JP2007111789A - 工具押し出し量測定器及び工具押し出し量測定方法 - Google Patents

工具押し出し量測定器及び工具押し出し量測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工具押し出し量の測定が短時間で行なえ、かつ測定精度の高い工具押し出し量測定器及び工具押し出し量測定方法を提供する。
【解決手段】主軸装置30の工具押し出し量を測定する工具押し出し量測定器10は、テーパ状の外径部11aを有し、軸方向中心部に貫通孔11bが形成されるテーパシャンク11と、テーパシャンク11に対して軸方向に摺動自在であるように貫通孔11b内に嵌め合わされる測定子12と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、工具押し出し量測定器及び工具押し出し量測定方法に関し、特に、工具アンクランプ機構を備えた工作機械の主軸装置において、工具アンクランプ時の工具押し出し量を測定する工具押し出し量測定器及び工具押し出し量測定方法に関する。
従来、工作機械の主軸装置において、工具を着脱可能にクランプするための工具クランプ装置が知られている。工具をクランプするときは、主軸内部に設けられたクランプ爪を工具のプルスタッドに引っ掛けて反工具側へ引っ張り、工具テーパを主軸のテーパに密着させ固定する。ドローバーを反工具側へ引っ張る力は一般にバネで発生させる。一方、工具をアンクランプするときはドローバーを工具側へ前進させ、ドローバーの先端部でプルスタッドの端面を押すと共にクランプ爪を開いて引っ掛かりを無くし、工具を開放して工具をアンクランプする。ドローバーを工具側へ前進させる方法は油圧シリンダまたは空圧シリンダで主軸後部(反工具側)から押すのが一般的である。
また、ドローバーを押し出す他の方法として、カムを使用したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、工具をテーパ密着位置から離す方向へ押し出す工具押し出し量を一定に調整しないと工具の着脱が良好に行なわれないとして、工具押し出し量を調整することが記載されている。
工具押し出し量を調整するためには、まず工具押し出し量を測定し、あとどのくらいドローバーをストロークさせる必要があるか、またはドローバーストロークをどれくらい減らす必要があるかを知る必要がある。
図6は、従来の一般的な工具押し出し量の測定方法を示した断面図である。まず、図6(a)に示すように、測定用工具100のプルスタッド101をドローバー32の先端に設けられたクランプ爪33に引っ掛けて、測定用工具100を主軸装置30にクランプさせ、その状態での工具位置をダイヤルゲージ102によって読んでおく。その後、図6(b)に示すように、ダイヤルゲージ102を測定用工具100に当接させたまま、測定用工具100をアンクランプさせ、ダイヤルゲージ102を読み取ることによって、工具押し出し量Kを測定する。
特開平11−77414号公報
ところで、図6の方法で工具押し出し量Kを測定する場合、アンクランプ状態では測定用工具100が回転軸31のテーパ部31aから離れて隙間Sが形成されてしまう。このため、測定用工具100が遊んでしまい、安定して測定用工具100を固定することができず、測定に時間がかかり、かつ測定精度が低くなるという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、工具押し出し量の測定が短時間で行なえ、かつ測定精度の高い工具押し出し量測定器及び工具押し出し量測定方法を提供することにある。
本発明の目的は、下記の構成によって達成される。
(1) 主軸装置の工具押し出し量を測定する工具押し出し量測定器であって、
テーパ状の外径部を有し、軸方向中心部に貫通孔が形成されるテーパシャンクと、
該テーパシャンクに対して軸方向に摺動自在であるように前記貫通孔内に嵌め合わされる測定子と、
を備えることを特徴とする工具押し出し量測定器。
(2) 測定子は、テーパシャンクのテーパ小径側において主軸装置のドローバーと当接可能な端面を有し、テーパシャンクのテーパ大径側において測定子の軸方向移動量を測定するための被測定部を有することを特徴とする工具押し出し量測定器。
