JP6851452B2 - フィルタベント装置 - Google Patents

フィルタベント装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6851452B2
JP6851452B2 JP2019215339A JP2019215339A JP6851452B2 JP 6851452 B2 JP6851452 B2 JP 6851452B2 JP 2019215339 A JP2019215339 A JP 2019215339A JP 2019215339 A JP2019215339 A JP 2019215339A JP 6851452 B2 JP6851452 B2 JP 6851452B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
filter vent
vent device
liquid
ionic liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019215339A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020042040A5 (ja
JP2020042040A (ja
Inventor
宗平 福井
宗平 福井
基 田中
基 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2019215339A priority Critical patent/JP6851452B2/ja
Publication of JP2020042040A publication Critical patent/JP2020042040A/ja
Publication of JP2020042040A5 publication Critical patent/JP2020042040A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6851452B2 publication Critical patent/JP6851452B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Description

本発明は、フィルタベント装置に関し、特に、放射性物質の有機よう素を捕集することが可能なフィルタベント装置に関する。
原子炉格納容器から放出されるガスに混入する可能性がある放射性排出物を、完全には除去できないにしても、できるだけ少なくするより効果的なフィルタとして、特許文献1には、圧力容器内に密閉された水プール内で冠水状態にある第1の群の金属繊維フィルタと連通する複数の出口を有する傾斜したマニホールドを用いた、原子炉格納容器排気系用湿式フィルタが記載されている。この特許文献1に記載のフィルタでは、水プールの上方に懸架されたデミスタが、湿式フィルタによりフィルタ処理された排気中に同伴された湿分を、大気への排気経路に接続された圧力容器の出口に連通する第2のマニホールドに接続された高密度で乾式の第2の金属繊維フィルタを通過する前に、除去する。
また、特許文献2には、原子炉事故時に原子炉格納容器内に放出される放射性物質の環境への放出を抑制するために、スクラバタンクと捕集槽とを第2ベント管を介して接続し、スクラバタンク内には水スクラバとステンレス鋼繊維フィルタが設けられ、水スクラバ中には第1ベント管に接続したベンチュリノズルが没入しており、捕集槽には湿分除去層と活性炭フィルタが設けられており、湿分除去層と水スクラバとはバルブを介してドレンラインが接続しており、ステンレス鋼繊維フィルタを冷却することで水分が結露し除去され、このフィルタは水分を含むことによって核分裂生成物の除去性能を向上させることが記載されている。
特表2015−522161号公報 特開平07−209488号公報
原子力プラントで発生した放射性物質を直接大気環境に放出することなく捕集するための設備として、フィルタベント装置を設置することが知られている。
原子力プラントでの事故時に発生する放射性物質は大きく分けて希ガス、エアロゾル、無機よう素、有機よう素の4種類があり、現在主に設置されているフィルタベント装置には希ガス以外の放射性物質を捕集する機能がある。
フィルタベント装置内には、水酸化ナトリウムやチオ硫酸ナトリウムなどの化学物質が添加された水(スクラビング水と称す)が設置されており、このスクラビング水では主にエアロゾルと無機よう素が捕集できる。同じく、フィルタベント装置に設置されている金属フィルタではエアロゾルが捕集でき、銀ゼオライトフィルタでは有機よう素が捕集できる。
上述の特許文献2に記載のように、有機よう素を捕集するために金属フィルタの下流に活性炭フィルタ層を設置する手法もある。
