JP6849061B2 - 発光装置、組立キット、建材パネル、構造体、及び、構造体の製造方法 - Google Patents

発光装置、組立キット、建材パネル、構造体、及び、構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光を発光する発光装置、この発光装置用の組立キット、発光装置または組立キットを含む建材パネル又は構造体、並びに、構造体の製造方法に関する。
光を発光する発光装置が種々の分野で広く利用されている。例えばJP2011−210594Aでは、発光装置を照明装置として用いた例が開示されている。JP2011−210594Aの発光装置は、構造体である天井や壁の化粧面等に向けて光を照射する間接照明装置として、用いられている。このような間接照明装置によれば、隠蔽されて直接的に視認され得ない光源からの光が、空間ではなく、空間を区画する構造体に向けて照射されることで、空間の広がりを強調することができる。
しかしながら、特許文献1に開示された発光装置では、光源を収容する筐体の前面カバーを摺動させることで、筐体から外部に出射される光の光量を調整している。したがって、出射光量が調整されているものの、光の継ぎ目の存在が容易に把握される。このため、従来の発光装置は、光の継ぎ目を目立たなくすることができず、空間の雰囲気を十分に演出して高めることができなかった。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、光の継ぎ目を目立たなくすることで空間の雰囲気を効果的に演出することができる照明の実現を目的とする。
本開示による発光装置は、
発光面を有する光学部材を備え、
前記発光面の或る位置からの出射光量は、当該位置よりも一軸方向における一方の側に位置する前記発光面の他の或る位置からの出射光量よりも少ない。
本開示による発光装置は、
発光面を有する光学部材を備え、
前記発光面の任意に選択される位置からの出射光量は、当該位置よりも一軸方向における一方の側に位置する前記発光面の他の位置からの出射光量以下である。
本開示による発光装置において、前記発光面に対面する発光領域と、前記発光領域に隣接する非発光領域と、を含む化粧シートと、を更に備えてもよい。
本開示による発光装置において、前記非発光領域は、前記一軸方向における他方の側から前記発光領域に隣接するようにしてもよい。
本開示による発光装置において、
前記一軸方向に沿って、前記化粧シートの透過率が変化してもよい。
本開示による発光装置において、
前記光学部材は、
前記発光面における光の出射側と反対側において前記発光面に対向する反射板と、
前記発光面の他の或る位置からの出射光量よりも少なくなるように前記発光面の或る位置からの出射光量を調整する調整層と、を有し、
前記発光面と前記反射板との間において前記発光面および前記反射板に対して前記一軸方向における一方の側に位置し、前記一軸方向における一方の側から他方の側に向けて光を射出する光源が設けられており、
前記調整層は、前記光源よりも前記反射板側に位置してもよい。
本開示による発光装置において、
前記光学部材は、導光板を含み、
前記一軸方向における一方の側から前記導光板に対面して、光源を設けるようにしてもよい。
本開示による発光装置において、
前記導光板は、前記一軸方向における前記他方の側となる端部領域に、可視光反射性を有した反射部または可視光吸収性を有した吸収部を含むようにしてもよい。
本開示による発光装置において、
或る位置での前記化粧シートの可視光線透過率は、当該位置よりも前記一軸方向における一方の側に位置する他の或る位置での前記化粧シートの可視光線透過率よりも低くてもよい。
本開示による発光装置において、任意に選択される位置での前記化粧シートの可視光線透過率は、当該位置よりも一軸方向における一方の側に位置する他の位置での前記化粧シートの可視光線透過率以下となるようにしてもよい。
本開示による発光装置において、
前記発光面のいずれかの周縁部における当該発光面からの出射光に起因した照度X[lx]と、前記発光面の前記周縁部に対面する位置での前記化粧シートの可視光線透過率T[%]及び可視光線反射率R[%]とが、次の式(A)を満たすようにしてもよい。
1≦(X×T+300×R)/(300×R)<1.1 ・・・(A)
本開示による発光装置において、前記発光面のいずれかの周縁部における当該発光面からの出射光に起因した照度X[lx]と、前記発光面の前記周縁部に対面する前記発光領域の周縁部での前記化粧シートの可視光線透過率T[%]と、前記発光領域の前記周縁部での前記化粧シートの可視光線反射率R[%]と、前記発光領域の前記周縁部に隣接する前記非発光領域の周縁部での前記化粧シートの可視光線反射率R[%]とが、次の式(B)を満たすようにしてもよい。
1≦(X×T+300×R)/(300×R)<1.1 ・・・(B)
本開示による発光装置において、
少なくとも前記非発光領域に対面して配置されたボードを、更に備えるようにしてもよい。
本開示による発光装置において、
前記発光面を前記一軸方向に十等分に分割してなる各領域を、前記一方の側から他方の側へ向けた順番で、第1小領域から第10小領域とし、
前記発光装置が発光した状態で視野角内から測定される各小領域での輝度〔cd/m〕の平均値の対数を、輝度平均対数値とし、
nを1から9までの自然数として、第n小領域の輝度平均対数値と第(n+1)小領域の輝度平均対数値との差を第nの輝度対数勾配とし、
第nの輝度対数勾配と第(n+1)の輝度対数勾配との差を第nの輝度対数勾配差分値とすると、
第2の輝度対数勾配差分値から第7の輝度対数勾配差分値までの六つの輝度対数勾配差分値がすべて0.2以下であってもよい。
本開示による発光装置において、
前記光学部材の前記発光面は、前記ボードの前記非発光領域に対面する面と、同一面上に位置していてもよい。
本開示による発光装置において、
前記ボードは、前記非発光領域及び前記発光領域の両方に対面して配置され、
前記ボードは、前記発光領域に対面する位置に前記光学部材を収容する凹部を設けられていてもよい。
本開示による発光装置において、
前記面光源装置は、前記発光面を含む主面と、前記主面に隣接する側面と、を含み、
前記化粧シートは、前記面光源装置の前記主面および前記側面に対面して配置されていてもよい。
本開示による発光装置において、
前記発光面および前記反射板の少なくとも一方は、前記一軸方向に交差する方向に湾曲していてもよい。
本開示による組立キットは、
上述した本開示によるいずれかの発光装置に用いられる組立キットであって、
前記化粧シートと、
前記発光面を形成する前記光学部材と、を備える。
本開示による建材パネルは、上述した本開示によるいずれかの発光装置または上述した本開示によるいずれかの組立キットを備える。
本開示による構造体は、上述した本開示によるいずれかの建材パネルを備える。
本開示による構造体の製造方法は、上述した本開示によるいずれかの組立キットを設置する工程を備える。
本発明によれば、光の継ぎ目を目立たなくすることで空間の雰囲気を効果的に演出することができる。
図1は、一実施の形態を説明するための図であって、照明システムを示す斜視図である。 図2は、図1の縦断面図である。 図3は、図1の照明システムに含まれる発光装置を示す正面図である。 図4は、図1の照明システムに含まれる発光装置の面光源装置の一具体例を示す縦断面図である。 図5は、図4に対応する図であって、面光源装置の他の具体例を示す縦断面図である。 図6は、図4に対応する図であって、面光源装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図7は、図1の照明システムに含まれる発光装置の一部分を拡大して示す縦断面図である。 図8は、図4に対応する図であって、面光源装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図9は、図4に対応する図であって、面光源装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図10は、図4に対応する図であって、面光源装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図11は、図4に対応する図であって、面光源装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図12は、図2に対応する図であって、発光装置の他の具体例を示す縦断面図である。 図13は、図2に対応する図であって、発光装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図14は、図3に対応する図であって、図13の発光装置を示す正面図である。 図15は、図2に対応する図であって、発光装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図16は、図2に対応する図であって、発光装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図17は、図2に対応する図であって、発光装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図18は、図2に対応する図であって、発光装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図19は、図2に対応する図であって、発光装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図20は、サンプル1〜4に係る面光源装置の発光面上での第1方向に沿った照度分布を示すグラフである。 図21(a)〜図21(d)は、それぞれ、サンプル1〜4に係る発光装置を発光した状態で当該発光装置の化粧シートを撮影した写真である。 図22は、発光装置の他の具体例として、発光面を示す平面図である。 図23は、発光装置の他の具体例として、面光源装置を示す分解斜視図である。 図24は、図22の発光面を用いた平均輝度の測定結果を示すグラフである。 図25は、図22の発光面を用いた輝度対数勾配の計算結果を示すグラフである。 図26は、図22の発光面を用いた輝度対数勾配差分値の計算結果を示すグラフである。 図20は、図2に対応する図であって、発光装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図28は、図2に対応する図であって、発光装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図29は、図2に対応する図であって、発光装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図30は、図2に対応する図であって、発光装置の更に他の具体例を示す縦断面図である。 図31は、図23に対応する図であって、面光源装置の更に他の具体例を示す分解斜視図である。 図32は、図4に対応する図であって、照明システムに含まれる発光装置の面光源装置の一具体例を示す縦断面図である。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