(3) 測定子をテーパシャンクに対する一定位置に繰り返し位置決め可能なように、測定子に取り付けられるストッパをさらに備えることを特徴とする(1)又は(2)に記載の工具押し出し量測定器。
(4) 測定子をテーパシャンクのテーパ小径側に向けて付勢するバネをさらに備えることを特徴とする(3)に記載の工具押し出し量測定器。
(5) 測定子に設けられ、テーパシャンクのテーパ大径基準位置から測定子のテーパ小径側の端面までの距離を調整する調整部品をさらに備えることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の工具押し出し量測定器。
(6) テーパシャンクには、テーパ大径基準位置から測定子のテーパ小径側の端面までの距離を測定するための測定基準面が設けられていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の工具押し出し量測定器。
(7) テーパシャンクに固定され、測定子の軸方向移動量を測定する測定装置をさらに備えることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の工具押し出し量測定器。
(8) 主軸装置の工具押し出し量を測定する工具押し出し量測定方法であって、
テーパ状の外径部を有し、軸方向中心部に貫通孔が形成されるテーパシャンクと、該テーパシャンクに対して軸方向に摺動自在であるように前記貫通孔内に嵌め合わされる測定子と、を備える測定器を具備する工程と、
前記テーパシャンクの前記テーパ状の外径部を前記主軸装置のテーパ部と密着させる工程と、
前記測定子のテーパ小径側の端面を前記主軸装置のドローバーで押し出すことで、前記測定子を動かす工程と、
前記測定子のテーパ大径側の動きを測定することで、前記主軸装置の工具押し出し量を測定する工程と、
を備えることを特徴とする工具押し出し量測定方法。
(1)の構成によれば、工具押し出し量測定器は、テーパ状の外径部を有し、軸方向中心部に貫通孔が形成されるテーパシャンクと、テーパシャンクに対して軸方向に摺動自在であるように貫通孔内に嵌め合わされる測定子と、を備える。これにより、工具押し出し量測定器は、テーパシャンクのテーパ状の外径部を主軸装置のテーパ部に密着させ、主軸装置のドローバーで測定子を押し出すことで測定子を動かし、測定子の動きを測定することで主軸装置の工具押し出し量を測定することができ、ドローバーを動かすアンクランプ時でも、テーパシャンクは主軸装置のテーパ部から離れることがなく、テーパシャンクの貫通孔内に嵌め合った測定子が安定して軸方向に移動し、測定子の位置を迅速且つ正確に測定することができる。
(2)の構成によれば、測定子は、テーパシャンクのテーパ小径側において主軸装置のドローバーと当接可能な端面(ドローバー押し当て面)を有し、テーパシャンクのテーパ大径側において測定子の軸方向移動量を測定するための被測定部を有するので、測定子のテーパ小径側でドローバーを当接させ、テーパ大径側で測定するようにし、テーパシャンクの貫通孔内に嵌め合わされる測定子の位置を迅速且つ正確に測定することができる。
(3)の構成によれば、摺動自在な測定子をテーパシャンクに対する一定位置に繰り返し位置決め可能なストッパが、測定子に取り付けられるので、測定子がテーパシャンクに対してテーパシャンクのテーパ大径基準位置(ゲージラインともいう)から、測定子のドローバー押し当て面までの相対位置関係をあらかじめ測定し、テーパシャンク規格で定められた呼び寸法に事前に合わせておくことで、該相対位置関係が、テーパシャンク規格で定められた呼び寸法になる位置で測定子が固定できるようになる。このようにすると、工具押し出し量の測定のたびに、テーパシャンクのテーパ大径基準位置から、測定子のドローバー押し当て面までの相対位置関係をあらかじめ測定する必要が無く、さらに迅速な測定が可能になる。
