次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
<実施形態1>
図1を参照すると、本実施形態は、n台の受送信装置100、m台のBLEタグ200、管理サーバ300、ユーザ端末400及びネットワーク500を備える。なお、かかるn及びmは、任意の自然数である。
これら装置の接続について説明をする。各受送信装置100は、各BLEタグ200との間でBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)に準拠した通信を行う。また、各受送信装置100は、LTE(Long Term Evolution)や3G(3rd Generation)によりネットワーク500に接続し、ネットワーク500を介して管理サーバ300との間で通信を行う。
ネットワーク500は例えば、携帯電話網や、インターネット、あるいはイントラネット等の組み合わせにより実現されるネットワークである。
管理サーバ300は、ネットワーク500を介して各受送信装置100と通信を行う。また、管理サーバ300はユーザ端末400との間でも通信を行う。管理サーバ300とユーザ端末400は、LAN(Local Area Network)やイントラネットで接続されていてもよい。また、図中ではネットワーク500を介して接続していないが、管理サーバ300とユーザ端末400がネットワーク500を介して接続されていてもよい。
次に、これら装置の機能について説明をする。本実施形態では、各BLEタグ200のそれぞれをユーザが携帯する。ここでユーザとは、本実施形態による探索処理において、探索対象となりうるユーザである。以下、このように探索対象となりうるユーザを「被探索ユーザ」と呼ぶ。なお、BLEタグ200に含まれる機能ブロックやBLEタグ200の携帯方法については、図2及び図3を参照して後述するので、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
BLEタグ200には、自身を利用する見守り対象のユーザを識別するための識別子であるユーザIDが記憶されている。そして、BLEタグ200は、アドバタイジングパケットと呼ばれるパケットに、自身が記憶しているユーザIDを含ませて、所定の周期でブロードキャスト送信を行う。そして、BLEタグ200と通信可能な距離に存在する受送信装置100は、このようにしてブロードキャスト送信により送信されたアドバタイジングパケットを受信する。かかる送受信は上述したようにBLEに準拠して行われる。また、アドバタイジングパケットの受信を契機として受送信装置100とBLEタグ200が接続処理をし、接続確立後にBLEタグ200が、自身が記憶しているユーザIDを受送信装置100に対して送信するようにしてもよい。
受送信装置100は、四輪自動車等に車載されて用いられたり、電柱や家屋に設置されて用いられたりする受送信装置である。受送信装置100は、BLEタグ200や管理サーバ300との通信を行うことにより、探索処理を実行する。具体的に受送信装置100は、BLEタグ200から取得した各被探索ユーザのID等をログとして記憶しておく。そして、管理サーバ300からの要求に応じて、今回探索の対象としている被探索ユーザについての、ユーザID等のログや、ログに関する画像等の情報を抽出して、この抽出した情報を管理サーバ300に対して送信する。
なお、受送信装置100の具体的な構成や、受送信装置100の車載ないし設置方法、及び探索処理の具体的内容については、図4以降を参照して後述するので、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
管理サーバ300は、探索処理に関連する管理を行う管理サーバである。管理サーバ300は、ユーザ端末400からの要求を契機として、探索処理を開始する。具体的には、各受送信装置100との間で通信を行うことにより、今回探索の対象としている被探索ユーザについての、ユーザID等のログや、ログに関する画像等の情報を受送信装置100から取得する。そして、取得した情報をユーザ端末400に対して送信する。
ユーザ端末400は、被探索ユーザを探索しようとするユーザにより操作される端末である。以下、このような被探索ユーザを探索しようとするユーザを「探索要求ユーザ」と呼ぶ。
探索要求ユーザは、ユーザ端末400を操作することにより管理サーバ300に探索処理の開始要求を送信する。そして、受送信装置100及び管理サーバ300間の通信により管理サーバ300が取得した、今回探索の対象としている被探索ユーザについての、ユーザID等のログや、ログに関する画像等の情報を取得する。そして、取得したこれらの情報を、例えば画面に表示する等の方法で出力する。探索要求ユーザは、この表示を参照することにより、被探索ユーザの発見場所を知ることができる。また、例えば画像にて被探索ユーザの周囲の状況を知ることができる。
以上説明したように、本実施形態では、各装置が協働して探索処理をすることにより、探索要求ユーザが、探索対象として選択した被探索ユーザを探索することが可能となる。
次に、このような探索処理を実現するための構成について説明をする。まず、図2を参照して、BLEタグ200に含まれる機能ブロックについて説明する。
図2に示すように、BLEタグ200は、電池部201、ユーザID管理部202及びBLE通信部203を備える。
電池部201は、ユーザID管理部202及びBLE通信部203に対して電源を供給する電池である。BLEタグ200は、この電池部201により供給される電力により駆動するので、いわゆるアクティブタグとなる。電池部201は、例えばコイン形リチウム電池により実現される。BLEタグ200は、BLE通信部203によるパケットの送信周期によっても異なるが、例えば電池部201により供給される電源で数年といった長期に渡り駆動する。
ユーザID管理部202は、上述した、BLEタグ200を利用する見守り対象のユーザを識別するための識別子であるユーザIDを記憶する。また、ユーザID管理部202は、BLE通信部203を利用して、上述したように、アドバタイジングパケットを周期的にブロードキャスト送信する。このアドバタイジングパケットには、ユーザIDが含まれる。
BLE通信部203は、BLEに準拠した通信を行うための通信部である。BLE通信部203はアンテナも含んでいるものとする。ユーザID管理部202及びBLE通信部203は、例えば、一体型のモジュールとして実現される。BLEに準拠した通信は、一般的なRFID(radio frequency identifier)と呼ばれる通信よりも通信距離が長い。そのため、本実施形態では、BLEに準拠した通信を行うことにより、得るべき情報の広い損ないを減じることができる。
なお、BLEタグ200は携帯して利用されるので、携帯が容易となるように、小型且つ軽量に実現するとよい。また、屋外で携帯して利用されることを考慮して防滴あるいは防水加工を施すようにするとよい。
