JP6854070B2 - 荷物載せ替え用治具、および、これを備えた荷物載せ替えシステム - Google Patents

荷物載せ替え用治具、および、これを備えた荷物載せ替えシステム Download PDF

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Description

本発明はパレットに荷物を載せ替える荷物載せ替え用治具、および、これを備えた荷物載せ替えシステムに関する。
一般に、木材などの荷物をトラックの荷台などに積み込む場合には、厘木と呼ばれる木材を荷台に並べ、その上に荷物を積載する。このようにして荷物を荷台に積み込むことにより荷降ろしの際に、例えば、フォークリフトの爪を荷物の下に差し込むスペースを確保している。
一方、荷台から取り出された荷物は、必要に応じてフォークリフトなどの運搬手段を用いて運搬する必要があるのでパレットに載せた状態で床などに降ろして一時的に保管する場合も多い。
ところで、荷物をパレットの積載面に降ろす場合には、パレットの直上方まで荷物をフォークリフトなどの爪に載せた状態で運搬し、それから、爪を下方に少し傾けるなどして荷物をパレットに少しずつ滑らせて降ろす。さらに、フォークリフトなどの運搬手段を後退させるなどして荷物とパレットの間から爪を少しずつ引き抜く作業が必要となる。このため、荷物のパレットへの載せ替え作業に手間を要するという問題がある。
特許文献1には、自動販売機を輸送車からフォークリフトで降ろして所定の設置場所に設置する際に、自動販売機の底に結束紐などで固定されているパレットと自動販売機の隙間にパレット両端側から挿し込み可能に構成され、同パレットの代わりに自動販売機を一時的に支持することにより同パレットを自動販売機底面から抜き取ることができるように構成されたパレットの引き抜き治具が開示されている。
特開2002−46720号公報
上記特許文献1に記載の治具では、予め荷物に固定されているパレットを取り外すことはできるものの、荷物をパレットに載せ替える際にフォークリフトなどの運搬手段の爪をパレットと荷物の間から引き抜く作業に用いることはできないという問題がある。
本発明は、パレットに荷物を載せ替える際、パレットと荷物の間から運搬に用いる爪を引き抜く作業の作業手間を軽減できる荷物載せ替え用治具、および、これを備えた荷物載せ替えシステムを提供することを目的とする。
本発明の荷物載せ替え用治具は、複数のボードを所定間隔ごとに並べて構成された積載面と、運搬に用いる爪が挿入可能に構成された挿入部とを含むパレットに荷物を載せ替えるために用いる荷物載せ替え用治具であって、荷物を支持可能な支持面が一端に設けられるとともに他端に接地面が設けられた支持棒を含み、支持棒の長手方向の寸法は、支持棒を積載面におけるボード同士の隙間から挿し込んで接地面を接地させた状態で、反対側の支持面に荷物が載置されることにより荷物とパレットとの間に爪を引き抜く隙間が形成される長さに設定されている。
本発明の荷物載せ替え用治具において、支持棒に移動自在に取り付けられたスライド体と、支持棒と直交する方向に延びるアームとを含む外れ止め機構を備え、外れ止め機構は、挿入部に挿入された爪によりパレットが持ち上げられるのに伴ってアームがパレット内部に引っ掛かることにより支持棒がパレットから抜け落ちないように構成されてもよい。
本発明の荷物載せ替え用治具において、外れ止め機構は、アームをスライド体に回転可能に取り付ける回転支持部と、支持棒の長手方向と直交する方向に向かってアームを回転させる付勢手段とを含むものでもよい。
本発明の荷物載せ替え用治具において、アームに着脱可能に構成された延長アームを備えてもよい。
本発明の荷物載せ替え用システムは、複数の上記発明のいずれかに記載の荷物載せ替え用治具と、複数のボードを所定間隔ごとに並べて構成された積載面と、運搬に用いる爪が挿入可能な挿入部とを含むパレットと、を備え、複数の荷物載せ替え用治具をボード同士の隙間から各々挿し込んで接地面を各々接地させた状態で反対側の支持面が各々荷物を支えることにより荷物とパレットとの間に運搬に用いる爪を引き抜く隙間を形成する。
