以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置及び医用情報処理方法の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置の構成例を示す図である。
例えば、図1に示すように、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、ネットワーク200を介して、HIS(Hospital Information System)300、RIS(Radiology Information System)400、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)500、及び、医用画像診断装置600と通信可能に接続される。例えば、これらの装置及びシステムは、病院等に設置され、院内LAN(Local Area Network)等のネットワーク200によって相互に接続される。
ここで、医用画像診断装置600は、被検体から収集したデータに基づいて医用画像を生成する装置である。例えば、医用画像診断装置600は、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT−CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET−CT装置等である。
医用情報処理装置100は、ネットワーク200を介して、HIS300、RIS400、PACS500、及び、医用画像診断装置600から各種の診療データを取得し、取得した診療データを用いて各種の情報処理を行う。例えば、医用情報処理装置100は、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
具体的には、医用情報処理装置100は、I/F(インターフェース)回路110と、記憶回路120と、入力回路130と、ディスプレイ140と、処理回路150とを有する。
I/F回路110は、処理回路150に接続され、HIS300、RIS400、PACS500、及び、医用画像診断装置600との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、I/F回路110は、HIS300、RIS400、PACS500、及び、医用画像診断装置600から診療データを受信し、受信した診療データを処理回路150に出力する。例えば、I/F回路110は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
記憶回路120は、処理回路150に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路120は、HIS300、RIS400、PACS500、及び、医用画像診断装置600から受信した診療データを記憶する。例えば、記憶回路120は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
入力回路130は、処理回路150に接続され、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路150に出力する。例えば、入力回路130は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等によって実現される。
ディスプレイ140は、処理回路150に接続され、処理回路150から出力される各種情報及び各種画像データを表示する。例えば、ディスプレイ140は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。
処理回路150は、入力回路130を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、医用情報処理装置100の構成要素を制御する。例えば、処理回路150は、I/F回路110から出力される診療データを記憶回路120に記憶させる。また、例えば、処理回路150は、記憶回路120から診療データを読み出し、ディスプレイ140に表示する。例えば、処理回路150は、プロセッサによって実現される。
以上、本実施形態に係る医用情報処理装置100の構成例について説明した。このような構成のもと、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、被検体に関する各種の診療データをディスプレイ140に表示する。
図2は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100によって行われる診療データの表示の概要を示す図である。
例えば、図2に示すように、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、被検体に関する画像データや画像の計測値、読影レポート等の各種の診療データを表示画面上に表示する。なお、本実施形態では、被検体が患者である場合の例を説明する。
ここで、各種の診療データを表示画面上に同時に表示する場合には、情報量が多くなることで視認性が低下することがあり得るため、診療データの使用するシーンに応じて、最適にデータ表示を切り替えることが求められる。また、このような診療データの表示では、検査結果の時系列変化に着目する場合や種々のデータを俯瞰的に確認する等のように、診療データを多角的に閲覧するための切り替えが求められる。
このようなことから、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、臨床的な検討目的に応じて、適切な表示形式で診療データを提示するための機能を有する。
具体的には、本実施形態では、処理回路150が、取得機能151と、表示制御機能152と、変換機能153とを有する。なお、表示制御機能152は、特許請求の範囲における表示制御部の一例である。また、変換機能153は、特許請求の範囲における変換部の一例である。
ここで、表示制御機能152は、診療データごとに定義されたデータ表示形式に対応付けられた次元を有する診療データ空間に基づいて、診療データを表示する。そして、変換機能153は、診療データ空間上で、指定された変換基準点を基準にして空間変換を行うことで、表示制御機能152によって表示される診療データの表示を切り替える。なお、本実施形態では、診療データ空間は、幅、深さ及び時間の三つの次元を有する。
このように、本実施形態では、指定された変換基準点を基準にして空間変換を行って診療データの表示を切り替えることで、現在表示されている情報を起点として診療データを多角的に閲覧することができるようにしている。これにより、本実施形態によれば、臨床的な検討目的に応じて、適切な表示形式で診療データを提示することができる。
なお、処理回路150が有する各処理機能は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路120に記憶される。処理回路150は、各プログラムを記憶回路120から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、図1に示した各処理機能を有することとなる。
以下、上述した処理回路150が有する各機能について、詳細に説明する。
取得機能151は、HIS300、RIS400、PACS500、及び、医用画像診断装置600から各種の診療データを取得し、取得した診療データを、記憶回路120によって構築されている統合診療DB(Data Base)に記憶させる。例えば、取得機能151は、診療データとして、患者情報、オーダ情報、オーダ実施情報、画像検査情報、各種計測情報等の診療に関する情報を取得する。なお、取得機能151によって取得される情報は、HIS300、RIS400、PACS500、及び、医用画像診断装置600によって保持されている情報そのものでもよいし、それらの情報を統合した情報であってもよいし、2次利用を目的として作成された情報であってもよい。
例えば、取得機能151が上述した診療データをHIS300、RIS400、PACS500、及び、医用画像診断装置600から取得する処理は、以下で説明する表示制御機能152及び変換機能153によって行われる処理とは非同期で実施される。なお、取得機能151によって行われる処理は、例えば、処理回路150が取得機能151に対応する所定のプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより実現される。
ここで、統合診療DBは、診療データの種類ごとに用意された複数のテーブルを有する。例えば、統合診療DBは、投薬テーブル、投薬サマリテーブル、画像テーブル、画像計測値テーブル、読影レポートテーブル、心電図テーブル、心電図計測値テーブル、心電図レポートテーブル、バイタルテーブル、バイタルサマリテーブル、看護記録テーブル、検体検査テーブル、検体検査サマリテーブル、及び、検体検査レポートテーブルを有する。
なお、投薬テーブル及び投薬サマリテーブルは、オーダ情報又はオーダ実施情報に基づくテーブルの一例である。また、ここで説明した画像テーブル、画像計測値テーブル及び読影レポートテーブルは、画像検査情報に基づくテーブルの一例である。また、心電図テーブル、心電図計測値テーブル、心電図レポートテーブル、バイタルテーブル、バイタルサマリテーブル、看護記録テーブル、検体検査テーブル、検体検査サマリテーブル、及び、検体検査レポートテーブルは、各種計測情報に基づくテーブルの一例である。
図3は、第1の実施形態に係る投薬テーブルの一例を示す図である。ここで、投薬テーブルは、患者に対して行われた投薬に関する診療データを記憶する。
例えば、図3に示すように、投薬テーブルは、投薬IDと、日時と、データとを対応付けた情報を記憶する。投薬IDには、投薬に関する診療データを一意に識別する識別情報が設定される。日時には、当該投薬が実施された日時が設定される。データには、当該投薬が行われた薬剤を示す情報が設定される。なお、例えば、投薬テーブルは、薬剤の種類ごとに用意される。
図4は、第1の実施形態に係る投薬サマリテーブルの一例を示す図である。ここで、投薬サマリテーブルは、患者に対して複数の時点で行われた投薬をまとめた投薬サマリデータに関する診療データを記憶する。
例えば、図4に示すように、投薬サマリテーブルは、投薬サマリIDと、オーダIDとを対応付けた情報を記憶する。投薬サマリIDには、投薬サマリデータを一意に識別する識別情報が設定される。オーダIDには、当該投薬サマリデータに含まれる各投薬の投薬IDが設定される。
なお、オーダ情報又はオーダ実施情報に基づくテーブルとしては、投薬テーブル及び投薬サマリテーブル以外にも、例えば、画像、食事、リハビリ、手術、血管内治療、放射線治療等の各種オーダに関するテーブルや、当該各種オーダの実施に関するテーブルが、さらに統合診療DBに含まれてもよい。
図5は、第1の実施形態に係る画像テーブルの一例を示す図である。ここで、画像テーブルは、患者を撮像した画像に関する診療データを記憶する。
例えば、図5に示すように、画像テーブルは、画像IDと、日時と、データとを対応付けた情報を記憶する。画像IDには、画像に関する診療データを一意に識別する識別情報が設定される。日時には、当該画像が撮像された日時が設定される。データには、当該画像の画像データが設定される。なお、ここでいう画像は、医用画像診断装置600(例えば、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置、SPECT装置、PET装置等の各種医用画像診断装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT−CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET−CT装置、又はこれらの装置群等)によって撮像された医用画像である。また、ここでいう画像は、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)画像(dcm)、PNG(Portable Network Graphics)画像、JPEG(Joint Photographic Experts Group)画像等の形式で生成されたものである。また、ここでいう画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。
