JP6851640B2 - 供試体、アンカー試験装置およびアンカー試験方法 - Google Patents

供試体、アンカー試験装置およびアンカー試験方法 Download PDF

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Description

本発明は、あと施工アンカーの引張り試験を行うアンカー試験装置に用いられる供試体、アンカー試験装置およびアンカー試験方法に関するものである。
従来、この種のアンカー試験装置(アンカー引抜試験機)として、コンクリートに打ち込まれたアンカーボルトの引張り試験を行うものが知られている(特許文献1参照)。このアンカー試験装置は、アンカーボルトに取り付けられた負荷ナットと、負荷ナットとコンクリートとの間に配設された荷重計と、荷重計に接続されたデジタル表示器と、を備えたものである。このアンカー試験装置では、人手により負荷ナットをねじ込んで、アンカーボルトに引張り荷重を付与する。そして、このときの荷重計の測定値に基づき、被試験品であるアンカーボルトの引張り耐力が合格であるか否かを判定する。
実用新案登録第3146805号公報
ところで、コンクリートに打ち込まれたアンカーボルトには、引張り力の他にせん断力が作用する場合がある。そして、アンカーボルトに、強いせん断力が作用すると、アンカーボルトを打ち込んだコンクリートにひび割れ(クラック)が生じ、これによって、アンカーボルトの引張り耐力(引抜き耐力)が低下する虞がある。この点、上記従来のアンカー試験装置では、コンクリートのひび割れを想定しておらず、コンクリート(定着体)にひび割れが生じたときのアンカーボルトの引張り耐力に係る試験を行うことができなかった。これに対し、ひび割れが生じたコンクリートを供試体(試験用の成形物)として用意し、これを用いてアンカーボルトの引張り試験を行うことが考えられる。
しかしながら、かかる構成では、供試体たり得る一定のひび割れが生じたコンクリートを用意しなければならず、試験を行うのが著しく煩雑であるという問題があった。さらに言えば、ひび割れの度合(割れ幅)を変えて試験を行う場合、ひび割れの度合が異なる複数のコンクリートを用意し、これを付け替えて試験を行う必要がある。
本発明は、定着体にひび割れが生じたときのあと施工アンカーの引張り耐力に係る試験を容易に行うことができる供試体、アンカー試験装置およびアンカー試験方法を提供することを課題としている。
本発明の供試体は、あと施工アンカーの引張り試験を行うアンカー試験装置に用いられる供試体であって、定着体を成す一対のブロック体を備え、一対のブロック体の突合せ面は、アンカーボルトが埋め込まれるアンカー穴が一対のブロック体を跨いで形成されると共に、すり合わせによる界面であって疑似的なひび割れを成すことを特徴とする。
本発明の他の供試体は、あと施工アンカーの引張り試験を行うアンカー試験装置に用いられる供試体であって、定着体を成す一対のブロック体を備え、一対のブロック体の突合せ面は、すり合わせによる界面であって疑似的なひび割れを成し、突合せ面から所定量位置ズレした位置に、アンカーボルトが埋め込まれるアンカー穴が形成されることを特徴とする。
上記の供試体において、各ブロック体は、ブロック本体と、接着剤を介してブロック本体を保持するブロックホルダーと、を有することが好ましい。
上記の供試体において、各ブロック体は、ブロック本体と、ブロック本体に埋設され、ブロック本体をアンカー試験装置に取り付けるためのインサートと、を有することが好ましい。
本発明のアンカー試験装置は、上記の供試体がセットされる供試体セット部と、供試体セット部を介して、一対のブロック体の少なくとも一方を相互の離接方向に移動させ、突合せ面の間隙を調整する間隙調整部と、アンカー穴に定着されたアンカーボルトに引張り荷重を付与する荷重付与部と、を備えたことを特徴とする。
これらの構成によれば、一対のブロック体を備え、この一対のブロック体の突合せ面が疑似的なひび割れを成す構成であるため、ひび割れが生じた定着体の代わりとして機能する。よって、ひび割れが生じた定着体そのものを用意することなく、定着体にひび割れが生じたときのあと施工アンカーの引張り耐力に係る試験を行うことができ、当該試験を容易に行うことができる。また、一対のブロック体の突合せ面の間隙を調整することで、ひび割れの度合を変更することができる。よって、ひび割れの度合を変えての試験を容易に行うことができる。さらに言えば、どの程度のひび割れまで、あと施工アンカーの引張り耐力が維持できるかの試験を容易に行うことができる。なお、この場合の「あと施工アンカー」は、アンカー穴とアンカーボルトとで構成されている。
上記の供試体において、ブロック本体は、突合せ面同士を押圧接触させた状態で、接着剤により、ブロックホルダーに接着固定されることが好ましい。
この構成によれば、突合せ面同士を押圧接触させて、突合せ面同士が密接されるようにブロック本体を矯正した状態で、ブロック本体を接着固定することができる。なお、突合せ面同士を押圧接触させた状態で、接着剤によりブロックホルダーに接着固定させるのに、接着剤が未硬化の状態で突合せ面同士を押圧接触させた後、その状態で接着剤を硬化させることが好ましい。
上記のアンカー試験装置において、供試体セット部を支持する支持ベース部を、更に備え、供試体セット部は、一方のブロック体がセットされる第1セット部と、他方のブロック体がセットされる第2セット部と、を有し、支持ベース部は、第1セット部および第2セット部の少なくとも一方を離接方向にスライド自在に、且つ離接方向に直交する方向の離間した2か所のみで支持することが好ましい。
この構成によれば、離接方向にスライド移動するセット部を、離接方向に直交する方向の離間した2か所のみで支持する構成であるため、当該セット部と支持ベース部との間の摩擦を極力軽減することができる。よって、当該セット部をスライド移動するのに必要な力を極力少なくすることができる。
また、支持ベース部は、第1セット部を固定とし、第2セット部をスライド自在に支持しており、間隙調整部は、第2セット部に連結されたスライド軸部と、突合せ面の間隙を調整する回転操作部と、回転操作部の回転をスライド軸部の進退動に変換する動力変換部と、を有することが好ましい。
この場合、スライド軸部と回転操作部とは、同軸上に配設され、動力変換部は、スライド軸部および回転操作部のいずれか一方に形成された雄ネジと他方に形成された雌ネジとを有するネジ機構で構成されていることが好ましい。
これらの構成によれば、回転操作部を回転させると、その力が動力変換部によって変換され、スライド軸部が進退動する。このスライド軸部の進退動によって、第2セット部がスライド移動し、突合せ面の間隙が調整される。このように、回転操作部の操作によって、突合せ面の間隙を容易に調整することができる。
また、回転操作部に固定された指針と、指針に対峙すると共に、突合せ面の間隙を示す目盛りを表示する目盛り板と、を更に備え、目盛り板は、指針に対する目盛りのゼロ位置を調整自在に構成されていることが好ましい。
この構成によれば、目盛り板のゼロ位置の調整(ゼロ点調整)を行うことができるため、ブロック体の寸法の違い等によって、突合せ面の間隙がゼロの状態のときに指針が目盛りのゼロ位置に来なかった場合にも、これを修正することができる。
一方、間隙調整部は、第2セット部に連結され、離接方向に延びるガイド軸部と、ガイド軸部を離接方向に移動自在に支持する軸受け部と、を更に有することが好ましい。
この構成によれば、ガイド軸部および軸受け部によって、第2セット部の離接方向の移動をガイドすることができる。そのため、第2セット部の離接方向への直進性を向上させることができる。これによって、第2セット部の離接方向の高精度の平行移動をスムーズに行うことができる。特に、アンカー試験の際に、ブロック体が微小に傾くのを防止することができる。
この場合、間隙調整部は、相互に離間した複数本のガイド軸部を有し、軸受け部は、複数本のガイド軸部を離接方向に移動自在に支持することが好ましい。
この構成によれば、第2セット部の離接方向の移動を、より精度良くガイドすることができる。
また、供試体セット部を支持する支持ベース部を、更に備え、荷重付与部は、アンカーボルトに引張り荷重を付与する本体部と、支持ベース部に立設され、本体部が固定される支柱部と、を有し、支柱部は、アンカー穴を形成する穴開け装置が取付け可能に構成されていることが好ましい。
この構成によれば、荷重付与部を支持するための支柱部を、穴開け装置を支持するための支柱部として兼用することができる。そのため、穴開け装置用の支柱部を設置する手間を省くことができる。
本発明のアンカー試験方法は、上記の供試体を用い、あと施工アンカーの引張り試験を行うアンカー試験方法であって、アンカー穴に定着されたアンカーボルトに所定の引張り荷重を付与した状態で、一対のブロック体の少なくとも一方を相互の離間方向に移動させて突合せ面の間隙を広げてゆき、アンカーボルトが抜けたところで、間隙の寸法を取得することを特徴とする。
この構成によれば、どの程度のひび割れまであと施工アンカーの引張り耐力が維持できるかの試験を容易に行うことができる。
本発明の他のアンカー試験方法は、上記の供試体を用い、あと施工アンカーの引張り試験を行うアンカー試験方法であって、一対のブロック体の少なくとも一方を相互の離接方向に移動させて突合せ面の間隙を所定値に調整した状態で、アンカー穴に定着されたアンカーボルトに引張り荷重を付与し、このときの、アンカーボルトの状態を取得することを特徴とする。

この構成によれば、定着体に所定の割れ幅のひび割れが生じたときのあと施工アンカーの引張り耐力の試験を容易に行うことができる。
本発明の一実施形態に係るアンカー試験装置を示した側面図である。 アンカー試験装置を示した平面図である。 アンカー試験装置を示したA‐A´線断面図である。 突合せ部の間隙を調整するときのアンカー試験装置を示したA‐A´線断面図である。 (a)は、目盛り板を示した図であり、(b)は、目盛り板廻りを示した正面図である。 アンカー試験装置による第1のアンカー試験を示した図である。 アンカー試験装置による第2のアンカー試験を示した図である。 アンカー試験装置の第1変形例を示した側面図である。 アンカー試験装置の第2変形例を示した模式図である。 アンカー試験装置の第3変形例を示した模式図である。 アンカー試験装置の第4変形例を示した模式図である。 第2実施形態に係るアンカー試験装置を示した側面図である。 第2実施形態に係るアンカー試験装置を示した平面図である。 第2実施形態に係るアンカー試験装置を示したB‐B´線断面図である。 突合せ部の間隙を調整するときの第2実施形態に係るアンカー試験装置を示したB‐B´線断面図である。 ブロック押え部材廻りを示した正面図(a)、右側面図(b)、左側面図(c)、平面図(d)および下面図(e)である。 ブロック押え部材を示した正面図(a)、右側面図(b)、左側面図(c)、平面図(d)および下面図(e)である。 第2実施形態に係るアンカー試験装置によるアンカー試験を示した第1図である。 第2実施形態に係るアンカー試験装置によるアンカー試験を示した第2図である。 第2実施形態に係るアンカー試験装置によるアンカー試験を示した第3図である。 第2実施形態に係るアンカー試験装置によるアンカー試験を示した第4図である。 第2実施形態に係るアンカー試験装置の変形例を示した模式図である。 第3実施形態に係るアンカー試験装置を示した側面図である。 第3実施形態に係るアンカー試験装置を示した平面図である。 第3実施形態に係るアンカー試験装置を示したC‐C´線断面図である。 第3実施形態におけるコンクリート供試体を示した側面図(a)および正面図(b)である。 突合せ部の間隙を調整するときの第3実施形態に係るアンカー試験装置を示したC‐C´線断面図である。 (a)は、第1セット部および第2セット部を示した正面図であり、(b)は、軸受け部を示した正面図である。 第3実施形態における支持ベースを示した平面図である。 第3実施形態に係るアンカー試験装置によるアンカー試験を示した第1図である。 第3実施形態に係るアンカー試験装置によるアンカー試験を示した第2図である。 セット補助部材を取り付けた状態の第3実施形態に係るアンカー試験装置を示した側面図である。 突合せ部から所定量位置ズレした位置にアンカー穴が形成された第3実施形態に係るアンカー試験装置を示したC‐C´線断面図である。