本発明の荷物載せ替え用治具および荷物載せ替えシステムによれば、パレットにおけるボード同士の隙間から支持棒を挿し込んだ状態で荷物が支持面に載置されることにより荷物とパレットとの間に爪を引き抜く隙間を形成することができる。これにより、荷物とパレットとの間から運搬に用いる爪を容易に引き抜くことができるため引き抜き作業の作業手間を軽減できる。
本発明の一実施形態である荷物載せ替えシステム全体の構成を示す図である。 図1に含まれる荷物載せ替え用治具の全体構成を示す図である。 図2に示す荷物載せ替え用治具に含まれる外れ止め機構の上面視における構成を示す図である。 図4(a)は、荷物載せ替え用治具をパレット上面に配置した状態を示す図である。図4(b)は、荷物載せ替え用治具を上面側のボードの隙間から内部に挿し込むときの状態を示す図である。図4(c)は、荷物載せ替え用治具に含まれる外れ止めアームを下側のパレットの上面に載せつつ接地させた状態を示す図である。 図5(a)は、フォークリフトの爪を用いて荷物を荷物載せ替え用治具の上に移動させた状態を示す図である。図5(b)は、フォークリフトの爪の代わりに荷物載せ替え用治具で荷物を支持させた状態を示す図である。図5(c)は、パレットの挿入部にフォークリフトの爪を差し込んだ状態を示す図である。 図6(a)は、パレットの挿入部に挿し込まれたフォークリフトを用いてパレットを持ち上げた状態を示す図である。図6(b)は、フォークリフトの爪でパレットを支持することにより、荷物載せ替え用治具が上側のボードの間から抜けて外れ止めアームが下側のボードに引っ掛かった状態を示す図である。図6(c)は、荷物載せ替え用治具をパレットから引き抜くときの状態を示す図である。 図7(a−1)は、本実施形態の荷物載せ替えシステムにおける荷物載せ替え用治具の変形例の全体構成を示す図である。図7(a−2)は、図7(a−1)に示す荷物載せ替え用治具に含まれる外れ止め機構の平面視における構成を示す図である。図7(b)および図7(c)は、図7(a)に示す荷物載せ替え用治具をパレットに設置する手順を図4(a)〜図4(c)と同様に示す図である。
以下、本発明の一実施形態である荷物載せ替えシステム10について、図面を参照しながら説明する。図1は、荷物載せ替えシステム10の全体構成と、同システム10を用いてパレット50に載せ替えられる荷物Pを運搬するフォークリフト11を示す図である。図2は、荷物載せ替えシステム10に含まれる荷物載せ替え用治具20の全体構成と、これに含まれる一部の構成を拡大して示す図である。図3は、荷物載せ替え用治具20に含まれる外れ止め機構30の上面視における構成と、これに含まれる一部の構成を拡大して示す図である。
図1〜図3に示すように、荷物載せ替えシステム10は、4つの荷物載せ替え用治具20−1〜20−4と、同治具20−1〜20−4が各角部近傍に設置されるパレット50とを備える。荷物載せ替え用治具20−1〜20−4は、実質的に同一の構成を備えるため以下の説明では荷物載せ替え用治具20−1について主に説明を行うものとし、荷物載せ替え用治具20−2〜20−4については適宜説明を省略する。また、以下の説明において、荷物載せ替え用治具20−1を他の荷物載せ替え用治具20−2〜20−4と特に区別する必要が無い場合はハイフン以下を省略して単に「荷物載せ替え用治具20」と表記する。なお、図1を除く他の図2〜図6(c)についても同様に「荷物載せ替え用治具20」と表記する。
この荷物載せ替え用治具20は、図1に示すように、フォークリフト11に備えられている運搬用の2つの爪11a,11bに載せた荷物Pをパレット50に載せ替える際、荷物Pを一時的に支持することによりパレット50と荷物Pの間から爪11a,11bをスムーズに引き抜くことができるようにする役割を有する。本実施形態では、フォークリフト11を用いて荷物Pをパレット50に載せ替える場合を例に挙げているが、荷物を運搬するための爪を備えたハンドリフトなど他の運搬手段を用いてもよい。