次に、図3を参照して、被探索ユーザによるBLEタグ200の携帯方法について説明をする。図3の最上段に第1携帯例として、被探索ユーザ10と、BLEタグ200とを図示する。被探索ユーザ10が携帯しやすいように、BLEタグ200にキーホルダーを接続する。これにより、被探索ユーザ10は、自身が日常携帯するカバン等にキーホルダーにてBLEタグ200を取り付けることができる。例えば、被探索ユーザ10が、小学生である場合には、ランドセルにBLEタグ200を取り付けることができる。これにより被探索ユーザ10が、BLEタグ200を容易に携帯することが可能となる。また、BLEタグ200を自宅等に置き忘れたり、どこかで落として紛失したりしてしまうことを防止できる。
図3の中段には、第2携帯例として、自転車11と、BLEタグ200とを図示する。また、図3最下段には、第3携帯例として、バイク12と、BLEタグ200とを図示する。これらの自転車11やバイク12は、何れも被探索ユーザ10が利用するものである。
第2携帯例と第3携帯例との何れの場合でも、例えば自転車11やバイク12の鍵を、BLEタグ200に接続されたキーホルダーに取り付ける。
そして、自転車11やバイク12に乗車して移動する場合には、被探索ユーザ10は、キーホルダーに取り付けた鍵を、自転車11やバイク12に挿して移動するので、被探索ユーザ10と一緒にBLEタグ200も携帯されることとなる。また、自転車11やバイク12から降りて移動する場合には、被探索ユーザ10は、キーホルダーに取り付けた鍵を、自転車11やバイク12から抜いて携帯して移動するので、BLEタグ200も携帯されることとなる。
従って何れの場合にも、鍵と一緒にBLEタグ200を携帯することになり、上述の第1携帯例と同様に、置き忘れや紛失を防止することが可能となる。
次に、まず、図4を参照して、受送信装置100に含まれる機能ブロックについて説明する。
図4に示すように、受送信装置100は、第1受送信装置110、第2受送信装置120及びWi−Fiカメラ130を筐体内部に備える。本実施形態では、これらはそれぞれ別途の筐体に格納されることを想定する。その理由であるが、後述するように、第1受送信装置110内部には複数の通信部が存在し、この複数の通信部と、第2受送信装置120のBLEに準拠した通信部とを同一筐体内に格納すると、電波の干渉やノイズが発生して、BLEに準拠した通信が適切に行なえない可能性があるからである。
つまり、1つの基板上には、同位の周波数帯で異なる通信部を2つに制限し、電波の干渉やノイズを抑制したものであり、2つの基板で1つの受信装置100を構成している。そして、この2つの基板を、それぞれ別個の筐体に収めることで後述の受信に適した設置の自由度を確保している。
なお、1つの筐体内の基板を分割し、性能向上などのため適宜部分的な構成部品の交換を可能とする構造をとることもできる。
第1受送信装置110は、Wi−Fi第1通信部111、Wi−Fi第2通信部112、LTE/3G通信部113、記憶部114、制御部115及びGPSユニット116を備える。
Wi−Fi第1通信部111及びWi−Fi第2通信部112は、Wi−Fi(IEEE802.11規格の無線LANで認証を受けたもの)に準拠した通信を行うための通信部である。
Wi−Fi第1通信部111及びWi−Fi第2通信部112は、内部アンテナで受信することも可能であるが、コネクターを介して外部アンテナ(不図示)を接続するものであり、この場合内部アンテナは切断状態にする。
Wi−Fi第1通信部111は、2.4GHz帯を利用し、通信時の親機/子機の高速切替えを行ってネットワークと接続可能なものであり、第1受送信装置110をアクセスポイントとして機能させるための部分であり、Wi−Fi通信部121やWi−Fiカメラ130との通信を行うために利用される。
一方で、Wi−Fi第2通信部112は、2.4GHz帯を利用した、アドホック形式のWi−Fi Directにより他の受送信装置100が備えるWi−Fi第2通信部112との間で、直接通信を行うための部分である。Wi−Fi第2通信部112は、例えば、受送信装置100をそれぞれ備えた車両間での、車車間通信等を実現するために利用できる。なお、5GHz帯を利用した直接通信を行うようにしても良いが、Wi−Fi第1通信部111とWi−Fi第2通信部112とを同位周波数帯とすることで、1チップで賄え、費用対効果が得られる。
LTE/3G通信部113は、LTEや3G等に準拠した通信を行うための部分である。例えば、ネットワーク500を介して管理サーバ300との間で通信を行うための部分である。
このように、第1受送信装置110にWi−Fiによる同位の周波数帯で異なる通信部を2つに制限し1つの制御部で制御し、第2受送信部120にBLE(Wi−Fiと同じ周波数帯)の受信部を設け他の制御部で制御することによって、各々の通信接続を無理なく、より確実なものにしている。
記憶部114は、制御部115に利用される記憶装置であり、例えばNAND型フラッシュメモリにより実現される。詳細は後述するが、記憶部114は、例えばユーザID等のログを記憶する。記憶部114は、例えば、数メガバイト〜数ギガバイトの容量で、例えば512メガバイト〜1ギガバイトの総容量に対し、プログラム用の容量を差し引いて256メガバイト〜512メガバイトをログ情報の記憶に割り当てたものであるとする。総量の上限を1ギガバイトとすることで、車内の温度つまり装置の雰囲気温度に対する動作保証を確保している。
ユーザIDの形式にもよるが、1メガバイトの容量で、ユーザIDのログを80時間分、すなわち、約3日分記録することができる。なお、記憶部114は、第1受送信装置110が備えるものであってもよいし、SD(Secure Digital) Memory Card等の外部記録媒体により実現されるものであってもよい。
制御部115は、第1受送信装置110全体を制御するための部分であり、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置等により実現される。
GPSユニット116は、GPSに準拠したユニットであり、GPS衛星と通信を行うことにより、現在位置を測位する。また、GPS衛星と通信を行うことにより正確な現在時刻を取得する。
第2受送信装置120は、Wi−Fi通信部121、BLE通信部122、記憶部123及び制御部124を筐体内部に備える。また、第2受送信装置120には、筐体外の外部アンテナであるWi−Fiアンテナ125及びBLEアンテナ126が接続される。
Wi−Fi通信部121は、Wi−Fiに準拠した通信を行うための通信部である。Wi−Fi通信部121は、Wi−Fi第1通信部111との通信を行うために利用される。上述したように両通信部間の通信は、2.4GHz帯を利用して行われる。Wi−Fi通信部121には、高利得にWi−Fi通信を行うためにWi−Fi通信用の外部アンテナであるWi−Fiアンテナ125が接続される