しかしながら、銀ゼオライトなどの有機よう素捕集材によって有機よう素を捕集する方法では、有機よう素捕集材に水分が付着し、捕集効率の低下が起こる課題がある。そのため、特許文献2に記載のように、有機よう素捕集材への水分付着を防ぐため、フィルタベント装置には過熱蒸気を流入させる複雑な構造を持つしかない、との課題があった。また、有機よう素を捕集するための銀ゼオライトフィルタには多くの量の吸着材が使用されており、その取り扱いが難しい、との問題がある。
このように、有機よう素の除去系統の複雑化や、処理コストも高くなることが、有機よう素の捕集の課題の一つとして挙げられる。
本発明では、原子炉格納容器から放出される放射性物質のうち、特に有機よう素を簡易的な設計で効率的に捕集することが可能なフィルタベント装置を提供する。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、原子炉格納容器に連結したベント配管と接続され、放射性物質を除去するためのフィルタベント装置であって、内部にスクラビング水および放射性物質除去用のフィルタを有するフィルタベント容器と、前記フィルタベント装置内に配置され、有機よう素を捕集することが可能な不揮発性の液体と、を備え、前記フィルタは、前記不揮発性の液体の上流側に配置され、前記不揮発性の液体は、イオン液体であることを特徴とする。
本発明によれば、フィルタベント装置の複雑な設計なしに有機よう素を効率的に捕集することが可能となる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
本発明に関わる実施例1のフィルタベント装置の概略を示す図である。 本発明に関わる実施例2のフィルタベント装置の概略を示す図である。 本発明に関わる実施例3のフィルタベント装置の概略を示す図である。 本発明に関わる実施例4のフィルタベント装置の概略を示す図である。 本発明に関わる実施例5のフィルタベント装置の概略を示す図である。 図5に示す有機よう素捕集容器の拡大断面図である。 本発明に関わる実施例6のフィルタベント装置の概略を示す図である。 本発明に関わる実施例7のフィルタベント装置の概略を示す図である。
以下に本発明のフィルタベント装置の実施例を、図面を用いて説明する。
<実施例1>
図1は本発明の実施例1のフィルタベント装置の構成を示す模式図である。
図1において、フィルタベント装置30は、原子炉圧力容器4Aが破損するなどの過酷事故時において、ドライウェル31ならびにウェットウェル32が内在する格納容器4内の圧力を減少させるために格納容器4内の気体を大気放出する際に気体に含まれる放射性物質を極力除去するものである。
本実施例におけるフィルタベント装置30の各構成機器は、図1に示すように、内部にスクラビング水2および放射性物質除去用の金属フィルタ10を有するフィルタベント容器1、格納容器4に連結したドライウェルベント配管7やウェットウェルベント配管8、一端がドライウェルベント配管7およびウェットウェルベント配管8に連結され、他端がフィルタベント容器1内のスクラビング水2内に導入された入口配管9、フィルタベント容器1内の金属フィルタ10に連結する出口配管11、を備えている。
フィルタベント容器1は放射性物質であるエアロゾル、無機よう素、有機よう素の捕集に用いられる役割を持つ。
図1に示すように、フィルタベント容器1の内部にはスクラビング水2が設置されている。このスクラビング水2の上層には、スクラビング水2と混じらずに、放射性物質である有機よう素が捕集可能な不揮発性液体3が設置されている。
個々のプラント出力や事故シナリオにより異なるが、事故時に発生する放射性物質のうち、原子炉圧力容器4Aが破損するような燃料破損が伴うシビアアクシデント時では、1kg程度の有機よう素が発生すると評価されており、有機よう素としては主によう化メチルが発生すると評価されている。
そこで、本実施例では、有機よう素を捕集する性質を持つ不揮発性液体3として、イオン液体を用いる。このイオン液体の種類としては、疎水性で、また水よりも上層に位置するように、比較的密度の低いトリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムクロリドなどがある。
なお、不揮発性液体3はイオン液体に限られず、同様に耐熱性、耐放射性のある界面活性剤も用いることができ、また、イオン液体と界面活性剤との混合液体であっても、同じような効果が期待できる。
事故時には比較的温度の高いガスがフィルタベント容器1に流入するため、有機よう素はガス状であると推定される。ガス状の有機よう素を捕集するためには、気泡内での有機よう素の拡散泳動、熱泳動、ブラウン拡散、対流を利用しイオン液体と接触させ溶解させるため、不揮発性液体3は、気泡の液体中での滞留時間を稼ぐように設けることが望ましい。