図2および図3に示すように、荷物載せ替え用治具20は、断面が略四角形状を呈する支持棒22を含む。この支持棒22の上下両端には、フランジ22a,22bが各々取り付けられている。上端側のフランジ22aは平面視において略四角形状の外形を有し、後述するパレット50におけるボード間の隙間からパレット50内部に差し込み可能な大きさに形成され、支持棒22から後述するスライド体が脱落するのを防止する外れ止めとして機能する。下端側のフランジ22bも上端側のフランジ22aと実質的に同一の構成を有する。そして、フランジ22aの上面は荷物を支持する支持面22a−1としての役割を有し、フランジ22bの下面は接地面22b−1としての役割を有する。
また、荷物載せ替え用治具20は、支持棒22に移動自在に取り付けられ、支持棒22がパレット50から脱落するのを防止する外れ止め機構30を備えるのが好ましい。この外れ止め機構30は、支持棒22に移動可能に挿し込まれたスライド体32を含む。スライド体32は、上面視において、略四角形状の外観形状を有する筒状部材であり、一対の外れ止めアーム34,36が回転可能に各々取り付けられている。各外れ止めアーム34,36の構成は同一であるため、外れ止めアーム34について以下において説明を行うととともに、外れ止めアーム36については適宜説明を省略する。
図2および図3に示すように、外れ止めアーム34は、外側端部34aの方が内側端部34bよりも幅広となる平面視略台形状の板状部材である。ここで、外側端部34aにおける幅をW1とし、外れ止めアーム34,36がスライド体32から突き出す方向(換言すると、支持棒22と直交する方向)における外れ止め機構30の長さをT1とする。また、外れ止めアーム34は、支持棒22の長手方向と直交する図2に実線で示す位置から図2に破線で示す支持棒22の長手方向と平行な位置まで約90°の範囲で回転自在となるようにスライド体32にヒンジ(回転支持部)35a,35bを介して取り付けられている。両ヒンジ35a,35bの構成は同一であるためヒンジ35aについてのみ以下において説明する。
このヒンジ35aには弾性バネ(付勢手段)35a−1が取り付けられており、弾性バネ35a−1の弾性力によって外れ止めアーム34は支持棒22の長手方向と直交する方向に回転するよう付勢される。また、スライド体32における接地面22b−1側の端面32bには、樹脂製の弾性プレート37a,37bを設けてもよい。ここで、弾性プレート37a,37bは同一の構成を備えるため弾性プレート37aについてのみ説明を行い、弾性プレート37bについては説明を省略する。この弾性プレート37aは、スライド体32の端面32bよりも外側に延出しており、外れ止めアーム34が上方に向かって回転したときに同アーム34の内側端部34bに押されて下方に撓むことで同アーム34が接地面22b−1側すなわち下側に回転するように付勢する。
また、図2および図3に示すように、外れ止めアーム34には、延長アーム40が取り付けられるようにしてもよい。この延長アーム40は、平面視略台形状を呈し、接続側端部44よりも外側端部45の方が幅広となるように形成された板状部材である。そして、外れ止めアーム34の外側端部34aに留具として機能する雄型ホック38a,38bが設けられており、この雄型ホック38a,38bに着脱可能な雌型ホック42a,42bが延長アーム40の接続側端部44に設けられている。また、延長アーム40の接続側端部44には、樹脂製のカバープレート46a,46b,46c,46dが端面44−1を取り囲むように取り付けられている。
そして、カバープレート46a〜46dで囲まれた空間内に外れ止めアーム34の外側端部34aを差し込むことにより外れ止めアーム34の雄型ホック38a,38bに雌型ホック42a,42bが嵌まり込んで固定される。このようにパレット50を構成するボード54a,54b,54c…,56a,56b,56c…の間の隙間が大きい場合には延長アーム40を装着することで外れ止めアーム34の腕の長さを長くすることが可能となる。反対側の外れ止めアーム36についても延長アーム40と同一構成を具備する延長アームを装着することで腕の長さを長くすることが可能である。
