[実施の形態1]
図1は、情報処理装置10の構成を示す説明図である。情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)12、主記憶装置13、補助記憶装置14、通信部15、入力部17、表示部20、およびバスを備える。本実施の形態の情報処理装置10は、電子書籍リーダ、または汎用のタブレット、スマートフォン、パソコン等の情報機器である。
CPU12は、本実施の形態にかかるプログラムを実行する演算制御装置である。CPU12には、一または複数のCPUまたはマルチコアCPU等が使用される。CPU12は、バスを介して情報処理装置10を構成するハードウェア各部と接続されている。
主記憶装置13は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置13には、CPU12が行う処理の途中で必要な情報およびCPU12で実行中のプログラムが一時的に保存される。
補助記憶装置14は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置14には、電子書籍等の文書ファイル31、CPU12に実行させるプログラム、およびプログラムの実行に必要な各種情報が保存される。なお、文書ファイル31はたとえば電子メールまたは各種報告書等の電子書籍以外のファイルでも良い。
文書ファイル31は、たとえばEPUB(Electronic Publication)形式、HTML(Hyper Text Markup Language)形式、PDF(Portable Document Format)形式、プレーンテキスト形式、ワープロのファイル形式等の、任意の形式を使用することが可能である。本実施の形態においては、文字データを取り出して文字サイズおよび改行位置を変更する、いわゆるリフロー型の表示を行うことが可能な文書ファイル31を使用する。
通信部15は、図示しないネットワークとの通信を行うインターフェイスである。
表示部20は、液晶表示パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の表示パネルである。入力部17は、表示部20の表面に配置されたタッチセンサである。すなわち、表示部20と入力部17とは、一体になっていわゆるタッチパネルを構成する。
なお、表示部20にゴーグル型または眼鏡型のヘッドマウントディスプレイを使用しても良い。この場合、入力部17にはユーザの手および腕の動きを検知するいわゆるモーションセンサ、音声入力を行うマイク、またはユーザの視線を検知する視線入力装置等を使用することが望ましい。
図2は、表示例を示す説明図である。図2は、タブレット型の情報処理装置10の表示部20に電子書籍を横書きで表示した状態を示す。表示部20の下側約60パーセントの部分に、第1表示部21が設けられている。表示部20の上側約40パーセントの部分に第2表示部22が設けられている。
第1表示部21は、読書用に文書ファイル31を呈示する領域である。CPU12は、比較的大きい文字サイズを用いて第1表示部21に文書ファイル31の内容を表示する。なお、CPU12は、第1表示部21に使用する文字サイズ、フォント、行間隔等について、情報処理装置10のユーザの好みに応じた設定変更を受付可能であっても良い。
タッチパネルを介して上方向のスライド操作、フリック操作等を受け付けた場合に、CPU12は第1表示部21に表示した文書ファイル31を上向きにスクロール表示する。なお、CPU12は所定の速度で自動的にスクロール表示を行い、ユーザによるタッチパネルの操作を受け付けた場合に、スクロールを停止しても良い。
第2表示部22は、文書ファイル31のうち、情報処理装置10のユーザが直近に読み終えた部分を縮小して表示する領域である。CPU12は、第1表示部21からスクロールアウトして非表示となった部分を、第2表示部22に表示する。CPU12は、第2表示部22に表示した文字を、上方向にスクロール表示しながら徐々に小さい文字に変化させる。CPU12は、第2表示部22に入りきらない文字列を上から順次消去することにより、スクロールアウトさせる。
第2表示部22の上端の文字サイズは、情報処理装置10のユーザが視認可能な最小の文字サイズであることが望ましい。CPU12は、ユーザの好みに応じた第2表示部22の上端の文字サイズを受付可能であっても良い。
情報処理装置10のユーザは、第1表示部21を介して、文書ファイル31に記録された電子書籍を読むことができる。読み終えた部分は、しばらく第2表示部22に表示される。ユーザは、第2表示部22に視点を動かすことにより、読み終えた部分を容易に反復することが可能である。
このように、一度読んで短期記憶に記憶した情報を反復することは、「リハーサル」と呼ばれる。いったん読んだ情報を約15秒以内にリハーサルすることにより、情報が長期記憶に定着しやすくなることが知られている。
このように、情報を長期記憶に定着させることにより、読み戻しの必要性を低減することが可能である。また、読書を中断した後でも、スムーズに続きを読むことが可能である。したがって、情報処理装置10のユーザは、快適に読書を楽しむことができる。また、情報処理装置10のユーザは、短い時間で効率良く読書を行うことができる。