図6は、第1の実施形態に係る画像計測値テーブルの一例を示す図である。ここで、画像計測値テーブルは、患者を撮像した画像に基づいて計測された計測値に関する診療データを記憶する。
例えば、図6に示すように、画像計測値テーブルは、計測値IDと、画像IDと、計測種と、データとを対応付けた情報を記憶する。計測値IDには、画像の計測値に関する診療データを一意に識別する識別情報が設定される。画像IDには、当該計測値の計測に用いられた画像を一意に識別する識別情報が設定される。計測種には、当該計測値の種類(例えば、腫瘍直径、血管径、流量等)を示す情報が設定される。データには、当該計測値が設定される。
図7は、第1の実施形態に係る読影レポートテーブルの一例を示す図である。ここで、読影レポートテーブルは、患者を撮像した画像に基づいて作成された読影レポートに関する診療データを記憶する。
例えば、図7に示すように、読影レポートテーブルは、読影レポートIDと、画像IDと、レポートとを対応付けた情報を記憶する。読影レポートIDには、読影レポートに関する診療データを一意に識別する識別情報が設定される。画像IDには、当該読影レポートの作成に用いられた画像を一意に識別する識別情報が設定される。レポートには、当該読影レポートの文書データが設定される。なお、ここでいう読影レポートの文書データは、doc形式以外の各種ドキュメント形式、又はテキスト形式であってもよい。
図8は、第1の実施形態に係る心電図テーブルの一例を示す図である。ここで、心電図テーブルは、検査で計測された患者の心電図に関する診療データを記憶する。
例えば、図8に示すように、心電図テーブルは、心電図IDと、日時と、データとを対応付けた情報を記憶する。心電図IDには、心電図に関する診療データを一意に識別する識別情報が設定される。日時には、当該心電図が計測された日時が設定される。データには、当該心電図の画像データが設定される。なお、ここでいう心電図は、例えば、PNG画像、JPEG画像等の形式で生成されたものである。また、ここでいう心電図は、MFER(Medical waveform Format Encoding Rules)やCSV(Comma Separated Value)で表現される波形データであってもよい。
図9は、第1の実施形態に係る心電図計測値テーブルの一例を示す図である。ここで、心電図計測値テーブルは、患者の心電図に基づいて計測された計測値に関する診療データを記憶する。
例えば、図9に示すように、心電図計測値テーブルは、計測値IDと、心電図IDと、計測種と、データとを対応付けた情報を記憶する。計測値IDには、心電図の計測値に関する診療データを一意に識別する識別情報が設定される。心電図IDには、当該計測値の計測に用いられた心電図を一意に識別する識別情報が設定される。計測種には、当該計測値の種類(例えば、心拍数、P波高さ、P波幅等)を示す情報が設定される。データには、当該計測値が設定される。
図10は、第1の実施形態に係る心電図レポートテーブルの一例を示す図である。ここで、心電図レポートテーブルは、患者の心電図に基づいて作成された心電図レポートに関する診療データを記憶する。
例えば、図10に示すように、心電図レポートテーブルは、心電図レポートIDと、心電図IDと、レポートとを対応付けた情報を記憶する。心電図レポートIDには、心電図レポートに関する診療データを一意に識別する識別情報が設定される。心電図IDには、当該心電図レポートの作成に用いられた心電図を一意に識別する識別情報が設定される。レポートには、当該心電図レポートの文書データが設定される。なお、ここでいう心電図レポートの文書データは、doc形式以外の各種ドキュメント形式、又はテキスト形式であってもよい。
図11は、第1の実施形態に係るバイタルテーブルの一例を示す図である。ここで、バイタルテーブルは、検査で計測された患者のバイタルに関する診療データを記憶する。
例えば、図11に示すように、バイタルテーブルは、バイタルIDと、日時と、データとを対応付けた情報を記憶する。バイタルIDには、バイタルに関する診療データを一意に識別する識別情報が設定される。日時には、当該バイタルの計測が行われた日時が設定される。データには、当該バイタルの計測値(例えば、血圧、脈拍、体温等)が設定される。
図12は、第1の実施形態に係るバイタルサマリテーブルの一例を示す図である。ここで、バイタルサマリテーブルは、患者から複数の時点で計測されたバイタルをまとめたバイタルサマリデータに関する診療データを記憶する。
例えば、図12に示すように、バイタルサマリテーブルは、バイタルサマリIDと、バイタルIDとを対応付けた情報を記憶する。バイタルサマリIDには、バイタルサマリデータを一意に識別する識別情報が設定される。バイタルIDには、当該バイタルサマリデータに含まれる各バイタルのバイタルIDが設定される。
図13は、第1の実施形態に係る看護記録テーブルの一例を示す図である。ここで、看護記録テーブルは、患者のバイタルに基づいて作成された看護記録に関する診療データを記憶する。
例えば、図13に示すように、看護記録テーブルは、看護記録IDと、バイタルIDと、レポートとを対応付けた情報を記憶する。看護記録IDには、看護記録に関する診療データを一意に識別する識別情報が設定される。バイタルIDには、当該看護記録の作成に用いられたバイタルを一意に識別する識別情報が設定される。レポートには、当該看護記録の文書データが設定される。なお、ここでいう看護記録の文書データは、doc形式以外の各種ドキュメント形式、又はテキスト形式であってもよい。
図14は、第1の実施形態に係る検体検査テーブルの一例を示す図である。ここで、検体検査テーブルは、患者の検体検査に関する診療データを記憶する。
例えば、図14に示すように、検体検査テーブルは、検体検査IDと、日時と、データとを対応付けた情報を記憶する。検体検査IDには、検体検査に関する診療データを一意に識別する識別情報が設定される。日時には、当該検体検査が行われた日時が設定される。データには、当該検体検査の計測値(例えば、尿酸(UA)、総タンパク(TP)等の計測値)が設定される。
図15は、第1の実施形態に係る検体検査サマリテーブルの一例を示す図である。ここで、検体検査サマリテーブルは、患者に対して複数の時点で行われた検体検査をまとめた検体検査サマリデータに関する診療データを記憶する。
例えば、図15に示すように、検体検査サマリテーブルは、検体検査サマリIDと、検体検査IDとを対応付けた情報を記憶する。検体検査サマリIDには、検体検査サマリデータを一意に識別する識別情報が設定される。検体検査IDには、当該検体検査サマリデータに含まれる各検体検査の検体検査IDが設定される。
図16は、第1の実施形態に係る検体検査レポートテーブルの一例を示す図である。ここで、検体検査レポートテーブルは、患者の検体検査に基づいて作成された検体検査レポートに関する診療データを記憶する。
例えば、図16に示すように、検体検査レポートテーブルは、検体検査レポートIDと、検体検査IDと、レポートとを対応付けた情報を記憶する。検体検査レポートIDには、検体検査レポートに関する診療データを一意に識別する識別情報が設定される。検体検査IDには、当該検体検査レポートの作成に用いられた検体検査を一意に識別する識別情報が設定される。レポートには、当該検体検査レポートの文書データが設定される。なお、ここでいう検体検査レポートの文書データは、doc形式以外の各種ドキュメント形式、又はテキスト形式であってもよい。
ここで、本実施形態では、上述した各診療データについて、それぞれの閲覧に適したデータ表示形式が定義される。具体的には、データ表示形式は、診療データと、当該診療データを表示する際の具体的な表示形式(例えば、表形式や時系列形式、画像表示形式、心電図表示形式、レポート表示形式等)を示すパネルとの組み合わせによって定義される。
そして、本実施形態では、診療データごとに定義される各データ表示形式は、臨床的な検討目的に応じた様々な観点で分類される。
図17は、第1の実施形態に係るデータ表示形式の分類の一例を示す図である。
例えば、図17における上下方向に示すように、各データ表示形式は、介入に関するデータ表示形式と、レスポンスに関するデータ表示形式とに分類される。また、介入に関するデータ表示形式は、投薬に関するデータ表示形式にさらに分類され、投薬に関するデータ表示形式は、薬剤の種類ごとにさらに分類される。また、レスポンスに関するデータ表示形式は、画像に関するデータ表示形式と、心電図に関するデータ表示形式と、バイタルに関するデータ表示形式と、検体検査に関するデータ表示形式とにさらに分類される。
また、別の観点で、例えば、図17における左右方向に示すように、各データ表示形式は、客観データに関するデータ表示形式と、主観データに関するデータ表示形式とに分類される。また、客観データに関するデータ表示形式は、生データに関するデータ表示形式と、加工データに関するデータ表示形式とにさらに分類され、主観データに関するデータ表示形式は、文字データに関するデータ表示形式にさらに分類される。
また、さらに別の観点で、例えば、図17における右上がりの斜めの方向に示すように、各データ表示形式は、時系列の時点ごとに分けられて分類される。
ここで、例えば、上述した投薬テーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から1行目及び左から1列目に示すように、投薬及び生データに関するデータ表示形式として分類され、さらに、時系列の時点ごとに分けられて分類される。また、上述した投薬サマリテーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から1行目及び左から2列目に示すように、投薬及び加工データに関するデータ表示形式として分類され、複数の時点の投薬をまとめたデータ形式として分類される。
また、上述した画像テーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から2行目及び左から1列目に示すように、画像及び生データに関するデータ表示形式として分類され、さらに、時系列の時点ごとに分けられて分類される。また、上述した画像計測値テーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から2行目及び左から2列目に示すように、画像及び加工データに関するデータ表示形式として分類され、時系列の時点ごとに分けられて分類される。また、上述した読影レポートテーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から2行目及び左から3列目に示すように、画像及び文字データに関するデータ表示形式として分類され、時系列の時点ごとに分けられて分類される。
また、上述した心電図テーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から3行目及び左から1列目に示すように、心電図及び生データに関するデータ表示形式として分類され、さらに、時系列の時点ごとに分けられて分類される。また、上述した心電図計測値テーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から3行目及び左から2列目に示すように、心電図及び加工データに関するデータ表示形式として分類され、時系列の時点ごとに分けられて分類される。また、上述した読影レポートテーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から3行目及び左から3列目に示すように、心電図及び文字データに関するデータ表示形式として分類され、時系列の時点ごとに分けられて分類される。
また、上述したバイタルテーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から4行目及び左から1列目に示すように、バイタル及び生データに関するデータ表示形式として分類され、さらに、時系列の時点ごとに分けられて分類される。また、上述したバイタルサマリテーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から4行目及び左から2列目に示すように、バイタル及び加工データに関するデータ表示形式として分類され、複数の時点のバイタルの計測値をまとめたデータ形式として分類される。また、上述した看護記録テーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から4行目及び左から3列目に示すように、バイタル及び文字データに関するデータ表示形式として分類され、時系列の時点ごとに分けられて分類される。