図1に示すように、パレット50は、木製の両面使用形パレットであり、平行に配置された3本の桁52a,52b,52cの上側および下側にボード54a,54b,54c…,56a,56b,56c…を等間隔で各々配置することにより、積載面50−1,50−2とフォークリフト11の爪11a,11bを挿入するための挿入部58−1,58−2が各々形成される。また、ボード54a,54bの隙間の大きさは、上述した外れ止めアーム34の幅W1よりも大きく形成され、突き出し方向における長さT1よりも小さくなるように形成されている。なお、本実施形態では、パレット50が両面使用形パレットである例を挙げているが、荷物載せ替え用治具20を設置できるパレットであれば片面使用形パレットでもよいし、他の形態のパレットであってもよい。また、パレット50は、木製のものに限らず、樹脂やその他の材料によって構成されていてもよい。
続いて図4〜図6を用いて荷物載せ替えシステム10を用いた荷物の積み替え方法について作業手順に沿って説明する。最初に、荷物載せ替え用治具20をパレット50に設置する手順について図4(a)〜図4(c)を用いて説明する。図4(a)に示すように、パレット50を地面に置いた状態で上面側のボード54a,54bの隙間から荷物載せ替え用治具20を差し込む。
この際、図4(b)に示すように、両側のボード54a,54bに外れ止めアーム34が当接すると上方に各々回転し荷物載せ替え用治具20をボード54a,54bの隙間から差し込むことが可能となる。そして、図4(c)に示すように、支持棒22の接地面22b−1を地面に接地させることにより、外れ止めアーム34,36が下面側のボード56a,56b上面に各々重なった状態となる。他の荷物載せ替え用治具20についても同様の手順でパレット50に設置することにより、荷物載せ替え用治具20のパレット50への設置作業が完了する。
次に、図5(a)〜図6(c)を用いてフォークリフト11の爪11a,11bの引き抜き手順について説明する。図5(a)に示すように、荷物載せ替え用治具20がパレット50の各角部に取り付けられているためフォークリフト11を用いて荷物Pをパレット50に降ろそうとすると荷物Pは荷物載せ替え用治具20の各支持面22a−1で支えられた状態となる。ここで、荷物載せ替え用治具20における支持棒22の長手方向の寸法(すなわち、両フランジ22a,22b間の寸法)は、図5(a)に示すように、支持棒22の支持面22a−1とパレット50の積載面50−1との間の距離Lが爪11a,11bを抜き差し可能な距離となるように予め設定されている。
このため、図5(a)に示す状態からフォークリフト11の爪11a,11bを図5(b)に示すように少し下げて荷物Pを荷物載せ替え用治具20が支える状態とすることで荷物Pとパレット50の積載面50−1との間から爪11a,11bを引き抜くことができる。
そして、図5(c)に示すようにフォークリフト11の爪11a,11bをパレット50の挿入部58−1(図1参照),58−2に差し込むことにより図6(a)に示すように荷物Pごとパレット50を持ち上げる。
この際、外れ止めアーム34,36は各々下面側のボード56a,56bに載せられているため同アーム34,36が取り付けられているスライド体32が支持棒22に対して相対的に上方にスライドする。また、図6(b)に示すようにスライド体32が支持棒22における上面側のフランジ22aに当接すると外れ止めアーム34,36が下面側のボード56a,56bに引っ掛かることで荷物載せ替え用治具20がパレット50にぶら下がった状態となる。この状態で、荷物載せ替え用治具20の支持棒22を下方に引っ張ることにより、図6(c)に示すように荷物載せ替え用治具20をパレット50から引き抜いて回収することができる。
本実施形態では、荷物載せ替え用治具20が外れ止め機構30を備える例を挙げているが、荷物載せ替え用治具20が外れ止め機構30を備えない、すなわち、支持棒22のみで構成されるものでもよい。但し、この場合には、上述した図6(a)および図6(b)に示すようにフォークリフト11の爪11a,11bでパレット50を持ち上げるときに荷物載せ替え用治具20がパレット50から抜け落ちてしまうため本実施形態のように外れ止め機構30を備える方がより好適である。
なお、上述のように外れ止めアーム34,36は、平面視略台形状の外形を有する(図2参照)。このため、荷物載せ替え用治具20をぶら下げた状態でパレット50が仮に揺れたとしても平面視略長方形状の板材により外れ止めアームが形成されている場合よりも荷物載せ替え用治具20が倒れ難くなる。