[第1実施形態]
以下、添付の図面を参照し、本発明の一実施形態に係る供試体、アンカー試験装置およびアンカー試験方法について説明する。実施形態では、供試体、アンカー試験装置およびアンカー試験方法を適用したアンカー試験装置を例示する。このアンカー試験装置は、あと施工アンカーの引張り試験を行うものであり、コンクリート供試体(供試体)にアンカーボルトを定着させ、その引張り試験を行うものである。特に、本アンカー試験装置は、一対のブロック体から成るコンクリート供試体を用い、これによって、コンクリート(定着体)にひび割れが生じたときのあと施工アンカーの引張り耐力に係る試験を行うものである。なお、「アンカーボルト」の語は、以下、あと施工アンカーにおいて、構造物を支持するためにコンクリートに埋め込まれる部材の総称として用いるものとする。また、「あと施工アンカー」の語は、アンカーボルトとこれが定着されるアンカー穴とから成るものとする。
図1ないし図3に示すように、アンカー試験装置1は、コンクリート供試体Cを保持する供試体保持部2と、コンクリート供試体Cに定着されたアンカーボルトBに引張り荷重を付与する荷重付与部3と、を備えている。
本アンカー試験装置1に用いられるコンクリート供試体Cは、定着体を成す一対のブロック体C1、C2によって構成されている。各ブロック体C1、C2は、立方体形状のコンクリートブロックで構成させたブロック本体16と、接着剤を介してブロック本体16を保持する側面視「L」字状のブロックホルダー17とで構成されている。すなわち、ブロック本体16は、ブロックホルダー17に対し接着され取り付けられている。そして、一対のブロック体C1、C2のブロック本体16同士の突合せ部11は、すり合わせによる界面(突合せ面)となっており、疑似的なひび割れを成している。このような構成により、本コンクリート供試体Cは、ひび割れが生じたコンクリート(定着体)の代わりとして機能する。
そして、図3に示すように、突合せ部11の中央(左右方向中央)には、アンカーボルトBが埋め込まれるアンカー穴12が、一対のブロック体C1、C2を跨いで形成される。同図に示すように、このアンカー穴12には、アンカーボルトBが埋め込まれ(定着され)、これによって、あと施工アンカーが構成される。なお、このアンカー試験装置1では、金属拡張アンカーおよび接着系アンカーの試験が可能であるが、本例では、試験対象となるアンカーボルトBとして、コーンB1によりスリーブB2の先端部を径方向に押し広げるスリーブ打込み型の金属拡張アンカーを用いるものとする。また、アンカー穴12は、いわゆる拡底のアンカー穴とする。
図1ないし図3に示すように、荷重付与部3(各図では一部のみ図示)は、アンカー穴12に定着されたアンカーボルトBの、コンクリート供試体Cからの突出部分に取り付けられ、アンカーボルトBに対し引張り荷重を付与する。すなわち、荷重付与部3は、アンカーボルトBを引抜き方向(本例では上方)に引っ張り、ユーザーが所望する引張り荷重を与える。なお、荷重付与部3は、油圧式等の一般的な荷重付与装置で構成されている。
一方、供試体保持部2は、コンクリート供試体Cを成す一対のブロック体C1、C2を、その突合せ部11の間隙L(図4参照)を調整自在に保持する。なお、供試体保持部2は、一対のブロック体C1、C2のうちの一方のブロック体C1を、他方のブロック体C2に対し離接させて当該間隙Lを調整する構成となるが、以下、この一方のブロック体C1を「可動側ブロック体」と呼称し、他方のブロック体C2を「固定側ブロック体」と呼称する。
具体的には、供試体保持部2は、一対のブロック体C1、C2がセットされる供試体セット部21と、供試体セット部21を介して可動側ブロック体C1を移動させ、上記突合せ部11の間隙Lを調整する間隙調整部22と、供試体セット部21および間隙調整部22を支持する支持ベース23(支持ベース部)と、を備えている。なお、支持ベース23は、供試体セット部21および間隙調整部22に加え、供試体セット部21にセットされたコンクリート供試体Cを支持している。
供試体セット部21は、可動側ブロック体C1がセットされる立板状の可動側セット部31(第2セット部)と、固定側ブロック体C2がセットされる立板状の固定側セット部32(第1セット部)と、を備えている。可動側ブロック体C1および固定側ブロック体C2は、可動側セット部31および固定側セット部32に、それぞれ着脱自在にネジ止めされる。すなわち、可動側ブロック体C1および固定側ブロック体C2には、そのブロックホルダー17に複数の雌ネジが形成され、可動側セット部31および固定側セット部32に形成した複数のバカ穴を介して雌ネジに螺合したボルトにより、可動側ブロック体C1が可動側セット部31に、固定側ブロック体C2が固定側セット部32にそれぞれ着脱可能に取り付けられている。そして、一対のブロック体C1、C2は、可動側セット部31および固定側セット部32によって、相互に突き合わせられた状態でセットされる。すなわち、一対のブロック体C1、C2は、相互に近づけられ且つ相互に向い合わされた状態でセットされる。
固定側セット部32は、背面側に、固定側セット部32を支える補強用の一対のリブ33が固定されると共に、支持ベース23に固定(溶接)されている。一方、可動側セット部31は、背面側に、後述のスライド軸部61が連結されると共に、支持ベース23に移動自在(摺動自在)に支持されている。より言えば、可動側セット部31は、前後方向にスライド自在に構成されている。本実施形態では、この前後方向が、可動側ブロック体C1と固定側ブロック体C2との相互の離接方向となっており、可動側セット部31は、当該離接方向にスライド自在に構成されている。
支持ベース23は、板状のベース本体41と、ベース本体41を支える4本の脚部42と、を備えている。各脚部42の下端部には、アジャストボルト等が設けられており、4本の脚部42により、ベース本体41が水平調整可能に構成されている。ベース本体41は、可動側セット部31および固定側セット部32について、固定側セット部32を固定とし、可動側セット部31を前後方向(上記離接方向)にスライド自在(進退動自在)に支持している。さらに言えば、ベース本体41は、固定側セット部32に加え、固定側セット部32にセットされた固定側ブロック体C2を支持し、可動側セット部31に加え、可動側ブロック体C1を前後方向にスライド自在に支持している。
また、図2および図3に示すように、ベース本体41の可動側セット部31および可動側ブロック体C1が移動する領域には、可動側セット部31および可動側ブロック体C1とベース本体41との間の摩擦を軽減すべく、3つの切欠き開口43(抜き孔)が形成されている。厳密には、3つの切欠き開口43によって、前後方向に延び且つ左右方向の離間した2か所の支持部分44を除き、ベース本体41が切り欠かれている。その結果、支持ベース23は、可動側セット部31および可動側ブロック体C1を、左右方向の離間した2か所のみでスライド自在に支持している。すなわち、支持ベース23は、可動側セット部31および可動側ブロック体C1を、上記離接方向にスライド自在に、且つ上記離接方向に直交する方向の離間した2か所のみで支持している。これにより、低摩擦で可動側セット部31および可動側ブロック体C1がスライドするようになっている。
図1ないし図3に示すように、間隙調整部22は、可動側セット部31を移動させる移動機構51と、可動側セット部31を、固定側セット部32に対する離間方向に付勢する付勢機構52と、を備えている。
移動機構51は、可動側セット部31に連結(この場合は溶接)された円柱状のスライド軸部61と、スライド軸部61の軸心部に螺合するネジ軸62と、ネジ軸62の後端に取り付けられた回転ハンドル63と、スライド軸部61およびネジ軸62を支持する軸受け部64と、を備えている。また、移動機構51は、リング状の支持部材66を介してネジ軸62に固定された指針67と、軸受け部64に取り付けられ、指針67と対峙する目盛り板65と、を備えている。なお、突合せ部11の間隙Lを調整する「回転操作部」は、ネジ軸62および回転ハンドル63により構成されている。
軸受け部64は、スライド軸部61を支持する第1軸受け部71と、スライド軸部61と同軸上で、ネジ軸62を支持する第2軸受け部72と、を有している。第1軸受け部71は、スライド軸部61を、軸方向である前後方向に移動自在に支持している。一方、第2軸受け部72は、スラストベアリング72aを内蔵し、ネジ軸62を回転自在に支持している。
スライド軸部61は、可動側セット部31に連結されると共に、その軸心部に、ネジ軸62と螺合する雌ネジ61aが形成されている。一方、ネジ軸62は、スライド軸部61と同軸上に配設され、前端部に、スライド軸部61の雌ネジ61aに螺合する雄ネジ62aが形成されており、後端に、回転ハンドル63が取り付けられている。スライド軸部61に形成された雌ネジ61aと、ネジ軸62に形成された雄ネジ62aとから成るネジ機構は、回転操作部62、63の回転をスライド軸部61の進退動に変換する動力変換部を成す。
この構成において、人手で回転ハンドル63を回転させると、図4に示すように、回転ハンドル63が取り付けられたネジ軸62が回転し、これに螺合したスライド軸部61を介して可動側セット部31が前後方向に移動する。この可動側セット部31の移動によって、可動側ブロック体C1が上記離接方向に移動し、固定側ブロック体C2に対して離接する。これによって、一対のブロック体C1、C2の突合せ部11の間隙Lが調整される。このように、回転ハンドル63の操作によって、突合せ部11の間隙Lを調整自在に構成されている。