ここで、本実施例における不揮発性液体3は、常温(大気の標準的な温度であり、15〜25℃の範囲)・常圧(大気圧)で液相であり、かつ200℃以上の高温・高圧(大気圧より高圧)でも液相である液体とする。
次に、図1を用いて本実施例のフィルタベント装置30の動作原理を説明する。
事故時に格納容器4へ放出された放射性物質は、隔離弁5または隔離弁6を開くことで格納容器4に接続されるドライウェルベント配管7またはウェットウェルベント配管8へ流入する。
その後、放射性物質は入口配管9を経由してフィルタベント容器1内のスクラビング水2に流入し、スクラビング水2によって放射性物質のうちエアロゾルおよび無機よう素が捕集される。
スクラビング水2で捕集されなかった有機よう素はスクラビング水2の上層に位置する不揮発性液体3によって捕集される。
スクラビング水2および不揮発性液体3で捕集しきれなかったエアロゾルは下流の金属フィルタ10によってさらに捕集され、出口配管11を通り排気筒12によって放射性物質が充分に除去されたガスが外部に放出される。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述した本発明の実施例1の放射性物質を除去するためのフィルタベント装置30は、内部にスクラビング水2および放射性物質除去用の金属フィルタ10を有するフィルタベント容器1と、格納容器4に連結したドライウェルベント配管7,ウェットウェルベント配管8と、一端がドライウェルベント配管7,ウェットウェルベント配管8に連結され、他端がフィルタベント容器1内のスクラビング水2内に導入された入口配管9と、フィルタベント容器1内の金属フィルタ10に連結する出口配管11と、フィルタベント装置30内に配置され、有機よう素を捕集することが可能な不揮発性液体3と、を備えた。
このように、フィルタベント装置30内に、有機よう素の捕集材として、有機よう素を捕集することが可能な不揮発性液体3を設置するのみで、格納容器4から放出される放射性物質のうち、特に有機よう素を効率的に捕集することができる。よって、上述した特許文献2に記載された技術のように有機よう素の除去系統が複雑化することなく、簡易的な設計で効率的に捕集することができ、処理コストが高くなることを防ぐこともできる。また、大掛かりな装置を導入する必要がないため、現存するフィルタベント装置に適用する際にも、フィルタベント装置の静的システムを維持することができる、との利点を有する。
また、不揮発性液体3は、スクラビング水2と混合せず、スクラビング水2の上層部に位置することで、スクラビング水2でエアロゾルや無機よう素などを捕集した後に不揮発性液体3により有機よう素を捕集させることができるため、不揮発性液体3には比較的濃度の高い有機よう素を流入させることができる。そのため、不揮発性液体3での有機よう素の捕集効率を高く維持することができ、より効果的な有機よう素の捕集が可能となる。
更に、不揮発性液体3は、イオン液体、界面活性剤のうち少なくともいずれか1種を含む液体である。不揮発性液体3のうち、イオン液体は一般産業向けに実用化されている。イオン液体の特徴は不揮発性であり、事故時にフィルタベント装置30に流入するとされるガス温度である約200℃という条件でも十分な耐熱性を持つ。また、イオン液体は耐放射性にも優れ、かつ放射性物質などの基質をイオン液体中に高い濃度で溶解(捕集)する性質を持つ。特に有機よう素は水に難溶で高揮発性の物質であるため、これを捕集するための有力な不揮発性の液体としてイオン液体を使用することにより、捕集効率の更なる効率化を図ることができる。同様に、不揮発性液体3には界面活性剤も好適に適用することができ、イオン液体と同様の効果が得られる。
また、不揮発性液体3は、常温・常圧で液相であり、かつ200℃以上でも液相である液体であることで、事故時においても、不揮発性液体3を安定して液相で存在させて、有機よう素を十分に捕集させることができる。
<実施例2>
本発明の実施例2のフィルタベント装置を図2を用いて説明する。図1と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。以下の実施例においても同様とする。
図2に示すように、本実施例のフィルタベント装置30Aは、フィルタベント容器1A内のスクラビング水2の上層部の位置に、格納容器4内から導入される気体と不揮発性液体3との接触時間を増加させるための流路絞り板13を備えることを特徴とするものである。
その他の構成・動作は前述した実施例1のフィルタベント装置30とほぼ同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例2のフィルタベント装置30Aにおいても、前述した実施例1のフィルタベント装置30とほぼ同様な効果が得られる。