(4)の構成によれば、測定子をテーパシャンクのテーパ小径側に向けて付勢するバネをさらに備えるので、一度アンクランプして測定し終わった状態から、再びクランプ状態にしたときに自動的に測定子は前記相対位置関係に戻るため、繰り返し測定することが容易になり、繰り返し測定することでさらに測定精度を向上することができる。
(5)の構成によれば、測定子に設けられ、テーパシャンクのテーパ大径基準位置から測定子のテーパ小径側の端面までの距離を調整する調整部品をさらに備えるので、テーパシャンクのテーパ大径基準位置から、測定子のドローバー押し当て面までの相対位置関係を、測定子を追加工することなく、調整部品を調整するだけでテーパシャンク規格で定められた呼び寸法に仕上げることができるため、校正が簡単になり、測定の信頼性を向上することができる。
(6)の構成によれば、テーパシャンクには、テーパ大径基準位置から測定子のテーパ小径側の端面までの距離を測定するための測定基準面が設けられているので、テーパ大径基準位置から、測定子のテーパ小径側の端面(ドローバー押し当て面)までの距離を簡単に測定することができ、校正が簡単になり、測定の信頼性を向上することができる。
(7)の構成によれば、テーパシャンクに固定され、測定子の軸方向移動量を測定する測定装置をさらに備えるので、測定器を測定対象となるクランプ状態の主軸装置のテーパ部に装着し、測定子のドローバー押し当て面の反対側端面を事前に測定装置で読み取っておくために測定装置をセットする必要がなくなり、単純に測定対象の主軸装置に装着しクランプ/アンクランプさせるだけで工具押し出し量が測定装置により測定できるようになるため、さらに迅速な測定が可能となる。また、繰り返し測定が容易になり、測定精度を向上することができる。
(8)の構成によれば、工具押し出し量測定方法は、テーパ状の外径部を有し、軸方向中心部に貫通孔が形成されるテーパシャンクと、テーパシャンクに対して軸方向に摺動自在であるように貫通孔内に嵌め合わされる測定子と、を備える測定器を具備する工程と、テーパシャンクのテーパ状の外径部を主軸装置のテーパ部と密着させる工程と、測定子のテーパ小径側の端面を主軸装置のドローバーで押し出すことで、測定子を動かす工程と、測定子のテーパ大径側の動きを測定することで、主軸装置の工具押し出し量を測定する工程と、を備えるので、テーパシャンクのテーパ大径基準位置から、測定子のドローバー押し当て面までの相対位置関係をあらかじめ測定し、テーパシャンク規格で定められた呼び寸法に事前に合わせておいて、測定器を測定対象となるクランプ状態の主軸装置のテーパ部に装着し、測定子のドローバー押し当て面の反対側端面をダイヤルゲージ等の測定装置で読み取った後にドローバーをアンクランプ側へ動かすことにより、測定子が動き、工具押し出し量が測定できる。このようにすると、アンクランプ時でも、テーパ密着面が離れることが無いので、測定器は安定し、前記測定子の位置をダイヤルゲージで読み取ることが迅速かつ正確に行なうことができる。
本発明によれば、工具押し出し量の測定が短時間で行なえ、かつ測定精度の高い工具押し出し量測定器及び工具押し出し量測定方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る工具押し出し量測定器及び工具押し出し量測定方法について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の工具押し出し量測定器を示す断面図、図2(a)は主軸装置の工具クランプ機構を示す工具クランプ状態の断面図、図2(b)は主軸装置の工具クランプ機構を示す工具アンクランプ状態の断面図、図3は測定器を測定対象である主軸装置に装着し、ドローバーをクランプ状態にした断面図、図4は図3の状態からドローバーをアンクランプ状態にした断面図、図5は測定器を校正するための手順を示す断面図である。
図1に示すように、工具押し出し量測定器10は、テーパ状の外径部11aを有し、軸方向中心部に貫通孔11bが形成されるテーパシャンク11と、テーパシャンク11に対して軸方向に摺動自在であるように貫通孔11b内に嵌め合わされる測定子12と、テーパシャンク11のテーパ大径側に設けられ、測定子12の軸方向移動量を測定する測定装置であるダイヤルゲージ13と、を備える。