図5に示すように、目盛り板65は、円板リング状に形成されており、外周縁に、上記突合せ部11の間隙Lを示す目盛り65aが印刷や刻設等により表示されている。一方、指針67は、リング状の支持部材66を介してネジ軸62に固定され、目盛り板65の目盛り65aに対峙する。よって、ネジ軸62が回転すると、指針67は、目盛り板65上の目盛り65aに沿って円軌道で移動し、目盛り65a上の間隙Lの値を指し示す構成となっている。目盛り65aの各値は、ネジ軸62の回転に伴って変動する実際の間隙Lに対応したものであり、上記ネジ機構(スライド軸部61の雌ネジ61aおよびネジ軸62の雄ネジ62a)のネジピッチから割り出したものである。そのため、指針67が指し示した目盛り65aを見ることで、現在の突合せ部11の間隙Lが分かるようになっている。なお、本実施形態では、ネジ機構のネジピッチは、0.5mmピッチである。そのため、ネジ軸62の1回転が間隙Lの0.5mmに相当し、これに合わせて目盛り65a上の値が設定されている。
なお、目盛り板65は、軸受け部64に対し人手で回転自在に取り付けられており、指針67に対する目盛り65aのゼロ位置を調整自在に構成されている。すなわち、本実施形態では、アンカー試験を行うときに、突合せ部11の間隙Lをゼロにした状態で、指針67が目盛り板65の目盛り65aのゼロ位置(目盛り65aのゼロの位置)に来るように目盛り板65の回転位置を調整する構成となっている。
図1ないし図3に示すように、付勢機構52は、左右一対の付勢バネ81と、固定側セット部32の左右に取り付けられた一対の固定側バネ受け部82と、可動側セット部31の左右に取り付けられた一対の可動側バネ受け部83と、一対の付勢バネ81をそれぞれ巻装する一対の巻装軸84と、を備えている。
各巻装軸84は、一端部が、各固定側バネ受け部82に固定され、他端部が、各可動側バネ受け部83の挿通孔(図示省略)に挿通されている。一方、各付勢バネ81は、各巻装軸84に巻装されると共に、一端が、各固定側バネ受け部82に係止され、他端が、各可動側バネ受け部83に係止されている。これによって、各付勢バネ81は、可動側セット部31を、固定側セット部32に対する離間方向に付勢している。この各付勢バネ81の付勢により、可動側ブロック体C1を固定側ブロック体C2に対する離間方向に移動させてゆくときの回転ハンドル63を回す力を補助すると共に、上記ネジ機構のバックラッシュ(はめ合いの隙間)を除去する。
ここで図6を参照して、コンクリート供試体Cを用いた、アンカー試験装置1による第1のアンカー試験(アンカー試験方法)について説明する。第1のアンカー試験は、あと施工アンカーの引張り試験であり、具体的には、どの程度のひび割れまで、あと施工アンカー(アンカーボルトBおよびアンカー穴12)の引張り耐力が維持できるかを試験するものである。また、図6(a)に示すように、本アンカー試験は、一対のブロック体C1、C2を各セット部31、32にセットし、間隙調整部22によって突合せ部11の間隙Lをゼロにし、目盛り板65のゼロ位置調整を行い、アンカー穴12を穿孔すると共にアンカー穴12にアンカーボルトBを定着させ(打込む)、アンカーボルトBに荷重付与部3を取り付けた状態で行われるものとする。
第1のアンカー試験では、まず、図6(b)に示すように、荷重付与部3により、アンカーボルトBに対し所定の引張り荷重を付与する。すなわち、本アンカー試験において必要な値の引張り荷重を、アンカー穴12に定着されたアンカーボルトBに付与する。
荷重付与部3によってアンカーボルトBに引張り荷重を付与したら、図6(c)に示すように、引張り荷重を付与した状態のまま、間隙調整部22によって上記突合せ部11の間隙Lを広げてゆく。すなわち、引張り荷重を付与した状態で、人手で回転ハンドル63を回転し、可動側セット部31を固定側セット部32に対する離間方向に移動させてゆく。これによって、可動側ブロック体C1を、固定側ブロック体C2に対する離間方向に移動させてゆき、突合せ部11の間隙Lを広げてゆく。そして、当該間隙Lが広がってゆき、荷重付与部3による引張り荷重によって、アンカーボルトBがコンクリート供試体Cから抜けたら、回転ハンドル63の回転を停止する。その後、指針67が指し示した目盛り65a上の値を読み取り、このときの突合せ部11の間隙L(間隙Lの寸法)を取得する。ここで取得した間隙Lは、あと施工アンカーの引張り耐力が維持できる境界値である。そのため、これによって、どの程度のひび割れまであと施工アンカーの引張り耐力が維持できるかが分かる。これにより、本アンカー試験を終了する。
次に図7を参照して、コンクリート供試体Cを用いた、アンカー試験装置1による第2のアンカー試験(アンカー試験方法)について説明する。第2のアンカー試験は、あと施工アンカーの引張り試験であり、具体的には、コンクリート(定着体)に所定の割れ幅のひび割れが生じたときのあと施工アンカーの引張り耐力を試験するものである。また、図7(a)に示すように、本アンカー試験は、一対のブロック体C1、C2を各セット部31、32にセットし、間隙調整部22によって突合せ部11の間隙Lをゼロにし、目盛り板65のゼロ位置調整を行い、アンカー穴12を穿孔すると共にアンカー穴12にアンカーボルトBを定着させ、アンカーボルトBに荷重付与部3を取り付けた状態で行われるものとする。
第2のアンカー試験では、まず、図7(b)に示すように、間隙調整部22によって、可動側ブロック体C1を、固定側ブロック体C2に対する離間方向に移動させて、上記突合せ部11の間隙Lを所定値に調整する。すなわち、人手で回転ハンドル63を回転し、可動側セット部31を固定側セット部32に対する離間方向に移動させる。これによって、可動側ブロック体C1を、固定側ブロック体C2に対する離間方向に移動させ、指針67が指し示す目盛り65aの値が、目的の値(目的の間隙L)となったら、回転ハンドル63の回転を停止する。これにより、上記突合せ部11の間隙Lを目的の間隙Lに調整する。
突合せ部11の間隙Lを調整したら、図7(c)に示すように、その状態のまま、荷重付与部3により、アンカーボルトBに対し引張り荷重を付与する。すなわち、突合せ部11の間隙Lを所定値に調整した状態で、本アンカー試験において必要な値の引張り荷重を、アンカー穴12に定着されたアンカーボルトBに付与する。そして、このとき、荷重付与部3による引張り荷重によって、アンカーボルトBがコンクリート供試体Cから抜けたか否か(アンカーボルトBの状態)を取得する。このアンカーボルトBがコンクリート供試体Cから抜けたか否かの状態は、コンクリートに所定の割れ幅のひび割れが生じたときにあと施工アンカーの引張り耐力が維持できるか否かを示すものである。そのため、これによって、コンクリートに所定の割れ幅のひび割れが生じたときのあと施工アンカーの引張り耐力が分かる。これにより、本アンカー試験を終了する。
なお、上記実施形態においては、目盛り板65と指針67とによって、突合せ部11の間隙Lを表示する構成であったが、図8に示すように、ロータリーエンコーダー93と、これに接続された表示器94とによって、突合せ部11の間隙Lを表示する構成であっても良い。具体的には、移動機構51が、目盛り板65、支持部材66および指針67に代え、スリット円板91およびフォトインタラプター92から成るロータリーエンコーダー93と、ロータリーエンコーダー93に接続された表示器94と、を備える。そして、ロータリーエンコーダー93によって、ネジ軸62の回転量を検出し、表示器94によって、ロータリーエンコーダー93の検出結果(ネジ軸62の回転量)に基づいた突合せ部11の間隙Lを表示する構成とする。かかる場合、表示器94に、ゼロ点調整を行うためのゼロリセットボタン94aを設け、突合せ部11の間隙Lをゼロにした状態で、当該ゼロリセットボタン94aを押して、ゼロ点調整を行う構成とする。
また、図9に示すように、可動側セット部31に当接する電気マイクロメーター96(マイクロヘッド)と、これに接続された表示器94とによって、突合せ部11の間隙Lを表示する構成であっても良い。具体的には、移動機構51が、目盛り板65、支持部材66および指針67に代え、可動側セット部31の背面に測定端を当接させた電気マイクロメーター96と、電気マイクロメーター96に接続された表示器94と、を備える。そして、電気マイクロメーター96によって、可動側セット部31の移動位置を検出し、表示器94によって、電気マイクロメーター96の検出結果(可動側セット部31の移動位置)に基づいた突合せ部11の間隙Lを表示する構成とする。かかる場合も、表示器94に、ゼロ点調整を行うためのゼロリセットボタン94aを設け、これにより、ゼロ点調整を行う構成とする。
さらに、図10に示すように、一対のブロック体C1、C2に固定された反射型レーザーセンサー97と、これに接続された表示器94とによって、突合せ部11の間隙Lを表示する構成であっても良い。具体的には、移動機構51が、目盛り板65、支持部材66および指針67に代え、固定側ブロック体C2に固定されたセンサーヘッド98、および可動側ブロック体C1に固定された反射板99から成る反射型レーザーセンサー97と、反射型レーザーセンサー97に接続された表示器94と、を備える。そして、反射型レーザーセンサー97によって、固定側ブロック体C2に対する可動側ブロック体C1の位置を検出し、表示器94によって、反射型レーザーセンサー97の検出結果に基づいた突合せ部11の間隙Lを表示する構成とする。かかる場合も、表示器94に、ゼロ点調整を行うためのゼロリセットボタン94aを設け、これにより、ゼロ点調整を行う構成とする。
またさらに、上記実施形態においては、一対のブロック体C1、C2のうちの一方のみを移動させて、突合せ部11の間隙Lを調整する構成であったが、一対のブロック体C1、C2の両方を、相互の離接方向に移動させて、突合せ部11の間隙Lを調整する構成であっても良い。例えば、図11の模式図に示すように、組合せネジ機構によって、各セット部31、32をそれぞれ進退動させ、一対のブロック体C1、C2の両方を、相互の離接方向に移動させる構成であっても良い。
具体的には、図11に示すように、本変形例では、供試体セット部21のセット部31、32が、支持ベース23に対し前後方向(上記離接方向)にスライド自在に構成されている。また、移動機構51が、前後2つの雄ネジ101aが形成されたネジ軸101(雄ネジ部材)と、各セット部31、32に連結され、ネジ軸101の各雄ネジ101aに螺合する一対の雌ネジ部材102と、ネジ軸101に固定された第1カサ歯車103と、第1カサ歯車103と噛合する第2カサ歯車104と、第2カサ歯車104の軸部に取り付けられた回転ハンドル105と、を備えている。さらに、ネジ軸101の一方の雄ネジ101aは、左ネジで形成され、一方の雌ネジ部材102に形成された雌ネジと螺合し(左ネジ機構)、ネジ軸101の他方の雄ネジ101aは、右ネジで形成され、他方の雌ネジ部材102に形成された雌ネジと螺合する(右ネジ機構)。
かかる構成によれば、人手で回転ハンドル105を回転させると、第2カサ歯車104が回転し、これに噛合する第1カサ歯車103を介して、ネジ軸101が回転する。そして、このネジ軸101の回転により、各雄ネジ101aおよび各雌ネジ部材102を介して、各セット部31、32が相互に異なる方向に進退動し、各セット部31、32にセットされた一対のブロック体C1、C2が相互の離接方向に移動する。このように、回転ハンドル105の操作によって、一対のブロック体C1、C2を相互の離接方向に移動させることができ、突合せ部11の間隙Lを調整することができる。
