JP6854687B2 - 多段流体機械 - Google Patents

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    • F04D29/444Bladed diffusers

Description

本発明は、遠心羽根車や斜流羽根車等の羽根車を複数有する多段流体機械に関する。
一つの回転軸に遠心羽根車や斜流羽根車等の羽根車を複数搭載した多段流体機械では、各段の羽根車で昇圧された作動流体(以下、単に「流体」ともいう)が旋回しながら径方向外側へ向かって吐き出される。このため、多段流体機械には、径方向外側へ向かって吐き出された流体を、回転軸の軸方向の下流側かつ径方向内側にある次段の羽根車の入口へと導くための戻り流路であるリターンチャネルが設けられている。
流体が各段のリターンチャネルを通過する際に、流れにおける羽根車回転方向と同一方向の旋回成分(予旋回)を十分に除去できない場合、次段の羽根車での効率や圧力上昇が低下することが一般的に知られている。したがって、多段流体機械の高性能化を実現するためには、リターンチャネルにおいて予旋回を十分に除去した上で、流体を次段の羽根車の入口へと導くことが効果的である。そのため、リターンチャネルには、周方向に等間隔に並ぶ翼であるリターンベーンが設置されている。
特許文献1,2には、リターンチャネルにおける流体の流れの特性の向上を図った技術が記載されている。
例えば、特許文献1に記載の技術では、隣り合うリターンベーン間にスプリッタベーンが設けられるとともに、このスプリッタベーンの後縁が、リターンベーンの後縁よりも下流側に延伸している。このように構成することで、リターンベーンの下流側の端部において流体が剥離方向へ変位しようとすることをスプリッタベーンの延伸部によって抑制し、流体をリターンベーンに沿うように流すことができる。
また、特許文献2に記載の技術では、リターンベーンの後縁から径方向内側へと延伸する整流板が、複数のリターンベーンの一部に設けられている。このように構成することで、次段の羽根車からの逆流が整流される。
特開2015−135068号公報 特開2005−330878号公報
特許文献1,2に記載の技術では、リターンベーンの下流側に、リターンベーンの後縁よりも下流側に延伸するスプリッタベーンや整流板が設置されている。そして、特許文献1,2に記載の技術のいずれも、このようなスプリッタベーンや整流板を設置することで、リターンチャネルにおける予旋回を除去する性能(以下、「旋回除去性能」ともいう)の向上を狙っている。
特許文献1,2に記載のスプリッタベーンや整流板等の旋回除去性能を有する部材(以下、「旋回除去部材」という)は、下流側への延伸量が大きいほど、予旋回に対する除去性能が向上する。これにより、次段の羽根車における効率や圧力上昇を向上させることができる。しかしながら、旋回除去部材の後縁が、次段の羽根車の翼の前縁に近付けば近付くほど、旋回除去部材の後縁からの流れが次段の回転する羽根車の翼と干渉する、いわゆる動静翼干渉が強まることとなる。このため、騒音や、非定常圧力変動に伴う旋回除去部材の壁面への設置部である付根の応力変動が増加してしまう。特許文献1,2に記載のスプリッタベーンや整流板は、流れの旋回成分の除去を企図しているものの、下流側への延伸量が増加した際に増大する動静翼干渉を抑制することについては、十分考慮したものとは言えなかった。
また、多段流体機械におけるリターンベーンの出口では、実際にはベーン高さ方向(リターンチャネルの幅方向)に流れの旋回成分の分布がついている場合が多い。しかしながら、特許文献1および2に記載のスプリッタベーンや整流板は、流れの旋回成分のベーン高さ方向における分布を十分考慮したものとは言えなかった。
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、次段の羽根車の翼との動静翼干渉を低減させつつ、リターンチャネルにおける旋回除去性能を向上させることができる多段流体機械を提供することを課題とする。