したがって、図2を使用して説明した表示により、リハーサルによる長期記憶への定着を支援することが可能な情報処理装置10を提供することが可能である。
なお、CPU12は、第1表示部21と第2表示部22との境界の変更指示を受け付けても良い。たとえば、ユーザが第1表示部21と第2表示部22との境界を選択してドラッグすることにより、CPU12は第1表示部21と第2表示部22との境界の変更を受け付けて、表示を変更する。
第1表示部21のスクロールを自動的に行う場合には、CPU12は第1表示部21と第2表示部22との境界を、スクロール速度に連動して設定しても良い。たとえばユーザが設定したスクロール速度が遅い場合には、CPU12は、第2表示部22の面積を比較的狭く設定する。ユーザが設定したスクロール速度が遅い場合には、ユーザは第1表示部21に表示されている文書をゆっくりと読むため、リハーサルの回数が少なくても情報が長期記憶に転送されやすいためである。
CPU12は、文書ファイル31が含む文字の量に連動して、第1表示部21と第2表示部22との境界を設定しても良い。CPU12は、文書ファイル31が含む漢字の比率に連動して、第1表示部21と第2表示部22との境界を設定しても良い。CPU12は、たとえば専門書であるか、小説であるか等の、文書の種類に連動して、第1表示部21と第2表示部22との境界を設定しても良い。CPU12は、文書ファイル31が含む文字の量、漢字の比率または種類等の文書の内容と、スクロール速度との両方に連動して、第1表示部21と第2表示部22との境界を設定しても良い。
CPU12は、第1表示部21と第2表示部22とで、異なる文字色、背景色またはフォントを使用しても良い。CPU12は、第2表示部22の文字色または背景色にグラデーションを付けて表示しても良い。たとえば、CPU12は、第2表示部22の下部は第1表示部21と同じ文字色を使用し、上部に近づくにつれて薄い文字色を使用することにより、古い文字がだんだん消えていくような印象をユーザに与えることができる。
図3は、プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。CPU12は、補助記憶装置14から文書ファイル31を取得する(ステップS501)。CPU12は、情報処理装置10に接続された外付けの大容量記憶装置から文書ファイル31を取得しても良い。CPU12は、通信部15を介して図示しないサーバから文書ファイル31を取得して、補助記憶装置14または主記憶装置13に保存しても良い。CPU12は、ストリーミング方式により、文書ファイル31の一部分を順次取得して、一時記憶しても良い。
CPU12は、第1表示部21に文書ファイル31を表示する(ステップS502)。なお、文書ファイル31がたとえばPDF形式等のページ表示を前提とした形式である場合には、CPU12は文書ファイル31から文字を抽出して第1表示部21に表示する。文書ファイル31から文字を取り出す方法については、従来から行われているので、説明を省略する。
CPU12は、スクロールを行うか否かを判定する(ステップS503)。たとえば、ユーザによるスワイプまたはスライド等の操作を受け付けた場合、または、自動スクロールが設定されておりスクロール停止の操作を受け付けていない場合に、CPU12はスクロールを行うと判定する。
スクロールすると判定した場合(ステップS503でYES)、CPU12は、第1表示部21の先頭を1行削除する(ステップS504)。CPU12は、ステップS504で削除した文字列を、主記憶装置13または補助記憶装置14に記憶する(ステップS505)。CPU12は、第1表示部21に表示中の部分の続きの1行を、第1表示部21の末尾に追加する(ステップS506)。
CPU12は、ステップS505で記憶した文字列を第2表示部22の末尾に追加した場合に、第2表示部22に表示可能であるか否かを判定する(ステップS507)。表示可能でないと判定した場合(ステップS507でNO)、CPU12は、第2表示部22の先頭から1行を削除する(ステップS508)。
表示可能であると判定した場合(ステップS507でYES)、またはステップS508の終了後、CPU12は、第2表示部22の末尾にステップS505で記憶した文字列を追加する(ステップS509)。
スクロールしないと判定した場合(ステップS503でNO)、またはステップS509の終了後、CPU12は処理を終了するか否かを判定する(ステップS510)。処理を終了する場合とは、たとえば、ユーザから終了の指示を受け付けた場合、または文書ファイル31の末尾を第1表示部21に表示した場合である。
終了しないと判定した場合(ステップS510でNO)、CPU12はステップS503に戻る。終了すると判定した場合(ステップS510でYES)、CPU12は処理を終了する。