なお、各アンカー試験において、一対のブロック体C1、C2を各セット部31、32にセットした後に、一対のブロック体C1、C2にアンカー穴12を形成する構成であっても良い。また、上記実施形態においては、一対のブロック体C1、C2を各セット部31、32にセットした後に、アンカー穴12に対するアンカーボルトBの定着を行う構成であったが、一対のブロック体C1、C2を各セット部31、32にセットする前に、アンカー穴12に対するアンカーボルトBの定着を行う構成であっても良い。
また、上記実施形態においては、第2のアンカー試験において、荷重付与部3による引張り荷重を変えず、固定の引張り荷重を付与したときに、アンカーボルトBがコンクリート供試体Cから抜けるか否かを取得する構成であったが、付与する引張り荷重を大きくしてゆき、アンカーボルトBがコンクリート供試体Cから抜けたところで、そのときの引張り荷重を取得する構成であっても良い。
[第2実施形態]
次に図12ないし図21を参照して、本発明の第2実施形態に係るアンカー試験装置201について説明する。このアンカー試験装置201は、第1実施形態と同様、あと施工アンカーの引張り試験を行うものであり、コンクリート供試体C(供試体)にアンカーボルトBを定着させ、その引張り試験を行うものである。
図12ないし図14に示すように、アンカー試験装置201は、コンクリート供試体Cを保持する供試体保持部202と、コンクリート供試体Cに定着されたアンカーボルトBに引張り荷重を付与する荷重付与部203と、を備えている。なお、コンクリート供試体CおよびアンカーボルトBについては、第1実施形態と同様のものを用いるため、説明を省略するものとする。
荷重付与部203(各図では一部のみ図示)は、アンカー穴12に定着されたアンカーボルトBの、コンクリート供試体Cからの突出部分に取り付けられ、アンカーボルトBに対し引張り荷重を付与する。すなわち、荷重付与部203は、アンカーボルトBを引抜き方向(本例では上方)に引っ張り、ユーザーが所望する引張り荷重を与える。第2実施形態では、荷重付与部203は、アンカーボルトBに引張り荷重を付与する本体部203aと、支持ベース223(後述する)に立設され、本体部203aが固定される4本の支柱部203bと、を備え、支持ベース223を支えにして、アンカーボルトBを引っ張る構成となっている。すなわち、荷重付与部203は、コンクリート供試体Cを跨ぐように、支持ベース223に載置固定されている。なお、荷重付与部203は、油圧式等の一般的な荷重付与装置で構成されている。また、荷重付与部203の4本の支柱部203bは、アンカー穴12を形成する穴開け装置281を取付け可能に構成されており、アンカー穴12形成時の穴開け装置281の支持にも利用される。
一方、供試体保持部202は、コンクリート供試体Cを成す一対のブロック体C1、C2(可動側ブロック体C1および固定側ブロック体C2)を、その突合せ部11の間隙L(図15参照)を調整自在に保持する。具体的には、供試体保持部202は、一対のブロック体C1、C2がセットされる供試体セット部221と、供試体セット部221を介して可動側ブロック体C1を移動させ、上記突合せ部11の間隙Lを調整する間隙調整部222と、供試体セット部221および間隙調整部222を支持する支持ベース223(支持ベース部)と、を備えている。なお、支持ベース223は、供試体セット部221および間隙調整部222に加え、供試体セット部221にセットされたコンクリート供試体Cを支持している。
供試体セット部221は、可動側ブロック体C1がセットされる立板状の可動側セット部231(第2セット部)と、固定側ブロック体C2がセットされる立板状の固定側セット部232(第1セット部)と、を備えている。また、第2実施形態では、供試体セット部221は、これらに加え、各セット部231、232にそれぞれ取り付けられ、各ブロック体C1、C2の位置ズレを防止する一対のブロック押え部材233と、一対のブロック体C1、C2の突合せ部11の間隙Lを検出し表示する間隙検出表示部234と、を備えている。可動側ブロック体C1および固定側ブロック体C2は、可動側セット部231および固定側セット部232に、それぞれ着脱自在にネジ止めされる。すなわち、可動側ブロック体C1および固定側ブロック体C2には、そのブロックホルダー17に複数の雌ネジが形成され、可動側セット部231および固定側セット部232に形成した複数のバカ穴を介して雌ネジに螺合したボルトにより、可動側ブロック体C1が可動側セット部231に、固定側ブロック体C2が固定側セット部232にそれぞれ着脱可能に取り付けられている。そして、一対のブロック体C1、C2は、可動側セット部231および固定側セット部232によって、相互に突き合わせられた状態でセットされる。すなわち、一対のブロック体C1、C2は、相互に近づけられ且つ相互に向い合わされた状態でセットされる。
固定側セット部232は、背面側に、固定側セット部232を支える補強用の一対のリブ235が固定されると共に、支持ベース223に固定(溶接)されている。一方、可動側セット部231は、背面側に、後述のスライド軸部261および4本のガイド軸部265が連結されると共に、支持ベース223に移動自在(摺動自在)に支持されている。より言えば、可動側セット部231は、前後方向にスライド自在に構成されている。本実施形態では、この前後方向が、可動側ブロック体C1と固定側ブロック体C2との相互の離接方向となっており、可動側セット部231は、当該離接方向にスライド自在に構成されている。
図16および図17に示すように、各ブロック押え部材233は、各ブロック体C1、C2を囲うように形成され、当該各ブロック体C1、C2を、押えネジ237によって上および左右から押える。具体的には、各ブロック押え部材233は、ブロック体C1、C2を囲う角「U」字状の角U字部材236と、角U字部材236に取り付けられ、ブロック体C1、C2を押える6つの押えネジ237と、角U字部材236をセット部231、232に取り付けるための4つの固定ネジ238と、を備えている。
角U字部材236は、ブロック体C1、C2の側面に対向する左右一対の側壁236aと、ブロック体C1、C2の上面に対向する天壁236bと、により構成されている。各側壁236aには、セット部231、232に対向する部分に、2つの固定ネジ238を挿通する2つのバカ穴が形成され、ブロック体C1、C2に対向する部分に、押えネジ237が螺合する2つのネジ穴が形成されている(いずれも図示省略)。各側壁236aの上記2つのバカ穴を介して、セット部231、232上に形成されたネジ穴(図示省略)に各固定ネジ238を螺合することで、ブロック押え部材233をセット部231、232に固定する。一方、各側壁236aの上記各ネジ穴に押えネジ237を締め付けることで、押えネジ237の先端がブロック体C1、C2(ブロック本体16)に当接し、ブロック体C1、C2を左右から押さえる構成となっている。
なお、押えネジ237のみがブロック体C1に接触するように、各側壁236aは、セット部231、232に対向する部分に対し、ブロック体C1、C2に対向する部分が薄厚に形成されている。すなわち、ブロック押え部材233をセット部231、232に固定したとき、ブロック体C1、C2と側壁236aとの間に間隙が生じるように形成されている。これによって、側壁236aは接触せず、押えネジ237のみがブロック体C1、C2に接触するようになっている。
一方、天壁236bは、ブロック体C1、C2に対向する部分に、押えネジ237が螺合する2つのネジ穴が形成されている(図示省略)。この2つのネジ穴に押えネジ237を締め付けることで、押えネジ237の先端がブロック体C1、C2(ブロック本体16)に当接し、ブロック体C1、C2を上から押さえる構成となっている。なお、天壁236bは、固定ネジ238によってブロック押え部材233をセット部232に固定したとき、ブロック体C1、C2と天壁236bとの間に間隙が生じるように形成されている。これによって、天壁236bは接触せず、押えネジ237のみがブロック体C1、C2に接触するようになっている。
図12および図13に示すように、間隙検出表示部234は、一対のブロック押え部材233上に取り付けられた透過型レーザーセンサー239と、これに接続された表示器240と、を備えている。透過型レーザーセンサー239は、固定側ブロック体C2側のブロック押え部材233上に配設された発光部239aと、可動側ブロック体C1側のブロック押え部材233上に配設された受光部239bと、を有し、発光部239aからの光を受光部239bで受光して、発光部239aから受光部239bまでの距離を検出する。一方、表示器240は、透過型レーザーセンサー239の検出結果に基づいた突合せ部11の間隙Lを表示する。なお、上記した変形例と同様、表示器240に、ゼロ点調整を行うためのゼロリセットボタン240aを設け、これにより、ゼロ点調整を行う構成とする。
図12ないし図14に示すように、支持ベース223は、板状のベース本体241と、ベース本体241を支える4本の脚部242と、を備えている。各脚部242の下端部には、アジャストボルト等が設けられており、4本の脚部242により、ベース本体241が水平調整可能に構成されている。ベース本体241は、可動側セット部231および固定側セット部232について、固定側セット部232を固定とし、可動側セット部231を前後方向(上記離接方向)にスライド自在(進退動自在)に支持している。さらに言えば、ベース本体241は、固定側セット部232に加え、固定側セット部232にセットされた固定側ブロック体C2を支持し、可動側セット部231に加え、可動側ブロック体C1を前後方向にスライド自在に支持している。
また、図13および図14に示すように、ベース本体241の可動側セット部231および可動側ブロック体C1が移動する領域には、可動側セット部231および可動側ブロック体C1とベース本体241との間の摩擦を軽減すべく、3つの切欠き開口243が形成されている。厳密には、3つの切欠き開口243によって、前後方向に延び且つ左右方向の離間した2か所の支持部分244を除き、ベース本体241が切り欠かれている。その結果、支持ベース223は、可動側セット部231および可動側ブロック体C1を、左右方向の離間した2か所のみでスライド自在に支持している。すなわち、支持ベース223は、可動側セット部231および可動側ブロック体C1を、上記離接方向にスライド自在に、且つ上記離接方向に直交する方向の離間した2か所のみで支持している。
図12ないし図14に示すように、間隙調整部222は、可動側セット部231に連結された円柱状のスライド軸部261と、スライド軸部261の軸心部に螺合するネジ軸262と、ネジ軸262の後端に取り付けられた回転ハンドル263と、スライド軸部261およびネジ軸262を支持する軸受け部264と、を備えている。また、第2実施形態では、間隙調整部222は、これらに加え、可動側セット部231に連結された4本の円柱状のガイド軸部265を有している。なお、突合せ部11の間隙Lを調整する「回転操作部」は、ネジ軸262および回転ハンドル263により構成されている。
軸受け部264は、4本のガイド軸部265およびスライド軸部261を支持する立板状の第1軸受け部271と、スライド軸部261を支持する第2軸受け部272と、スライド軸部261と同軸上で、ネジ軸262を支持する第3軸受け部273と、を有している。