また、上述した検体検査テーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から5行目及び左から1列目に示すように、検体検査及び生データに関するデータ表示形式として分類され、さらに、時系列の時点ごとに分けられて分類される。また、上述した検体検査サマリテーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から5行目及び左から2列目に示すように、検体検査及び加工データに関するデータ表示形式として分類され、複数の時点の検体検査の計測値をまとめたデータ形式として分類される。また、上述した検体検査レポートテーブルに記憶される診療データのデータ表示形式は、図17の上から5行目及び左から3列目に示すように、検体検査及び文字データに関するデータ表示形式として分類され、時系列の時点ごとに分けられて分類される。
そして、本実施形態では、記憶回路120が、上述したデータ表示形式の分類に応じて、各データ表示形式を診療データ空間上の座標に対応付けるためのマスタを記憶する。前述したように、本実施形態では、診療データ空間は、幅、深さ及び時間の三つの次元を有しており、それぞれの次元に対応する三つの座標軸で定義される。
例えば、記憶回路120は、データ表示形式マスタと、表示座標マスタとを記憶する。ここで、データ表示形式マスタは、統合診療DBに記憶されている診療データをどのような形式(以下、パネルと呼ぶ)で表示するかを示す情報を記憶する。例えば、データ表示形式マスタは、パネルマスタテーブルと、データ表示テーブルとを含む。また、表示座標マスタは、どのパネル及び診療データがどの座標に相当するかのマッピングを示す情報を記憶する。例えば、表示座標マスタは、表示座標マスタテーブルを含む。
図18は、第1の実施形態に係るパネルマスタテーブルの一例を示す図である。ここで、パネルマスタテーブルは、診療データを表示するための各種のパネルに関する情報を記憶する。
例えば、図18に示すように、パネルマスタテーブルは、パネルIDと、パネルとを対応付けた情報を記憶する。パネルIDには、パネルを一意に識別する識別情報が設定される。パネルには、パネルの具体的な形式が設定される。
図19は、第1の実施形態に係るデータ表示テーブルの一例を示す図である。ここで、データ表示テーブルは、診療データとパネルとの組み合わせで定義されるデータ表示形式に関する情報を記憶する。
例えば、図19に示すように、データ表示テーブルは、データ表示IDと、パネルIDと、データIDとを対応付けた情報を記憶する。データ表示IDには、データ表示形式を一意に識別する識別情報が設定される。パネルIDには、当該データ表示形式で用いられるパネルのパネルIDが設定される。データIDには、当該データ形式で表示される診療データのデータIDが設定される。
ここで、データIDには、前述した投薬ID(図3を参照)、投薬サマリID(図4を参照)、画像ID(図5を参照)、計測値ID(図6を参照)、読影レポートID(図7を参照)、心電図ID(図8を参照)、計測値ID(図9を参照)、心電図レポートID(図10を参照)、バイタルID(図11を参照)、バイタルサマリID(図12を参照)、看護記録ID(図13を参照)、検体検査ID(図14を参照)、検体検査サマリID(図15を参照)及び検体検査レポートID(図16を参照)のいずれかが設定される。これにより、統合診療DBが有する各テーブルに記憶されている診療データについて、それぞれをどのようなパネルで表示するかが定義される。
図20は、第1の実施形態に係る表示座標マスタテーブルの一例を示す図である。ここで、表示座標マスタテーブルは、診療データとパネルとの組み合わせで定義されるデータ表示形式ごとに診療データ空間上の座標を対応付けた情報を記憶する。
例えば、図20に示すように、表示座標マスタテーブルは、座標IDと、データ表示IDと、Width(幅)と、Time(時間)と、Depth(深さ)とを対応付けた情報を記憶する。座標IDには、診療データ空間上の座標を一意に識別する識別情報が設定される。データ表示IDには、当該座標に対応付けられたデータ表示形式のデータ表示IDが設定される。Width、Time及びDepthには、当該座標を示す座標値が設定される。
ここで、例えば、図20に示す例において、座標ID「Coor007」に対応付けられている座標値(1,(1,2,3),2)、及び、座標ID「Coor008」に対応付けられている座標値(4,(2〜6),2)は、それぞれ、診療データ空間上の時間方向に沿った線分を表している。また、座標ID「Coor009」に対応付けられている座標値(5,*,2)は、診療データ空間上の時間方向に沿った線を表している。このように、Width、Time及びDepthのうちのいずれか一つの座標値に複数の座標値又は「*」を設定することで、診療データ空間上の線が示される。また、図20に示す他の情報に設定されている座標値のように、Width、Time及びDepthそれぞれに一つの数値を設定することで、診療データ空間上の点が示される。さらに、図20には例示していないが、Width、Time及びDepthのうちのいずれか二つの座標値に「*」を設定することで、診療データ空間上の面が示される。
図21は、第1の実施形態に係る表示座標マスタによるデータ表示形式と診療データ空間上の座標との対応付けの一例を示す図である。ここで、図21は、図3に示した各データ表示形式に対して診療データ空間上の座標を対応付けた場合の例を示している。
例えば、図21に示すように、表示座標マスタによって、診療データごとに定義された各データ表示形式に対して、それぞれの分類に応じて、診療データ空間上の座標(Width(幅),Time(時間),Depth(深さ))が対応付けられる。
例えば、Width(幅)方向について、投薬、画像、心電図、バイタル、検体検査の順で座標値が大きくなるように、各データ表示形式に座標が対応付けられる。また、Depth(深さ)方向について、生データ、加工データ、文字データの順で座標値が大きくなるように、各データ表示形式に座標が対応付けられる。また、Time(時間)方向(図21における右上がりの斜めの方向)について、時系列の順に座標値が大きくなるように、各データ表示形式に座標が対応付けられる。
なお、上述した例では、統合診療DBに保持される診療データが、生データ、加工データ、文字データごとにテーブルを有する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、統合診療DBは、これとは異なるテーブルの単位で、診療データを記憶してもよい。また、統合診療DBに保持される診療データは上述したものに限られず、他の各種の診療データが用いられてよい。
図1に戻って、表示制御機能152及び変換機能153について説明する。
表示制御機能152は、診療データごとに定義されたデータ表示形式に対応付けられた次元を有する診療データ空間に基づいて、診療データを表示する。また、変換機能153は、診療データ空間上で、指定された変換基準点を基準にして空間変換を行うことで、表示制御機能152によって表示される診療データの表示を切り替える。
図22は、第1の実施形態に係る表示制御機能152及び変換機能153によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。ここで、図22は、表示制御機能152及び変換機能153によって行われる処理の全体的な流れを示している。
例えば、図22に示すように、本実施形態では、表示制御機能152が、診療データの表示画面を表示する(ステップS11)。具体的には、表示制御機能152は、上述した診療データ空間に基づいて、診療データを表示するための表示画面を生成し、生成した表示画面をディスプレイ140に表示する。
また、変換機能153が、空間変換前の表示状態を取得する(ステップS12)。具体的には、変換機能153は、表示画面に表示中の情報、及び、操作者の画面操作に基づいて、空間変換前の表示状態(どの座標を表示しているのか、どの次元(点、線、面等)で表示しているのか)を取得する。ここで、空間変換前の表示状態は、診療データ空間上で、点、線又は平面で示される。なお、以下では、空間変換前の表示状態を「変換前状態」と呼ぶ。
そして、変換機能153は、空間変換の基準点を取得する(ステップS13)。具体的には、変換機能153は、操作者の画面操作に基づいて、空間変換の基準点を取得する。ここで、空間変換の基準点は、診療データ空間上で、点、線又は面で示される。なお、以下では、空間変換の基準点を「変換基準点」と呼ぶ。
さらに、変換機能153は、空間変換の方向を取得する(ステップS14)。具体的には、変換機能153は、操作者の画面操作に基づいて、空間変換の方向を取得する。なお、以下では、空間変換の方向を「変換方向」と呼ぶ。
そして、変換機能153は、空間変換を行う(ステップS15)。具体的には、変換機能153は、取得した変換前状態、変換基準点及び変換方向と、表示座標マスタの情報とに基づいて、空間変換後の表示状態(どの座標を表示するか、どの次元(点、線、面等)で表示するか)を取得する。ここで、空間変換後の表示状態は、診療データ空間上で、点、線又は面で示される。なお、以下では、空間変換後の表示状態を「変換後状態」と呼ぶ。
その後、表示制御機能152が、空間変換後の表示画面を表示する(ステップS16)。具体的には、表示制御機能152は、変換機能153による空間変換によって取得された変換後状態と、データ表示形式マスタ及び統合診療DBの情報とに基づいて、空間変換後の表示画面を生成し、生成した表示画面をディスプレイ140に表示する。
なお、上述したステップS11及びS16の処理は、例えば、処理回路150が表示制御機能152に対応する所定のプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより実現される。また、上述したステップS12〜S15の処理は、例えば、処理回路150が変換機能153に対応する所定のプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより実現される。
以下、上述した表示制御機能152及び変換機能153それぞれによって行われる処理について、より詳細に説明する。
まず、表示制御機能152について説明する。表示制御機能152は、変換機能153によって取得される変換後状態と、データ表示形式マスタの情報とを用いて、変換後状態のデータ表示形式(レイアウト、診療データの種類等)を決定する。そして、表示制御機能152は、統合診療DBに保持されたデータを用いて表示画面を生成し、生成した表示画面をディスプレイ140に表示する。
図23は、第1の実施形態に係る表示制御機能152によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
例えば、図23に示すように、表示制御機能152は、まず、変換機能153によって変換後状態として算出された座標に基づいて、表示座標マスタテーブルのデータ表示IDを探索する(ステップS21)。このとき、表示制御機能152は、変換機能153によって算出された座標が線又は面を表す場合には、複数のデータ表示IDを探索する。
続いて、表示制御機能152は、探索したデータ表示IDに基づいて、データ表示形式マスタのデータ表示テーブルからパネルID及びデータIDを取得する(ステップS22)。このとき、表示制御機能152は、探索したデータ表示IDが複数存在する場合には、パネルIDとデータIDとの組み合わせを複数取得する。
その後、表示制御機能152は、取得したデータIDに基づいて、統合診療DBから該当するデータを取得し、さらに、取得したパネルIDに基づいて、データ表示形式マスタのパネルマスタテーブルから該当するパネルを取得し、当該パネルに取得したデータを当てはめて表示画面を生成する。そして、表示制御機能152は、生成した表示画面をディスプレイ140に表示する(ステップS23)。
図24〜27は、表示制御機能152によって生成される表示画面の一例を示す図である。ここで、図24〜27に示す例は、図17及び21に例示したデータ表示形式が表示される場合の例である。また、図24〜27に示す例は、図5に例示した画像テーブル、図6に例示した画像計測値テーブル、図7に例示した読影レポートテーブル、図18に例示したパネルマスタテーブル、図19に例示したデータ表示テーブル、図20に例示した表示座標マスタテーブルに対応している。なお、以下の説明では、診療データ空間上の位置を示す座標(Width,Time,Depth)を(W,T,D)と簡潔に表す。