BLE通信部122は、BLEに準拠した通信を行うための部分である。BLE通信部122には、高利得にBLE通信を行うためにBLE通信用の外部アンテナであるBLEアンテナ126が接続される。BLEアンテナ126も含めた各部の設置方法については、図5や図7を参照して後述する。
記憶部123は、制御部124に利用される記憶装置であり、例えばNAND型フラッシュメモリにより実現される。記憶部123は、例えばBLE通信部122が受信したユーザID等のログを一時的に記憶するバッファとして機能する。記憶部123は、例えば、数メガバイト〜数100バイトの容量であり、例えば8メガバイト〜512メガバイト、あるいは費用対効果を考慮し32メガバイト〜128メガバイトあるとする。なお、記憶部123は、第2受送信装置120が備えるものであってもよいし、例えば、SD Memory Card等の外部記録媒体により実現されるものであってもよい。
制御部124は、第2受送信装置120全体を制御するための部分であり、CPU等の演算処理装置等により実現される。
Wi−Fi通信部121あるいはBLE通信部122は内部アンテナでの受信も可能であるが、前述のとおり、それぞれが外部アンテナとコネクターを介して接続しており、受信感度を上げている。そのため、内部アンテナは適宜切断状態とする。この場合、BLE通信部122は受信した生データを処理する機能を有し、制御部は後述の時間同期などの付加処理を行う機能を有する。
次に、本実施形態におけるハードウェアとソフトウェアの協働について説明する。上述したように第1受送信装置110と第2受送信装置120の双方は、それぞれ制御部(制御部115や制御部124)を備える。これらの制御部は、CPU等の演算処理装置と、この演算処理装置がプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAM(Random Access Memory)といった主記憶装置とにより実現される。
また、第1受送信装置110と第2受送信装置120の双方は、それぞれ記憶部(記憶部114や記憶部123)を備える。これらの記憶部は、各種の制御用プログラムを格納したHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置により実現される。
そして各装置において、演算処理装置が補助記憶装置から各種の制御用プログラムを読み込み、読み込んだ各種の制御用プログラムを主記憶装置に展開させながら、これらの各種の制御用プログラムに基づいた演算処理を行なう。また、この演算結果に基づいて、各装置が備える各種のハードウェアを制御する。これにより、本実施形態の各機能ブロックは実現される。つまり、本実施形態は、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより実現することができる。
Wi−Fiカメラ130は、撮影により画像データを取得するカメラである。Wi−Fiカメラ130が撮影により取得する画像データは、静止画又は動画である。Wi−Fiカメラ130は、撮影により取得した画像データを、例えば3日分記憶する。記憶に要する記憶装置は、画像データの画質や、フレーム数等に応じた適切な記憶容量の記憶装置とする。
更に、Wi−Fiカメラ130は、Wi−Fiに準拠した通信を行うための通信部を有しており、撮影により取得した画像データをWi−Fi第1通信部111に対して送信する。送信は自動的に行われてもよいし、第1受送信装置110の求めに応じて行われてもよい。
次に、図5及び図6を参照して、受送信装置100が、四輪自動車に車載されて設置される場合について説明を行う。
まず、受送信装置100を車両20に設置する方法の一例について図5を参照して説明する。
第1受送信装置110と第2受送信装置120は、前述したように別途の筐体に格納されており、図5に示すように、離れた位置に設置される。これは、第1受送信装置110の各通信部による通信と、第2受送信装置120のBLE通信部122が行うBLEアンテナ126を利用した通信との干渉を防止するためである。この干渉防止を実現するためには、第1受送信装置110と、BLEアンテナ126との距離を離すことが望ましい。そして、BLEアンテナ126と第2受送信装置120とは有線接続をするので、配線の取り回し等を考慮するとBLEアンテナ126と第2受送信装置120は近傍に設置されることが望ましい。結果として、干渉防止を実現するために第1受送信装置110と第2受送信装置120は離れた位置に設置される。またBLEアンテナ126は、受信に好適な位置に設置しやすくなる。
具体的な設置場所であるが、図示するように、第2受送信装置120は、車両20の車室内前寄りに設けられているグローブボックスに設置する。また、第1受送信装置110は、第2受送信装置120よりも離れた位置の車室内中央にあるコンソールボックスに設置する。
また、Wi−Fiカメラ130については車外の様子を撮影可能なように、バックミラーとフロントガラスとの間等に、カメラのレンズが外向きになるように設置される。なお、Wi−Fiカメラ130に、ドライブレコーダとしての機能を追加するようにしてもよい。
また、第2受送信装置120に接続されるWi−Fiアンテナ125は、第2受送信装置120の近傍等の任意の場所に設置する。なぜなら、Wi−Fiアンテナ125と第1受送信装置110の間で行われるWi−Fiに準拠した通信は通信可能な範囲が広く、特に設置場所に制限が生じないからである。
一方で、BLEアンテナ126は車両20の進行方向の前方及び左方からの電波を受信できるようにすることが望ましい。そのため、BLEアンテナ126は、ダッシュボード上やフロントガラス又は左側のフロントドアガラス等に設置する。設置は、例えばBLEアンテナ126をガラスに接着することにより行う。また、フロントガラスに設置する場合には、フロントガラスの上方又は下方等の運転手の視界を遮らない部分に設置する。
そして、BLEアンテナ126と第2受送信装置120とは、信号線で有線接続する。かかる信号線は、乗車しているユーザの邪魔にならないようにフロントピラー等に沿って取り回すようにする。かかる信号線は、例えば3メートルの長さとする。3メートル程度の長さであれば、様々な車種にて取り付け可能であるからである。なお、信号線の長さが3メートルの場合には、この信号線により利得が例えば3dB下がる。しかし、BLEアンテナ126をフロントガラス等の電波を受信しやすく指向性を調整しやすい位置に設置しているので、この点で利得を改善することができる。結果として、第2受送信装置120の内部にBLEアンテナを収容するような場合と比較して、所望の指向性で高利得に受信をすることが可能となる。
なお、第2受送信装置120、Wi−Fiアンテナ125及びBLEアンテナ126を仮にスマートフォンや携帯電話等に置き換えてしまうと、このように所望の指向性で高利得に受信をすることは困難であるので、本実施形態では、第2受送信装置120、Wi−Fiアンテナ125及びBLEアンテナ126を利用することとしている。
