JP6849719B2 - オートメーション化された細胞培養システム及び方法 - Google Patents

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Description

行政サポートの陳述
本発明は、国立衛生研究所(the National Institutes of Health)により与えられたR44 GM087784及びR01 HL109505に基づく行政サポートを用いてなされた。行政は、本発明
において一定の権利を有する。
関連出願への相互参照
本出願は、2013年8月12日に提出された米国仮特許出願番号第61/864,993号についての
優先権を主張し、該出願の内容は、その全体が参照することによって本明細書中に組み込まれる。
イントロダクション
ヒト線維芽細胞を多能性細胞へ初期化する可能性は、無制限な数の患者特異的多能性幹細胞を用いた個別の医療の機会を広げた。実際に、「培養皿における疾患(Disease in a
Dish)」コンセプトを発展させることが、現実に近づきつつある。
人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells , iPSCs)及び他のタイプの多能性幹細胞の利点としては、その多分化能(multipotency)及び個人から樹立され得るという事実が挙げられ、これらのことが、任意の遺伝的背景を有する任意のドナーから多能性幹細胞を作り出すことを可能にする。多能性幹細胞は、任意の細胞タイプに分化し得、このことが、これらを、再生医療、薬物スクリーニング、及びインビトロの毒物学等の分野において魅力的なリソースにし得る。
かかる応用のための最も重要な必要条件は、iPSCの安定供給及び均一な品質である。品質の変動は、大部分は、研究室の技師の間の操作技術の違いから生じる。
細胞培養は、幹細胞研究及びハイスループットな、ハイコンテントセルベーススクリーニング(high content cell-based screening)における必須の過程である。細胞培養は
、細胞の播種、増殖(growing)、採取、計数、及び継代等、複数の作業からなる複雑な
処理である。これらの応用は、剤形の開発、細胞の単離、及び再現性を確立するための評価のための非常に時間のかかる過程を要求する。幹細胞株を樹立するための過程は、無菌状態(sterility)を維持し、かつ、全ての関連データ情報を扱う必要性を考慮すれば数
週間又は数ヶ月かける必要があるかもしれない。
従来の培養法及びシステムは、大きな労働力を要し、コンタミネーション、並びに人的エラー及び継続的な性能評価がないことに起因する培養の成功の水準の変動等の難点に悩まされる。従来の培養システムは、播種のための細胞の作製における初期ステップの大部分(すなわち、組織の消化、細胞のセレクション(selection))が手動で行われること
を要求し、これらは時間がかかり、作り出された組織の品質という観点において信頼性がなく、かつ培養コンタミネーションの問題が生じやすい。細胞及び組織の培養過程を制限する固有の設計の制限、環境を適切に監視及び修正して組織の発達をサポートすることができないこと、及び効果的な品質コントロール手段の実現を可能にする技術の欠如に起因して、システムは、初代細胞又は前駆細胞からの組織工学インプラントの作製をオートメーション化することをサポートすることができない。
本発明の概要
1の態様では、並進可能な(translatable)ベッド及び可動マルチチャネルピペット(movable multi-channel pipette)等のロボット液体処理システムを用いて幹細胞を培養するためのオートメーション化された方法である。該方法は、第1マルチウェル細胞培養プ
レート(multi-well cell culture plate)及びマルチトラフプレート(multi-trough plate)をベッドに配置するステップ、幹細胞の懸濁液を前記マルチトラフプレートの少な
くとも1のトラフ(trough)に配置するステップ、前記第1マルチウェル細胞培養プレートの少なくとも2の前記ウェルが異なる密度の幹細胞を有するように、前記マルチチャネルピペットを用いて、前記第1マルチウェル細胞培養プレートのそれぞれのウェルに幹細胞
の前記懸濁液の一部を移動させるステップ、望ましい密度の幹細胞を有する前記第1マル
チウェル細胞培養プレートのウェルを選択するステップ、第2マルチウェル細胞培養プレートを前記ベッドに配置するステップ、及び、前記マルチチャネルピペットを用いて、前記選択されたウェルの前記細胞を前記第2マルチウェル細胞培養プレートの複数のウェルに移動させるステップ、を含む。
別の態様では、幹細胞を培養するためのオートメーション化されたシステムである。システムは、ロボット液体処理システム及び前記ロボット液体処理システムと通信するコントローラを含む。ロボット液体処理システムは、並進可能なベッド及び可動マルチチャネルピペットを含み、該ベッドは、第1マルチウェル細胞培養プレート、第2マルチウェル
細胞培養プレート、及びその上に配置されるマルチトラフプレートを有する。前記コントローラは、前記マルチトラフプレートの少なくとも1のトラフに幹細胞の懸濁液を配置し
、前記第1マルチウェル細胞培養プレートの少なくとも2の前記ウェルが異なる密度の幹
細胞を有するように、前記マルチチャネルピペットを用いて、幹細胞の前記懸濁液の一部を前記第1マルチウェル細胞培養プレートの各ウェルに移動させ、ユーザ入力を得て、望
ましい密度の幹細胞を有する前記第1マルチウェル細胞培養プレートのウェルを選択し、
かつ、前記マルチチャネルピペットを用いて、前記選択されたウェルの前記細胞を、前記第2マルチウェル細胞培養プレートの複数のウェルに移動させるように構成される。
図面の簡単な説明
本明細書中に記載された実施態様は、添付された図面と併用して本明細書中に提示された詳細な記述を参照することによって、より良く理解され、かつ評価され得る。
図1a及び1bは、多能性幹細胞の分化及び細胞の生産の拡大を示す概略図である。図1aは、患者細胞からの幹細胞分化の多分化能を示し、図1bは、反復最適化(iterative optimization)又はiPSC培養の最適化における培養条件のハイスループット(high-throughput, HTP)スクリーニングの略図を示す。 図2aは、8チャネルピペットヘッドを有するオートメーション化されたロボット液体処理システムの斜視図である。図2b、2cは、傾斜したマルチウェルプレートのウェルへのピペットチップの案内(guidance)を示す。 図3は、オートメーション化された幹細胞培養システムの略図である。 図4は、(A)mTeSR1及び(B)E8培地において培養された多能性幹細胞を示す。 図5Aは、細胞を培養するための本発明のシステムを示すフロー図である。 図5Bは、細胞を培養するための本発明のシステムを示すフロー図である。 図5Cは、細胞を培養するための本発明のシステムを示すフロー図である。 図5Dは、細胞を培養するための本発明のシステムを示すフロー図である。 図5Eは、細胞を培養するための本発明のシステムを示すフロー図である。 図5Fは、細胞を培養するための本発明のシステムを示すフロー図である。 図6は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図7は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図8は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図9は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図10は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図11は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図12は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図13は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図14は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図15は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図16は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図17は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。 図18は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッドにおける物質の様々な配置を示す。 図19は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッドにおける物質の様々な配置を示す。 図20は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッドにおける物質の様々な配置を示す。 図21は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッドにおける物質の様々な配置を示す。 図22は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッドにおける物質の様々な配置を示す。 図23は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッドにおける物質の様々な配置を示す。 図24は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッドにおける物質の様々な配置を示す。 図25は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッドにおける物質の様々な配置を示す。 図26は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッドにおける物質の様々な配置を示す。 図27は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッドにおける物質の様々な配置を示す。 図28は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッドにおける物質の様々な配置を示す。 図29は、開示された方法及びシステムの構成の略図を示す。 図30は、開示された方法及びシステムの構成の略図を示す。 図31は、開示された方法及びシステムの構成の略図を示す。 図32は、開示された方法及びシステムの構成の略図を示す。 図33は、開示された方法及びシステムの構成の略図を示す。