また、フィルタベント容器1Aは、スクラビング水2の上層部に、格納容器4内から導入される気体と不揮発性液体3との接触時間を増加させるための流路絞り板13を有する。この流路絞り板13により、不揮発性液体3の量を多くすることなく、不揮発性液体3部分の水路長を長くすることができ、流入する気泡の不揮発性液体3内の滞留時間を実施例1に比べてより稼ぐことができる。従って、より効果的な有機よう素の捕集が可能となる。
<実施例3>
本発明の実施例3のフィルタベント装置を図3を用いて説明する。
図3に示すように、本実施例のフィルタベント装置30Bは、フィルタベント容器1Bの内部にスクラビング水2が設置されており、このスクラビング水2の下層に、スクラビング水2と混じらずに、放射性物質である有機よう素が捕集可能な不揮発性液体3Bが設置されている。このフィルタベント容器1Bも、実施例1のフィルタベント容器1と同様に、放射性物質であるエアロゾル、無機よう素、有機よう素の捕集に用いられる役割を持つ。
有機よう素を捕集する性質を持つ不揮発性液体3Bとしてはイオン液体が好適に用いられる。不揮発性液体3Bの種類としては、疎水性で、水よりも下層に位置する比較的密度の高い1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドや1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどがある。
事故時には比較的温度の高いガスがフィルタベント容器1Bに流入するため有機よう素はガス状であると推定される。ガス状の有機よう素を捕集するためには、気泡内での有機よう素の拡散泳動、熱泳動、ブラウン拡散、対流を利用してイオン液体と接触させ溶解させるため、その気泡のイオン液体中での滞留時間を稼ぐことが望ましい。
また、本実施例では不揮発性液体3Bとして、イオン液体を選定したが、同様に耐熱性、耐放射性のある界面活性剤や、これらイオン液体と界面活性剤との混合液体でも同じ効果が期待できる。
本実施例のフィルタベント装置30Bでは、事故時に格納容器4へ放出された放射性物質は隔離弁5または隔離弁6を開くことで格納容器4に接続されるドライウェルベント配管7またはウェットウェルベント配管8へ流入する。
その後、放射性物質は入口配管9を経由してフィルタベント容器1B内に流入し、最初に、フィルタベント容器1B内の不揮発性液体3Bによって放射性物質のうち有機よう素が重点的に捕集される。
不揮発性液体3Bで捕集されなかったエアロゾルと無機よう素は不揮発性液体3の上層に位置するスクラビング水2によって捕集される。
不揮発性液体3Bおよびスクラビング水2で捕集しきれなかったエアロゾルは下流の金属フィルタ10によって捕集され、出口配管11を通り排気筒12によって放射性物質が除去されたガスが外部に放出される。
その他の構成・動作は前述した実施例1のフィルタベント装置30とほぼ同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例3のフィルタベント装置30Bにおいても、前述した実施例1のフィルタベント装置30とほぼ同様な効果が得られる。
<実施例4>
本発明の実施例4のフィルタベント装置を図4を用いて説明する。
図4に示すように、本実施例のフィルタベント装置30Cは、フィルタベント容器1Cの内部にスクラビング水と不揮発性液体とが混合された混合型スクラビング水14が設置されている。このフィルタベント容器1Cも、放射性物質であるエアロゾル、無機よう素、有機よう素の捕集に用いられる役割を持つ。
有機よう素を捕集する性質を持つ不揮発性液体として、イオン液体が好適である。このイオン液体の種類としては、親水性で、かつ水と混合する1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージドや1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロほう酸塩などがある。
また、不揮発性液体は、イオン液体に限られず、同様に耐熱性、耐放射性のある界面活性剤や、イオン液体と界面活性剤との混合液体でも同じ効果が期待できる。
本実施例のフィルタベント装置30Cでは、事故時に格納容器4へ放出された放射性物質は隔離弁5または隔離弁6を開くことで格納容器4に接続されるドライウェルベント配管7またはウェットウェルベント配管8へ流入する。
放射性物質は入口配管9を経由してフィルタベント容器1C内に流入し、フィルタベント容器1C内の混合型スクラビング水14によって放射性物質であるエアロゾル、無機よう素および有機よう素が捕集される。