スマートフォン等で所望の指向性で高利得に受信をすることが困難な理由について説明をする。
BLEは、2.4GHzの周波数帯を利用しており、人体によって電波強度に影響がでる。そのため、手で持って利用されたり、衣服のポケット等に収納されたりするスマートフォンでは、高利得に受信することが困難であるので問題となる。また、スマートフォンがどのような向きで利用等されるのかは不確定であるので、スマートフォン内部のアンテナの向きも不確定であり、所望の指向性は一定とならないので問題となる。
更に、スマートフォンを利用するならば、本実施形態に対応したアプリケーションプログラムを常時起動している必要があるが、ユーザが、このアプリケーションプログラムを常時起動してくれるとは限らないという問題がある。更に、スマートフォンの場合には、バッテリが切れてしまうと起動することができなくなるという問題がある。
更に、スマートフォンの記憶容量や処理能力といった資源を本実施形態のために利用しようとしても、電話機能やインターネットの閲覧など一般的なスマートフォンの機能が優先されて実現されると、本実施形態の実現に支障をきたす可能性があるという問題もある。
これらの各種の問題を鑑みて、本実施形態では、第2受送信装置120、Wi−Fiアンテナ125及びBLEアンテナ126を利用することにより、所望の指向性で高利得に受信をすることを実現している。
なお、上述したように、第1受送信装置110は、第2受送信装置120よりも離れた位置の、車室内中央にあるコンソールボックスに設置する。この場合、ユーザの利便性を考えると、コンソールボックスの外部に第1受送信装置110を設置するのではなく、コンソールボックスの内部に第1受送信装置110を設置することが望ましい。ただし、コンソールボックスの内部に第1受送信装置110を設置すると、車両のルーフ等の影響もあり、GPSユニット116が、GPS衛星から送信されるGPS信号を適切に受信できない場合がある。このような場合には、GPSユニット116に、GPSアンテナを接続し、このGPSアンテナを、GPS信号を受信しやすい場所に設置するとよい。例えば、BLEアンテナ126と同様に、ダッシュボード上やフロントガラス又は左側のフロントドアガラス等に設置する。そして、GPSアンテナとGPSユニット116を、信号線で有線接続する。かかる信号線は、乗車しているユーザの邪魔にならないようにフロントピラー等に沿って取り回すようにする。これにより、コンソールボックス内部等に第1受送信装置110を設置した場合でも、適切にGPS信号を受信することが可能となる。
次に、第1受送信装置110、第2受送信装置120及びWi−Fiカメラ130に対しての電源の供給についてであるが、例えば、これらの機器を電力線によりシガーソケットに接続し、シガーソケットから電源を供給するようにするとよい。また、他にも例えばシガーソケットではなく車両のヒューズボックスから電源を供給するようにするとよい。また、例えば第1受送信装置110と第2受送信装置120をUSB(Universal Serial Bus)等の規格に準拠したケーブルで接続し、一方から他方に対して電源を供給するようにしてもよい。
なお、第1受送信装置110と第2受送信装置120を接続するケーブルは、第1受送信装置110と第2受送信装置120の設置の自由性を考えれば、例えば5メートル前後かそれ以上の長さとすることが望ましい。しかし、このような長いケーブルの場合には、伝送遅延が生じると共に、干渉波の影響でノイズが発生する等の問題が生じる。そこで、本実施形態では、第1受送信装置110と第2受送信装置120間の通信はWi−Fiに準拠して無線で行うこととしている。
なお、図5に図示した設置方法は、あくまで一例であり、例えばグローブボックスに第1受送信装置110を設置し、コンソールボックスに第2受送信装置120を設置してもよい。第1受送信装置110をグローブボックス内に設置してもGPS信号は受信可能であるが、コンソールボックス内に設置する場合と同様に、必要に応じGPSユニットまたはアンテナをダッシュボード上に設けても良い。
また、紫外線遮断型のフロントガラスなどが採用されて信号の受信に影響する場合、各々の外部アンテナをドアミラー組立体やドアの開閉ノブ組立体などに設けたり、ポール型やフィン型の外部アンテナとすることもできる。
また、セダンタイプの車種のみならず、例えばバスやバイク等に受送信装置100を設置するようにしてもよい。
また車両20の外板を1つの筐体とすれば第1、第2の送受信装置の2つの筐体は共通の大きな筐体内に収められることで、車両20の有する防水機能を享受できる。
次に、図5のようにして受送信装置100を設置した車両20と、BLEタグ200を携帯した被探索ユーザ10との関係について図6を参照して説明をする。
図6は、片側一車線の対向二車線道路を、受送信装置100を設置した車両20が走行すると共に、二車線道路に沿って設けられた歩道を、BLEタグ200を携帯した被探索ユーザ10が歩いている状況を上空から俯瞰した図である。
車両20−1には、受送信装置100−1が設置されている。そして、受送信装置100−1に含まれるBLEアンテナ126が、BLEタグ200が送信する電波を受信できる範囲を、BLE通信可能エリアAR1−1として記載する。BLEタグ200を携帯した被探索ユーザ10が、BLE通信可能エリアAR1−1に進入した場合に、BLEタグ200が送信する電波はBLEアンテナ126により受信される。これにより、受送信装置100は、この被探索ユーザ10に対応するユーザIDを取得することができる。なお、かかる通信はBLEに準拠して行われるので、無接続状態から高速にデータ送受信を実現することができる。例えば、BLEタグ200を携帯した被探索ユーザ10が、BLE通信可能エリアAR1−1にミリ秒単位の時間在圏したならば、データの送受信を実現することができる。
また、図5を参照して説明した場合に、車両20の進行方向の前方及び左方からの電波を受信できるようにBLEアンテナ126を設置すると説明した。これは、車両の進行方向の前方の被探索ユーザ10のBLEタグ200のみならず、左側の被探索ユーザ10のBLEタグ200と送受信を行うためである。なぜならば、日本国では車両は左側通行であるため、図6のような状況で道路の左側を歩いている被探索ユーザ10のBLEタグ200と送受信をおこなうことが望ましいからである。
一方で、右側の対向車線をまたいだ位置の歩道を歩いている被探索ユーザ10のBLEタグ200とは、距離がはなれており、通信が困難な可能性があるので、右側についてはBLE通信可能エリアAR1−1としなくてもよい。なお、右側通行の国で本実施形態を利用するのであれば、左側ではなく右側がBLE通信可能エリアAR1−1となるようにすればよい。
また、前述のように車両側部のドアミラー組立体やドア開閉ノブ組立体に外部アンテナを設ける場合、アンテナに求められる指向性の制限が緩和できる。