前記課題を達成するために、本発明に係る多段流体機械は、複数の羽根車と、複数の前記羽根車がそれぞれ取り付けられている回転軸とを備える。また、多段流体機械は、前記羽根車の径方向外側に設けられているディフーザと、前記ディフーザの下流に設けられており、前記ディフーザから後段の前記羽根車へ流体を導くリターンチャネルとを備える。また、多段流体機械は、前記リターンチャネルに設けられており、周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚のリターンベーンを備える。前記リターンチャネルには、前記リターンベーンの後縁よりも下流側に位置する後縁を有する旋回除去部材が設けられている。前記リターンチャネルの幅方向における前記旋回除去部材の高さは、前記旋回除去部材の前縁での値よりも前記旋回除去部材の後縁での値の方が小さく、かつ、下流側に行くに従い広義単調減少している。前記リターンチャネルの幅方向における前記旋回除去部材の中心を示す部材中心線と、前記リターンチャネルにおける前記回転軸の軸方向の下流側に位置する壁面との前記幅方向における距離は、次の通りである。すなわち、前記距離は、前記旋回除去部材の前縁での値よりも前記旋回除去部材の後縁での値の方が小さく、かつ、下流側に行くに従い広義単調減少している。また、前記旋回除去部材における前記回転軸の軸方向の上流側に位置する端縁は、流体の流れの下流側に行くに従い、前記回転軸に近付くとともに、前記リターンチャネルにおける前記回転軸の軸方向の下流側に位置する壁面との前記幅方向における距離が広義単調減少している。
本発明によれば、次段の羽根車の翼との動静翼干渉を低減させつつ、リターンチャネルにおける旋回除去性能を向上させることができる多段流体機械を提供できる。
本発明の一実施形態に係る多段流体機械を示す子午面断面図である。 図1に示される多段流体機械の部分拡大断面図である。 図1および図2に示されるリターンベーン周辺を回転軸の軸方向の下流側から見た図である。 図2の旋回除去部材周辺の拡大断面図である。 図1〜図4に示す旋回除去部材が設けられていない従来の一般的な比較例に係る多段流体機械の部分拡大断面図である。 比較例に係る多段流体機械のリターンチャネルの出口における流れ角のコンター図の一例をリターンベーンとともに示す。 一般的な多段流体機械の任意の段の子午面断面図中に、羽根車の出口付近およびリターンベーンの前縁付近における、流れの子午面方向速度の分布を模式的に重ねて描いた図である。 図8(a)は、一般的な多段流体機械の任意の段のリターンベーンにおける、ハブ側の壁面付近の、リターンベーンへの流入流れベクトルおよびリターンベーン間の流線を説明する図である。図8(b)は、一般的な多段流体機械の任意の段のリターンベーンにおける、シュラウド側の壁面付近の、リターンベーンへの流入流れベクトルおよびリターンベーン間の流線を説明する図である。 本実施形態に係る多段流体機械のリターンチャネルの出口における流れ角のコンター図の一例をリターンベーンとともに示す。 図10(a)〜(d)は、変形例に係る旋回除去部材周辺の拡大断面図である。 図11(a),(b)は、変形例に係る旋回除去部材周辺を回転軸の軸方向の下流側から見た図である。 図12(a)は、変形例に係る旋回除去部材周辺の拡大断面図である。図12(b)は、図12(a)に示される旋回除去部材周辺を回転軸の軸方向の下流側から見た図である。 図13(a)〜(c)は、変形例に係る旋回除去部材を回転軸の軸方向の下流側から見た図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を適宜省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る多段流体機械100を示す子午面断面図である。ここで、子午面断面は、多段流体機械100を回転軸4の中心軸を含む平面で切断した断面に各部を投影したものをいう。図2は、図1に示される多段流体機械100の部分拡大断面図である。図3は、図2に示されるリターンベーン11周辺を回転軸4の軸方向の下流側(図2の右側)から見た図である。ただし、図3では、半径方向における中央および外側の部分の図示を省略している。
以下、多段流体機械100が一軸多段式の遠心圧縮機である例を取り上げて説明する。
図1に示すように、多段流体機械100は、回転エネルギーを作動流体に付与する複数の遠心羽根車(以下、単に「羽根車」ともいう)2と、複数の羽根車2がそれぞれ取り付けられている回転軸4とを備えている。羽根車2の径方向外側には、羽根車2から送り出される流体の動圧成分を静圧成分へ変換するディフューザ3が設けられている。また、ディフューザ3の下流には、ディフューザ3から後段の羽根車2へ流体を導くリターンチャネル10が設けられている。
