次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るドキュメント閲覧支援システムの構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、本発明の第1の実施形態に係るドキュメント閲覧支援システム1は、スクロール操作情報取得部11と強調領域決定部12と強調領域情報記憶部13と強調表現描画部14と入力部15と出力部16を備える。
スクロール操作情報取得部11は、ユーザが閲覧しているドキュメントの参照領域を取得する。また、スクロール操作情報取得部11は、入力部15を介して入力される、参照領域を変更するユーザのスクロール操作の有無を判定する。そして、スクロール操作情報取得部11は、スクロール操作を行っていない期間であるスクロール操作停止時間tを測定する。なお、参照領域とは、当該ドキュメントの全体のうち、ディスプレイに表示されている部分を指す。また、参照領域を取得するとは、参照領域がドキュメントのどの部分かを表す情報を取得することを指す。また、参照領域を変更するとは、当該ドキュメントの全体のうち、どの部分をディスプレイに表示するか、すなわち参照領域の位置を変更することを指す。
参照領域の算出,管理,および保持は、入力部15を介して入力されるユーザの操作の情報を用いて、オペレーティングシステムなどによって行なわれてもよい。そして、スクロール操作情報取得部11は、オペレーティングシステムなどから参照領域を取得してもよい。
スクロール操作の有無とは、ユーザが、スクロール操作により閲覧対象の参照領域を変更している最中であるか否かを指す。スクロール操作は、スクロールバーなどの部品をマウスやタッチパネルを用いて操作したり、マウスのホイールやキーボードのカーソルキーなどの専用デバイスを用いて操作したり、閲覧対象のドキュメントをマウスやタッチパネルを用いてドラッグ操作したりすることなどによって行われる。また、スクロール操作情報取得部11は、閲覧対象とするドキュメントの種類やファイル名、閲覧に使用するアプリケーション、閲覧対象ドキュメントを表示しているウィンドウサイズや座標などをあわせて取得してもよい。
スクロール操作停止時間tとは、ユーザが最後にスクロール操作を終えてから、次のスクロール操作を行うまでの経過時間を指す。また、ユーザが閲覧対象ドキュメントを開いた後、まだスクロール操作を実行していない状況においては、スクロール操作停止時間tとは、ユーザが、閲覧対象ドキュメントを開いてから、最初のスクロール操作を開始するまでの経過時間を指す。スクロール操作停止時間tは、ユーザが閲覧対象ドキュメントを開いたタイミングとユーザがスクロール操作を終えるタイミングで、0にリセットされると同時にカウントアップを開始する。そして、スクロール操作停止時間tは、スクロール操作が再び行われるまでカウントアップされ続ける。なお、スクロール操作停止時間tは、閲覧対象ドキュメントや閲覧に用いるアプリケーションごとにそれぞれにおいて測定および管理されてもよい。
参照領域を表す方法は、例えば閲覧対象のドキュメントが1000行のリストである場合には、「10〜15行目」のように行数で表してもよい。あるいは、参照領域を表す方法は、閲覧対象のドキュメントが縦の長さ1000km、横の長さ1000kmの範囲を表す地図である場合には、参照領域の4隅のうち左上と右下の箇所の座標で表してもよい。なお、この座標は、地図の左上を原点(0km,0km)とし、原点からの横方向と縦方向の距離の組で表されてもよい。例えば、参照領域の左上と右下の座標がそれぞれ(30km,55km),(40km,65km)であるとすると、参照領域は[(30km,55km),(40km,65km)]のように表されてもよい。
強調領域決定部12は、スクロール操作情報取得部11が出力するスクロール操作の有無、スクロール操作停止時間t、参照領域を用いて、ドキュメント上に施す強調表現の範囲である強調領域を決定する。そして、強調領域決定部12は、強調領域を強調領域情報記憶部13に保持させ、強調表現描画部14に強調表現の描画と解除を指示する。
強調領域決定部12は、スクロール操作停止時間tと定数αを比較する。そして、強調領域決定部12は、スクロール操作停止時間tが定数αより大きくなったとき、強調表現描画部14に対し、施されている強調表現を解除するよう指示すると共に、強調領域情報記憶部13にその時点における参照領域を新しい強調領域として保持させる。この時、強調領域決定部12は、この時点で解除される強調表現に対応する強調領域を強調領域情報記憶部13より削除してもよい。あるいは、強調領域決定部12は、この時点で新たに保持させる強調領域を除く、強調領域情報記憶部13に保持されている強調領域全てを削除してもよい。更に強調領域決定部12は、スクロール操作停止時間tが定数αより大きい状態でスクロール操作が発生した場合に、強調表現描画部14に対し、強調領域へ強調表現を施すよう指示する。一方で、スクロール操作停止時間tが定数α以下の時点でスクロール操作が行われた場合、強調領域決定部12は上記の処理を行わない。