第1軸受け部271は、4つのボールスプライン(図示省略)を内蔵し、4つのボールスプラインにより4本のガイド軸部265をそれぞれ軸方向である前後方向に移動自在に支持していると共に、スライド軸部261を軸方向である前後方向に移動自在に支持している。第2軸受け部272は、第1軸受け部271と共に、スライド軸部261を前後方向に移動自在に支持している。第3軸受け部273は、スラストベアリング273aを内蔵し、ネジ軸262を回転自在に支持している。
スライド軸部261は、可動側セット部231に連結されると共に、その軸心部に、ネジ軸262と螺合する雌ネジ261aが形成されている。一方、ネジ軸262は、スライド軸部261と同軸上に配設され、前端部に、スライド軸部261の雌ネジ261aに螺合する雄ネジ262aが形成されており、後端に、回転ハンドル263が取り付けられている。スライド軸部261に形成された雌ネジ261aと、ネジ軸262に形成された雄ネジ262aとから成るネジ機構は、回転操作部262、263の回転をスライド軸部261の進退動に変換する動力変換部を成す。
この構成において、人手で回転ハンドル263を回転させると、図15に示すように、回転ハンドル263が取り付けられたネジ軸262が回転し、これに螺合したスライド軸部261を介して可動側セット部231が前後方向に移動する。この可動側セット部231の移動によって、可動側ブロック体C1が上記離接方向に移動し、固定側ブロック体C2に対して離接する。これによって、一対のブロック体C1、C2の突合せ部11の間隙Lが調整される。このように、回転ハンドル263の操作によって、突合せ部11の間隙Lを調整自在に構成されている。なお、スライド軸部261の基端部は、可動側セット部231の背面に形成した有底穴に嵌合され、溶接あるいはネジ止めされる構成で、可動側セット部231に連結されていることが好ましい。
図12ないし図14に示すように、4本のガイド軸部265は、可動側セット部231に連結されていると共に、相互に離間して配設されている。具体的には、4本のガイド軸部265は、スライド軸部261を囲うように可動側セット部231の四隅にそれぞれ配設されている。そして、各ガイド軸部265は、前後方向に延びており、第1軸受け部271と協働して、可動側セット部231およびスライド軸部261の前後方向の平行移動をガイドする。この4本のガイド軸部265および第1軸受け部271によって、可動側セット部231およびスライド軸部261の直進性を向上させ、可動側セット部231およびスライド軸部261の前後方向の高精度の平行移動をスムーズに行うことができるようにしている。特に、アンカー試験の際に、可動側ブロック体C1が微小に傾くのを防止している。なお、スライド軸部261と同様に、ガイド軸部265の基端部は、可動側セット部231の背面に形成した有底穴に嵌合され、溶接あるいはネジ止めされる構成で、可動側セット部231に連結されていることが好ましい。
ここで図18ないし図21を参照して、コンクリート供試体Cを用いた、アンカー試験装置201によるアンカー試験(アンカー試験方法)について説明する。このアンカー試験は、あと施工アンカーの引張り試験であり、具体的には、どの程度のひび割れまで、あと施工アンカー(アンカーボルトBおよびアンカー穴12)の引張り耐力が維持できるかを試験するものである。第2実施形態のアンカー試験では、ブロック本体16とブロックホルダー17との間の接着剤が硬化する前に、ブロック本体16同士を押圧接触させて、突合せ面同士が密接されるように矯正する構成となっている。また、図18(a)に示すように、本アンカー試験は、可動側セット部231を前方(固定側セット部232に対する離間方向)に移動し、各ブロック体C1、C2のブロックホルダー17を各セット部231、232に取り付け、且つ各ブロック体C1、C2のブロック本体16をブロックホルダー17に取り付けていない状態から行われるものとする。
アンカー試験では、まず、図18(b)に示すように、ブロックホルダー17の取付け面に接着剤を塗布し、ブロック本体16を取り付ける。このとき、接着剤を硬化せず、未硬化の状態にしておく。
ブロックホルダー17にブロック本体16を取り付けたら、図18(c)に示すように、接着剤が未硬化状態のまま、間隙調整部222によって、一対のブロック体C1、C2同士を押圧接触させる。すなわち、人手で回転ハンドル263を回転し、可動側セット部231を固定側セット部232に対する近接方向に移動して、一対のブロック体C1、C2同士を押圧接触させる(ブロック本体16同士を押圧接触させる)。すなわち、突合せ部11の突合せ面同士を押圧接触させる。これにより、一対のブロック体C1、C2の突合せ部11の間隙Lをゼロにする。また、接着剤が未硬化の状態で、突合せ面同士を押圧接触させることで、突合せ面同士が密接されるように矯正する。
一対のブロック体C1、C2同士を押圧接触させたら、図19(d)に示すように、一対のブロック押え部材233を取り付けて、一対のブロック体C1、C2を押える。すなわち、各固定ネジ238によって、各ブロック押え部材233を各セット部231、232に取り付け、各押えネジ237によって、各ブロック体C1、C2を上および左右から押える。これによって、各ブロック体C1、C2が動かないように固定する。
一対のブロック押え部材233を取り付け、一対のブロック体C1、C2を押えたら、ブロック本体16とブロックホルダー17との間の接着剤を硬化させる。このとき、突合せ部11の突合せ面同士を押圧接触させた状態になっているため、ブロック本体16は、突合せ部11の突合せ面同士を押圧接触させた状態で、接着剤により、ブロックホルダー17に接着固定される構成となる。なお、接着剤の硬化を、各ブロック押え部材233を取り付ける前に行う構成であっても良い。
接着剤を硬化させたら、図19(e)、(f)および図20(g)〜(i)に示すように、アンカー穴12を穿孔し、当該アンカー穴12にアンカーボルトBを定着させる(打込む)。具体的には、まず、図19(e)に示すように、荷重付与部203の4本の支柱部203bを、支持ベース223に取り付ける。そして、図19(f)に示すように、穴開け装置281を4本の支柱部203bに取り付け、一対のブロック体C1、C2を跨いでストレート穴を形成する。穴開け装置281は、電気ドリル282と、4本の支柱部203bに取り付けられ、電気ドリル282を支持するドリルガイド283と、から成り、電気ドリル282にストレート穴形成用のドリルビット284を取り付けて、ストレート穴を形成する。穴開け装置281によりストレート穴を形成したら、切粉を除去する。なお、ストレート穴の形成中に生じた切粉によって、ストレート穴の形成に不備が生じるのを避けるべく、ストレート穴の形成を複数回に分けて行い、都度、切粉を除去する構成であっても良い。
ストレート穴を形成し切粉を除去したら、図20(g)に示すように、形成したストレート穴に円柱状の受け部材285を投入する。当該受け部材285は、アンカー穴12の拡径部を形成するための拡径部形成用のドリルビット286を受ける部材である。すなわち、ストレート穴形成用のドリルビット284で形成したストレート穴は、底部がテーパー状になってしまうため、拡径部形成用のドリルビット286が安定せず、拡径部の形成に支障をきたしてしまう。そのため、本実施形態では、ストレート穴に円柱状の受け部材285を投入し、拡径部形成用のドリルビット286の先端を当該受け部材285に着座させることで、拡径部形成用のドリルビット286を安定させる構成となっている。
受け部材285を投入したら、図20(h)に示すように、電気ドリル282に拡径部形成用のドリルビット286を取り付け、ストレート穴に拡径部を形成する。すなわち、拡径部形成用のドリルビット286の先端を受け部材285に着座した状態で電気ドリル282を駆動し、拡径部を形成する。これによって、ストレート穴と拡径部とから成るアンカー穴12が形成される。なお、拡径部を形成する際、内径測定用キャリパーゲージ等の内径測定器によって、形成された拡径部の内径を確認することが好ましい。
アンカー穴12を形成したら、図20(i)に示すように、アンカー穴12にアンカーボルトBを定着させる。なお、本実施形態では、受け部材285を取り除いてアンカーボルトBを定着させる構成であるが、受け部材285を投入した状態のまま、アンカーボルトBを定着させる構成であっても良い。
アンカー穴12を穿孔しアンカー穴12にアンカーボルトBを定着させたら、図21(j)に示すように、アンカーボルトBに荷重付与部203を取り付ける。すなわち、荷重付与部203の本体部203aを、4本の支柱部203bに固定しつつ、アンカーボルトBに本体部203aを取り付ける。なお、ここまでの工程が、第2実施形態におけるアンカー試験の前工程となる。
アンカーボルトBに荷重付与部203を取り付けたら、図21(k)に示すように、荷重付与部203により、アンカーボルトBに対し所定の引張り荷重を付与する。すなわち、本アンカー試験において必要な値の引張り荷重を、アンカー穴12に定着されたアンカーボルトBに付与する。
荷重付与部203によってアンカーボルトBに引張り荷重を付与したら、ゼロリセットボタン240aを押して、間隙検出表示部234のゼロ点調整を行う。その後、図21(l)に示すように、引張り荷重を付与した状態のまま、間隙調整部222によって上記突合せ部11の間隙Lを広げてゆく。すなわち、引張り荷重を付与した状態で、人手で回転ハンドル263を回転し、可動側セット部231を固定側セット部232に対する離間方向に移動させてゆく。これによって、可動側ブロック体C1を、固定側ブロック体C2に対する離間方向に移動させてゆき、突合せ部11の間隙Lを広げてゆく。そして、当該間隙Lが広がってゆき、荷重付与部203による引張り荷重によって、アンカーボルトBがコンクリート供試体Cから抜けたら、回転ハンドル263の回転を停止する。その後、表示器240上の値を読み取り、このときの突合せ部11の間隙L(間隙Lの寸法)を取得する。これにより、本アンカー試験を終了する。
なお、上記第2実施形態においては、一対のブロック体C1、C2のうちの一方のみを移動させて、突合せ部11の間隙Lを調整する構成であったが、一対のブロック体C1、C2の両方を、相互の離接方向に移動させて、突合せ部11の間隙Lを調整する構成であっても良い。例えば、図22の模式図に示すように、組合せネジ機構によって、各セット部231、232をそれぞれ進退動させ、一対のブロック体C1、C2の両方を、相互の離接方向に移動させる構成であっても良い。
具体的には、図22に示すように、本変形例では、供試体セット部221の両セット部231、232が、各ブロック体C1、C2を載置すべく、側面視「L」字状に形成されている。また、両セット部231、232が、支持ベース223に対し前後方向(上記離接方向)にスライド自在に構成されている。一方、間隙調整部222が、前後2つの雄ネジ301aが形成されたネジ軸301(雄ネジ部材)と、ネジ軸301に取り付けられた回転ハンドル302と、両セット部231、232にそれぞれ連結され、前後方向に延びる各4本のガイド軸部303と、各4本のガイド軸部303をそれぞれ前後方向に移動自在に支持し、ネジ軸301を回転自在に支持する一対の軸受け部304と、を備えている。そして、ネジ軸301の一方の雄ネジ301aは、左ネジで形成され、一方のセット部231の底壁に形成された雌ネジと螺合する(左ネジ機構)。一方、ネジ軸301の他方の雄ネジ301aは、右ネジで形成され、他方のセット部232の底壁に形成された雌ネジと螺合する(右ネジ機構)。