このため、パレット50の揺動により荷物載せ替え用治具20が倒れてパレット50から抜け落ちるのを抑制できる。従って、荷物載せ替え用治具20をパレット50にぶら下げた状態で同パレット50をフォークリフト11などで運搬する場合に、荷物載せ替え用治具20がパレット50から脱落し難いという利点もある。
上記荷物載せ替え用治具20と同様の手順で他の荷物載せ替え用治具20も回収することによりパレット50への荷物Pの載せ替え作業が完了する。
本実施形態の荷物載せ替えシステム10によれば、パレット50におけるボード54a,54b,54c,…の隙間から各荷物載せ替え用治具20の支持棒22を挿し込んだ状態で荷物Pが支持面22a−1に載置されることにより、荷物Pとパレット50との間に爪11a,11bを引き抜く隙間を形成することができる。これにより、荷物Pとパレット50の間からフォークリフト11の爪11a,11bを容易に引き抜くことができ、引き抜き作業の作業手間を軽減できる。
上記実施形態では、上面側のボード54a,54bの隙間から荷物載せ替え用治具20をパレット50内部に差し込む例を挙げているが、荷物載せ替え用治具20を下面側のボード56a,56bからパレット50内部に差し込んで設置してもよい。この場合には、フォークリフト11などを用いてパレット50を予め持ち上げておき、下面側のボード56a,56bの隙間からフランジ22bが上側となるように荷物載せ替え用治具20を差し込めばよい。また、パレット50を地面に降ろすことにより、フランジ22bが上面側のボード54a,54bの隙間から突き出すので、このフランジ22bを持ち上げることによりパレット50内部から荷物載せ替え用治具20を引き抜くことも可能である。
なお、上記実施形態では、パレット50の各角部に荷物載せ替え用治具20を各々配置する、すなわち4つの荷物載せ替え用治具20を用いる例を挙げているが、荷物の大きさや、荷姿、重量に応じて同治具の個数は適宜調整すればよい。
続いて、上記実施形態の荷物載せ替えシステム10における荷物載せ替え用治具20の変形例について図7(a−1)〜図7(c)を参照しつつ説明する。以下の説明において、上記実施形態における荷物載せ替え用治具20の構成と共通する部分については適宜同一の符号を付して示すとともに説明を省略し、構成の異なる部分についてのみ説明を行うものとする。
図7(a−1)および図7(a−2)に示すように、荷物載せ替え用治具120は、上記実施形態における外れ止め機構30に代えて外れ止め機構130を備える。外れ止め機構130は、スライド体32と、スライド体32の下端部に固定支持された外れ止めアーム134,136とを含む。外れ止めアーム134,136の構成は同一であるため外れ止めアーム134について説明を行うとともに外れ止めアーム136については適宜説明を省略する。
この外れ止めアーム134は、平面視において略長方形状を呈する板状部材であり、図7(a−2)に示すように外れ止めアーム134の幅W2はスライド体32の取付面である側面32aの幅と同一の長さに設定されている。さらに、外れ止めアーム134の幅W2は、パレット50を構成するボード54a,54b間の隙間の大きさよりも短くなるように設定されている。
一方、外れ止めアーム134,136がスライド体32から突き出す方向における外れ止め機構130の長さT2は、パレット50を構成するボード54a,54b間の隙間よりも大きくなるように設定されている。このため、上記外れ止めアーム134,136の突き出す方向がボード54a,54bの長手方向と略平行となるように外れ止め機構130を保持すればボード54a,54b間の隙間からパレット50内部に荷物載せ替え用治具120を挿し込むことができる。
次に、荷物載せ替え用治具120をパレット50に設置する手順について図7(b)および図7(c)を用いて説明する。図7(b)に示すように、外れ止め機構130における外れ止めアーム134,136の突き出し方向がボード54a,54bの長手方向と略平行となるように保持した状態でボード54a,54bの隙間からパレット50内部に荷物載せ替え用治具120を挿し込む。パレット50の内部に荷物載せ替え用治具120を差し込んでから図7(c)に示すように支持棒22の軸周りに荷物載せ替え用治具120を90°回転させることにより外れ止めアーム134,136の先端部が下面側のボード56a,56bに引っ掛かる状態で支持棒22を接地させることができる。