図6のような状況であれば、車両20−1の走行に伴い受送信装置100−1は、BLEタグ200−1から被探索ユーザ10−1に対応するユーザIDを取得でき、BLEタグ200−2から被探索ユーザ10−2に対応するユーザIDを取得できる。
一方で、車両20−2の走行に伴い受送信装置100−2は、BLEタグ200−3から被探索ユーザ10−3に対応するユーザIDを取得できる。
以上、図6を参照して説明したように、受送信装置100を設置した複数の車両20が通常通りに走行しているのみで、歩道を歩いている被探索ユーザ10それぞれに対応するユーザIDを取得することができる。
次に、図7を参照して、受送信装置100が、電柱や家屋に設置されて用いられる場合について説明をする。
図7には、歩道を歩く被探索ユーザ10と、電柱30と、家屋40を図示する。本設置例では、家屋40に第1受送信装置110を設置する。この点、第1受送信装置110を室内の窓際等に設置することができるならば、受送信装置100内部のGPSユニット116はGPSの電波を受信することができる。しかしながら、窓から離れた屋内の位置に設置するならば、GPSユニット116はGPSの電波を受信することができない。そこで、このような場合には、室外や窓際にGPSアンテナ117を設置する。また、GPSアンテナ117と第1受送信装置110を信号線で接続する。そして、GPSアンテナ117が受信したGPSの電波を、信号線を介してGPSユニット116に伝達する。これにより、GPSユニット116による位置の測位が可能となる。なお、第1受送信装置110の電源としては、家屋40の家庭用商用電源を利用するようにすればよい。
電柱30には、第2受送信装置120、Wi−Fiアンテナ125、BLEアンテナ126及びWi−Fiカメラ130を設置する。Wi−Fiカメラ130は、防水性の有るカメラにより実現する。第2受送信装置120及びWi−Fiアンテナ125は、防水性をもたせた外箱に収容されて電柱30に取り付けられる。この点については、図8を参照して後述する。なお、かかる外箱に、BLEアンテナ126や第1受送信装置110も収容するようにしてもよい。
ただし、図示するように、BLEアンテナ126は、被探索ユーザ10が携帯するBLEタグ200と通信がし易い位置に取り付けるようにするとよい。例えば、被探索ユーザの身長を考慮した位置に取り付けるとよい。そして、BLEアンテナ126と、外箱に収容された第2受送信装置120のBLE通信部122とを信号線により接続する。そして、BLEアンテナ126が受信したユーザIDの電波を、信号線を介してBLE通信部122に伝達する。これにより、ユーザIDを容易に受信することが可能となる。
例えば、図中に示すようにBLEアンテナ126が、BLEタグ200が送信する電波を受信できる範囲を、BLE通信可能エリアAR2として記載する。BLEタグ200を携帯した被探索ユーザ10が、BLE通信可能エリアAR2に進入した場合に、BLEタグ200が送信する電波はBLEアンテナ126により受信される。これにより、受送信装置100は、この被探索ユーザ10に対応するユーザIDを取得することができる。
なお、図中において、第1受送信装置110と第2受送信装置120が1対1で通信を行うように記載されているが、第2受送信装置120を複数設置し、第1受送信装置110と第2受送信装置120が1対多で通信をするようにしてもよい。また、第1受送信装置110を多数設置し多対多で通信をするようにしてもよい。この場合に、第1受送信装置110がBLEタグ200を選択して通信できるようにしてもよい。
例えば、第1受送信装置110の記憶部114に複数の第2受送信装置120それぞれの識別情報を記憶すると共に、何れの第2受送信装置120と通信をする/しないのかを設定しておく。
そして、第1受送信装置110は、第2受送信装置120の識別情報を確認し、通信をすると設定されている第2受送信装置120が送信したユーザIDのみを受信する。
このような通信はWi−Fi AP(アクセスポイント)機能を有するWi−Fi第1通信部111とWi−Fi通信部121とで行っても良いが、通信相手が特定できるので、アドホック通信を行うWi−Fi第2通信部112で行っても良い。
これにより、例えばやや広い範囲を1台の第1受送信装置110で監視したい場合や、狭い範囲を細かく監視したい場合、更に緊急時など、通信可能チャンネルに余裕を持たせたい場合などの受信の制御が可能になる。
なお、第2受送信装置120及びWi−Fiアンテナ125を収容する外箱とWi−Fiカメラ130を、電柱30以外の場所に設置するようにしてもよい。例えば、ガードレールの支柱や、郵便ポストや自動販売機に設置するようにしてもよい。また、自動販売機に設置するならば、例えば自動販売機の内部に第2受送信装置120を設置し、Wi−Fiアンテナ125やBLEアンテナ126を自動販売機の外板に遮断されない場所、例えば開口部に配置するようにしてもよい。また、Wi−Fiカメラ130をCCTV(closed circuit television)カメラにより実現し、このWi−Fiカメラ130を第1受送信装置110に有線で接続するようにしてもよい。
次に、上述した防水性のある外箱や電源の供給について図8及び図9を参照して説明をする。
第2受送信装置120を、車両20内部等に設置する場合には、必要に応じ図8の上段に(a)として示すように、変圧器60を介して外部電源50、つまり、バッテリから電源の供給を受けるようにすればよい。
一方で、第2受送信装置120を図7のように電柱30等に設置するならば、図8の下段に(b)として示すように、第2受送信装置120及び変圧器60を防水性の有る防水性外箱70a内部に格納し、雨や雪等により第2受送信装置120が濡れて故障してしまうことを防止するようにするとよい。この場合に、Wi−Fiアンテナ125やBLEアンテナ126も防水性外箱70a内部に格納すると、これらWi−Fiアンテナ125やBLEアンテナ126が雨や雪等により第2受送信装置120が濡れて故障してしまうことを防止できるのでよい。なお、この場合、外部電源50は商用電源であり。変圧器60にてこれを変圧して第2受送信装置120に供給するようにするとよい。
更に、図9(c)に防水性外箱70bとして示すように、太陽光発電用のソーラパネル90と、このソーラパネルにより発電された電力を保持するための電力安定器であるバッテリ80を設けるようにしてもよい。このようにすれば、第2受送信装置120に外部電源50を接続しなくとも、第2受送信装置120を駆動することができる。そのため、外部電源50が供給されていない場所においても第2受送信装置120を設置して利用することができる。また、設置をさらに容易とするために、例えば、防水性外箱70bをボルトで固定して設置するためのボルト孔71を複数設けるようにしてもよい。
次に、図10を参照して、Wi−Fiカメラ130が撮影する範囲である撮影エリアAR2等について説明をする。