例えば、図24に示すように、表示制御機能152は、変換機能153によって算出された座標が(W,T,D)=(2,1,1)であった場合には、診療データ空間上で当該座標に対応付けられている、画像データのデータ表示形式1を配置した表示画面を生成する。
具体的には、表示制御機能152は、変換機能153によって算出された座標(2,1,1)に基づいて、表示座標マスタテーブルから「DView0002」のデータ表示IDを取得する。続いて、表示制御機能152は、取得した「DView0002」のデータ表示IDに基づいて、データ表示テーブルから、「Panel0003」のパネルIDと、「Img0001」のデータIDとを取得する。その後、表示制御機能152は、取得した「Img0001」のデータIDに基づいて、統合診療DBの画像テーブルから「20170210_1020.dcm」のデータを取得し、さらに、取得した「Panel0003」のパネルIDに基づいて、パネルマスタテーブルから「画像表示パネル」を取得する。そして、表示制御機能152は、取得した「20170210_1020.dcm」のデータを「画像表示パネル」に当てはめて、画像データのデータ表示形式1を生成し、当該データ表示形式1を配置した表示画面を生成する。
また、例えば、図25に示すように、表示制御機能152は、変換機能153によって算出された座標が(W,T,D)=(2,1,2)であった場合には、診療データ空間上で当該座標に対応付けられている、画像の計測値のデータ表示形式2を配置した表示画面を生成する。
具体的には、表示制御機能152は、変換機能153によって算出された座標(2,1,2)に基づいて、表示座標マスタテーブルから「DView0003」のデータ表示IDを取得する。続いて、表示制御機能152は、取得した「DView0003」のデータ表示IDに基づいて、データ表示テーブルから、「Panel0001」のパネルIDと、「ImgMes0001」,「ImgMes0002」,・・・のデータIDとを取得する。その後、表示制御機能152は、取得した「ImgMes0001」,「ImgMes0002」,・・・のデータIDに基づいて、統合診療DBの画像計測値テーブルから各データIDに対応する計測種及びデータを取得し、さらに、取得した「Panel0001」のパネルIDに基づいて、パネルマスタテーブルから「表形式パネル」を取得する。そして、表示制御機能152は、取得した各計測種及び各データを「表形式パネル」に当てはめて、画像の計測値のデータ表示形式2を生成し、当該データ表示形式2を配置した表示画面を生成する。
また、例えば、図26に示すように、表示制御機能152は、変換機能153によって算出された座標が(W,T,D)=(2,1,3)であった場合には、診療データ空間上で当該座標に対応付けられている、読影レポートのデータ表示形式3を配置した表示画面を生成する。
具体的には、表示制御機能152は、変換機能153によって算出された座標(2,1,3)に基づいて、表示座標マスタテーブルから「DView0010」のデータ表示IDを取得する。続いて、表示制御機能152は、取得した「DView0010」のデータ表示IDに基づいて、データ表示テーブルから、「Panel0005」のパネルIDと、「ImgRep0001」のデータIDとを取得する。その後、表示制御機能152は、取得した「ImgRep0001」のデータIDに基づいて、統合診療DBの読影レポートテーブルから「レポート0001.doc」のデータを取得し、さらに、取得した「Panel0005」のパネルIDに基づいて、パネルマスタテーブルから「レポート表示パネル」を取得する。そして、表示制御機能152は、取得した「レポート0001.doc」のデータを「レポート表示パネル」に当てはめて、読影レポートのデータ表示形式3を生成し、当該データ表示形式3を配置した表示画面を生成する。
また、例えば、図27に示すように、表示制御機能152は、変換機能153によって算出された座標が(W,T,D)=(2,1,*)であった場合には、診療データ空間上で当該座標によって示される線に含まれる複数の点に対応する診療データを同時に表示するための複数のデータ表示形式1〜3を配置した表示画面を生成する。
具体的には、表示制御機能152は、変換機能153によって算出された座標(2,1,*)に基づいて、表示座標マスタテーブルから、座標(2,1,1)、(2,1,2)及び(2,1,3)に対応する「DView0002」、「DView0003」及び「DView0010」のデータ表示IDを取得する。続いて、表示制御機能152は、取得した各データ表示IDに基づいて、データ表示テーブルから、パネルIDとデータIDの組み合わせとして、「Panel0003」と「Img0001」との組み合わせ、「Panel0001」と「ImgMes0001」,「ImgMes0002」,・・・との組み合わせ、及び、「Panel0005」と「ImgRep0001」との組み合わせを取得する。
その後、表示制御機能152は、取得した「Panel0003」と「Img0001」の組み合わせに基づいて、統合診療DBの画像テーブルから「20170210_1020.dcm」のデータを取得し、パネルマスタテーブルから「画像表示パネル」を取得し、取得した「20170210_1020.dcm」のデータを「画像表示パネル」に当てはめて、画像データのデータ表示形式1を生成する。また、表示制御機能152は、取得した「Panel0001」と「ImgMes0001」,「ImgMes0002」,・・・との組み合わせに基づいて、統合診療DBの画像計測値テーブルから各データIDに対応する計測種及びデータを取得し、パネルマスタテーブルから「表形式パネル」を取得し、取得した各計測種及び各データを「表形式パネル」に当てはめて、画像の計測値のデータ表示形式2を生成する。また、表示制御機能152は、取得した「Panel0005」と「ImgRep0001」との組み合わせに基づいて、統合診療DBの読影レポートテーブルから「レポート0001.doc」のデータを取得し、パネルマスタテーブルから「レポート表示パネル」を取得し、取得した「レポート0001.doc」のデータを「レポート表示パネル」に当てはめて、読影レポートのデータ表示形式3を生成する。
そして、表示制御機能152は、生成したデータ表示形式1〜3を並べて配置した表示画面を生成する。このとき、表示制御機能152は、データ表示形式マスタのデータ表示テーブルから取得したパネルIDとデータIDとの組み合わせが複数存在する場合には、複数のデータ表示形式を生成する。そして、表示制御機能152は、複数のデータ表示形式を生成した場合には、予め決められたルールに基づいて、表示画面のレイアウトを生成する。例えば、表示制御機能152は、左から生データ、加工データ、文字データの順で各データが並んで表示されるように、表示画面のレイアウトを生成する。または、例えば、表示制御機能152は、画像に関するデータが左側に大きく表示され、加工データ及び文字データが右側で上下に並んで表示されるように、表示画面のレイアウトを生成する。
さらに、本実施形態では、表示制御機能152は、表示画面を介して、変換前状態、変換基準点、及び変換方向の指定を操作者から受け付けるための受付手段を提供する。
図28は、第1の実施形態に係る表示制御機能152によって提供される受付手段の一例を示す図である。
例えば、図28に示すように、表示制御機能152は、複数のデータ表示形式1〜3を変換前状態の単位としてまとめて表示するデータ表示形式4を用いて、当該データ表示形式4の単位で、表示画面上に、変換前状態及び変換方向を指定する操作を受け付けるための操作受付部を配置する。
例えば、表示制御機能152は、当該操作受付部として、複数のデータ表示形式1〜3をまとめたデータ表示形式4の上に、三つのアイコン5を左右方向に並べて配置する。そして、表示制御機能152は、三つのアイコン5のうちのいずれかのアイコンに対する操作を受け付けた場合に、当該アイコンが配置されたデータ表示形式が変換前状態として指定されたことを識別する。ここで、例えば、表示制御機能152は、左側のアイコンに対する操作が行われた場合には、変換方向として深さ方向が指定されたことを識別する。また、例えば、表示制御機能152は、中央のアイコンに対する操作が行われた場合には、変換方向として時間方向が指定されたことを識別する。ここで、例えば、表示制御機能152は、右側のアイコンに対する操作が行われた場合には、変換方向として幅方向が指定されたことを識別する。
さらに、表示制御機能152は、複数のデータ表示形式1〜3をまとめたデータ表示形式4に含まれる個々のデータ表示形式の単位で、表示画面上に、変換基準点の指定を受け付けるための操作受付部を配置する。例えば、表示制御機能152は、個々のデータ表示形式について、それぞれのパネル内の領域を当該操作受付部とする。そして、表示制御機能152は、いずれかのデータ表示形式のパネル内の領域に対する操作を受け付けた場合に、当該データ表示形式が変換基準点として指定されたことを識別する。
なお、ここでは、点で示されるデータ表示形式をまとめた単位で、変換前状態の指定を受け付ける場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、表示制御機能152は、複数の点をまとめた線で示されるデータ表示形式、及び、複数の線をまとめた面で示されるデータ表示形式を用いて、線のデータ表示形式ごと、又は、面のデータ表示形式ごとに、変換方向の指定を受け付けてもよい。
また、例えば、表示制御機能152は、予め表示画面上にアイコンを配置するのではなく、操作の種類(操作が行われた表示画面上の位置、マウスのクリックの方法等)に応じて、操作を受け付けてもよい。
図29は、第1の実施形態に係る表示制御機能152によって提供される受付手段の他の一例を示す図である。
例えば、図29に示すように、表示制御機能152は、マウスの左クリックによって指定された位置にあるデータ表示形式を変換前状態として識別し、マウスの右クリックによって指定された位置にあるデータ表示形式を変換基準点として識別する。また、例えば、表示制御機能152は、マウスの右クリックが行われた場合に、深さ方向を指定するためのアイコン、時間方向を指定するためのアイコン、及び、幅方向を指定するためのアイコンを並べて配置したコンテクストメニュー6を表示することで、変換方向の指定を受け付ける。
なお、図29に示す例は、同じデータ表示形式の上で変換前状態及び変換基準点が指定されているため、診療データ空間上の点を指定する操作となる。このように、変換前状態と変換基準点とを同じにする場合には、例えば、左クリックの操作を省略してもよい。この場合には、表示制御機能152は、右クリックによって指定された位置にあるデータ表示形式を変換前状態及び変換基準点として識別する。
また、例えば、表示制御機能152は、変換前状態及び変換基準点を指定する操作を受け付ける際に、診療データ空間上の時間方向の点又は線分を指定する操作を受け付けてもよい。
図30は、第1の実施形態に係る表示制御機能152によって提供される受付手段の他の一例を示す図である。
例えば、図30に示すように、表示制御機能152は、時間方向の成分を含むデータ表示形式の上に、時間時点又は時間範囲を指定するためのグラフィック7を表示する。そして、例えば、表示制御機能152は、マウスのクリックやドラッグ等の操作によって、当該グラフィック7の位置又は大きさを変更する操作を受け付けることで、時間方向の点又は線分を識別する。ここで、例えば、表示制御機能152は、表示画面上に時間方向の成分を含むデータ表示形式が複数表示されている場合には、各データ表示形式の上にグラフィック7を表示し、同じ時間時点又は時間範囲を示すように、各グラフィックを連動させる。
ここで、例えば、表示制御機能152は、表示中のデータ表示形式に対応する診療データ空間上の位置を示すガイド情報をさらに表示してもよい。
図31は、第1の実施形態に係る表示制御機能152によって提供される受付手段の他の一例を示す図である。
例えば、図31に示すように、表示制御機能152は、表示中のデータ表示形式の診療データ空間上の位置を把握できるようにするために、表示画面上に、診療データ空間に相当するガイド情報8を表示する。例えば、表示制御機能152は、ガイド情報8として、横軸を時系列とし、縦軸をデータ種別とした表示形式で、診療データの有無を示すアイコンを表示する。そして、表示制御機能152は、ガイド情報8の中で、現在の表示中の診療データに相当する位置を強調表示する。ここで、例えば、表示制御機能152は、2次元以上の軸を表示するために、色やアイコン等を用いて強調表示を行ってもよい。