また、上記実施形態の図6(b)に示す場合と同様にフォークリフト11の爪11a,11bでパレット50を持ち上げた状態において、支持棒22の軸周りに荷物載せ替え用治具120をさらに90°回転させてパレット50における下面側のボード56a,56bの隙間から引き抜いて回収すればよい。
本変形例では、外れ止めアーム134,136の突き出し方向がボード54a,54bの長手方向と略平行となるように保持することでボード54a,54bの隙間からパレット50内部に荷物載せ替え用治具120を差し込むことができるようにする例を挙げている。これと同様に外れ止めアーム34,36を保持することでボード54a,54bの隙間やボード56a,56bの隙間から上記実施形態における荷物載せ替え用治具20をパレット50内部に差し込む、或は、パレット50内部から引き抜くようにしてもよい。
このようにしてパレット50に荷物載せ替え用治具120を設置する場合にも上記実施形態における荷物載せ替え用治具20と同様の効果を得ることができる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
10 荷物載せ替えシステム
11 フォークリフト
11a,11b 爪
20,120 荷物載せ替え用治具
22a,22b フランジ
22a−1 支持面
22b−1 接地面
30,130 外れ止め機構
32 スライド体
34,36,134,136 外れ止めアーム
35a,35b ヒンジ(回転支持部)
40 延長アーム
50 パレット
54a,54b,54c,56a,56b,56c ボード
58−1,58−2 挿入部
P 荷物
L 距離

Claims (5)

  1. 複数のボードを所定間隔ごとに並べて構成された積載面と、運搬に用いる爪が挿入可能に構成された挿入部とを含むパレットに荷物を載せ替えるために用いる荷物載せ替え用治具であって、
    前記荷物を支持可能な支持面が一端に設けられるとともに他端に接地面が設けられた支持棒を含み、
    前記支持棒の長手方向の寸法は、前記支持棒を前記積載面における前記ボード同士の隙間から挿し込んで前記接地面を接地させた状態で、反対側の前記支持面に荷物が載置されることにより当該荷物と前記パレットとの間に前記爪を引き抜く隙間が形成される長さに設定されている、
    荷物載せ替え用治具。
  2. 前記支持棒に移動自在に取り付けられたスライド体と、前記支持棒と直交する方向に延びるアームとを含む外れ止め機構を備え、
    前記外れ止め機構は、前記挿入部に挿入された前記爪により前記パレットが持ち上げられるのに伴って前記アームが前記パレット内部に引っ掛かることにより前記支持棒が前記パレットから抜け落ちないように構成される、
    請求項1に記載の荷物載せ替え用治具。
  3. 前記外れ止め機構は、前記アームを前記スライド体に回転可能に取り付ける回転支持部と、前記支持棒の長手方向と直交する方向に向かって前記アームを回転させる付勢手段とを含む、
    請求項に記載の荷物載せ替え用治具。
  4. 前記アームに着脱可能に構成された延長アームを備える、
    請求項2または3に記載の荷物載せ替え用治具。
  5. 複数の請求項1〜4に記載の荷物載せ替え用治具と、
    複数の前記ボードを所定間隔ごとに並べて構成された前記積載面と、運搬に用いる前記爪が挿入可能な前記挿入部とを含む前記パレットと、
    を備え、
    複数の前記荷物載せ替え用治具を前記ボード同士の隙間から各々挿し込んで前記接地面を各々接地させた状態で反対側の前記支持面が各々荷物を支えることにより当該荷物と前記パレットとの間に運搬に用いる前記爪を引き抜く隙間を形成する、
    荷物載せ替えシステム。
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