さらに、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。したがって、「導光板」とは、「導光シート」や「導光フィルム」と呼称の相違のみにおいて区別されない。
さらに、「シート面(フィルム面、板面)」とは、対象となるシート状(フィルム状、板状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状(フィルム状、板状)の部材の平面と一致する面のことを指す。また、シート状(フィルム状、板状)の部材に対する法線方向とは、当該シート状(フィルム状、板状)の部材のシート面(フィルム面、板面)への法線方向のことを指す。
図1〜図21は、一実施の形態の複数の具体例を説明するための図である。このうち図1及び図2は、それぞれ、照明システム10の一例を示す斜視図または縦断面図である。本実施の形態における照明システム10は、少なくとも部分的に構造体2によって区画された空間Sの照明および演出に用いられる装置である。照明システム10は、空間に照明光を照射する照明器具15と、構造体2に組み込まれた発光装置20と、を有している。
図2に示すように、発光装置20は、発光面50aを有し、光源51から射出した光を面状光に変換する光学部材55を備える。発光面50aの或る位置からの出射光量は、当該位置よりも発光面50aに沿った一軸方向d1における一方の側s1に位置する発光面50aの他の或る位置からの出射光量よりも少ない。このようにすることで、空間Sの雰囲気を効果的に高めることが可能となる。とりわけ、発光面50aの一軸方向d1における他方の側s2の縁部での発光量を低減することで、発光面50aと発光面50aの外側の領域との間における光の継ぎ目を目立たなくすることができる。これにより、空間Sの雰囲気をより効果的に高めることが可能となる。なお、図示されている例において、一軸方向d1は直線であるが、一軸方向は、直線に限定されない。
発光装置20の更に具体的な構成について説明すると、発光装置20は、構造体2の表面となる化粧面2aを形成する化粧シート40と、既述した光学部材55を有し、化粧シート40を照明する面光源装置50と、を有している。化粧シート40は、面光源装置50の発光面50aに対面する発光領域Z1と、発光領域Z1に隣接する非発光領域Z2と、を含んでいる。このように、空間Sの明るさ向上を主目的とした照明器具15とは別途に、発光装置20によって、構造体2の化粧面2aを透過照明することで、有限な空間Sに対して広がりを付与することができる。とりわけ、発光装置20の発光領域Z1を限られた範囲とし、さらに、発光装置20の光源となる面光源装置50を化粧シート40で隠蔽することができる。化粧シート40が面光源装置50の発光面50aを隠蔽していることで、化粧シート40上の光の継ぎ目すなわち発光領域Z1と非発光領域Z2との継ぎ目は、発光面50aが剥き出しの場合の発光面50aとその外側領域との継ぎ目よりも更に目立たなくなる。この工夫により、光源の存在感を効果的に薄めた状態にて、空間Sを演出することができ、これにより、空間Sの雰囲気を更に効果的に高めることを可能としている。
また、図示された具体例において、構造体2は、建物1の構成要素として、天井c、壁w及び床fを含んでいる。照明器具15は、天井cに取り付けられている。発光装置20は、建材パネル3として、壁wを構成している。そして、発光装置20には、面光源装置50の存在をより効果的に目立ただなくさせるための後述する光学的な工夫もなされている。これにより、発光装置20は、空間の広がりを強調しながら、落ち着き感のある雰囲気を演出し、結果として、高級感や快適性といった付加価値を空間Sにもたらすことができる。
以下、図示された具体例に基づき、一実施の形態について詳述する。
前述にように、照明システム10は、照明器具15及び発光装置20を有している。図1及び図2に示すように、照明器具15は、天井cに取り付けられ、照明光Lxを空間Sに上方から放出する。照明器具15は、天井cに固定されていてもよいし、天井cから吊り下げられていてもよい。照明器具15は、人の視覚を通した空間S内の把握を補助するものである。したがって、照明器具15として、一般的な、室内照明用の器具を用いることができる。照明器具15から射出する照明光Lxは、特に限定されないが、白色系とすることで自然な照明を可能とすることができる。
次に、発光装置20について説明する。発光装置20は、主たる構成要素として、上述したように、化粧シート40及び面光源装置50を有している。図示された具体例において、発光装置20は、全体として板状に形成され、その一部またはその全部により建材パネル3を構成する。図2に示すように、建材パネル3は、壁本体waに重ねられ、壁本体waとともに、建物1の壁wをなすようにしてもよい。このような例において、発光装置20の構成要素の全部または一部が、建材パネル3や構造体2を作製するための組立キット4として取り扱われ、流通や販売されるようにしてもよい。或いは、後に参照する建材パネル3が、単独で、建物1の壁wをなすようにしてもよい。
図2に示された一具体例において、発光装置20は、化粧シート40及び面光源装置50に加え、補助建材21、留具22及びボード30を有している。図3は、図2に示された発光装置20を示す正面図である。また、図4は、面光源装置50の一例を示す縦断面図である。以下、図2〜図4を主として参照しながら、発光装置20について説明する。
最初に、化粧シート40について説明する。化粧シート40は、空間Sに露出している。すなわち、化粧シート40は、構造体2の化粧面2aを形成する。そして、化粧シート40は、発光装置20の最出光側の面を形成する。化粧シート40として、建築物の壁紙、床及び天井等の内装材、車両等の移動体の内装材、家具や電気機器等の最表面を形成する部材等を用いることができる。
上述のように、化粧シート40は、面光源装置50の発光面50aに対面する発光領域Z1と、発光面50aに対面する位置からずれた非発光領域Z2と、を含んでいる。非発光領域Z2は、発光領域Z1に隣接している。化粧シート40は、発光領域Z1において、面光源装置50により背面側から光を照射される。化粧シート40は、少なくとも発光領域Z1において、可視光透過性を有している。このため、面光源装置50の発光面50aから射出した光の少なくとも一部が、化粧シート40の発光領域Z1を透過することができる。このように化粧シート40は透過照明されることから、透過率の比較的高い白色系の壁紙が化粧シート40として好適に用いられる。ただし、透過率の比較的低い壁紙、例えば木目調の壁紙でも十分有効に透過照明されて後述する作用効果を奏することができ、化粧シート40の柄等は特に限定されるものではない。化粧シート40の発光領域Z1における可視光線透過率は、1.0%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。可視光線透過率は、赤外可視紫外分光光度計((株)島津製作所社製 UV3100PC)を使用し、JIS A5759−2008に従い380nm以上780nm以下の波長域における分光透過率測定し、同規格に規定される算出式により算出したものである。
図3に示すように、発光領域Z1及び非発光領域Z2は、一軸方向に配列されている。発光領域Z1は、一軸方向における一方の側に位置し、非発光領域Z2は、一軸方向における他方の側に位置している。また、図3に示された例では、二つの発光装置20が、一軸方向と非平行な方向に配列されている。より具体的には、発光領域Z1及び非発光領域Z2は、第1方向d1に配列されている。この第1方向d1は、図示された具体例において、鉛直方向に沿っている。発光領域Z1は、第1方向d1における第1側s1に位置し、非発光領域Z2は、第1方向d1における第2側s2に位置している。第1方向d1における第1側s1は、鉛直方向における上側となっており、第1方向d1における第2側s2は、鉛直方向における下側となっている。また、二つの発光装置20が、第1方向d1に直交第2方向d2に配列されている。
なお、発光装置20による空間の雰囲気を高める効果を期待する観点から、化粧シート40の発光領域Z1及び非発光領域Z2の境界を目立たなくさせることが好ましい。この点から、化粧シート40は、発光領域Z1及び非発光領域Z2において、同一の構成を有していることが好ましい。
次に、ボード30について説明する。図2に示すように、ボード30は、板状の部材である。ボード30は、少なくとも化粧シート40の非発光領域Z2に対面して配置される。化粧シート40は、ボード30に貼合されていてもよい。この場合、ボード30によって、化粧シート40を安定して支持することができる。
図2に示された例において、ボード30は、非発光領域Z2及び発光領域Z1の両方に対面して配置されている。このボード30は、発光領域Z1に対面する位置に凹部31を設けられている。ボード30の凹部31内に、面光源装置50が収容されている。図2の例によれば、ボード30によって、面光源装置50を安定して支持することができる。留具22は、ボード30に設けられており、ボード30上に面光源装置50を固定する。また、留具22に加えて又は留具22に代えて、接着剤や粘着剤などを含む接合層によって、ボード30と面光源装置50とを固定するようにしてもよい。
面光源装置50の発光面50aは、化粧シート40の非発光領域Z2に対面するボード30の表面30aと、同一面上に位置していることが好ましい。このように位置決めされたボード30及び面光源装置50上に、化粧シート40が積層される。この場合、ボード30の表面30aと面光源装置50の発光面50aとの間に段差が形成されにくくなり、化粧シート40越しにこの段差が視認されることに起因した化粧シート40の意匠性低下を効果的に抑制することができる。さらには、発光装置20の発光時に面光源装置50の存在を効果的に目立たなくさせることができ、後述する発光装置20による空間Sの雰囲気を高める効果がより顕著に奏されるようになる。
ボード30は、化粧シート40の用途に応じて決定される。化粧シート40が、壁、床、天井等の表面を加飾する部材をなす場合、一例として、ボード30は、種樹木の木材からなる単板、合板、集成材、パーチクル板、纖維板等の木製板材、コンクリート、モルタル等のセメント系材料、石膏ボード、珪酸カルシウム等からなる無機非金屬板、或いは鉄、アルミニウム等からなる金屬板となる。化粧シート40が、車両等の移動体の内装材をなす場合、ボード30は、例えば樹脂製板材、或いは金屬板となる。化粧シート40が、家具や電気製品をなす場合、ボード30は、例えば木製板材や樹脂製板材となる。なお、発光装置20の建材パネル3への適用において、ボード30は、耐燃性や耐火性を有していることが好ましい。
なお、図2、並びに、図2に対応する図12、図13、図15〜図19では、留具22の図示にともなって、化粧シート40が、ボード30及び面光源装置50との間に隙間を空けて図示されている。しかしながら、隙間をあけることなくボード30及び面光源装置50に貼合されるようにしてもよい。