図4は、第2表示部22に表示した行の選択を受け付けた場合の表示例を示す説明図である。タッチパネルを介して第2表示部22に表示した行の選択を受け付けた場合、CPU12は第1表示部21のスクロールを停止して、選択を受け付けた行の文字を拡大したポップアップ窓27を表示部20に表示する。
ポップアップ窓27は、戻るボタン28を含む。戻るボタン28の選択を受け付けた場合、CPU12はポップアップ窓27を消去して、第1表示部21のスクロールを再開する。なお、ポップアップの表示および消去については、従来から行われているので、フローチャートの説明を省略する。
なお、CPU12は、第2表示部22に表示した行の選択を受け付けた場合に、第2表示部22から第1表示部212に向けた逆スクロール表示を行い、選択を受け付けた部分を第1表示部21に表示しても良い。
本実施の形態によると、ユーザが読み終えた部分を第2表示部22に表示する情報処理装置10を提供することができる。ユーザは、第1表示部21を介して読書を行いながら、第2表示部22に視線を動かすことにより自然にリハーサルを行い、情報を長期記憶に転送することができる。
したがって、本実施の形態によると、リハーサルを支援することが可能な情報処理装置10を提供することができる。
なお、CPU12は、ステップS504およびステップS506で、複数の行をまとめて処理しても良い。特に、スクロール速度が速い場合には、複数の行をまとめて処理することにより、CPU12の負荷を減らすことができる。
[実施の形態2]
本実施の形態は、第1表示部21と第2表示部22との間に隙間を設けた情報処理装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。
図5は、実施の形態2の表示例を示す説明図である。本実施の形態においては、表示部20は、第1表示部21と第2表示部22との間に第3表示部23を有する。CPU12は、第3表示部23には文字を表示しない。
本実施の形態によると、ユーザが第1表示部21と第2表示部22との境界を識別しやすい情報処理装置10を提供することができる。
[実施の形態3]
本実施の形態は、第1表示部21と第2表示部22との間に仕切線26を設けた情報処理装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。
図6は、実施の形態3の表示例を示す説明図である。本実施の形態においては、CPU12は、第1表示部21と第2表示部22との間に仕切線26を表示する。
CPU12は、仕切線26の長さ、幅、色およびデザインの変更指示をユーザから受付可能であっても良い。
本実施の形態によると、ユーザが第1表示部21と第2表示部22との境界を識別しやすい情報処理装置10を提供することができる。
[実施の形態4]
本実施の形態は、文書ファイル31を縦書きで表示する情報処理装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。
図7は、実施の形態4の表示例を示す説明図である。本実施の形態においては、第1表示部21の右側に第2表示部22が配置されている。第1表示部21および第2表示部22には、文書ファイル31の内容が縦書きで表示されている。第2表示部22の文字は、右側ほど小さく表示されている。
本実施の形態においては、CPU12は第1表示部21の文字を左から右にスクロールする。CPU12は、第1表示部21からスクロールアウトした部分を、第2表示部22の左端に表示する。CPU12は、第2表示部22に表示した文字を、右方向にスクロール表示しながら徐々に小さい文字に変化させる。CPU12は、第2表示部22に入りきらない文字列を上から順次消去することにより、スクロールアウトさせる。
本実施の形態によると、小説等の縦書きの紙書籍に慣れたユーザが馴染み易い情報処理装置10を提供することができる。
[実施の形態5]
本実施の形態は、第1表示部21に表示済の文書の各文章の先頭部分を第2表示部22に表示する情報処理装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。
図8は、実施の形態5の表示例を示す説明図である。本実施の形態においては、CPU12は、第1表示部21に表示済の各文章の先頭部分を第2表示部22に表示する。すなわち図8においては、文書ファイル31の冒頭の3つの文章が第1表示部21からスクロールアウトされて、それぞれの文章の先頭部分が第2表示部22に表示されている。
なお、本実施の形態においては、CPU12は、句点「。」を検出することにより各文章の区切りを検出することが可能である。日本語以外の文書ファイル31を表示する場合には、CPU12は文書ファイル31の言語に応じた句読点等に基づいて文書の区切りを検出する。また、CPU12は、形態素解析等の文書解析アルゴリズムを用いて文書の区切りを検出しても良い。
CPU12は、文書解析により文書ファイル31の段落の区切りを検出し、第1表示部21に表示済の各段落の先頭部分を第2表示部22に表示しても良い。
図9は、実施の形態5のプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。ステップS501からステップS506までは、図3を使用して説明した実施の形態1のフローチャートと同一の処理であるので、説明を省略する。