また、例えば、表示制御機能152は、ガイド情報8として表示される軸を、表示中の診療データに応じて動的に切り替えてもよい。例えば、表示制御機能152は、画像に関する診療データについて、深さ方向及び時間方向の面を表示している場合には、縦軸は、データ種別の代わりに、深さの軸とする。
さらに、例えば、表示制御機能152は、ガイド情報8上で操作者が変換前状態、変換基準点及び変換方向を指定する操作を受け付けてもよい。この場合には、例えば、表示制御機能152は、ガイド情報8上で選択された位置に相当する表示中のデータ表示形式を強調表示する。これにより、操作者が、変換前状態及び変換基準点の選択を直感的に行うことができるようになる。
次に、変換機能153について説明する。変換機能153は、操作者によって指定された変換前状態、変換基準点及び変換方向それぞれの座標を取得し、取得した各座標に基づいて空間変換を行うことで、変換後状態を示す座標を算出する。
図32は、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
例えば、図32に示すように、変換機能153は、まず、表示画面に表示中のデータ表示形式の座標を取得する(ステップS31)。このとき、変換機能153は、表示制御機能152によって提供された受付手段を用いて操作者が変換前状態として指定した全てのデータ表示形式について、表示座標マスタの表示座標マスタテーブルに基づいて、診療データ空間における座標を取得する。このとき、例えば、変換機能153は、複数のデータ表示形式をまとめたデータ表示形式が指定された場合には、当該データ表示形式に含まれる全てのデータ表示形式について、座標を取得する。または、変換機能153は、操作者からの指示に応じて、表示制御機能152によって表示画面に表示されている全てのデータ表示形式について、座標を取得してもよい。
そして、変換機能153は、変換前状態を判定する(ステップS32)。このとき、変換機能153は、取得した座標に基づいて、操作者によって選択されたデータ表示形式又は表示画面に表示されているデータ表示形式がどのような表示状態にあるのかを判定する。そして、変換機能153は、判定した表示状態を示す座標を、変換前状態を示す座標として設定する。
図33〜37は、第1の実施形態に係る変換機能153による表示状態の判定の一例を示す図である。
例えば、図33の左側に示すように、(W,T,D)=(2,1,1)であるデータ表示形式と、(W,T,D)=(2,1,2)であるデータ表示形式と、(W,T,D)=(2,1,3)であるデータ表示形式とが表示画面に表示されていたとする。この場合には、例えば、図33の右側に示すように、変換機能153は、これらのデータ表示形式の表示状態が、(W,T)=(2,1)を通り、D(深さ)方向に伸びる線であると判定する。そして、この場合には、変換機能153は、変換前状態を示す座標として、(W,T,D)=(2,1,*)を設定する。
また、例えば、図34の左側に示すように、(W,T,D)=(2,1,1)であるデータ表示形式と、(W,T,D)=(2,2,1)であるデータ表示形式とが表示画面に表示されていたとする。この場合には、例えば、図34の右側に示すように、変換機能153は、これらのデータ表示形式の表示状態が、(W,D)=(2,1)を通り、T(時間)方向に伸びる線であると判定する。そして、この場合には、変換機能153は、変換前状態を示す座標として、(W,T,D)=(2,*,1)を設定する。
また、例えば、図35の左側に示すように、(W,T,D)=(5,(1〜4),2)であるデータ表示形式が表示画面に表示されていたとする。この場合には、例えば、図35の右側に示すように、変換機能153は、当該データ表示形式の表示状態が、(W,D)=(5,2)を通り、T(時間)方向に伸びる線であると判定する。そして、この場合には、変換機能153は、変換前状態を示す座標として、(W,T,D)=(5,*,2)を設定する。
また、例えば、図36の左側に示すように、(W,T,D)=(1,(2,3),2)であるデータ表示形式と、(W,T,D)=(5,(1〜4),2)であるデータ表示形式と、(W,T,D)=(4,(1〜4),2)であるデータ表示形式とが表示画面に表示されていたとする。この場合には、例えば、図36の右側に示すように、変換機能153は、まず、一つ目のデータ表示形式が、(W,D)=(1,2)を通り、T(時間)方向に伸びる線であると判定し、二つ目のデータ表示形式が、(W,D)=(5,2)を通り、T(時間)方向に伸びる線であると判定し、三つ目のデータ表示形式が、(W,D)=(4,2)を通り、T(時間)方向に伸びる線であると判定する。その上で、変換機能153は、これらのデータ表示形式の表示状態が、D=2を通り、W(幅)及びT(時間)方向に伸びる面であると判定する。そして、この場合には、変換機能153は、変換前状態を示す座標として、(W,T,D)=(*,*,2)を設定する。
また、例えば、図37の左側に示すように、(W,T,D)=(2,1,1)であるデータ表示形式と、(W,T,D)=(2,1,2)であるデータ表示形式と、(W,T,D)=(2,1,3)であるデータ表示形式と、(W,T,D)=(1,*,2)であるデータ表示形式と、(W,T,D)=(5,*,2)であるデータ表示形式と、(W,T,D)=(4,*,2)であるデータ表示形式とが表示画面に表示されていたとする。この場合には、例えば、図37の右側に示すように、変換機能153は、これらのデータ表示形式の表示状態が、(W,T)=(2,1)を通り、D(深さ)方向に伸びる線と、D=2を通り、W(幅)及びT(時間)方向に伸びる面の二つの状態であると判定する。そして、この場合には、変換機能153は、変換前状態を示す座標として、(W,T,D)=(2,1,*)と、(W,T,D)=(*,*,2)とを設定する。
図32に戻って、続いて、変換機能153は、変換基準点を取得する(ステップS33)。このとき、変換機能153は、表示制御機能152によって提供された受付手段を用いて操作者が変換基準点として指定したデータ表示形式について、表示座標マスタの表示座標マスタテーブルに基づいて、診療データ空間における座標を取得する。そして、変換機能153は、取得した座標を、変換基準点を示す座標として設定する。
続いて、変換機能153は、変換方向を取得する(ステップS34)。このとき、変換機能153は、表示制御機能152によって提供された受付手段を用いて操作者が変換方向として指定した方向について、当該方向を示す座標を、変換方向を示す座標として設定する。
図38は、第1の実施形態に係る変換機能153による変換基準点及び変換方向の取得の一例を示す図である。
例えば、図38に示すように、操作者によって(W,T,D)=(2,1,1)であるデータ表示形式が変換基準点として指定されたとする。この場合には、変換機能153は、当該データ表示形式のデータ表示IDに基づいて、対応する座標(2,1,1)を表示座標マスタから取得する。また、変換機能153は、操作者によって時間方向が変換方向として指定された場合には、T(時間)方向に伸びる線を表すT=*を、変換方向を示す座標として設定する。
図32に戻って、続いて、変換機能153は、空間変換を行う(ステップS35)。このとき、変換機能153は、上述した処理で得られた変換前状態を示す座標、変換基準点を示す座標、及び、変換方向を示す座標に基づいて、変換後状態を示す座標を算出する。
図39は、第1の実施形態に係る変換機能153による変換後状態を示す座標の算出の一例を示す図である。
例えば、図39の上側に示すように、変換前状態を示す座標が(W,T,D)=(2,1,*)であり、変換基準点を示す座標が(W,T,D)=(2,1,1)であり、変換方向を示す座標がT=*であったとする。この場合には、変換機能153は、変換後状態を示す座標として、(W,T,D)=(2,*,1)を算出する。
すなわち、図39に示す例では、(W,T)=(2,1)を通り、D(深さ)方向に伸びる線で示される変換前状態が、(W,T,D)=(2,1,1)の点で示される変換基準点を基準にして、T(時間)方向に伸びる線で示される変換方向に空間変換されることで、(W,T)=(2,1)を通り、T(時間)方向に伸びる線で示される変換後状態に変換される。
この結果、例えば、図39の下側に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、一つの時点について、画像データ、画像の計測値、及び、読影レポートが表示されていた状態が、変換後は、複数の時点について、画像データが表示され、当該一つの時点について、画像の計測値と、読影レポートとが表示された状態に切り替えられることになる。
このように、変換機能153は、空間変換として、診療データ空間上で、点、線又は平面で示される変換前状態を、当該変換前状態で指定された変換基準点を基準にして、他の点、線又は平面で示される変換後状態に変換する。ここで、変換基準点も、診療データ空間上で、点、線又は平面で示される。
具体的には、変換機能153は、空間変換として、診療データ空間における回転、平行移動、拡大又は縮小を行う。
以下、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる空間変換について、具体的な例を挙げて説明する。
図40は、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる拡大変換の一例を示す図である。ここで、図40は、点を拡大によって線の表示へ変換する場合の一例を示している。
例えば、図40の左側に示すように、操作者によって、変換前状態及び変換基準点として、(W,T,D)=(WA,TA,DA)であるデータ表示形式が指定され、変換方向として深さ方向(D=*)が指定されたとする。この場合には、例えば、図40の右側に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(WA,TA,DA)を、変換後状態を示す座標(WA,TA,*)に変換する。
このような空間変換は、点で示される変換前状態を、当該点で示される変換基準点を基準にして深さ方向に拡大することで、深さ方向に伸びる線で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図40に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、一つの時点について、画像データが表示されていた状態が、変換後は、同じ時点について、画像データと、画像の計測値と、読影レポートとが表示された状態に切り替えられることになる。
図41は、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる拡大変換の他の一例を示す図である。ここで、図41は、線を拡大によって面の表示へ変換する場合の例を示している。
例えば、図41の左側に示すように、操作者によって、変換前状態及び変換基準点として、(W,T,D)=(WB,*,DB)であるデータ表示形式が指定され、変換方向として幅方向(W=*)が指定されたとする。この場合には、例えば、図41の右側に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(WB,*,DB)を、変換後状態を示す座標(*,*,DB)に変換する。
このような空間変換は、時間方向に伸びる線で示される変換前状態を、当該線で示される変換基準点を基準にして幅方向に拡大することで、幅方向及び時間方向に伸びる面で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図41に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、複数の時点について、検体検査サマリデータが表示されていた状態が、変換後は、当該複数の時点について、投薬サマリデータと、検体検査サマリデータと、バイタルサマリデータが表示された状態に切り替えられることになる。
図42は、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる縮小変換の一例を示す図である。ここで、図42は、線を縮小によって点の表示へ変換する場合の一例を示している。
なお、図42に示す例では、データ表示形式の上に、変換方向を指定するための三つのアイコンに加えて、指定された方向に縮小することを指定するためのアイコン9がさらに配置される。