混合型スクラビング水14で捕集しきれなかったエアロゾルは下流の金属フィルタ10によってさらに捕集され、出口配管11を通り排気筒12によって放射性物質が除去されたガスが外部に放出される。
その他の構成・動作は前述した実施例1のフィルタベント装置30とほぼ同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例4のフィルタベント装置30Cにおいても、前述した実施例1のフィルタベント装置30とほぼ同様な効果が得られる。
また、不揮発性液体は、スクラビング水と混合した混合型スクラビング水14として存在していることにより、液体中での気泡の滞留時間を十分に稼ぐことのできる構成となっている。このため、特に有機よう素の捕集効率を十分に高めることができる。
<実施例5>
本発明の実施例5のフィルタベント装置を図5および図6を用いて説明する。
図5に示すように、本実施例のフィルタベント装置30Dは、フィルタベント容器1Dの内部にスクラビング水2が設置されている。スクラビング水2の下流には金属フィルタ10が設置され、金属フィルタ10の下流、出口配管11の上流には不揮発性液体3Dが収納された有機よう素捕集容器15Aが設置されている。このフィルタベント容器1Dも、放射性物質であるエアロゾル、無機よう素、有機よう素の捕集に用いられる役割を持つ。
本実施例では、有機よう素を捕集する性質を持つ不揮発性液体3Dとして、イオン液体を用いた。イオン液体の種類としては疎水性や親水性、または密度に関わらず実施例1―4に記載したイオン液体を用いてもよい。
本実施例では、実施例1等と異なり、スクラビング水2および金属フィルタ10でエアロゾルや無機よう素などが捕集された後に不揮発性液体3Dに流入するため、不揮発性液体3D部には実施例1に比べてより濃度の高い有機よう素が流入する。そのため、不揮発性液体3Dでの捕集効率を高く維持することができる。
また、事故時には比較的温度の高いガスがフィルタベント容器1に流入するため、有機よう素はガス状であると推定される。ガス状の有機よう素を捕集するためには、気泡内での有機よう素の拡散泳動、熱泳動、ブラウン拡散、対流を利用しイオン液体と接触させ溶解させるため、その気泡のイオン液体中での滞留時間を稼ぐことが好ましい。
そこで、本実施例のフィルタベント装置30Dは、図6に示すように、有機よう素捕集容器15Aに流路板16および多孔板17が設けられている。流路板16により不揮発性液体3中のガスの滞留時間を稼ぐことができ、多孔板17を設けることにより気泡のサイズを小さくして不揮発性液体3Dとの接触面積を大きくとることで有機よう素の捕集効率を高めることができる。
多孔板17としては金属のメッシュシートやパンチングメタル、多孔質セラミック層などが有効である。
また、流路板16と多孔板17は複数個設けることも可能である。
流路板16は、螺旋状の螺旋板とすることも可能である。
また、本実施例でも、不揮発性液体3Dとして、イオン液体を選定したが、同様に耐熱性、耐放射性のある界面活性剤や、これらイオン液体と界面活性剤との混合液体でも同じ効果が期待できる。
次に、図5,6を用いて本実施例のフィルタベント装置30Dの動作原理を説明する。
事故時に格納容器4へ放出された放射性物質は隔離弁5または隔離弁6を開くことで格納容器4に接続されるドライウェルベント配管7またはウェットウェルベント配管8へ流入する。
放射性物質は入口配管9を経由してフィルタベント容器1D内に流入し、スクラビング水2によって放射性物質のうちエアロゾルおよび無機よう素が捕集される。
次いで、スクラビング水2の下流に設置される金属フィルタ10でさらにエアロゾルが捕集され、その後、その下流に設置された有機よう素捕集容器15Aに収納された不揮発性液体3Dによって有機よう素が捕集される。
このように放射性物質が除去されたガスが出口配管11を通り排気筒12によって放出される。
その他の構成・動作は前述した実施例1のフィルタベント装置30とほぼ同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例5のフィルタベント装置30Dにおいても、前述した実施例1のフィルタベント装置30とほぼ同様な効果が得られる。
また、不揮発性液体3が収納された有機よう素捕集容器15Aを更に備え、この有機よう素捕集容器15Aは、格納容器4内から導入される気体と不揮発性液体3との接触を増加させるための多孔板17と、格納容器4内から導入される気体と不揮発性液体3との接触時間を増加させるための流路板16または螺旋板とを有することで、スクラビング水2および金属フィルタ10でエアロゾルや無機よう素などを捕集した後のより有機よう素の濃度の高い気泡が不揮発性液体3Dに流入する。このため、不揮発性液体3Dでの有機よう素の捕集効率をさらに高く維持することができる。
<実施例6>