図2に示すように、羽根車2は、円盤状のハブ22と、ハブ22上に周方向に間隔をおいて配置されている複数枚の翼(羽根)21とを有している。また、ハブ22に対向して翼21を間に挟んでシュラウド(側板)23が配置されている。ハブ22は、回転軸4に締結されている。複数枚の翼21は、ハブ22とシュラウド23との間に位置している。なお、図2では、シュラウド23を有するクローズド型の羽根車2の一例を示している。ただし、シュラウド23を有さないオープン型の羽根車が使用されてもよい。
ディフューザ3は、本実施形態では、図2に示すように、周方向にほぼ等ピッチで配置された複数枚の翼を有するベーン(羽根)付きディフューザである。ただし、図2では示していないが、翼を有さないベーンレスディフューザが使用されてもよい。
図2〜図3に示すように、リターンチャネル10には、周方向に沿ってほぼ等ピッチで間隔をあけて配置された複数枚の翼であるリターンベーン11が設けられている。リターンベーン11は、後縁111付近がほぼ径方向を向くような翼型として構成される場合が多く、羽根車2およびディフューザ3を回転しながら通過する流体の流れの旋回成分を除去するための要素である。リターンベーン11によって流れの旋回成分を除去し、次段の羽根車2の翼21へと流入する流れを整流することで、次段の羽根車2における圧力上昇量および効率が増大する。
図1に示すように、多段流体機械100は、図2に示した圧縮段が複数段回転軸4の軸方向に積層した形で構成されている。回転軸4を回転自在に支持するラジアル軸受7が回転軸4の両端側に配置されている。また、回転軸4の一方の端部には、回転軸4を軸方向に支持するスラスト軸受8が配置されている。
回転軸4には、多段の圧縮段の羽根車2(図1では5つの羽根車2)が固定して取り付けられている。各羽根車2の下流側には、前記したように、ディフューザ3およびリターンチャネル10が設けられている。これらの羽根車2、ディフューザ3、およびリターンチャネル10は、ケーシング9内に収容されている。ケーシング9の吸込み側には、吸込み流路5が設けられており、ケーシング9の吐出側には吐出流路6が設けられている。
このように構成された多段流体機械100においては、羽根車2の吸込口1から吸引された流体が、各段の羽根車2、ディフューザ3、リターンチャネル10を通過するごとに昇圧されて次段の圧縮段に送られる。そして、圧縮された流体は、最終的に所定圧力になって吐出流路6へ吐出される。
図2〜図3に示すように、リターンチャネル10には、リターンベーン11の後縁111よりも下流側に位置する後縁15を有する旋回除去部材13が設けられている。旋回除去部材13は、周方向において隣り合う2枚のリターンベーン11の間(ここでは周方向の中央位置)に設けられている。旋回除去部材13は、本実施形態では、周縁の外形が後記する特定の形状に形成されている平板であり、厚みが一定である。
図4は、図2の旋回除去部材13周辺の拡大断面図である。
図4に示すように、子午面断面において、リターンチャネル10の幅方向における旋回除去部材13の高さは、旋回除去部材13の前縁14での値H1よりも旋回除去部材13の後縁15での値H2の方が小さい。しかも、旋回除去部材13の高さは、流体の流れの下流側に行くに従い広義単調減少している。ここで、広義単調減少とは、減少または同じ値を維持する場合をいい、すなわち増加しないことを指す。つまり、旋回除去部材13の高さは、下流側に行くに従い概ね小さくなっている。
また、リターンチャネル10の幅方向における旋回除去部材13の中心を示す部材中心線Aと、リターンチャネル10におけるシュラウド側の壁面16との幅方向における距離は、次の通りである。すなわち、前記距離は、旋回除去部材13の前縁14での値D1よりも旋回除去部材13の後縁15での値D2の方が小さいく、かつ、下流側に行くに従い広義単調減少している。これにより、リターンチャネル10の流路に沿う方向における旋回除去部材13の長さが、シュラウド側の壁面16付近で長くなり、ハブ側の壁面17付近で短くなる。シュラウド側の壁面16とは、羽根車2のシュラウド23(図2参照)側を通った流体が主に流れる側の壁面をいい、リターンチャネル10では回転軸4の軸方向の下流側に位置する壁面(図4で右側の壁面)に相当する。また、ハブ側の壁面17とは、羽根車2のハブ22(図2参照)側を通った流体が主に流れる側の壁面をいい、リターンチャネル10では回転軸4の軸方向の上流側に位置する壁面(図4で左側の壁面)に相当する。