補助建材21は、天井cと壁wとの取り合い部に設ける部材である。補助建材21は、天井cと壁wとのつなぎ目を覆い、構造体2の意匠性を向上させる。補助建材21として、「回り縁」や「幅木」と呼ばれる部材を用いることができる。ただし、後述するように、補助建材21を省略することも可能である。なお、図3に示された例において、二つの発光装置20に対して、単一の補助建材21が、共通して用いられている。補助建材21は、第2方向d2に延びている。補助建材21は、固定されていてもよいし、交換のために取り外し可能に構成されていてもよい。
次に、化粧シート40を背面から照明する面光源装置50について詳述する。面光源装置50は、面状光を射出する発光面50aを有している。面光源装置50は、その発光面50aが化粧シート40の一部分のみに対面するように、位置決めされている。面光源装置50として、面状光を射出可能な種々の装置を用いることができる。例えば、光源51と、光源51から射出した光を面状光に変換する光学部材55と、を有する装置を、面光源装置50として用いることができる。
ここで、主に図3及び図4を参照して、面光源装置50の具体例について説明する。図4に示された面光源装置50は、エッジライト型の面光源装置として構成されている。この面光源装置50は、光源51と、光学部材55としての光拡散シート56、反射シート57及び導光板60と、を有している。
光源51は、光を発光する発光体52を有している。発光体52は、特に限定されることなく、光を発光する種々の部材を広く用いることができる。具体的には、例えば、冷陰極管、点状の発光ダイオード(LED)、白熱電球、レーザー発振装置等を、光源51の発光体52として、用いることができる。図示された例において、光源51は、複数の点状の発光体52を有している。この発光体52は、例えば発光ダイオードによって構成される。図2及び図3示された例において、複数の発光体52は、補助建材21によって保持されている。図3に示すように、複数の発光体52は、補助建材21の長手方向である第2方向d2に沿って、間隔をあけて配列されている。補助建材21が取り外し可能な場合、補助建材21とともに複数の発光体52を壁wから取り外し、複数の発光体52の一部又は全部の交換作業を行うことができる。
導光板60は、一対の主面60a,60bと、一対の主面60a,60b間に位置する側面と、を有した板状の部材である。一方の主面が出光面60aをなし、他方の主面が裏面60bをなしている。主面60a,60bは、典型的には、平面視矩形形状となる。主面60a,60bは、第1方向d1の沿って延びる一対の側縁と、第1方向d1に直交する第2方向d2に沿って延びる一対の側縁と、を有している。側面は、第1方向d1に対向する入光面60c及び反対面60dを含んでいる。
図2及び図3に示すように、入光面60cは、第1方向d1における第1側s1に位置している。入光面60cは、補助建材21に沿うようにして第2方向d2に延びている。そして、入光面60cは、補助建材21に保持された複数の発光体52に対面している。複数の発光体52は、入光面60cの長手方向である第2方向d2に沿って、間隔をあけて配列されている。
図4に示すように、光源51から射出した光は、導光板60に入射して導光板60内を進む。導光板60は、取出要素61を含んでいる。取出要素61は、導光板60内を進む光L41,L42の進行方向を変化させる。この面光源装置50において、光源51から射出した光は、導光板60に入光面60cから入射し、反射とりわけ全反射することで当該導光板60内を進む。導光板60内を進む光L41,L42は、取出要素61によって進行方向を変化させること、とりわけ散乱することで、導光板60の一対の主面60a,60bに全反射臨界角度未満の入射角度で入射して導光板60から出射することが可能となる。
取出要素61で進行方向を変えられた光は、一対の主面60a,60bのいずれかを介して、導光板60から出射する。導光板60の出光面60aに対面して、光拡散シート56が設けられている。導光板60の出光面60aから出射した光L41,L42は、次に、この光拡散シート56に入射する。光拡散シート56は、光拡散機能を有しており、透過光に起因した輝度角度分布を整えることができる。光拡散シート56は、面光源装置50の発光面50aを形成している。光拡散シート56で拡散された光は、面光源装置50から射出して化粧シート40に向かう。光拡散シート56には、光拡散機能を発揮し得る種々の構成を採用することができる。光拡散シート56が有する拡散特性は、等方性であってもよいし、異方性であってもよい。
導光板60の裏面60bに対面して、反射シート57が設けられている。反射シート57は、裏面60bから出射する光を反射して、導光板60及び光拡散シート56へ向けることができる。反射シート57を設けることで、面光源装置50の発光面50aからの出射光量を増大させることができる。これにより、光源51から射出した光の利用効率を向上させることができる。反射シート57には、光反射機能を発揮し得る種々の構成を採用することができる。反射シート57の反射特性は、正反射であってもよいし、拡散反射であってもよい。反射シート57が有する拡散反射特性は、等方性であってもよいし、異方性であってもよい。
取出要素61として、導光板60内を進む光の進行方向を変更し得る種々の要素を用いることができる。図4に示された例において、導光板60は、板状の導光板本体65を有している。導光板本体65は、導光板60の一方の主面を形成するようになる面として、凹凸面65aを有している。図示された例において、導光板60の裏面60bが、この凹凸面65aによって形成されている。凹凸面65aは、導光板本体65に凹部65bを設けることで形成されている。この例において、導光板本体65は、可視光透過性を有した樹脂から形成され得る。
他の例として、取出要素61は、図5に示すように、導光板本体65に積層された光散乱層66とすることができる。図5に示された例において、導光板60は、導光板本体65および光散乱層66を有している。光散乱層66は、バインダーとして機能する支持層66aと、支持層66a内に分散した光散乱要素66bと、を有している。支持層66aは、可視光透過性を有した樹脂から形成され得る。光散乱要素66bは、反射、屈折、回折等によって、光散乱層66内を進行する光の進行方向を変化させる機能を有している。光散乱要素66bは、支持層66aと異なる屈折率を有していてもよいし、金属等の光反射性を有した材料によって形成されていてもよい。光散乱要素66bの具体例として、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、金属化合物を周囲に保持した樹脂ビーズ、白色微粒子、気泡、周囲と屈折率が異なる粒子が、例示され得る。図5に示された例において、出光面60a及び裏面60bでの反射により導光板60内を進む光L51,L52は、光散乱層66内で光散乱要素66bと衝突することで進行方向を変化させ、その後、導光板60から出射することが可能となる。
なお、図5の例において、光散乱層66の支持層66aの屈折率は、導光板本体65の屈折率以上となっていることが好ましい。光散乱層66の支持層66aの屈折率が導光板本体65の屈折率よりも低いと、導光板本体65内を進む光L53が、導光板本体65と光散乱層66との界面で全反射して、光散乱層66に入射できない可能性がある。このような光L53は、入光面60cから導光板60に入射した後、導光板本体65内を反対面60dまで進むことになる。このような光の存在は、光源51のエネルギー効率が低下させてしまうことになる。支持層66aの屈折率を導光板本体65の屈折率以上とすることで、導光板本体65と光散乱層66との界面での全反射を効果的に防止して、光散乱層66が取出要素61としてより効果的に機能し得る。
さらに他の例として、図6に示すように、取出要素61として機能する光散乱要素67が、導光板本体65内に分散していてもよい。図6に示された導光板60では、導光板本体65内を進む光L61が、光散乱要素67に衝突することで散乱し、導光板60から出射することができる。光散乱要素67としては、上述した光散乱要素66bと同様に構成され得る。
また、導光板60は、複数種類の取出要素61を含むようにしてもよい。図6に示された例において、導光板60の導光板本体65は、光散乱要素67を含有し、さらに導光板60の裏面60bを構成する凹凸面65aを有している。
さらに、導光板60の各領域での取出要素61に起因した光散乱能は、一定ではなく、異なっていてもよい。すなわち、導光板60の光散乱能が、板面に沿った各領域で変化するようにしてもよい。さらに言い換えると、導光板60の或る領域での光散乱能は、当該領域から板面に沿ってずれた他の領域での光散乱能と異なっていてもよい。導光板60のパネル面に沿った各領域での光散乱能を変化させることにより、各領域からの出射光量を調節することが可能となる。
光散乱能は、導光板60がその内部を通過する光を散乱させる性能の強さのことである。光散乱能の程度は、一例として、JIS−K7361−1に準拠して測定されるヘイズ値[%]を用いて評価することができ、ヘイズ値[%]が高いと光散乱能が高いということになる。したがって、図示された例では、導光板60の板面への法線方向に透過する透過ヘイズ値が、導光板60の各領域で一定ではなく、異なる値を持つようになる。ヘイズ値[%]は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K7136に準拠した方法により測定することができる。
図4に示すように、取出要素61が、導光板60の主面60a,60bに設けられた凹凸である場合には、板面に沿った単位面積のうちの凹凸が設けられている面積の割合、すなわち面積比を高くすることで、光散乱能を高くすることができる。また、取出要素61が、凹部65bまたは凸部によって形成された凹凸面65aである場合には、凹部65bの深さH1又は凸部の高さの導光板60の厚さH2に対する比の値、すなわちH1/H2の値を大きくすることで、光散乱能を高くすることができる。取出要素61が、導光板60に含有される光散乱要素66b,67を含む場合には、導光板60内における光散乱要素66b,67の体積比を高めること、粒子密度を高めること、粒径を大きくすること、光散乱要素66b,67が形成する界面の屈折率差を大きくすることで、光散乱能を高くすることができる。
また、発光装置20が導光板60を含む場合には、導光板60の一対の主面、すなわち導光板60の出光面60a及び裏面60bがハードコート処理されていることが好ましい。例えば、導光板60が、導光板本体65と、導光板本体65に積層され且つ導光板本体65よりも高硬度のハードコート層と、を有し、ハードコート層が出光面60a及び裏面60bのいずれか一方または両方を形成するようにしてもよい。また、図5に示された例では、光散乱層66の支持層66aが、導光板本体65よりも高硬度の材料で形成され、光散乱層66がハードコート層として機能するようにしてもよい。