測定子12は、略円柱状に形成されており、その軸方向両端部にはストッパ固定ねじ12aと調整部品固定ねじ12bがそれぞれ形成されている。また、測定子12の軸方向中間部は、第1の径を有する第1円柱部12cと、調整部品固定ねじ12b寄りで第1の径より大径の第2の径を有する第2円柱部12dとを有する。
テーパシャンク11の貫通孔11bは、軸方向両端部に測定子12の第1及び第2円柱部12c,12dとそれぞれ略同一径を有する嵌め合い部11c,11dを構成しており、これによって測定子12をテーパシャンク11に対して軸方向に摺動自在とする。また、貫通孔11bの軸方向中間部は、測定子12の第1円柱部12cより大径に形成され、両者間に形成された空間には戻しバネである圧縮コイルバネ14が収容される。圧縮コイルバネ14は、その両端部が互いに対向するテーパシャンク11の嵌め合い部11cの軸方向端面と測定子12の第2円柱部12dの軸方向端面とそれぞれ接触するように、測定子12の周囲に配置されている。
テーパシャンク11のテーパ大径側、即ち、ダイヤルゲージ13側(図1の左側)に設けられる測定子12のストッパ固定ねじ12aにはストッパ15が固定されており、測定子12と一体的に摺動する。そして、測定子12は圧縮コイルバネ14によってテーパシャンク11のテーパ小径側(図1の右側)に向けて常時付勢されている。また、ストッパ15は、その軸方向端面15aを対向するテーパシャンク11のテーパ大径側の軸方向端面11eに当接することで、圧縮コイルバネ14によって付勢された測定子12の軸方向位置を規定している。これにより、テーパシャンク11と測定子12の相対位置関係が決定され、測定子12は、テーパシャンク11に対する一定位置に繰り返し位置決めが可能となる。
測定子12の第2円柱部12dの外周面には、軸方向に沿った複数の空気逃がし溝12eが形成されており、測定子12がスムーズに移動できるように構成されている。また、テーパシャンク11のテーパ小径側、即ち、ドローバー押し当て面16a側(図1の右側)に設けられる測定子12の調整部品固定ねじ12bには調整部品16が固定されており、測定子12と一体的に摺動する。テーパシャンク11、測定子12、ストッパ15、圧縮コイルバネ14、および調整部品16を組み付けた状態で、テーパ大径基準位置11fから測定子12のテーパ小径側の端面であるドローバー押し当て面16aまでの距離Lはテーパシャンク規格で定められた呼び寸法になるようにする必要があるが、調整部品16の長さを調整することによって距離Lは正確に調整される。
また、テーパ状の外径部11aのテーパ大径側の軸方向端面は、テーパ大径基準位置11fからドローバー押し当て面16aまでの距離を測定するための測定基準面11gをなしており、後述する測定器10を校正する際に、テーパ大径基準位置11fからドローバー押し当て面16aまでの距離を測定するために用いられる。
テーパシャンク11のテーパ大径側の軸方向端面11eには、ダイヤルゲージ固定リング17およびダイヤルゲージ固定板18がボルト19を介して取り付けられており、ダイヤルゲージ13は、ダイヤルゲージ固定板18にダイヤルゲージ固定ボルト20を介して固定されている。
このように構成された測定器10では、調整部品16の軸方向端面がドローバー押し当て面16aとして、テーパシャンク11のテーパ小径側において主軸装置のドローバーと当接可能な端面を構成し、ストッパ15が、その軸方向端面15bをダイヤルゲージ接触面として、テーパシャンク11のテーパ大径側において測定子12の軸方向移動量を測定するための被測定部を構成する。これにより、測定子12がドローバー押し当て面16aでドローバーと当接してダイヤルゲージ13側(図1の左側)へ動くと、測定子12の移動量がダイヤルゲージ13の針の動きとなって読み取ることが可能となる。
次に、図2を用いて主軸装置の一般的な工具クランプ機構について説明する。
主軸装置30の回転軸31の内部には、ドローバー32が軸方向に摺動自在に内嵌されており、ドローバー32にはクランプ爪33が一体的に摺動するように組み付けられている。図2(a)に示すように、クランプ爪33はドローバー32が工具クランプ側(図2の右側)へ移動しているときには、先端部の内径d2がプルスタッドボルト34の端部径より小径となるように閉じた状態となり、プルスタッドボルト34を引っ掛けて工具35を回転軸31にクランプする。