リターンベーン11の後縁111の直下流において、旋回除去部材13の高さは、リターンチャネル10の幅に合致しており、すなわち略等しくなっている。また、旋回除去部材13における回転軸4の軸方向の下流側に位置する端縁131は、リターンチャネル10におけるシュラウド側の壁面16に接合して設けられている。
旋回除去部材13の前縁14は、リターンベーン11の後縁111の直下流に位置している。旋回除去部材13における回転軸4の軸方向の上流側に位置する端縁132は、子午面断面において、リターンチャネル10におけるハブ側の壁面17に向けて凸状の曲線を呈している。また、部材中心線Aも、子午面断面において、リターンチャネル10におけるハブ側の壁面17に向けて凸状の曲線を呈している。
次に、前記したように構成されている多段流体機械100に旋回除去部材13を設置することによる作用効果について説明する。
図5は、図1〜図4に示す旋回除去部材13が設けられていない従来の一般的な比較例に係る多段流体機械200の部分拡大断面図である。図6は、比較例に係る多段流体機械200のリターンチャネル10の出口(羽根車2の吸込口1と同義)における流れ角αのコンター図の一例をリターンベーン11とともに示す。流れ角αのコンター図は、数値流体解析により求めた。ここで、流れ角αは、流れが回転軸4の軸方向に対して傾斜する角度である。コンター図において、αが正の領域(領域P1〜P6)は、流れが羽根車2の回転方向と同一方向の旋回成分(予旋回)を有する領域であり、一方、αが負の領域(領域N1〜N6)は、流れが羽根車2の回転方向と逆方向の旋回成分(逆旋回)を有する領域である。つまり、流れ角αは、回転軸4の軸方向に沿う流れの場合には0となり、下流側に行くに従い予旋回方向に傾く流れの場合には「正」となり、下流側に行くに従い予旋回方向と逆方向に傾く流れの場合には負となる。
図6から、リターンチャネル10の出口において、予旋回が支配的となるのは、径方向外側のシュラウド側の壁面16側の領域であり、逆旋回が支配的となるのは、径方向内側のハブ側の壁面17側であることが分かる。
この理由(メカニズム)を、図7〜図8を用いて説明する。図7は、一般的な多段流体機械の任意の段の子午面断面図中に、羽根車2の出口24付近およびリターンベーン11の前縁112付近における、流れの子午面方向速度Cmの分布Eを模式的に重ねて描いた図である。ここで、流れの子午面方向は、子午面断面における流路に沿った方向をいう。図8(a)は、一般的な多段流体機械の任意の段のリターンベーン11における、ハブ側の壁面17付近の、リターンベーン11への流入流れベクトルおよびリターンベーン11間の流線を説明する図である。図8(b)は、一般的な多段流体機械の任意の段のリターンベーン11における、シュラウド側の壁面16付近の、リターンベーン11への流入流れベクトルおよびリターンベーン11間の流線を説明する図である。
多段流体機械の羽根車2の内部流路においては、二次流れの影響により、低エネルギー流体がシュラウド23側に集積することが一般的に知られている。したがって、羽根車2の出口24から流出した流れの子午面方向速度Cmは、図7に示すようにシュラウド側の壁面16付近では遅く、一方、ハブ側の壁面17付近では速くなるような分布Eとなる。この流れの子午面方向速度Cmの分布Eは、ディフューザ3を通過する際にも基本的には維持され、リターンチャネル10へと流入することとなる。そのため、図7および図8に示すように、リターンベーン11への流入流れにおいても、流れの子午面方向速度Cmは、ハブ側の壁面17付近では大きく、シュラウド側の壁面16付近では小さくなる。一方、流れの旋回速度Cuの分布は、流れの子午面方向速度Cmほどハブ側とシュラウド側とで大きな差のある分布とはならない。したがって、リターンベーン11への流入流れ角βは、図8(a)に示すようにハブ側の壁面17付近では大きく、図8(b)に示すようにシュラウド側の壁面16付近では小さくなる。
このため、図8(b)に示すように、シュラウド側の壁面16付近では、リターンベーン11の腹113側の方向から流れがF方向に流入することとなり、流れはリターンベーン11の背114側に沿って流れにくくなる。したがって、大きな予旋回方向Bの成分を有しながらリターンベーン11から流体が流出する。