CPU12は、第2表示部22の末尾に行を追加して表示可能であるか否かを判定する(ステップS521)。表示可能でないと判定した場合(ステップS521でNO)、CPU12は、第2表示部22の先頭から1行を削除する(ステップS522)。
表示可能であると判定した場合(ステップS521でYES)、またはステップS522の終了後、CPU12は、ステップS505で記憶した文字列に基づいて文書ファイル31の要部を抽出する(ステップS524)。本実施の形態においては、要部は文書ファイル31を構成する各文章の冒頭の部分である。
要部の抽出について、さらに詳しく説明する。CPU12は、ステップS505で記憶した文字列から句点「。」を検出する。CPU12は、検出した句点「。」の直後から第2表示部22の1行分に相当する長さの文字列を要部であると判定して、文書ファイル31から抽出する。
CPU12は、第2表示部22の末尾に、ステップS524で抽出した要部を追加で表示する(ステップS525)。なお、ステップS524で抽出した文字列の一部が、第1表示部21に表示されている場合には、CPU12は第1表示部21からスクロールアウトした文字を第2表示部22に順次追加しても良い。
ステップS521からステップS525の処理により、CPU12は、第1表示部21からスクロールアウトした文字列のうち、文書ファイル31を構成する各文章の冒頭の部分を第2表示部22に表示する。
スクロールしないと判定した場合(ステップS503でNO)、またはステップS525の終了後、CPU12は処理を終了するか否かを判定する(ステップS526)。処理を終了する場合とは、たとえば、ユーザから終了の指示を受け付けた場合、または文書ファイル31の末尾を第1表示部21に表示した場合である。
終了しないと判定した場合(ステップS526でNO)、CPU12はステップS503に戻る。終了すると判定した場合(ステップS526でYES)、CPU12は処理を終了する。
本実施の形態によると、ユーザが読み終えた部分の文章の冒頭部分を第2表示部22に表示する情報処理装置10を提供することができる。
[実施の形態6]
本実施の形態は、第1表示部21に表示済の文書からひらがなを除いた部分を第2表示部22に表示する情報処理装置10に関する。さらに、本実施の形態は、第2表示部22に表示されている文字が選択された場合に、対応する部分を第1表示部21に強調表示する情報処理装置10に関する。実施の形態5と共通する部分については説明を省略する。
図10は、実施の形態6の表示例を示す説明図である。第1表示部21と第2表示部22とは、同一の文字サイズで表示されている。第1表示部21と第2表示部22との間には、仕切線26が表示されている。
本実施の形態においては、図9を使用して説明したフローチャートのステップS524において、CPU12はひらがなを除く文字を要部であると判定して、抽出する。その結果、CPU12は第2表示部22に、第1表示部21に表示済の文書からひらがなを除いた部分を表示する。
日本語においては、ひらがなは助詞、助動詞および送り仮名等に使用される場合が多い。一方、たとえば専門用語等のキーワードになる単語は、漢字またはカタカナを用いて表記される場合が多い。したがって、ひらがなを除いた部分を第2表示部22に表示することにより、少ない文字数でユーザのリハーサルを支援することが可能になる。
図11は、実施の形態6の表示例を示す説明図である。図11においては、CPU12が第2表示部22の上から2行目の「仕」の文字の選択を受け付けた状態を示す。CPU12は、選択を受け付けた文字の周囲に第1指標41を表示する。
CPU12は、選択を受け付けた文字が中央部に配置されるように、文書ファイル31を第1表示部21に表示する。CPU12は、選択を受け付けた文字の周囲に第2指標42を表示する。
CPU12は、第2表示部22には第1表示部21より小さい文字サイズの文字を表示しても良い。CPU12は、実施の形態1等と同様に、第2表示部22に表示する文字を徐々に小さくしても良い。
本実施の形態によると、少ない文字数でユーザのリハーサルを支援する情報処理装置10を提供することが可能になる。また、第2表示部22から選択を受け付けた文字を含む部分を第1表示部21に表示するので、ユーザは気になった部分を容易に再確認することができる。したがって、確実なリハーサルを支援する情報処理装置10を提供することができる。
図9を使用して説明したフローチャートのステップS524において、CPU12は形態素解析等を行い、自立語を要部であると判定して抽出しても良い。また、CPU12はたとえば名詞等の特定の品詞の語を要部であると判定して抽出しても良い。
[実施の形態7]
本実施の形態は、多くの情報を第2表示部22に表示する情報処理装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。
図12は、実施の形態7の表示例を示す説明図である。第1表示部21は、表示部20の右下隅に配置されている。第2表示部22は、表示部20の上部および左側にL字型に配置されている。