定数αの値は、例えば5秒,10秒などの秒数で表されてもよい。定数αの値は、例えば、閲覧を行うシステムごとに予め定められてもよいし、ユーザの操作履歴に基づいて決定されてもよいし、ユーザが任意の値を設定してもよい。また、閲覧対象ドキュメントの内容や、閲覧に用いるアプリケーションごとに、定数αの値が規定されてもよい。更には、状況に応じて定数αの値を変更してもよい。
強調領域を表す方法は、前述した参照領域を表す方法と同様の方法を用いてもよい。すなわち、ドキュメントの行数や、座標で表してもよい。
強調領域情報記憶部13は、強調領域決定部12から入力された強調領域を保持する。強調領域情報記憶部13は、例えばハードディスクや、メモリなどの記憶装置でもよい。
強調表現描画部14は、強調領域決定部12から強調表現の描画を指示されたとき、強調領域情報記憶部13が保持する強調領域を参照し、出力部16に対し強調領域を強調する表現を施す。強調表現描画部14が施す強調表現は、強調領域の背景色や文字色を変更する、強調領域の文字のサイズを大きくする、強調領域の境界に線を描画する、強調領域以外の場所をグレースケールにするなどして目立たなくする、などでもよい。また、強調表現描画部14は、強調領域決定部12から強調表現を解除するよう指示を受けたとき、出力部16に対し強調表現を解除する処理を行う。なお、強調表現の解除は、即座に強調表現を削除することによって実行されてもよいし、強調表現の濃さを徐々に薄くする、強調表現の色を徐々に変更する、などによって実行されてもよい。
スクロール操作情報取得部11,強調領域決定部12および強調表現描画部14は、ソフトウェアで実現されてもよいし、専用のハードウェアで実現されてもよい。
入力部15は、ユーザからの操作入力を受け、スクロール操作などの操作の情報をスクロール操作情報取得部11に出力する。入力部15は、例えば、マウスやキーボード、タッチパネルなどの入力装置でもよい。
出力部16は、強調表現描画部14からの入力を受け、強調表現を施したドキュメントを表示する。出力部16は、例えばディスプレイなどの表示装置でもよい。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るドキュメント閲覧支援システム1における、閲覧支援情報描画処理の動作を表すフローチャートである。以下、閲覧支援情報描画処理の動作について図2を参照して説明する。
ユーザが閲覧対象となるドキュメントを開いたとき(ステップS201)、閲覧支援情報描画処理が開始する。処理が開始すると、スクロール操作情報取得部11はスクロール操作停止時間tを0にリセットする(ステップS202)。そして、スクロール操作情報取得部11はスクロール操作停止時間tのカウントアップを開始する(ステップS203)。
強調領域決定部12は、スクロール操作情報取得部11からスクロール操作停止時間tを取得し、スクロール操作停止時間tと定数αを比較する(ステップS204)。
スクロール操作停止時間tが定数α以下の場合(ステップS204にてNO)、スクロール操作情報取得部11は入力部15から取得した操作の情報を用い、スクロール操作発生の有無の判定を行う(ステップS205)。スクロール操作の発生が無かった場合(ステップS205にてNO)は、ステップS204に戻り再びスクロール操作停止時間tと定数αの比較が行われる。スクロール操作が発生した場合(ステップS205にてYES)は、スクロール操作情報取得部11はスクロール操作停止時間tのカウントアップを停止する(ステップS210)。そして、スクロール操作情報取得部11は、入力部15から取得した操作の情報を用い、スクロール操作が終了したかどうかの判定を行う(ステップS211)。スクロール操作が終了したと判定されると(ステップS211にてYES)、処理はステップS202に戻る。スクロール操作が終了していないと判定されると(ステップS211にてNO)、ステップS211に戻り再びスクロール操作の終了の判定が行われる。
ステップS204にてスクロール操作停止時間tが定数αより大きい場合(ステップS204にてYES)、強調領域決定部12は強調領域に施された強調表現を解除するよう強調表現描画部14に指示し、強調表現描画部14は強調表現を解除する(ステップS206)。更に、強調領域決定部12は、その時点における参照領域を強調領域として強調領域情報記憶部13に保持させる(ステップS207)。この時、強調領域決定部12は、今回強調表現を解除した強調領域を強調領域情報記憶部13より削除してもよい。あるいは、今回新たに保持させた強調領域を除く、強調領域情報記憶部13に保持されている強調領域全てを削除してもよい。