一方、図8(a)に示すように、ハブ側の壁面17付近では、リターンベーン11の前縁112に沿って流れがF方向に流入することになる。しかし、シュラウド側の壁面16付近で生じた予旋回流れが隣のリターンベーン11に衝突し、このリターンベーン11の腹113側に沿ってハブ側の壁面17付近へと向かい、再び背114側に戻る2次流れGが生じる。この2次流れGの影響によって、図8(a)に示すように、基本的には逆旋回成分を有しながらリターンベーン11から流体が流出する。
前記したリターンチャネル10の出口における流れに残存する旋回成分(残存旋回)は、リターンベーン11の下流側に特許文献1,2に記載のスプリッタベーンや整流板等の旋回除去部材を設置することで低減できる。この場合、旋回除去部材の後縁を下流側に延伸させればさせるほど、残存旋回を除去することができる。しかしながら、このことは同時に、旋回除去部材の後縁と、次段の羽根車2の翼21の前縁25との距離の短縮を招き、動静翼干渉を増大させてしまう。
そこで本実施形態では、図2、図4に示すように、旋回除去部材13の高さを下流側に行くに従い概ね小さくしている。このように構成することで、旋回除去部材13の後縁15と、次段の羽根車2の翼21の前縁25との距離が短縮される領域が低減される。したがって、リターンチャネル10の出口(羽根車2の吸込口1)における残存旋回を除去しつつ、動静翼干渉の増大を抑制することが可能となる。
ところで、残存旋回に起因する次段の羽根車2の理論ヘッドの低下量ΔHthは、式(1)で表される。
Figure 0006854687
ここで、Uは任意の半径位置Rにおける羽根車2の回転周速であり、羽根車2の回転角速度をωとして式(2)で表される。
Figure 0006854687
また、Cu1nは、次段の羽根車2における翼21の前縁25における流れの旋回成分であり、予旋回方向では正の値、逆旋回方向では負の値をとる。式(1)および式(2)より、流れの予旋回成分が大きいほど、また径方向外側であるほど、残存旋回に起因するΔHthが大きくなり、次段羽根車の理論ヘッドが低下する。
前記した通り、従来の一般的な多段流体機械では、リターンチャネル10の出口において流れは、ハブ側の壁面17付近で逆旋回成分を有し、シュラウド側の壁面16付近で予旋回成分を有する。そして、次段の羽根車2の翼21の前縁25における半径位置Rは、ハブ側よりシュラウド側の方が大きい。このため、ΔHthに対してはシュラウド側の壁面16付近の予旋回成分の影響が顕著となる。したがって、従来の一般的な多段流体機械では、次段の羽根車2での圧力上昇は低下することになる。
これに対して、本実施形態では、リターンチャネル10の流路に沿う方向における旋回除去部材13の長さを、シュラウド側の壁面16付近で長くできる。シュラウド側の壁面16付近は大きな予旋回を有しやすく次段の羽根車2の理論ヘッドを低下させる作用が大きいため、旋回除去部材13の流路に沿って長い部分によって予旋回の除去性能を高めることが可能となる。一方、リターンチャネル10の流路に沿う方向における旋回除去部材13の長さは、ハブ側の壁面17付近で短くなる。しかしながら、前記した通り、元々ハブ側の壁面17付近の流れは逆旋回成分を有しており、次段の羽根車2の理論ヘッド低下を招くことがない。加えて、例え逆旋回成分が残ったとしても、次段の羽根車2の翼21の前縁25におけるハブ側の半径位置Rが小さいため、次段の羽根車2の性能に対する影響は小さい。結果として、大きなヘッド低下を招くシュラウド側の壁面16付近の予旋回のみが選択的に除去されるため、多段流体機械100の性能が向上することになる。
図9は、本実施形態に係る多段流体機械100のリターンチャネル10の出口(羽根車2の吸込口1)における流れ角αのコンター図の一例をリターンベーン11とともに示す。本実施形態では、旋回除去部材13は、隣り合う2枚のリターンベーン11の間の周方向中央位置に設置されている。流れ角αのコンター図は、数値流体解析により求めた。
図6と図9とを比較すれば、本実施形態に係る旋回除去部材13を設置した場合には、流路全域にわたってαの値の絶対値が、従来の比較例(図6参照)よりも低減していることが分かる。特に、図6の比較例では顕著であったシュラウド側の壁面16付近にP5〜P6で示される予旋回領域のαが、本実施形態に係る旋回除去部材13を設置した場合には、大幅に低減されていることが分かる。