一方、工具35をアンクランプするときは、図2(b)のように、ドローバー32がアンクランプ側(図2の左側)に移動し、ドローバー32の先端部がプルスタッドボルト34を押し出すと同時にクランプ爪33が開いて内径d2がプルスタッドボルトの端部径より大径となり、工具35がアンクランプされる。このときドローバー32が工具35を押し出す距離が工具押し出し量Kである。
次に、図3及び図4を参照して、工具押し出し量Kの測定方法について説明する。
まず、図3に示すように、図1で示した測定器10を測定対象である主軸装置30の回転軸31のテーパ部31aに手で押し付けて装着する。このとき、主軸装置30に内蔵されたドローバー32はクランプ側(図3の右側)にしておく。ただし、調整部品16の外径d1はクランプ爪33の先端部の内径d2よりも小さくなっているため、ドローバー32がクランプ側にありクランプ爪33が閉じていても、測定器10を回転軸31に自由に着脱することができる。さらに、この状態でダイヤルゲージ13の目盛盤を回して針をゼロに合わせておく。
次に、図4に示すようにドローバー32をアンクランプ側(図4の左側)へ動作させると、ドローバー32の先端が測定子12と一体となった調整部品16を押し、測定子12が圧縮コイルバネ14の付勢力に抗してアンクランプ側に移動し、測定子12と一体となったストッパ15がダイヤルゲージ13を作動させ、この主軸装置30の工具押し出し量Kが測定できる。
なお、工具押し出し量Kは、測定器10を主軸装置30に装着したまま、クランプ状態とアンクランプ状態を繰り返すことにより容易に繰り返し測定をすることができる。
また、ダイヤルゲージは、必要に応じて最小目盛が0.01mmのものを使用したり、0.001mmのものを使用したりすることで測定精度を自由に選択することができる。
最後に測定結果を元に、図示しないアンクランプ用の油圧シリンダの位置を調整するなどして、最終的に所望の工具押し出し量に調整する。
次に、図5を参照して、工具押し出し量測定器10を校正する手順について説明する。
測定器10は、各部の部品磨耗や材料の経時変化等により、テーパ大径基準位置11fからドローバー押し当て面16aまでの距離Lが変化する可能性があるので、定期的に校正して使用するのが望ましい。
図5(a)に示すように、定盤40の上に円筒状の置き台である円筒ベース41を置き、その上にゲージメーカーから提供されているテーパゲージ42を置く。さらにテーパゲージ42にダイヤルゲージ13が取り外された測定器10を挿入し、テーパゲージ42のテーパ42aにテーパシャンク11の外径部11aを密着させる。
この状態で測定器10に設けられた測定基準面11gと、テーパゲージ42のゲージ面42bとを、電気マイクロメータ43で比較測定し、その誤差δを測定する。これによって、テーパゲージ42のゲージ面42bと面一なテーパシャンク11の外径部11aの軸方向位置をテーパ大径基準位置11fとする。
次に、図5(b)に示すように、円筒ベース41の上面に測定基準面11gが密着するように、測定器10を逆向きに置き、円筒ベース41の上面にテーパシャンク規格で定められた呼び寸法Lと同じになるように組み合わせたブロックゲージ44を置く。例えば、JIS B6339のツールシャンク40T、プルスタッド40Pの組み合わせの場合は、L=94.4mmである。
この状態でドローバー押し当て面16aと、ブロックゲージ44の上面とを、電気マイクロメータ43で比較測定し、その誤差δを測定する。なお、測定は、要求する精度を満たす分解能があれば、機械式のマイクロメータであってもよい。
得られたδ、δから、測定器10のテーパ大径基準位置11fからドローバー押し当て面16aまでの距離Lを求め、調整部品16の高さHを調整する。
より具体的には、図5(a)で、測定基準面11gがゲージ面42bよりも高くなる方をプラスとし、図5(b)で、ドローバー押し当て面16aがブロックゲージ44の上面より高くなる方をプラスとすると、
L=L+δ−δ