そして、スクロール操作情報取得部11は入力部15から取得した操作の情報に基づき、スクロール操作発生の有無の判定を行う(ステップS208)。スクロール操作の発生が無かった場合(ステップS208にてNO)は、ステップS208に戻り、スクロール操作情報取得部11は再びスクロール操作発生の有無の判定を行う。スクロール操作が発生すると(ステップS208にてYES)、スクロール操作情報取得部11はスクロール操作の発生を強調領域決定部12に出力する。
スクロール操作の発生がスクロール操作情報取得部11から出力されると、強調領域決定部12は強調領域に強調表現を施すよう強調表現描画部14に指示する。この指示を受けて、強調表現描画部14は強調領域情報記憶部13が保持する強調領域を参照し、強調領域に強調表現を施す(ステップS209)。そして、スクロール操作情報取得部11は、スクロール停止時間tのカウントアップを停止する(ステップS210)と共に、入力部15から取得した操作の情報を用い、スクロール操作が終了したかどうかの判定を行う(ステップS211)。スクロール操作が終了していなかった場合(ステップS211にてNO)は、ステップS211に戻り、スクロール操作情報取得部11は再びスクロール操作が終了したかどうかの判定を行う。スクロール操作が終了した場合(ステップS211にてYES)は、処理はステップS202に戻る。
以降、ユーザが閲覧対象ドキュメントを閉じて閲覧を終了するまで、ステップS202〜ステップS211の処理が繰り返される。
次に、ユーザによるドキュメント閲覧に伴う、閲覧支援情報描画処理において強調表現描画部14が描画する画面の推移の例を、図3〜8を参照して説明する。以下の説明においては、閲覧対象ドキュメントが全100行のリストであるとする。また、閲覧対象ドキュメントのファイル名は“list.doc”であり、閲覧に使用されるアプリケーション名は“文書閲覧ソフトA”であるとする。
図3は、ユーザが閲覧対象ドキュメントを開いたときの表示状態を表す図である。図3を参照すると、ウィンドウ3の表示領域31内に、ユーザの閲覧対象ドキュメントであるリストの1〜8行目が表示されている。このとき、スクロール操作情報取得部11はスクロール操作停止時間tを0とし、スクロール操作停止時間tの測定を始めるとともに、スクロール操作の有無の取得を開始する。また、強調領域決定部12は、スクロール操作情報取得部11が測定したスクロール操作停止時間tと定数αの比較を開始する。なお、以下の説明においては、定数αの値は5秒とする。
次に、ユーザがスクロール操作を行わないままドキュメントを参照し、8秒が経過した後に、ドキュメントの続きを参照しようとしてスクロール操作を行ったとする。まず、スクロール操作停止時間tが定数αの値5秒を上回った時点で、強調領域決定部12はユーザが参照している「1〜8行目」という参照領域を、強調領域として強調領域情報記憶部13に保持させる。次に、ユーザがスクロール操作を行った時点で、強調領域決定部12は強調表現描画部14に対し、強調領域に強調表現を施すよう指示を出す。強調表現描画部14は、強調領域情報記憶部13が保持している強調領域「1〜8行目」を参照し、表示領域31に表示されている該当箇所に強調表現を施す。また、スクロール操作情報取得部11はスクロール操作情報停止時間tのカウントアップを停止する。
ユーザが上述のスクロール操作を行った後の様子を図4に示す。図4は、上述のスクロール操作を行った後に閲覧対象ドキュメントに施される強調表現を示す図である。図4を参照すると、ウィンドウの表示領域に閲覧対象ドキュメントの3〜10行目が表示されており、そのうち強調領域「1〜8行目」に該当する部分は3〜8行目である。そのため、表示領域中の3〜8行目が、背景色を変更することで強調されている(強調表現42)。
図5は、図4の状態における強調領域情報記憶部13が保持するデータの例を表す図である。以下、図5を参照して強調領域情報記憶部13が保持するデータを説明する。ID(データ項目51)は強調領域情報記憶部13に記憶されるデータの通し番号である。強調領域(データ項目52)は、強調領域の位置を表す情報である。ファイル名(データ項目54)は、閲覧の対象であり、強調領域が設定されるドキュメントを表すファイル名である。アプリケーション名(データ項目53)は、ファイル名(データ項目54)が表すドキュメントを閲覧する際に使用されるアプリケーションを表すアプリケーション名である。強調表現描画部14は、当該アプリケーション名(データ項目53)とファイル名(データ項目54)をキーとして該当する強調領域(データ項目52)のレコードを読み出すことにより、強調領域の位置を表す情報を取得してもよい。
次に、ユーザが上述のスクロール操作を適当なタイミングで停止した場合の表示状態を図6に示す。図6は、スクロール操作を停止した瞬間の表示状態を表す図である。図6を参照すると、ウィンドウ3の表示領域31に閲覧対象ドキュメントの5〜12行目が表示されており、また、そのうち強調領域「1〜8行目」に該当する部分は5〜8行目であるため、5〜8行目の背景色が変更されている(強調表現52)。このとき、スクロール操作情報取得部11は、スクロール操作停止時間tを一度0にリセットしたうえで、スクロール操作停止時間tの測定を再度開始する。