CPU12は、文書ファイル31のうち、第1表示部21に表示済の部分から改行記号を除去し、小さい文字で第2表示部22に表示する。CPU12が第2表示部22に表示する文字は情報処理装置10のユーザが視認可能な最小の文字サイズであることが望ましい。
本実施の形態によると、第2表示部22に多くの文字を表示できる情報処理装置10を提供することができる。第2表示部22に表示されている部分は、第1表示部21を介して読んだ後の部分であるので、ごく小さい文字であってもユーザは容易に認識して、リハーサルを行うことが可能である。
第2表示部22に表示されている文章が多く、スクロールアウトされるまでの時間が長いので、ユーザは何回もリハーサルを行い、読んだ情報を長期記憶に転送することが可能である。
本実施の形態によると、第2表示部22に表示可能な文字の量が多い。しかし、CPU12は、第1表示部21を介してユーザが読み終えた部分のみを第2表示部22に表示するので、したがって、未読の部分がユーザの目に触れてしまうことによる、いわゆるネタばれ等が発生せず、ユーザが小説等の読書を十分に楽しむことが可能な情報処理装置10を提供することが可能である。
[実施の形態8]
本実施の形態は、第2表示部22を表示部20の中央部に表示する情報処理装置10に関する。実施の形態7と共通する部分については説明を省略する。
図13は、実施の形態8の表示例を示す説明図である。第1表示部21は、表示部20の中央部に配置されている。第2表示部22は、表示部20の四方を囲んで配置されている。
本実施の形態によると、表示部20の中央部の、一番読み易い部分に第1表示部21が表示される情報処理装置10を提供することが可能である。
第1表示部21は、表示部20の任意の場所に配置することが可能である。CPU12は、ユーザによる第1表示部21の表示位置の指定を受け付けても良い。
[実施の形態9]
本実施の形態は、所定のキーワードを強調表示する情報処理装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。
図14は、実施の形態9の表示例を示す説明図である。図14においては、CPU12は、「文節」という文字列を抽出して、強調指標44を表示している。
CPU12は、たとえばユーザがマーキングした文字列と同じ文字列を文書ファイル31から抽出して、強調指標44を表示しても良い。CPU12は、ユーザが事前に入力した文字列を文書ファイル31から抽出して、強調指標44を表示しても良い。CPU12は、文書解析により抽出したキーワードを文書ファイル31から抽出して、強調指標44を表示しても良い。
本実施の形態によると、ユーザがキーワードを見つけてリハーサルすることが容易な情報処理装置10を提供することが可能である。
[実施の形態10]
本実施の形態は、イラスト、写真等を含む文書ファイル31をページ単位で表示する情報処理装置10に関する。本実施の形態においては、文書のレイアウトが固定された、いわゆるフィックス型の表示を行うことが可能な文書ファイル31を使用する。実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。
図15は、実施の形態10の表示例を示す説明図である。図15においては、表示部20の下側に配置された第1表示部21に、見開きで文書ファイル31中の2ページが表示されている。表示部20の上側に配置された第2表示部22に、第1表示部21に表示済のページが縮小して表示されている。
本実施の形態によると、雑誌または漫画のようなフィックス型の表示が適した文書ファイル31を読書中のユーザのリハーサルを支援する情報処理装置10を提供することが可能である。
CPU12は、第2表示部22に表示するページを、古いものほど小さく縮小して表示しても良い。CPU12は、第1表示部21に表示するページを見開きではなく1ページ単位に表示しても良い。
[実施の形態11]
本実施の形態は、第2表示部22を表示部20の中央部に表示する情報処理装置10に関する。実施の形態10と共通する部分については説明を省略する。
図16は、実施の形態11の表示例を示す説明図である。第1表示部21は、表示部20の中央部に配置されている。第2表示部22は、表示部20の上側および下側に配置されている。
本実施の形態によると、表示部20の中央部の、一番読み易い部分に第1表示部21が表示される情報処理装置10を提供することが可能である。
[実施の形態12]
本実施の形態は、第1表示部21と第2表示部22とを、別々の表示パネルに表示する情報処理装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。
図17は、実施の形態12の情報処理装置10の外観を示す説明図である。本実施の形態の情報処理装置10は、二つの長方形の表示パネルを、長辺で回動可能に連結した形状を備える。ユーザは、紙の本と同様の持ち方で、情報処理装置10を持つことが可能である。
第1表示部21は、図17中の右側の表示パネルである。第2表示部22は、図17中の左側の表示パネルである。