そして、例えば、図42の左側に示すように、操作者によって、変換前状態として、(W,T,D)=(WC,*,DC)であるデータ表示形式が指定され、変換基準点として、(W,T,D)=(WC,TC,DC)である位置が指定され、変換方向として時間方向(T=*)が指定され、さらに、当該方向に縮小することを指定されたとする。この場合には、例えば、図42の右側に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(WC,*,DC)を、変換後状態を示す座標(WC,TC,DC)に変換する。
このような空間変換は、時間方向に伸びる線で示される変換前状態を、当該線に含まれる一つの点で示される変換基準点を基準にして時間方向に縮小することで、点で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図42に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、複数の時点について、検体検査サマリデータが表示されていた状態が、変換後は、当該複数の時点のうちの一つの時点について、検体検査の計測値が表示された状態に切り替えられることになる。
図43は、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる縮小変換の他の一例を示す図である。ここで、図43は、面を縮小によって線の表示へ変換する場合の一例を示している。
なお、図43に示す例でも、データ表示形式の上に、変換方向を指定するための三つのアイコンに加えて、指定された方向に縮小することを指定するためのアイコン9がさらに配置される。
そして、例えば、図43の左側に示すように、操作者によって、変換前状態として、(W,T,D)=(*,*,DD)であるデータ表示形式が指定され、変換基準点として、(W,T,D)=(*,TD,DD)である位置が指定され、変換方向として時間方向(T=*)が指定され、さらに、当該方向に縮小することを指定されたとする。この場合には、例えば、図43の右側に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(*,*,DD)を、変換後状態を示す座標(*,TD,DD)に変換する。
このような空間変換は、幅方向及び時間方向に伸びる面で示される変換前状態を、当該面に含まれる幅方向に伸びる一つの線で示される変換基準点を基準にして時間方向に縮小することで、幅方向に伸びる線で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図43に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、複数の時点について、投薬サマリデータと、検体検査サマリデータと、バイタルサマリデータとが表示されていた状態が、変換後は、当該複数の時点に含まれる一つの時点について、薬剤を示す情報と、検体検査の計測値と、バイタルの計測値とが表示された状態に切り替えられることになる。
図44は、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる回転変換の一例を示す図である。ここで、図44は、線を回転変換する場合の一例を示している。
例えば、図44の左側に示すように、操作者によって、変換前状態として、(W,T,D)=(WE1,*,DE1)であるデータ表示形式が指定され、変換基準点として、(W,T,D)=(WE1,TE1,DE1)である位置が指定され、変換方向として深さ方向(D=*)が指定されたとする。この場合には、例えば、図44の右側に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(WE1,*,DE1)を、変換後状態を示す座標(WE1,TE1,*)に変換する。
このような空間変換は、時間方向に伸びる線で示される変換前状態を、当該線に含まれる一つの点で示される変換基準点を基準にして深さ方向に回転することで、深さ方向に伸びる線で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図44に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、複数の時点について、画像データが表示されていた状態が、変換後は、当該複数の時点に含まれる一つの時点について、画像データと、画像の計測値と、読影レポートとが表示された状態に切り替えられることになる。
図45は、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる回転変換の他の一例を示す図である。ここで、図45は、線を回転変換する場合の他の一例を示している。
例えば、図45の左側に示すように、操作者によって、変換前状態として、(W,T,D)=(WE2,*,DE2)であるデータ表示形式が指定され、変換基準点として、(W,T,D)=(WE2,TE2,DE2)である位置が指定され、変換方向として幅方向(W=*)が指定されたとする。この場合には、例えば、図45の右側に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(WE2,*,DE2)を、変換後状態を示す座標(*,TE2,DE2)に変換する。
このような空間変換は、時間方向に伸びる線で示される変換前状態を、当該線に含まれる一つの点で示される変換基準点を基準にして幅方向に回転することで、幅方向に伸びる線で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図45に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、複数の時点について、検体検査サマリデータが表示されていた状態が、変換後は、当該複数の時点に含まれる一つの時点について、薬剤を示す情報と、検体検査の計測値と、バイタルの計測値とが表示された状態に切り替えられることになる。
図46は、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる回転変換の他の一例を示す図である。ここで、図46は、面を回転変換する場合の一例を示している。
例えば、図46の左側に示すように、操作者によって、変換前状態として、(W,T,D)=(*,*,DF1)であるデータ表示形式が指定され、変換基準点として、(W,T,D)=(WF1,*,DF1)である位置が指定され、変換方向として深さ方向(D=*)が指定されたとする。この場合には、例えば、図46の右側に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(*,*,DF1)を、変換後状態を示す座標(WF1,*,*)に変換する。
このような空間変換は、幅方向及び時間方向に伸びる面で示される変換前状態を、当該面に含まれる時間方向に伸びる一つの線で示される変換基準点を基準にして深さ方向に回転することで、時間方向及び深さ方向に伸びる面で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図46に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、複数の時点について、画像の計測値と、検体検査サマリデータと、バイタルサマリデータとが表示されていた状態が、変換後は、当該複数の時点について、画像の計測値と、画像データと、読影レポートとがそれぞれ表示された状態に切り替えられることになる。
図47は、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる回転変換の他の一例を示す図である。ここで、図47は、面を回転変換する場合の他の一例を示している。
例えば、図47の左側に示すように、操作者によって、変換前状態として、(W,T,D)=(*,*,DF2)であるデータ表示形式が指定され、変換基準点として、(W,T,D)=(*,TF2,DF2)である位置が指定され、変換方向として深さ方向(D=*)が指定されたとする。この場合には、例えば、図47の右側に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(*,*,DF2)を、変換後状態を示す座標(*,TF2,*)に変換する。
このような空間変換は、幅方向及び時間方向に伸びる面で示される変換前状態を、当該面に含まれる幅方向に伸びる一つの線で示される変換基準点を基準にして深さ方向に回転することで、幅方向及び深さ方向に伸びる面で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図47に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、複数の時点について、画像の計測値と、心電図の計測値とが表示されていた状態が、変換後は、当該複数の時点に含まれる一つの時点について、画像データと、画像の計測値と、読影レポートと、心電図の画像データと、心電図の計測値と、心電図レポートとが表示された状態に切り替えられることになる。
図48は、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる平行移動変換の一例を示す図である。ここで、図48は、線を平行移動変換する場合の一例を示している。
なお、図48に示す例では、データ表示形式の上に、変換方向として時間方向の前方向又は後方向を指定するためのアイコン10が配置される。
そして、例えば、図48の左側に示すように、操作者によって、変換前状態及び変換基準点として、(W,T,D)=(*,TG,DG)であるデータ表示形式が指定され、変換方向として時間方向の前方向(−T)が指定されたとする。この場合には、例えば、図48の右側に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(*,TG,DG)を、変換後状態を示す座標(*,TG−T,DG)に変換する。
このような空間変換は、幅方向に伸びる線で示される変換前状態を、当該線で示される変換基準点を基準にして時間方向に平行移動することで、幅方向に伸びる他の線で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図48に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、一つの時点について、薬剤を示す情報と、検体検査の計測値と、バイタルの計測値とが表示されていた状態が、変換後は、他の一つの時点について、薬剤を示す情報と、検体検査の計測値と、バイタルの計測値とが表示された状態に切り替えられることになる。
図49は、第1の実施形態に係る変換機能153によって行われる平行移動変換の他の一例を示す図である。ここで、図49は、面を平行移動変換する場合の一例を示している。
なお、図49に示す例では、データ表示形式の上に、変換方向として深さ方向の前方向又は後方向を指定するためのアイコン11が配置される。
そして、例えば、図49の左側に示すように、操作者によって、変換前状態及び変換基準点として、(W,T,D)=(*,*,DH)であるデータ表示形式が指定され、変換方向として幅方向の後方向(+D)が指定されたとする。この場合には、例えば、図49の右側に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(*,*,DH)を、変換後状態を示す座標(*,*,DH+D)に変換する。
このような空間変換は、幅方向及び時間方向に伸びる面で示される変換前状態を、当該面で示される変換基準点を基準にして深さ方向に平行移動することで、幅方向及び時間方向に伸びる他の面で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図49に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、複数の時点について、画像の計測値と、心電図の計測値とが表示されていた状態が、変換後は、当該複数の時点について、画像データと、心電図の画像データとが表示された状態に切り替えられることになる。
以上、いくつかの例を説明したが、変換機能153によって行われる空間変換は、上述したような2次元の空間変換に限られない。例えば、変換機能153は、面から空間への拡大、空間の回転や平行移動、空間から面への縮小等のような三次元以上の空間変換を行ってもよい。