本発明の実施例6のフィルタベント装置を図7を用いて説明する。
図7に示すように、本実施例のフィルタベント装置30Eは、図5に示される実施例5のフィルタベント装置30Dに対して、不揮発性液体3Eが収容された有機よう素捕集容器15Bがフィルタベント容器1Eの外部に設置されたことを特徴とする。
その他の構成・動作は前述した実施例5のフィルタベント装置30Dとほぼ同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例6のフィルタベント装置30Eにおいても、前述した実施例5のフィルタベント装置30Dとほぼ同様な効果が得られる。
また、本実施例では、フィルタベント容器1Eを実施例5のフィルタベント容器1Dに比べて小型化することができる。実施例5のフィルタベント装置30Dと実施例6のフィルタベント装置30Eとは、原子炉建屋などの配置に応じて適宜選択することができる。
<実施例7>
本発明の実施例7のフィルタベント装置を図8を用いて説明する。
図8に示すように、本実施例のフィルタベント装置30Fは、フィルタベント容器1Fの内部にスクラビング水2が設置されている。スクラビング水2の下流には金属フィルタ10が設置されている。
本実施例のフィルタベント装置30Fでは、不揮発性液体3が収納された保管容器18が注入配管19を経由しフィルタベント容器1Fに接続されており、注入配管19には弁20が設置されている。このフィルタベント容器1Fも、放射性物質であるエアロゾル、無機よう素、有機よう素の捕集に用いられる役割を持つ。
保管容器18は、フィルタベント容器1Fの外に設置されており、通常時は不揮発性液体3Fを保持してスクラビング水2と不揮発性液体3Fとを別個に保管する。
本実施例でも、有機よう素を捕集する性質を持つ不揮発性液体3Fとしてイオン液体を用いた。イオン液体の種類としては疎水性であり、密度に関わらず実施例1,3に記載したイオン液体を用いることができる。密度の低い疎水性イオン液体を用いた場合、弁20を開いてイオン液体をフィルタベント容器1Fに注入する。密度の高い疎水性イオン液体を用いた場合も、弁20を開いてイオン液体をフィルタベント容器1Fに注入する。
また、本実施例でも不揮発性液体3として疎水性のイオン液体を選定したが、親水性のイオン液体であってもよく、更に、耐熱性、耐放射性のある界面活性剤や、イオン液体と界面活性剤との混合液体でも同じ効果が期待できる。
次に、図8を用いて本実施例のフィルタベント装置30Fの動作原理を説明する。
事故時に格納容器4へ放出された放射性物質は隔離弁5または隔離弁6を開くことで格納容器4に接続されるドライウェルベント配管7またはウェットウェルベント配管8へ流入する。
本実施例のフィルタベント装置30Fでは、この隔離弁5、6を開く前に、弁20を開き、保管容器18に収納された不揮発性液体3Fをフィルタベント容器1Fに注入する。注入方法は水頭圧による注入であっても窒素圧をかけて注入する方法でも手段を問わない。
その後、放射性物質は入口配管9を経由してフィルタベント容器1F内に流入し、実施例1,3等と同様にスクラビング水2、不揮発性液体3F、金属フィルタ10によって放射性物質が捕集される。このように放射性物質が除去されたガスが出口配管11を通り排気筒12によって放出される。
その他の構成・動作は前述した実施例1,3のフィルタベント装置30,30Bとほぼ同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例7のフィルタベント装置30Fにおいても、前述した実施例1,3のフィルタベント装置30,30Bとほぼ同様な効果が得られる。
また、フィルタベント装置30Fは、フィルタベント容器1Fの外に設置された、不揮発性液体3Fが収納された保管容器18を更に備えたことにより、使用する不揮発性液体3Fの密度によって、各々、実施例1,3で生じる各効果を得ることができる。また、不揮発性液体3の保管管理が実施例1,3に比べて容易であり、不揮発性液体3Fへのわずかな水分吸収も防ぐことが可能である。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F…フィルタベント容器
2…スクラビング水
3,3B,3D,3E,3F…不揮発性液体
4…格納容器
4A…原子炉圧力容器
5,6…隔離弁
7…ドライウェルベント配管
8…ウェットウェルベント配管
9…入口配管
10…金属フィルタ
11…出口配管
12…排気筒
13…流路絞り板
14…混合型スクラビング水
15A,15B…有機よう素捕集容器
16…流路板
17…多孔板
18…保管容器
19…注入配管
20…弁
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F…フィルタベント装置
31…ドライウェル