本実施の形態によると、第1表示部21および第2表示部22の両方の面積を広く確保しながら、持ち運びしやすい情報処理装置10を提供することが可能である。
第1表示部21が左側の表示パネル、第2表示部22が右側の表示パネルであっても良い。第1表示部21または第2表示部22が、たとえば左側の表示パネル全体と、右側の表示パネルの上部とのように、二つの表示パネルにまたがって配置されていても良い。情報処理装置10は、3枚以上の表示パネルを備えても良い。
[実施の形態13]
本実施の形態は、表示部20のレイアウト等を記憶する情報処理装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図18は、実施の形態13のプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。CPU12は、情報処理装置10のユーザのID(Identifier)、パスワード等の入力を受け付けて、ユーザ認証を行う(ステップS541)。すなわち、CPU12は、入力部17を介して文書ファイルを使用する使用者の指示を受け付ける。ここで、入力部17は、本実施の形態の第2受付部の一例である。
CPU12は、補助記憶装置14またはネットワークを介して接続された外部のサーバから、ログオンしたユーザに関する設定を取得する(ステップS542)。
ログオンしたユーザに関する設定は、たとえば第1表示部21および第2表示部22の配置、双方の寸法または面積比率、文字サイズ、文字色、フォント、読書中の本のタイトルおよび読書を中断した位置等を含む。
CPU12は、補助記憶装置14からユーザが読書中の本にかかる文書ファイル31を取得する(ステップS543)。CPU12は、第1表示部21に文書ファイル31のユーザが読書を中断した箇所を表示する(ステップS544)。
CPU12は、スクロールを行うか否かを判定する(ステップS503)。以後、ステップS510までの処理は、図3を使用して説明した実施の形態1の処理の流れと同一であるので、説明を省略する。
終了しないと判定した場合(ステップS510でNO)、CPU12はステップS503に戻る。終了すると判定した場合(ステップS510でYES)、CPU12は補助記憶装置14またはネットワークを介して接続された外部のサーバに、ユーザに関する設定を保存する(ステップS551)。
本実施の形態によると、ユーザごとに第1表示部21および第2表示部22のレイアウト等を保存することが可能な情報処理装置10を提供することが可能である。ネットワークを介して接続された外部のサーバに設定を保存する場合、ユーザが複数のデバイスを同じように使用することが可能な、いわゆるマルチデバイス型の情報処理装置10を提供することが可能である。
[実施の形態14]
本実施の形態は、文書ファイル31中の第1表示部21に長時間表示されていた部分を第2表示部22で強調して表示する情報処理装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図19は、時間記録DBのレコードレイアウトを示す説明図である。時間記録DBは、文書ファイル31の行の番号と、その行が第1表示部21に表示されていた時間とを関連づけて記録するDBである。時間記録DBは、補助記憶装置14またはネットワークを介して接続された外部のサーバに、文書ファイル31ごとに記憶されている。
時間記録DBは、行フィールド、表示時間フィールドおよび係数フィールドを有する。行フィールドには、文書ファイル31に記憶された文書の行番号が記録されている。表示時間フィールドには、行番号フィールドに対応する行が、第1表示部21に表示されていた時間が記録されている。係数フィールドには、表示時間に基づいて算出された、各行の係数が記録されている。
係数は、各行の表示時間の長短を示す。たとえば、係数は(1)式により算出される。
第n行の係数=第n行の表示時間/各行の表示時間の平均値 ‥‥‥ (1)
係数が1である場合、その行は第1表示部21に平均的な時間表示されている。係数が1よりも大きい場合、その行は第1表示部21に長時間表示されている。すなわちユーザがじっくりと時間を掛けた場所であり、重要な箇所である可能性が高い。係数が1よりも小さい場合、その行は第1表示部21に短時間表示されている。すなわち、ユーザがあまり重要性を感じなかった箇所である可能性が高い。
時間記録DBは、一つの行番号ごとに一つのレコードを有する。なお、時間記録DBは一つの文字ごと、一つの段落ごと等、文書ファイル31の任意の所定単位ごとに一つのレコードを有しても良い。時間記録DBは、本実施の形態の記録部の一例である。
図20は、実施の形態14の表示例を示す説明図である。CPU12は、第2表示部22に表示した部分のうち、係数が所定の閾値よりも大きい行に対して強調指標44を表示する。
具体的には、たとえばCPU12は係数の平均値μおよび標準偏差σを算出し、μ+3σを閾値に定める。各行を第1表示部21に表示した時間が正規分布である場合、CPU12が強調指標44を表示する行は、第1表示部21への表示時間が上位約0.3パーセントの行である。