詳細な説明
いかなる実施態様を本明細書中において詳細に説明する前にも、しかしながら、実施態様は、以下の記載において説明され、以下の図面において示され、又は実施例によって実証される構造の詳細及び方法の構成要素の配置への適用において限定されないことは理解される必要がある。かかる記載、図面、及び実施例は、添付された特許請求の範囲において説明される通り、本明細書中に記載された方法の実施態様の範囲を限定することを意図するものではない。他の実施態様は、様々な他の方法において実践され又は実行され得る。
更に、本明細書中において引用された任意の特許又は特許文献等の任意の参考文献が先行技術を構成するという承認は全くなされない。特に、別途言及しない限り、本明細書中のどの文献への参照も、これらの文献のいずれかが、米国又は他のいかなる国においても、先行技術における周知の一般知識の一部を形成するという承認を構成するものではないと理解されるだろう。参考文献のどの説明も、これらの著者が主張するものを記述し、出願人は、本明細書中に引用されたどの文献の正確性及び適切性を疑う権利も留保する。
本開示の全体にわたって、本明細書中に記載された本発明の方法及びシステムの様々な態様が範囲の形式(range format)において提示され得る。範囲の形式における記載は、単に便利さ及び簡潔さのためのものであると理解される必要があり、本明細書中に記載された方法の範囲を柔軟性なく限定するものとして解釈されるべきではない。その結果、当業者によって理解されるであろう通り、任意及び全ての目的のために、特に記載された記述を提供する観点において、本明細書中に記載された全ての範囲は、また、任意及び全てのあり得る部分的な範囲及びその部分的範囲の組み合わせ、並びにその範囲内の全ての整数及び分数の数値を包含する。単なる一例としては、20%〜40%の範囲は、20%〜32.5%及び32.5%〜40%、20%〜27.5%及び27.5%〜40%の範囲等に分解され得る。いかなる列挙された範囲も、また、少なくとも等分、3等分、4等分、5等分、10等分、等に分解された同じ範囲
を十分に記載し、実施可能にするものと容易に認識される。限定されない例として、本明細書中に説明された各範囲は、下位3分の1、中位3分の1、及び上位3分の1、等に容易に分解され得る。更に、当業者によってまた理解されるであろうように、「最大(up to)、
」「少なくとも(at least)、」「よりも大きい(greater than)、」「より少ない(less than)、」「より多い(more than)」等の全ての用語が、記載された数を含み、上述された部分的な範囲に後に分解され得る範囲に言及する。同様に、明細書中に開示された全ての比率は、より広い比率に含まれる全ての部分的な比率も含む。更に、「第1表示数
及び第2表示数の間の範囲(ranging/ranges between)」及び「第1表示数〜第2表示数の範囲」の表現は、区別しないで本明細書中において使用される。前述のものは、具体的に意図されるものの単なる例である。
また、本明細書中に使用される専門的表現及び専門用語は、説明のためのものであると理解する必要があり、限定するものと捉えるべきではない。「含む(comprising)、」「含む(including)、」「有する(having)、」及びこれらのバリエーションの本明細書
中における使用は、これらの後に列挙された項目及びその均等物並びに付加的な項目を包含することが意図されている。「含む(Comprising)、」は、用語「からなる(consisting of)」及び「から基本的になる(consisting essentially of)」を包含する。「から基本的になる」の使用は、構成又は方法が、付加的な構成要素及び/又はステップを含み得るが、付加的な構成要素及び/又はステップは、請求項に記載された構成要素又は方法の基本的かつ新規の特徴を実質的に変更しない場合のみであるということを意味する。別途指定され、又は限定されない限り、「取り付けられ(mounted)、」「接続され(connected)、」「支持され(supported)、」及び「連結され(coupled)」及びそのバリエー
ション等の用語が広く使用され、直接的及び間接的な取り付け、接続、指示、及び連結の両方を包含する。更に、「接続され」及び「連結され」は、物理的又は機械的な接続又は連結に限定されない。
様々な実施態様では、記載された方法は、1以上のコンピュータシステムにおいて実装(implement)され得る。各コンピュータシステムは、インターネット等のローカル及び
グローバルネットワークの組み合わせを通して互いに有線又は無線で通信し得る。各コンピュータシステムとしては、1以上の入力デバイス、出力デバイス、記憶媒体、及びプロセッサ/マイクロプロセッサが挙げられる。あり得る入力デバイスとしては、キーボード、コンピュータマウス、タッチパッド、タッチスクリーン、デジタルタブレット、マイクロホン、トラックボール、及び同様のものが挙げられる。出力デバイスとしては、ブラウン管(cathode-ray tube, CRT)コンピュータ用モニタ、液晶ディスプレイ(liquid-crystal display, LCD)又はLEDコンピュータモニタ、タッチスクリーン、スピーカ、及び同
様のものが挙げられる。記憶媒体としては、ハードディスク、RAM、フラッシュメモリ、
及び他の磁気的、光学的、物理的、又は電気的な記憶デバイス等の様々なタイプのローカル又はリモートな記憶デバイスが挙げられる。プロセッサは、演算を行い、記載された方法に従ってデータの入力、出力、演算及び表示を行うための他の機能を指揮するためのいかなる通常のコンピュータプロセッサであってもよい。様々な実施態様では、記載された方法の実装としては、1以上の記憶メディアに保持され、コントローラによって操作される指示及びデータのセットの生成(例えば、画像データ及び数値データ等)が挙げられる。
いくつかの実施態様では、記載された方法の実装として、入力、出力、コントロール、分析、及び他の機能を容易にするための1以上のウェブページを生成することが挙げられ得る。他の実施態様では、本発明の方法は、他のコンピュータシステムにアクセス可能であり、又はアクセス可能でないローカルコンピュータシステムにおいてローカルにコントロールされたプログラムとして実装され得る。更に他の実施態様では、本発明の方法の実装として、ラップトップ、タブレットコンピュータ、デジタイザー、デジタルタブレット、スマートフォン、及び他のデバイス等のポータブルデバイスへのアクセスを提供するモジュールを生成及び/又は操作することが挙げられ得る。
複数のハードウェア及びソフトウェアをベースとするデバイス、及び複数の異なる構成成分が本発明を実施するために使用され得ることも留意される必要がある。また、本発明の実施態様としては、説明のために、構成要素の大部分がもっぱらハードウェアにおいて実装されているかのように図示され、記載され得るハードウェア、ソフトウェア、及び電子的コンポーネント又はモジュールを含み得ると理解される必要がある。しかしながら、当分野の、かつ本詳細な説明の知識に基づく当業者は、少なくとも1の実施態様において
、本発明の電子回路をベースとする態様は、1以上のプロセッサによって実行可能なソフ
トウェア(例えば、持続性のコンピュータが読めるメディアに保持される)において実装され得ると認識するだろう。このため、複数のハードウェア及びソフトウェアをベースとするデバイス、及び複数の異なる構成成分が本発明を実装するために利用され得ると留意される必要がある。例えば、明細書に記載された「コントロールユニット」及び「コントローラ」としては、1以上のプロセッサ、持続性のコンピュータ読み取り可能な媒体等の1以上の記憶モジュール、1以上の入力/出力インターフェース、及び構成要素に接続する様々な接続(例えば、システムバス)が挙げられ得る。
もろい多能性幹細胞を取り扱って、最適な培養条件を特定し、かつ、幹細胞の多能性を維持しつつ、これらの細胞の生産を拡大するオートメーション化された細胞培養方法及びシステムが、開発された(図1a)。様々な実施態様では、本発明の方法及びシステムは、Gilson社のオートメーション化された、マルチチャネルのロボット液体処理(例えば、Pi
petmaX(商標)等のユニット)システム又はAgilent、Tecan、Hamilton、又はBiotekのシステム等の他のサプライヤーの同等のシステムを利用して、幹細胞培養を行う(図2a)。記載されたシステム及び方法の1の態様は、本発明のロボット液体処理システムにおいて
プログラムされたプロトコルを実行して、iPSC等の幹細胞の培養をオートメーション化するためのアプリケーションソフトウェアプログラム(app)を含む。本明細書中に開示さ
れた多くの実施例は、iPSCに具体的に言及するが、様々な実施態様では、記載された方法及びシステムは、多能性ヒト胚性幹細胞等の他の多能性幹細胞にも適用可能である。本発明のソフトウェアプログラムは、外部デバイス(例えば、タブレットコンピュータ)において動作し得、該外部デバイスは、ロボット液体処理システムに組み込まれたコントローラと通信し、いくつかの実施態様におけるソフトウェアプログラムは、ロボット液体処理システムのコントロール及び、存在する場合には外部ロボットシステムのコントロールも同様に調整して、記載された方法及びシステムを実装するだろう。故障/エラー(例えば、ピペットチップが全く利用できない)又は完了されつつある手順のいずれかに起因して、割り込みが必要な場合に、本発明のソフトウェアプログラムは、ユーザに警告するようにプログラムされ得る(例えば、音、光、振動、電子メールによる通知、テキストアラート(text alerts)等を用いる)。一般に、幹細胞のフィーディング(feeding)、継代(passing)、又は採取等の手順の実行中には、割り込みは全く必要でない。記載された手