スクロール操作の停止後、ユーザは、スクロール操作を行ったことで新たに表示領域上に現れたドキュメントの未読部分の参照を開始する。このとき、ユーザは、直前に参照していた領域が8行目までだということをドキュメント上に施された強調表現52によって把握できるため、強調表現52の境目である9行目より下が未読部分であると容易に判断することができる。ここでは、ユーザが未読部分の参照に12秒をかけた後、次のスクロール操作を実行したとする。まず、スクロール操作停止時間tが定数αの値5秒を上回った時点で、強調領域決定部12は、強調表現描画部14に対し、施されている強調表現を解除するよう指示を出す。このことにより、強調領域決定部12は、図7に示すように、強調表現描画部14に5〜8行目の強調表現52を解除させる。同時に、強調領域決定部12はユーザが閲覧している「5〜12行目」という参照領域を、新たな強調領域として強調領域情報記憶部13に保持させる。この時、強調領域決定部12は、「1〜8行目」という以前の強調領域を強調領域情報記憶部13より削除してもよい。図7は、スクロール操作停止時間tが定数αの値5秒を上回ったために、強調表現が解除された状態を表す図である。
スクロール操作実行前に閲覧していた領域を強調する表現を、上述のようにスクロール操作を停止してから一定時間が経過した後に解除することで、ユーザは、表示領域中の未読部分の範囲を把握したうえで、表示領域中のドキュメントの閲覧を、強調表現に阻害されることなく行うことができる。それと同時に、ユーザは、強調表現が解除されることにより、現在閲覧している「5〜12行目」が、次の新たな強調領域となったことを把握できる。
次に、ユーザが閲覧対象ドキュメントの未読部分の参照を終え、続きを読むためにスクロール操作を行った時点で、強調領域決定部12は、強調表現描画部14に対し、強調領域に強調表現を施すよう指示を出す。強調表現描画部14は、強調領域情報記憶部13が保持している強調領域「5〜12行目」を参照し、表示領域に表示されている該当箇所に強調表現を施す。ユーザが上述のスクロール操作を行った後の様子を図8に示す。図8は、上述のスクロール操作を行った後に閲覧対象ドキュメントに施される強調表現を示す図である。図8を参照すると、ウィンドウ3の表示領域31に閲覧対象ドキュメントの7〜14行目が表示されており、そのうち強調領域「5〜12行目」に該当する部分は7〜12行目である。そのため、表示領域中の7〜12行目が、背景色を変更することで強調されている(強調表現72)。
このように、ドキュメント閲覧支援システム1は、ユーザが直前に一定時間以上閲覧していた領域に強調表現を施す。このことにより、ユーザは、スクロール操作中やスクロール操作停止直後に、ドキュメント中のどの部分まで閲覧を終えたのか容易に把握することができる。
更に、ドキュメント閲覧支援システム1は、ユーザがスクロール操作を止めてから一定時間が経過し、直前に閲覧していた部分を示す強調表現がユーザにとって不要なものになるタイミングで強調表現を解除する。このことにより、ドキュメント閲覧支援システム1は、強調表現がユーザのドキュメント閲覧を阻害することを最小限に抑える。また、強調表現が解除されることにより、ユーザは、現在参照している部分が次の新たな強調領域となったことを把握できる。
次に、ユーザによるドキュメント閲覧に伴う、閲覧支援情報描画処理において強調表現描画部14が描画する画面の推移の他の例を、図6,9,10を参照して説明する。以下の説明においても、閲覧対象ドキュメントが全100行のリストであるとする。また、定数αの値も5秒とする。
前述の画面の推移の例における1度目のスクロール操作が停止した直後、すなわち強調領域「1〜8行目」が強調領域情報記憶部13に保持され、うち表示されている5〜8行目に強調表現が施されている、図6の状態より説明を開始する。
スクロール操作の停止後、ユーザは、スクロール操作を行ったことで新たに表示領域上に現れたドキュメントの未読部分の参照を開始する。このとき、ユーザは、直前に参照していた領域が8行目までだということをドキュメント上に施された強調表現52によって把握できるため、強調表現52の境目である9行目より下を未読部分と判断し、9行目から参照を再開する。ここでは、ユーザが未読部分の参照を行ったが、重要性の高い情報ではなかったため、すぐに次のスクロール操作を行ったとし、スクロール操作を止めていた時間は3秒だったとする。
図9は、上述のスクロール操作が実行された瞬間の表示状態を表す図である。このときのスクロール操作停止時間tは3秒であり、スクロール操作停止時間tが5秒を上回らない状態でスクロール操作が発生したため、強調表現の解除や強調領域の更新は発生しない。そのため、スクロール操作停止直後と同じ5〜8行目に強調表現82が施されている。