かかる構成によれば、人手で回転ハンドル302を回転させると、回転ハンドル302が取り付けられたネジ軸301が回転する。そして、このネジ軸301の回転により、各雄ネジ301aおよび各セット部231、232の底壁に形成された各雌ネジを介して、各セット部231、232が相互に異なる方向に進退動し、各セット部231、232にセットされた一対のブロック体C1、C2が相互の離接方向に移動する。このように、回転ハンドル302の操作によって、一対のブロック体C1、C2を相互の離接方向に移動させることができ、突合せ部11の間隙Lを調整することができる。
なお、上記第2実施形態においては、透過型レーザーセンサー239および表示器240によって、突合せ部11の間隙Lを表示する構成であったが、第2実施形態のアンカー試験装置201が、第1実施形態と同様、上記目盛り板65および指針67を備え、これらによって、突合せ部11の間隙Lを表示する構成であっても良い。ひいては、第2実施形態のアンカー試験装置201が、第1実施形態の各変形例のように、ロータリーエンコーダー93と表示器94との組、電気マイクロメーター96と表示器94との組、もしくは、反射型レーザーセンサー97と表示器94との組を備え、これらによって突合せ部11の間隙Lを表示する構成であっても良い。
[第3実施形態]
次に図23ないし図32を参照して、本発明の第3実施形態に係るアンカー試験装置201について説明する。このアンカー試験装置401は、第1実施形態と同様、あと施工アンカーの引張り試験を行うものであり、コンクリート供試体C(供試体)にアンカーボルトBを定着させ、その引張り試験を行うものである。
図23ないし図25に示すように、アンカー試験装置401は、コンクリート供試体Cを保持する供試体保持部402と、コンクリート供試体Cに定着されたアンカーボルトBに引張り荷重を付与する荷重付与部403と、を備えている。
図26に示すように、本アンカー試験装置401に用いられるコンクリート供試体Cは、定着体を成す一対のブロック体C1、C2によって構成されている。第3実施形態では、各ブロック体C1、C2は、立方体形状のコンクリートブロックで構成させたブロック本体416と、ブロック本体416に埋設された7つのインサート417とで構成されている。各インサート417は、ブロック本体16をアンカー試験装置401に取り付ける(セットする)ために、ブロック本体416に埋設された雌ネジ部材である。7つのインサート417は、ブロック本体416の底面に2つ配設されると共に、ブロック本体416の背面(後述の突合せ面に対する反対の面)の5つ配設されている。具体的には、ブロック本体416の背面に配設された5つのインサート417は、背面の上部の左右方向中央部に1つ、右部の上下方向中央部に2つ、左部の上下方向中央部に2つ配設されている。
そして、一対のブロック体C1、C2のブロック本体16同士の突合せ部411は、すり合わせによる界面(突合せ面)となっており、疑似的なひび割れを成している。また、図25に示すように、突合せ部411の中央(左右方向中央)には、アンカーボルトBが埋め込まれるアンカー穴412が、一対のブロック体C1、C2を跨いで形成される。同図に示すように、このアンカー穴412には、アンカーボルトBが埋め込まれ(定着され)、これによって、あと施工アンカーが構成される。なお、このアンカー試験装置401では、金属拡張アンカーおよび接着系アンカーの試験が可能であるが、本例では、試験対象となるアンカーボルトBとして、コーンB1によりスリーブB2の先端部を径方向に押し広げるスリーブ打込み型の金属拡張アンカーを用いるものとする。また、アンカー穴12は、いわゆる拡底のアンカー穴とする。
図23ないし図25に示すように、荷重付与部403(各図では一部のみ図示)は、アンカー穴12に定着されたアンカーボルトBの、コンクリート供試体Cからの突出部分に取り付けられ、アンカーボルトBに対し引張り荷重を付与する。より言えば、荷重付与部403は、コンクリート供試体Cを跨ぐように、支持ベース423(後述する)に載置固定され、支持ベース423を支えにして、アンカーボルトBを引抜き方向(本例では上方)に引っ張り、ユーザーが所望する引張り荷重を与える。なお、荷重付与部403は、油圧式等の一般的な荷重付与装置で構成されている。
一方、供試体保持部402は、コンクリート供試体Cを成す一対のブロック体C1、C2を、その突合せ部11の間隙L(図27参照)を調整自在に保持する。なお、以下、一対のブロック体C1、C2のうちの一方のブロック体C1を「第1ブロック体」と呼称し、他方のブロック体C2を「第2ブロック体」と呼称する。
具体的には、供試体保持部402は、一対のブロック体C1、C2がセットされる供試体セット部421と、供試体セット部421を介して一対のブロック体C1、C2を相互の離接方向に移動させ、上記突合せ部11の間隙Lを調整する間隙調整部422と、供試体セット部421および間隙調整部422を支持する支持ベース423(支持ベース部)と、を備えている。
供試体セット部421は、第1ブロック体C1がセットされる側面視「L」字状の第1セット部431と、第2ブロック体C2がセットされる側面視「L」字状の第2セット部432と、一対のブロック体C1、C2の突合せ部11の間隙Lを検出し表示する間隙検出表示部433と、を備えている。第1ブロック体C1および第2ブロック体C2は、第1セット部431および第2セット部432に、それぞれ着脱自在にネジ止めされる。具体的には、固定用のボルトを、第1セット部431および第2セット部432に形成した複数のバカ穴を介して、各インサート417に締め込むことで、第1ブロック体C1が第1セット部431に、第2ブロック体C2が第2セット部432にそれぞれ着脱可能に取り付けられている。そして、一対のブロック体C1、C2は、第1セット部431および第2セット部432によって、相互に突き合わせられた状態でセットされる。すなわち、一対のブロック体C1、C2は、相互に近づけられ且つ相互に向い合わされた状態でセットされる。なお、各ブロック体C1、C2が、各セット部431、432にセットされたとき、各ブロック体C1、C2の突合せ面側が、各セット部431、432から突出するようになっている。
第1セット部431および第2セット部432は、それぞれ、背面側に、後述の4本のガイド軸部471が連結されると共に、支持ベース423に移動自在(摺動自在)に支持されている。より言えば、第1セット部431および第2セット部432は、前後方向にスライド自在に構成されている。本実施形態では、この前後方向が、第1ブロック体C1と第2ブロック体C2との相互の離接方向となっており、第1セット部431および第2セット部432は、当該離接方向にスライド自在に構成されている。
なお、図28(a)に示すように、各セット部431、432の底板431a、432aには、その先端部から左右に延びる突起431b、432bが形成されている。当該突起431b、432bは、後述の突起押え473と係合するものである。また、各セット部431、432の底板432a、431aは、左右両端部に対し、その他の部分が薄厚になっている。これによって、左右両端部以外の部分が、支持ベース423から浮いた状態となり、左右両端部のみが、支持ベース423に接触した状態となっている。これにより、各セット部431、432と支持ベース423との間の摩擦を極力軽減している。
図23および図24に示すように、間隙検出表示部433は、一対のブロック体C1、C2上に取り付けられた透過型レーザーセンサー436と、これに接続された表示器437と、を備えている。透過型レーザーセンサー436は、第1ブロック体C1上に配設された発光部436aと、第2ブロック体C2上に配設された受光部436bと、を有し、発光部436aからの光を受光部436bで受光して、発光部436aから受光部436bまでの距離を検出する。一方、表示器437は、透過型レーザーセンサー436の検出結果に基づいた突合せ部11の間隙Lを表示する。なお、表示器437に、ゼロ点調整を行うためのゼロリセットボタン437aを設け、これにより、ゼロ点調整を行う構成とする。また、透過型レーザーセンサー436を一対のブロック体C1、C2に取り付ける構成としたが、透過型レーザーセンサー436を第1セット部431および第2セット部432上に取り付ける構成であっても良い。
図23ないし図25に示すように、支持ベース423は、板状のベース本体441と、ベース本体441を支える4本の脚部442と、を備えている。各脚部442の下端部には、アジャストボルト等が設けられており、4本の脚部442により、ベース本体41が水平調整可能に構成されている。
ベース本体441は、第1セット部431および第2セット部432を前後方向(上記離接方向)にスライド自在(進退動自在)に支持している。ベース本体441は、アンカーボルトBの打込み時(主にアンカー穴412の形成時)の応力によってアンカー試験に誤差が生じないように、比較的厚く(例えば100mm厚)形成されている。
また、図29に示すように、ベース本体441の第1セット部431および第2セット部432が移動する領域には、切欠き開口443(抜き孔)が形成されている。この切欠き開口443を介して、各セット部431、432が、後述の移動機構451に連結されている。また、各セット部431、432に各ブロック体C1、C2をセットするときの底側の取付け作業(固定用ボルトの締結)は、この切欠き開口443を介して行われる。
図23ないし図25に示すように、間隙調整部422は、主にベース本体441の下に配設され、第1セット部431および第2セット部432を相互の離接方向(前後方向)に移動させる移動機構451と、ベース本体441上に配設され、第1セット部431および第2セット部432の移動をガイドするガイド機構452と、を備えている。
移動機構451は、組合せネジ機構によって、第1セット部431および第2セット部432を相互の離接方向に移動させるものである。具体的には、移動機構451は、切欠き開口443を介して第1セット部431および第2セット部432にそれぞれ連結された第1雌ネジ部材461および第2雌ネジ部材462と、各雌ネジ部材461、462が螺合するネジ軸463と、ネジ軸463に軸着されたネジ軸側ギア464と、を備えている。また、移動機構451は、車輪状の回転ハンドル465と、先端に回転ハンドル465が固定されたハンドル軸466と、ハンドル軸466に軸着され、上記ネジ軸側ギア464と噛合するハンドル軸側ギア467と、を備えている。