強調指標44により、ユーザの視線は自然に重要度の高い箇所に誘導され、リハーサルが繰り返される。したがって、重要度が高い箇所の長期記憶への定着を支援することが可能な情報処理装置10を提供することが可能である。
CPU12は、たとえば文字を太字で表示すること、または文字を濃い色で表示すること、文字に下線を引くこと、文字サイズを大きくすること等により、強調指標44を実現することが可能である。
CPU12は、ユーザによる閾値の設定を受け付けても良い。CPU12は、第2表示部22に表示する文字を、係数の大小に基づいて色分けして表示しても良い。
図21は、実施の形態14のプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。スタートから、ステップS504までは、図3を使用して説明した実施の形態1のフローチャートと同一であるので、説明を省略する。
CPU12は、ステップS504で削除した行が、第1表示部21に表示されていた時間を算出し、時間記録DBの対応するレコードの表示時間フィールドに加算する(ステップS561)。以後、ステップS505からステップS509までは、図3を使用して説明した実施の形態1のフローチャートと同一であるので、説明を省略する。
CPU12は、時間記録DBを参照して、ステップS509で第2表示部22に追加した行の係数が閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS563)。閾値よりも大きいと判定した場合(ステップS563でYES)、CPU12はステップS509で追加した行に強調指標44を表示する(ステップS564)。
閾値よりも大きくないと判定した場合(ステップS563でNO)、またはステップS564の終了後、CPU12は処理を終了するか否かを判定する(ステップS565)。処理を終了する場合とは、たとえば、ユーザから終了の指示を受け付けた場合、または文書ファイル31の末尾を第1表示部21に表示した場合である。
終了しないと判定した場合(ステップS565でNO)、CPU12はステップS503に戻る。終了すると判定した場合(ステップS565でYES)。CPU12は第1表示部21に表示されている各行が、第1表示部21に表示されていた時間を算出し、時間記録DBの対応するレコードの表示時間フィールドに加算する(ステップS566)。
CPU12は、前述の(1)式に基づいて各行の係数を算出して、時間記録DBの係数フィールドを更新する(ステップS567)。その後、CPU12は処理を終了する。
本実施の形態によると、過去にユーザが長時間閲覧していた箇所に強調指標44を表示する情報処理装置10を提供することが可能である。ユーザの視線は自然に強調指標44の表示された箇所に誘導され、リハーサルが繰り返される。これにより、重要度が高い箇所の長期記憶への定着を支援する情報処理装置10を提供することが可能である。
CPU12は、係数の小さい箇所を強調表示しても良い。ユーザが十分に時間を掛けずに読み飛ばした箇所のリハーサルを促すことにより、文書ファイル31全体がバランスよく長期記憶に定着することを支援する情報処理装置10を提供することが可能である。
[実施の形態15]
本実施の形態は、第2表示部22に表示された文字の選択を受け付けた場合に、対応する箇所を表示部20に大きく表示するとともに、その回数を記録する情報処理装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図22は、回数DBのレコードレイアウトを示す説明図である。回数DBは、文書ファイル31を構成する各文章の番号と、それぞれの文章に戻って表示した回数とを関連づけて記録するDBである。回数DBは、補助記憶装置14またはネットワークを介して接続された外部のサーバに、文書ファイル31ごとに記憶されている。
回数DBは、文章番号フィールドおよび回数フィールドを有する。文章番号フィールドには、文書ファイル31に記憶された文書を構成する各文章の番号が記録されている。回数フィールドには、文章番号フィールドに対応する文章が、第2表示部22から選択された回数が記録されている。係数フィールドには、表示時間に基づいて算出された、各行の係数が記録されている。回数DBは、文章ごとに一つのレコードを有する。
図23は、実施の形態15の表示例を示す説明図である。本実施の形態においては、第1表示部21および第2表示部22に表示された文章のうち、回数DBに所定の回数以上の値が記録された文章に強調指標44が表示されている。ユーザは、強調指標44により過去に意図的に読み戻した箇所を識別することができる。
図24は、第2表示部22に表示した文章の選択を受け付けた場合の表示例を示す説明図である。図24は、図23に示す第2表示部22中の「非」の文字のタップを受け付けた後に、CPU12が表示部20に表示する画面の例を示す。CPU12は、タップを受け付けた「非」の文字を含む文章を抽出し、その文章を含む部分を文書ファイル31から抽出して、表示部20に表示する。さらに、CPU12は回数DBを参照して、文章の選択を受け付けた回数を示す回数欄29を、表示部20の左下部に表示する。