順は、それゆえ、多能性幹細胞を維持し、幹細胞を様々な細胞及び組織タイプに分化させることを含むいくつか又は全てのステップをオートメーション化する。検査技師の自由になる時間がたくさんできることに加えて、記載されたオートメーション化された方法及びシステムは、これらの技術を、最小限に訓練された人材によって信頼性がありかつ再現可能な方法で実行することを可能にする。
本発明のシステム及び方法の態様は、スクリーニングを行って、細胞培養、及び細胞生産の拡大のための最適条件を特定するためのマルチウェル(例えば、24、48、又は96ウェル)プレートの使用である(図1b)。マルチウェルプレート形式の使用は、ロボット液体処理システムの使用によって容易化され、異なる多能性幹細胞株に特異的な新たな細胞培養プロトコルを確立するコスト(時間及び材料から生じるコスト等)を最小にする。信頼性のある、オートメーション化された幹細胞処理システムは、科学者が、研究室の発見を生み出すことにおけるその尽力をできる限り迅速に臨床応用に充てられるように、科学者をルーティンの細胞培養から自由にする。様々な幹細胞株の多能性を維持するための記載されたオートメーション化された幹細胞処理システム及び方法の使用は、例えば、ロボットシステムを用いるコンピュータアプリケーションにおいてユーザがボタンをクリックすることを介する、本発明のシステムとの画一化された対話(interaction)、並びに画一
化された材料及び試薬の使用を有することにより、幹細胞培養の再現性を確保する。
記載された方法及びシステムの特徴としては、1)スクリーニング培養条件及び細胞生
産の拡大の両方においてマルチウェル(例えば、96ウェル)プレートを使用すること、2
)高レベル(例えば、サブミクロン)の精密さをともなってピペット位置を移動させて、細胞培地を分注及び回収する能力を有する、ロボット液体処理システムの使用、3)細胞
の約99%の回収のための、加熱され、又は傾けられたラックを使用すること(図2a、2b、2c)、4)細胞の継代のための遠心分離ステップの必要性を除去すること、及び5)迅速な
幹細胞の増加速度の達成(例えば、1週間で144倍)が挙げられる。
一般に、本明細書中の手順は、ロボット液体処理システム(上述されたPipetmaX(商標)システム又は他のロボット液体処理システム等)によって実行され得る。いくつかの実施態様では、付加的なロボットデバイスが、例えば、構成要素をロボット液体処理システムへ又は該システムから移動させるために使用され得る。例えば、細胞のフィーディング、継代、又は採取等の1以上のプロトコルを実行するために、外部ロボットシステムが使用されて、細胞培養インキュベータからロボット液体処理システムへマルチウェル培養プ
レートを移動し得る。外部ロボットシステムは、空のプレート又はピペットチップ等の補給を収納場所からロボット液体処理システム上へ移動させるためにもプログラムされ得、及び/又は使用された物質を廃棄することが可能であり得る。いくつかの実施態様では、単独のロボットシステムは、本明細書中に記載された通り、ロボット液体処理システムの機能及び外部ロボットシステムの付加的な機能を処理し得る。図3は、オートメーション
化された細胞培養システムの略図を示し、この略図は、本発明のシステムが冷凍ストックから細胞株を準備(initiate)するためにどのように使用され得るか(図3、左)、及び
マルチウェルプレートの追加のウェルに播種するために、進行中の培養物をどのように使用し得るか(図3、右)を示す。図6〜17は、様々な実施態様に従う、様々なオートメーション化された幹細胞処理手順の概略図を示す。
ロボット液体処理システムは、ハイスループット合成及び生物学的又は生化学的スクリーニングのために使用され得、このハイスループット合成及び生物学的又は生化学的スクリーニングは、様々な化学的及び生物学的エンティティ(entities)のわずかな液状サンプルの混合及び反応を含むが、これに限定されない。標準のロボット液体処理システムの重要な利点は、これらが同時に複数の液体サンプルを処理することであり、例えば、8又
は12の液体サンプルが、通常、並行して同時に処理され得る。それゆえに、生物学的分析又は診断分析、PCR、DNA合成、あるいはコンビナトリアルケミストリーを行う場合に、液体を処理するロボットが、特に有用であった。標準のロボット液体処理システムは、これらの多数の液体処理プロトコルを実行する場合に、QIAGEN、Illumina、IDT、Invitrogen
、Sigma-Genosys、及びMWG Biotech等の様々な会社によって使用される。
ロボット液体処理システムは、例えば、24、48、96、又は384ウェルプレート等の標準
的反応ウェルプレートとともに使用され得るが、他のタイプ及びサイズのプレートも使用し得る。マルチウェルプレートは、プラスチック又はガラスの底を有し、ウェルは、円形、正方形、又は他の形状であり得る。かかるプレートは、液体処理ロボットの上端又は後部に位置し、通常、1以上のプレート又は他の構成要素を保持するように設計されたベッ
ド上に位置する。ベッドとしては、例えば、1以上のマルチウェルプレートを保持するた
めの9の位置、マルチチャネルトラフ(例えば、手順の間、培地又は細胞懸濁液を保持す
るための)、清潔なピペットチップ、使用されたピペットチップ及び/又は廃液用の廃棄物容器、並びにマルチウェルプレートを保持するための傾斜したアダプターが挙げられ得る(図18-28)。ベッドは、例えば、12、16、等、他の数の位置を有し得る。ベッドは、x、y、及びz方向において可動であり得る。いくつかの実施態様では、ベッドは、水平面(horizontal plane)において移動し得(例えば、x及びy方向として指定され得る)、このことが、ベッドの任意の容器において溶液の混合を容易にする。1の具体的な実施態様では、ベッドは、トラフの長軸、例えば、マルチチャネルトラフの長軸に平行な方向に移動されて、トラフの内容物を混合し得る。トラフが細胞懸濁液を含む場合、細胞懸濁液のアリコートを採取し、マルチウェルプレートへ分配する間、混合動作により、懸濁液における細胞を比較的に一様な密度で維持することが促進される。
ロボット液体処理システムは、可動マルチチャネルピペットヘッドも含み得、該可動マルチチャネルピペットヘッドは、使用されて、反応ウェルプレートの様々なウェルの間で、様々な液体を吸引し、その後、分注し得る。マルチチャネルピペットヘッドは、4、6、8、10、12、又は他の数のピペットノズルを有し得る。他の機構も使用され得るが、独立
に操作可能な容積式(positive displacement)注射器の動作を通常利用して、様々な液
体ノズルから液体を吸引し又は分注する。
本明細書中に記載された多くの実施態様が、Gilson PipetmaX(商標)のオートメーシ
ョン化された液体処理ロボットを用いて実行されたが、他のロボット液体処理システムも、液体処理及び機械的操作の性能のために使用される可動マルチチャネルピペットヘッド
をシステムが含むという条件で使用され得る。一般に、ピペットヘッドは、それぞれのモータポジショナー(motor positioners)を有する3の直交軸(x、y、及びzとして指定さ
れる)において移動可能である。様々な実施態様では、ピペットヘッドは、少なくとも10
μm、少なくとも5 μm、少なくとも2 μm、少なくとも1 μm、少なくとも0.5 μm、又は少なくとも0.1 μmの精密さをともなって軸のいずれかに沿って移動し得る。ピペットヘ
ッドの運動は、コントロールユニットを経由して、コンピュータコントロールシステムによってコントロールされ得、コンピュータコントロールシステム及びコントロールユニットは、ピペットヘッド、ロボット液体処理システムの本体、又はシステムから遠いところに配置され得る。該ヘッドは、マルチウェルプレートのバーコード読み取り等、機械視覚機能を実行するために使用されるためのカメラも組み込み得る。該ヘッドは、器具のメインベッド上で移動可能であり得、該器具においてマルチウェルプレート及び他の生物学的サンプル容器が配置される。様々な実施態様においてロボット液体処理システムの機能が、コンピュータコントロールシステムの一部であり得るコントローラによって実行され得る。
アプリケーションソフトウェアプログラム(app)は、記載されたシステムの一部とし
て開発され得、該ソフトウェアプログラムが、本発明の様々な実施態様による方法を実行する。ソフトウェアプログラムは、ロボット液体処理システムに命令して、オートメーション化されたやり方でユーザ対話をほとんど又は全く必要とせずに手順(例えば、図5A〜5Fに概略された手順)を実行する。いくつかの実施態様では、本発明のシステムは、外部ロボットシステムがロボット液体処理システムのベッドへ物質を移動させ、かつベッドから物質を移動させる能力がある限りにおいて完全にオートメーション化され得、他の実施態様では、ユーザ対話は、例えば、特定の手順より前にロボット液体処理システムのベッドをセットアップするため、及び手順の完了に続いて物質を除くために必要であり得る。
図18〜28は、異なる手順の間におけるロボット液体処理システムのベッド上の物質の様々な配置を示す。例えば、図18は、2のマルチウェルプレート上への細胞外マトリックス
物質(Matrigel等)の塗布より前の物質の開始配置を示す。より上方の左ベッド位置には、清潔なピペットチップの容器があり、左中央位置には、使用されたピペットチップを回収するための容器があり、センター中央位置(center middle position)には、マルチトラフプレートがあり(他の数のチャネルを有するトラフも使用され得るが、4チャネルト
ラフを示す)、1以上のトラフが、手順のために必要な溶液(例えば、細胞外マトリック
ス物質/Matrigel)を含み、右中央位置には、傾斜したアダプターがあり、該アダプターは、図18の手順のためには使用されず、より下方の中央及び右位置には、空のマルチウェルプレートがある。ソフトウェアアプリケーションは、各タスク、細胞外マトリックス物質をそれぞれのウェルに塗布すること、マトリックス物質がウェルに付着可能であるように所定のインキュベーション期間、待機すること、インキュベーションに続く一連の洗浄ステップを行うことのための適切な加速及び速度で、ヘッドを正しいx、y、及びz座標へ