図10は、ユーザが上述のスクロール操作を行っている最中の表示状態を表す図である。ウィンドウ3の表示領域31に閲覧対象ドキュメントの7〜14行目が表示されており、そのうち強調領域「1〜8行目」に該当する部分は7〜8行目である。そのため、表示領域中の7〜8行目が、背景色を変更することで強調されている(強調表現92)。
このように、ドキュメント閲覧支援システム1は、ユーザが直前に一定時間以上閲覧していた領域に強調表現を施す。このことにより、ユーザは、スクロール操作中やスクロール操作停止直後にドキュメント中のどの部分まで閲覧を終えたのか把握することができる。
また、ドキュメント閲覧支援システム1は、ユーザがスクロール操作を止めて閲覧を行った時間の長さが一定時間に満たなければ強調領域を更新しない。このことにより、ユーザは、直前に短時間だけ閲覧していた読み飛ばした可能性の高い領域より、それより前に長時間閲覧していたユーザにとって比較的重要と考えられる領域を把握可能となる。加えて、ユーザは、短時間に強調領域が変わることによりドキュメント閲覧作業を阻害されることがない。
次に、ユーザによるドキュメント閲覧に伴う、閲覧支援情報描画処理において強調表現描画部14が描画する画面の推移の他の例を、図11〜15を参照して説明する。
以下の説明においては、閲覧対象ドキュメントが地図であるとする。図11は、閲覧対象ドキュメントである地図101を説明する図である。地図101は、横の長さw0が1000km、縦の長さh0が1000kmの地域を表している。また、矩形102は、地図101のうち、ユーザがドキュメントを閲覧する表示領域中に表示される部分である参照領域を表している。矩形102の大きさは、横の長さwが10km、縦の長さhが10kmとする。以下の説明においては、参照領域(矩形102)の左上の頂点の座標を(a,b)とした場合、参照領域を[(a,b),(a+w,b+h)]のように表す。なお、wとhは、w<<1000(wが1000より十分に小さいことを表す)かつh<<1000であれば、ユーザが任意に変更可能としてもよい。この地図を閲覧する際には、縦方向に加えて横やななめ方向へのスクロール操作が発生してもよい。
図12は、ユーザが閲覧対象ドキュメントを開いたときの表示状態を表す図である。図12を参照すると、ウィンドウ110の表示領域111内に、地図101の一部分である参照領域が表示されている。図13は、ユーザが閲覧対象ドキュメントを開いたときの、地図101の全体における参照領域である矩形122の位置を示す図である。図13を参照すると、参照領域は[(0,0),(10,10)]である。閲覧対象ドキュメントである地図101をユーザが開いたとき、スクロール操作情報取得部11はスクロール操作停止時間tを0とし、スクロール操作停止時間tの測定を始めるとともに、スクロール操作の有無の判定を開始する。また、強調領域決定部12は、スクロール操作情報取得部11が測定したスクロール操作停止時間tと定数αの比較を開始する。なお、以下の説明においては、定数αの値は5秒とする。
次に、ユーザがスクロール操作を行わないままドキュメントを参照し、8秒が経過した後に、閲覧対象ドキュメントである地図中の別の領域を参照しようとして、スクロール操作を行ったとする。なお、ここで言うスクロール操作とは、例えば、表示領域に表示されている地図のある地点をマウスでクリック操作したりドラッグ操作したりすることや、あらかじめ準備されたボタンを押下することなどで、参照領域を変更し、表示領域中に表示されている地図情報を更新する操作を指す。まず、スクロール操作停止時間tが定数αの値5秒を上回った時点で、強調領域決定部12はユーザが参照している[(0,0),(10,10)]という参照領域を、強調領域として強調領域情報記憶部13に保持させる。次に、ユーザがスクロール操作を行った時点で、強調領域決定部12は強調表現描画部14に対し、強調領域に強調表現を施すよう指示を出す。強調表現描画部14は、強調領域情報記憶部13が保持している強調領域[(0,0),(10,10)]を参照し、表示領域に表示されている該当箇所に強調表現を施す。また、スクロール操作情報取得部11はスクロール操作情報停止時間tのカウントアップを停止する。
次に、ユーザが適当なタイミングで上述のスクロール操作を停止したとする。図14は、上述のスクロール操作の停止後の、閲覧対象の地図101の全体における参照領域である矩形132の位置を示す図である。図14を参照すると、参照領域は[(3,5),(13,15)]である。図15は、ユーザが上述のスクロール操作を止めたときのウィンドウ110の様子を表す図である。図15を参照すると、参照領域[(3,5),(13,15)]のうち強調領域[(0,0),(10,10)]に該当する部分は[(3,5),(10,10)]であるため、表示領域中の[(3,5),(10,10)]に該当する部分が、背景色を変更することで強調されている(強調表現142)。施された強調表現は、上述のスクロール操作をユーザが停止してから5秒経過した時点で解除される。