まず、図中の左側に示すように、車両20にWi−Fiカメラ130を含む受送信装置100を設置した場合、このWi−Fiカメラ130の撮影する範囲である撮影エリアAR2−1は図中に示すようになる。このような範囲を撮影することにより、例えば、横断歩道に進入しようとしている被探索ユーザ10−1を撮影することができる。また、他にも例えば道ですれ違った被探索ユーザや追い越した被探索ユーザを撮影することができる。なお、図中では、車内に設置されているWi−Fiカメラ130−1について図示を省略する。
次に、図の右上に示すように、受送信装置100−2を例えば電柱30等に設置した場合には、この受送信装置100−2に含まれるWi−Fiカメラ130の撮影エリアをどのようにするかについて2つの場合が考えられる。
まず、Wi−Fiカメラ130−2のように配置をすることにより、被探索ユーザ10−2と送受信装置受送信装置100−2とを含む範囲(図中の撮影エリアAR2−2に相当)を撮影することが考えられる。
また、Wi−Fiカメラ130−3のように配置をすることにより、被探索ユーザ10−2と送受信装置受送信装置100−2の近傍から任意の範囲(図中の撮影エリアAR2−3に相当)を撮影することが考えられる。
なお、これらのWi−Fiカメラ130の配置はあくまで一例であり、他の配置方法であってもよい。
また、例えば、交差点の四隅に受送信装置100−2〜受送信装置100−5のように受送信装置100を配置することにより、被探索ユーザ10がどのように移動したのかも知ることできる。例えば、受送信装置100−2で、被探索ユーザ10−2のBLEBLEタグ200−2を検出した後に、受送信装置100−2及び受送信装置100−5でも被探索ユーザ10−2のBLEBLEタグ200−2を検出したならば、被探索ユーザ10−2はまっすぐ進んだ後に左折をしたことが分かる。また、例えば、受送信装置100−2で、被探索ユーザ10−2のBLEBLEタグ200−2を検出した後に、受送信装置100−2でBLEBLEタグ200−2を検出したが、その後、受送信装置100−5ではBLEBLEタグ200−2を検出しなかったならば、被探索ユーザ10−2は左折をすることなくまっすぐ進んでいることがわかる。
次に、図11〜図14のフローチャートを参照して、本実施形態の動作について説明をする。
まず、図11を参照して本発明の実施形態におけるユーザID取得時の動作について説明する。
まず、各被探索ユーザ10が携帯するBLEタグ200のそれぞれが、起動しユーザIDの送信を開始する(ステップS11)。
一方で、受送信装置100も起動し、受送信装置100の第2受送信装置120は、BLE通信部122及びBLEアンテナ126により、BLEに準拠した通信によりユーザIDを受信可能状態とする(ステップS12)。
そして、第2受送信装置120は、BLEタグ200からユーザIDを受信することにより、ユーザIDを取得したか否かを判定する(ステップS13)。
ここで、ユーザIDを取得していないならば(ステップS13にてNo)、ユーザIDを取得するまで待機をする。一方で、ユーザIDを取得したならば(ステップS13にてYes)、ステップS14に進む。
ステップS14では、ステップS13で取得したユーザIDをログとして記憶部123に記憶させる(ステップS14)。なお、この際にユーザIDの取得時刻や第2受送信装置120自身の識別情報を、取得したユーザIDに紐付けて記憶するようにしてもよい。
次に、第2受送信装置120は、記憶部123に記録したユーザIDのログを所定のタイミングで、第1受送信装置110に対して送信する(ステップS15)。かかる送信は、上述したようにWi−Fiに準拠した通信により行われる。所定のタイミングは、第2受送信装置120がユーザIDを取得して即時であってもよく、所定の周期で行われてもよい。何れの場合であっても、第2受送信装置120は第1受送信装置110に送信したユーザIDのログは記憶部123から消去し、新たに取得したユーザIDのログを上書きする。これにより、記憶部123の記憶容量が一杯になってしまうことを防止できる。また、処理の周期で送信を行う場合には、所定の周期が到来するまでの間に、ステップS13及びステップS14を繰り返し、この繰り返しにおいて取得したユーザIDのログをまとめて送信するようにすればよい。また、このように、第2受送信装置120と第1受送信装置110間にて受送信を行う場合には、第1受送信装置110と第2受送信装置120の間で、受送信データの整合を図るための解決手段が必要となる。この解決手段については、フローチャートを参照して動作の説明を一通り行った後に説明をする。
次に、第1受送信装置110は第2受送信装置120から受信したユーザIDのログを記憶部114に記憶させる(ステップS16)。この際に、GPSユニット116により測位した現在位置と現在時刻とを取得したユーザIDに紐付けて記憶するようにする。これにより、ログを参照することにより、どのユーザIDの被探索ユーザが、どの時点で、どの場所にいたのかを知ることが可能となる。なお、記憶部114の記憶容量はある程度大きなものとして、例えば、数週間分のログを保存しておけるようにするとよい。
次に、第1受送信装置110は、LTE/3G通信部113によるLTEや3Gに準拠した通信により、管理サーバ300から探索要求を受信したか否かを判定する(ステップS17)。探索要求を受信していない場合には(ステップS17にてNo)、ステップS13に戻り処理を繰り返す。
一方で、探索要求を受信した場合には(ステップS17にてYes)、図12のステップS21に進む。
次に、図12を参照して、被探索ユーザ10の探索時の動作について説明をする。探索要求を受信した第1受送信装置110は、記憶部114に格納されているユーザIDのログを参照する。そして、探索要求に含まれている、探索対象となる被探索ユーザ10のユーザIDに該当するユーザIDが、記憶部114に格納されているユーザIDのログに含まれているか否かを判定する(ステップS21)。
ここで、探索対象となる被探索ユーザ10のユーザIDに該当するユーザIDが、記憶部114に格納されているユーザIDのログに含まれている場合には(ステップS21においてYes)、第1受送信装置110はその旨を管理サーバ300に対して応答する(ステップS25)。
一方で、探索対象となる被探索ユーザ10のユーザIDに該当するユーザIDが、記憶部114に格納されているユーザIDのログに含まれていない場合には(ステップS21においてNo)、ステップS22に進む。そして、探索を開始する(ステップS22)。ここで、探索とは、探索対象となる被探索ユーザ10のユーザIDに該当するユーザIDを、新たに第2受送信装置120が取得したか否かを確認することである。
そして、探索を行って、探索対象となる被探索ユーザ10のユーザIDに該当するユーザIDを、新たに第2受送信装置120が取得したことが確認できたならば(ステップS23にてYes)、第1受送信装置110はその旨を管理サーバ300に対して応答する(ステップS25)。その後、図13のステップS31又は図14のステップS41の何れかに進む。何れのステップに進むのかについては後述する。