である。よって
L−L=δ−δ
となり、δ−δがプラスなら調整部品16をδ−δだけ研削加工して短くし、δ−δがマイナスなら新たに調整部品16を製作するか、あるいは調整部品16と測定子12との間にシムを挟むなどして調整する。調整部品16は取り出しが容易で部品構造も簡単なので、低コストで校正が可能となる。
従って、本実施形態によれば、工具押し出し量測定器10及び工具押し出し量測定方法は、テーパ状の外径部11aを有し、軸方向中心部に貫通孔11bが形成されるテーパシャンク11と、テーパシャンク11に対して軸方向に摺動自在であるように貫通孔11b内に嵌め合わされる測定子12と、を備え、テーパシャンク11のテーパ状の外径部11aを主軸装置30のテーパ部31aと密着させて、測定子12のテーパ小径側の端面を主軸装置30のドローバー32で押し出すことで、測定子12を動かし、測定子12のテーパ大径側の動きを測定することで、主軸装置の工具押し出し量を測定する。これにより、テーパシャンク11のテーパ大径基準位置(ゲージラインともいう)11fから、測定子12に固定された調整部品16のドローバー押し当て面16aまでの相対位置関係をあらかじめ測定し、テーパシャンク規格で定められた呼び寸法Lに事前に合わせておいて、測定器10を測定対象となるクランプ状態の主軸装置30のテーパ部31aに装着し、測定子12のドローバー押し当て面16aの反対側端面をダイヤルゲージ13で読み取った後にドローバー32をアンクランプ側へ動かすことにより、測定子12が動き、工具押し出し量Kが測定できる。このようにすると、アンクランプ時でも、テーパシャンク11の外径部11aがテーパ部31aから離れることが無いので、測定器10は安定し、測定子12の位置をダイヤルゲージ13で読み取ることが迅速かつ正確に測定することができる。
また、摺動自在な測定子12をテーパシャンク11に対する一定位置に繰り返し位置決め可能なストッパ15が、測定子12に取り付けられるので、テーパシャンク11のテーパ大径基準位置11fから、測定子12のドローバー押し当て面16aまでの相対位置関係をあらかじめ測定し、テーパシャンク規格で定められた呼び寸法Lに事前に合わせておくことで、該相対位置関係が、テーパシャンク規格で定められた呼び寸法Lになる位置で測定子12が固定できるようになる。このようにすると、工具押し出し量の測定のたびに、テーパシャンク11のテーパ大径基準位置11fから、測定子12のドローバー押し当て面16aまでの相対位置関係をあらかじめ測定する必要が無く、さらに迅速な測定が可能になる。
さらに、測定子12をテーパシャンク11のテーパ小径側に向けて付勢する圧縮コイルバネ14を備えるので、一度アンクランプして測定し終わった状態から、再びクランプ状態にしたときに自動的に測定子12は前記相対位置関係に戻るため、繰り返し測定することが容易になり、繰り返し測定することでさらに測定精度を向上することができる。
加えて、測定子12に設けられ、テーパシャンク11のテーパ大径基準位置11fから測定子12のテーパ小径側の端面までの距離を調整する調整部品16を備えるので、テーパシャンク11のテーパ大径基準位置11fから、測定子12のドローバー押し当て面16aまでの相対位置関係を、測定子12を追加工することなく、調整部品16を調整するだけでテーパシャンク規格で定められた呼び寸法Lに仕上げることができるため、校正が簡単になり、測定の信頼性を向上することができる。
また、テーパシャンク11には、テーパ大径基準位置11fから測定子12のテーパ小径側の端面までの距離を測定するための測定基準面11gが設けられているので、テーパ大径基準位置11fから、測定子12のテーパ小径側の端面までの距離を簡単に測定することができ、校正が簡単になり、測定の信頼性を向上することができる。
さらに、テーパシャンク11に固定され、測定子12の軸方向移動量を測定するダイヤルゲージ13をさらに備えるので、測定器10を測定対象となるクランプ状態の主軸装置30のテーパ部31aに装着し、測定子12のドローバー押し当て面16aの反対側端面を事前にダイヤルゲージ13で読み取っておくためにダイヤルゲージ13をセットする必要がなくなり、単純に測定対象の主軸装置30に装着しクランプ/アンクランプさせるだけで工具押し出し量Kが測定できるようになるため、さらに迅速な測定が可能となる。また、繰り返し測定が容易になり、測定精度を向上することができる。