調節して、それぞれのベッド位置へマルチチャネルピペットヘッドを案内するようにプログラムされている。様々な実施態様では、ユーザ又は外部ロボットによるシステムは、細胞外マトリックス塗布手順を行うためのソフトウェアルーチンの実行より先に、図18に示すベッド上に部材を配置する。他の実施態様では、ユーザ又は外部ロボットシステムは、他の手順を行うためのソフトウェアルーチンの実行より先に、図19〜28に示すベッド上に部材を配置する。手順が完結した場合に、ロボットシステム又はユーザが、別の手順のためのベッドをセットアップし、手順が実行されている間にユーザ対話は、全く必要とされない。図19は、マトリックス物質を単独のマルチウェルプレートに塗布するためのベッドセットアップを示す。
図20は、様々な密度(勾配)でマルチウェルプレートのウェルにおいて幹細胞を培養するためのベッドセットアップを示す。本実施態様では、マルチチャネルトラフプレートが
、12のチャネルを含み、1のチャネルは、細胞培養培地(cell culture media)(mTeSR+Y27632等)を含み、別のチャネルは、幹細胞の懸濁液を含み、別のチャネルは、廃液の回
収のために指定される。このセットアップでは、より下方の右のベッド位置は、マルチウェルプレートを有し、該マルチウェルプレートにおいてウェルは、細胞外マトリックス(Matrigel等)で被覆される。
図21は、幹細胞のフィーディングのためのベッドセットアップを示す。このような実施態様では、幹細胞を含むマルチウェルプレートは、図示するように、傾斜したアダプターに配置されて、ウェルからのより多い量の細胞培養培地の除去を促進し、各洗浄ステップをより完全にし得る。本実施態様におけるマルチウェルトラフプレートの1のトラフは、
新鮮な培地(mTeSR1等)を有し、更に、1以上の他のトラフが、廃棄物を回収するために
指定される。
図22は、マルチウェルプレートから幹細胞を採取するためのベッドセットアップを示す。マルチウェルプレートは、傾斜したアダプターに配置されて、溶液の変更及び分離された細胞の回収(recovery)を最適化する。マルチチャネルトラフプレートのトラフは、食塩水(PBS)、細胞培養培地(mTeSR1)、細胞を分離するための酵素溶液(Accutase(登
録商標))、及び廃棄物のトラフを含む。採取手順に続いて、細胞は、アリコートに冷凍され、又は他の細胞培地プレートに分配され得る。図23は、幹細胞培養の分配(splitting)のためのベッドセットアップを示す。ベッドセットアップは、図22と同様であるが、
採取された細胞が、マルチウェルプレートのウェルに分配され得るように、細胞外マトリックス物質で前処理されたマルチウェルプレートを含む。
図24〜28は、幹細胞の分配のためのベッドレイアウトを示す。異なる比率の分配が使用され得るが、これらの例において細胞は、1:12の比率に分配される。ウェルの1の「カラム(column)」における幹細胞(例えば、96ウェルプレートの8の連続的なウェル)は、
除去され、細胞外マトリックス物質で前処理された新鮮なマルチウェルプレート上においてウェルの12のカラムに一様に再分配され、いくつかの実施態様では、細胞の2のカラム
が、2のマルチウェルプレートに分配される(図28)。第1プレートからの細胞の残りのカラムは、後日使用するための細胞の冷凍アリコートの作製用又は分化の誘導用等の様々な用途に利用され得る。基本的に細胞の各ウェルが分離され(例えば、本明細書中に記載されたように、Accutase(登録商標)等の酵素を用いて)、新たなプレートにおいて12の同じサイズのウェルに再分配され、他の分配の比率も可能である。本明細書中に記載されたように、細胞の分離の間に低いレベルまで酵素量を漸増(titate)することと、酵素を含む細胞懸濁液を、2倍を超えて希釈することとの組み合わせが、分離及び細胞回収に続く
ため、本発明者らは、この手順が、遠心分離ステップの必要なく実行され、それによって手順をオートメーション化することを可能にすることを見つけ出した。
いくつかの実施態様では、懸濁液培養を含むプロトコルが、異なる細胞株に適用されるために、反復手順を介する最適化を必要とするかもしれない。更に、幹細胞培養のために使用される異なるタイプの培地及び添加剤が、小分子を用いた後の分化(例えば、心筋細胞への)の効率(0〜90%)を変更し得ることが観察された。懸濁液培養のための反復の最適化過程が大きな培地体積を必要とするため、かかる手順は、分化を誘導するために必要な小分子等の比較的多量の試薬を含む、拡大細胞生産(scale-up cell productions)の
ために必要な資本投資を増加させるだろう。それゆえに、より少量かつ少数の(less and
fewer)物質を用いて柔軟にプロトコルを修正可能であることは、細胞生産のコストを劇的に減少させるだろう。同様の柔軟性は、個人適用のための(例えば、パーソナル医療(personal medicine)及び自己細胞/組織移植のため)異なる患者からの初期化された幹
細胞(例えば、iPSC)株の開発と増殖を促進するだろう。記載されたアプローチは、Matrigelで被覆されたマルチウェル(例えば、96ウェル)プレート等、ヒドロゲルポリマーで
被覆されたマルチウェルプレートを使用し、また、オートメーション化された細胞培養システムは、多数の細胞培養条件をスクリーニングして、多能性を維持するための最良の条件を特定することが可能である。最適化された条件のセットを用いて、同じマルチウェルプレート形式が使用されて、幹細胞生産を拡大し、幹細胞及び他の産業における使用のための、費用効率が良いオートメーション化された培養システムを達成し得る。
いくつかの実施態様では、最適化及びそれに続く培養が、マルチウェルプレートを用いて実行され得ることから、プロトコルがマルチウェル形式を用いて最適化された時点で、液体処理ロボットが、例えば、異なるサイズの皿等の更なる修正を必要とすることなく、最適化された細胞培養条件を正確に再現できる。添加剤、培地及び細胞継代方法等の他の細胞処理プロトコルを変化させることにより、培養条件は、特定の患者から初期化され、続いて効率的かつ急速なやり方での患者の幹細胞の大量生産を行った特定の幹細胞(例えば、iPSC)株のために、カスタマイズされ得る。
個人向け薬品の有効性及び毒性検査における幹細胞の適用は、多数の患者から初期化された幹細胞の急速な増殖を必要とするだろう。このような適用は、多数の細胞をすぐに得ることも必要とする。従って、多数の個人向けの幹細胞株を並行して増殖させる能力を有することは、患者特有の幹細胞株を用いる個人向け薬品の効能及び毒性検査を促進するだろう。本明細書中に記載されたように、幹細胞の増殖の費用及び時間は、生産を拡大するための、スクリーニング/最適化からのプロトコルの変更ステップを除くことにより、大幅に減少し得る。
本明細書中に記載されたシステム及び方法を用いて、冷凍ストックから新たな幹細胞コロニーを開始することは、前もってプログラムされた範囲の細胞播種密度でマルチウェルプレートのウェルに幹細胞を播種することによって準備され得、様々な実施態様においてウェルは、細胞播種より先に細胞外マトリックス物質(例えば、Matrigel)を用いて被覆され得る。最適な密度を選択し、かつ、幹細胞コロニー維持のサイクルを開始するための播種の後、コロニーの密度が24〜96時間(例えば、72時間)の範囲において視覚的に調べられる。例えば、ユーザは、1以上のウェルにおける細胞密度を、低い、最適な、及び高い細胞/コロニー密度の画像と視覚的に比較し、どの画像が所望の密度に一致するかに基づいて、特定のウェルが更なる処理のために選択されるだろう。様々な実施態様では、ユーザが、ロボット液体処理システムのインターフェースを使用して、どのウェル(複数可)が、更なる処理のために選択される必要がある所望の密度の細胞を含むかを指示し得る。
例えば、ユーザは、分配するための高密度のウェル又は分化を行うための最適な密度のウェルを選択し、細胞が所望の密度レベルに至るまで、低密度のウェルが、追加的な期間(例えば、24〜72時間)、培養され得る。様々な実施態様では、所望の密度レベルが、ウェル又は皿が15〜20%未満の無細胞スペース(すなわち、細胞が利用可能な増殖表面の80
〜85%を占める)を有する増殖レベル、及び/又はほとんど全ての細胞コロニーがまさに
互いに結合しようとしている時点に相当し得る(Ludwig, T.E., et al., Feeder-independent culture of human embryonic stem cells. Nat Meth, 2006. 3(8): p. 637-646参照、参照することによって本明細書中に組み込まれる)。ある実施態様では、高細胞密度が、この所望の又は中間のレベルよりも高密度であり、低密度が、この所望の又は中間のレベルより低密度だろう。
視覚的調査及び参照画像との比較に加えて、又はこれらの代わりに、細胞密度は、例えば、細胞を分離してサンプルに細胞計数器を通過させることにより、計数板(counting slide)に細胞をまくことにより、又は画像化をベースとする計数機構(例えば、画像/パターン認識)を用いることにより、他の方法において評価され得る。メンテナンスモード
では、コロニーサイズの成長が12〜48時間ごと(例えば、24時間)に調べられて、幹細胞を継代するための適切な時間が決定される(図3、右パネル)。例えば、1の特定の実施態様では、ヒト線維芽細胞由来iPSC株(System Biosciences)は、12倍の増殖速度で72時間ごとに継代される。
継代の間、マルチウェルプレートから細胞を分離するために、コロニーを、プロテアーゼ(protease)等の最適化された濃度の酵素で、高められた温度(例えば、37℃)においてインキュベートして、細胞分離(例えば、Accutase(登録商標); Life Technologies)を促進し、より小さな集合体に分割し、例えば、様々な比率(varying ratio)におい
てマルチウェルプレートの新たなウェルに分割する。細胞を、1:2(すなわち、1のウェ
ルからの細胞のグループを2のウェルに分割し得る)、1:3、1:4、1:5、1:7、1:10、1:12、1:15、1:20の比率、又は他の適切な比率に分割し得る。いくつかの時点では(
例えば、直近に解凍(thawed)された細胞のアリコートを最初にプレートにまくとき(plating)時)、更なる細胞増殖のための望ましい密度を選択するために、細胞密度の勾配
を作り出すことが望ましくなり得る。1の実施態様では、密度の勾配を作り出すために、個々のウェル又はウェルの列が、それぞれ細胞の懸濁液から異なる密度の細胞を受け取る。様々な密度のウェルを作り出すために、異なる体積の細胞懸濁液を各ウェルに加え、続いて適切な量の細胞培養培地を加えて、ウェルを満たし得る。