このように、ドキュメント閲覧支援システム1は、ユーザが直前に一定時間以上閲覧していた領域に強調表現を施す。このことにより、ユーザは、スクロール操作中やスクロール操作停止直後に、ドキュメント中のどの部分まで閲覧を終えたのかを、縦方向だけでなく横やななめの方向のスクロールが発生する状況下においても、容易に把握することができる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係るドキュメント閲覧支援システム1は、強調領域決定部12によって強調領域を決定し、強調表現描画部14によって強調領域を示す強調表現の描画や描画の解除を行う。強調表現が描画されることにより、ドキュメント閲覧支援システム1のユーザは、直前に一定時間以上閲覧していた領域を把握することができる。このため、ユーザは、閲覧対象ドキュメントの上部から順にスクロールしながら読むとき、閲覧対象ドキュメント中のどこまで閲覧を終えたのかを容易に把握することができる。また、ユーザがスクロール操作を止めてから一定時間が経過すると強調領域を示す強調表現を削除するため、強調表現がユーザの閲覧作業を阻害することが少ない。なお、ドキュメント閲覧支援システム1は、ユーザのスクロール操作情報と閲覧対象ドキュメントの参照領域の情報のみを用いるため、文章、表、画像、地図など様々なタイプのドキュメントの閲覧に適用することができる。
[第2の実施形態]
図16は、本発明の第2の実施形態に係るドキュメント閲覧支援システムの構成を示すブロック図である。
図16を参照すると、本発明の第2の実施形態に係るドキュメント閲覧支援システム2は、強調領域決定部12が、強調領域管理部120を備えている点が第1の実施形態と異なっている。強調領域管理部120は、複数の強調領域を強調領域情報記憶部13に保持させ、一定時間以上表示した参照領域と重複する領域を持つ強調領域を強調領域情報記憶部13から削除する。ドキュメント閲覧支援システム2のその他の構成要素については、第1の実施形態に係るドキュメント閲覧支援システム1と同様である。第1の実施形態に係るドキュメント閲覧支援システム1と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
強調領域管理部120は、参照領域と、強調領域情報記憶部13が保持している強調領域を参照し、比較する。そして、強調領域管理部120は、比較の結果に基づいて強調領域の削除を行うことにより、強調領域情報記憶部13が保持している強調領域の管理を行う。
強調領域管理部120は、強調領域決定部12が行うスクロール操作停止時間tと定数αの比較の結果に基づき、スクロール操作停止時間tが定数αより大きくなったとき、強調領域情報記憶部13が保持する強調領域を参照し、強調領域と参照領域との比較を行う。参照領域と一部分でも重複する領域を含む強調領域が強調領域情報記憶部13に保持されていた場合、強調領域管理部120は、該当する強調領域を強調領域情報記憶部13から削除した後に、現在の参照領域を強調領域として強調領域情報記憶部13に追加で保持させる。なお、参照領域と一部分でも重複する領域を含む強調領域が複数存在する場合は、該当する強調領域の全てが強調領域情報記憶部13から削除される。参照領域と重複する領域を含む強調領域が強調領域情報記憶部13に1つも保持されていない場合、強調領域管理部120は、強調領域情報記憶部13が保持する強調領域の削除は行わず、現在の参照領域を強調領域として強調領域情報記憶部13に追加で保持させる。一方で、スクロール操作停止時間tが定数α以下の時点で次のスクロール操作が行われた場合、強調領域管理部120は上記の処理を行わない。
強調領域管理部120は、ソフトウェアで実現されてもよいし、専用のハードウェアで実現されてもよい。
図17は、本発明の第2の実施形態に係るドキュメント閲覧支援システム2における、閲覧支援情報描画処理の動作を表すフローチャートである。以下、閲覧支援情報描画処理の動作について図17を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の動作については図2と同一の符号を付し、説明を省略する。
第2の実施形態における閲覧支援情報描画処理は、以下の点で第1の実施形態と異なる。1点目は、スクロール操作停止時間tが定数αを上回った時点で、強調領域管理部120が、強調領域情報記憶部13が保持している強調領域と、参照領域の比較を行う(ステップS1601)点である。2点目は、参照領域と重複する領域を含む強調領域が強調領域情報記憶部13に保持されていた場合、強調領域管理部120は、該当する強調領域を強調領域情報記憶部13より削除する点である(ステップS1602)。参照領域と重複する領域を含む強調領域が強調領域情報記憶部13に保持されていなかった場合、ステップS1602の処理は行われずに、処理がステップS207へ移行する。他の処理については、第1の実施形態と同様である。