ところで、後述する効果、すなわち発光装置20が空間Sの雰囲気に与える効果をより顕著とする上で、面光源装置50の存在が目立たないことが有効となる。そして、面光源装置50の存在を目立たなくさせるには、発光領域Z1及び非発光領域Z2の配列方向である第1方向d1に沿って面光源装置50の発光面50aからの出射光量が変化することが、有効であることが確認された。
より具体的には、既述したように、発光面50aの或る位置からの出射光量が、当該位置よりも第1方向d1における第1側s1に位置する発光面50aの他の或る位置からの出射光量よりも少なくなっていることが好ましい。すなわち、第1方向d1における第2側s2に位置する非発光領域Z2に近接する位置で、発光面50aからの出射光量が低下していることが好ましい。より好ましくは、発光面50aの任意に選択される位置からの出射光量は、当該位置よりも第1方向d1における第1側s1に位置する発光面50aの他の位置からの出射光量以下となっている。すなわち、第1方向d1における第2側s2に位置する非発光領域Z2に近接するにしたがい、発光面50aからの出射光量が低下していくことが好ましい。
このような第1方向d1における好ましい出射光量分布は、例えば上述したように取出要素61の第1方向d1における分布を制御して、取出要素61に起因した光散乱能の程度を第1方向d1に沿って調節することで実現され得る。また、図4〜図6を参照して説明したエッジライト型の面光源装置50では、導光板60の入光面60cが第1方向d1における第1側s1に位置し、反対面60dが第1方向d1における第2側s2に位置している。このようなエッジライト型の面光源装置50に関する一般的な傾向として、導光板60の出光面60aからの出射光量は、導光方向である第1方向d1に沿って入光面60c側から反対面60d側に向けてしだいに減少する。すなわち、このような面光源装置50では、取出要素61に起因した光散乱能が第1方向d1に沿って一様であったとしても、上述した第1方向d1における好ましい出射光量分布を実現することができる。
なお、図1及び図3、並びに、後に参照する図14では、発光装置20からの出射光量を濃淡により示しており、出射光量が多くなる領域を「濃」で表している。
また、面光源装置50からの出射光に起因した発光面50aの周縁部での照度X[lx]が十分に低減されていると、面光源装置50の存在を効果的に目立たなくさせ得ることが知見された。具体的には、発光面50aのいずれかの周縁部における当該発光面50aからの出射光に起因した照度X[lx]が、次の式(A)を満たしている場合、当該周縁部と重なる位置に、化粧シート40によって隠蔽された面光源装置50の存在を効果的に感知しにくくすることができる。
1≦(X×T+300×R)/(300×R)<1.1 ・・・(A)
ここで、式(A)における「X」は、面光源装置50からの出射光に起因した発光面50aの周縁部での照度[lx]であり、「T」は、当該周縁部に対面する位置での化粧シート40の可視光線透過率[%]であり、「R」は、当該周縁部に対面する位置での化粧シート40の可視光線反射率[%]である。照度は、(株)ティアンドデイ社製照度計TR−74Uiを用い、発光面50aの周縁部に本照度計の照度センサを密着させて測定した。可視光線透過率[%]及び可視光線反射率[%]は、赤外可視紫外分光光度計((株)島津製作所社製 UV3100PC)を使用し、JIS A5759−2008に従い380nm以上780nm以下の波長域における分光透過率測定し、同規格に規定される算出式により算出したものである。
上述してきたように、化粧シート40は、面光源装置50の発光面50aに対面する発光領域Z1と、発光面50aに対面しない非発光領域Z2と、を含んでいる。発光装置20の表面での明るさは、当該表面をなす化粧シート40の各領域から進みでる光量に依存することになる。図7に示すように、発光領域Z1での明るさは、面光源装置50の発光面50aから出射する照明光Llのうちの化粧シート40を透過する光L71と、環境光Leのうちの化粧シート40で反射する光L72とに依存する。一方、非発光領域Z2での明るさは、環境光Leのうちの化粧シート40で反射する光L73のみに依存する。そして、ここで説明する発光装置20が好適であると想定される環境、すなわち発光装置20を用いた室内空間での雰囲気向上が有効に図れるとされる環境において、灯具を点灯した際における化粧面2a上での照度は、典型的には、300[lx]以上となる。したがって、式(A)における「(X×T+300×R)」は、化粧シート40の発光領域Z1の周縁部で感知される明るさを表す指標となり、式(A)における「300×R」は、化粧シート40の非発光領域Z2で感知される明るさを表す指標となる。そして、式(A)が満たされる場合、非発光領域Z2の明るさを表す指標に対して発光領域Z1の周縁部の明るさを表す指標の比の値が1以上1.1未満となることに相当する。
発光領域Z1のいずれかの周縁部において、式(A)が満たされる場合、少なくとも当該周縁部が、非発光領域Z2と肉眼で識別できない程度の明るさとなっている。この結果、少なくとも当該周縁部における化粧シート40によって隠蔽された面光源装置50の存在が効果的に目立たなくなる。
また好ましくは、非発光領域Z2と隣接する発光領域Z1の周縁部において、式(A)が満たされることが好ましい。図示された例においては、第1方向d1における第2側s2に位置する発光面50a及び発光領域Z1の周縁部において、式(A)が満たされることが好ましい。この例によれば、例えば図1や図3に示すように、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界を効果的に目立たなくさせることができる。これにより、面光源装置50の存在をより効果的に目立たなくさせることができる。
なお、判断主体である人が肉眼で判断することを考慮すると、周縁部を、発光面50aの端縁から3cm以内の範囲とすればよい。このように周縁部を設定することで、十分効果的に、面光源装置50の存在を目立たなくさせるといった効果を得ることができる。
また、上述した式(A)では、可視光線透過率T[%]や可視光線反射率R[%]の変化が、化粧シート40内で無視し得る程度であると、想定している。ただし厳密に評価する場合には、上述した式(A)に代えて、次の式(B)により評価を行うようにしてもよい。
1≦(X×T+300×R)/(300×R)<1.1 ・・・(B)ここで式(B)における「X」は、面光源装置50からの出射光に起因した発光面50aの周縁部での照度であり、「T」は、当該周縁部に対面する発光領域Z1の周縁部での化粧シート40の可視光線透過率であり、「R」は、当該周縁部での化粧シートの可視光線反射率[%]であり、「R」は、発光領域Z1の周縁部に隣接する非発光領域Z2の周縁部での化粧シート40の可視光線反射率[%]である。可視光線透過率[%]及び可視光線反射率[%]は、赤外可視紫外分光光度計((株)島津製作所社製 UV3100PC)を使用し、JIS A5759−2008に従い380nm以上780nm以下の波長域における分光透過率測定し、同規格に規定される算出式により算出したものである。
また、式(A)及び式(B)では、上述したように、灯具を点灯した際における壁面上での典型的な照度を採用している。発光装置20の具体的な適用においては、適用される空間での実際の照度を採用した次の式(A’)及び式(B’)を、それぞれ、式(A)又は式(B)に代えて用いてもよい。
1≦(X×T+Z×R)/(Z×R)<1.1 ・・・(A’)
1≦(X×T+Z×R)/(Z×R)<1.1 ・・・(B’)
ここで式(A’)における「X」、「T」および「R」は、上述の式(A)における「X」、「T」および「R」と同一である。一方、式(A’)における「Z」は、発光面50aの周縁部に対面する発光領域Z1の周縁部となる化粧シート40上での環境光に起因した照度[lx]である。同様に、式(B’)における「X」、「T」、「R」および「R」は、上述の式(B)における「X」、「T」、「R」又は「R」と同一である。一方、式(B’)における「Z」は、発光面50aの周縁部に対面する発光領域Z1の周縁部となる化粧シート40上での環境光Leに起因した照度[lx]であり、式(B’)における「Z」は、発光領域Z1の周縁部に隣接する非発光領域Z2の周縁部となる化粧シート40上での環境光Leに起因した照度[lx]である。
ここで、図2に示された発光装置20のサンプル1〜4を実際に作製して、各サンプルについて発光領域Z1と非発光領域Z2との境界を視認できるかを確認した実験結果について説明する。
サンプル1〜4は、図2に示された発光装置20と同様の構成を有するようにした。面光源装置50は、エッジライト型とし、図4に示すように、反射シート57、導光板60、光拡散シート56及び光源51を有するようにした。サンプル1〜4の間で、異なる導光板60を用いたが、その他の構成要素については同一とした。例えば、面光源装置50の光源51,光拡散シート56、反射シート57や、化粧シート40は、サンプル1〜4の間で共通とした。
サンプル1及びサンプル3において、導光板60は、図5に示すように、板状の導光板本体65と、導光板本体65に反射シート57側から積層された光散乱層66と、を有するようにした。サンプル3では、光散乱層66をベタ層として、導光板本体65の反射シート57側となる主面の全面に光散乱層66を設けた。一方、サンプル1では、第1方向d1に沿って第1側s1から第2側s2に向けて光拡散能がしだいに弱くなるように、光散乱層66の占有面積率を第1方向d1に沿って第1側s1から第2側s2に向けてしだいに低下させていった。
サンプル2及びサンプル4において、反射シート57側となる主面に凹部65bを形成された図4の導光板本体65を、導光板60として、用いた。すなわち、サンプル2及びサンプル4において、導光板60の裏面60bを凹凸面65aとした。凹部65bは、裏面60bの全面に均一に設けた。サンプル2では、サンプル4よりも深さが深く且つ平面形状の大きい凹部65bを設けた。
サンプル1〜4において、面光源装置50の光源は、図2及び図3に示すように、導光板60の入光面60cに沿って等間隔に配列された複数の発光ダイオードを有するようにした。
化粧シート40は、白色系の壁紙とした。化粧シート40の可視光線透過率は、その全面において略一定であり、12.53%であった。化粧シート40の可視光線反射率は、その全面において略一定であり、77.10%であった。
各サンプルにおける発光領域Z1の第1方向d1に沿った長さを600mmとした。各サンプルにおける面光源装置50の発光面50a上での光源光のみに起因した照度測定結果を図20に示す。