前記したように、本実施形態では、リターンチャネル10には、高さが下流側に行くに従い概ね小さく設定された旋回除去部材13が設けられている。これにより、旋回除去部材13の後縁15において、次段の羽根車2の翼21の前縁25との距離が近い領域を低減することが可能となる。したがって、リターンチャネル10の出口における残存旋回を除去しつつ、動静翼干渉の増大を抑制することが可能となる。
また、リターンチャネル10の流路に沿う方向における旋回除去部材13の長さが、シュラウド側の壁面16付近で長く、ハブ側の壁面17付近で短くなる。これにより、リターンベーン11の出口からの予旋回成分が特に大きくなるシュラウド側の壁面16付近で、十分な旋回除去部材13の長さを確保できる。したがって、動静翼干渉を抑制しながら、旋回除去部材13の旋回除去性能を効果的に向上させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、次段の羽根車2の翼21との動静翼干渉を低減させつつ、リターンチャネル10における旋回除去性能を向上させることができる多段流体機械100を提供できる。
また、本実施形態では、リターンベーン11の後縁111の直下流において、旋回除去部材13の高さは、リターンチャネル10の幅(流路幅)に略等しい。この構成では、リターンチャネル10における旋回除去性能を極力大きく確保することができる。
また、本実施形態では、旋回除去部材13は、リターンチャネル10におけるシュラウド側の壁面16に接合されて設置されている。この構成では、旋回除去部材13の壁面への接合領域を大きく取ることができる。このため、旋回除去部材13の壁面への設置が容易になるとともに、旋回除去部材13の壁面への設置部である付根の強度が向上する。
また、本実施形態では、旋回除去部材13は、周方向において隣り合う2枚のリターンベーン11の間に設けられている。数値流体解析によれば、この構成において、リターンチャネル10における旋回除去性能をより向上させることができることが分かった。
また、本実施形態では、旋回除去部材13は平板であるため、周縁の外形が前記した特定の形状であっても容易に作製することが可能である。
以上、本発明について実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。前記した実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
図10(a)〜(d)は、変形例に係る旋回除去部材13a〜13d周辺の拡大断面図である。図10(a)に示すように、旋回除去部材13aにおける回転軸4の軸方向の上流側に位置する端縁132aは、子午面断面において直線を呈していてもよい。また、図10(b)に示すように、旋回除去部材13bにおける回転軸4の軸方向の上流側に位置する端縁132bは、子午面断面において複数の直線で構成されていてもよい。また、図10(c)に示すように、旋回除去部材13cにおける回転軸4の軸方向の上流側に位置する端縁132cは、子午面断面において曲線を呈している。この端縁132cの曲線は、ここでは、リターンチャネル10におけるハブ側の壁面17に向けて凸状の曲線と凹状の曲線とで構成されているが、凹状の曲線のみで構成されていてもよい。また、図10(d)に示すように、旋回除去部材13dにおける回転軸4の軸方向の上流側に位置する端縁132dは、子午面断面において直線を呈する部分と曲線を呈する部分133とを有していてもよい。端縁132dの曲線を呈する部分133は、リターンチャネル10におけるハブ側の壁面17に向けて凸状となっており、旋回除去部材13dの高さが維持されて一定となっている。
また、前記した実施形態では、旋回除去部材13は、周方向において隣り合う2枚のリターンベーン11の間の周方向の中央位置に設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、図11(a)に示すように、旋回除去部材13eが、周方向において隣り合う2枚のリターンベーン11の間において一方のリターンベーン11に周方向に近付けて設けられていてもよい。あるいは、旋回除去部材が、周方向において隣り合う2枚のリターンベーン11の間に複数枚設けられていてもよい。また、図11(b)に示すように、旋回除去部材13fが、リターンベーン11の後縁111から径方向内側へと延伸して設けられていてもよい。