32…ウェットウェル

Claims (10)

  1. 原子炉格納容器に連結したベント配管と接続され、放射性物質を除去するためのフィルタベント装置であって、
    内部にスクラビング水および放射性物質除去用のフィルタを有するフィルタベント容器と、
    前記フィルタベント装置内に配置され、有機よう素を捕集することが可能な不揮発性の液体と、を備え、
    前記フィルタは、前記不揮発性の液体の上流側に配置され、
    前記不揮発性の液体は、イオン液体である
    ことを特徴としたフィルタベント装置。
  2. 請求項1に記載のフィルタベント装置において、
    一端が前記ベント配管に連結され、他端が前記フィルタベント容器内に導入された入口配管と接続される
    ことを特徴としたフィルタベント装置。
  3. 請求項1に記載のフィルタベント装置において、
    前記フィルタは、前記スクラビング水の下流側に配置されている
    ことを特徴としたフィルタベント装置。
  4. 請求項1に記載のフィルタベント装置において、
    前記イオン液体が収納された収納容器を更に備えた
    ことを特徴としたフィルタベント装置。
  5. 請求項4に記載のフィルタベント装置において、
    前記収納容器は、前記原子炉格納容器内から導入される気体と前記イオン液体との接触を増加させるための多孔板と、前記原子炉格納容器内から導入される気体と前記イオン液体との接触時間を増加させるための流路板または螺旋板とを有する
    ことを特徴としたフィルタベント装置。
  6. 請求項4に記載のフィルタベント装置において、
    前記収納容器は、前記フィルタベント容器の外に設置された
    ことを特徴としたフィルタベント装置。
  7. 請求項1に記載のフィルタベント装置において、
    前記イオン液体は、常温・常圧で液相であり、かつ200℃以上でも液相である液体である
    ことを特徴としたフィルタベント装置。
  8. 請求項1に記載のフィルタベント装置において、
    前記イオン液体は、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムクロリドである
    ことを特徴としたフィルタベント装置。
  9. 請求項1に記載のフィルタベント装置において、
    前記イオン液体は、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、または1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドである
    ことを特徴としたフィルタベント装置。
  10. 請求項1に記載のフィルタベント装置において、
    前記イオン液体は、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、または1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロほう酸塩である
    ことを特徴としたフィルタベント装置。
JP2019215339A 2019-11-28 2019-11-28 フィルタベント装置 Active JP6851452B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019215339A JP6851452B2 (ja) 2019-11-28 2019-11-28 フィルタベント装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019215339A JP6851452B2 (ja) 2019-11-28 2019-11-28 フィルタベント装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016118794A Division JP6628313B2 (ja) 2016-06-15 2016-06-15 フィルタベント装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020042040A JP2020042040A (ja) 2020-03-19
JP2020042040A5 JP2020042040A5 (ja) 2020-04-30
JP6851452B2 true JP6851452B2 (ja) 2021-03-31

Family