また、照度が495[lx]となる環境下に、サンプル1〜4を設置し、面光源装置50を発光させた状態で、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界が視認されるか否かを確認した結果を表1に示す。表1の「確認結果」の欄に、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界の位置が視認されたサンプルに対して「×」を付し、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界の位置が視認されなかったサンプルに対して「○」を付している。また表1の「確認写真」の欄にも示すように、サンプル1〜4に係る発光装置20の表面を撮影した写真を、それぞれ、図21(a)〜図21(d)に示す。図21(a)〜図21(d)における三角マークの位置に、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界が位置している。
さらに、化粧シート40の可視光線透過率Tを12.53[%]とし、化粧シート40の可視光線反射率Rを77.10[%]とし、発光面50aの周縁部に対面する化粧シート40上の位置での環境光に起因した照度Zを495[lx]として、式(A’)が満たされるか否かを確認した。表1のおける「比の値」の欄に、式(A’)における「(X×T+Z×R)/(Z×R)」の値を記載した。また、表1における「条件式」の欄に、式(A’)が満たされたサンプルに対して「○」を付し、式(A’)が満たされなかったサンプルに対して「×」を付した。表1に示された結果では、式(A’)の有効性が実証されている。
Figure 0006849061
さらに、サンプル1〜4における化粧シート40だけをそれぞれ変更して、サンプル5〜8を実際に作製し、サンプル1〜4と同様の実験を行った。サンプル5〜8で共通して用いた化粧シート40は、木面調の壁紙とした。この木目調化粧シートの可視光線透過率は、その全面において略一定であり、1.73%であった。また、木目調化粧シートの可視光線反射率は、その全面において略一定であり、11.89%であった。
Figure 0006849061
さらに別の工夫により、発光領域Z1及び非発光領域Z2の境界を目立たなくさせることができる。
図22は、発光領域Z1及び非発光領域Z2の境界を目立たなくさせる別の工夫を示す発光面50aの平面図である。図22の例においては、発光面50aを一軸方向d1に十等分に分割してなる各領域A1〜A10を、第1側s1から第2側s2へ向けた順番で、第1小領域A1から第10小領域A10と定義する。
また、発光装置20が発光した状態で視野角内から測定される各小領域A1〜A10での輝度〔cd/m〕のそれぞれの平均値B1〜B10の対数を、輝度平均対数値と定義する。
また、nを1から9までの自然数として、第n小領域Anの輝度平均対数値と第(n+1)小領域An+1の輝度平均対数値との差を第nの輝度対数勾配Knと定義する。輝度対数勾配Knは、次式で表すことができる。
Kn=−(Log10(Bn)−Log10(Bn+1))・・・(1)
また、第nの輝度対数勾配Knと第(n+1)の輝度対数勾配Kn+1との差を、第nの輝度対数勾配差分値ΔKnと定義する。
そして、第2の輝度対数勾配差分値ΔK2から第7の輝度対数勾配差分値ΔK7までの六つの輝度対数勾配差分値ΔK2〜ΔK7がすべて0.2以下となるように、発光装置20を構成する。このような構成により、とりわけ壁の上方領域に設置される発光装置20について、明るさの勾配が発光面50a内で急激に変化することを抑制して、グラデーションの違和感を抑制することができる。
図23は、既述した六つの輝度対数勾配差分値ΔK2〜ΔK7のすべてを0.2以下に調整するための発光装置20の具体的な構成例として、面光源装置50を示す分解斜視図である。
図23に示す面光源装置50は、反射シート57と、導光板60と、調整シート59と、光拡散シート56とを有している。導光板60に対して第1方向d1における第1側s1から対向して発光体52が設けられている。調整シート59は、可視光透過性を有した透明な基材59aと、基材59a上に設けられた光吸収部59bと、を含んでいる。光吸収部59bは、例えば可視光吸収性を有した顔料を含んでおり、可視光吸収機能を有する。一例として、光吸収部59bは、カーボンブラックやチタンブラックを含む。
調整シート59は、第1方向d1における第2側s2に位置する非発光領域Z2に近接する位置で化粧シート40からの出射光量を低下させるための層である。そして、調整シート59の各領域での光吸収能は、一様ではなく、変化する。例えば、調整シート59の或る領域での光吸収能を、当該領域よりも第1方向d1における第1側s1に位置して発光体52に近接する他の或る領域での調整シート59の光吸収能よりも強くすることで、第1方向d1における第2側s2に位置して非発光領域Z2に近接する領域からの出射光量を低下させることができる。さらに、任意に選択される領域での調整シート59の光吸収能を、当該領域よりも第1方向d1における第1側s1に位置する他の領域での調整シート59の光吸収能以上とすることで、第1方向d1における第2側s2に位置する非発光領域Z2に近接するにしたがい出射光量を低下させることが可能となる。これらの調整シート59によれば、発光領域Z1内の明るさを、非発光領域Z2に近接する領域において非発光領域Z2から離間する領域よりも暗くすることができる。この結果、面光源装置50の存在感を効果的に薄めることができる。
なお、可視光吸能は、顔料の含有密度、光吸収部59bの配置密度、光吸収部59bの厚さ等により調節することができる。
図23に示す面光源装置50により、以下の実験例に示すように、既述した六つの輝度対数勾配差分値ΔK2〜ΔK7のすべてを0.2以下に調整できることが確認された。
(実験例)
(1)実験内容
実験例では、導光板60の表面の凹凸や調整シート59の光吸収部59の大きさを変えることで、輝度分布が異なる三種類のサンプルA、B、Cを作製した。そして、作製されたサンプルA〜Cのそれぞれに対して、以下に説明する目視評価および測定評価を行った。そして、目視評価と測定評価とを比較することで、良好なグラデーションを得ることができるパラメータを求めた。
(2)目視評価
目視評価においては、目視により、サンプルA〜Cのグラデーションの見え方を評価した。目視評価の結果を表3に示す。
Figure 0006849061
表3に示すように、サンプルAとCによれば、第1側s1から第2側s2に向かって連続的に明るさが減少して見える、良好なグラデーションが得られた。一方、サンプルBによれば、第1側s1から第2側s2に向かう途中で明るさが急に減少し、この明るさの減少が段差として視認された。すなわち、サンプルBによれば、グラデーションが不連続になり、良好なグラデーションとはならなかった。
(3)測定評価
測定評価においては、サンプルA〜Cの発光面50aを導光方向である第1方向d1に十等分した第1〜第10小領域A1〜A10を定義し、各小領域A1〜A10の平均輝度Bnを求めた。輝度ではなく平均輝度Bnを求めた理由は、化粧シート40のパターンによって各小領域A1〜A10の輝度に細かいムラが生じることを想定し、ムラの影響を十分に抑制して適正な評価を行うためである。
輝度の測定には、視野角内の平均輝度Bnを測定する輝度計を用いた。このような輝度計としては、例えば、トプコンテクノハウス製色彩輝度計BM7を用いることができる。このような輝度計によれば、1つの小領域Anと輝度計の視野角とを一致させることで、平均輝度Bnを得ることができる。
これ以外にも、二次元イメージとして1つの小領域Anの輝度を測定し、測定された小領域An内の輝度を平均化してもよい。このような輝度計として、たとえば、トプコンテクノハウス製2D色彩輝度計UA-200を用いることができる。
あるいは、発光領域Z1からの拡散程度が大きい場合(具体的には前面に拡散板を有する場合)は、照度と輝度とが略比例の関係にあるとみなし、照度計にて発光領域Z1の照度を測定して、輝度の代わりとして用いてもよい。この場合、照度計ティアンドデイ社製照度計TR−74Uiを用い、その受光部を発光領域Z1すなわち化粧面2aに接近させて測定すればよい。以下の評価は、本方法により行った。
平均輝度Bnの測定結果を表4および図24に示す。なお、表4の値は測定された照度(lx)であり、発光領域を完全拡散とみなして、この値をπ(定数)で除算して正面からの輝度(cd/m)に換算した値を平均輝度Bnであるとした。
Figure 0006849061
表4および図24によれば、サンプルAおよびサンプルCの平均輝度Bn(Cd/m)は、第1側s1の第1小領域A1から第2側s2の第10小領域A10に向かうにしたがって線形に近い減少量で減少することが分かった。一方、サンプルBの平均輝度Bnは、第8小領域A8以降において減少量が大きくなることがわかった。
サンプルA〜Cの平均輝度Bnを測定した後、次式にしたがって1番目〜9番目までの合計9個の輝度対数勾配Knを計算した。
Kn=−(Log10(Bn)−Log10(Bn+1))
=−Log10(Bn/Bn+1) ・・・(1)
この値は、輝度の絶対値に依存しない無次元量となる。
輝度対数勾配Knの計算結果を表5および図25に示す。
Figure 0006849061
サンプルA〜Cの輝度対数勾配Knを算出した後、次式にしたがって輝度対数勾配差分値ΔKn(無次元量)を算出した。
ΔKn=|Kn−Kn+1| (2)
ただし、1番目の輝度対数勾配K1と9番目の輝度対数勾配K9は、輝度対数勾配差分値ΔKnの算出に用いなかった。これらの輝度対数勾配K1、K9は、発光領域Z1の端部に位置するため正確な値でない場合があるからである。したがって、算出された輝度対数勾配差分値ΔKnは、合計で6個ΔK2〜ΔK7である。輝度対数勾配差分値ΔKnの計算結果を表6および図26に示す。
Figure 0006849061
(4)パラメータ
測定評価および目視評価との比較により、目視評価で確認されたサンプルBの段差に該当する位置で、表6の5番に当たる差分値ΔK6が0.24を超えることが分かった。
このことから、対数勾配差分値を全面で0.2以下にすれば、第1側s1から第2側s2に向かって連続的に輝度が減少する良好なグラデーションが得られることが分かる。
発光面50aを10個の小領域A1〜A10に等分割して対数勾配差分値の好適な数値範囲を規定する例について説明した。本開示は、このような例に限定されず、例えば、発光面50aが大きいことで見込み角が大きくなる場合には、発光面50aを10個より多い小領域に等分割して対数勾配差分値の好適な数値範囲を規定してもよい。
さらに別の工夫により、発光領域Z1及び非発光領域Z2の境界を目立たなくさせることができる。
上述したように、エッジライト型の面光源装置50では、光源51から射出した光は、入光面60cを介して導光板60に入射する。導光板60に入射した光は、導光板60内を入光面60cの側から反対面60dの側へ進む。導光板60内を進む光は、取出要素61に衝突することで、導光板60から出射していく。しかしながら、取出要素61に衝突することなく、導光板60の反対面60dまで到達する光も存在する。このような光は、反対面60dを介して導光板60から出射する。このような光が存在することで、導光板60の反対面60dに対面する化粧シート40の領域が明るく観察され、面光源装置50の存在が感知されやすくなる可能性がある。