なお、本発明は適宜上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明の工具押し出し量測定器を示す断面図である。 (a)は主軸装置の工具クランプ機構を示す工具クランプ状態の断面図であり、(b)は主軸装置の工具クランプ機構を示す工具アンクランプ状態の断面図である。 測定器を測定対象である主軸装置に装着し、ドローバーをクランプ状態にした断面図である。 図3の状態からドローバーをアンクランプ状態にした断面図である。 測定器を構成するはじめの手順を示す断面図である。 従来の一般的な工具押し出し量の測定方法を示した断面図である。
符号の説明
10 工具押し出し量測定器
11 テーパシャンク
11a 外径部
11b 貫通孔
11f テーパ大径基準位置
11g 測定基準面
12 測定子
13 ダイヤルゲージ(測定装置)
14 圧縮コイルバネ
15 ストッパ
16 調整部品
30 主軸装置
31 ドローバー

Claims (8)

  1. 主軸装置の工具押し出し量を測定する工具押し出し量測定器であって、
    テーパ状の外径部を有し、軸方向中心部に貫通孔が形成されるテーパシャンクと、
    該テーパシャンクに対して軸方向に摺動自在であるように前記貫通孔内に嵌め合わされる測定子と、
    を備えることを特徴とする工具押し出し量測定器。
  2. 前記測定子は、前記テーパシャンクのテーパ小径側において前記主軸装置のドローバーと当接可能な端面を有し、前記テーパシャンクのテーパ大径側において前記測定子の軸方向移動量を測定するための被測定部を有することを特徴とする請求項1に記載の工具押し出し量測定器。
  3. 前記測定子を前記テーパシャンクに対する一定位置に繰り返し位置決め可能なように、前記測定子に取り付けられるストッパをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の工具押し出し量測定器。
  4. 前記測定子を前記テーパシャンクのテーパ小径側に向けて付勢するバネをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の工具押し出し量測定器。
  5. 前記測定子に設けられ、前記テーパシャンクのテーパ大径基準位置から前記測定子のテーパ小径側の端面までの距離を調整する調整部品をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の工具押し出し量測定器。
  6. 前記テーパシャンクには、前記テーパ大径基準位置から前記測定子のテーパ小径側の端面までの距離を測定するための測定基準面が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の工具押し出し量測定器。
  7. 前記テーパシャンクに固定され、前記測定子の軸方向移動量を測定する測定装置をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の工具押し出し量測定器。
  8. 主軸装置の工具押し出し量を測定する工具押し出し量測定方法であって、
    テーパ状の外径部を有し、軸方向中心部に貫通孔が形成されるテーパシャンクと、該テーパシャンクに対して軸方向に摺動自在であるように前記貫通孔内に配置される測定子と、を備える測定器を具備する工程と、
    前記テーパシャンクの前記テーパ状の外径部を前記主軸装置のテーパ部と密着させる工程と、
    前記測定子のテーパ小径側の端面を前記主軸装置のドローバーで押し出すことで、前記測定子を動かす工程と、
    前記測定子のテーパ大径側の動きを測定することで、前記主軸装置の工具押し出し量を測定する工程と、
    を備えることを特徴とする工具押し出し量測定方法。
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