また、前記した実施形態では、旋回除去部材13の前縁14は、リターンベーン11の後縁111の直下流に位置されているが、これに限定されるものではない。図12に示すように、旋回除去部材13gの前縁14gは、リターンベーン11の後縁111よりも上流側に位置されてもよい。この場合、旋回除去部材13gにおける回転軸4の軸方向の上流側に位置する端縁132gは、接合領域を確保できるためリターンチャネル10におけるハブ側の壁面17に接合されてもよい。
また、前記した実施形態では、旋回除去部材13は、厚みが一定の平板であるが、これに限定されるものではなく、翼型形状であってもよい。例えば、図13(a)に示すような表裏が対称な翼型を呈する旋回除去部材13h、図13(b)に示すような表裏および前後が対称な翼型を呈する旋回除去部材13i、あるいは、図13(c)に示すような凹状の腹と凸状の背を有する翼型を呈する旋回除去部材13jが用いられてもよい。
また、前記した実施形態では、多段流体機械100が一軸多段式の遠心圧縮機である例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、多段遠心ポンプ、多段斜流圧縮機、多段斜流ポンプ等の他の多段流体機械にも適用が可能である。
2 羽根車
3 ディフューザ
4 回転軸
10 リターンチャネル
11 リターンベーン
111 リターンベーンの後縁
112 リターンベーンの前縁
13,13a〜13j 旋回除去部材
131 旋回除去部材における回転軸の軸方向の下流側に位置する端縁
14,14g 旋回除去部材の前縁
15 旋回除去部材の後縁
16 シュラウド側の壁面
17 ハブ側の壁面
100 多段流体機械
A 部材中心線

Claims (5)

  1. 複数の羽根車と、
    複数の前記羽根車がそれぞれ取り付けられている回転軸と、
    前記羽根車の径方向外側に設けられているディフーザと、
    前記ディフーザの下流に設けられており、前記ディフーザから後段の前記羽根車へ流体を導くリターンチャネルと、
    前記リターンチャネルに設けられており、周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚のリターンベーンと、を備え、
    前記リターンチャネルには、前記リターンベーンの後縁よりも下流側に位置する後縁を有する旋回除去部材が設けられており、
    前記リターンチャネルの幅方向における前記旋回除去部材の高さは、前記旋回除去部材の前縁での値よりも前記旋回除去部材の後縁での値の方が小さく、かつ、下流側に行くに従い広義単調減少しており、
    前記リターンチャネルの幅方向における前記旋回除去部材の中心を示す部材中心線と、前記リターンチャネルにおける前記回転軸の軸方向の下流側に位置する壁面との前記幅方向における距離は、前記旋回除去部材の前縁での値よりも前記旋回除去部材の後縁での値の方が小さく、かつ、下流側に行くに従い広義単調減少しており、
    前記旋回除去部材における前記回転軸の軸方向の上流側に位置する端縁は、流体の流れの下流側に行くに従い、前記回転軸に近付くとともに、前記リターンチャネルにおける前記回転軸の軸方向の下流側に位置する壁面との前記幅方向における距離が広義単調減少していることを特徴とする、多段流体機械。
  2. 前記リターンベーンの後縁の直下流において、前記旋回除去部材の高さは、前記リターンチャネルの幅に合致していることを特徴とする、請求項1に記載の多段流体機械。
  3. 前記旋回除去部材における前記回転軸の軸方向の下流側に位置する端縁は、前記リターンチャネルにおける前記回転軸の軸方向の下流側に位置する壁面に接合していることを特徴とする、請求項1に記載の多段流体機械。
  4. 前記旋回除去部材は、周方向において隣り合う2枚の前記リターンベーンの間に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の多段流体機械。
  5. 前記旋回除去部材における前記回転軸の軸方向の上流側に位置する端縁は、前記リターンチャネルにおける前記回転軸の軸方向の上流側に位置する壁面に向けて凸状の曲線を呈していることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の多段流体機械。
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