いくつかの実施態様では、十分なmTeSR1で酵素を含む溶液を希釈することによって酵素活性を無視できる程度まで減少させることにより、この継代プロトコルが遠心分離ステップの必要性を除去する。すなわち、インキュベーションの間、酵素の濃度は、細胞を分離するのに十分なレベルだが、酵素を含む溶液を2倍以上(3、5、7、10、又は20倍以上の希釈を含む)希釈した時点で、酵素はもはや有効でなくなる。1の実施態様では、酵素Accutaseは、細胞分離手順の間、30%(v/v)の濃度において使用され、希釈後は、0.34%(v/v)の最終濃度であり、該濃度では、酵素Accutaseは、細胞分離の誘導のためにもはや有
効ではない。マルチウェルプレートを傾斜したラックに保持することにより、ロボット液体処理システムが、細胞を損傷することなく、約99%の培地を回収することが可能になる
。ピペットチップ位置は、サブミクロンの精密さをともなってコントロールされて、複雑な液体処理プロトコルを行って、細胞の損傷を最小にし、各ウェルに均等に細胞を分配する(例えば、側壁における培地の分注、浮遊細胞の連続的な穏やかな混合を用いる)。様々な実施態様では、2〜3例を挙げると、トリプシン、コラゲナーゼ(collagenase)、又
はEDTA(エチレンジアミン四酢酸)等の他の酵素又は化学的処理を用いて、マルチウェルプレートのウェル等の培養プレートからの細胞をばらばらにし、及び/又は分離し得る。
いくつかの実施態様では、マルチウェルプレートが配置される角度は、約5°及び約20
°の間であり、1の特定の実施態様では、10°である。所望の角度でマルチウェルプレートを維持するために、1以上の標準サイズのマルチウェルプレートを所定の角度で保持するように設計された、傾斜したアダプターが使用され得る。マルチウェルプレートを保持するように設計されたホルダーにアダプターが適合し得るように、アダプターの底部が、マルチウェルプレートの底部と同じサイズ及び形状に設計され得る。より多くの量の液体が各ウェルから除かれ得る限りにおいて、皿からの細胞の分離を必要とする手順の間、斜めにマルチウェルプレートを配置することが、いくつかの利点をもたらす。各ウェルに加えられるときに、酵素を含む溶液が有意に希釈されないように、酵素を含む溶液を皿に加える前に、大部分(約99%)の培養液が除かれ得る。更に、分離された細胞を、各ウェル
から吸引する場合に、より高い割合の液体及び細胞が、各ウェルから回収される。
マルチウェルプレートを斜めにセットすることは、各ウェルの片側において液体をプールし、かつ、ピペットチップを液体プールの最も低い位置(すなわち、傾斜したウェルの最も低い位置)へ案内することを容易にすることにより、各ウェルからの液体の回収を促
進する。ピペットのより幅広の部位が、開口がウェルの底面において縁の近くに配置され得る前に、ウェルの縁にぶつかる傾向があることから、ピペットチップの、その全長に沿った略テーパー形状に起因して、更に、いくつかのケースでは、末端近くの追加的なより狭いテーパーを加えたことに起因して、ピペットチップの末端の開口を各ウェルの底縁の位置又はその近くへ動かすことは困難であり得る。しかしながら、皿を傾斜させることにより、液体プールがウェルの片側へ配置されるだけでなく、チップ開口もウェルの側面にぶつかることなく、ウェルのより低い縁又はその近くに配置され得る。様々な実施態様では、ロボット液体処理システムが、ピペットチップの末端における開口を、傾いたウェルの最も低い縁の20 μm未満、10 μm未満、5 μm未満、又は1 μm未満の範囲内に案内することができる。
図29〜33は、記載した方法及びシステムの特徴、特に、幹細胞処理の成功したオートメーション化に寄与する特徴の図を示す。図29は、例として96ウェルプレートを用いて、どのように傾斜したマルチウェルプレートが液体回収を改善するかを示す。185 μlの液体
で始める場合、プレートが水平(level)であるときに、約4.3 μlがウェルに残る。しかしながら、プレートを傾けることは、液体回収後に約2.1 μlのみが残るように、より多
量の液体回収を可能にする。図29も、プレート表面の上方のピペットチップの高さの作用として96ウェルプレートにおける「死体積(dead volume)」(液体回収ステップの後に
ウェルに残る液体の体積)を示し、ほとんど全ての高さにおいて傾斜したプレートでは回収の程度がより大きくなることと、それゆえ死体積がより小さくなることを示す。
図30は、マルチウェルプレートを傾けることが、どのように細胞の回収を改善させるかを示す。溶液又は培地を加えるために、ピペットチップは、「高い」側においてウェルの壁の可能な限り近くの位置へ案内され、液体はその後、分注される。流れる液体(fluid flow)からの細胞への損傷を最小にするために、1 mm未満(又は0.5 mm未満、あるいは0.1 mm未満)の範囲内にピペットチップの末端の開口を配置することが通常、望ましいが、ピペットチップの末端の開口は、ウェルの底面の上方の様々な基準位置にあり得る。傾いたウェルにおいて最も低い位置に向けて「下り坂」方向に表面を流れる液体の運動が、分離手順、例えば、ウェルの表面から細胞を分離させるための化学薬品又は酵素を用いた後の処理の間、細胞をゆるくし、取り去ることを促進する。いくつかの実施態様では(図30、右)、細胞を損傷し得る過度に強い(overly-harsh)液体の流れにさらすことなく、細胞をバラバラにし、取り外して回収を最大にするために、ウェルにおける液体が、ウェルの「低い」側において回収され、「高い」側(このことは、1以上の回数、繰り返され得る)において再分注され得る。
図31は、マルチチャネルプレートのトラフにおいて液体を混合するための手順を示す。ピペットは、トラフの内容物を混合するために使用され得、例えば、液体は、最も深いトラフの中心部において吸引され、より浅い側に向く位置において分注されて、トラフの内容物を混合する穏やかな回転運動(swirling motion)をもたらし得る。ベッドは、例え
ば、トラフの長軸に平行な直線運動において前後にも並進され、穏やかな混合動作をもたらし得る。これらの混合動作は、細胞の懸濁液をプレートにまく場合、すなわち、懸濁液における細胞をほぼ一様な濃度に維持するために有用であり得る。
図32は、液体の回収のためにマルチウェルプレートを傾ける利点を示す。液体がより小さなスペースに蓄積されるという事実に加えて、傾けることは、ウェルの底部及び側面がなすウェルの底縁により近い位置に、ピペットチップを案内することも可能にする。培地の表面張力に起因して、より多くの液体が、この底縁領域に蓄積する。プレートを傾けないと、ピペットのテーパー形状が、チップの開口を底縁に近い位置に配置することを抑制する。傾けると、チップは、縁の極めて近くに案内されて、液体の回収を最大にし得る。様々な実施態様では、ピペットチップの末端の開口は、ウェルの側面及び/又は底面から
0.5 mm未満、0.1 mm未満、又は0.05 mm未満の範囲に位置し得る。
図33は、ウェルにおける細胞をほとんど又は全く壊さない態様で液体を導入するために、液体をウェルに分注する場合に、ピペットチップがどのようにしてマルチウェルプレートのウェルの側面に案内され得るかを示す。この手順は、多能性幹細胞を培養する間、及び分化する細胞を培養する間においても、フィーディングステップ中において用いられ得る。いくつかの分化された細胞タイプ(例えば、心筋細胞)は、分化過程の一部として、細胞の融合シート(confluent sheet)を成長させる必要があり、図33の液体導入手順等
の細胞の慎重な取り扱いが、細胞層を壊すことなく、細胞を適切に分化させるために重要である。
様々な実施態様では、プロテアーゼ等の酵素で処理して、細胞の分離を促進する間、マルチウェルプレートが、高くされた温度(例えば、37℃)を維持し得、手順は、5〜30分(通常、約10分)の間、続き得る。細胞が、ロボット液体処理システムによって処理されている間、高くされた温度に細胞を維持することを容易にするために、いくつかの実施態様では、酵素処理の間、マルチウェルプレートを細胞培養インキュベータに戻す必要がないように、角度がついたアダプターが加熱され得る。いくつかの実施態様では、傾斜したアダプターが、抵抗加熱機構(例えば、アダプターに、又はマルチウェルプレートに接触する表面上にはめ込まれる)又は体加熱機構(例えば、加熱された液体又は空気が、アダプターの内側において循環され得る)を用いて加熱される。角度がついたアダプターを所望の温度で維持するために、適切な機構が含まれ得る。例えば、熱電対(thermocouple)又は他の温度測定装置が、アダプター及び/又はマルチウェルプレートの温度を監視して、37℃等の所望の温度に維持するための熱注入(heat input)を調整するためのフィードバックを提供し得る。
マルチウェル培養プレート形式は、ロボット液体処理システムの使用を介する発見ツール(discovery tool)及びスケールアップツールとして作用する。様々な実施態様では、これらの方法を使用して、異なる培地及び補充物(supplements)を用いるiPSC増殖のハ
イスループット最適化プロトコルを検査した。本明細書中に記載されたプロトコルは、ヒト皮膚線維芽細胞(System Biosciences, Inc.)及び脂肪細胞(Applied Stem Cell, Inc.)からそれぞれ初期化された少なくとも2つのiPSC株とともに使用された。一般に受け入れられ、当業者に知られた手法に基づいて、多能性が維持されていることを確認するために、幹細胞を検査した。更に、オートメーション化されたシステムは、創薬研究用の人工の心臓組織を作り上げるための、ヒトiPSCから分化した心筋細胞(cardiac myocytes, CMs)を作製するためにも確立された。幹細胞のCMへの分化は、いずれかの遺伝学的アプロ
ーチを用いて、又は適切な小分子物質を使用して、Wntシグナル経路を調節すること(modulation)によって誘導され得る(Lian et al., PNAS 109 (27): E1848-E1857参照、該文献は、参照することによってその全体が本明細書中に組み込まれる)。
いくつかの実施態様では、培養された多能性幹細胞は、特定の細胞及び/又は組織タイプへの細胞の分化を促進するように意図された条件下で培養される。特定の細胞又は組織タイプへの多能性幹細胞の分化を引き起こし、又は少なくとも影響を与え得る要因としては、細胞密度、培養液への化合物の付加(例えば、小分子薬)、又は1以上の遺伝子の細胞への導入が挙げられる。遺伝子又は化合物の導入に加えて、ある細胞密度を達成することにより、特に細胞を、分化させるための融合性細胞の一様なシートに増殖させる、又は場合によっては、細胞の複数の重複するシート(multiple overlapping sheets)に増殖