一方で、探索を行って、探索対象となる被探索ユーザ10のユーザIDに該当するユーザIDを、新たに第2受送信装置120が取得したことが確認できないならば(ステップS23にてNo)、ステップS24に進む。
そして、ステップS24では、探索終了するための条件が満たされたか否かを判定する(ステップS24)。
ここで、探索終了するための条件とは、例えば、探索要求を受けてから所定時間(例えば、72時間)が経過したことである。なぜならば、72時間程度経過しても発見できない場合は他の探索手段で探索した方が良い情報が得られる場合があることや、探索のための拘束の限度を設けるためである。
また、他にも例えば所定のエリアから遠ざかったことを探索終了の条件とするようにしてもよい。例えば、被探索ユーザ10の生活圏と思われる半径数キロのエリアを所定のエリアとして管理サーバ300からの探索要求に含ませる。そして、例えば車両20に設置された第1受送信装置110は自身の位置をGPSユニット116で測位し、車両20の移動に伴い、自身の位置がこの所定のエリア外となった場合に、探索を終了するようにするとよい。なぜならば、被探索ユーザ10が徒歩で移動している場合に、生活圏以外の場所にて探索を行うのではなく、他の探索手段で探索した方が良い情報が得られる場合があるからである。
更に、このような条件を組み合わせ、何れかの条件が満たされた場合や、全ての条件が満たされた場合に、探索を終了するようにしてもよい。
何れにせよ、探索を終了する条件が満たされてないのであれば(ステップS24にてNo)、ステップS23に戻ることを繰り返して探索を継続する。
一方で、探索を終了する条件が満たされたならば(ステップS24にてYes)、探索を終了して図1のステップS13に戻る。そして、ステップS13からの処理を繰り返す。
次に、ステップS25の後に、図13のステップS31又は図14のステップS41の何れに進むのかについて説明をする。本実施形態では、画像データを個人情報として扱う。そのため、探索対象となる被探索ユーザ10のユーザIDに該当するユーザIDとこれに対応する画像データが、受送信装置100におけるログに格納されていたとしても、無条件に管理サーバ300に送ることはしない。まず、該当するユーザIDがあった旨のみを応答する(ステップS25)。
その後、管理サーバ300又は受送信装置100において所定のユーザによる同意についての情報がある場合に、画像データを管理サーバ300に送るが、所定のユーザによる同意についての情報がない場合には、画像データを管理サーバ300には送らない。
ここで、管理サーバ300において同意についての情報を管理する場合には、この所定のユーザは、例えば、ユーザIDに対応するユーザ自身や、ユーザIDに対応するユーザの関係者(例えば、保護者である両親)や、ユーザIDに対応するユーザや関係者と契約している警備会社等である。また、仮に本実施形態を犯罪に関する捜査等に用いるならば、この所定のユーザは例えば、警察関係者である。
また、受送信装置100において情報の同意についての情報を管理する場合には、この所定のユーザは例えば、受送信装置100を設置した車両20のユーザや、受送信装置100を設置した電柱30や家屋40を管理する自治体である。
本実施形態で、管理サーバ300において同意についての情報を管理することとした場合には、ステップS25の後に、図13のステップS31に進む。
一方で、受送信装置100において同意についての情報を管理することとした場合には、ステップS25の後に、図14のステップS41に進む。
まず、図13を参照して説明を行う。図13のステップS31、ステップS32では、管理サーバ300において同意についての情報が有るか否かを判定する。具体的には、管理サーバ300から所定のユーザに対して同意を求める(ステップS31)。例えば、ユーザ端末400を利用している探索要求ユーザが、所定のユーザであったならば、ユーザ端末400と通信を行うことにより同意を求める。そして、所定のユーザからの同意する旨の返信がなかった場合に、同意なしと判定する(ステップS32にてNo)。この場合、上述したように画像データは送信しないので、送信を行うことなく、図1のステップS13に戻る。そして、ステップS13からの処理を繰り返す。
一方で、所定のユーザからの同意する旨の返信があった場合に、同意有りと判定して(ステップS32にてYes)、ステップS33に進む。かかる要求には画像データに関しての時間指定も含ませるようにするとよい。例えば、送受信装置100がユーザIDを取得した時刻を基準時刻として、基準時刻よりも5分前から基準時刻までの5分間の画像データを要求するようにしたり、基準時刻から基準時刻の5分後までの5分間の画像データを要求するようにしたり、基準時刻の前後5分間の画像データを要求したりするようにするとよい。また、例えば、一度ステップS31〜ステップS35までの処理を行って基準時刻の前後1分間画像データを参照したが被探索ユーザ10が写っていなかった場合に、再度一度ステップS31〜ステップS35までの処理を行って基準時刻の前後5分間画像データを要求して参照するようにしてもよい。
ステップS33では、管理サーバ300は第1受送信装置110に対して画像データを要求する(ステップS33)。
そして、第1受送信装置110は、この要求に応じて画像データを管理サーバ300に対して送信する(ステップS34)。
画像データを受信した管理サーバ300は、ユーザ端末400に対して画像データを転送する(ステップS35)。なお、この場合に画像データをそのまま転送してもよいが、例えば、被探索ユーザ10と関係ない人物が画像データに写り込んでいることが画像認識等の技術で分かったならば、この写り込んでいるユーザにモザイク処理等を施して転送するようにしてもよい。また、管理サーバ300のユーザが目視で、関係のない人物の写り込みを発見して、モザイク処理等を行うようにしてもよい。これにより、被探索ユーザ10と関連しない第三者の画像データが、許可なく利用されることを防止することができる。
そして、ユーザ端末400は画像データを、ユーザ端末400のディスプレイ等に表示する(ステップS36)。ユーザ端末400のユーザはかかる画像データを参照することにより、被探索ユーザ10の状況を把握することができる。その後、図1のステップS13に戻る。そして、ステップS13からの処理を繰り返す。
次に、図14を参照して説明を行う。まず、ステップS41、ステップS42では、所定のユーザである受送信装置100のユーザに対して同意についての情報が有るか否かを判定する。具体的には、これは管理サーバ300から所定のユーザに対して同意を求める(ステップS41)。