ハンドル軸466は、基端が、ベース本体441に形成された有底穴に遊嵌すると共に、基端側に形成されたフランジ466aが、ベース本体441に固定された角「U」字状の軸押え部材468に係止されている。これにより、ハンドル軸466は、ベース本体441に対し回転自在且つ進退不能に取り付けられている。一方、ネジ軸463は、ベース本体441に固定された支持部材469に、回転自在に支持されている。また、ネジ軸463には、第1雌ネジ部材461と螺合する右ネジ463aと、第2雌ネジ部材462と螺合する左ネジ463bと、が形成されている。
この構成において、人手で回転ハンドル465を回転させると、図27に示すように、回転ハンドル465が取り付けられハンドル軸466が回転し、これに軸着されたハンドル軸側ギア467が回転する。ハンドル軸側ギア467の回転により、これに噛合するネジ軸側ギア464が回転し、これが軸着されたネジ軸463が回転する。そして、このネジ軸463の回転により、右ネジ463aおよび左ネジ463bに螺合する第1雌ネジ部材461および第2雌ネジ部材462が相互に異なる方向に進退動し、これらに連結した各セット部431、432が相互の離接方向に移動する。これにより、各セット部431、432にセットされた一対のブロック体C1、C2が、相互の離接方向に移動する。このように、回転ハンドル465の操作によって、一対のブロック体C1、C2を相互の離接方向に移動させることができ、突合せ部11の間隙Lを調整することができる。
図23ないし図25に示すように、ガイド機構452は、各セット部431、432の背面に連結され、前後方向に延びる各4本の円柱状のガイド軸部471と、各4本のガイド軸部471をそれぞれ支持する一対の軸受け部472と、各セット部431、432の上記突起431b、432bと係合する左右2つの突起押え473と、を備えている。
各4本のガイド軸部471は、各セット部431、432に連結されていると共に、相互に離間して配設されている。具体的には、各4本のガイド軸部471は、各セット部431、432の四隅にそれぞれ配設されている。なお、ガイド軸部471の基端部は、各セット部431、432の背面に形成した有底穴に嵌合され、溶接あるいはネジ止めされる構成で、各セット部431、432に連結されていることが好ましい。
各軸受け部472は、支持ベース423にネジ止め固定されると共に、4本のガイド軸部471を、軸方向である前後方向に移動自在に支持している。具体的には、4つのボールスプライン(図示省略)を内蔵し、これにより4本のガイド軸部471をそれぞれ前後方向に移動自在に支持している。この軸受け部472とガイド軸部471との協働により、各セット部431、432の前後方向の平行移動をガイドする。なお、各軸受け部472の前後方向の厚さは、アンカーボルトBの打込み時(主にアンカー穴412の形成時)の衝撃に耐えられるように、比較的厚く(例えば300mm厚)形成されている。
なお、図28(b)に示すように、各軸受け部472は、上部の左右方向中央部、下部の左右方向中央部、右部の上下方向中央部および左部の上下方向中央部に、切欠き部472aが形成されている。各セット部431、432に各ブロック体C1、C2をセットするときの背面側の取付け作業(固定用ボルトの締結)は、この切欠き部472aを介して行われる。
図23および図24に示すように、2つの突起押え473は、それぞれ支持ベース423にネジ止め固定されていると共に、一方が、各セット部431、432の右側に延びた各突起431b、432bに係合し、他方が、各セット部431、432の左側に延びた各突起431b、432bに係合する。各突起押え473は、各突起431b、432bの前後方向の移動を許容しつつ、各突起431b、432bを上から押え、各突起431b、432bの浮き上がりを抑制する。これにより、アンカー試験時(特にアンカーボルトBの打込み時)に、一対のブロック体C1、C2の突合せ面が側面視「V」字状に開くように、各ブロック体C1、C2および各セット部431、432が傾くのを抑制している。なお、同図に示すように、突起押え473は、前後両端に加え、前後中央部をネジ止めすることが好ましい。
ここで図30および図31を参照して、コンクリート供試体Cを用いた、アンカー試験装置401によるアンカー試験(アンカー試験方法)について説明する。このアンカー試験は、あと施工アンカーの引張り試験であり、具体的には、どの程度のひび割れまで、あと施工アンカー(アンカーボルトBおよびアンカー穴12)の引張り耐力が維持できるかを試験するものである。
アンカー試験では、まず、図30(a)に示すように、各セット部431、432に、各ブロック体C1、C1を取り付ける。すなわち、各セット部431、432上に、各ブロック体C1、C1を載せた後、固定用ボルトを、第1セット部431および第2セット部432に形成した複数のバカ穴を介して、各インサート417に締め込むことで、各セット部431、432に、各ブロック体C1、C1をセットする。
各セット部431、432に、各ブロック体C1、C2を取り付けたら、間隙検出表示部433を取り付けた後、図30(b)に示すように、一対のブロック体C1、C2の突合せ部411にアンカーボルトBを打ち込む。すなわち、ブロック体C1、C2を跨いでアンカー穴12を穿孔し、当該アンカー穴12にアンカーボルトBを定着させる。
アンカーボルトBを打ち込んだら、図30(c)に示すように、アンカーボルトBに荷重付与部403を取り付ける。なお、ここまでの工程が、第3実施形態におけるアンカー試験の前工程となる。
その後、図31(d)に示すように、荷重付与部403により、アンカーボルトBに対し所定の引張り荷重を付与する。すなわち、本アンカー試験において必要な値の引張り荷重を、アンカー穴12に定着されたアンカーボルトBに付与する。
荷重付与部403によってアンカーボルトBに引張り荷重を付与したら、ゼロリセットボタン437aを押して、間隙検出表示部433のゼロ点調整を行う。その後、図31(e)に示すように、引張り荷重を付与した状態のまま、間隙調整部422によって上記突合せ部11の間隙Lを広げてゆく。すなわち、引張り荷重を付与した状態で、人手で回転ハンドル465を回転し、第1セット部431および第2セット部432を相互の離間方向に移動させてゆく。これによって、突合せ部11の間隙Lを広げてゆく。そして、当該間隙Lが広がってゆき、荷重付与部403による引張り荷重によって、アンカーボルトBがコンクリート供試体Cから抜けたら、回転ハンドル465の回転を停止する。その後、表示器437上の値を読み取り、このときの突合せ部11の間隙L(間隙Lの寸法)を取得する。これにより、本アンカー試験を終了する。
なお、第3実施形態のアンカー試験装置401において、サイズ違いのコンクリート供試体Cを用いる場合、セット補助部材501を使用するものとする。具体的には、図32に示すように、供試体セット部421が、図23に示した各部に加え、第1セット部431と第1ブロック体C1との間、および第2セット部432と第2ブロック体C2との間にそれぞれ介在される一対のセット補助部材501を備える。各セット補助部材501は、各セット部431、432にネジ止め固定されると共に、各ブロック体C1、C2の背面側が嵌合する溝部502を有する。そして、このセット補助部材501の溝部502に各ブロック体C1、C2の背面側を嵌合し、インサート417を用いたネジ止めによって、各ブロック体C1、C2をセット補助部材501に固定することで、ブロック体C1、C2が、セット補助部材501を介して、各セット部431、432にセットされる。このように、セット補助部材501を用いることで、サイズ違いのコンクリート供試体Cにも対応することができる。
以上、上記各実施形態の構成によれば、コンクリート供試体Cが、一対のブロック体C1、C2を備え、この一対のブロック体C1、C1の突合せ部11、411が疑似的なひび割れを成す構成であるため、コンクリート供試体Cを、ひび割れが生じたコンクリート(定着体)の代わりとして機能させることができる。よって、ひび割れが生じたコンクリートそのものを用意することなく、コンクリートにひび割れが生じたときのあと施工アンカーの引張り耐力(アンカーボルトBとこれを定着するアンカー穴12、412とによって得られる引張り耐力)に係る試験を行うことができ、当該試験を容易に行うことができる。また、一対のブロック体C1、C2の突合せ部11の間隙Lを調整することで、ひび割れの度合を変更することができる。よって、ひび割れの度合を変えての試験を容易に行うことができる。さらに言えば、ひび割れの度合を徐々に変え、どの程度のひび割れまで、あと施工アンカーの引張り耐力が維持できるかの試験を容易に行うことができる。
また、突合せ部11がひび割れを成す一対のブロック体C1、C2を、コンクリート供試体Cとして用いることで、ひび割れが生じたコンクリートをコンクリート供試体Cとして用いるのに比べ、コンクリート供試体Cをコンパクトにすることができ、コンクリート供試体Cの取扱い性を向上させることができる。
また、ひび割れが生じたコンクリートを作成する場合、形成されるひび割れの位置や形状にバラツキがあり、同一の位置や形状のひび割れを再現することが難しかったが、本発明のコンクリート供試体Cであれば、突合せ部11、411によってひび割れを形成する構成であるため、同一の位置および同一形状のひび割れを容易に再現することができる。さら言えば、突合せ部11、411によってひび割れを形成する構成であるため、コンクリート供試体C作成時に突合せ部411の位置を変えることで、ひび割れの位置を自由に且つ容易に変えることができる。
さらに、アンカー試験装置1、201、401およびアンカー試験方法において、上記コンクリート供試体Cを用いることで、アンカー試験装置1、201、401をコンパクトにすることができ、またアンカー試験を短時間で行うことができる。
また、アンカー試験装置1、201、401およびアンカー試験方法において、上記コンクリート供試体Cを用い、一対のブロック体C1、C2の一方または両方を相互の離接方向に移動させて、突合せ部11、411の間隙Lを調整する構成により、何度でも、同一条件で(位置、形状および割れ幅が同一のひび割れで)アンカー試験を行うことができる。また、上記した第1のアンカー試験および第2のアンカー試験のように、ひび割れの度合を徐々に変えて行うアンカー試験と、ひび割れの度合を固定して行うアンカー試験と、の両方を行うことができる。さらに言えば、アンカーボルトBが抜け出る際の過程を再現することができる。
また、第1実施形態および第2実施形態において、支持ベース23、223で、可動側セット部31、231および可動側ブロック体C1を、上記離接方向に直交する方向の離間した2か所のみで支持する構成であるため、可動側セット部31、231および可動側ブロック体C1と、支持ベース23、223との間の摩擦を極力軽減することができる。
さらに、第1実施形態において、目盛り板65をゼロ位置調整自在に構成したことで、ブロック体C1、C2の寸法の違い等によって、突合せ部11の間隙Lがゼロの状態のときに指針67が目盛り65aのゼロ位置に来なかった場合にも、これを修正することができる。