させるために必要なある細胞タイプ(例えば、心筋細胞)に関して、分化が促進され得る。
更にまた、本発明者らは、皿又はウェルの垂直方向の縁により近い細胞培養皿又はウェ
ルの領域、例えば、皿又はウェルの外縁から約5 mmから約8 mmのバンドに配置される場合に、多能性幹細胞が、分化する可能性が高いことに気付いた。それゆえに、より小さなウェルサイズのより多くのウェルを有するマルチウェルプレートを使用すること(例えば、24、 48、 96、又は386ウェル、あるいはより多数のウェルを有するプレート)は、大部
分又は全ての細胞が分化を被るという利点を有する。それゆえに、いくつかの実施態様では、幹細胞は、約1.9 cm2以下(例えば、15.6 mmの底部直径をそれぞれ有するウェルを備える24ウェルプレート)、約0.95 cm2以下(例えば、11.0 mmの底部直径をそれぞれ有す
るウェルを備える48ウェルプレート)、又は約0.32 cm2以下(例えば、6.4 mmの底部直径をそれぞれ有するウェルを備える96ウェルプレート)の底部表面積(すなわち、増殖のための表面積)を有する皿又はウェルにおいて増殖され、分化される。様々な実施態様では、底部表面積は、少なくとも約0.3 cm2、少なくとも約0.4 cm2、少なくとも約0.5 cm2
少なくとも約1.0 cm2、少なくとも約1.5 cm2、又は少なくとも約2.0 cm2である。他の実
施態様では、底部表面積は、約2.5 cm2未満、約2.0 cm2未満、約1.5 cm2未満、約1.0 cm2未満、約0.5 cm2未満、約0.4 cm2未満、約0.3 cm2未満、又は約0.2 cm2未満である。ウェルの表面積に対するウェルの底部の外周の比率が、どれくらいの細胞増殖領域が縁に近いかの指標を与える。従って、いくつかの実施態様では、ウェルの表面積に対するウェルの底部の外周の比率が、約0.26(24ウェルプレートのウェルについて)、約0.36(48ウェルプレートについて)、又は0.63(96ウェルプレートのウェルについて)である。様々な実施態様では、比率は、少なくとも0.2、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.6、少なくとも0.7、少なくとも0.8、少なくとも0.9、又は少なくとも1.0で
ある。
いくつかの実施態様では、培養された幹細胞は、本明細書中に記載されたように、心筋細胞に分化される。他の実施態様では、培養された多能性幹細胞は、骨格筋細胞、腎尿細管細胞(kidney tubule cells)、赤血球、消化管平滑筋細胞(gut smooth muscle cells)、肺細胞(肺胞細胞(alveolar cells))、甲状腺細胞、膵細胞(pancreatic cells)、表皮皮膚細胞(epidermal skin cells)、神経細胞、又は色素細胞に分化し得る。
幹細胞の特定の細胞又は組織タイプへの分化は、興味の対象であるが、多くの例において、多能性幹細胞は、分化させることなく、細胞の多能性を維持する条件下において増殖させる必要がある。従って、様々な実施態様において幹細胞は、細胞の多能性を維持するために設計された条件下において、すなわち、いかなる特定の細胞タイプへの分化も促進しない条件下において培養される。以下に説明される通り、1以上のテストを行って、幹細胞が多能性を維持したか否かを決定し得る。
最初に、コロニーの形態を評価して、異常な形をしたコロニーを特定する(「良好な」コロニーは、同種の細胞タイプと、平坦な明確な境界を有する)。その後、Oct4及びNanog等の多能性マーカ発現は、ステージ特異的胎児抗原-4(stage-specific embryonic antigen-4, SSEA-4)及びTRA-1-60等の表面マーカと同様に、フルオロフォア結合抗体(fluorophore-conjugated antibodies)(Millipore)を用いた染色によって分析される。サン
プルが、1以上のマーカ発現について陽性であれば、サンプルは、染色キット(Millipore)を用いて、そのアルカリフォスファターゼ発現レベルについて検査される。結果は、
画像取得システム(Nikon Eclipse TS100-F、 Q-Imaging CCD Camera)を有する倒立型蛍光顕微鏡を用いて記録される。
いくつかの実施態様では、多能性マーカを発現するサンプルは、奇形腫形成(teratoma
formation)及び核型(karyotypes)を調べるためにサービスプロバイダーに送られる。奇形腫形成の標準検査は、サービスプロバイダーによって約7週間かかる(例えば、 Applied Stem Cell, Inc.)。様々な実施態様では、バッチごとに2のサンプルが検査される。
他の多能性テストが、奇形腫形成及び核型分析(karyotyping)と並行して使用され得
る。1のかかるテストである、PluriTestは、多能性を決定するための、費用効率がよく
、かつ動物質を含まない方法(animal-free method)であり、ゲノムワイドな体細胞発現プロファイル及び多能性発現プロファイルの大規模なデータセットの測定に基づいている。テストのために、 Illumina HT12アレイチップ(該アレイチップは、1のチップにおいて12の異なるサンプルを含む)が使用され、該アレイは、iScan System (Illumina)を
用いて解析される。このシステムを用いて、単独のバッチプロセス由来の異なるウェルから回収された複数のサンプル(3-4)が、検査されて、異なるウェルの間の可能性のある
変動(potential variability)を特定し、特徴付ける。従って、多能性についてのこれ
らのテスト及び他のテストを用いて、データが取得されて、ロボット液体処理システムにおけるマルチウェル培養プレートの使用等の記載された方法及びシステムを用いて培養された幹細胞(例えば、iPSC株)の多能性を確認し得る。
記載されたオートメーション化された幹細胞増殖方法及びシステムが、多能性幹細胞のために最も適した培養条件を特定し、かつ、最適化するためにどのように使用され得るかを実例で示すことを目指す初期ステップとして、上述のiPSCが、異なる培地において培養された(図4参照、パネルA〜B)。異なる細胞培養条件をスクリーニングすることによっ
て開発された、市販の培地である、E8(図4、パネルB、Life Technologies)において培
養された幹細胞が、異なる市販の培地、mTeSR1(図4, パネルA, Stem Cell Technologies, Inc.)を用いて培養された幹細胞と異なる形態を示した。E8及びmTeSR1培地の両方が、様々なヒト多能性幹細胞株とともに使用された場合に、多能性を維持することが示された。しかしながら、E8において維持された人工多能性幹細胞株(iPSC)は、小分子プロトコル(Lian et al参照。本明細書中で参照されている)を使用して、高効率ではCMへ分化しなかった(高効率とは、約80%〜90%の範囲の多能性幹細胞においてCMに分化することである)。多能性を維持することに加えて、iPSCが特定のプロトコルを使用して所望の細胞タイプに分化する能力は、様々な適用のための所望の細胞タイプを量産するためのiPSCの使用に都合が良い。
幹細胞の増殖の速度(rate)は、iPSCの拡大生産における要因である。播種におけるコロニーのサイズ分布(size distribution)が、幹細胞の多能性及びそれに続く増殖速度
に影響を与え、特に、小さく、一様な開始コロニーサイズは、iPSC増殖速度を増加させることが予備的に観察された。コロニーをバラバラにする(break up)ための酵素(例えば、Accutase(登録商標))処理の継続時間及び濃度が、播種におけるコロニーサイズの変化を引き起こすことも見出された。
継代のために必須のコロニーサイズに至るための時間を、測定し、記録した。多能性幹細胞は、新たな継代条件を導入するために時間が必要であるため、これらの時間は、通常、10代の継代の間、測定される。最も小さい「コロニー」サイズは、単独の細胞のはずであり、単独細胞の継代は、最も迅速な増殖を達成することが予期される。目視によるコロニーの異常をともなわずに、最も速い増殖を達成するための最も良い継代条件が何であるかが決定された時点で、多能性テストが行われて、多能性を維持していることを確認し、小分子を用いて心筋分化に分化することを確認する。別の方法として、増殖の速度は、いかなる条件についてもコロニー継代期間を72時間に固定することによって測定され、細胞の生存率が、CCK8(Dojindoからのものであり、生存細胞数に直接的に比例する、細胞の
デヒロゲナーゼ(dehyrogenase)活性に起因する培地の比色分析の変化(colorimetric changes)の分析を含む)等の生存率分析キットを用いて測定され得る。コロニーのサイズ分布は、iPSC増殖速度に影響を与える重要な要因であり得、コロニーは、例えば、40、70、100 μm又は他の適切な細孔径を有するセルストレーナー(BD Biosciences)を用いて
前処理されて、コロニーのサイズ分布をコントロールし得る。セルストレーナーは、コロニーサイズ分布を均一化し、小さく、一様なコロニーサイズを有するiPSCは、より大きな
コロニーサイズを有するものより早く増殖することが予想される。
市販のmTeSR1培地(図4参照、パネルA(mTeSR1)及びB(E8培地))で培養されたiPSC
コロニー等の、様々な培地の調製物(formulations)を用いて培養されたiPSCは、同様の形態(morphology)を示した。様々な実施の態様では、特別注文の(custom)培地が、多能性を維持しつつ、増殖を最適化するために開発され、試され得る。細胞培養条件の最適化において記載されたシステム及び方法を効果的に利用することを実例で示すために、任意の特別注文の培地の効率性が、多能性(例えば、iPSC)幹細胞培養について分析されるだろう。培地における異なる重要な補充物の濃度を変化させることによって、iPSC増殖速度の多能性テスト分析が上述されたように行われるだろう。典型的なテストは、以下の通り行われ得る。多能性及び増殖に関する増殖因子の効果を検査するため、増殖因子の濃度がロボット液体処理システムを用いて変更され(例えば、0、0.1、0.3、1、3、10、30 nMの濃度における、例えば、PipetmaX(商標))、コロニーの形態及び多能性表面マーカー(SEE4)の発現が、蛍光結合抗体(fluorescently-conjugated antibodies)を用いて生