上述したように、第1の実施形態では、診療データごとに定義されたデータ表示形式に対応付けられた次元を有する診療データ空間上で、操作者によって指定された変換基準点を基準にして空間変換を行うことで、診療データの表示の切り替えが行われる。
例えば、従来技術の中には、多角的に情報を把握するための手段として、2種類の属性(日付、データ項目)に分類された情報を表形式に表示し、3通りの選択方式に応じて3通りの表示形式で表示する技術がある。
ここで、一般的に、多角的に情報を把握する際には、現在表示されている情報を起点として、視点の切り替えが行われる。例えば、俯瞰的な検査結果の確認において、気になる検査結果があれば、その検査結果の詳細を確認する、又は、その検査結果の時間的な推移を確認する、等の視点に切り替えが行われる。また、詳細な検査結果の確認においても、気になる検査結果があれば、その直前の治療内容(投薬等)と比較する、または、他の患者の検査結果と比較する、等の視点に切り替えが行われる。
しかしながら、上述した従来技術では、表示形式の切り替え時に、現在表示されている情報や注目している情報は考慮されないため、切り替えの前後で表示内容の関連性や注目点の情報が失われてしまう。その結果、操作者にとって直観的かつ臨床的に意味のある切り替えにならず、操作者が患者状態や治療内容等を把握することを妨げてしまうことがあり得る。この他にも、上述した従来技術では、表形式の表示は2種類の属性に限定されるため、分析の視点が限られてしまうことがあり得る。例えば、異なる詳細度のデータを比較する場合や、同じデータの異なる患者間のデータで比較する場合等、表形式及びその選択方式では、これらを含めた切り替えは実現できない。
このような従来技術に対し、第1の実施形態では、指定された変換基準点を基準にして空間変換を行って診療データの表示を切り替えることで、現在表示されている情報を起点として診療データを多角的に閲覧することができる。したがって、本実施形態によれば、臨床的な検討目的に応じて、適切な表示形式で診療データを提示することができる。
(第2の実施形態)
なお、上述した実施形態では、変換機能153が、操作者によって指定された変換前状態、変換基準点及び変換方向に基づいて、空間変換を行う場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。
例えば、変換機能153は、さらに、指定された変換量に基づいて、空間変換を行ってもよい。以下では、このような例を第2の実施形態として説明する。なお、第2の実施形態では、上述した実施形態と異なる点を中心に説明することとし、上述した実施形態と重複する内容については説明を省略する。
本実施形態では、表示制御機能152は、表示画面を介して、空間変換の変換量を指定する操作を操作者から受け付けるための受付手段を提供する。
図50は、第2の実施形態に係る表示制御機能152によって提供される受付手段の一例を示す図である。
例えば、図50に示すように、表示制御機能152は、変換方向を指定するためのアイコンに対する操作が行われた場合に、変換量を指定するための操作受付部を表示画面上に表示する。例えば、表示制御機能152は、変換量を指定するための操作受付部として、診療データの分類を列挙したプルダウンメニュー12を表示する。
図51は、第2の実施形態に係る表示制御機能152によって表示されるプルダウンメニュー12の一例を示す図である。
例えば、図51に示すように、表示制御機能152によって表示されるプルダウンメニュー12には、「介入」、「レスポンス」等の分類を示す情報が列挙される。
この場合に、例えば、記憶回路120は、統合診療DBの一つとして、診療データの分類ごとに変換量を定義した粒度マッピングテーブルを記憶する。
図52は、第2の実施形態に係る粒度マッピングテーブルの一例を示す図である。
例えば、図52に示すように、粒度マッピングテーブルは、マッピングIDと、名称と、テーブルとを対応付けた情報を記憶する。マッピングIDには、診療データの分類を一意に識別する識別情報が設定される。名称には、当該分類の名称が設定される。テーブルには、当該分類に対応する方向の変換量を示す情報として、表示対象とする診療データのテーブルを示す情報が設定される。
そして、本実施形態では、変換機能153は、操作者によって指定された変換前状態、変換基準点、変換方向及び変換量に基づいて、空間変換を行う。具体的には、変換機能153は、取得した変換前状態、変換基準点、変換方向と、表示座標マスタの情報と、粒度マッピングテーブルの情報とに基づいて、変換後状態の座標及び次元を取得する。
図53は、第2の実施形態に係る変換機能153による変換後状態を示す座標の算出の一例を示す図である。
例えば、図53の左上から右側にかけて示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標が(W,T,D)=(5,*,2)であり、変換基準点を示す座標が(W,T,D)=(5,*,2)であり、変換方向を示す座標がW=*であり、変換量がW=+1であった場合には、変換後状態を示す座標として、(W,T,D)=((1,5),*,2)を算出する。ここで、変換量がW=+1であることは、(W,T,D)=(5,*,2)であるデータ表示形式に加えて、(W,T,D)=(1,*,2)であるデータ表示形式をさらに表示することを意味する。
この場合に、変換機能153は、操作者によって、プルダウンメニュー12に表示されている分類の中から指定された分類、及び、指定された変換方向に基づいて、粒度マッピングテーブルに記憶されているテーブルの情報を参照して、表示対象とする診療データを取得する。また、変換機能153は、取得した診療データと、変換前状態に含まれている診療データとを比較することで、表示対象として追加又は削除するデータ表示形式を特定する。
この結果、例えば、図53の左上から右側にかけて示すように、表示制御機能152によって、変換前は、検体検査に関する診療データとして、複数の時点について、検体検査サマリデータが表示されていた状態が、変換後は、当該検体検査サマリデータに加えて、投薬に関する診療データとして、当該複数の時点について、投薬サマリデータが表示された状態に切り替えられることになる。
例えば、上述した第1の実施形態で説明したように、変換量を用いない場合には、変換機能153は、変換後状態を示す座標として、(W,T,D)=(*,*,2)を算出することになる。この場合には、表示画面に表示されるデータ表示形式の数が多くなる結果、表示される診療データの量が多くなり、表示画面の情報が見にくくなることがあり得る(図53の左下を参照)。これに対し、第2の実施形態では、変換量を用いて空間変換を行うことで、表示画面に表示される診療データの数を調整することができ、表示画面の情報を見やすくすることができる。
なお、上述した例では、粒度マッピングテーブルを用いた場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、表示座標マスタの表示座標マスタテーブルに、変換量を示す情報を含めてもよい。
図54は、第2の実施形態に係る表示座標マスタテーブルの一例を示す図である。また、図55は、第2の実施形態に係る表示座標マスタテーブルに設定される幅方向の座標値の単位を示す図である。
例えば、図54に示すように、幅方向の座標値について、図20に示したWidthに替えて、異なる変換量を示す情報として、Width大及びWidth小の二つの座標値を記憶する。
ここで、例えば、図55に示すように、Width大には、介入に関するデータ、及び、レスポンスに関するデータの単位で、座標値が設定される。また、Width小には、投薬に関するデータ、画像に関するデータ、心電図に関するデータ、バイタルに関するデータ、及び、検体検査に関するデータの単位で、座標値が設定される。これにより、Width大に設定される座標値は、Width小に設定される座標値と比べて、一つの座標値により多くのデータ表示IDが対応付けられるように設定されることになる。
この場合には、例えば、表示制御機能152は、「大」を示す情報と「小」を示す情報とを含んだプルダウンメニュー12を表示する。そして、変換機能153は、操作者によって「大」が指定された場合には、表示座標マスタテーブルのWidth大に設定されている座標値に基づいて、空間変換を行う。また、変換機能153は、操作者によって「小」が指定された場合には、表示座標マスタテーブルのWidth小に設定されている座標値に基づいて、空間変換を行う。
この結果、表示制御機能152によって、操作者によって「大」が指定された場合には、操作者によって「小」が指定された場合と比べて、より多くの診療データが表示画面上に表示されることになる。
以下、第2の実施形態に係る変換機能153によって行われる空間変換について、具体的な例を挙げて説明する。
図56は、第2の実施形態に係る変換機能153によって行われる拡大又は縮小変換の一例を示す図である。ここで、図56は、幅方向の拡大又は縮小範囲を指定する場合の一例を示している。
なお、図56に示す例では、データ表示形式の上に、変換量を指定するための操作受付部として、診療データの分類を指定するためのプルダウンメニュー12が表示される。例えば、図56に示すように、表示制御機能152によって表示されるプルダウンメニュー12には、「介入」、「レスポンス」等の分類を示す情報が列挙される。
そして、例えば、図56の左側に示すように、操作者によって、変換前状態及び変換基準点として、(W,T,D)=(5,*,2)であるデータ表示形式が指定され、変換方向として幅方向(W=*)が指定されたとする。
ここで、さらに、操作者によって、変換量として「介入」が指定された場合には、例えば、図56の右上に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(5,*,2)を、変換後状態を示す座標((1,5),*,2)に変換する。
このような空間変換は、時間方向に伸びる線で示される変換前状態を、当該線で示される変換基準点を基準にして介入の範囲内で幅方向に拡大することで、幅方向及び時間方向に伸びる面で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図56の左側から右上にかけて示すように、表示制御機能152によって、変換前は、複数の時点について、検体検査サマリデータが表示されていた状態が、変換後は、当該複数の時点について、投薬サマリデータと、検体検査サマリデータとが表示された状態に切り替えられることになる。
一方、操作者によって、変換量として「レスポンス」が指定された場合には、例えば、図56の右下に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(5,*,2)を、変換後状態を示す座標((2〜5),*,2)に変換する。
このような空間変換は、時間方向に伸びる線で示される変換前状態を、当該線で示される変換基準点を基準にしてレスポンスの範囲内で幅方向に拡大することで、幅方向及び時間方向に伸びる面で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図56の左側から右下にかけて示すように、表示制御機能152によって、変換前は、複数の時点について、検体検査サマリデータが表示されていた状態が、変換後は、当該複数の時点について、検体検査サマリデータと、バイタルサマリデータと、画像の計測値と、心電図の計測値とが表示された状態に切り替えられることになる。
図57は、第2の実施形態に係る変換機能153によって行われる拡大又は縮小変換の他の一例を示す図である。ここで、図57は、時間方向の拡大又は縮小範囲を指定する場合の一例を示している。
なお、図57に示す例では、データ表示形式の上に、変換量を指定するための操作受付部として、時間方向の範囲を指定するためのプルダウンメニュー13が表示される。ここで、例えば、プルダウンメニュー13には、「選択範囲まで」、「イベント前後」、「全時間範囲」が列挙される。
例えば、図57の左側に示すように、操作者によって、変換前状態及び変換基準点として、(W,T,D)=(2,1,1)であるデータ表示形式が指定され、変換方向として時間方向(T=*)が指定されたとする。
ここで、さらに、操作者によって、変換量として「選択範囲まで」が指定された場合には、例えば、図57の右上に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(2,1,1)を、変換後状態を示す座標(2,(1,2),1)に変換する。