例えば、第1受送信装置110に表示部を設け、この表示部に「ログに含まれる画像データを送信することに同意するか?」といった表示を行う。なお、この同意要求にステップS32の画像データ要求と同様にして、画像データに関しての時間指定も含ませるようにするとよい。この場合には、表示部に、例えば「ユーザIDを取得した時刻を基準時刻として、基準時刻の前後5分間の画像データを送信することに同意するか?」といった表示を行う。
そして、この表示を参照した所定のユーザから、同意する旨の返信がなかった場合に、同意なしと判定する(ステップS42にてNo)。この場合、上述したように画像データは送信しないので、送信を行うことなく、図1のステップS13に戻る。そして、ステップS13からの処理を繰り返す。
一方で、所定のユーザからの同意する旨の返信があった場合に、同意有りと判定して(ステップS42にてYes)、ステップS43に進む。
ステップS43では、第1受送信装置110は、送信することに同意を得られた画像データを管理サーバ300に対して送信する(ステップS43)。
画像データを受信した管理サーバ300は、ユーザ端末400に対して画像データを転送する(ステップS44)。なお、この場合にモザイク処理等を施してもよいのは、ステップS35における転送と同様である。
そして、ユーザ端末400は画像データを、ユーザ端末400のディスプレイ等に表示する(ステップS45)。ユーザ端末400のユーザはかかる画像データを参照することにより、被探索ユーザ10の状況を把握することができる。その後、図1のステップS13に戻る。そして、ステップS13からの処理を繰り返す。
なお、図13及び図14において画像データの送信について説明したが、記憶部114のログにおいてユーザIDと紐付けられている、位置情報や時刻情報についても、画像データと同様に同意がある場合にのみ管理サーバ300やユーザ端末400に送信するようにするとよい。
また、図13及び図14の動作を組み合わせて、管理サーバ300及び受送信装置100の双方において同意についての情報がある場合に、画像データを送信するようにしてもよい。
他方、第1受送信装置110と第2受送信装置120の受送信データの整合を図るための解決手段が求められる。その解決手段の1つが、第1受送信装置110と第2受送信装置120との間の時刻または時間の同期の構成であり方法である。
具体的な1つの解決手段としては、第2受送信装置120内に計時のタイマーを設ける構成が考えられる。例えば、第2受送信装置120に計時のタイマーとして新たなGPSユニットを設ける。これにより、第2受送信装置120にて、GPS衛星から正確な時刻を取得すことができる。そのため、第1受送信装置110と第2受送信装置120との間の時刻または時間の同期が可能となる。ただし、本実施形態では、費用対効果を得るため他の具体的な解決手段を採用する。以下、この点について説明をする。
本実施形態では具体的な解決手段として、例えば、第1受送信装置110のLTE/3G通信部113またはGPSユニット116がタイマー機能を有しており、そのタイマー機能を活用して、第1受送信装置110と第2受送信装置120との間の時刻または時間の同期する構成及び方法を採用する。
第1受送信装置110では、LTE/3G通信部113またはGPSユニット116から時刻情報を得る。また、第2受送信装置120との通信の接続開始及び各ログ情報の受信の時刻を取得し記憶する。必要に応じ順番をつける。
第2受送信装置120では、Wi−Fi通信部121でWi−Fi第1通信部111またはWi−Fi第2通信部112との通信を順番付けて記憶する。
そして制御部115または制御部124では、後述の探索対象ログ情報をこのカウントされた順番をたどってWi−Fi第2通信部112の受送信時刻とする。
制御部124での処理や記憶部123で保持している間の分は、BLE通信部122での受信時刻とWi−Fi第2通信部112の送信時刻との間のずれを生じるが、第1受送信装置と第2受送信装置との間の通信間隔を適宜設定することでずれの影響を許容範囲内に収める。例えば、通信間隔を10msecとする。すなわち、1秒間に100回の通信をおこなうようにする。
或いは、他の具体的な解決手段として、第1受送信装置110から第2受送信装置への通信情報(例えば接続開始時の応答情報或いは接続中の適宜のタイミングでの送信情報)に時刻情報そのものを付加して送信し、第2受送信装置120の制御部124でBLE通信部122からの受信情報に時刻または時間情報を付加する処理を行うという構成及び方法を採用しても良い。
この場合もその時刻または時間情報とその次のその時刻または時間情報との間隔と、BLEログ受信情報の順番とを利用する。このような構成及び方法で第1受送信装置110の時刻または時間情報を第2受送信装置120で共用することができ、活用でき、第1受送信装置110と第2受送信装置120の受送信データの整合を図ることができる。
また、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば管理サーバが複数で構成され、別々の管理者によって管理運営されるものでも良い。
また、例えばユーザ端末400は、電話でサービスセンターでエンドユーザから依頼を受け付け、それに基づく要求を送信するものであっても良く、サービスセンターの管理サーバと受送信装置の管理サーバとを別々に管理運営しても良い。
また、例えば、電柱などの路上の固定構造物に第2受送信装置を設置するのであれば、その位置情報は住所情報で置き換えても良い。
通信方式として、他の通信方式を採用するようにしてもよい。例えば、LTEや3Gではなく、第5世代の通信方式である5Gを採用するようにしてもよい。また、各通信方式間での干渉を抑制することができならば、第1受送信装置110と第2受送信装置120とは同じ筐体に格納するようにしてもよい。
また、地震等の天災が発生した場合や、誘拐事件等が発生した場合といった非常時には、複数の第1受送信装置110間で通信を行うことにより、管理サーバ300からの探索要求を他の第1受送信装置110へと伝播させていくようにしてもよい。すなわち、車両20に設置された第1受送信装置110同士で車車間通信(すなわち、車両と車両との間での通信)を行うようにしてもよい。このような場合、例えば探索要求を地上デジタル放送の信号に乗せることも可能である。
更に、第2受送信装置120が、同時に多数のユーザID等を受信して、第2受送信装置120がフリーズして動作不能になったような場合に、第1受送信装置110が第2受送信装置120の電源を再投入する等して、第2受送信装置120を再起動するようにしてもよい。
なお、上記の受送信装置100、BLEタグ200、管理サーバ300及びユーザ端末400のそれぞれの機器は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記の受送信装置100、BLEタグ200、管理サーバ300及びユーザ端末400のそれぞれお協働により行なわれる受送信方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。