またさらに、第2実施形態および第3実施形態において、ガイド軸部265、471およびこれを支持する軸受け部271、472を設けたことで、ガイド軸部265および軸受け部271、472によって、セット部231、431、432の離接方向の移動をガイドすることができる。そのため、セット部231、431、432の離接方向への直進性を向上させることができる。これによって、セット部231、431、432の離接方向の平行移動をスムーズに行うことができる。特に、アンカー試験の際に、ブロック体C1、C2が微小に傾くのを防止することができる。
また、第2実施形態において、荷重付与部203の支柱部203bについて、穴開け装置281を取付け可能に構成したことで、荷重付与部203を支持するための支柱部203bを、穴開け装置281を支持するための支柱部として兼用することができる。そのため、穴開け装置281用の支柱部を設置する手間を省くことができる。
なお、第1実施形態および第2実施形態においては、スライド軸部61、261に雌ネジ61a、261aを形成し、ネジ軸62、262に雄ネジ62a、262aを形成する構成であったが、スライド軸部61、261に雄ネジを形成し、ネジ軸62、262に雌ネジを形成する構成であっても良い。また、上記第2実施形態において、スライド軸部61、261を無くし、動力変換部を4本のガイド軸部265に連結する構成であっても良い。すなわち、動力変換部が、回転操作部62、63、262、263の回転を、4本のガイド軸部265の進退動に変換する構成であっても良い。
また、第1実施形態および第2実施形態においては、回転操作部62、63、262、263の回転をスライド軸部61、261の進退動に変換する動力変換部を、ネジ機構によって構成したが、当該動力変換部を、リンク機構(例えばトグル機構)によって構成しても良い。
さらに、各実施形態においては、ネジ軸62、262、463を、回転ハンドル63、263、465を用いた人力で回転させる構成であったが、電動(モーターおよび減速機)、油圧駆動、空気圧駆動のアクチュエーターでネジ軸62、262、463を回転させる構成であっても良い。すなわち、各セット部31、32、231、232、431、432(各ブロック体C1、C2)の離接をアクチュエーターの動力で行う構成であっても良い。なお、アクチュエーターからの力(動力)を、セット部32、232、431、432の進退動に変換する動力変換部についても、ネジ機構で構成しても良いし、リンク機構で構成しても良い。
なお、上記各実施形態(各アンカー試験)においては、アンカーボルトBがコンクリート供試体Cから抜けたか否かの判定を、目視によって行う構成であったが、アンカーボルトBの引抜き方向における位置を検出する検出手段を設け、この検出手段の検出結果に基づいて、アンカーボルトBがコンクリート供試体Cから抜けたか否かの判定を行う構成であっても良い。
また、上記各実施形態のコンクリート供試体Cは、アンカー穴12、412が一対のブロック体C1、C2を跨いで形成される構成であったが、図34に示すように、突合せ部11、411から所定量位置ズレした位置にアンカー穴12、412が形成される構成であっても良い。すなわち、突合せ部11、411の位置とアンカー穴12、412の形成位置とを位置ズレさせる構成であっても良い。このように、突合せ部11、411の位置とアンカー穴12、412の形成位置とを位置ズレさせることで、より多彩なアンカー試験を行うことができる。なお、突合せ部11、411の位置とアンカー穴12、412の形成位置とを位置ズレさせる方法として、図34に示すように、アンカー穴12、412の形成予定位置から前後方向に外れた位置に、突合せ部11、411を形成する構成と、突合せ部11、411の位置から前後方向に外れた位置に、アンカー穴12、412を形成する構成とが考えられる。
なお、上記記載では、第1実施形態および第2実施形態においては、ブロック本体16とブロックホルダー17とから成る一対のブロック体C1、C2を、コンクリート供試体Cとして用い、第3実施形態においては、ブロック本体416とインサート417とから成る一対のブロック体C1、C2を、コンクリート供試体Cとして用いる構成であったが、第1実施形態および第2実施形態において、ブロック本体416とインサート417とから成る一対のブロック体C1、C2を、コンクリート供試体Cとして用いる構成であっても良いし、第3実施形態において、ブロック本体16とブロックホルダー17から成る一対のブロック体C1、C2を、コンクリート供試体Cとして用いる構成であっても良い。
また、上記記載では、第1実施形態のアンカー試験装置1でのみ、突合せ部11、411の間隙Lを所定値に調整した状態で引張り荷重を付与するアンカー試験(上記第2のアンカー試験)を行う構成であったが、第2実施形態および第3実施形態のアンカー試験装置201、401において、突合せ部11、411の間隙Lを所定値に調整した状態で引張り荷重を付与するアンカー試験(上記第2のアンカー試験)を行う構成であっても良い。
1:アンカー試験装置、 3:荷重付与部、 11:突合せ部、 12:アンカー穴、 16:ブロック本体、 17:ブロックホルダー、 21:供試体セット部、 22:間隙調整部、 23:支持ベース、 31:可動側セット部、 32:固定側セット部、 61:スライド軸部、 61a:雌ネジ、 62:ネジ軸、 62a:雄ネジ、 63:回転ハンドル、 65:目盛り板、 65a:目盛り、 67:指針、 B:アンカーボルト、 C:コンクリート供試体、 C1:可動側ブロック体、 C2:固定側ブロック体、 L:間隙

Claims (15)

  1. あと施工アンカーの引張り試験を行うアンカー試験装置に用いられる供試体であって、
    定着体を成す一対のブロック体を備え、
    前記一対のブロック体の突合せ面は、アンカーボルトが埋め込まれるアンカー穴が前記一対のブロック体を跨いで形成されると共に、すり合わせによる界面であって疑似的なひび割れを成すことを特徴とする供試体。
  2. あと施工アンカーの引張り試験を行うアンカー試験装置に用いられる供試体であって、
    定着体を成す一対のブロック体を備え、
    前記一対のブロック体の突合せ面は、すり合わせによる界面であって疑似的なひび割れを成し、
    前記突合せ面から所定量位置ズレした位置に、アンカーボルトが埋め込まれるアンカー穴が形成されることを特徴とする供試体。
  3. 前記各ブロック体は、
    ブロック本体と、
    接着剤を介して前記ブロック本体を保持するブロックホルダーと、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の供試体。
  4. 前記ブロック本体は、前記突合せ面同士を押圧接触させた状態で、前記接着剤により、前記ブロックホルダーに接着固定されることを特徴とする請求項3に記載の供試体。
  5. 前記各ブロック体は、
    ブロック本体と、
    前記ブロック本体に埋設され、前記ブロック本体を前記アンカー試験装置に取り付けるためのインサートと、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の供試体。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の供試体がセットされる供試体セット部と、
    前記供試体セット部を介して、前記一対のブロック体の少なくとも一方を相互の離接方向に移動させ、前記突合せ面の間隙を調整する間隙調整部と、
    前記アンカー穴に定着された前記アンカーボルトに引張り荷重を付与する荷重付与部と、を備えたことを特徴とするアンカー試験装置。
  7. 前記供試体セット部を支持する支持ベース部を、更に備え、
    前記供試体セット部は、
    一方の前記ブロック体がセットされる第1セット部と、
    他方の前記ブロック体がセットされる第2セット部と、を有し、
    前記支持ベース部は、前記第1セット部および前記第2セット部の少なくとも一方を前記離接方向にスライド自在に、且つ前記離接方向に直交する方向の離間した2か所のみで支持することを特徴とする請求項6に記載のアンカー試験装置。
  8. 前記支持ベース部は、前記第1セット部を固定とし、前記第2セット部をスライド自在に支持しており、
    前記間隙調整部は、
    前記第2セット部に連結されたスライド軸部と、
    前記突合せ面の間隙を調整する回転操作部と、
    前記回転操作部の回転を前記スライド軸部の進退動に変換する動力変換部と、を有することを特徴とする請求項7に記載のアンカー試験装置。
  9. 前記スライド軸部と前記回転操作部とは、同軸上に配設され、
    前記動力変換部は、前記スライド軸部および前記回転操作部のいずれか一方に形成された雄ネジと他方に形成された雌ネジとを有するネジ機構で構成されていることを特徴とする請求項8に記載のアンカー試験装置。
  10. 前記回転操作部に固定された指針と、
    前記指針に対峙すると共に、前記突合せ面の間隙を示す目盛りを表示する目盛り板と、を更に備え、
    前記目盛り板は、前記指針に対する前記目盛りのゼロ位置を調整自在に構成されていることを特徴とする請求項8または9に記載のアンカー試験装置。
  11. 前記間隙調整部は、
    前記第2セット部に連結され、前記離接方向に延びるガイド軸部と、
    前記ガイド軸部を前記離接方向に移動自在に支持する軸受け部と、を更に有することを特徴とする請求項7ないし10のいずれか一項に記載のアンカー試験装置。
  12. 前記間隙調整部は、相互に離間した複数本の前記ガイド軸部を有し、
    前記軸受け部は、前記複数本のガイド軸部を前記離接方向に移動自在に支持することを特徴とする請求項11に記載のアンカー試験装置。
  13. 前記供試体セット部を支持する支持ベース部を、更に備え、
    前記荷重付与部は、
    前記アンカーボルトに引張り荷重を付与する本体部と、
    前記支持ベース部に立設され、前記本体部が固定される支柱部と、を有し、
    前記支柱部は、前記アンカー穴を形成する穴開け装置が取付け可能に構成されていることを特徴とする請求項6ないし12のいずれか一項に記載のアンカー試験装置。
  14. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の供試体を用い、あと施工アンカーの引張り試験を行うアンカー試験方法であって、
    前記アンカー穴に定着された前記アンカーボルトに所定の引張り荷重を付与した状態で、前記一対のブロック体の少なくとも一方を相互の離間方向に移動させて前記突合せ面の間隙を広げてゆき、前記アンカーボルトが抜けたところで、前記間隙の寸法を取得することを特徴とするアンカー試験方法。
  15. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の供試体を用い、あと施工アンカーの引張り試験を行うアンカー試験方法であって、
    前記一対のブロック体の少なくとも一方を相互の離接方向に移動させて前記突合せ面の間隙を所定値に調整した状態で、前記アンカー穴に定着された前記アンカーボルトに引張り荷重を付与し、このときの、前記アンカーボルトの状態を取得することを特徴とするアンカー試験方法。
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