このような不具合の発生を防止するため、図8及び図9に示された例において、導光板60は、第1方向d1における第2側s2となる端部領域に、可視光吸収性を有した吸収部68を含んでいる。吸収部68は、例えば可視光吸収性を有した顔料、例えばカーボンブラックやチタンブラックを含む層とすることができる。図8に示す例において、吸収部68は、導光板本体65の第2側s2の端面を覆っている。図9に示す例では、導光板本体65の一対の主面が、第2側s2の端部領域において、互いに接近するように導光板本体65の板面に対して傾斜している。この傾斜面上に吸収部68が設けられている。吸収部68が、導光板本体65内を第2側s2の端部領域まで進んだ光L81,L91を吸収することで、反対面60dからの漏れ光の発生を防止することができる。
また、図10に示された例において、導光板60は、第1方向d1における第2側s2となる端部領域に、可視光反射性を有した反射部69を含んでいる。反射部69は、銀やアルミニウム等の反射率の高い材料を用いて形成され得る。図10に示す例において、反射部69は、導光板本体65の第2側s2の端面を覆っている。反射部69は、導光板本体65内を第2側s2の端部領域まで進んだ光L101を反射することで、当該光L101の第1方向d1に沿った進行方向を折り返させる。この光L101は、その後に、取出要素61に衝突することで有効に利用され得る光となる。すなわち、反射部69を設けることで、反対面60dからの光の漏れ出しを効果的に防止することができるとともに、光源51から射出した光の利用効率を効果的に改善することができる。
さらに、図11に示された例によっても、反対面60dからの光の漏れ出しを効果的に防止することができる。図11に示された例において、導光板60の一対の主面60a,60bは、導光方向である第1方向d1に対して傾斜している。一対の主面60a,60bは、第1方向d1に第1側s1から第2側s2に向けて次第に接近していく。そして、この導光板60では、実質的に第1方向d1に沿って入光面60cに対向する反対面60dが存在しない。
図11に示された導光板60内を第1側s1から第2側s2へ進む光L111は、導光板60の厚さが第2側s2に向けて薄くなっていくことから、主面60a,60bに入射しやすくなる。すなわち、第1方向d1における第1側s1から第2側s2へ進む光が、第1方向d1に沿った一定距離の間に、主面60a,60bに入射する頻度は、第2側s2において高くなる。そして、図11に示された導光板60において、導光板60内を進む光の主面60a,60bへの入射角度は、主面60a,60bで反射する度に、小さくなっていく。つまり、図11に示された例において、第1方向d1に対して傾斜した主面60a,60bが取出要素61として機能し、この主面60a,60bに第2側s2において入射しやすくなる。加えて、この導光板60では、実質的に第1方向d1に沿って入光面60cに対向する反対面60dが存在しない。以上のことから、図11に示された導光板60によっても、入光面60cとは反対側となる第2側s2の端部領域からの光の漏れ出しを効果的に防止することができるとともに、光源51から射出した光の利用効率を効果的に改善することができる。
次に、以上のような構成を有した照明システム10の作用について説明する。
図示された照明システム10は、照明器具15及び発光装置20を有している。照明器具15は、通常の照明として、照明システム10が適用される空間Sに明るさを提供する。一方、発光装置20は、照明システム10が適用される空間Sを区画する構造体2の一部を構成している。
発光装置20の光学部材55は、光源51から射出した光を面状光に変換して発光面50aから射出する。その際に、発光面50aの或る位置からの出射光量は、当該位置よりも発光面50aに沿った一軸方向d1における一方の側s1に位置する発光面50aの他の或る位置からの出射光量よりも少ない。これにより、発光面50aの一軸方向d1における他方の側s2の縁部において、発光面50aと発光面50aの外側の領域との間における光の継ぎ目を目立たなくすることができる。これにより、空間Sの雰囲気を効果的に高めることができる。
また、発光装置20の化粧シート40は、空間Sに露出した構造体2の化粧面2aをなしている。化粧シート40が面光源装置50の発光面50aを隠蔽していることで、化粧シート40上の光の継ぎ目すなわち発光領域Z1と非発光領域Z2との継ぎ目は、発光面50aが剥き出しの場合の発光面50aとその外側領域との継ぎ目よりも更に目立たなくなる。これにより、空間Sの雰囲気を更に効果的に高めることができる。
さらに、発光装置20に用いられる化粧シート40を適宜選択することで、面光源装置50が光を射出していない消光状態において、発光装置20は、違和感無く構造体2に溶け込むことができる。例えば、図1に示された例では、図示された三つの壁wのうちの真ん中に位置する一つの壁wのみに、発光装置20が組み込まれているが、発光装置20が消光している際に、三つの壁が同一であるとして把握され得る。すなわち、照明システム10の適用により、空間Sまたは構造体2が元々有していた意匠性を害することはない。
図1及び図3は、発光領域Z1から光が射出している発光装置20の発光状態を示している。発光装置20は、空間Sに露出した化粧シート40の背面に面光源装置50を有している。面光源装置50の発光面50aは、化粧シート40の一部分のみに対面する、すなわち発光領域Z1のみに対面している。そして、化粧シート40の発光領域Z1が発光することで、空間Sに奥行き感が付与される。すなわち、有限な空間2において広がりを強調することができる。このような作用効果は、発光領域Z1が化粧シート40の端縁を含む領域に片寄って配置されていることで、例えば図示された例のように、発光領域Z1及び非発光領域Z2が一軸方向d1に配列されることで、より効果的となる。ただし、このような例に限られず、例えば意匠性の向上を重視する観点から、化粧シート40上において、発光領域Z1を分散して配置する等してもよい。
なお、構造体を照明する灯具については、例えば「ウォールウォッシャー」と呼ばれる照明を実現するための灯具として、既に言及した特開2011−210594によっても提案されている。ただし、従来の灯具は、空間内に突出した筐体内や天井に形成された凹部に収容されていた。このため、大がかりな設置スペースや設置のための手間を要するといった不具合が存在した。また、従来技術では、光源の位置が直感的に把握できる、さらには光源が直視され得ることから、人工的な照明として把握され、広さを強調するための演出が期待した程度に機能しなかった。
これに対して、本実施の形態では、面光源装置50が化粧シート40によって隠蔽されている。したがって、面光源装置50が視認されることはない。また、面光源装置50の厚さを数cmとすることができるので、大きな設置スペースを必要としない。さらに、特別な筐体や特別な凹部等の設置スペースを作製および確保する必要もない。
さらに、従来技術における光源からの光投射による照明と異なり、本実施の形態では、面光源装置50を用いた化粧シート40の透過照明を採用している。従来技術では光の投射方向に応じて構造体上での被照明領域の設定に制約が生じていたが、本実施の形態では、化粧シート40上における発光領域Z1を高い自由度で設定することができる。
加えて、面光源装置50を用いた化粧シート40の透過照明を採用することで、発光領域Z1内での明るさ設定の自由度も格段に向上する。この結果、上述した発光領域Z1内での第1方向d1に沿った出射光量分布、すなわち、第1方向d1における第2側s2に位置する非発光領域Z2に近接する位置で出射光量を低下させること、さらには、第1方向d1における第2側s2に位置する非発光領域Z2に近接するにしたがい発光面50aからの出射光量を低下させることが、可能となる。このような本実施の形態によれば、面光源装置50の存在をより効果的に目立たなくさせることが可能となる。これにより、発光装置20は、空間の広がりを強調しながら、落ち着き感のある雰囲気を演出し、高級感等の雰囲気を空間Sに付与することができる。
また、式(A)、式(B)、式(A’)又は式(B’)が満たされることにより、発光領域Z1と非発光領域Z2とを識別されにくくすることができる。したがって、式(A)、式(B)、式(A’)又は式(B’)が満たされる場合、面光源装置50の存在をより効果的に目立たなくさせることが可能となる。これにより、発光装置20は、空間の広がりを強調しながら、落ち着き感のある雰囲気を演出し、高級感等の雰囲気を空間Sに付与することができる。
さらに、面光源装置50に用いられる光源51の発光体52を適宜選択することにより、発光装置20の発光色に色味を持たせることも可能となる。光源51が、異なる波長域の光を放出する複数種類の発光体52を含む場合、どの発光体52を点灯させるかに応じて、発光色を変化させることも可能となる。例えば、空間Sの温度や季節に応じて、発光装置20での発光色を変化させるようにしてもよい。また、空間Sの利用目的、例えば空間S内で話し合われる内容等に応じて、発光装置20での発光色を変化させるようにしてもよい。さらに、発光色の制御に代えて又は発光色の制御に加えて、発光量を制御するようにしてもよい。発光量の制御は、発光に用いられる発光体52の種類や数量を調節することで実現可能である。このような発光装置20によれば、空間S自体の雰囲気を高める効果を越えて、空間S内に居る人の感性に訴えて快適性等を付与することも可能となる。
以上に説明してきた一実施の形態において、発光装置20は、発光面50aを有する面光源装置50と、発光面50aに対面する発光領域Z1と発光領域Z1に隣接する非発光領域Z2とを含む化粧シート40と、を有している。また、面光源装置50は、光源51から射出した光を面状光に変換する光学部材55を有している。また、発光面50aの或る位置からの出射光量は、当該位置よりも一軸方向d1における一方の側s1に位置する発光面50aの他の或る位置からの出射光量よりも少なくなっている。そして、非発光領域Z2は、一軸方向d1における一方の側s1とは反対側となる他方の側s2から発光領域Z1に隣接している。この発光装置20では、面光源装置50の発光面50aから射出した光は、化粧シート40を透過して、発光装置20が設置された空間Sに進むことができる。このような発光装置20では、化粧シート40が人工的に照明されているものとして把握されにくくすることができる。加えて、化粧シート40の発光領域Z1のみが面状に発光するようになる。このような発光装置20によれば、面光源装置50の存在感を効果的に薄めることができ、これにより、空間Sの雰囲気を効果的に演出することができる。具体的には、落ち着き感のある雰囲気を演出しながら空間の広がりを効果的に強調することができる。結果として、この発光装置20によれば、空間Sに高級感や快適性を付与することができ、空間Sに付加価値を加えることができる。また、この発光装置20によれば、一軸方向d1における一方の側s1とは反対側となる他方の側s2から非発光領域Z2が発光領域Z1に隣接している化粧シート40に対して、発光面50aの或る位置からの出射光量を、当該位置よりも一軸方向d1における一方の側s1すなわち発光領域Z1側に位置する発光面50aの他の或る位置からの出射光量よりも少なくすることができる。これにより、発光領域Z1内の明るさを、非発光領域Z2に近接する領域において非発光領域Z2から離間する領域よりも暗くすることができる。この結果、面光源装置50の存在感をより効果的に薄めることができる。
