパージでは、大気中に可燃性ガスが排出される可能性がある。そこで、本発明では、一回目のパージを完了した後に、二回目以降にパージの指示が入力されると、例えば、パージ準備部203は、二回目以降のパージの指示を破棄する。そして、画面制御部201は、メンテナンスを要する旨のメンテナンス画面を表示する等して、ガス吸着部46の交換を促す。これにより、エンドユーザーが二回目以降のパージを実行しないように構成することが出来る。
尚、本発明の実施形態では、都市ガスの代替ガスとして、原料ガスと空気とを混合した混合ガスを採用したが、これに限定する必要は無く、他の代替ガスであっても、本発明を適用することが可能である。
又、本発明の実施形態では、エンドユーザーが気密検査用ガスメータ38の復帰ボタンを押下することで、気密検査用ガスメータ38が、下流側の混合ガス供給配管15のガス漏れ(応力低下の有無)を確認し、エンドユーザーが、気密検査用ガスメータ38のランプの点灯の有無によりガス漏れを確認するように構成したが、他の構成でも構わない。例えば、気密検査用ガスメータ38が制御ユニット13からの信号によりメータ遮断と復帰とを制御出来るように構成し、配管気密検査部202が、低圧配管気密検査の際に、気密検査用ガスメータ38に復帰信号を送信して、当該気密検査用ガスメータ38を復帰させ、当該気密検査用ガスメータ38の判定を受信し、当該判定が漏えいである場合は、タッチパネル13b等を介して、エンドユーザーに低圧配管にガス漏れが生じている旨の警告画面を表示し、前記判定が漏えいでない場合は、タッチパネル13b等を介して、パージ画面を表示する。これにより、エンドユーザーによるランプの点灯の確認作業を省略することが可能となる。システム停止の場合は、配管気密検査部202が、気密検査用ガスメータ38に遮断信号を送信して、気密検査用ガスメータ38を遮断する。
又、本発明の実施形態では、制御ユニットが各部を備えるよう構成したが、当該各部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、プログラムをシステムの装置に読み出させ、当該装置が前記各部を実現する。その場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各部が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
以上のように、本発明に係るガスパージシステム及びガスパージ方法は、都市ガスが一時的に停止した際の都市ガスの代替ガスに切り替えるシステム及び方法として有用であり、外部に可燃性ガスを放散させること無く、必要最低限のパージをすることで、ガス消費機器を円滑に動作させることが可能なガスパージシステム及びガスパージ方法として有効である。
1 ガスパージシステム
10 混合ガス製造システム
11 切替ユニット
12 ガスパージユニット
13 制御ユニット
201 画面制御部
202 配管気密検査部
203 パージ準備部
204 パージガス供給部
205 パージ開始部
206 時間計時部
207 時間判定部
208 パージ停止部
209 ガス供給制御部

Claims (5)

  1. ガス消費機器とガス供給配管との接続を遮断し、当該ガス供給配管から分岐したパージ配管とガス吸着部との間の電磁弁を閉塞状態にするパージ準備部と、
    前記電磁弁が閉塞状態で、前記ガス供給配管にガスを供給するパージガス供給部と、
    前記ガスが供給された状態で、前記電磁弁を開放状態にして、前記ガス供給配管内の滞留空気を前記パージ配管と前記ガス吸着部とを介して外部に放出させるパージ開始部と、
    前記電磁弁が開放状態になった時点からの経過時間を計時する時間計時部と、
    前記計時される経過時間が、前記ガス吸着部の入口における入口ガスの燃焼熱量を前記ガスの燃焼熱量と同等にするための所定のパージ時間を超過するか否かを判定する時間判定部と、
    前記経過時間が前記パージ時間を超過すると、前記電磁弁を閉塞して、前記ガス吸着部へのガスの供給を停止するパージ停止部と、
    前記ガス吸着部へのガスの供給が停止すると、前記ガス消費機器と前記ガス供給配管とを接続して、当該ガス供給配管内のガスを前記ガス消費機器に供給するガス供給制御部と、
    を備えるガスパージシステム。
  2. 前記パージ時間は、前記電磁弁が開放状態になった時点から、前記ガス吸着部の入口における入口ガスの燃焼熱量が都市ガスと同等の燃焼性を持つ混合ガスの燃焼熱量に到達した時点までの時間に設定される、
    請求項1に記載のガスパージシステム。
  3. 前記パージ開始部は、前記ガス吸着部の出口に設けられたパージ出口電磁弁を、前記電磁弁と同時に開放状態とし、当該パージ出口電磁弁の開放量を制御することで、当該ガス吸着部から放出される出口ガスの流量を調整し、前記パージ時間を短縮する、
    請求項1又は2に記載のガスパージシステム。
  4. 前記パージ準備部は、一回目のパージを完了した後に、二回目以降にパージの指示が入力されると、当該二回目以降のパージの指示を破棄する、
    請求項1−3のいずれか一項に記載のガスパージシステム。
  5. ガス消費機器とガス供給配管との接続を遮断し、当該ガス供給配管から分岐したパージ配管とガス吸着部との間の電磁弁を閉塞状態にするパージ準備ステップと、
    前記電磁弁が閉塞状態で、前記ガス供給配管にガスを供給するパージガス供給ステップと、
    前記ガスが供給された状態で、前記電磁弁を開放状態にして、前記ガス供給配管内の滞留空気を前記パージ配管と前記ガス吸着部とを介して外部に放出させるパージ開始ステップと、
    前記電磁弁が開放状態になった時点からの経過時間を計時する時間計時ステップと、
    前記計時される経過時間が、前記ガス吸着部の入口における入口ガスの燃焼熱量を前記ガスの燃焼熱量と同等にするための所定のパージ時間を超過するか否かを判定する時間判定ステップと、
    前記経過時間が前記パージ時間を超過すると、前記電磁弁を閉塞して、前記ガス吸着部へのガスの供給を停止するパージ停止ステップと、
    前記ガス吸着部へのガスの供給が停止すると、前記ガス消費機器と前記ガス供給配管とを接続して、当該ガス供給配管内のガスを前記ガス消費機器に供給するガス供給制御ステップと、
    を備えるガスパージ方法。
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