次に、ユーザによるドキュメント閲覧に伴う、閲覧支援情報描画処理において強調表現描画部14が描画する画面の推移の例を、図18〜22を参照して説明する。以下の説明においては、閲覧対象ドキュメントが、ある作業の手順とその注釈情報を記した、全100行のマニュアル文書であるとする。また、閲覧対象ドキュメントのファイル名は“list.doc”であり、閲覧に使用されるアプリケーション名は“文書閲覧ソフトA”であるとする。また、定数αの値は5秒とする。
ユーザが閲覧対象ドキュメントの21〜28行目を表示させ、長時間閲覧をしている状態より説明を開始する。このとき強調領域情報記憶部13に保持されている強調領域は「21〜28行目」であるとする。
ユーザが閲覧対象ドキュメントの21〜28行目に記されている作業手順を180秒間参照した後に、関連する注釈情報を閲覧するために大きなスクロール操作を実行し、目的の注釈情報を見つけたタイミングでスクロール操作を停止したとする。図18は、ユーザが上述のスクロール操作を停止した瞬間の状態を表す図である。図18を参照すると、ウィンドウ17の表示領域171に閲覧対象ドキュメントの71〜78行目が表示されている。また、強調領域情報記憶部13に保持されている強調領域「21〜28行目」は表示領域中に含まれていないため、現在ユーザが参照している表示領域上では強調表現は施されていない。このとき、スクロール操作情報取得部11は、スクロール操作停止時間tを一度0にリセットしたうえで、スクロール操作停止時間tの測定を再度開始する。
上述のスクロール操作の停止後、ユーザはスクロール操作を行ったことで新たに表示領域上に現れた作業手順の注釈情報の参照を開始する。ここでは、ユーザが新たに表示された71〜78行目の閲覧に10秒かけた後、注釈情報の続きを読もうとして次のスクロール操作を実行したとする。
まず、スクロール操作停止時間tが定数αの値5秒を上回った時点で、強調領域決定部12は強調表現描画部14に対し施されている強調表現を解除するよう指示を出す。同時に、強調領域管理部120は強調領域情報記憶部13が保持する強調領域「21〜28行目」と、現在の参照領域である71〜78行目の比較を行う。強調領域情報記憶部13が保持する強調領域「21〜28行目」には、参照領域71〜78行目と重複する領域が含まれないため、強調領域管理部120は強調領域情報記憶部13が保持する強調領域の削除は行わない。そして、強調領域管理部120は、ユーザが閲覧している「71〜78行目」という参照領域を、新たに強調領域として強調領域情報記憶部13に追加で保持させる。結果、図19に示すように、強調領域情報記憶部13が保持する強調領域は「21〜28行目」と「71〜78行目」となる。図19は、強調領域管理部120が上述の処理を行った後の、強調領域情報記憶部13が保持するデータの例を表す図である。次に、ユーザが参照領域中の注釈情報の参照を終え、続きを読むためにスクロール操作を行った時点で、強調領域決定部12は、強調表現描画部14に対し、強調領域に強調表現を施すよう指示を出す。強調表現描画部14は、強調領域情報記憶部13が保持している強調領域「21〜28行目」と「71〜78行目」を参照し、表示領域に表示されている該当箇所に強調表現を施す。
図20は、ユーザが上述のスクロール操作を適当なタイミングで止めた瞬間の状態を表す図である。図20を参照すると、ウィンドウ17の表示領域171に閲覧対象ドキュメントの76〜83行目が表示されている。そして、表示されている部分のうち、強調領域「21〜28行目」と「71〜78行目」に該当する部分は76〜78行目であるため、表示領域中の76〜78行目が、背景色を変更することで強調されている(強調表現182)。このとき、スクロール操作情報取得部11は、スクロール操作停止時間tを一度0にリセットしたうえで、スクロール操作停止時間tの測定を再度開始する。
上述のスクロール操作の停止後、ユーザは、スクロール操作を行ったことで新たに表示領域上に現れた未読の注釈情報の参照を開始する。そして、ユーザが、未読部分の閲覧を10秒間行った後、注釈情報の閲覧は十分だと判断し、以前に長時間閲覧していた作業手順が記された領域である21〜28行目を再度確認しようとしてスクロール操作を行ったとする。
まず、スクロール操作停止時間tが定数αの値5秒を上回った時点で、強調領域決定部12は、強調表現描画部14に対し施されている強調表現を解除するよう指示を出し、強調表現描画部14に76〜78行目への強調表現182を解除させる。そして、強調領域管理部120は、強調領域情報記憶部13が保持する強調領域「21〜28行目」および「71〜78行目」と、現在の参照領域である76〜83行目の比較を行う。強調領域情報記憶部13が保持する強調領域の一つである「71〜78行目」には、参照領域76〜83行目と重複する領域が含まれるため、強調領域管理部120は強調領域情報記憶部13が保持する強調領域のうち、参照領域と重複する領域を含む「71〜78行目」を削除させる。更に、強調領域管理部120はユーザが閲覧している76〜83行目という参照領域を、新たに強調領域として強調領域情報記憶部13に追加で保持させる。その結果、図21に示すように、強調領域情報記憶部13が保持する強調領域は「21〜28行目」と「76〜83行目」となる。図21は、強調領域管理部120が上述の処理を行った後の、強調領域情報記憶部13が保持しているデータを表す図である。