また、上述した一具体例において、一軸方向d1に沿って、発光面50aからの出射光量が変化するようにした。そして、発光領域Z1と非発光領域Z2は、一軸方向d1に、並んでいる。この発光装置20によれば、発光領域Z1内の明るさを、非発光領域Z2に近接する領域と、非発光領域Z2から離間する領域とで、異なるようにすることができる。この結果、面光源装置50の存在感をより効果的に薄めることができる。
さらに、上述した一具体例において、発光面50aの任意に選択される位置からの出射光量は、当該位置よりも一軸方向d1における一方の側s1に位置する発光面50aの他の位置からの出射光量以下となっている。この発光装置20によれば、発光領域Z1内の明るさを、非発光領域Z2に接近するにつれてしだいに暗くすることができる。これにより、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界を効果的に目立たなくさせることができ、面光源装置50の存在感をより効果的に薄めることができる。また、空間の広がりをより効果的に強調することができる。
さらに、上述した一具体例において、面光源装置50は、その内部を進む光の進行方向を変化させる取出要素61を含む導光板60と、化粧シート40のシート面に沿った一軸方向d1における一方の側s1から導光板60に対面する光源51と、を有している。そして、非発光領域Z1は、一軸方向d1における一方の側s1とは反対側となる他方の側s2から発光領域Z2に隣接している。この発光装置20によれば、発光領域Z1内の明るさを、非発光領域Z1に接近するにつれてしだいに暗くすることができる。これにより、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界を効果的に目立たなくさせることができ、面光源装置50の存在感をより効果的に薄めることができる。また、空間の広がりをより効果的に強調することができる。
さらに、上述した一具体例において、導光板60は、一軸方向d1における他方の側s2となる端部領域に、可視光反射機能を有した反射部69または可視光吸収性を有した吸収部68を含んでいる。このような導光板60によれば、導光板60の入光面60cに対向する反対面60dからの光漏れを効果的に防止することができる。したがって、発光領域Z1の非発光領域Z2に接続する端部が局所的に明るくなることを効果的に防止することができる。これにより、面光源装置50の存在感をより効果的に薄めることができる。また、反射部69を用いた場合には、光源51から射出した光の利用効率を効果的に改善することもできる。
さらに、上述した一具体例において、発光面50aのいずれかの周縁部における当該発光面50aからの出射光に起因した照度X[lx]と、発光面50aの周縁部に対面する位置での化粧シート40の可視光線透過率T[%]及び可視光線反射率R[%]とが、次の式(A)関係を満たすことが好ましい。
1≦(X×T+300×R)/(300×R)<1.1 ・・・(A)
より厳密には、発光面50aのいずれかの周縁部における当該発光面50aからの出射光に起因した照度X[lx]と、発光面50aの周縁部に対面する発光領域Z1の周縁部での化粧シートの可視光線透過率T[%]と、発光領域Z1の周縁部での化粧シート40の可視光線反射率R[%]と、発光領域Z1の周縁部に隣接する非発光領域Z2の周縁部での化粧シート40の可視光線反射率R[%]とが、次の式(B)関係を満たすことが好ましい。
1≦(X×T+300×R)/(300×R)<1.1
・・・(B)
この発光装置20によれば、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界を効果的に目立たなくさせることができ、面光源装置50の存在感をより効果的に薄めることができる。また、空間の広がりをより効果的に強調することができる。
さらに、上述した一具体例において、発光装置20は、少なくとも非発光領域Z2に対面して配置されたボード30を、更に有している。ボード30を用いることによって、面光線装置50の構成要素や化粧シート40を安定して支持することができる。これにより、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界を効果的に目立たなくさせることができ、面光源装置50の存在感をより効果的に薄めることができる。
さらに、上述した一具体例において、面光源装置50の発光面50aは、ボード30の非発光領域Z2に対面する面30aと、同一仮想面上に位置している。したがって、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界を効果的に目立たなくさせることができ、面光源装置50の存在感をより効果的に薄めることができる。
さらに、上述した一具体例において、ボード30は、非発光領域Z2及び発光領域Z1の両方に対面して配置されている。ボード30は、発光領域Z1と向かい合う位置に面光源装置50を収容する凹部31を設けられている。ボード30を用いることによって、面光源装置50の構成要素や化粧シート40を安定して支持することができる。これにより、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界を効果的に目立たなくさせることができ、面光源装置50の存在感をより効果的に薄めることができる。
なお、上述してきた具体例に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
上述した具体例では、面光源装置50の存在を目立たなくさせるため、第1方向d1に沿って、面光源装置50の発光面50aからの出射光量が変化する例を説明した。しかしながら、この例に限られず、化粧シート40の発光領域Z1からの出射光量を第1方向d1に沿って変化させることで、面光源装置50を目立たなくさせることができる。したがって、第1方向d1に沿って、発光面50aからの出射光量及び化粧シート40の透過率の少なくとも一方が変化すればよい。
例えば、或る位置での化粧シート40の可視光線透過率を、当該位置よりも第1方向d1における第1側s1に位置する他の或る位置での化粧シート40の可視光線透過率よりも低くすることで、第1方向d1における第2側s2に位置する非発光領域Z2に近接する位置で化粧シート40からの出射光量を低下させることができる。この発光装置20によれば、発光領域Z1内の明るさを、非発光領域Z2に近接する領域において非発光領域Z2から離間する領域よりも暗くすることができる。この結果、面光源装置50の存在感を効果的に薄めることができる。
さらに、任意に選択される位置での化粧シート40の可視光線透過率を、当該位置よりも第1方向d1における第1側s1に位置する他の位置での化粧シート40の可視光線透過率以下とすることで、第1方向d1における第2側s2に位置する非発光領域Z2に近接するにしたがい化粧シート40からの出射光量を低下させることが、可能となる。この発光装置20によれば、発光領域Z1内の明るさを、非発光領域Z2に接近するにつれてしだいに暗くすることができる。これにより、発光領域Z1と非発光領域Z2との境界を効果的に目立たなくさせることができ、面光源装置50の存在感をより効果的に薄めることができる。
他の変形例として、発光装置20の全体構成を適宜変更することができる。以下に説明する変形例によっても、上述した具体例と同様の作用効果を奏することができる。
まず、図12に示すように、上述した具体例における補助建材21を省略することができる。図12に示された例において、ボード30は、第1方向d1において、面光源装置50を収容する凹部31よりもさらに第1側s1に延びている。そして、光源51の発光体52は、ボード30の面光源装置50よりも第1方向d1における第1側s1に位置する部分に保持されている。図12に示された例によれば、化粧シート40、ボード30及び光源51を少なくとも含む発光装置20、建材パネル3または組立キット4の取り扱いや、構造体2への取り付けが容易となる。
また、構造体2に発光装置20を収容する部位を設けても良い。図13及び図14に示された例において、発光装置20は、図12に示された発光装置と同一となっている。ただし、図13及び図14に示された例においては、天井cに凹部caが形成され、発光装置20の第1側s1に位置する端部領域を収容している。凹部caを設けることで、発光装置20が安定して保持されるようになる。また、図13及び図14に示すように、面光源装置50の光源51が凹部ca内に位置している。この結果、化粧シート40の発光領域Z1は、天井cと接続している。このような発光装置20によれば、より効果的に、空間Sの雰囲気を演出することができる。さらに、図示された例において、導光板60の第1方向d1における第1側s1の端部は、天井cの表面よりも第1方向d1における第1側s1に位置しており、第1方向d1における第1側s1の端部から壁wを明るく照明することができ、演出効果をより高めることができる。
さらに、図15に示すように、ボード30は、面光源装置50を背面側から支持している必要はない。図15に示す例において、ボード30は、化粧シート40の非発光領域Z2のみに対面しており、発光領域Z1には対面していない。構造体2の壁本体waと面光源装置50との間には、支持体33が配置されている。面光源装置50は、この支持体33によって、壁本体waに固定されるようにしてもよい。支持体33として、支持フレームや支持ボルト等を用いることができる。図15に示された例において、支持体33も、建材パネル3または組立キット4に含まれるようにしてもよい。
さらに、図16に示すように、発光装置20が、ボード30を含んでいなくてもよい。図16に示された例において、面光源装置50は、光源51も含めて、支持体33によって壁本体waに固定されている。化粧シート40は、その周縁において、構造体2に保持されるようにしてもよい。
さらに、上述した具体例において、発光装置20は、建材パネル3として壁本体waに固定されていたが、この例に限られない。図17に示すように、発光装置20がなす建材パネル3のみによって、建物1の壁wが形成されるようにしてもよい。図17に示された例において、発光装置20は、ボード30と、ボード30に支持された面光源装置50と、ボード30の両側の主面に積層された一対の化粧シート40を有している。一対の化粧シート40のうちの第1の化粧シート40Aが、その一部分を面光源装置50によって照明されるようになっている。一方、一対の化粧シート40のうちの第2の化粧シート40Bは、面光源装置50によって照明されない。第2の化粧シート40Bは、通常の壁紙と同様に、その全域においてボード30に貼合され得る。