存細胞において分析されるだろう。条件が、多能性及び高増殖速度を満たすように特定された時点で、更なる多能性テストが他の分析を用いて行われるだろう。これらの研究は、ロボット液体処理システムを利用して、多能性幹細胞を維持するための新規かつ費用効率が高い培地を特定する記載された方法、及びシステムの有効性を示すだろうと予想される。
記載されたオートメーション化された幹細胞培養方法及びシステムは、多数の多能性幹細胞株とともに使用され得る。記載された方法及びシステムの実施態様は、遺伝的疾病を有する患者から初期化された様々なiPSC株及び、例えば、遺伝子発現マーカ及びノックダウンされたタンパク質発現を発現する、遺伝的に改変されたiPSC株を用いて実施されるだろう。候補細胞株としては、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy, DMD)及び筋委縮性側索硬化症(両方がSystem Biosciencesから利用可能である)由来のiPSC、及び心臓特異的トロポニンTプロモータ下において緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するiPSCが挙げられる。検証データは、1)多能性を維持する能力、2)iPSC増殖速度、及び/又は3)小分子プロトコルを用いて心筋細胞へ分化する能力を報告するだろ
う。
実施例
以下の限定されない実施例は、単に説明に役立つことが意図されており、本発明の実施態様に従って実行された具体的な実験を示す。
実施例1
以下の例は、本発明の実施態様に従って、幹細胞を培養するための手順を説明する。
1.0 材料
1.1 二重インサート(dual inserts)を有する無菌性の正方形96ウェルプレート [lbidi 89621, IVS Dual Inserts]
1.2 (1)無菌性4ディープウェル(deepwell)容器[Seahorse 201308-100]
1.3 前処理DMEM、10% FBS
1.4 組織溶液[IVS組織製造(Tissue Fabrication)プロトコルに従う(Lam et al. 2011, Marquez et al. 2009、 Genin et al. 2011、及びAsnes et al. 2006参照。それぞれの文献が、参照することによってその全体において本明細書中に組み込まれる)]
1.5 補充培地(Supplemental media)-DMEM、3% FBS、2.50x PSG
1.6 ピペットマンフィルタチップD200
2.0 手順
2.1 前処理
2.1.1 梱包から二重インサートを有する96ウェルプレートを取り外し、PIPETMAXにお
いて位置4に配置する
2.1.2 無菌性容器をPIPETMAXステージにおいて位置6に配置する
2.1.3 25 mL前処理溶液を位置6において容器のウェル1に加える[4C-24C]
2.1.4 プログラム1を実行して、1ウェル当たり200 μlの前処理剤(pre-treatment)を等分する
2.1.5 96ウェルをカバーし、組織溶液調製(tissue solution prep)のためにPIPETMAXに放置する。
2.2 IVS組織製造プロトコルに従って組織溶液を作り、氷上に配置する
2.3 前処理溶液を除く
2.3.1 96ウェルからカバーを取り外す
2.3.2 プログラム2を実行して、ウェルから前処理剤を除く[位置6における容器のウ
ェル4の前処理剤が廃棄される]
2.3.3 無菌のパスツールピペットを用いた吸引を使用して、残りの前処理溶液を除く
2.4 組織溶液を等分する
2.4.1 無菌の容器を開き(open)、-20℃に設置し(found in)、PIPETMAXにおいて位置5に配置する
2.4.2 氷上において50mlの円錐(conical)における組織溶液を回収する
2.4.3 4xを粉末にして(Triturate)、低温の10mL血清を用いて混合する
2.4.4 29 mLの組織溶液を低温の容器、ウェル1に移す[組織溶液は、可能なら、依然として4℃〜10℃のままであるべきである]
2.4.5 血清を廃棄する前にトラフにおいて2xを粉末にする
2.4.6 プログラム3を実行して、1ウェル当たり270 μlの組織溶液を等分する
2.4.7 96ウェルをカバーする
2.5 37℃インキュベータ、5% CO2において、60〜90分間、96ウェルをインキュベートする
2.6 補充培地を加える
2.6.1 25 mLの予熱された補充培地を位置6において容器のウェル1に加える[-37℃]
2.6.2 インキュベータから96ウェルを取り外し、PIPETMAXにおいて位置4に配置する
2.6.3 プログラム4を実行して、1ウェル当たり440 ulに増やし、1ウェル当たり170 ulに分注する
2.6.4 96ウェルをカバーして、該96ウェルを37℃の5% CO2インキュベータに最小で24時間戻す
プログラム1(前処理)
-プログラム2が前処理溶液の割合を減らすだけであれば、チップを交換する(touch off
)必要がある
-処理剤は、ウェルの中心へ加えられ得る
-温度は要因ではなく、4℃〜37℃が許容範囲であり、室温が通常用いられる
-分注速度は素早くし得る
プログラム2(前処理剤の除去)
-ウェルから液体を除く
プログラム3(組織溶液アリコート)
- 所望により細胞を混合すること
-温度を維持し、この温度は、4〜10℃であり得るが、変動すべきではない
- 分注スピードは、平均的である必要がある
- 現在の混合プロトコル:
チップを載せる
容器において組織溶液を混合する(150 μlで2回)
140 μlを吸引する
96ウェルの列1において分注する
液体へのチップの接触を行って、液滴が確実にチップに残らないようにする。
容器(150 μl、2回)に組織溶液を混合する
140μlを吸引する
96ウェルの列1において分注する
Bio1000 mixを使用して、96ウェル、100ulにおいて組織溶液を1度混合する
全ての96ウェルプレートについて混合及び分注を繰り返し、チップを取り出す(eject
- 所望により混合するプロトコル
チップを載せる
容器において140 μl組織溶液を吸引する
96ウェルの列1に分注する
液体へのチップの接触を行って、液滴がチップ上に確実に残らないようにする。
容器において140 μl組織溶液を吸引する
96ウェルの列1に分注する
液体へのチップの接触を行って、液滴が確実にチップに残らないようにする。
全ての96ウェルプレートについて分注を繰り返す
チップを取り出す
プログラム4(補充培地)
- 培地は、細胞に衝撃を与えないように約37℃に温められる必要があるが、30℃から37℃に及び得る
- 分注速度は、ゼリー状の重合組織に穴を開けない(not pierce)ように、落下方向(dorop-wise)に遅くする必要がある。
-チップが重合した組織溶液に接触しない場合には、チップ交換が用いられ得る。
実施例2
これから図5A-5Fに参照し、該図5A-5Fでは、本発明に従う方法へのステップが、記述される。下記の事項は、ロボット液体処理システムと連動して運用するアプリケーションソフトウェアプログラムによって実行されて、幹細胞を播種し(ASC 1.1)、コロニーにフ
ィーディングし(ASC 1.2)、コロニーを継代し(ASC 1.3)、かつコロニーを採取する(ASC 1.4)ルーティンを記述する。
ASC1.1-密度勾配を有する幹細胞の播種(Density Gradient Stem Cell Seeding)
S1.
プレート上の培地は、Matrigelコーディングが完全には乾かないようにする
播種された幹細胞培地をできるだけ1xに近いように維持するように、チップがウェルの隅に配置されて、最大限の培地を除去する。
ロボットは、廃棄する前の時点で2カラムを除いて、稼動時間を有意に減少させる
S2.
ロボットは、細胞播種体積(cell seeding volumes)に基づいて、異なる量のmTeSR1+Y27632を各カラムに分注して、適切な希釈を遂行し、それにもかかわらず、プレートの全
体で同じ最終的な体積で終わる。
チップの高さが十分に低いため、20 μlの分注液滴体積が、ウェルの底部に接触して、ウェルの壁の側面に引き留められるのではなく、底部に引き込まれ(get drawn)、ひい
ては幹細胞の配置(seating)を完全に破壊するウェルの完全な乾燥を抑制するだろう。
S3.
吸引を用いて細胞を混合し、懸濁液において細胞を含むトラフに8チップずつ分注する
細胞は、下に沈み(settle)、トラフの底部において比較的速く集まるだろう(5〜10
分)
均一混合物は、正確な細胞密度勾配を作り出すために必須である。
S4.
細胞の混合は、1.0x濃度(concentration)におけるものである。
カラム12及び11は、体積をそれぞれ減少させている状態において播種されて、2つの最も高い密度カラムを作り出す
S5.
広範囲な細胞密度の希釈を実現するために必要なチップは、正確な20-200μLのみであ
る。
新鮮なmTeSR1+Y27632が細胞溶液(細胞+mTeSR1+Y27632)に加えられて、濃度を0.5xに
減少させる
細胞は、吸引を用いて混合され、確実に一様な溶液とするように3xを分注する。
S6.
細胞の混合は、0.5x濃度におけるものである。
カラム6から10までは、それぞれ体積を減少させている状態において播種されて、中密
度〜高密度のカラムを作り出す
S7.
広範囲の細胞密度の希釈を実現するために必要なチップは、正確な20〜200μLのみである。
新鮮なmTeSR1+Y27632を、細胞溶液に加えて(細胞+mTeSR1+Y27632)、濃度を0.25xに減少させる
吸引を用いて細胞を混合し、確実に一様な溶液になるように3xを分注する
S8.
細胞の混合は、0.25x濃度におけるものである。
カラム3から5までをそれぞれ体積を減少させている状態において播種して、中密度〜低密度のカラムを作り出す
S9.
広範囲の細胞密度の希釈を実現するために必要なチップは、正確な20-200μLのみであ
る。
新鮮なmTeSR1+Y27632を細胞溶液に加えて(細胞+mTeSR1+Y27632)、濃度を0.0625xに減少させる
吸引を用いて細胞を混合し、確実に均一な溶液とするように3xを分注する
S10.