次に、ユーザが、21〜28行目を再度確認しようとしてスクロール操作を行った時点で、強調領域決定部12は強調表現描画部14に対し、強調領域に強調表現を施すよう指示を出す。強調表現描画部14は、強調領域情報記憶部13が保持している強調領域「21〜28行目」と「76〜83行目」を参照し、表示領域に表示されている該当箇所に強調表現を施す。
図22は、ユーザが以前に長時間閲覧していた作業手順が記された領域を探索しながら上述のスクロール操作を行い、目的の領域を見つけたためにスクロール操作を止めたときのウィンドウ17の様子を表す図である。図22を参照すると、ウィンドウ17の表示領域171に閲覧対象ドキュメントの28〜35行目が表示されている。そして、表示されている部分のうち、強調領域「21〜28行目」と「76〜83行目」に該当する部分は28行目であるため、表示領域中の28行目が、背景色を変更することで強調されている(強調表現192)。この強調表現192により、ユーザは、スクロール操作を行いながら探索していた作業手順が記された領域を容易に見つけることができる。
このように、ドキュメント閲覧支援システム2は、表示領域外の強調領域を保持し続け、再度ユーザが同領域を閲覧した場合、該当の領域に強調表現を描画する。このことにより、閲覧対象ドキュメントを大きなスクロール操作を行いながら断続的に閲覧し、以前に参照していた領域にも適宜戻りながら閲覧している場合にも、ユーザは、ドキュメント中の閲覧済みの領域を容易に把握することができる。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係るドキュメント閲覧支援システム2は、強調領域管理部120によって複数の強調領域の管理を行う。すなわち、ドキュメント閲覧支援システム2は、直前に一定時間以上閲覧していた領域に加え、より前に一定時間以上閲覧していた、表示領域外に出てしまった領域にも強調表現を描画する。このことにより、ユーザは、複数の、表示領域外に出てしまった領域を含む領域において、以前に一定時間以上閲覧していた領域を把握することができる。このため、ユーザは、閲覧対象ドキュメントを大きなスクロール操作を行いながら断続的に閲覧したり、以前に参照していた領域に適宜戻りながら閲覧したりしている場合にも、ドキュメント中のどの部分を閲覧し終えたのかを容易に把握することが出来る。
加えて、ユーザが、閲覧対象ドキュメントを上から順番に少しずつ閲覧した場合では、強調領域の更新と強調表現の描画が第1の実施形態と同様に行われる。このため、ドキュメント閲覧支援システム2は、第1の実施形態におけるドキュメント閲覧支援システム1と同様の機能および効果をも有している。
上記の実施形態においては、スクロール操作情報取得部11は、参照領域を変更するユーザのスクロール操作の有無を、入力部15から取得した操作の情報を用いて判定したが、これ以外の方法を用いてスクロール操作の有無を判定してもよい。例えば、スクロール操作情報取得部11は、参照領域を一定時間間隔で取得し、参照領域の変化を検出することにより、スクロール操作の有無を判定してもよい。あるいは、スクロール操作情報取得部11は、参照領域を変更する指示を取得することにより、スクロール操作の有無を判定してもよい。
また、ドキュメントに施された強調表現の削除は、行われなくてもよい。強調表現の削除が行われない場合、利用者が一定時間以上閲覧を行った閲覧対象ドキュメント上の領域に強調表現が施され続ける。このことにより、利用者はドキュメント上のどの部分の閲覧を終えたかを一目で知ることができる。
図23は、コンピュータを構成する要素の例を表すブロック構成図である。図23のコンピュータ900は、CPU(Central Processing Unit)910と、RAM(Random Access Memory)920と、ROM(Read Only Memory)930と、ストレージ媒体940と、通信インタフェース950を備えている。前述したドキュメント閲覧支援システム1および2の構成要素は、プログラムがコンピュータ900のCPU910において実行されることにより実現されてもよい。具体的には、前述した図1および図16に記載の構成要素である、スクロール操作情報取得部11、強調領域決定部12、強調表現描画部14および強調領域管理部120は、CPU910がROM930あるいはストレージ媒体940からプログラムを読み込んで実行することにより実現されてもよい。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータプログラムのコードあるいはそのコンピュータプログラムのコードが格納された記憶媒体(例えばストレージ媒体940や、不図示の着脱可能なメモリカードなど)によって構成される。