ただし、図18に示された例のように、第2の化粧シート40Bも、第1の化粧シート40と同様に、面光源装置50によって照明されるようにしてもよい。この例において、発光装置20は、第1の化粧シート40A用の面光源装置50と、第2の化粧シート40B用の面光源装置50とを別途に含んでいても良いし、或いは、単一の面光源装置50が、両面発光して、第1の化粧シート40Aと第2の化粧シート40Bの両方を照明するようにしてもよい。両面発光型の面光源装置50は、一例として、図4に示された面光源装置50の反射シート57に代えて光拡散シート56を設けることで得られる。
さらに、上述の具体例において、導光板60が、発光領域Z1のみに対面し、非発光領域Z2に対面しないようにした。しかしながら、この例に限られず、図19に示すように、導光板60が、化粧シート40の発光領域Z1及び非発光領域Z2の両方に対面するようにしてもよい。上述したように、導光板60内を進む光は、取出要素61によって、導光板60から出射することが可能となる。したがって、導光板60のうちの取出要素61が設けられていない領域からは、光が出射することはない。すなわち、導光板60のうちの発光領域Z1に対面する領域のみに取出要素61を設けることで、導光板60の化粧シート40側を向く面のうち、発光領域Z1に対面する領域が出光面60aとして機能し、非発光領域Z2に対面する領域は、光が出射する出光面60aとして機能しない。したがって、図19においても上述した具体例と同様の作用効果が得られる。
また、別の変形例として、図27に示すように、化粧シート40が、面光源装置50の二以上の面に対面して配置されるようにしてもよい。図27に示された例において、面光源装置50は、一対の主面50bと一対の主面50bの間に位置する側面50cとを有している。一方の主面50bが、発光面50aを含んでいる。図示された例において、化粧シート40は、発光面50aを含む一つの主面50bと、この主面50bに隣接する側面50cと、に対面している。より厳密には、図27に示された化粧シート40は、発光面50aを含む一つの主面50bと、この主面50bに隣接する四つの側面50cと、を覆っている。図27に示された例では、化粧シート40及び面光源装置50を含む発光装置20が、一つの部材として取り扱われ、構造体2に取り付けられている。また、ボード30と、ボード30の一方の主面と側面とを覆う化粧シート40と、を含んでなるパネル材70が、発光装置20とともに、構造体2に取り付けられている。図27に示された発光装置20は、形状や大きさを調節されたパネル材70との組み合わせにより、種々の大きさや形状の領域に対して設置可能となる。
図27に関連した変形例として、図28及び図29に示された変形例での発光装置20は、化粧シート40及び面光源装置50に加えて、面光源装置50を保持する支持フレーム34を有している。支持フレーム34は、面光源装置50を補強するとともに、壁w等の外部に面光源装置50を設置することを容易にする。化粧シート40は、面光源装置50に直接接合されていてもよいし、支持フレーム34に接合されて面光源装置50に対面するようにしてもよい。図28に示された例において、化粧シート40は、その発光領域Z1において、面光源装置50の支持フレーム34によって覆われていない領域に対面する。また、化粧シート40は、その非発光領域Z2において、面光源装置50を覆う支持フレーム34に対面している。図29に示された例において、化粧シート40の非発光領域Z2は、支持フレーム34を介して面光源装置50の側面に対面する領域にまで広がっている。さらに、図28及び図29に示された例において、発光装置20は、面光源装置50とともに支持フレーム34に支持された支持板35を有している。支持板35は、発光装置20に剛性を付与するための部材であり、例えばアルミニウム等の金属製の板材とすることができる。支持板35は、図28及び図29に示された例だけでなく他の例にも適用可能であるが、図28及び図29の例から省略することも可能である。
さらに、他の変形例として、図30に示すように、発光面5aを化粧シート40の全面に対面する大きさに形成することで、化粧シート40が非発光領域Z2を有さず、発光領域Z1のみを有するようにしてもよい。
さらに、他の変形例として、上述してきた発光装置20は、照明器具15と組み合わせることなく単独で用いることもできる。この例においても、発光装置20は、空間Sの雰囲気を演出することができ、さらに、空間Sを照明する機能を付与されてもよい。
図23では、光拡散シート56と化粧シート40との間に調整シート59すなわち調整層を備えた発光装置20の例について説明した。これに対して、図31に示すように、調整シート59は、光源よりも反射シート57側に設けてもよい。図31の例によれば、調整シート59の存在を利用者に認識させないようにすることができるので、調整シート59による意匠性の低下を抑制することができる。
これまでは、発光面50aおよび反射板57が平坦である発光装置20の例について説明した。これに対して、図32に示すように、発光面50aおよび反射板57は、一軸方向d1に交差する方向すなわち発光面50aに交差する方向に湾曲していてもよい。発光面50aおよび反射板57を湾曲させることで、発光装置20から射出される光の方向の自由度を広げることができるので、空間の雰囲気を更に効果的に演出することができる。
上述したように、化粧シート40及び面光源装置50は、組立キット4として取り扱われても良い。すなわち、面光源装置50の光学部材55の少なくとも一部および化粧シート40の組み合わせが、組立キット4として流通または販売され、建物1や移動体に設置されるようにしてもよい。この例において、組立キット4を構成する化粧シート40や面光源装置50を順に建物1や移動体に設置して構造体2を作製するようにしてもよいし、或いは、まず、組立キット4を構成する化粧シート40や面光源装置50を用いて発光装置20や建材パネル3を組み立て、次に組み立てられた発光装置20や建材パネル3を建物1や移動体に設置して構造体2を作製するようにしてもよい。
なお、以上において一実施の形態に対する具体例および変形例を説明してきたが、当然に、複数の例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
1 建物
2 構造体
2a 化粧面
3 建材パネル
4 組立キット
10 照明システム
15 照明器具
20 発光装置
21 補助建材
22 留具
30 ボード
30a 表面
31 凹部
33 支持体
40 化粧シート
40A 第1の化粧シート
40B 第2の化粧シート
50 面光源装置
50a 発光面
51 光源
52 発光体
55 光学部材
56 光拡散シート
57 反射シート
58 光学シート
60 導光板
60a 出光面
60b 裏面
60c 入光面
60d 反対面
61 取出要素
65 導光板本体
65a 凹凸面
65b 凹部
66 光散乱層
66a 支持層
66b 光散乱要素
67 光散乱要素
68 吸収部
69 反射部
d1 第1方向
s1 第1側
s2 第2側
c 天井
ca 凹部
w 壁
wa 壁本体
f 床
S 空間
Z1 発光領域
Z2 非発光領域

Claims (14)

  1. 発光面を有する光学部材と、
    前記発光面に対面する発光領域および前記発光領域に隣接する非発光領域を含む化粧シートと、を備え、
    前記発光面の或る位置からの出射光量は、当該位置よりも一軸方向における一方の側に位置する前記発光面の他の或る位置からの出射光量よりも少なく、
    前記非発光領域は、前記一軸方向における他方の側から前記発光領域に隣接し、
    前記発光面のいずれかの周縁部における当該発光面からの出射光に起因した照度X[lx]と、前記発光面の前記周縁部に対面する位置での前記化粧シートの可視光線透過率T[%]及び可視光線反射率R[%]とが、次の式(A)を満たす、発光装置。
    1≦(X×T+300×R)/(300×R)<1.1
    ・・・(A)
  2. 前記一軸方向に沿って、前記化粧シートの透過率が変化する、請求項1に発光装置。
  3. 前記光学部材は、
    前記発光面における光の出射側と反対側において前記発光面に対向する反射板と、
    前記発光面の他の或る位置からの出射光量よりも少なくなるように前記発光面の或る位置からの出射光量を調整する調整層と、を有し、
    前記発光面と前記反射板との間において前記発光面および前記反射板に対して前記一軸方向における一方の側に位置し、前記一軸方向における一方の側から他方の側に向けて光を射出する光源が設けられており、
    前記調整層は、前記光源よりも前記反射板側に位置する、請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記光学部材は、導光板を含み、
    前記一軸方向における一方の側から前記導光板に対面して、光源が設けられている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置。
  5. 前記導光板は、前記一軸方向における前記他方の側となる端部領域に、可視光反射性を有した反射部または可視光吸収性を有した吸収部を含む、請求項4に記載の発光装置。
  6. 或る位置での前記化粧シートの可視光線透過率は、当該位置よりも前記一軸方向における一方の側に位置する他の或る位置での前記化粧シートの可視光線透過率よりも低い、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. 少なくとも前記非発光領域に対面して配置されたボードを、更に備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光装置。
  8. 前記光学部材の前記発光面は、前記ボードの前記非発光領域に対面する面と、同一面上に位置している、請求項に記載の発光装置。
  9. 前記ボードは、前記非発光領域及び前記発光領域の両方に対面して配置され、
    前記ボードは、前記発光領域に対向する位置に前記光学部材を収容する凹部を設けられている、請求項又はに記載の発光装置。
  10. 前記発光面および前記反射板の少なくとも一方は、前記一軸方向に交差する方向に湾曲している、請求項3に記載の発光装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の発光装置用の組立キットであって、
    前記化粧シートと、
    前記発光面を形成する前記光学部材と、を備える組立キット。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の発光装置または請求項11に記載の組立キットを備える建材パネル。
  13. 請求項12に記載の建材パネルを備える構造体。
  14. 請求項11に記載の組立キットを設置する工程を備える、構造体の製造方法。
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