なお、図24においては、CPU12は、「非」の文字を含む文章が表示部20の上部に表示しているが、表示部20の中央部または下部に表示しても良い。
図25は、実施の形態15のプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。ステップS501からステップS509までは、図3を使用して説明した実施の形態1のフローチャートと同一の処理であるので、説明を省略する。
ステップS509の終了後、CPU12は回数DBを参照して、文書ファイル31中の第1表示部21または第2表示部22に表示中の文章に所定以上の回数が記録されている文章が含まれているか否かを判定する(ステップS581)。CPU12は、たとえば文書ファイル31を構成する文章中の0.1%未満の文章が該当するように所定の回数を定める。CPU12は、あらかじめ所定の回数についてユーザによる設定を受け付けても良い。
所定以上の回数が記録された文章が含まれると判定した場合(ステップS581でYES)、CPU12は該当する文書に強調指標44を表示する(ステップS582)。スクロールしないと判定した場合(ステップS503でNO)、所定以上の回数が記録された文章が含まれないと判定した場合(ステップS581でNO)、またはステップS582の終了後、CPU12は処理を終了するか否かを判定する(ステップS583)。
終了しないと判定した場合(ステップS583でNO)、CPU12はステップS503に戻る。終了すると判定した場合(ステップS583でYES)。CPU12は処理を終了する。
図26は、実施の形態15のプログラムの割り込み処理の流れを示すフローチャートである。CPU12は、タッチパネルを介して第2表示部22に表示された文字の選択を割り込み処理により受け付ける。割り込み処理を受け付けた場合、CPU12は実行中の処理を中断して、図26を使用して説明するフローチャートの実行を開始する。
CPU12は、選択を受け付けた文字を含む文章を判定する(ステップS591)。CPU12は、判定した文章に対応するレコードを回数DBから抽出して、回数フィールドに1を加算する(ステップS592)。
CPU12は、文書ファイル31からステップS591で判定した文章を含む1画面分の文字列を抽出して、図24を使用して説明した画面を表示部20に表示する(ステップS593)。CPU12は、戻るボタン28の選択の受付を待つ。戻るボタンの選択受付後(ステップS594)、CPU12は処理を終了して、割り込み前に実行していた処理を再開する。
本実施の形態によると、表示を戻した箇所と回数を表示する情報処理装置10を提供することができる。ユーザは、何回も戻った箇所を容易に把握することができる。
回数DBは、文字単位、段落単位、またはページ単位に回数を記録しても良い。この場合、回数DBは回数を記録する単位ごとに一つのレコードを有する。
[実施の形態16]
図27は、実施の形態16の情報処理装置10の動作を示す機能ブロック図である。本実施の形態の情報処理装置10は、CPU12による制御に基づいて以下のように動作する。
第1表示部21は、取得した文書の一部を表示する。第2表示部22は、取得した文書中の第1表示部21に表示済の部分を表示する。
[実施の形態17]
実施の形態5は、汎用のコンピュータ74とプログラム71とを組み合わせて動作させることにより、本実施の形態の情報処理装置10を実現する形態に関する。図28は、実施の形態17の情報処理装置10の構成を示す説明図である。図28を使用して、本実施の形態の構成を説明する。なお、実施の形態1と共通する部分の説明は省略する。
本実施の形態のコンピュータ74は、CPU12、主記憶装置13、補助記憶装置14、通信部15、入力部17、表示部20、読取部18およびバスを備える。本実施の形態のコンピュータ74は、汎用のタブレット、スマートフォン、パソコン等の情報機器である。
プログラム71は、可搬型記録媒体72に記録されている。CPU12は、読取部18を介してプログラム71を読み込み、補助記憶装置14に保存する。またCPU12は、コンピュータ74内に実装されたフラッシュメモリ等の半導体メモリ73に記憶されたプログラム71を読出しても良い。さらに、CPU12は、通信部15およびネットワークを介して接続される図示しない他のサーバコンピュータからプログラム71をダウンロードして補助記憶装置14に保存しても良い。
プログラム71は、コンピュータ74の制御プログラムとしてインストールされ、主記憶装置13にロードして実行される。これにより、コンピュータ74は上述した情報処理装置10として機能する。
実施の形態1から実施の形態15までで説明した表示例は、ユーザの好みに応じて適宜切替可能であっても良い。CPU12は、ユーザが選択した表示形式を補助記憶装置14等に記憶しておき、次回は同一の表示形式で文書ファイル31を表示しても良い。
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。