ID=69798130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019215339A Active JP6851452B2 (ja) 2019-11-28 2019-11-28 フィルタベント装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6851452B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7456916B2 (ja) 2020-11-05 2024-03-27 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 ヨウ素捕集装置及び原子力構造物

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19532366C1 (de) * 1995-09-01 1996-12-05 Siemens Ag Vorrichtung und Verfahren zur Inertisierung und zum Venting der Containment-Atmosphäre in einem Kernkraftwerk
SE1451118A1 (sv) * 2014-09-22 2016-03-23 Westinghouse Electric Sweden A method for cleaning contaminated gas
JP6044728B2 (ja) * 2016-01-22 2016-12-14 ヤマハ株式会社 電子鍵盤楽器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020042040A (ja) 2020-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6628313B2 (ja) フィルタベント装置
JP6288781B2 (ja) 原子炉格納容器換気系用フィルタ
JP6876447B2 (ja) 原子力発電プラント
US20200343012A1 (en) Reactor Containment Vessel Vent System
JP6851452B2 (ja) フィルタベント装置
CN107924727B (zh) 放射性物质过滤装置
JP6310987B2 (ja) 軽水型炉(lwr)の重大事故封じ込め用の放射性捕獲システムおよびその方法
JPH0511598B2 (ja)
KR101478738B1 (ko) 수증기 저감부가 장착된 피동 촉매 결합기
JP2001343480A (ja) 原子力プラントシステムおよびその運転方法
JP6134691B2 (ja) 放射性物質を受動的にフィルタ処理するためのシステム
EP2942782A1 (en) Salt filtration system and method of removing a radioactive material from a gas using the same
JPH1194992A (ja) 触媒式再結合器
JP7223518B2 (ja) 有機よう素捕集装置
JP6266466B2 (ja) 原子炉安全システムにおけるデブリ低減システム
JP2015036685A5 (ja)
JP6284889B2 (ja) 放射性物質除去フィルタ装置
KR101536235B1 (ko) 압력 및 속도 조절이 가능한 방사성 기체 여과 장치
JP5632272B2 (ja) 原子炉格納容器の水素処理設備
Lee et al. Analyses of Fission Product Retention under ISLOCA using MELCOR for APR1400
Kovach History of radioiodine control
JP7281393B2 (ja) 有機よう素除去剤および有機よう素除去装置
CN212757881U (zh) 一种锅炉废气检测过滤装置
Rahman et al. Analysis of Primary Containment Capture System for the propose Advanced Modern 600 nuclear power plant
JPH1062594A (ja) よう素除去装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191128

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200825

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201023

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6851452

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150