細胞の混合は、0.0625x濃度におけるものである
カラム1及び2は、それぞれ体積を減少させている状態において播種して、低密度のカラムを作り出す
S11.
プレートをカバーして、後の細胞培養のために標識する
ASC1.2
S101
プレートは、傾斜ラックにあり、テーパーしたピペットが、ウェルの隅に到達して、最
大量の培地体積を除き得るように、十分に垂直である必要がある。また、死細胞が隅に蓄積することを促進する。
最大限の除去には、1)新たな培地が、希釈又は構成成分の活性(component action)
(例えば、成長因子)のいずれかによって、残りの培地により否定的に(negatively)影響を受け得ること2)最大数の死細胞を取り除くこと、該死細胞は、そうでなければ、生
存細胞に否定的な影響を与え得る4)細胞により排出された廃棄物(waste)を取り除くこと4)必要な栄養を補充すること、を必要とする。
ロボットは、ウェルにおける実際の液体(actual liquid)よりも多い体積を吸引して
、より外側のウェルに沿った、より高い蒸発速度を抑制(control)する。このことは、
フィーディング直後にウェルの外側に対して内側を同じ培地濃度に維持する。
S102
傾いたプレートの内壁に沿ってフィーディングするために等分されたmTeSR1は、1)細
胞層の破壊を抑制し、2)終了時に泡が含まれていない培地を作り出し3)十分に排出される寸前である場合に、チップからの培地の「スパッタリング(sputtering)」の減少を促進する
72 μlのmTeSR1が幹細胞を分化させることなく維持することが見出された。この値は、コストを最小化しつつ、望ましい状態において細胞を維持するために必要な培地体積も最小化することを目的とする。
ASC1.3
S201
プレートは、傾斜ラックにあり、テーパーしたピペットがウェルの隅に到達して最大量の培地体積を除き得るように、十分に垂直である必要がある。また、死細胞が隅に蓄積することを促進する。
最大限の除去には、1)新たな培地が希釈又は構成成分の活性(例えば、成長因子)の
いずれかによって、残りの培地により否定的に影響を受け得ること2)最大数の死細胞を
取り除くこと、該死細胞は、そうでなければ生存細胞に否定的に影響し得る4)細胞によ
り排出された廃棄物を取り除くこと4)必要な栄養を補充すること、が必要である。
ロボットは、ウェルにおける実際の液体よりも多い体積を吸引して、より外側のウェルに沿った、より高い蒸発速度を抑制する。このことは、フィーディング直後に、ウェルの外側に対して内側を同じ培地濃度に位置する。
S202
分離を抑制するもの(dissosiation inhibitor)及び死細胞を更に減少させるためのPBS洗浄
PBS体積は、完全なウェル洗浄のための培地フィーディング体積(media feed volume)よりも大きい
S203
分離試薬(Disassociation reagent)であるAccutaseを、継代されているカラムに加える
ウェルの底部をカバーし、細胞を分離するために、Accutase体積及び濃度は、それぞれ25μL及び30%において最適であると見出された。
合計したAccutaseの最小量は、首尾よくロボットにより分配するために必須である。適切な細胞の分離をもたらす必要があるが、細胞を遠心分離するために技師を必要とせず、このことは、技師の大幅な時間と労力を加えるだろう。
播種ミックス(seeding mix)においてAccutaseが過剰であることにより、細胞のウェ
ルの底部への接着が失敗に終わる。
S204
プレート上の培地は、Matrigelコーティングが完全に乾燥することを抑制する
播種された幹細胞培地をできるだけ1x近くに維持するように、チップがウェルの隅に配置されて、最大限の培地を除く。
ロボットは、廃棄する前の時点において2カラムを取り除く
分離試薬が効く間に行う
S205
Matrigelコーティングは、完全に乾燥した場合に欠陥を生じる
ウェル底部表面を湿った状態に保つための最少の体積を加える、20μL
S206
大量のmTeSR1+Y27632を、移動させ、高流速でウェルの上端近くに分注して、細胞を回
収位置へ流す
体積を、その後、回収位置から吸引し、ウェルの上端近くにおいてまた高流速で流す
この動作は、表面からの細胞を撹拌し、コロニーをバラバラにして、より均一な集団にすることを促進し、該集団は、新たなプレートにおける一様な播種のために重要である。
細胞溶液の全体積を吸引し、mTeSR1+Y27632容器に移して、細胞溶液を作り出す
S207
継代されたコロニープレートの96ウェル全体にわたる一様なコロニー密度が予想され、細胞が底部において徐々に小さく丸まる(pellet)ため、一様な溶液が必須である
ベッドの移動を行って、細胞をバシャバシャ動かし(slosh)、回転させる
底部からの吸引を行い、底部付近のオフセット(offset)からの分注を行って、回転混合(swirl mixing)を誘導する
S208
細胞液を、各吸引の前に、混合し、その後、2つのカラムを、繰り返す前に播種する
確実に一様な細胞溶液にして一様なプレート密度を作り出すように、混合を行う
S209 プレートを、後の細胞培養過程のために標識する
ASC1.4
S301
プレートは傾斜ラックにあり、テーパーしたピペットがウェルの隅に到達して、最大量の培地体積を除き得るように垂直である必要がある。また、死細胞が隅に蓄積することを促進する。
最大限の除去には、1)新たな培地が、希釈又は構成成分の活性(例えば、成長因子)
のいずれかによって、残りの培地により否定的に栄養を受け得ること2)最大数の死細胞
を取り除くこと、該死細胞は、そうでなければ、生存細胞に否定的に影響し得る4)細胞
によって排出された廃棄物を除くこと4)必要な栄養を補充すること、が必要である。
全てのウェルが吸引される
S302
全プレートのPBS洗浄
分離を抑制するもの及び死細胞を更に減少させるためのPBS洗浄
PBS体積は、完全なウェル洗浄のための培地フィーディング体積よりも大きい
S303
分離試薬である、Accutaseを、全てのカラムに加える
最小量のAccutaseを使用する(説明のための上記S203ステップA、B、C参照)
S304
多量のmTeSR1を移動させ、ウェルの上端近くにおいて高流速で分注し、細胞を回収位置まで流す
体積を、その後、回収位置から吸引し、ウェルの上端近くにおいてまた高流速で流す。
細胞溶液の全体積を吸引し、mTeSR1容器へ移して、細胞溶液を作り出す
このステップは、全てのカラムが採取されるまで続く
S305
技術者は、細胞溶液を手動でその容器からピペットで取り、回収チューブに分注する
後の分析のために、必要に応じて、細胞を遠沈し、再懸濁し得る
本明細書において参照された、全ての刊行物、特許及び特許出願は、本出願が関連する程度において当分野の当業者の水準を示す。全ての刊行物、特許及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物又は特許出願が参照することによって具体的かつ個別に示されたのと同程度に、参照することによって明示的に本明細書中に組み込まれる。本開示及び組み込まれた特許、刊行物及び参照文献の間で不一致が生じた場合は、本開示が支配(control)
する必要がある。
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Claims (10)

  1. アダプターであって、当該アダプターは:
    底部を有し;
    上面を有し、該上面は、1つ以上のマルチウェルプレートを、前記底部に対してある角度をなした状態で保持するように構成されており、前記底部に対する前記角度は、ゼロ度より大きい角度であり;かつ、
    加熱要素を有し、該加熱要素は、前記の1つ以上のマルチウェルプレートの1つ以上のウェル中の液体培地に熱を加えるように構成されている、
    前記アダプター。
  2. 当該アダプターの前記底部が、前記の1つ以上のマルチウェルプレートのフットプリントに一致するように構成されたサイズ及び形状を有する、請求項1に記載のアダプター。
  3. 前記底部の前記サイズ及び前記形状が、前記の1つ以上のマルチウェルプレートを保持するように設計されたホルダーに適合するように構成されている、請求項2に記載のアダプター。
  4. 前記底部が、前記の1つ以上のマルチウェルプレートを受け入れるように構成されたロボット液体処理システムの位置に位置し得る、請求項2に記載のアダプター。
  5. 当該アダプターが、前記の1つ以上のマルチウェルプレートの各ウェルからの液体の回収を促進するように構成されており、該促進は、前記の1つ以上のマルチウェルプレートを、前記底部に対して前記角度をなした状態で保持して、各ウェル中の前記液体が前記ウェルの片側にたまりを作ることを引き起こすことによってなされる、請求項1に記載のアダプター。
  6. 当該アダプターまたは前記マルチウェルプレートの温度を監視し、かつ、前記加熱要素へとフィードバックを提供して、前記の1つ以上のマイクロウェルプレート中の前記液体培地を、細胞の分離を促進するために酵素で処理されている間、高くされた温度で維持するように構成された熱電対またはその他の温度測定装置をさらに有する、請求項1に記載のアダプター。
  7. 前記加熱要素が抵抗性加熱要素を含んでおり、該抵抗性加熱要素は、当該アダプターに埋め込まれているか、又は、当該アダプターの前記上面の上に位置決めされている、請求項1に記載のアダプター。
  8. 前記加熱要素が、加熱された液体又は空気を当該アダプターの内側において循環させるように構成された流体加熱機構を含んでいる、請求項1に記載のアダプター。
  9. 当該アダプターの温度又は前記マルチウェルプレートの温度を監視するように構成された温度測定装置を更に有し;かつ、
    前記の監視された温度に基づいて前記加熱要素の熱注入を調整して、目標温度を維持するように構成されたコントローラを更に有する、
    請求項1に記載のアダプター。
  10. 前記コントローラが、前記熱注入を調整して、前記液体培地を前記目標温度である37℃にて維持するように構成されている、請求項9に記載のアダプター。
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