このような空間変換は、点で示される変換前状態を、当該点で示される変換基準点を基準にして選択範囲まで時間方向に拡大することで、時間方向に伸びる線で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図57の左側から右上にかけて示すように、表示制御機能152によって、変換前は、一つの時点について、画像データが表示されていた状態が、変換後は、当該一つの時点から選択範囲までの複数の時点について、画像データが表示された状態に切り替えられることになる。
一方、操作者によって、移動量として「イベント前後」が指定された場合には、例えば、図57の右下に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(2,1,1)を、変換後状態を示す座標(2,(1〜3),1)に変換する。
このような空間変換は、点で示される変換前状態を、当該点で示される変換基準点を基準にしてイベントを跨ぐまで時間方向に拡大することで、時間方向に伸びる線で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図57の左側から右下にかけて示すように、表示制御機能152によって、変換前は、一つの時点について、画像データが表示されていた状態が、変換後は、当該一つの時点からイベントを跨ぐまでの複数の時点について、画像データが表示された状態に切り替えられることになる。
図58は、第2の実施形態に係る変換機能153によって行われる平行移動変換の一例を示す図である。ここで、図58は、時間方向の移動量を指定する場合の一例を示している。
なお、図58に示す例では、データ表示形式の上に、変換量を指定するための操作受付部として、時間方向の移動量を指定するためのプルダウンメニュー14が表示される。例えば、図58に示す例では、プルダウンメニュー14には、「前回」、「1ヵ月前」、「1年前」、「イベント前」が列挙される。
例えば、図58の左側に示すように、変換機能153は、操作者によって、変換前状態及び変換基準点として、(W,T,D)=(2,2,*)であるデータ表示形式が指定され、変換方向として時間方向(T=*)が指定されたとする。
ここで、さらに、操作者によって、移動量として「前回」が指定された場合には、例えば、図58の右上に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(2,2,*)を、変換後状態を示す座標(2,1,*)に変換する。
このような空間変換は、深さ方向に伸びる線で示される変換前状態を、当該線で示される変換基準点を基準にして前回まで時間方向に移動することで、深さ方向に伸びる他の線で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図58の左側から右上にかけて示すように、表示制御機能152によって、変換前は、一つの時点について、画像データと、画像の計測値と、読影レポートとが表示されていた状態が、変換後は、当該一つの時点の前回の時点について、画像データと、画像の計測値と、読影レポートとが表示された状態に切り替えられることになる。
一方、操作者によって、移動量として「イベント前」が指定された場合には、例えば、図58の右下に示すように、変換機能153は、変換前状態を示す座標(2,2,*)を、変換後状態を示す座標(2,5,*)に変換する。
このような空間変換は、深さ方向に伸びる線で示される変換前状態を、当該線で示される変換基準点を基準にして所定のイベント前まで時間方向に移動することで、深さ方向に伸びる他の線で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図58の左側から右下にかけて示すように、表示制御機能152によって、変換前は、一つの時点について、画像データと、画像の計測値と、読影レポートとが表示されていた状態が、変換後は、当該一つの時点とは異なるイベント前の時点について、画像データと、画像の計測値と、読影レポートとが表示された状態に切り替えられることになる。
上述したように、第2の実施形態では、変換前状態、変換基準点及び変換方向に加えて、指定された変換量に基づいて、空間変換が行われる。したがって、第2の実施形態によれば、空間変換の変換量を取得することで、変換方向等だけでは特定できない変換後の表示範囲を任意に指定することができるようになる。
例えば、幅方向の拡大変換では、データの種類が増えた場合に診療データの表示量が多くなり、それにより診療データの視認性が低下することがあり得る。これに対し、第2の実施形態では、変換量を指定することによって、適切な拡大範囲に制限する(表示するデータ種を制限する)ことができ、診療データの視認性を高めることが可能になる。また、時間方向の平行移動変換では、移動量を指定することによって、所望の時点の診療データへの変換が容易になる。
(第3の実施形態)
なお、上述した実施形態では、診療データ空間において、データ表示形式が、幅方向、時間方向及び深さ方向に対応付けられる場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。
例えば、診療データ空間は、患者に対応する次元をさらに有してもよい。以下では、このような例を第3の実施形態として説明する。なお、第3の実施形態では、上述した実施形態と異なる点を中心に説明することとし、上述した実施形態と重複する内容については説明を省略する。
本実施形態では、表示制御機能152は、表示画面を介して、患者方向の位置を指定する操作を操作者から受け付けるための受付手段を提供する。
図59は、第3の実施形態に係る表示制御機能152によって提供される受付手段の一例を示す図である。
例えば、図59に示すように、表示制御機能152は、データ表示形式の上に、変換方向を指定するための三つのアイコンに加えて、患者方向への変換を指定するためのアイコン15をさらに配置する。
そして、本実施形態では、変換機能153は、操作者によって患者方向への変換が指定された場合に、変換前状態が指定された際に表示されていた該当患者の診療データと同じデータ表示形式で、他の患者の診療データを表示する。ここで、例えば、患者(P)方向をさらに含む診療データ空間の座標は、(W,T,D,P)で示される。
例えば、図59に示すように、変換機能153は、操作者によって、変換前状態及び変換基準点として、(W,T,D,P)=(W#,*,D#,P#)であるデータ表示形式が指定され、変換方向として患者方向(P=*)が指定された場合には、変換前状態を示す座標(W#,*,D#,P#)を、変換後状態を示す座標(W#,*,D#,*)に変換する。
このような空間変換は、時間方向に伸びる線で示される変換前状態を、当該線で示される変換基準点を基準にして患者方向に縮小することで、時間方向及び患者方向に伸びる面で示される変換後状態に変換することに相当する。
この結果、例えば、図59に示すように、表示制御機能152によって、変換前は、該当患者について、投薬、検体検査及びバイタルに関する診療データとして、投薬サマリデータ、検体検査サマリデータ、及び、バイタルサマリデータが表示されていた状態が、変換後は、該当患者、患者A、患者B及び患者Cそれぞれについて、検体検査に関する診療データとして、検体検査サマリデータが表示された状態に切り替えられることになる。
なお、ここでは、他の患者の診療データを患者ごとに表示する場合の例について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、他の患者の診療データについては、平均値等でまとめて一つのデータ表示形式として表示してもよい。
また、表示対象となる患者は、疾患や診療のフェーズ等で絞り込んでもよいし、操作者又はシステムが特定した患者に限定してもよい。また、第2の実施形態のように空間変換の変換量を指定することによって、表示対象となる患者を操作者が指定できるようにしてもよい。
上述したように、第3の実施形態では、診療データ空間が、患者に対応する次元をさらに有する。したがって、第3の実施形態によれば、患者軸を含めた次元からなるデータ表示の切り替えが可能になる。これにより、任意のデータ表示形式において、患者を横断した診療データの比較が可能になる。
(第4の実施形態)
なお、上述した実施形態では、診療データ空間と各種の診療データとの対応付けを固定した場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。
例えば、診療データ及び診療データ空間は、変換機能153は、疾病、操作者又は診療フェーズに応じて動的に変更されてもよい。なお、ここでいう操作者は、医師、放射線科医、看護師等である。また、診療フェーズは、外来、診断、術前、術後等である。
例えば、表示制御機能152及び変換機能153は、疾病、操作者又は診療フェーズに応じて、診療データ空間に対応付けられる診療データの種類を変更する。または、例えば、表示制御機能152及び変換機能153は、疾病、操作者又は診療フェーズに応じて、診療データ空間上で各データ表示形式に対応付けられている座標を変更する。
この場合には、例えば、記憶回路120が、必要な種類の診療データを記憶したテーブルを統合診療DBに保持しておき、各診療データのデータ表示形式をデータ表示形式マスタに記憶しておく。さらに、記憶回路120は、疾病、操作者又は診療フェーズごとに、データ表示形式マスタと表示座標マスタとの組み合わせを記憶しておく。そして、例えば、表示制御機能152及び変換機能153が、疾病、操作者の職種又は診療フェーズの指定を操作者から受け付け、受け付けた内容に応じて、各処理に用いるデータ表示形式マスタ及び表示座標マスタを切り替える。
例えば、表示制御機能152及び変換機能153は、疾病が心不全の場合は、診療データとして食事データを用い、癌の場合は、診療データとして病児画像を用いるように、データ表示形式マスタ及び表示座標マスタを切り替える。
また、例えば、表示制御機能152及び変換機能153は、操作者の職種が放射線科医である場合には、診療データとして、画像の読影レポートの代わりに臨床アプリケーションの画面データを用いるように、データ表示形式マスタ及び表示座標マスタを切り替える。また、例えば、表示制御機能152及び変換機能153は、操作者の職種が内科医の場合には、診療データとして、介入及びレスポンスに関するデータを用い、放射線科医である場合には、HIS300、RIS400及びPACS500から取得したデータを用いるように、データ表示形式マスタ及び表示座標マスタを切り替える。
また、例えば、表示制御機能152及び変換機能153は、診療フェーズが外来である場合には、診療データとして、バイタルや看護記録を含まないように、データ表示形式マスタ及び表示座標マスタを切り替える。
上述したように、第4の実施形態では、疾病、操作者又は診療フェーズに応じて、診療データ及び診療データ空間が動的に変更される。したがって、第4の実施形態によれば、臨床的な検討目的に応じて、より適切に診療データの表示を切り替えることができる。
なお、上述した実施形態では、診療データ空間が三つの次元を有する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。診療データ空間の次元数は、三つ未満であってもよいし、四つ以上であってもよい。
また、上述した実施形態では、上述した各処理機能が単一の処理回路150によって実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路150は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路150が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
また、上述した説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、記憶回路120に保存されたプログラムを読み出して実行することで、機能を実現する。なお、記憶回路120にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合は、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、臨床的な検討目的に応じて、適切な表示形式で診療データを提示するための機能を有することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。